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1964-10-01 第46回国会 衆議院 逓信委員会 第37号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年十月一日(木曜日)     午前十時三十八分開議  出席委員    委員長 加藤常太郎君    理事 秋田 大助君 理事 金丸  信君    理事 大柴 滋夫君 理事 栗原 俊夫君    理事 森本  靖君       小渕 恵三君    木部 佳昭君       佐藤 孝行君    志賀健次郎君      橋本登美三郎君    安宅 常彦君       片島  港君    佐々木更三君       下平 正一君    永井勝次郎君       畑   和君    柳田 秀一君       受田 新吉君  委員外出席者         郵政事務官         (人事局長)  曾山 克己君         専  門  員 水田  誠君     ————————————— 本日の会議に付した案件  郵政事業に関する件(仙台郵政局人事に関す  る問題)      ————◇—————
  2. 加藤常太郎

    加藤委員長 これより会議を開きます。  郵政事業に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。栗原俊夫君。
  3. 栗原俊夫

    栗原委員 昨日質問をしたのですが、担当の方が見えないので、きょうに持ち越した問題でございますが、実は去る八月国政調査東北方面調査に行ったおりに、たまたま東北郵政管内で、具体的には岩手地区で、いろいろ組合闘争の結果、当局の忌諱に触れて、二名の者が首切りというような最悪の事態に追い込まれておる。このことについて組合側からいろいろな陳情を受けました。もちろん一方的な聞き方ではぐあいが悪いので、当局からもいろいろ伺ってみたのでございますが、私たちの判断では、どうもこの処断はいささか酷に過ぎるのではないかというような感じを受けてきたわけでございますが、本省としてはこの事態をどのように把握しておるのか、実態はどうであったのか、そしてその後どんなぐあいに推移しておるのか、この点についてお話を伺いたいと思います。
  4. 曾山克己

    曾山説明員 御承知ように、昨年の年末に引き続きまして、ことしの春に春季闘争と称します闘争が行なわれました。そのときに全逓におきましては、賃上げの目標達成のためにいわゆる四月十七日の半日ストを頂点といたしまして、戦術的には時間外協定を拒否いたしまして協定せず、また順法闘争またはリボン闘争等を実施いたしまして、さらに一部の郵便局におきましては、こういった順法闘争的な闘争のほかに、私ども立場から見ますと、相当職場秩序を紊乱するよう行為、たとえば局に対します不法侵入あるいはビラの貼付、さらに集団抗議または話し合いの強要ということをいたしましたり、庁舎内でデモをデモりましたり、管理者に対する暴行とか、あるいは職務執行を妨害するというよう違法行為が行なわれたのでございます。  仙台管内岩手地区におきましても、先ほど先生から御指摘のありましたところの岩手地区書記長でございますところの黒沢君、さらに岩手地区執行委員でございますところの小野寺君が、具体的に申し上げますと、黒沢君におきましては、昨年の年末に盛岡郵便局におきまして、またことしの春におきましては、盛岡郵便局並び大船渡郵便局におきましてしばしば無断で入局いたしまして、管理者がこれを制止したのでございますが、その退去要求にもかかわらず、局舎内におきまして多数の組合員を指揮しまして、示威行進を行なったり、または集団の威力をもちまして管理者に執拗に話し合いを強要いたしました。さらに管理者たちに暴言を浴びせまして、いわゆる暴力的行為を行ないました。そのため職務執行が妨害されまして、職場秩序が著しく紊乱いたしたのでございます。同じく小野寺君におきましては、これも昨年の十二月から釜石郵便局花巻郵便局におきまして、またことしの春におきましては北上郵便局におきまして、ただいま申し上げました黒沢君同様の行為をいたしました。このほか各地区におきまして相当の非違行為があったのでございますが、私ども諸般事情を勘案いたしまして、最も情状の重いこの両者、黒沢君と小野寺君につきまして懲戒免の処分に付したわけでございます。  その結果どういうぐあいに推移したかというお尋ねでございますが、先般来東北地方の状況を見ておりますと、一般の組合員におきましては、上部の、いわばことばは必ずしもよくないのでありますが、はね上がった指導者行為にはついていけないというところから、相当反省の色があらわれております。ために、いろいろ具体的にこの懲戒処分対象になりました事件の起こりました局、たとえば釜石郵便局におきましては、若干まだごたごたが残っておるようでございますが、大船渡郵便局におきましては、非常にスムーズに業務を運行しております。また、盛岡郵便局におきましては、これまた円滑な業務を見ておるという次第でございまして、私ども、この処分の結果によりまして事態は好転しておるというぐあいに判断する次第でございます。
  5. 栗原俊夫

    栗原委員 事情を一応すらすらと表面的の説明はお聞きしたわけですが、その両君は行政的にそうした処分には付したが、刑事的にはどうなんですか。当局刑事訴追をしておるのですか。
  6. 曾山克己

    曾山説明員 暴力的行為対象になりました管理者から告訴をしておるという事実はございません。また当局におきましても、ただいまのところこれを告発しているという実情はございません。
  7. 栗原俊夫

    栗原委員 昨日もちょっと言及したのですが、働く者にとっては、首を切られるということは、これは死刑です。かりにも死刑に当たるような断罪をするときに、一方から刑事訴追をできるような明らかな根拠もない。こういうよう事態で、それはもちろんやったこと自体がほめるべきことではない。端的に言えば、好ましからざる行為、また処分に値する行為があったかもしれませんけれども、そのことが気にいらぬからといって、すぐ極刑であるところの死刑に処する、しかも刑事訴追をできるよう根拠もない、こういうことはあまりに酢のように思いますけれども、こういう点についての御所見はいかがでございますか。
  8. 曾山克己

    曾山説明員 私どもといたしましては、法にかかった、特に刑事罰をもって訴追できるような行動がありました場合には、これをいたすにやぶさかでないのでございますが、いろいろ諸般事情を考えまして、ときにはそれを差し控えることもございます。参考までに申し上げますと、同じよう行為をいたしました、結果的には行政処分の関係では停職一年の処分を受けました者が、同じく岩手地方におるのでございますが、この者につきましては、警察のほうにおきまして、その後しばしば取り調べを行ないまして、また、したがって、私ども行政処分に対して別な見解でもって動いておるという事実もあるわけでございまして、諸般事情を勘案いたしまして、私ども刑事処分をもって訴追をしなかったわけでございます。
  9. 栗原俊夫

    栗原委員 もちろん当局が積極的に告訴告発等をしない場合もあろうと思いますけれども、ただいまもお話があるとおり、もっと軽い行政処分をした者に対しても、具体的な事実があれば、警察当局はみずからその捜査権を発動して捜査に入るというよう事態でありますが、この場合は、当局から告訴告発がなければ警察のほうが積極的に動くだけの具体的な案件はないというぐあいに理解していいのですね。
  10. 曾山克己

    曾山説明員 私どもはさように理解しないのでございます。と申しますのは、やはり全般的に考慮し、この者のもろもろの事情を考慮して、私どもから告発する場合もございますし、また告発を思いとどまることもございます。さように御理解願いたいと思います。
  11. 栗原俊夫

    栗原委員 ちょっと答弁が私の質問とすれ違っているのですが、警察当局のほうは、告訴があろうとあるまいと、告発があろうとあるまいと、具体的な事実があれば、当然警察権の発動というものは好もうと好むまいとあるわけですね。したがって、おたくのほうが告発告訴をしないという事態である。ないから警察が動かない。なくても警察が動くべき事態があれば、警察はちょっと待ってくれと言っても、警察権を当然発動してきますよ。しかしこの案件は、おたくのほうからは積極的に告訴告発はしなかった。警察のほうも自発的に発動してはこなかったという案件と理解してよろしいか、こういう質問なんです。
  12. 曾山克己

    曾山説明員 刑事処分行政処分とはそれぞれ領域が違うというぐあいに私解釈しておるのでございまして、二人の懲戒処分、つまり懲戒免職という行為の基礎は、御承知よう国家公務員法の八十二条に基づきまして行なったわけでございます。したがって、必ずしも刑事処分に値しないから国家公務員法八十二条の適用はできないということとは違うと思いますし、また刑事処分行政処分がダブる場合もございますし、いろいろ態様によって違うと思います。この場合におきましては、私ども実は場合によっては告発もしたかったのでございますが、先ほども申しましたように、諸般事情を考慮いたしまして、告発を思いとどまったような次第でございます。
  13. 栗原俊夫

    栗原委員 それは私ども質問とやはりまだ行き違っておるのです。おたくのほうで告訴告発をする気持ちがあったかなかったかということは別なんです。そういうことは別として、警察のほうで積極的に捜査に入る、刑事訴追をしてくるような具体的な案件はあったのかないのか。もちろん刑事処分行政処分のケースは必ずしも同一でないであろうことは私もわかります。しかし、刑事問題としては警察が積極的に捜査に入るよう案件ではなかったのではないか、そう理解してもいいか、こう問うておるわけです。
  14. 曾山克己

    曾山説明員 先ほど参考の例に申し上げましたように、停職一年を受けました男につきましても、実は本人は暴力行為並びに暴力的行為が行なわれたのございます。それにつきましても、私ども告発をしなかったという事情をおくみとりいただきまして御了解いただきたいと思います。
  15. 栗原俊夫

    栗原委員 この問題は、暴力問題とそれから処分の量刑の問題でなかなか議論のあるところであろうと思いますから、本日はこの程度にとどめて、機会を改めてひとついたします。
  16. 安宅常彦

    安宅委員 それでは関連して、私、意見だけ申し上げますが、きょうは時間がないからどういうことをやったのか、公務執行妨害とはどういうことをやったのか、それから暴力行為並びに暴力的行為、あなたはそういうふうに言ったが、そういうことをやったのだという答弁なんですが、私はそういうふうに聞いていない。いろいろな雑誌の論評や情報、それから、この間私は大体同じような仕事をしている役所へ行っていろいろと聞いてみたら、どうも地元の岩手県のやつは、私のほうではあんなばかなことはしない、その人は立場が私どもと違いますから、官も官だが組合組合だという話をしておりました。それでいろいろ聞いてみたら、このごろはやっておりますわざと車にどかんとぶつかってさあ補償金をよこせと言う、そういう当たり屋というのですか、あなたのほうの労務対策は、そういうころび屋と同じだ、ちょっとさわるところんで、それで処分だといって、こうくるのが郵政省の一貫した方針だと笑っておる人さえもおるのです。だから、これは私は非常に重視して、この問題については後日詳しい資料等でそういうものを調べて、徹底的に追及したいということを考えておりますから、これはそういうあなたの言う暴力行為並びに暴力的行為の内容を本委員会で明らかにしなくてはならない、こういう意見を留保しておきたいと思うのであります。
  17. 加藤常太郎

    加藤委員長 次会は追ってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午前十時五十四分散会