運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1964-04-20 第46回国会 衆議院 逓信委員会 第22号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年四月二十日(月曜日)    午後二時十七分開議  出席委員    委員長 加藤常太郎君    理事 上林山榮吉君 理事 佐藤洋之助君    理事 志賀健次郎君 理事 森山 欽司君    理事 大柴 滋夫君 理事 栗原 俊夫君    理事 森本  靖君       小渕 恵三君    小泉 純也君       中村 寅太君   橋本登美三郎君       星島 二郎君    本名  武君       湊  徹郎君    森下 元晴君       渡辺美智雄君    安宅 常彦君       大村 邦夫君    片島  港君       佐々木更三君    下平 正一君       永井勝次郎君    畑   和君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 古池 信三君  出席政府委員         内閣法制局参事         官       吉國 一郎君         (第一部長)         郵政政務次官  金丸  信君         郵 政 技 官         (大臣官房電気         通信監理官)  野口 謙也君         郵政事務官         (人事局長)  増森  孝君  委員外出席者         日本電信電話公         社総裁     大橋 八郎君         日本電信電話公         社副総裁    米沢  滋君         日本電信電話公         社総務理事   秋草 篤二君         日本電信電話公         社職員局長   中山 公平君         日本電信電話公         社計画局長   宮崎 政義君         専  門  員 水田  誠君     ————————————— 四月二十日  委員大高康君、佐藤孝行君、山本幸雄君、中嶋  英夫君及び柳田秀一辞任につき、その補欠と  して湊徹郎君、渡辺美智雄君、森下元晴君、大  村邦夫君及び畑和君が議長指名委員選任  された。 同日  委員湊徹郎君、森下元晴君、渡辺美智雄君、大  村邦夫君及び畑和辞任につき、その補欠とし  て大高康君、山本幸雄君、佐藤孝行君、中嶋英  夫君及び柳田秀一君が議長指名委員選任  された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  電話設備拡充に係る電話交換方式自動化の  実施に伴い退職する者に対する特別措置に関す  る法律案内閣提出第三七号)      ————◇—————
  2. 加藤常太郎

    ○加藤委員長 これより会議を開きます。  電話設備拡充に係る電話交換方式自動化実施に伴い退職する者に対する特別措置に関する法律案を議題として審査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許します。栗原俊夫君。
  3. 栗原俊夫

    栗原委員 電話設備拡充に係る電話交換方式自動化実施に伴い退職する者に対する特別措置に関する法律案、まあ非常に長い名前の法律案でありますが、この法律案については、いろいろと特にその対象になる電話交換に従事する者を中心とした働く人たちの仲間の中から問題が提起されておるわけでございますが、いろいろこの法律を読んでみると、まあお金をくれるという法律なんですね。くれないという法律がなくてくれるという法律なんだが、この間の十七日にも、働いておる人たちが、給料がこれでは食っていけぬ、いま少し物価高に応じて食えるような賃金に上げてくれということに対しては、まことにどうもみみっちい立場をとってストライキ寸前までいく、実力行使寸前までいく、こういうような状況になっておる。そういう立場をとっている当局側が、お金を差し上げようというような内容を持つものをなぜ法律できめなければならぬかということがどうも私にはわからない。この法律できめようというのは、これ以上出さないために、法律をきめようというのか、最低これだけは保証しようということできめようというのか、この辺がどういうことなのか、どうもわからぬので、しろうとの私にわかるように、しろうとの私にわかればおそらく大ぜいの方々にもわかるだろうと思いますので、わかるようにひとつ説明していただきたい、このように思います。
  4. 増森孝

    増森政府委員 ただいまの御質問でございますが、第一次、第二次五カ年計画では、そう過員が生じておりませんで、出ました過員を公社でもって引き受ける、それから郵政としましても、配置転換職種転換といったようなもので大部分を吸収してまいったのでございますけれども、今度の第三次五カ年計画に入りますと、小都市以下になってまいります、ことに郵政省関係委託業務局といったようなところになりますと、非常に小さな、山の奥のような特定局にも及んでくるというようなわけで、配置転換ができないような実情になります。そこで何とかこの辺を、この際やめてもいい——従来も第二次五カ年計画にあたりましてやめる方も多かったのでございますけれども、この際多少のまとまった金がもらえるならばやめてもいいというような人があるのではないかというように感じましたので、よその合理化等の例も見まして、そして大体これくらいの金を差し上げれば、あるいは今度の自動化に伴いましてこの際やめてもいいというような方々が出るであろうということを予測いたしまして、法律できめよう、こういうことに相なったわけであります。
  5. 栗原俊夫

    栗原委員 くれぬというなら、法律できめておかぬと、それは公社のほうもやり切れぬ。防波堤がない。くれるつもりであるのを、なぜ法律でしなければならぬか、私にはそれがわからぬ。くれるつもりがあるなら何も法律なんてなくてもくれられますよ。くれないつもりなら、法律でもってこれ以上はくれないという法律でもつくっておかぬと、なかなか容易でない、守り切れぬということがあるかもしれぬけれども、くれるつもりがあるなら何も法律なんかできめる必要はないのじゃないですか。なぜ法律にするのです。
  6. 増森孝

    増森政府委員 これはせんだってからいろいろ論議された問題でございますが、国家公務員等退職手当法というのがございまして、郵政省職員はもちろんでございますが、電電公社の社員につきましても、退職をするということでもって、ことばをかえて申しますれば、退職時においては、いま申しました国家公務員等退職手当法のうち外には金が出せない、私どもそういまふうに解釈しております。したがいまして、らち外に出すのでございますから、どうしても法律でもってきめなければいけない、こう解釈いたしまして法律でお願いしている次第であります。
  7. 栗原俊夫

    栗原委員 しろうとの私ですから、まあちょっとわかったような気もしないではないですが、それならば、普通の退職退職金のほかに出すのだという立場に立って法律できめなければ出すことができないのだという論拠に立つならば、金額もきめずに団体交渉によってきまったことを退職金法律の別の方法で与えることができるのだとなぜきめられないのですか。
  8. 増森孝

    増森政府委員 国家公務員等退職手当法には、第三条、第四条、第五条とそれぞれ態様が違う退職の場合、いろいろ条件が違っておりますが、そういった違った条件下においてやめる場合の支給条件というものがきめられておるのでございますけれども、今度の場合は、相当額を差し上げるのでございますので、三条、四条、五条退職といったものとはまた別の態様でございますので、支給条件あるいはまた金額等につきましては法律できめなければいけないだろう、かように私ども解釈しております。
  9. 栗原俊夫

    栗原委員 これは法律できめなければいけないのですか。
  10. 増森孝

    増森政府委員 さよう考えております。
  11. 栗原俊夫

    栗原委員 法律論は、あとから森本君が専門的にいろいろ論議すると思いますが、どうも私のしろうと考えでは、退職金の制度からいって、もし立法しなければ一文も出すことができないのだという立場をかりにおとりになるならば、出せる方法——出すことを法律できめておいて、そして働く全電通諸君中心とした人たちは、これは団体交渉条件なのだから団体交渉でもってきめるのだ、こういう主張をしているのだから、何もそれを無理に真正面から対決をしてやらなくても、団体交渉できまった金額を支給することができるのだという立法がなぜできないのか、私はこう思うのですが、どうでしょう。
  12. 増森孝

    増森政府委員 おそらく先生の御希望とされるところは、公労法第八条との関係だと存じます。公労法第八条には、給与その他労働条件等団体交渉事項たり得るという規定がございます。したがいまして、この退職手当というようなものも団体交渉事項にはなり得ると私ども存じます。かつて公労委でもって、国家公務員等退職手当法時限立法でないときでございますが、国鉄等が問題がございまして、そして公労委で問題になったことがございます。法律がないとするならば第八条で団体交渉たり得る。そこで、そういう解釈も成り立つのでございますけれども、その後国家公務員等退職手当法という法律ができましたために、たとえば団体交渉事項といたしまして協約を結びましても、国家公務員等退職手当法に関する限り団体交渉労働協約というものは有効に働いていかない、有効に適用されないというような見解が実は法制局からも出されておるのであります。したがいまして、私どもは、団体交渉たり得るけれども法律で占拠をされておる、国家公務員等退職手当法で占拠されておりますので、その範囲においては団体交渉というものが有効に働いていかない、このように解釈しておるのであります。
  13. 栗原俊夫

    栗原委員 退職手当法によって一応占拠されておる、こう言うのですが、これに対する特別措置だということで、いま立法を行なおうとしておるわけですから、その立法内容について、これは具体的な金額でなくて具体的な金額がはじき出せる方法を明示してあるわけですね。これも一つ方法だとは思うのですよ。しかし一つ方法だとは思うけれども、こういう特例として立法をするならば、その内容に、働く人たちがその金額の決定の方法団体交渉できめようではないか、こういう要求があるならば、特例立法をすることが許されるならば、その内容についてそういう手段方法については許されるのではないか、私は立法論を持つわけなんですけれども、これは法制局を呼んでみないとわかりませんが、この点はどうなんですか。きわめてあるのですか。
  14. 吉國一郎

    吉國政府委員 ただいまの御質疑の点でございますが、立法政策といたしまして、現在国家公務員等退職手当法によって定額を定めておりますが、それに今回の法律のような特例法を設けまして、電話設備拡充に係る電話交換方式自動化実施に伴って退職する者については、特別の給付金を給付することができるということにいたします場合に、その内容団体交渉によってきまった額とすることはいかがであるかという御趣旨の御質疑であると存じますが、これは現在退職手当法のほうが定額をきめておりますので、やはり法律というものは、全体が均衡のとれた、調和のとれた法制として成り立つことが望ましいのでございまして、片方で本来の退職手当につきましては国家公務員等退職手当法の第五条の二の規定によりまして、一定算定方式によって定められる額が給付される。それにさらにつけ加えて給付されるべきものが団体交渉によってきまった額ということは、規定の成立を欠くわけでありまして、立法政策として妥当ではないということから、今回のような立法に相なったものと私どもは了解いたしております。
  15. 栗原俊夫

    栗原委員 いかにも筋が通っておるように見えて、私は筋が通らぬと思うのです。定額退職金等法律がある。あるけれどもその法律でまかない切れない部分特例法として新規立法するわけなんですから、したがってそれは、見方によれば、一方では定額でその特例内容をきめることを希望するということについて、その気持ちがわからぬではありません。しかし、やはり労使というものがあるのですから、その点を、きまった退職等法律ワク外特例をここに新たに設けようというのですから、その点については労使が十分話し合った、そして納得のいける内容を持った方法を講ずるべきだと私は思うんです。これが立法上どうしてもできないのだという論拠があればやむを得ないのですけれども、私はそういう論拠はないと思うのです。だから、やってできないことはないと思うんです。大体これは普通の退職法律外ワクでやろうというケースなんですから、したがって、片一方定額だからこれも定額でなくてはならぬというものではないと思うんです。支給するほうでは、定額にしておけばそろばんもはじきやすい、見通しもつく、予算も立ていい、こういう利点はあるでしょう。あるでしょうけれども、しかし一方、そういう対象になる立場にある人たちは、そういうことでなくて団体交渉という形で金額はきめるべきだという主張をしておるのですから、そのことを取り入れて立法をして、決してこれは絶対に悪いというような条件は私はないように思うのですが、この点はどうでしょう。
  16. 吉國一郎

    吉國政府委員 ただいまの御意見でございますが、ただいま憲法論といたしまして今回の特例法によって御説のようなことができないというようなことでございますならば、さようなことはないとお答え申し上げるよりほかございませんが、やはり先ほど申し上げましたように、国の法制というものは、全体が整斉と統一がとれたものでなければならないというのは、当然国の法制として必要なことでございまして、先ほど申し上げましたように、国家公務員等退職手当法規定によりまして支給されるというもののほかに、今回のような特別の事由によって支給するものについては、今回の法案のように一定の額を法律に定めた基準によって算定してそれを支給するということが、現在の国家公務員等退職手当法が制定されて施行されているという現実の事態に徴すれば、立法政策上はきわめて妥当であると存じます。
  17. 栗原俊夫

    栗原委員 これは片方でばかに了解しちゃっているらしいけれども、こっちは了解できないのです。大体特例法をつくるというケースなので、この事態自体特例なのだから、もしいまおっしゃるような方法でいけるならば、何も特例なんかつくらずに解消できるはずなんです。特例をつくらなければならぬような事態が起こったから特例をつくるのだから、本舞台のほうの筋でいかなければならぬというものじゃなくて、特例をつくるには特例をつくるのに労使ともども一番納得のできる線でいくべきではないか、こう思うのです。これは率直に言って、団体交渉をやってこれで規定しただけ取れない場合もあるかもしれません。もっとよこせという場面があるかもしれません。しかし、とにかく、片一方定額でもって規定してある、しかしそれで律し切れないから特例をつくるのだ、その特例をつくる場合には、その特例に該当する部面の労使人たちが十分話し合って、それではそういう方法でいこうではないかという線を——絶対にだめだというならば別として、絶対にだめだという条件はない、こう公社みずからもおっしゃっておるのでありますから、これはそういう形に持っていって、ことさらに労使間の意見対立紛争というものを招かない道を歩むのが妥当ではないか、私はそう思うのです。再度御見解をお聞きする前にひとつ郵政大臣として御所見を承りたいと思います。
  18. 古池信三

    古池国務大臣 ただいまの御意見は御意見として私拝聴いたしますが、この際の法律的な扱いとしては、やはり法制局当局が説明されたような筋が本筋であろうと私ども考えております。
  19. 栗原俊夫

    栗原委員 では話をほかへ転進することにいたしましょう。  電電公社からいろいろパンフレット、リーフレットが出ておりますが、この法律は、自動化することによって人は余るのだが、決して首を切る法律ではないのだ、こういう言い方をしておりますけれども、これはそうなのですか。大臣からまず御所見を承りましょう。
  20. 古池信三

    古池国務大臣 この法律によって首を切るというものではございません。
  21. 栗原俊夫

    栗原委員 そうすると、少し極論になりますが、自動化すると交換要員というものが過員ができるということは認めるのですね。
  22. 古池信三

    古池国務大臣 今日のような社会情勢の著しい進展に即応いたしまして、われわれの日常生活なり、あるいは経済活動に最も密接の関係があって、しかも最も重要な働きをしておりまする通信を、でき得る限り国民の間に普及して、最も能率のよい運営をはかるということは、われわれの理想であり、国民皆さんが要望しておられるところだと考えます。  今日手動はすでにすたれまして自動化の時代に入っております。そこで電信電話公社でも、先年来非常に力を入れましてこの自動化の促進をやっておられるのでございまして、これは大きく考え国民大衆の利益を増進するものであると考えております。かように従来の手動式から自動式にかえてまいりますれば、機械の働く分野が非常に多くなりまするかわりに、人が働く分野、すなわち交換業務というものの範囲が狭まってくることは理の当然であります。その範囲が狭まってくれば、好むと好まざるとにかかわらず、その従業員は過剰になる、こういうことになるわけでございます。  そこで、過剰になった従業員諸君をどうするかということでありますが、できるだけ働いてもらうという意味合いから、これを他の職種のほうに回ってもらうとか、あるいは他の職場配置転換をするとか、さような方法を講じまして、できるだけ退職するという場合を少なくするように公社のほうでも努力をされております。しかしながら、それだけの努力をはかりましても、どうしても配置転換あるいは職種転換のできない場合も生じてくるであろうと考えます。そうなりますと、そういう人たちは最もはっきりした過剰員、こういうことになろうかと考えております。
  23. 栗原俊夫

    栗原委員 そういう顕著な、はっきりした過剰員が、これだけお金を差し上げれば自発的にやめてくれるだろうということを想定する、こういうのですが、どうもやめてはくれないというようなことで、やめる意思表示がなかったらどうするのですか。
  24. 古池信三

    古池国務大臣 やめる意思表示がなければ、これはそのままその職場におっていただくわけですけれども、私どもとしましては、そうなれば、皆さん良識に富んだ方でありますから、それじゃ自分はやめよう、こういうことになりますれば、多年まことに御苦労さまでございましたというので、一般の退職手当のほかにこれだけの特別な給付金を差し上げて謝意を表する、こういう考えでございます。
  25. 栗原俊夫

    栗原委員 どうもほんとうのことを言っていないような気がするのですよ。いま少しずけりとほんとうのことを言ってみたらどうですか。
  26. 増森孝

    増森政府委員 大臣が何か持って回ったような言い方だと言われるのでございますが、私ども立案当局としましても、ただいまの大臣お答えどおりでございます。私ども立案過程におきまして強制退職を企図するものではないのであります。もしもそれでやめなければどうするのかということに対しましては、私ども従前どおり職種転換とか、あるいは配置転換でもってやっていきたい。それでもなおかつ過員になればどうするのかと申しますれば、やめるまではその局に過員として残しておきたい、このように事務当局考えております。
  27. 栗原俊夫

    栗原委員 それはやめる意思がなければ過員になってもその局へ置いておくのですか。それとも職場を与えれば首切りではないんだというようなたてまえをとって、日本じゅうどこの局へ配転をしても、それは首切ったのじゃないという立場をとるのですか。その辺は大事な点ですから、はっきりしてください。
  28. 増森孝

    増森政府委員 それにつきましては、組合との間に労働協約がございまして、その労働協約によりますと、大体一時間半以内の場合は本人同意がなくても配置転換ができる。それから一時間半をこえた場合等につきましては、本人同意があれば配置転換ができるのであります。その配置転換をします場合にも、労働協約では常識的な点でもって配置転換をさせるということになっておりますので、無理のない範囲で、私どもは必ずしもその局へは残し得るかどうかはわかりませんけれども労働協約に基づいて周辺局配置転換をし、またその局以外には配置転換ができないという人につきましては、その局に残っていただく、このように考えております。
  29. 安宅常彦

    安宅委員 関連。では増森さん、もう一回お伺いしますが、そうすると、配置転換に関する協約があると言いましたが、全電通電電公社の間には「合理化進展に伴なう労働条件等に関する基本的了解事項」というものがあるということはあなた知っていますか。
  30. 増森孝

    増森政府委員 私の聞いた範囲では、全逓と郵政省の間にある労働協約のようなものが全電通にもあるということを聞いております。
  31. 安宅常彦

    安宅委員 いまそういう答弁ですが、「合理化進展に伴ない、諸般の措置を行なうことによって、職員等の「首切り」のごとき事態を到来させない。」だから、配置転換の場合は協約があることはあなた言いますが、そういう基本的了解事項があるのでありまして、余ったときにやめてもらうだけの話を一生懸命あなたはしておりますが、首切りはしないという基本的了解事項があるんですね。そういうことを知らないで立案したのでしょうか。どうでしょうか。
  32. 増森孝

    増森政府委員 あるということは承知しております。
  33. 栗原俊夫

    栗原委員 後ほどそれぞれ専門的な立場人たちから、いろいろとさらに掘り下げてもらうわけですが、電話のほうが、電電公社の直営ばかりでなくて、地方にまいると、小さなところは郵政委託してある、こういうことなんですが、これから漸次そういうところへ具体的な自動化が伸びていく。そうしますと、ここへいろいろと問題が発生してくると思うのですよ。いま言う、いろいろと団体協約があって、ある程度の時間の許す範囲においては云々というような話があるそうですが、そういう場合に、委託局自動化される、そして郵政委託を受けたところに過員ができる、こういうような場面についての郵政公社との話し合いというものは明確になっておるのですか。
  34. 増森孝

    増森政府委員 それにつきましては電電公社郵政省の間に協定がございまして、去年までは、郵政局とその当該地区電通局との間で十分話し合いまして、どれくらい過員を引き受けられるかといったようなことを種々相談しておったわけであります。ところで、そういうものにつきましていろいろとトラブルがないでもないという状態になりましたので、昨年あたりから本社郵政省の間に暫定協定といったようなものをつくりまして、下から何人くらい採れるかといったことを、積み上げ方式でもっていま本社と本省間で話し合っておる状態でございます。
  35. 栗原俊夫

    栗原委員 電話需要が非常にふえてくる。そしてその需要がふえてくるところは、必ずしも自動化されたところばかりではない。手動式のところも、今日まで供給が少なかったために、中央に負けずに需要が出てくる。ところが、やがてはこれが自動化されるということになると、そうした手動式のところの交換要員はやがては過員になる運命に置かれるわけですが、そういうことがあることを展望して、いま電話拡充していく過程において手動式のところへ供給配置を手控えるようなことはございませんか。この辺はどうなんでしょう。
  36. 宮崎政義

    宮崎説明員 ただいまお話のありましたように、どんどん自動化していく現在手動局になっているところは、将来そういうことになるからというので加入の申し込みを手控えているのではないか、こういうようなお話じゃないかと思うのでありますが、私のほうといたしましては、そういう形をやっておりません。できるだけ加入者を入れようといたしまして、自動化全体が資金的にも相当問題がありますので、なかなかその順番が回らぬところにおきましては、単式交換機を複式にするとか、あるいは台の模様がえをいたす、あるいは多少の拡張ができるものは拡張していくということで、できるだけ収容するように努力しております。
  37. 栗原俊夫

    栗原委員 それではお尋ねしますが、すでに自動化した地域の積滞数と、それから自動化をここ一、二年の間に予定されておる地域の積滞数、さらに一、二年の間には自動化されないという手動地帯の積滞数、こういうものの数字を示して、その数字に対して、今年の六十五万のうちでどのように配分するかを明らかにしてください。
  38. 宮崎政義

    宮崎説明員 いま手元に資料を持っておりませんので、あとで調査しまして御報告申し上げます。
  39. 栗原俊夫

    栗原委員 あとでと言うけれども、この法案を審議する中でこれは重大な資料ですから、あとというのはどのくらいあとですか。
  40. 宮崎政義

    宮崎説明員 調べてさっそく御報告いたします。
  41. 栗原俊夫

    栗原委員 一方では、確かに郵政大臣が言うとおり、手動交換式のものが自動化することによって、交換要員というものが、機械化によるところの機械と置きかえによってその職場を離れるということはわかります。しかし一方では、まだ全部が自動化されたわけではなくて手動がある、しかもそういう手動方式のところに多数の需要がある、ここで新たに年次計画電話加入口数を配給していく、したがって、ここには当然交換要員というものが増員される、こうなろうと思うのです。これは公社として背反した方向をとらなければならないような時点に立っておると思うのですが、この点をどのようにやっていくのか、基本的なものの考え方を、これは総裁からお聞きします。いかがですか。
  42. 大橋八郎

    ○大橋説明員 実際問題としては、できるだけ過員を生じないように常に考慮しながら、その計画を進めていくことになっておるわけでありまして、各年度の拡張計画の場合にその大体の見込み等については、そのつど組合にも説明をして話し合うことで現在においてもやっております。できるだけ無理のないような方向でやりたい、こういう大体の方針でやっております。
  43. 栗原俊夫

    栗原委員 全電通の組合も、もちろん職場を守ると同時に、その需要家である国民を常に考えて、いろいろ主張をし、要求を出しておられると思うのですが、そういう中で手動式のところでもって要員を増強するということは、やがて問題が起こるのだからいうようなことで、かりに手動方式の地帯に電話の配給がチェックされるということになれば、電話国民のものであるという立場に立つときには、これははっきりいって承知できりわれわれの立場です。これはどこまでも公平に年次計画による各年度の電話供給というものを分配してもらわなければならぬというわけなので、先ほどそれがわれわれの要求しているような実態に即しておるかどうかを、すでに自動化された地帯の積滞数と今年並びに来年度来年度はまだきまっておりませんけれども計画はあるでしょうから、電話の配給計画、さらにここ一両年に自動化されるところの横滑数と配給計画、さらにここ二両年ではとうてい自動化されない、ある意味においてはかなり長期の展望に立って手動地帯の電話需要、これは当然積滞数という姿であらわれておるわけですが、その積滞数に対する配給計画、こういうものを至急出していただいて、論議を進めたいと思いますが、本日はそういう点を留保いたしまして、私の質疑を終わります。
  44. 加藤常太郎

    ○加藤委員長 安宅常彦君。
  45. 安宅常彦

    安宅委員 この間留保した問題について、栗原委員から話があったようでありますが、法制局にお伺いいたします。  この法案は、国家公務員等退職手当法特別措置といいますか、特例といいますか、どういう性格のものでありましょうか。
  46. 吉國一郎

    吉國政府委員 この法案の性格は、この題名にもございますように、電話設備拡充に係る電話交換方式自動化実施に伴って退職する者に対しまして、特別な措置として一定の給付をいたしまして、その臨時の措置によって過剰となる電話交換要員退職の円滑化をはかるという趣旨のものでありますが、法律的には、国家公務員等退職手当法によります退職手当特例として一定の特別の給付金を支給するという意味におきましては、ただいまも仰せられましたように、国家公務員等退職手当法特例たる性格を有しております。
  47. 安宅常彦

    安宅委員 その給付金というものは、退職手当の一部でありますか。
  48. 吉國一郎

    吉國政府委員 退職手当と申しますと、現在では国家公務員等退職手当法によりまして給付せられるものが退職手当と呼ばれるべきものであると存じますが、広い意味におきまして、国家公務員等の退職に際しまして、その従前の勤務に対しまして一定金額を給付するというような意味におきましては、これも国家公務員等退職手当法による退職手当と同一の性格を持つ広い意味における退職手当である、かように考えております。
  49. 安宅常彦

    安宅委員 退職手当であるという断定はされないのですか、どうですか。
  50. 吉國一郎

    吉國政府委員 これは退職手当ということばの定義の問題でございますが、国家公務員等退職手当法によりすすものを退職手当とかりに呼ぶといたしますならば、今回の給付金退職手当ではございません。しかし国家公務員等退職手当法によります退職手当同様な法律的な性質を持つもの、先ほど申しましたように、国家公務員等が退職をいたしました場合に、その従前の在職に対して給付すべき一定金額退職手当と呼ぶものといたしますならば、今回の特別の給付金も広い意味の退職手当に入るといってよろしいと思います。
  51. 安宅常彦

    安宅委員 あなたに常識論を聞いているのではありません。法制局関係の人を呼ぶというのは、法律上これは退職手当であるかないかということを聞いておるのであります。
  52. 吉國一郎

    吉國政府委員 どうも同じお答えを繰り返すようでございますが、広義におきます退職手当であると考えております。
  53. 安宅常彦

    安宅委員 あなたの言う狭い意味でいった場合には、国家公務員等退職手当法に基づく退職手当を狭い意味といい、それ以外のもので退職手当に類するのを広い意味の退職手当というのでありますか、どうですか。
  54. 吉國一郎

    吉國政府委員 そのとおりでございます。
  55. 安宅常彦

    安宅委員 国家公務員等退職手当法に基づく退職手当ではないということならば、これは堂当然いろいろ問題が起こると思うのでありますが、その前にお伺いをいたしますが、そうした場合には、公労法第八条の団体交渉権との関係はどうなりますか。競合しませんか。
  56. 吉國一郎

    吉國政府委員 公共企業体等労働関係法第八条の各号にございます団体交渉対象とすることができる事項国家公務員等退職手当法関係につきましては、先ほども人事局長からお答え申し上げたわけでございますが、本来公共企業体等労働関係法八条の規定によりますならば、三公社五現業の職員退職をいたします場合に給付せられます退職手当は、公共企業体等労働関係法上は団体交渉事項であるということに相なっております。ところが国家公務員等退職手当法によりまして、国家公務員等の退職に際します退職手当は、その第三条から第五条の二までに原則的な規定を設けておりますが、その規定によりまして算定せられべき額が法定されております。したがいまして、その額そのものについては団体交渉の余地がないと、かように考えております。
  57. 安宅常彦

    安宅委員 もう一回念を押しますが、公労法第八条に基づく団体交渉対象とすることができるという場合には、当然退職手当団体交渉権の範囲であるけれども国家公務員等退職手当法に原則的な規定があるそのものについては、団体交渉権の範囲であっても、その額については団体交渉でやるべき筋合いのものではない、こういう答えでありますか。
  58. 吉國一郎

    吉國政府委員 ただいま例として額を申し上げましたが、この国家公務員等退職手当法の二条以下によりまして、一般の退職手当を第三条以下に、特別の退職手当を第九条以下に規定いたしておりますが、この退職手当の支給につきまして、国家公務員等退職手当法に定めのある事項については、団体交渉の余地がないということでございます。
  59. 安宅常彦

    安宅委員 したがってあなたは、先ほど、この特別の給付金というものが国家公務員等退職手当法に基づく退職手当ではない、つまり公労法第八条に基づく団体交渉対象とすることができるというものは、国家公務員等退職手当法に明記された部分について団体交渉対象ではなくなるということであります。そうしますと、これは国家公務員等退職手当法に基づかないいわゆる広い意味の退職手当的のものであるということならば、当然団体交渉対象になるという論理になると思いますが、どうでありますか。
  60. 吉國一郎

    吉國政府委員 先ほど申し上げましたように、国家公務員等退職手当法によってこの定めによって給付せられべき退職手当でないことはただいま安宅委員の仰せられたとおりでございます。しかしながら、国家公務員等の退職に際しまして、その従前の在職という事実に対して給付すべき広い意味の退職手当というものについて考えまするに、国家公務員等退職手当法によっては一定条件によって一定の額を給付すべきことを定めております。そのような一定条件に当たるものに対しまして国家公務員等退職手当法による額以外の額を支給するということは、法律の定めたところと相異なる給付をいたすことになりますので、これは法律をもってすべきものであるというような考え方で今回の法律が立案せられておるということでございます。
  61. 安宅常彦

    安宅委員 あなたの論はおかしいですね。あなたは明確に国家公務員等退職手当法に基づく退職手当ではないと言うのでしょう。国家公務員等退職手当法に基づく退職手当公労法第八条に基づく団体交渉範囲とすることができぬということになって、それは団体交渉範囲ではないという結果になるが、国家公務員等退職手当法に基づかないところの広い意味の特別給付金というものは、国家公務員等退職手当法関係がないのでありますから、当然これは賃金であり、その他の給与であり、労働条件でありますから、百歩譲っても、その論理自体、私はあとで追究をしたいと思うのでありますが、あなたのいまの答弁からいいますと、当然それは団体交渉できめられるべき筋合いのものである。いま法律はありません。今日まだ成立はしておりません。また百歩譲りましょう。そういう場合には、そういう特別給付金というものは国家公務員等退職手当法にはきまっておりませんから、広い意味のいろいろな給与というものについては団体交渉対象事項であると私は思う。なぜかといいますと、高齢者退職に関する協約その他いろいろな問題について、全電通労働組合は電信電話公社団体交渉に基づいて労働協約を結んでおるのであります。あなたは知っておるはずであります。そういうことを知らないで論議をしているとすれば——それは非常に重要なことでありますが、現実に団体交渉で取りきめておるのであります。そういう場合に、なぜ団体交渉で取りきめたかという問題はここで私は言いませんが、しからば国家公務員等退職手当法が成立するときの附帯決議を、あなたは法制局担当でありますからわかっておると思うのでありますが、その場合にはどういう附帯決議がついて、その精神はどういう精神であるかということも所信を聞いておきたいと思います。
  62. 吉國一郎

    吉國政府委員 国家公務員等退職手当法の第一条には、御承知のように「国家公務員等が退職した場合に支給する退職手当の基準を定める」ということを規定してございます。その法の趣旨にのっとりまして、第二条に適用の範囲を示し、第三条以下に退職の場合の退職手当といたしまして、一定条件に対してはこれこれの一定金額退職手当として支給するということを規定いたしております。今回のように電話設備拡充に係る電話交換方式自動化実施ということが行なわれまして、これによりまして退職する場合にも、何も規定がございません場合には、この国家公務員等退職手当法が適用になりまして、たとえば郵政省職員でございますならば第三条以下の規定公社職員でございますならば第五条の二の規定によって退職手当が支給せられべきことに相なるわけでございますが、この退職手当の額と別に特別の給付金として今回一定の額を給付しようというわけでございますので、国家公務員等が退職した場合に支給する退職手当の基準を定めてございます国家公務員等退職手当法特例として今回の法律が立案せられたものであると私ども考えております。  それから昭和二十八年の附帯決議の趣旨でございますが、これは私ども了解いたしておりますところでは、公共企業体等労働関係法との関連におきまして、公共企業体の職員を国家公務員等退職手当の適用範囲から除外をいたすことが妥当であるとも考えられるがということを附帯決議としていっておられまして、他方これと関連して、公共企業体の職員に対しては恩給法とか国家公務員共済組合法の準用規定を排除して、一般の社会保障制度を適用することも考えられるので、これらの諸問題を総合的に検討した上で公正に解決する方途を講ずべきであるということでございまして、現在でも郵政省及び日本電信電話公社においては十分に検討をしておると思いますが、すでにこの中でも共済組合の関係につきましては公共企業体職員等共済組合法が制定されておりまして、長期及び短期の給付につきましては詳細な社会保障的な規定を設けておるわけでございます。
  63. 安宅常彦

    安宅委員 前段のほうを続けましょう。後段のほうはあとでまたやります。  あなたは非常に重要な発言をしております。国家公務員等退職手当法に基づいてきまっているものは別として、きまっていないものであっても、特殊な場合には、この国家公務員等退職手当法に基づいて支給するのが当然だなどという論を言っておるのでありますが、それは公社郵政省人事局長あたりが、あるいは職員局長が言うのだったら、そういうことを言うでしょうね。あなたは少なくとも法制局の人で、法律できまってないことに法律を適用させるなんて、それはどこから出てきた論理ですか、どうです。
  64. 吉國一郎

    吉國政府委員 先ほど私が申し上げましたのは、国家公務員等退職手当法による退職手当は、この法律にその一定条件を定めておるわけでございますが、このような条件の備わっているものに対しましては、退職手当が支給せられるということを申し述べたわけでございまして、今回の措置給付金の給付の対象となるような電話交換要員でありましても、国家公務員等退職手当法による条件に合致いたします場合には、当然この退職手当が支給せられるということを申し上げたわけでございます。
  65. 安宅常彦

    安宅委員 どうもわからないことをあなたは言っておられるのですが、どうなんですか、あなたは国家公務員等退職手当法に基づいて支給する退職手当ではないと明言をされましたね、その事実は認めるでしょうね。——そうしますと、それ以外のものはどういうものかということになるのです。それ以外に退職手当というのはありますか。
  66. 吉國一郎

    吉國政府委員 これは論理のあやでございますが、たとえば一般職の職員の給与に関する法律、これによって私どもの給与はきまっております。それ以外にもしも給与を支払えば、これは国家公務員法及び一般職の職員の給与に関する法律法律違反として、これは罰則さえも設けられております。かりにその法律規定に違反してだれかか給与等と同一性質のものをもらっておるという場合に、そのものが一般職の職員の給与に関する法律に基づく給与かという御質疑がございますならば、ちゅうちょなくこれは一般職の職員の給与に関する法律に基づくものではないということを申し上げると思いますが、それと同様な意味におきまして、今回の法律によって給付せらるべき特別の給付金は、国家公務員等退職手当法によって給付せられる退職手当ではない。国家公務員等退職手当法によって給付せられます退職手当というものは、先ほど来申し上げておりますように、同法の第二条以下の一定条件を具備する国家公務員及び三公社職員一定条件を満たして退職をした場合に給付するものが退職手当でございます。ただその場合に、その第一条にもございますように、国家公務員等が退職した場合に支給する退職手当の基準はこの法律が定めるといっておりますので、この法律の定めるもの以外の退職手当を支給することは、この法律規定に反するということで、この法律によらないでそのような給付をすることはできないというのが私ども考え方でございまして、そのために、この法律特例として今回の法律を立案いたしたということでございます。
  67. 安宅常彦

    安宅委員 そうしますと、あなたはそれ以外の退職手当はない、だから、このたびの特別給付金はいわゆる国家公務員等退職手当法に基づく退職手当ではないということを言ったんですよ。退職手当でなかったらどういうものかということです。広い意味の給与、広い意味の退職手当——さっき給与の問題に例をとって、ことばのあやとかいう、うまいことをあなた言いましたが、たとえば電電公社には何か電話加入権まで与えておる人がおるんです。これは広い意味のやはり退職手当に対する——大臣は、この給付金は何だと言ったら、御苦労さんでした、こういうものだと言いましたが、長い間つとめてくれました、御苦労さんでしたというので、電話加入権まで与えておるんですね。そういうものは何かということになるのです。だから、たとえば高齢退職者に対して嘱託制度をつくって、この人に対しては十二カ月間勤務してもらう。勤務してもらうということは、名目であって勤務してないのです。いいですか。そうして割り増し退職手当みたいな給与——給与じゃない、明らかに労働に対して報酬を払っているんじゃないです。そういう場合にも何だかわからないけれども、そういうものに対しては全電通労働組合と電電公社労働協約を取りきめているのであります。でありますから、こういうものは公労法第八条に基づいて当然労働協約で、あるいは労働組合と公社の話し合いできめられるべきである、それが有効な効力を生じないといった場合には、公労法十六条によって予算上、資金上の問題もあるわけでありますから、法制局という立場であるあなたから見れば、これは当然国家公務員等退職手当法公労法上の条文と競合する問題でございますから、そういう場合には国家公務員等退職手当法に定められていないいわば退職手当みたいなものをくれるときには、これは当然団体交渉によってきめるのが競合した場合の当然の——現在ある二つの法律だけでやらなければならないから、ないのですから、別なものをつくるというのがあなたの論理です。けれども、そういう競合した場合には、公務法第八条により団体交渉権を駆使して両方の協約できめるのが法理論上正しいじゃないんですか、どうですか、常識論ではなくて……。
  68. 吉國一郎

    吉國政府委員 法理論として先ほど来私が申し上げたつもりでございますが、国家公務員等退職手当法にも、国家公務員と三公社職員退職をいたしまして、その退職するまでに一定の期間非違なく継続して勤務をしていたという条件に基づきまして、それぞれの一定の額の退職手当を支給するということを規定しておるわけでございます。今回の措置のように、国家公務員等退職手当法によります退職手当とは別に、やはり同じように国家公務員なり日本電信電話公社の職員職員として継続的に在職をいたしまして退職をしたという場合に、その在職期間に応じて支給する退職手当と全く同一の性格を持っております給付をいたします場合には、これは国家公務員等退職手当法による退職手当の例外をなすわけでございます。その意味で法定事項の例外を規定するためにはこれは法律を要するというのがわれわれの考えでございまして、その意味におきまして国家公務員等退職手当法特例たる性格を有する今回の法律を提案いたしたということでございます。  先ほどの特別嘱託の問題でございますが、私どもはあまり詳しい実態は存じておりませんけれども、これは非常に冷ややかに申しまするならば、特別嘱託という制度でございましても、やはり一定の勤務に対し特定の給付をいたすということでございまして、この場合には特定の業務についてその業務の執行を委嘱することとして、その業務に対しまして一定の給付を嘱託手当という名義によって支払っておるものでございまして、この特別嘱託という形が退職手当の例外となるという実態問題は別といたしまして、法律的にはさようなものではないと私どもは了解いたしております。
  69. 安宅常彦

    安宅委員 嘱託という制度は実際問題としてあるのですよ。これはやめた人だけに対する制度でしょう。それから、これは国家公務員等退職手当法による退職手当ではないとあなたはあっさり言いましたけれども、この法案の説明書をあなたは読んだのでしょうね。あなたは、法制局は目を通したでしょうね。そうし場合には三十日以内に退職を申し出て、その申し出た中の人で何か実施の日から七日以内にやめた人に対して、そしてそのやめた人の中でも、配置転換その他をどうしてもできないという人にだけこれはくれる。明らかに国家公務員等退職手当法に基づいて、そしてこれを基礎にして立案されているということは法文上明らかではありませんか、どうですか。
  70. 吉國一郎

    吉國政府委員 ちょっと私御質疑の趣旨を取り違えたか知りませんが、私ども立案いたしました考え方は、国家公務員等退職手当法のあくまで特例であるということで起案をいたし、審議をいたしたわけでございます。
  71. 安宅常彦

    安宅委員 特例ということは退職手当ではありませんか。国家公務員等退職手当法に基づく退職手当ではありませんか。どっちなんですか。あなたは一体、あっち行ったり、こっち行ったり、まるっきり別なことを答弁しては困ります。
  72. 吉國一郎

    吉國政府委員 国家公務員等退職手当法によって給付せらるべきものを退職手当と呼ぶことにいたしますならば、今回の特別給付金国家公務員等退職手当法によって支給せられるものではございませんから退職手当ではございません。しかし、先ほど来申しておりますように、国家公務員が退職をした場合に、その退職に対しまして支給するものを退職手当と呼ぶならば、これはその広義の退職手当であるということで、国家公務員等退職手当法によって支給せらるべき退職手当特例になるということで、先ほど来お答え申し上げているつもりでございます。
  73. 安宅常彦

    安宅委員 しからばこれは率直に申し上げますが、電電公社郵政省はそういう意味で立案されたのだと思いますと、いままであなたは一生懸命答弁しておったけれども、今度は、私どもが立案した考え方はというので、あなたが立案したみたいなことを言っている。立案する具体的な任務はあなたのほうで持っているのですか。どっちですか。
  74. 吉國一郎

    吉國政府委員 どうも法制局の仕事のしかたをお話申し上げることになりますが、これはあくまで内閣提出法律案ということで、法制局は内閣で提出をいたします法律案につきましては、もちろん原案は郵政省が立案をせられまして、その立案せられましたものについて、これが閣議に提出せられます場合に、そのとおり閣議決定してよいかどうかということを審査をいたしまして、審査の結果妥当であると認めました場合に、その意見を内閣法制局から内閣に送りまして、そこで閣議決定に相なるという順序でございます。その意味で私どもも政府側の一員といたしまして、政府としてはかような立案をいたしましたということを申し上げたわけでございます。
  75. 安宅常彦

    安宅委員 何ぼ何でもそんなことは知っております。だけれども、あなたは郵政省はそういうことを立案したのたと思いますなんて言って、都合の悪いときは逃げておいて、今度は退職手首法に基づいて——すべてそうですよ、これは第二条の説明、第三条の説明、定義から全部、国家公務員等退職手当法が基本になって、退職のしかたから配置転換不可能なものから全部書いてあって、今度はただ勤続年数が五年未満のときと、五年以上のときと、二つの特別給付金というものをここにつけ加えたにすぎない。しからば国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律案、こういう名前で法制局としては通過させるのが、審査をパスさせるのが、あなた方の純理論的な立場ではないですか。どうですか。
  76. 吉國一郎

    吉國政府委員 私どもこの御質疑に対する答弁の冒頭に申し上げましたように、この法律の第一条に規定がございますように、今回の措置は、先ほど来郵政大臣及び日本電信電話公社総裁からお答えがございましたように、加入電話等にかかる公衆電気通信の役務に対する需要の急激な増加がありまして、これに応じまして日本電信電話公社が急速かつ計画的に電話設備拡充改善につとめる事業をやっておるわけでございますから、そのような電話交換方式自動化実施に伴いまして、電話取扱局において、一時に多数の過剰な電話交換要員が発生する可能性がある、そのようなきわめて特殊な事情に対処するための特別な臨時の措置であるということで、まずこの法律の立案が企図されたわけでございまして、その趣旨をこの第一条に十分にうたったつもりでございますが、このような目的を持っております法律は、同時に——同時にと申すと語弊があるかもしれませんが、法律内容としましては、国家公務員等退職手当法に対する特例として特別の給付金を支給するということによりまして、この第一条に書いてありますような、日本電信電話公社の、電話交換方式自動化によって電話設備拡充改善をはかるというような事業の遂行の促進に寄与しようという、全く今回のこのような特別な性格を持つ事業に対しまする特例法ということでございます。
  77. 安宅常彦

    安宅委員 そうしますと、国家公務員等退職手当に関する特例何とかという法律で出すのがほんとうではありませんか。どうですか。
  78. 吉國一郎

    吉國政府委員 これは法律の題名のつけ方といたしましては、国家公務員等退職手当法の臨時特例に関する法律というようなことも十分考えられると思いますが、やはり法律の題名は、これを一見いたしましてどういう内容であるかということがだれにでもわかりやすくつくろうということが、従来の立法の根本的な態度でありまして、もちろん、中には民法とか商法というような、非常に簡単な名前の法律もございますけれども、最近の法律は、できるだけ題名を見ただけでその内容を明らかにしようという趣旨で考えております。この場合も国家公務員等退職手当法の臨時特例に関する法律といたしましても、その内容の一端はうかがわれるわけでございますが、ただ先ほど来申し上げておりますように、電話設備拡充に係る電話交換方式自動化がどんどん進む、それに伴って一時に多数の電話交換要員が過剰になる、そのような退職者に対してこういうような特別の措置を講ずるのだということが一見して明らかになって、それによってこの事業の遂行が整行と行なわれるということが望ましいという意味で、このようなやや長い題名をつけたわけでございまして、御了解いただきたいと思います。
  79. 安宅常彦

    安宅委員 しかし法理論としてはそういうのが正しいのでしょう。あなたは十分考えられると言われましたが、十分考えたけれども、何か特別の要請があって——わかりやすくないですよ、「電話設備拡充に係る」、もうこの辺まででわからなくなる。「電話交換方式自動化実施に伴い」こんな法律はいままでないですね。何ぼあなたが詭弁を弄しても、そんなでたらめな答弁は困ります。だから、そういう法律で出すのは、原則としては本来の姿ではないのだ、こういうふうにあなたのほうでも考えていると私は思うのだが、とうですか。
  80. 吉國一郎

    吉國政府委員 法律の題名が長過ぎるというおしかりでございますが、従来でも題名の長いのは多数ございますし、今回の場合には国家公務員等退職手当法の臨時特例に関する法律といたすよりも、このような題名を付するほうが立法政策上は妥当であると私どもは判断いたしております。
  81. 安宅常彦

    安宅委員 幾らやったって、あなたは逃げようと思って、考えてきたのだから、次に移りましょう。  それでは国家公務員退職手当法特例だとあなたは言いましたが、国家公務員等退職手当法の場合には、何らかの事情、たとえばその事業所の改廃あるいはその当局の人員整理、その他の事業、あるいは長年勤続した場合の退職のしかた、いろいろ法律では書いてありますが、自発的に退職をする、こういう場合にも金額を増すことがあるという、いままでの法体系になかったものをつけ加えたのだ、こういうふうに理解してよいですか。法体系の中には自発的にやる場合というのはなかったです。これは自発的ではないのですか。
  82. 吉國一郎

    吉國政府委員 自発的と仰せられました意味ですが、現在の国家公務員等退職手当法の第三条の場合でも、これは自発的に退職する場合に給付せられることがあるわけでございますが、今回の措置は、自発的と申しますか、特に勧奨というようなことは要件にしておらないという意味においては御質疑のとおりであろうと思います。
  83. 安宅常彦

    安宅委員 ただいまの言い方ですが、いまの自発的というのは、自分の都合でやめるということですね、そうでしょう、これは。だから、たとえば勤務年数が長いとか、いろいろそういう具体例が退職手当法に書いてある、それ以外のものでしょう、これは。そういう別途な体系をつくったということでありますか、こういうことを聞いているのです。
  84. 吉國一郎

    吉國政府委員 別途の体系と呼ばれるほどの大きなものであるかどうか私はわかりませんけれども、要するに国家公務員退職手当法の第三条の普通退職、あるいは第四条の長期勤続後の退職等の場合の退職手当、あるいは第五条の整理退職等の場合の特別な高額の退職手当、こういうのとは別なものを創設したということでございます。
  85. 安宅常彦

    安宅委員 そうしますと、たとえば、この説明の中にありますが、自動化実施の日として、郵政大臣または公社総裁がまず定める権限を持って、そうして三十日前までに退職の申し出を行ないという制限がある。郵政大臣または公社総裁の認定を今度は受けなければならないのです。その実施の日から七日以内に退職した者だけに、しかもその場合には過員という一方的に公社が策定した要員事情、これによってワクをはめられる。過員でないものはもらいたくてももらえないのですから、これが自発的でしょうか、これはどうでしょうか。これは、あなたはもういいです。自発的にやめるということを盛んにきのうから大臣やみんなが答弁しているから言うのでありますが、それは自発的じゃないでしょう。それは明らかに公社の都合でしょう。
  86. 増森孝

    増森政府委員 ただいまの御質問でございますが、郵政大臣が指定する、それから三十日前までに退職の申し出を行ない、または郵政大臣もしくは総裁が認定するといったようなことをきめておりますのは、やはりこの特別給付金というものの条件をはっきりさせないといけないということで書いておるのでございまして、だから自発的ではないということにはならないかと存じます。私どもは、自発的だと見ております。
  87. 安宅常彦

    安宅委員 そんなことは自発的でないでしょう。たとえば私が電話交換要員をしておった、運用要員をしておった、ところがもう自動化もそろそろ近づいてきた、子供も生まれたし、三人ぐらいになっちゃったからしようがない、共かせぎは容易じゃないからやめたい、これが自発的だ。それを、指定する日からさかのぼって三十日以内に申し出をして、そしてその中から選定をする。あなたのほうでは、この者はよい、悪いと認定をする。そうしてその認定をされた中から、七日以内にやめなければならない。認定する基準は何かというと、いろいろなものがずっと書いてあるんですね。これは自発的じゃないでしょう。
  88. 増森孝

    増森政府委員 条件はございますけれども、その条件は必ずしも自発を束縛するかしないかということとは別問題かと思っております。
  89. 安宅常彦

    安宅委員 束縛するかしないかを聞いておるのではありません。自発的ではないのでしょうと聞いている。
  90. 増森孝

    増森政府委員 だから、そういう条件の中において自由意思であると私ども考えております。   〔上林山委員「最終的には自分がき   めるんだろう」と呼ぶ〕
  91. 安宅常彦

    安宅委員 何もヤジに答えるわけじゃありませんけれども公社が最終的にきめるのです。本人はきめられない。はいりたくてもはいれない。上林山さん、よく聞いてくださいよ。たとえばAという局で自動化が行なわれ、その局は自動化したけれども、過員はないという認定を電電公社総裁あるいは郵政大臣がやれば——役目に対するはなむけだとか、御苦労さんだとかうまいことを言ってあなた方は宣伝しているけれども、その局は一人ももらうことができない。あるいはBという局で今度は同じようなことが起こった。この局は過員があった、あったけれども、そこにつとめておる電話の運用要員の皆さんは、たとえば結婚はした、賃金は安い、共かせぎをした。だからやめるわけにはいかない。いろいろ将来の計画を立てて、そうして住宅金融公庫なりあるいは公社内の共済組合あたりから金を借りて、去年うちを建ててしまったばかり、借金の返済もこれから何十年かしなければならぬ。だからやめたくないと思っても、そこのところにおける過員というものは当然出てくる。そうすると、そういう中で三十日以内に運用要員は申し出ろ、そうして過員の中から差し引いた数だけあなたのほうでは認定をする。そうして七日以内にやめなければならない。こういうことになったら、これは明らかにやめたくなくても認定をされてしまうのですから、自発的でも何でもないじゃありませんか、どうですか。すべて公社あるいは郵政省一つ計画に基づいて、その態度をあなたのほうできめるということになっておるじゃありませんか。
  92. 増森孝

    増森政府委員 この自動化をするかどうか、その局等はこれは郵政大臣もしくは公社側の総裁が指定をいたします。そういう意味でこれは自由——自由と申しますか、その取扱局以外の場合はこの特別給付金はもらえない。ただ指定するというのは、そういう限りにおきまして郵政大臣もしくは公社総裁が指定をするのでございますけれども、この場合でも恣意的に指定するのかというと、そうではないと思います。ということは、明らかにその過員が出るといったようなものは客観的に出る問題でございまして、客観的なものにつきましては、それを指定し、それからまた、過員等におきましても、必ずしも公社総裁大臣が恣意的にきめられるものではない、むしろ客観的に常識的にきめられるものだろうと思います。それからまた、三十日前までに退職の申し出を行ない、七日以内に退職したとき、こういうのはやはり郵政省もしくは公社としましても特別給付金を差し上げるからには、こういった日にちの限定をしなければ事務的に困る、こういうので、ただこの日にち等をきめておるだけでございまして、必ずしも自由意思関係ないのではないかと私ども考えております。
  93. 安宅常彦

    安宅委員 そうすると過員がどういうふうに余ってしまうとか、配置転換はどのくらい必要かということは、公社がきめるということではないのですね。だれがきめるのですか。
  94. 増森孝

    増森政府委員 法文上は大臣もしくは公社総裁がきめることになりますけれども、そこにはおのずから客観性というものが出てくるだろということを申し上げたわけでございます。
  95. 安宅常彦

    安宅委員 客観性というのは、どだいほかの人から見た場合には客観性さ。だから客観性はだれがきめるのです。電電公社全電通の労働組合が協議してきめるのですか。あるいは第三者の協議機関みたいなものを入れてきめるのですか。だれがきめるのですか、はっきりしてください。
  96. 増森孝

    増森政府委員 それらにつきましては、労働協約等に基づきまして、配置転換ができないとかできるとか、そういったような問題が起こってまいりまして……。
  97. 安宅常彦

    安宅委員 定員のことです。過員のことをだれがきめるかというのです。配置転換のことを聞いているのではありません。
  98. 増森孝

    増森政府委員 過員は、当然その局が自動化しまして、定員が何名落ちるということになりますれば、客観的に過員というものが出てくると思います。
  99. 安宅常彦

    安宅委員 客観的にではありません、それは定員なり作業の量なり、それから定員の基準なり、全部公社がきめるのでしょう。どうですか。
  100. 増森孝

    増森政府委員 そのとおりでございます。
  101. 安宅常彦

    安宅委員 あなたそんなわけのわからぬことを言うな、公社がきめるのでしょう。公社がきめますとはっきり言いなさいよ。あるいは郵政省がきめると言いなさいよ。客観的にきめる、客観的というのは何だかわけがわからないのですよ。ほしいままに、恣意的にきめるのです。それは公社が幾らでもどういうふうにでもきめようがあるということです。それは法律上はっきりしている。法制局どうです。そのとおりでしょう。
  102. 吉國一郎

    吉國政府委員 この法律規定の上から解釈をいたしまするならば、郵政大臣または公社総裁電話の取扱局を指定するということでございますので、その指定の権能は郵政大臣または公社総裁に所属するということでございます。
  103. 安宅常彦

    安宅委員 たいへんりっぱな答弁であります。そういうことでありますから、当然拘束性があるのです。あなたは客観的とかなんとかうまいことを言うが、何が客観的だ。そんなわけのわからないことを言ってごまかそうたってだめですよ、増森さん、そういうことを言わないでください。私は内容にまだ入りたくないのでありますが、ひとつ具体的に今度は聞きますが、特別嘱託の制度以外に加入電話の贈与を行なっておる、これは一体何ですか。退職手当ですか。
  104. 秋草篤二

    ○秋草説明員 これは大正十三年、たいへん古い話でございますが、次官会議の申し合わせによりまして、私どもで申しますれば逓信省時代から行なわれておる一つの内規でございます。これは必ずしも電電公社ばかりではないかなり古い内規になっております。
  105. 安宅常彦

    安宅委員 敗戦によって日本の政治機構が変わり——そういう大きなことまで言わなくても、国家公務員等に関する給与の規定がきまり、法律がきまり、国家公務員という性格も変わり、退職手当法もつくられる、そういう状態の中で、大正十三年をひっぱり出してきたというのは、なかなかあなたのほうも頭がいいと思うのでありますが、そうしますと、次官の申し合わせによって、電話加入権をくれたり、たいへん御苦労だったとこんなものをくれたり、いろいろなことができるという法解釈でありますか、どうですか。
  106. 秋草篤二

    ○秋草説明員 官庁はもちろんのこと、私ども公社におきましても、いわゆる有形な物品なり金銭というものを規則、法律以外に貸与したり給与したりすることは禁じられております。したがって、電話加入権を贈与するということは一体何であるかという点については、一つの記念品の贈与である、こういうふうにわれわれは了解しております。現在一つの基準によって内規をもって行なっております。
  107. 安宅常彦

    安宅委員 それでは三つ聞きます。  一つは、大正十三年の次官の申し合わせのときは、逓信省だと思いますが、日本電信電話公社の職員にくれるという申し合わせば絶対にしていないと思います、当時ないのだから。私につつかれたと思って、あわてて大正十三年なんてべらぼうなことを言うこと自体間違っています。それはどういうことなんですか。公社職員にくれることになっていますか。  それから、引き続きこれをずっとくれているかどうか。大正十三年の申し合わせが生きているとするならば、大正十三年以来今日までずっとこれをくれているのか。  第三番目は、この電話が記念品だとあなたは言いましたが、そうするとこの電話をもらっている人は維持費やその他は払っているのですか、どうですか。
  108. 秋草篤二

    ○秋草説明員 御質問がたくさんございまして、あるいは前後するかもしれませんが、もちろん公社になりましてから私どもの内規の改正が行なわれて、それに基づいてやっております。  それからずっとやっているかという御質問でございますが、すでに御案内かと思いますが、一時中断しておったことがございます。  それからもう一つは、維持費は本人に贈与して後には公社のほうから払っておりません。贈与した後でございます。
  109. 安宅常彦

    安宅委員 そういうのも記念品ですか。そうすると、たとえばいまあなたが言ったように、そういうものをくれてはならない、給与上の問題としてはくれてはならない。もちろん退職手当でもない、そういうものを公社の恣意によって今日幾らでも内規をつくってやることができるということになりますか、どうですか。
  110. 秋草篤二

    ○秋草説明員 幾らでもできるかということは、先ほども申しましたように、公社におきまして物品なり金銭なりというものを法律、規則以外に出すことは絶対にできません。ただ電話加入権につきましては、退職した人に、いままでなかったのに新しくつけてやるということではないのでありますが、永年勤続者に対しまして、これは具体的に申しますと五等級以上の方、大体三十年の永年の勤続者になりますけれども、そういう方にそのまま贈呈するという内規になっております。
  111. 安宅常彦

    安宅委員 五等級以上の人にくれるとかなんとかいうようなことは、大正十三年にはまだありませんから、そういうことをかってにあなたのほうがきめたのでしょう。五等級というのはそのころないのです。
  112. 秋草篤二

    ○秋草説明員 大正十三年の次官会議の申し合わせにおきましては、もちろん電電公社の五等級というものはございませんから、もっと高い位の基準がつくられております。
  113. 安宅常彦

    安宅委員 そういうことをあなたのほうで読みかえることができないのに、内規というものをかってにつくったのでしょう。電電公社職員にくれるということは書いてないのです。それから五等級以上ということは書いてないのです、五等級というものはないのだから。あなたは何等級だか、一等級か何か知らぬけれども、そういう連中ばかりもらえる。それから安宅常彦みたいなうるさいやつにはくれないで、あなたのほうでいいなと思うやつにはくれる、これは幾らでもつくることができる、こういうことですか。
  114. 秋草篤二

    ○秋草説明員 私どもの電信電話事業に伴う多少特殊な内規だと私は存じまして、それが絶対正しいか、悪いかという理論的なものはいろいろ議論もあろうかと思います。しかし永年勤続者でございますので、長い間御苦労されたということから、その程度のことは世間も見ていただけるのじゃないか、こういうのが考え方だと思います。
  115. 安宅常彦

    安宅委員 法律の根拠はないということですね。はっきりしてください。
  116. 秋草篤二

    ○秋草説明員 特定の法律上の関係はございません。
  117. 安宅常彦

    安宅委員 次に特別嘱託についてあなたのほうから出された資料においてはいろいろ書いてあります。中ごろですが、「すなわち高令退職者はそのほとんどが勤続年数三十年以上にわたり、それぞれ事業に対する深い経験と知識を有しているものでありますので、公社の業務運営上必要と認められる場合には、」ということは、これは業務運営つまり運営管理事項といいますか、あなたのほうがしょっちゅう言いますね。そういう権限に基づいてその特別嘱託の制度をつくることができるという意味に理解していいのですか。
  118. 中山公平

    ○中山説明員 特別嘱託の点でございますが、公社の仕事について永年勤続をされた方が、おのおのその経験によって公社退職後も、公社の仕事の必要からいろいろ調査研究等をお願いするということがこの制度の趣旨でございまして、これが嘱託としてお願いをいたしておるわけでございまして、この点は公社自体が自分でその必要を認めるならば、ほかの嘱託制度と同じようになし得ることだと考えております。
  119. 安宅常彦

    安宅委員 ほかの嘱託制度ということをあなたは言いましたが、といいますと、これは退職した場合にのみ適用する嘱託制度でございますね。そういう意味ですか。
  120. 中山公平

    ○中山説明員 この嘱託制度は永年の勤続をされて退職された方について、公社が業務上必要な調査、研究をお願いする場合のものでございます。
  121. 安宅常彦

    安宅委員 法制局にお伺いいたしますが、そういう場合の金のやり方には、技術的にいろいろ種類があろうかと思いますが、これも広い意味での退職手当じゃないでしょうか。どうですか。
  122. 吉國一郎

    吉國政府委員 特別嘱託の制度は、先ほど申し上げましたように、高齢退職者ではございますが、その事業に対する深い経験と知識を持っておるということで、一定の業務遂行について、公社の本来的な職員の業務の補助として、民法上一定法律上の行為あるいは技術上の行為につきまして、その専務処理を委託するといういわば民法の委任及び準委任の契約によってその青めにあるものであろうと思います。その意味におきまして一定の業務の処理というものに対して、その報酬を支払っておるものでございますので、退職手当とは全く性質を異にするものであるというふうに考えます。
  123. 安宅常彦

    安宅委員 私はこれまで、この制度ができてからの、この制度を適用した人数をお伺いいたします。
  124. 中山公平

    ○中山説明員 この制度は、私の記憶に誤りがなければ、昭和二十八年度から始められたものだと思いますが、全体の人数についてはいま資料を持ち合わしておりませんが、大体一年間に千人内外の人にお願いしております。
  125. 安宅常彦

    安宅委員 そういう人に対して法定上の仕事を与えておる——法定上のと言いましたね、法定上の仕事とは何かということです。
  126. 中山公平

    ○中山説明員 お答えをいたしますが、先ほども申しましたように、公社の業務運営上必要と認められる場合に、これらの高齢退職をされた方にその豊富な経験、知識、技能等を必要とする調査、研究を具体的にお示しいたしまして、それをやっていただく、その報酬として嘱託手当を出しておるわけでありまして、退職手当とは、先ほど申し上げましたように、何ら関係のないものであります。
  127. 安宅常彦

    安宅委員 仕事をしていない場合はこういうものはやめなければなりませんね。法制局どうですか。
  128. 吉國一郎

    吉國政府委員 ちょっとその前に、先ほどの私がお答え申し上げました中で申し上げましたのは、一定法律行為あるいは技術上の行為の処理を委任するという意味で、民法上の委任あるいは準委任の契約であるということを申したわけでございます。  それから今回の特別嘱託が仕事をしているかどうかという実態を私存じませんが、やはりいま申し上げましたように、一定の行為、少なくともその事務を処理することを委託しておるわけでございますので、その事務の処理が行なわれない場合には、これは債務不履行あるいは債務の不完全履行ということになりますので、通常の委任、準委任の契約の場合と同様に、公社において私法上の手段をおとりになる場合もあり得るということでございます。
  129. 安宅常彦

    安宅委員 全部戻さなければならぬ。何もしていないじゃないか。そんなことをおじいさんなんかにできるか。そういううそを言うものじゃないよ、何もさしていないくせに。  それでこれは、先ほど私が質問したのにあなたは答えておりませんが、業務運営上必要と認められる場合ということを書いてありますが、これは公社の管理運営に関するそういう考え方でこれをきめたのかということを聞いておったのでありますが、これに関する答弁をひとつお願いいたします。
  130. 中山公平

    ○中山説明員 先ほどもちょっとその点に触れたつもりであります。私のことばが足りなかったかと思いますが、公社の必要からこういうことをお願いするわけですから、公社自身の立場で組合と協議しておる、こういうふうに解しております。
  131. 安宅常彦

    安宅委員 それでは、なぜそういうことなのにあなたのほうでは組合と団体交渉できめたのですか。協約はありますね。
  132. 中山公平

    ○中山説明員 先ほど申し上げましたように、私の記憶に誤りがなければ、この制度の初めにおきましては協約にはなっておりませんでした。私ども電電公社のほうで独自でやっておりましたが、途中からこれが高齢退職者の処遇に関するものとして、ほかのものと一連のものとして、一環として協約に入った、こういうふうに承知をいたしております。
  133. 安宅常彦

    安宅委員 途中から入ったって、初めからだって同じじゃないか。なぜ途中から労働協約をきめたのですか。
  134. 中山公平

    ○中山説明員 その点につきましては、先ほども申しましたように、ほかのいわゆる退職にあたっての措置を集大成をしてその中に入れた、こういうふうに思います。
  135. 安宅常彦

    安宅委員 退職に関していろいろな優遇措置を講ずるものと一緒に労働協約を結んだ、こういうことですね。そうすると退職手当じゃないのですか。退職に関する少なくとも優遇措置退職に関して行なわれる何らかの措置でありませんか。それを業務の、あなたのほうで公社の必要上やったと言うならば、労働協約を結ぶ必要はないのじゃありませんか。それをやったのはどういうわけですか。
  136. 中山公平

    ○中山説明員 この点につきましては、別にこの点について協約を結ばなければできないものだとは私は思っておりません。協約を結ばなければこういう措置ができないという性質のものだとは思っておりませんが、ほかの高齢退職の際の協約事項と一緒にして協約の中に入れた、こういうふうに承知しております。
  137. 安宅常彦

    安宅委員 高齢退職者に関する労働協約というのは独立しているはずであります。
  138. 中山公平

    ○中山説明員 私の申しましたのは、高齢退職者についてのほかの取りきめと一緒にしておる、こういう意味でございます。
  139. 安宅常彦

    安宅委員 途中からやったというのは、あなたの記憶違いじゃありませんか。
  140. 中山公平

    ○中山説明員 記憶違いではありません。
  141. 安宅常彦

    安宅委員 記憶違いでなければいいです。あとで私らのほうで調査しますが、もし間違っておったら責任をとってもらわなければならぬ。  それから途中からであろうと初めからであろうと、管理運営事項団体交渉対象にならないものを、あなたのほうでは団体交渉対象にして労働協約を結んだということになると、公労法に違反したということになりますが、どうですか。
  142. 中山公平

    ○中山説明員 別にそういうふうには理解しておりません。
  143. 安宅常彦

    安宅委員 どういうふうに理解しておるのですか。公労法でやれないことをやったのはどういうことですか。
  144. 中山公平

    ○中山説明員 どういう御趣旨の御指摘か私わかりませんが、この点は別に今度の退職金あるいは特別給付金の問題とは全然無縁のものであるといえことだけを申し上げます。
  145. 安宅常彦

    安宅委員 よけいな答弁をするなよ。これに関係するかしないかということは聞いてないじゃないか。何を言っておるのだ。そんなことを聞いてない。そういうことを言うのは、あなたは大体不届きですよ。おとといの日に、私は、こんなものは悪く言えば脱法行為、よく言えば恩典だと言ったら、脱法行為だったらやめますよと、あなたは委員会の外で言った。労働協約で結んだものをやめるなんてかってなことを、私に対して、あるいは労働組合に対して、国民に対して、言える立場にあるのですか。そんなに大きな権限をあなたは持っておるのですか。団体交渉でやれるものだから、やらなければならないものだから、あなたの前任者はやったのであって、それが今日でも生きておる。やれる筋合いのものでなかったら、この協約はあなたのほうでいままでの間に破棄しなければならないのです。それを堂々と労働協約を結んでおって、そうして公労法違反でないとかなんとかいうのは非常に変な言い方じゃないですか。私はいみじくもうしろのほうで、公社のほうがやっていることは正しいと言いました。正しいと思っているから聞いているんですよ。労働協約で結ぶのが正しいから……。どうなんです、正しいから結んだのでしょう。それなら、公社を代表して労働協約を結んだ人を全部呼んできましょうか。そのときの名義人は間違っているというのですか。これはあなたの個人的な見解ですか。
  146. 中山公平

    ○中山説明員 いま二点お話しになりましたが、第一点につきましては、委員会の席での話ではございませんから、私は答弁を差し控えます。これは私どもは脱法行為ではないと思っております。しかし昨日安宅先生のおっしゃいましたように、もしあれをあくまで脱法行為と言われるならば、これは大問題であるから、われわれもせっかくいい協約だと思うけれども、これはたいへんなことだということを申し上げただけでございます。  第二点は、労働協約で結ぶべき事項か結ばない事項かということでございますが、労働協約が存在する以上、これは労働協約として結ばれておる、こう申し上げるほかないと思います。
  147. 安宅常彦

    安宅委員 管理運営事項であって、初めは労働協約ではなかったんだ、こういうことであなたは一生懸命言い抜けをしようとした。私の見解では、これは当然管理運営事項であって、労働協約で結ばれるべき筋合いのものではないとあなたは言った。それはあなたの個人的な見解かと聞いておるのです。  それから、これは前の質問ですが、これはたとえばよく言って恩典、悪く言えば脱法行為みたいなものだと私が言った。それに対して、脱法行為ならやめると言った。私が言ったらやめたり、森本さんが言ったら生かしたり、そんな権限を持っているのかと言っているんです。あなたは少し頭にのぼっておるんじゃないですか。どうなんです。
  148. 中山公平

    ○中山説明員 私はやめると言ったわけではないのでありまして、おっしゃるように脱法行為であるならば——どもは脱法行為だとは全然思っておりませんが、脱法行為だと言われるならば、そういうことにならざるを得ないでしょうということを申し上げております。
  149. 森本靖

    森本委員 関連して。職員局長の答弁は非常におかしいと思うんですよ。脱法行為と言われたらどうもやむを得ませんというようなことでなしに、労働協約で結んでおるわけでありますかり、脱法行為ではございません、労働協約ではっきり結んでおる行為ですから、これはやってけっこうです、こういう答弁でいいじゃないですか。それをこちらのほうから脱法行為だと言うならば、それはやめるというふうな言い方をせずに、だから脱法行為ではございませんというふうに、はっきりと、堂々と床切りをつけて答えてもらったらどうですか。
  150. 中山公平

    ○中山説明員 だから、私のほうは昨日から、これは脱法行為ではないということを何度も申し上げておるわけでございます。
  151. 安宅常彦

    安宅委員 それでは、これは労働協約を結ぶべき筋合いのものではない、その他の給与、こういうものはすべてそうだとあなたがこの前言ったから、それじゃ脱法行為かと言っただけの話なんですよ。いまは正しいと言った。そのとおりだと思います。正しいんですよ。正しいものを、あなたはこれを管理運営事項だといま言った。管理運営事項のものを労働協約で結んでいるのが正しいのですか、どうですか。私は全部裏のほうから聞いているから……。
  152. 中山公平

    ○中山説明員 私も少し問題を取り違えておったかもしれませんが、この協約の覚え書きができる経過というものを回顧してみますと、高齢退職ということについて、非常に組合との間で問題があったわけでございます。その際に、この慫慂というものをどういうふうにやるかというようなこともあったのでありますが、特別嘱託制度をつくるかどうかは管理運営事項であっても、おやめになる人の労働条件にこれは関係することであるから、その部分については、労働協約にしてここに取り入れておく、こういうふうな次第で、この労働協約ができたものと承知いたしております。
  153. 安宅常彦

    安宅委員 わけのわからないことを言いなさんな。あなたは、これは管理運営事項かと言ったら、はっきりそのとおりだと言った。それではなぜ労働協約を結んだと言ったら、初めは労働協約でなかったのだ、こういうふうに、私の質問を、次に何が出るかと思ってびっくりして、鬼が出るか蛇が出るかわからないと思っているのかもしれない。だから逃げよう逃げようとされて、大阪に行くのに東京に行ってみたりしている。それがあなたの答弁です。ですから私は聞くのですが、そうなった場合に、管理運営事項に関するものであって、労働協約が結ばれているとまたあなたが言ったから、それは個人的なあなたの見解か、それともその当時協約を結んだ人の間違いか、どっちかと聞いている。当時のことについては、あなたのいまの答弁で大体わかりましたからいいです。しからば、さっきあなたが答弁したことは、あなたの個人的見解でありますか。もし個人的見解だとすれば、電電公社職員局長をやめてもらわなければならない。あなたは不適任だ。
  154. 中山公平

    ○中山説明員 特別嘱託制度というものについては、必ずしも団体交渉によって取りきめなければならぬものだとは私は思っておりませんが、これは同時に労働条件に関する面がございますから、その面については団体交渉によって取りきめをして、この協約の中に、覚え書きの中に入った、こういうふうに承知いたしております。
  155. 森本靖

    森本委員 関連して。いまの職員局長の言うのはおかしい。そうでなしに、これは労働協約ではっきり結んでおるわけでございます。管理運営事項であったならば、労働協約で結べないわけでありますから、はっきりとこれは団体交渉事項であります、管理運営事項ではございません、それがために労働協約を結んでおります、こういう簡単な答弁をすれば、それでずっと先へ進んでいくわけです。あっちこっち、あやはいらぬわけです。はっきりとこれは、団体交渉事項でなければ、労働協約で結ぶということはおかしいわけです。団体交渉事項でありますから、団体交渉を行ないまして、労働協約で結んでおります、こういうことでけっこうなんです。そうでなければ、あなたのほうの落ち度になるわけです。
  156. 中山公平

    ○中山説明員 労働条件に関するものが含まれておりますので、労働協約の覚え書きとして結んでおります。
  157. 安宅常彦

    安宅委員 労働条件が含まれているのですね。そうすると、特別給付金というのは、労働条件に含まれていないのでございますか。どうですか。
  158. 中山公平

    ○中山説明員 その点につきましては、公労法第八条との関係におきまして、先ほども申し上げましたように、賃金その他の給与というものには、法律的に該当いたしておりますが、先ほども申しましたように、その意味では団体交渉事項たり得る事項ではありますけれども、先ほど来法制局あるいは郵政省人事局長からお話がありましたように、国家公務員等退職手当法特例をなすもので、退職に際し退職を理由として支出する給付というものは、公社及び五現業の職員については、法律によらざれば支出することができない、こういう点から、これは法律によってのみなし得る、こういう見解をわれわれは持っております。
  159. 安宅常彦

    安宅委員 これは労働大臣が議運の理事会で表明した態度と、法制局の態度と、電電公社の態度とみな違いますから、これはたいへんなことになりますよ。いいですか。  それで、私は聞きますが、しからばその特別嘱託の制度に関して、その制度全般に対して労働協約を結んでいるのでありますが、この中で労働条件に関しない部分というのはどういうことでありますか。
  160. 中山公平

    ○中山説明員 この協約に結んでありますことは、特別嘱託の中で、労働条件に関することが結ばれております。
  161. 安宅常彦

    安宅委員 これは全部労働条件ですね。この特別嘱託制度というものは、こういうことで設けられて、こういうふうにしたいというのですから、特別嘱託制度全部が労働協約になっているのですから、この労働条件に関しない部分なんというのはないのでしょう。どうなんですか。
  162. 中山公平

    ○中山説明員 お答えいたします。  特別嘱託制度というものをとらえるとらえ方として、労働条件の面からとらえる見方と、そうでない面からとらえる見方とあるわけですが、ここに結んでおりますのは、労働条件として特別嘱託をとらえた、そのことを規定しておるわけであります。
  163. 安宅常彦

    安宅委員 労働条件としてとらえない部分と労働条件という見方と切り離すことができますか。同じ内容を両方から見られるという意味なんですか。八〇%くらいは労働条件だけれども、あとの二〇%くらいは労働条件でないという意味ですか、どっちですか。
  164. 中山公平

    ○中山説明員 お答えいたします。  高齢退職者の処遇として考える場合に、労働条件とするということで協約の中に結んでおります。
  165. 安宅常彦

    安宅委員 高齢退職者の優遇措置として見る面では、全部これは労働条件です。したがって労働協約も結ばれたんだと思うのです。そうすると、おとといのあなたの答弁ときょうの答弁ではたいへん違っている。そしてその違う過程の中で、いままでの私との論議の中で、あなたはとんでもない苦しい答弁をして訂正せざるを得なかった、こういうことになるのです。この前はまるっきり違った答弁をしております。これは退職手当のきめられた範囲内でやったことでありますからと、これは議事録に残っておることですから、記憶してもらいたいと思うのです。そういう許される制度の範囲内で労働協約を結んでいるのですから、この給付金とは別な意味だという答弁をあなたはしておりますから。
  166. 中山公平

    ○中山説明員 私が先日答弁申し上げましたのは、先生から御質問がありまして、五条の適用の問題をまず御答弁いたしまして、その点については、現在の退職手当法との関係から、それは法律規定はあるけれども、運用の余地が残されておる問題であるから、協約でその点を取りきめたんだ、こういう御説明を申し上げまして、特別嘱託のことにつきましては、別にこれは退職手当とは関係のない問題である、こういうふうに答弁をいたしたつもりでございます。
  167. 安宅常彦

    安宅委員 その運用ということを言ったのですから、下のほうをつけたって、あなたはつもりかもしれないけれども、つもりではなくなるのです。これは全部私らのほうでは議事録を調べて、あなたのきょうの答弁とたいへん違うし、電話加入権の贈与の問題についても、これは賃金か賃金でないのか明確な答弁がまだありませんから、この点については今後明らかにしたいと思いますので、その分は留保しておきます。
  168. 加藤常太郎

    ○加藤委員長 次に森本靖君。
  169. 森本靖

    森本委員 私はこの法律案の質問をする前に、重大なことがありますので、一つだけ電電公社にこの機会に釈明の機会を与えますので、総裁からはっきりと言明願いたいのです。  それは、この間私が日韓会談における日韓の海底ケーブルの問題について質問をいたしました。そのときに、御承知のとおり、現在まで約六億円何がしというものをアメリカ軍のほうから電電公社がもらっておるわけでありますが、これが現実の問題としては、場合によっては、この帰属が釜山−対島間の半分で切るということになりましても、法律的には日本政府がどう考えておりましょうとも、場合によっては、釜山と対島との間においてこれが設定をせられるということになりますと、金額にいたしましても一億円程度は韓国に支払いをしなければならぬという結果になるわけでありますが、そのときに、私の質問に対しまして、経理局長の井田君のほうから、その金額については供託をいたしておりますというふうな答弁があったわけであります。その後これを調べてみますと、供託をしておるということは全然その根拠がございません。全くこれは虚偽の答弁をいたしておる。そういう点について、これは国内問題でありましたならばまだしも、国際的な問題でありますので、こういう点については軽々に私は知らぬことを知ったようなかぶりをして、こういうふうな重大な失言をしてもらいたくないというふうに考えておるわけでありますが、あえて私はその責任をさらに追及しようとは考えておりませんけれども、今後の公社委員会における答弁というものは、知らぬものは知らぬとはっきりと明言をして、そうして次の機会に詳細にそれを調べてまいります、そうして自信のある答弁をしていただきたい。その場のがれの答弁をするというふうな悪弊を一切改めてもらいたい、こういうふうに考えておるわけでありますが、ひとつその点について、総裁のほうからはっきりした釈明を聞いておきたい、こう思うわけであります。
  170. 大橋八郎

    ○大橋説明員 委員会における答弁につきましては、むろん間違ったことを申し述べては相済まぬのであります。正確な答弁をすることはむろんでございます。今後といえどもそのつもりで十分つとめるつもりでございますが、ただ現実の問題として供託の問題ですが、これはたぶん当時経理局長が思い違いをしておったのだろうと思います。事実においては供託していないと私は思います。
  171. 森本靖

    森本委員 だからこういう問題については、総裁が簡単に、思い違いをしておったからどうこうということではない。明らかに思い違いをしておって間違った答弁をしておりますから、まことに申しわけありません、ひらに国民に対しておわびを申し上げるというくらいの謙虚な気持ちを総裁としては持っていただきたい。これは間違いでございましたから云々ということでは済まされない。これが個人的な意見を開陳をする場合には別として、やはり国会という場において発言をした問題でありますから、単に思い違いをしておったということではなしに、思い違いをしておったならば、重大な点について思い違いをしておったことについてはまことに申しわけがない、国民に対して深くおわび申し上げる、今後こういう点については十分に気をつけますというくらいの、総裁は謙虚な気持ちで委員会において釈明すべきだ、こう思うわけでありますが、そういうふうな簡単な総裁の態度というものは、私はそういう態度を総裁がとるとするならば、この責任はあくまでも追及していきたいと思う。事が国内的な問題ではございません。国際的な問題になっているわけであります。しかも、今日これは、外務省が違った方向において、韓国との間において交渉を始めようとしておる問題であります。そういう問題については、総裁はやはり謙虚な気持ちにおいてはっきりした釈明を願いたい、こう思うわけであります。
  172. 大橋八郎

    ○大橋説明員 たいへんどうもまずい答弁を申し上げて恐縮でございますが、全く事実において間違ったことを申し上げて、たいへん相済みません。十分今後注意をするようにいたします。
  173. 森本靖

    森本委員 そこで、この法律の問題でありますが、われわれ社会党側としては、電話設備拡充に係る云々という長たらしいこの法律については、これはもう全く組合と電電公社並びに郵政省との間における団体交渉事項であるという解釈をとっておるわけでありますが、あくまでも公社郵政省のほうは、これは団交事項ではない、法律において定めるべきものであるというふうなことで、この論議は平行線をたどっておるわけであります。私は率直に大臣に聞きたいと思いますけれども、この問題はやはり何といたしましても退職金の問題でありますから、先ほど来安宅委員が質問をいたしておりますように、特別嘱託の問題にいたしましても、あるいはその他の問題にいたしましても、すべて労働条件として団体交渉に応じておるわけであります。本来ならば、これが謝礼金であろうと、給付金であろうと、これは当然団体交渉に属する事項であります。しかしながら、政府の考え方というものは、おそらく、団交事項ではあるけれども、これを団交において片をつけようといたしましても、専売公社あるいは国鉄公社その他の関係からいたしまして、あるいは現在の駐留軍、そういう面からいたしまして、これを団交事項において解決をつけるということは、政府部内におきまして、金額その他の点について問題があって、これが解決がつかない、だから特別立法として出したのである、こういう見解を政府側がとっておるのではないかというふうに私は考えておるわけでありまするが、そういう考え方ではございませんか、大臣
  174. 古池信三

    古池国務大臣 この法案の立案の過程におきまして、いろいろ政府部内において話し合いをいたしたことはもとより当然であろうと思いますが、いまここに、案として委員会で御審議を願っておりまする際において、この問題に対する見解といたしましては、先ほど来法制局当局から法律的にるる御説明がありましたごとく、国家公務員等退職手当法に、一般の公務員に対する退職手当は明定されております。もとより電電公社職員にも適用があるわけでありますが、今回のこの特殊な事情に即して退職される方には、一般の退職手当以外に特別に給付をしよう、こういう意味合いから、やはり団体交渉によらずして、法律によって明定することが適当である、かような結論から、この法律案を提案した次第でございます。成立の過程において、各省との話し合いがいかにあったかということについては、必要に応じて、事務当局のほうから御説明いたさせます。
  175. 森本靖

    森本委員 説明は要りません。私が言っておりまするのは、いままでの安宅委員栗原委員の質問を通じましても、明らかにこれは労働条件並びに団体交渉事項であるということは、これはだれが見ても明らかであります。たたそれが、団体交渉事項として団交でやっても、実際問題としては、この金額がなかなか政府部内においてはとりにくいということが現実にあり得る。そういうところから、これを立法化して、法律化してまいったという考え方ではなかろうかというのが私の想像であるわけでありますが、この点については、大臣があくまでもそういうように言うとするならば、これ以上、平行線になりまするから、私は申しませんけれども、しかしこういうものは、でき得るならば、団交事項において解決をつけたほうがいいのではないかという考えをお持ちになりませんか。
  176. 古池信三

    古池国務大臣 かような特殊なものを除きましては、労働条件あるいは給与等に関する問題は、団体交渉でやることがよかろうと考えております。
  177. 森本靖

    森本委員 だから、こういう特別給付金のような問題におきましても、でき得るならば、これは団交事項において解決がつけ得る問題であるとするならば、団交事項において解決をつけたほうがいいと解釈をしないか。ただし、今日のいわゆる政府部内の状況、あるいはその他のあらゆる客観情勢からして、これが団交事項においては解決がつかない、こういう考え方を郵政大臣が持ったから、ここに立法化をしてきた。しかし本来ならば、こういう問題については、団交事項で解決がつけ得るとするならば、団交事項において解決をつけたほうが一番得策ではないか、上の策ではないか。今回とっておるところの策は、いわば下の上の策ではないかというふうに考えられるわけでありますが、その点について、大臣はどうお考えか、こういうことです。
  178. 古池信三

    古池国務大臣 現実の問題として、ただいま森本委員の指摘されましたような事情も、むろん私わからぬではございませんが、しかし筋論としましては、やはり退職手当に準ずべきかようなものは、法律で明定することが、いまの法体系から申せば、しかるべきである、こういうように考える次第でございまして、形式論と申せば形式論かもしれませんけれども法律論としてはそのほうがより適当である、かように私は考えております。したがって、かような退職手当以外の給与とか、労働条件については、もちろん団体交渉によってきめていくべきものである、こう考えておりますが、この場合は特殊なものであり、しかも一方に国家公務員等退職手当法という法律があって、明定されておりまするから、したがって、これに類するものは、団体交渉という一種の契約によらないで、法律で定めていくことが妥当である、かように考えております。
  179. 森本靖

    森本委員 大臣の日ごろからの性格、あなたの日ごろからやってきた石橋をたたいて渡るという主義からするならば、私のような政治的な発言に対して、政治的なお答えは、あなたの性格からするとできない。だから、これ以上この問題については、私は平行線をたどりますので追及いたしませんけれども、少なくとも大臣が政治家としての素質を備えて、そして大臣としての見識を持つとするならば、私の質問に対しましてはおよそ同調ができるものであるというふうに私は考えるわけでありまして、そういう点は、大臣は平生からかたぶつであるということで通っておりますので、これ以上この問題で私が追及いたしましても、それ以上の政治的な答弁は非常に困難であろうというふうに考えますので、この点は平行線として置いておきたいというふうに私は考えるわけでありまするけれども、将来にとりまして私が一番大切に考えますることは、労働者の権利というものは、やはり何といたしましても、労働権として、これがはっきりと団体交渉事項で明示をされておるわけであります。そういう労働者にとっては重大なる権利でありますところの労働権というものが、法律において一つ一つ侵されていくということは、その内容がいかに労働者によかったにいたしましても、悪かったにいたしましても、労働者としては、その権限を一つ一つ法律において剥奪をせられるということについては、しゃにむに反対するものであるということをよく御記憶を願っておきたい。その内容がいいから労働者が反対をするということはおかしいという論法をお持ちの方もありまするけれども、よかれあしかれ、労働省の権利を法律において奪っていくということについては、労働者階級としてはこれは絶対に納得がいかぬものである。その根本的な考え方が、やはりこの法律案件に対するところの重大な争点になっておるわけであります。その点をひとつ郵政省並びに電電公社としても、どういうわけでこの法律案件に対して労働者の諸君が反対をしておるかということを、よくよく身にしみて御記憶を願っておきたい。このことが一番重要な問題であります。その法律案件の内容のよしあしの問題についても、賛成反対の問題もありまするけれども、根本はそこにあるということをよく御記憶を願わないと、何で労働組合が反対をするか、なぜ社会党がこれほど執拗に反対をするかということの理解が乏しい、こういうことになるわけでありまするから、その点を私は、公社郵政省もよく御記憶を願っておきたい。ただいいものであるとするならば法律できめたらいいというような考え方とは全く違う。労働問題というものはそういうものではないということを、私は大に臣よく御記憶を願っておいてもらいたい。さらに電電公社についても、その点については私はよく御記憶を願っておいてもらいたい。そうでなければ、この争点が明確になってこないわけです。その点をひとつ十分に大臣考えていただきたいと思いまするが、私がいま申し上げました問題について、大臣総裁との御所見をこの際聞いておきたい、こう思うわけであります。
  180. 古池信三

    古池国務大臣 一般論といたしまして、ただいま森本委員の御主張になりましたその精神、すなわち労働者の権利を十分に尊重していくべきであるということについては、私も何ら反対はございません。今後もそういうふうな精神をもって当たっていきたいと思いますが、今回のは特殊な場合であるということを御承知願いたいと思います。
  181. 大橋八郎

    ○大橋説明員 ただいま大臣の仰せられたとおりでございまして、私も同様に考えております。
  182. 森本靖

    森本委員 そこで、この法律の問題よりも、私は本来ならば第一次計画、第二次計画、第三次五カ年計画におきまする重要な案件の内容について入っていきたいというふうに考えておりまするけれども、いずれにいたしましても、この法律案件の内容についてもかなり重要な点があるわけでありまして、過日森山委員が質問をいたしまして質疑応答があっておりまするけれども、間違っておるとは言いませんけれども、解釈のしようによってはどうにもとれるという危険な解釈も生まれてまいりまするので、その点について私はひとつ解釈を明らかにしておきたい、こういう点から質問を申し上げたいと思いまするが、まずこの第二条の三号の政令で定めるという、この政令の内容についてひとつ説明を願いたい、こう思うわけです。
  183. 増森孝

    増森政府委員 お答え申し上げます。  第二条の三号の「政令で定めるもの(以下「電話交換事務」という。)」と書いてございまして、電話交換事務とは、交換監査の事務を規定したいと思っております。
  184. 森本靖

    森本委員 電話の交換監査、それからこれの度数を計算をする事務的な人、そういうものは入りませんか。
  185. 増森孝

    増森政府委員 少し訂正いたしますと、交換に関する事務は、通話の請求の受付及び交換、電話番号及び通話に関する案内等、直接電話の交換に関する事務といたします。
  186. 森本靖

    森本委員 監査は入りませんか。
  187. 増森孝

    増森政府委員 監査も入ります。
  188. 森本靖

    森本委員 もう一ぺん言うてください、ちゃんときちんと。速記録に載せておきますから……。
  189. 増森孝

    増森政府委員 それではもう少しはっきりいたしますが、電話の交換に関する事務は、通話の請求の受付及び交換、それから電話番号及び通話に関する案内等、直接電話の交換に関する事務といたします。したがいまして、交換の中に監査も入るわけでございます。
  190. 森本靖

    森本委員 それから通話度数を計算をいたします女の子は入りませんか。
  191. 増森孝

    増森政府委員 入らないことにしております。
  192. 森本靖

    森本委員 公社は……。
  193. 中山公平

    ○中山説明員 人事局長の御答弁のとおり入りません。
  194. 森本靖

    森本委員 これは、通話の度数を計算するいわゆる統計事務は、ほとんど交換手がやっておるわけでありますが、どういうわけで入りませんか。
  195. 中山公平

    ○中山説明員 電話交換に関する事務というものでこの法律の適用対象として入れるものは、電話交換事務及び電話のいわゆる交換及びそれに密接不離な仕事というものに限ったわけでございます。
  196. 森本靖

    森本委員 監査事務とそれから案内台が入るということであるとするならば、少なくともこの通話の統計については入ると思いますが、どうですか。普通電話局でほとんど電話交換上がりの人が、電話交換として、いわゆる営業関係でありますけれども、やっておるわけでありますが、それは入ると思いますが、どうですか。
  197. 中山公平

    ○中山説明員 指数調査の仕事は、いわゆる電話の交換事務というものと密接不可分というものではないとわれわれは考えております。
  198. 森本靖

    森本委員 これはたとえば現在の、要するに手動交換局が無人自動交換局になった場合は、そのものが当然不要になってくるわけであります。だから、それは当然統括局、集中局に移転せられるわけであります。それが入らぬというのは非常におかしいわけでありますが、これは交換事務に付属する事務であります。ここらあたりは重要な問題ですから……。
  199. 中山公平

    ○中山説明員 いま先生の御質問、手動局自動化をされた場合に、指数調査の事務が集中局のほうへいく、その意味でその局で定員として減少するのではないのか。手動局においては、そういう指数調査の事務は、自動局のごとくいわゆる度数計によって出てくる調査というものは私どもはないと見ております。
  200. 森本靖

    森本委員 これはしかし若干市外通話その他についてはあるんじゃないか。通話表の整理は全然ありませんか。
  201. 中山公平

    ○中山説明員 度数計ではやっておらない関係で、いま仰せになったような仕事は、現実問題としてはないものと考えます。
  202. 森本靖

    森本委員 そういたしますと、いまの手動局の通話表の発信の整理はどこでやっておりますか。
  203. 中山公平

    ○中山説明員 それは交換手がやっております。
  204. 森本靖

    森本委員 交換手がやっておっても、交換手が交換をしながらやっておるところはないでしょう。
  205. 中山公平

    ○中山説明員 交換とその仕事を同時にやるということは、これはできないことでございますので、御指摘のとおりだと思います。だから、交換もやりますし、その発信交換表の整理というようなこともやる、こういう混合した関係にあるわけでございます。
  206. 森本靖

    森本委員 その発信交換表を混合せずに、その整理だけをやっておる者もおるでしょう。それは私はしょっちゅう回っておるから知っておる。あるんだよ。
  207. 中山公平

    ○中山説明員 たいへん答弁が不十分で申しわけありません。交換手が発信交換表の整理をやっております場合は、これは交換要員電話交換に関する事務という中に入れてやってよろしいかと思います。
  208. 森本靖

    森本委員 そういたしますと、いま言ったように、入るわけですね。人事局長いいですね。
  209. 増森孝

    増森政府委員 交換の事務に面接密着しているという点で、入れてもいいかと思います。
  210. 森本靖

    森本委員 入れてもいいかと思いますではなしに、入っておると、こうはっきり答えてください。
  211. 増森孝

    増森政府委員 はっきり答えているつもりです。
  212. 森本靖

    森本委員 それから、これはもう念を押さぬでもいいのですが、男の交換手も入るわけですね。
  213. 増森孝

    増森政府委員 もちろん入ります。
  214. 森本靖

    森本委員 それから、先ほど安宅委員が質問をいたしまして、非常に問題になったところでありまするが、第三条の「その自動化実施の日として郵政大臣又は公社総裁が定める日の三十日前までに退職の申出を行ない、郵政大臣又は公社総裁の認定を受けてその実施の日から七日以内に退職したときは、次に掲げる場合を除き、その者に対し、特別の給付金を支給する。」ここで、こういう問題はすべて労働組合と団体交渉をやりながらきめたほうが一番いいのじゃないか。法律法律としてこういうことがありましても、その内容についてはすべて、いわゆる全電通なり全逓の組合と郵政省並びに電電公社が十分に協議をして、その団体交渉の中において、こういう問題についてはすべてきめていったほうがいいのじゃないか。こういうふうな法律法律としても、それを実際に移す場合においては、そういう問題についてはすべて労働組合と協議をしながら進めていったほうが、きわめて円満にいくのじゃないかというふうな気がするわけでありますが、これはどうなんですか。
  215. 増森孝

    増森政府委員 法律のほうできちんときめられました条件等は法律できめてまいりまして、その他法律で明記しておらない事項等で、団体交渉できめ得るものは相当出てくるかと思います。法律の明記がないものにつきましては、十分に団体交渉できめていきたいと思っております。
  216. 森本靖

    森本委員 たとえば「郵政大臣又は公社総裁が定める日の三十日前までに退職の申出を行ない、」というのですが、この「退職の申出を行ない」、というのは、辞表を出すのですか。それとも単に私は退職をしたいという申し出をするわけですか。どちらですか。
  217. 増森孝

    増森政府委員 これは辞表と受け取っていただかないほうがいいと思うのであります。これは条件つきの退職の申し出、つまり条件と申しますのは、その次のほうに、特別給付金を支給されなければ退職の申し出は消える、こういうふうに書いてございます。
  218. 森本靖

    森本委員 そうしますと、この退職の申し出というものは、要するに給付金をもらえるならば退職をいたしますという申し出であって、給付金がもらえなければ退職をしないという条件で申し出を行なう。これは口頭で行なおうと文書で行なおうと、そういう点については組合側と十分話し合いをする、こういうふうに解釈してよろしゅうございますか。
  219. 増森孝

    増森政府委員 運用上はそうしたいと思っております。
  220. 森本靖

    森本委員 それからその次の「郵政大臣又は公社総裁の認定を受けてその実施の日から七日以内に退職したときは、次に掲げる場合を除き、」云々と、こうあるわけでありますが、こういうところの中で一番問題になりますのは、この二項の問題であります。二項の問題で「政令で定める基準に従ってするものとする。」というのが最後にあるわけであります。この政令の内室はどういうふうな内容になるわけですか。
  221. 増森孝

    増森政府委員 退職申し出者が法第三条第二項に規定する人数の範囲を越えた場合は、勤続期間が長い者から順次に認定するものとする。ただし、退職後直ちに常勤者として他に就職することが確実と認められる者以外の者を優先して認定することができることといたしたいと思います。
  222. 森本靖

    森本委員 こういう政令の内容というものについては、そういうふうなきちんとしたものをきめずして、少なくともこれは労働組合と十分話し合いをし、協議をしてやっていったほうが私はきわめていいのではないかというふうに解釈をするわけであります。この法案そのものについては反対でありますけれども、反対は反対でも、かりにこれが実施をせられるということになった場合には、いま私が言いましたように、この政令で定めるという内容については、たとえばこれは全部労働組合との間において十分に話し合いをしてきめたほうがよろしいのではないだろうか。その政令というものについては、これはもうほんとうにごく大まかなものをきめるにすぎない、こういうふうに解釈をするわけであります。そうして、さらにその政令の内容については、私は、できる限り当委員会の与野党に、あらかじめ一応の提示を願いたい。そういたしまして、その政令というものはかなり大まかな政令で、こまかな問題についてはすべてこれを労働組合との団体交渉並びに協議に譲る、というふうにしたほうがいいのではないかというふうに解釈をするわけですが、どうですか。
  223. 増森孝

    増森政府委員 これらにつきましては、十分組合の意見等をいれてやっていきたいと思います。  それから第二点の、政令の内容を当委員会に示せ、こういうことでございますが、いまの段階では、まだ政令ができておりませんので……。
  224. 森本靖

    森本委員 いまの段階ではその政令ができていないということでありますけれども、この前の有線放送電話に関する法律を審議いたしましたときに、例の重要な北海道の政令その他の政令の問題については、政令を出す前に与野党のおもだった理事諸君には了解を得るということで、質疑応答の中にこれを明らかにいたしまして、その政令については、事前に委員会において約束をいたしましたとおり、郵政省のほうからわれわれのほうに提示がありまして、大体それならよかろうというところで、その政令を出した経験があるわけであります。そういう点を私はこの政令については非常に重要視いたしておりますので、そういうふうな、前の有線放送電話に関する法律の運用に関する修正のときと同じようなやり方において、この政令をやってもらいたいというふうに考えておるわけでありますが、どうですか。
  225. 増森孝

    増森政府委員 先ほどお答え申しましたように、第三条第二項にきめます政令の内容としましては、勤続期間の長い者から順次に認定をしようというような大ざっぱなことしかきめませんので、その他の細目につきましては当然組合と話し合いになろうかと思います。  それから、政令につきましては、でき次第早く当委員会に提出したいと思います。
  226. 森本靖

    森本委員 でき次第当委員会に提出をするということでなしに、それを実際に作成をする前に、当委員会の理事諸君には提示を願って、そうしてわれわれの意見も聞いて実際に運用するということを、この前の公衆電気通信法の一部改正のときにはやった経験があるわけであります。それと同じようにこの政令についてはやったほうがいい、私はこう考えておるわけでありますが、そのとおりできるかどうか、こういうことであります。
  227. 増森孝

    増森政府委員 政令案自体は、先ほど申しましたようにまだできておりませんので、政令規定の見込み事項といったようなものを理事会に出すことにいたします。
  228. 森本靖

    森本委員 さらに念を押しておきたいと思いますが、この一、二、三と日本数字で載っておりますところの内容で、この間の森山君の質問によりますとちょっと違ったような観点がありますので、私は具体的な例をもって聞いておきたいと思います。たとえば現実にここに一つ手動交換局があるとする。それで交換手が百二十五名とする。その場合に二十五名は残置定員として残る。それから五十名というものが、ここにありますところの、どうしても配置転換不可能であるというものである。残り五十名が配置転換が可能である。そういう場合に、この前の質疑応答においては、その配置転換不可能の五十名の中から選ぶというふうなことを言っておったわけでありますけれども、この法律の解釈をいたしますとそうはとれぬわけでありまして、かりに百二十五名の場合に、二十五名が残置可能、そのときに、その当該局に対して、予算定員というものが六十名になるか、五十名になるか、四十名になるかは別といたしまして、現実にその百名の中から希望者を募る。そうしてその希望者が、予算定員が四十名かっちりであるとするならば、その四十名に当てはまる。あるいはその希望者が六十名ということになっておった場合には、二十名というものはそのまま過員としておく。その場合の四十名というものについて、これをどうするかということになった場合には、いま申し上げましたところの政令あるいは労働組合との協議において、その内容についてはきめていく、こういうふうにこの問題については私は解釈をしたい、こう考えておるわけでありますけれども、そういう解釈でいいかどうかということをはっきりと聞いておきたい、こう思うわけであります。
  229. 増森孝

    増森政府委員 いまの数字を的確に書きとめられなかったので……。
  230. 森本靖

    森本委員 それではもう一ぺん言います。ここに百二十五名というものがおった。そこで今度の自動交換方式によって二十五名というものが残置定員である、五十名というものが配置転換不可能である、それから五十名というものが配置転換可能である、こういう場合、その配置転換不可能の五十名の中から選ぶということをこの間答弁をしておるわけであります。私は、そうではない、その場合に、この給付金の予算定員が三十人になるか四十人になるかについては別として、かりに四十人になった場合は、その百名の中からその四十人というものを選ぶ。その場合に、それが五十名になった場合には、いま申し上げましたように組合と協議をして、その五十名の中から四十名をどういうふうに選ぶかということについては、その順位をきめる。かりに希望者が二十名しかないということになった場合には、予算定員が四十名であっても、あとの二十名を勧奨によってやめさすということは絶対にやらない、こう解釈をしていいのかどうか、こういう点であります。
  231. 増森孝

    増森政府委員 この予算人員というのはちょっと意味不明かと存じますが、私どもとしまして考えておりますのは、過員になりました数字から配置転換のできます数字を引いた数字が、いわゆる特別給付金を支給していい人数でございます。その際に特別給付金を支給できる人数の範囲内でございますれば、これは自分の意思でやめようとどうしようと、特別給付金を差し上げようと思っております。ただし、その場合に、この人数をオーバーしてやめたいという人が多くなった場合には、多くなったものについて、たとえば先生の仰せでございますと、百名をオーバーした場合につきまして五十名ですか……
  232. 森本靖

    森本委員 よく聞いてもらわなければだめだ、私が言っておるのは、大事な点でありますから。要するに百二十五名という定員があった、その場合に二十五名は存置定員として残る、五十名は配置転換不可能な人数である、五十名は配置転換が可能である、こう解釈をする。そうなった場合には、その五十名の要するに給付金の予算定員というものはここに出てくる。その場合に、かりに六十名という希望者があった場合においては、十名オーバーするわけですね。そこでその十名については給付金を支給しない、過員として残ってもらう、こういうことになるわけであります。その順位をきめる場合には、労働組合と十分に相談をしてきめる。それから五十名という給付金の定員であるけれども、希望者が実際には二十名しかなかったという場合には、残りの三十名については勧奨して強制的にやるということは絶対にやらない、二十名しかやらない、こういうふうに解釈をしていいのかどうか、こう言っておるわけです。
  233. 増森孝

    増森政府委員 労働組合とすべてを団体交渉のうちできめるということではなくて、先ほど申しましたように政令で順位をつけてやりたい。それからもう一つの点は、三十名残る場合、その残った者は強制退職をするのかしないのか、それはしない、こういうふうに御了解願います。
  234. 森本靖

    森本委員 だから強制退職は一切やらないということでありますが、それはそれとして、いま言った政令では大まかなことを——最初にだから私が質問したでしょう。政令というものは大まかなものをきめる。その政令の内容については、要するにわれわれにもその内容を見せていただいて、十分に意見を反映をする。さらにその細部の問題については、政令では大まかなことをきめるけれども、かりに三十名しかないところに四十名の希望者があったというときには、それを一体どう順位をつけるかということについては、十分に労働組合とも協議をしなければならぬことは当然であります。だから、そういう点については当然労働組合と協議をしてやる、こう解釈をしていいのかどうか。
  235. 増森孝

    増森政府委員 そのとおりでいいと思います。
  236. 森本靖

    森本委員 そういたしますと、いわゆるこの二項の問題について一応はっきりいたしてまいったわけでありますけれども、ここで問題がありますのは、郵政省公社との間の問題であります。それは、先ほど栗原委員が若干質問をいたしまして、残っておりますけれども、たとえば郵政省電電公社の場合に、特定局が今度電報電話局に移管せられるという場合、どういう基準において電電公社郵政省がいま人間のやりとりをやっておりますか。
  237. 増森孝

    増森政府委員 ただいままでのところ、別にその過員の何%を引き受けなければいけないというようなことはしておらないのであります。去年から——その前までは、通信局と郵政局との間で、どういうふうに現実に電電公社に取ってもらうかということは話し合っておったのでございますが、先ほど御説明しましたように、それではなかなかトラブルが絶えないところもございます。そこで去年から電電公社と本省間でやっておりますのは、地方の数を積み上げまして、そうして本省、本社でもって大体の数をきめまして、そうしてそれに基づいて、地方のほうでもその大体の本省、本社間できめましたものに基づいて引き受けをしてもらおう、こういうことになっております。  なお、ただいままでの公社転出の率を申し上げますと、三十三年あたりでは六一%ほどでございましたけれども、それが三十七年度あたりになってまいりますと、四五%くらいに下がっております。その下がりました理由は、だんだん小さなところに入ってまいりますので、おそらく第三次五カ年計画ではこの公社に引き受けてもらう数字というものはだんだん縮小するのではないかというように考えております。
  238. 森本靖

    森本委員 これはやはり郵政省電電公社との一つの対立になると思います。そこで、問題になるのは、こういう法律が通った以上は、電電公社側はすべて金で解決をつけようとおそらくするでありましょう。ところが、郵政省としては、金で解決をつけるということよりかは、人間で解決をつけてくる、こういうことになると思います。これはどういう答弁をいたしましても、郵政当局と電電公社当局が対立することは明らかであります、事業の性格上。そこで、こういう法律をしゃにむにあなたのほうが通そうとするならば、その郵政省電電公社協約といいますか、契約といいますか、そういうものをまず明らかにしておかなければ、これは実施に移す場合に非常に大きな困難が生ずる。労働組合との争いよりも、まず郵政省電電公社の争いが起きる。おそらく電電公社側としては、これを郵政省に対して金で解決をつけようとする、郵政省側は、そうではなしに、人間で解決をつけようと考えるのは当然であります。そこで、この法律をかりにあなた方がしゃにむに通そうとするならば、少なくとも郵政省電電公社が、その何%を電電公社が取る、何%を郵政省が処理をするという一つの基本的な契約をはっきりと全国的にきめておかなければ、大きなトラブルが起きるということは当然であります。そこで、私は、この法律がもしかりに通ったあとの場合は、そういうトラブルが非常に起きやしないかということでいま聞いたところが、現実の問題として六一%から四五%にまで下がってきておる。さらにこれが二〇%、三〇%に下がってまいりまして、この法律が通った以上は、さらにこれが金で解決をつけよう、こういうことになるのではないかという気がするわけでありまして、その辺の問題を、私は、人事局長職員局長ももっと突っ込んだ話し合いを、この法律を提案する前にすべきであった、こう考えておるわけでありますけれども、不幸にいたしまして、その問題が解決がついてない、その場その場においてこれを解決をつけていくということになる。そうなるとするならば、いま言いましたように、電電公社は金で解決をつけよう、郵政省は人間で解決をつけよう。これは労働組合とけんかをする前に、まず郵政省公社がけんかになる。その辺の問題を一体大臣は詳細に検討しておるかどうか。電電公社総裁と二人で話したことがあるかどうか。あなた方は労働組合、労働組合と言って、労働組合を目のかたきにしておるけれども、労働組合とけんかをする前に、いまや全国的にしょっちゅう郵政省電電公社がけんかしておる。そのけんかをしておることを解決をつけずしてこういうものを出してきた場合には、よけいにけんかの種がふえてくる。その問題を一体大臣総裁とはどう考えておるのか。何かこれが六〇%とか五〇%とかいう率があるとするならばまた別ですよ。どうですか。大臣総裁からこれを一人ずつ聞いておきたいと思います。
  239. 古池信三

    古池国務大臣 これはまことにごもっともなことだと存じます。今後電電公社総裁と十分に話し合いをいたしまして、妥当な基準と申しましょうか、覚え書きと言いましょうか、そういう協定を結ぶ必要がありと考えますので、その線で努力してまいりたいと存じます。
  240. 森本靖

    森本委員 いまの点が一番重要な点でありますので、その点を次の機会に大臣から、さらに総裁からも回答願うことにいたしまして、その点を留保いたしまして、私のきょうの質問は一応終わりますが、次に、いまの点について、はっきりと聞いておきたいと思います。
  241. 大橋八郎

    ○大橋説明員 従来から、どの程度引き受けるかということは、種々問題があったのであります。しかし、結局よく話し合って、円満に話し合って今日に及んでおります。今後も私どもは十分話し合って、公社としても、できるだけよけい引き受けるように配慮していきます。
  242. 森本靖

    森本委員 次回の委員会で聞きます。それまでにはっきりしてください。
  243. 加藤常太郎

    ○加藤委員長 本日はこの程度とし、明二十一日は午前十時より逓信委員会大蔵委員会社会労働委員会連合審査会を開会し、午後一時半から逓信委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後五時二分散会