○村山(喜)
委員 その問題につきましては、いずれ
答申等が出てまいりますので、その際触れてまいりたいと思いますが、今回三百六十八名の定員が増加され、その中で付属機関であります
国立療養所、これは逆に百九十八名の減ということであります。もちろんその職員等は
国立病院や
国立がんセンターのほうに吸収されるということになるだろうと思うのでありますが、先般私の選挙区の阿久根という療養所に参りました。そこに入院しております患者の人たちに集まっていただきまして、いろいろ患者の
意見を聞いたのであります。その中で、実は自分はこの前までは生活保護によって療養を受けておりました。ところが、今回結核予防法の対象として取り扱いをされるようになって、いわゆる命令入所という形へ切りかえをされました。ところが、そこの療養所は結核専門でありますから、胃の
関係あるいはガンの
関係については、これは取り扱いをしてくれない。まあくれる薬は胃散程度の、問に合う程度のものしかくれないので、どうも胃かいようの心配があるので鹿児島の大学の病院に診察を受けに行った。ところが、それはおまえのかってで診察を受けに行ったんだから、それの旅費等については、おまえは結核予防法に基づいて入院をしている患者であるから、そういうような治療を受けたり、診察を受けたりする費用というものは出すことはできない。だから、それはおまえの自己負担によって処理していくべきだということで、それの問題については全然措置をしてもらっておりません。私は、現在金がないので、鹿児島までいく汽車賃と、それから診療費等については患者の同室の人たちからお金を借りて行っておるんだ、こういうような話であります。そこで私は患者の人たちに聞いてみたら、結局こういうような結核だけを専門にする療養所であると、総合的な治療、診療ができない、そこに欠陥があるのではないかということで、これをそういうような
国立病院のような形にしてもらいたいという要請を受けたわけであります。ところが、いろいろ客観的な事実を調べてまいりますと、とてもそこに
国立病院まで昇格をさしていくような、そういうような地域的な状況にきていない。とするならば、その療養所を廃止をされるというようなことが、今回もこのようにして出ているわけでありますが、そういうような
国立の療養所なり、あるいは
国立の病院なりの患者の取り扱いというような問題を
考えてまいりますと、やはり
国民一人一人については、それは国の費用によって治療を受けておる立場があって、非常に遠慮はいたしておるわけでありますけれ
ども、そのような治療を受けるのにあたって金の出どころがない、こういうような状態にあった場合には、
国民の健康を守るという
厚生省本来の機能的な役割りが果たし得ないのではないか、そこには何らかの
行政の欠陥があるんじゃないかというふうに
考えたのでありますが、そういうような事態が現実において出ておるということは、あなた方も御
承知のとおりであると思うのであります。この
意見書の中にも出ておりますが、ある町において、
国民健康保険の取り扱いの診療対象からはずされておるがために町費を持ち出さなければならないというような、そういう実例等も報告されておるようであります。これは宮城県の人の
意見でもありますが、結核検診は国から三分の二程度の金をもらってやっておるけれ
ども、最近は市民からガンの検診であるとか、あるいは高血圧の検診の
希望が多い。そこでこれらの予防検診事業はまだ法制化されていないので、地方の自治体の負担で実施せざるを得ない。そういうことで、自分の町では三年ほど前からやっておるけれ
ども、ことしは町から八十万円も出しておる。受診者一人からは一人当たり二百五十円をとって胃腸病の検診を計画しておる、こういうようなことの報告もございます。そういうふうな立場から、現実に
厚生省がおやりになっておる
国民の健康を守るという予防治療、そういうような問題について、各
行政機関の中における一貫した
機構というものがつくられておるのかどうかという点を感じましたので、それに対する御質問を申し上げたわけでございます。したがいまして、今回
国立療養所百九十八名を減員をされる。これに関連をいたしまして、そのような
行政機関のあり方の問題について、どのようにお
考えになっておられるかを説明を願いたい。