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田口(誠)
委員 大臣も、私の申し上げようとすることは十分に認識されておるようでございますが、局舎の
関係は、私は岐阜を例にとって申し上げましたけれども、岐阜だけではありません。これはどこの法務局の建物を見ていただきましても、東京を見ていただいてもわかりますが、非常に暗い感じがするのですね。
人権を侵害された者が、あそこへ行ってお願いをするというような入りやすい局舎じゃありません。それから登録の問題で大衆が出入りするような大衆的な建物には、なっておらないわけなんです。これから建てられる法務局というものは、もう少し大衆の出入りしやすいような環境の建物にしてもらわなければ、いまどこの法務局に行ってみても、何だか一番感じが悪いのですね、ほんとうに感じが悪いのです。だから、せっかくこれから改築をされる場合には、そういう点に十分に心を置いていただいて、大衆の利用するものですから、やはり大衆の利用しやすい環境の建物をつくってもらわなくてはならないと思う。私は、去年
人権擁護の問題で
関係があって、岐阜の法務局に何回か脚入りしましたが、課長以下三名の人たちは、ほんとうにてんてこ舞いですよ。そして、なかなか時間には帰れません。時間に帰れないから全部残業手当をもらっているかといったら、これはきまっているから、それはもらってはおりませんよ。だから、待遇の面からいっても、もう少しこういう
職員を見てやっていただかなくてはなりませんし、全国で課長を含めて百六十名、こんなことでは、
人権擁護
委員会をつくって、擁護局もあるのだと言ってみても
——岐阜の法務局の
人権擁護課は、たった三名ですよ。三名でこんなにたくさんの
事件を扱っている。年々
事件がふえていっているのだから、来年は早急に
定員をもっとふやしてもらって、そしてその
内容を充実してもらい、そしてただいま申しましたような
法律の
内容を検討していただきたいと思う。
それで私は
参考に申し上げますのは
——これは
参考に申し上げましても、決して法務局の
職員を責めてもらっては困るのです。これは法務局の
職員もやっきになってやりましたけれども、擁護
委員会の構成が、私が見てはどうも反動的であるので十分な結論を出しておらないわけです。それで、岐阜県の揖斐郡徳山村で電気を導入するというのとしないというのと、両方に分かれたわけです。そうしてとうとう電気を暗くしてしまったら電気を導入するであろうというので、自家発電をやっておった電柱を一日のうちに全部切り倒してまっ暗やみにしてしまった。それでも山間僻地の非常に純朴な農民の衆だから、問題もそれほど起こらずにそれは済みましたけれども。それから今度は電気を引くようになったときに、賛成をした者にだけ電気を引いて、賛成をしなかった者は、
あとから電気を申し込んだら電気は引いてやらない、こうきたわけです。いわゆる村八分の問題がそこでできたわけです。したがって、これでは困るからといって
人権擁護
委員会のほうへ提訴をして、いろいろとお骨折りをかけたのです。だから、その三人の
職員の人は、これはたいへんな問題だというのでやっきになってやってくれましたけれども、その三人で結論を出すわけにいかぬ、これはやはり
委員会にかけて結論を出さなければならぬというので、結論の出た
内容はどういう結論が出たかといえば、とにかく誓約書を書かねばもう電気は引いてやらぬということでございます。誓約書はどういう誓約書になっておったかといえば、昨年の七月に電柱を切り倒してしまってまっ暗にしてしまった、このことは正しいことだったということを追認するということが、第一項目にあるんです。それから第二項目には、これは自家発電ですから、自家発電の組合に入っておる人も入っていない人もありますが、黒字が出ましたので、自家発電をやめて電気導入ということになりますと、黒字の配分があるわけなんです。そうすると、この黒字の配分は、自家発電の組合員であった者にも、あったものでない者でも、一番最初に電気導入に賛成をした人にはやはり費用として分担をしてやるのだという、このことを認めますということ、こういう誓約書であります。そうして三つ目にはどういうことかといえば、将来電気の施設については、どこにどんなものが施設されても文句は言いません、協力いたします、こういうことなんです。自分のところの門先にいろいろな施設が立てられても、どんなものができても、電気の問題ではもう文句は言いません、こういう誓約書を書かなければ、電気を引いてやらぬということなんです。それでしかたがないから、二十五戸ほどは誓約書を書いて電気を引いてもらった。
あとの残りの人は、そんなばかな誓約書は書かぬと言ったら、これは電気導入法によるところの
法律に基づいて補助金をとって電気を導入したのですが、その期限が切れる
昭和三十九年の三月三十一日までは電気を引いてくれなかったわけです。こういう村八分にした問題は、とうとう日弁の
人権擁護のほうに提訴されて、そうしてこれはラジオで放送されたりテレビに出たり、そのうちにこの問題が解決したときには、新聞ぐらいではない、私は週刊雑誌の記事になろうと思うのです。こういう問題が出てきたときに十分に処理できないということは、これはやはり
定員が足りないということと、もう一つは
委員の構成というものがいかにも反動的であるということを、私は物語ると思うわけです。これはいま、日弁が問題として取り上げております。日弁が取り上げるような問題は数多くございませんが、そうして日本にもおそらく
——電気を引くことにまだ賛成をしなければ、まっ暗にしてしまったらこれは全部賛成するだろうといって電柱を切り倒してしまって、文句を言わなんだほうも文句を言わなんだほうだが、
警察は立ち合っておるのですね。
警察は何のために立ち合ったかわかりませんが、そういう
事件がございます。いずれにいたしましても、こういう問題を
人権擁護局のほうへ持ち込んだ場合の処理が、やはり十分に納得のいくものはできないということなんです。その
内容を私がなお追及して調べてみましたら、
人員の
不足で、やはり電気は早くつけねばならぬということでちょっと急いだ面もありまするので、これは
委員会のほうへ早く持っていったら、
委員会の結論がそういうように出たということなんです。だから、こういう問題もございまするので、法務局のあり方というものは、局舎の建て方から頭をひねっていただかなくてはならない問題であろうと思うのです。そういうものを含めて、ひとつお約束をしてもらいたいと思うのです。