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1964-04-08 第46回国会 衆議院 逓信委員会 第19号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年四月八日(水曜日)    午前十時四十一分開議  出席委員    委員長 加藤常太郎君    理事 秋田 大助君 理事 上林榮吉君    理事 佐藤洋之助君 理事 志賀健次郎君    理事 森山 欽司君 理事 栗原 俊夫君    理事 森本  靖君       小渕 恵三君    佐藤 孝行君       椎熊 三郎君   橋本登美三郎君       本名  武君    山本 幸雄君       安宅 常彦君    片島  港君       下平 正一君    畑   和君       柳田 秀一君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 古池 信三君  出席政府委員         郵政政務次官  金丸  信君         郵政事務官         (大臣官房電気         通信監理官)  畠山 一郎君  委員外出席者         日本電信電話         公社総裁    大橋 八郎君         日本電信電話         公社総裁   米沢  滋君         日本電信電話         公社理事         (監査局長)  大泉 周蔵君         日本電信電話         公社監事    松田 英一君         日本電信電話         公社営業局長  千代  健君         日本電信電話         公社計画局長  宮崎 政義君         日本電信電話         公社経理局長  井田 勝造君         専  門  員 水田  誠君     ————————————— 四月七日  鹿児島県大山局電話交換事務山川局に統合  の請願上林榮吉紹介)(第二〇四四号)  香川県塩江町に簡易保険保養センター設置に関  する請願木村武千代紹介)(第二〇四五  号)  戦傷病者放送聴視料免除に関する請願(今松  治郎君紹介)(第二一八一号)  同(鴨田宗一紹介)(第二一八二号)  同(佐伯宗義紹介)(第二一八三号)  同(進藤一馬紹介)(第二一八四号)  同(高瀬傳紹介)(第二一八五号)  同(高橋清一郎紹介)(第二一八六号)  同(高橋等紹介)(第二一八七号)  同(谷垣專一君紹介)(第二一八八号)  同外一件(寺島隆太郎紹介)(第二一八九  号)  同(永山忠則紹介)(第二一九〇号)  同(羽田武嗣郎紹介)(第二一九一号)  同(福田繁芳紹介)(第二一九二号)  同(藤本孝雄紹介)(第二一九三号)  同(西村直己紹介)(第二一九四号)  同(和爾俊二郎紹介)(第二一九五号)  郵便局舎等整備促進法制定に関する請願外四  件(森本靖紹介)(第二二三五号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  電話設備拡充に係る電話交換方式自動化の  実施に伴い退職する者に対する特別措置に関す  る法律案内閣提出第三七号)  日本電信電話公社法の一部を改正する法律案(  内閣提出第六七号)      ————◇—————
  2. 加藤常太郎

    ○加藤委員長 これより会議を開きます。  電話設備拡充に係る電話交換方式自動化実施に伴い退職する者に対する特別措置に関する法律案内閣提出日本電信電話公社法の一部を改正する法律案を一括して議題とし、審査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許します。片島港君。
  3. 片島港

    片島委員 最初に、三十五年度、三十六年度、三十七年度、それとわかりますならば三十八年度における損益勘定公社収入予算額決算といいますかその実績がわかりましたならばお尋ねいたしたいと思います。
  4. 井田勝造

    井田説明員 三十五年度予算収入は二千二百九億でございまして、これに対しまして実績は二千三百八十六億で、百七十七億の増収でございます。それから三十六年度予算見積もりが二千六百五十四億でございまして、これに対して実績は二千八百七億で、百五十三億の増収でございます。三十七年度予算が三千二百四十四億でございまして、これに対しまして実績が三千百十三億で、百三十一億の減収でございます。それから本年度でございますが、本年度予算見積もり額は三千六百六十億でございます。これに対しまして実際の収入状況は二月まで十一カ月分で三十一億の減収でございます。あと三月分の決算を目下進めておりますが、これは数億増収になるような見込みでございますので、三十八年度は三十億以下の減収ということでおさまる見込みでございます。
  5. 片島港

    片島委員 そこでお尋ねしたいのでありますが、いまの予算においてもわかりますように、三十七年度においては予算額と実際の収益との開きが非常に大きいし、また三十八年度においても相当額赤字といいますか、予算額に対しての収入不足がある。決算書で調べてみますと、昭和三十五年度が六百五億の純利益、三十六年度は六百七十五億の純利益、三十七年度は五百四十二億というように、予算額と実際の実績を調べてみましても、当初の予算額に比べて実際の収入が最近になって非常に少ない。また三十七年度の純利益を見ますと、前年比において百三十二億の減収、前々年度との比におきましても六十二億の減収、こういうことは、どうして一体こういうようなことになっておるのか。特に三十七年度においては著しい減収が目立っておりますが、これは一体どういうところにその原因があるのか、その点をまず伺いたい。
  6. 大橋八郎

    大橋説明員 御指摘のごとく三十六年度まではわりあいに収入状態が順調でありました。初めの予算収入よりも現実の収入のほうが多かったことは御指摘のとおりであります。三十七年度において予算収入よりも減ったという原因につきましては、いろいろ考えられると思うのでありますが、まず第一は、やはり一般の世の中の経済界の事情ということが一つ原因であろうかと思います。三十七年度月別状況を見ましても、年度の四月、五月ごろから相当減収がありました。ことに十月以降になりまして著しく減収の度が進んだのであります。これは御承知のとおり、ちょうど九月末から料金合理化に基づく電話料金改定実施されましたので、その改定の結果が不景気にからんで特に大きな減収を生じた、かように存じておるのであります。ところが三十八年度になりますと、四月から多少の減収ではありますけれども月別に見ますと、多少減収になる月もあり、また予算よりも増収になる月もあるというようなことで、前年に比べますと収入状態はよほど好転の傾向にあるわけでありまして、ただいま経理局長が申し上げましたとおり、三十七年度において百三十一億の予算面に対する減収がありましたが、三十八年度においては、大体三十億以内の減収にとどまる見込みであります。
  7. 片島港

    片島委員 第二次五カ年計画、第三次五カ年計画というふうな計画は、年度が進行するにつれて建設部門に非常に多くの経費が必要になってくる。そのために無理をして、収入がそう多く見込まれないのにもかかわらず、相当多くの収入見積もりを立てておかなければ建設勘定への自己資金が調達できない。私がなぜこういうことを申し上げるかといいますと、まだ三十八年度実績は調べてみませんが、三十六年度においても、加入電話の増設、公衆電話市外局建設市外電話回線、これらはいずれも予定よりも若干上回り、さらに電話局建設のごときは、当初予定の百四十局が百七十六局、こういう建設状況になっておる。また三十七年度を見ますと、電話局建設においては多少減っております。また電報の中継機械化も十五局の予定が十局、こういうような状態でありますが、その他はいずれも当初の計画相当上回っておるのであります。  これは昭和三十六年度及び昭和三十七年度の会計検査院から提出をせられております会計検査報告書に詳しく説明がしてございますから、ごらん願えればわかります。  このように一方においては、純利益は減る、予算額には達しない、にもかかわらず、一方においては、建設のほうは無理をして当初計画を上回るような状態になっておる。こういうように、あなた方の計画をあまりにも強度に無理をして進めようというところに予算上の無理があり、実行上の無理が出てくるのではないか。また、そういうことがひいては従業員労働条件あるいは給与の問題などにも響いてくるのではないか。  参考のために申し上げますが、日本放送協会の三十九年度予算総則には第七条にこういうことが書いてあります。事業量増加等により、収入予算額に比し増加するときは、その増加額は、経営委員会の議決を経て何々に使うことができる。ほとんど何でも使える。また、前項に定めるもののほか、職員能率向上による企業経営の改善によって、収入予算額に比して増加した場合は、その分は特別の給与に回すことができる。そこで私は、事業量増加職員能率向上によって予算額よりも実際の収入がふえた場合には、こういうふうに使うことができるとは書いてあるが、予算額に比して不足をした場合はどうするかということが書いてないが、どうですかと、こう質問したわけです。そうしたところが、私のほうは実際の収入予算額に満たないような予算は編成いたしません、こういう答弁であった。これはまことに人を食った話であります。予算でありますから、増収があることもあれば減収があることがあるのも当然でありますが、しかしそういう答弁でありました。私のほうは、必ず実際の収入のほうが多くなるように予算はつくるべきものだ、そういう方針でつくっておる——そのとおりでありましょう。三十六年度においても——公社予算から比べたならば問題にならない小規模の予算でありますけれども、三十五億の増収、いま総裁がおっしゃいました三十七年度でも、非常に不況でありますが、その不況の波にかかわらず、やはり予算よりも三十億円の増収、また三十八年度においても、これはまだ予定でありますけれども、一月末でありますか十二月末ですでに二十三億円の増収、こういうふうな結果が出ております。それに比べますと、電電公社予算というものは、実際の仕事は大いにやっておられるけれども、実態に合わないような無理な計画の推進をしておるあとがこの数字の上に出ておると思うのでありますが、この点総裁はどうお考えになりますか。
  8. 大橋八郎

    大橋説明員 予算収入見積もりの問題でありますが、NHK予算のことは私よく存じませんから何とも申し上げかねますけれども、おそらく公社予算やり方とはだいぶ違っておるのではないかと思います。御承知のとおりNHK予算は、公社予算と違って、一括して特に郵政大臣意見書を付して国会の承認を得るとか、何か決議を経ておるようであります。  それはさておきまして、公社といたしましては、三十六年、三十七年、三十八年に前と変わった特別の無理な収入見積もりをやっておることは全然ございません。従来からやっておるとおりのやり方ですべてきておるのであります。毎年予算を組みます場合には、年度の初めの四月から九月までの収入状況をもとにいたしまして、それによって将来の単価を見積もって収入を見る、そのほかに過去の数カ年間の実況によって自然増収のあった場合には幾割かの自然増収をそれに付する、こういうやり方は例年ずっと続けておるのでありまして、最近になって変わったということはございません。
  9. 片島港

    片島委員 最近になって予算組み方考え方としては違ったことはないが、結果として見た場合には、従来以上に成長率の高い電気通信事業が、収入減になり予算を下回る実収入しか出てこない。NHK予算とは——これは大臣お尋ねいたしますが、予算を編成する場合には、会社予算であろうと、公社予算であろうと、NHK予算であろうと、予算の立て方というものについては性格的には変わらぬのじゃないかと私は思うのです。総裁は、NHKのことは知らぬけれども、それは立て方が非常に違う——またNHK審議をしますときは、大臣もずっと御出席になりましたが、実際の置局計画からすべて全部の資料を提出していただいて審議をしております。本質的に予算の編成のしかた、立て方が違うべきものかどうか、所管大臣としてどちらも監督されておりますが、いかがお考えになりますか。
  10. 古池信三

    古池国務大臣 予算組み方は、申すまでもなく当該年度についての収入支出とがバランスのとれるように立てることが基本的に当然であろうと存じます。ただ内容の細目にわたっては、その会社なりあるいは公社なりによって、いろいろのやり方についての伝統もあることでございましょうから、全く同一というわけにはまいらぬと思いますけれども、基本的な問題については同一原則でやるべきものと心得ております。
  11. 片島港

    片島委員 それではこのような、従来三十五年度、六年度くらいまでは順調に実際の予算額よりも上回った、成長してきたのに、最近それが鈍化し、予算額よりも赤字が出てきておるという傾向について、大臣はどうお考えになりますか。
  12. 古池信三

    古池国務大臣 いろいろ原因考えられると思いますが、私は、大きな理由といたしましては、かような通信関係事業収入のもととなりますものは、やはり一般社会情勢によって相当大きな影響を受けるものと考えます。たまたま三十七年ごろは日本経済全般がいわゆる不景気のときであったと存ずるのであります。したがって、その経済情勢影響を受くるところが、多かったであろうということ。もう一つは、三十七年から料金改定が行なわれました。この料金制度の改宗に伴う影響というものも相当大きく響いたのではないかと考えております。したがって、結果的に見ますると、予定された収入よりも実際の収入が下回って、いわゆる予算額に対して収入赤字になったという結果になりましたことは、端的に言えばやはり一つ見込み違いであった、こう私は考えております。
  13. 片島港

    片島委員 見込み違いであったと大臣が言われればそれまでであります。ほかの原因として、少しく計画を強く推進し過ぎておるためではないか、これが一つの大きな原因ではないか、私はそう考えております。  ところで、公社の全体の予算決算についてでありますが、ちょっとその前に経理局長お尋ねします。電信事業において、三十八年度における収支予算、これはまだ三月の結末がついておらなければ見込みということになりましょうが、一体どういうことになりましょうか。
  14. 井田勝造

    井田説明員 御意見のように、まだはっきりしておりませんのですが、最近電信事業赤字は年々累増しておりますので、おそらく、本年度決算が出まして、これを電信事業収支で累計をいたしますならば、二百五十億程度赤字は出てくるのであろうというふうに考えております。
  15. 片島港

    片島委員 これは大臣お尋ねいたしますが、電信事業において、三十六年度収入が百四十五億に対し支出が二百四億で百六十億の赤字、三十七年度は三百六十七億の支出に対して収入白五十六億で二百十一億の赤字、さらに今年はそれをまた上回って二百五十億の赤字支出収入を上回っておる。生収入を上回る赤字なんであります。支出から収入を差し引いた赤字収入生体よりも多い。電信事業ではこの傾向がますます多くなると思うのでありますが、何とかこういう電信事業経営というものについて考えるべきではないか。というのは、電信事業従事をしておる者は、同じ電気通信事業従事をしておっても肩身が狭いのであります。自分たちが一生懸命働いて苦労しても、膨大なる赤字がある。こういう経営のあり方というものについては、これは何とか検討すべきものではなかろうかと思うのですが、大臣はどうお考えになりますか。
  16. 古池信三

    古池国務大臣 私ここに詳細な数字は持っておりませんから正確に申し上げることはできませんが、電信事業は、由来昔から大体あまり収入支出バランスがとれない、むしろ赤字であるということが伝統的にいわれておったように考えております。それから外国の例を見ましても、もちろん収支バランスのとれておる事業もありましょうが、やはり電信については赤字であって、これを電話事業によってカバーしておるという例も相当多いように聞いております。しかしながら、わが国の電信事業赤字は、ただいま御引例になりましたように年々大きくなってきておる。しかもその赤字の幅が非常に大きいということは、十分私どもとして考究せねばならないと考えております。すなわち、その考究のしかたとしては、一面においては、収入の道をより大きくする考え方、また一面においては、事業経営合理化をはかりまして、できるだけさらに機械化を進め、また人件費等についても、極力これを少なくするようなふうに考えて、支出の面の節約ということを考慮する。この積極的、消極的両面の方法を考えねばならぬと存じております。しかしながら、電話も同様でございますけれども電信は非常に大衆性が強くて、一般の方々がきわめて手やすく利用されておるという面もございまするので、料金改定ということもなかなか簡単にはできがたい面もあると存じます。しかしながら、将来においてはやはり料金制度というものに対してメスを加えて検討してみる必要はあるのではないか、かように私は考えております。
  17. 片島港

    片島委員 総裁はどうですか。
  18. 大橋八郎

    大橋説明員 電信赤字問題は、ただいま大臣仰せのとおり、もうずいぶん古い問題でありまして、私もこの仕事を引き受けましてから、最もその点について関心を持って考えておるのであります。どうも、なかなかむずかしい問題でありまして、大尉の仰せのごとく、大体において電信赤字ということは、世界的、各国すべてといってもいいくらいの赤字でございます。  そこで、実は昨年以来公社の中に、電信の将来に対していかにこれを措置すべきかということのために、特に関係各局関係の者の会議を開きまして、逐次内容と将来に対する対策を考究いたしておるのであります。できるならば、本年度のうちに大体の私のほうとしてのある程度の調査を完了いたしまして、一面においては、場合によっては料金にも手をつけなければならない、また、仕事内容についても手をつけて合理化をはかって赤字を消すことに努力したい、かように考えておるのであります。  しかし、全然赤字をなくすということになりますと、いま御指摘のように、非常に現在は赤字でございますから、料金を少々上げたくらいで消えるような赤字ではないと考えております。もしほんとうに収支バランスをとろうといたしますと、料金を三倍、四倍にしなければいかぬというような状況であります。とてもこれは実現不可能のことと考えます。その辺をどの程度にとどめ、どうするかということをわれわれはいま非常に苦心をいたしておるわけでございます。
  19. 片島港

    片島委員 私はやはり、実は私自身が電信事業従事した経験からして、従業員に対する心理的な影響も大きいと思うのです。ですから、ただ合理化合理化というと、もう実は首切りになるのではないかという、こういう不安さえ与えるくらいであります。でありますから、電信事業については、この経営について何らかの合理的な方途を考えていただかなければならぬと私は思っておるわけであります。  次にお尋ねをいたしますが、私は、実は昨日、電電公社監査局の係の人に来ていただきまして、今年度三十八年度一般監査状況をお伺いしたのであります。特に先にお尋ねをしておきますが、監事制度ができましてから、監事監査局と同じようなことをやはりやることができるように法の改正が行なわれておるのでありますが、監事が行なっておる監査は「監事は、公社業務監査し、その監査の結果を経営委員会に報告する。」この改正をいたしましたときに、監事は単に経営委員会命令によって監査を行なうのみでなく、自己権限責任において公社業務一般について監査を行なうものである、こういうことが改正理由に述べられておるのでありますが、この監事監査監査局監査とはどういう区分けがしてあるのですか。
  20. 大橋八郎

    大橋説明員 御承知のとおり、公社法が初めてできたときには監事という制度はなかったのであります。それをその後必要を認めてここへ追加したことは御承知のとおりであります。これを設けるにあたって、当時私どもも多少関係いたしておったのでありますが、現に一般公社の職制のうちにおいて監査局というものがございまして、一般監査をやっておるわけでございます。そのほかになお監事というものをどういう意味で設けるかということで、当時問題として審議いたしたのでありますが、私どもの当時の考えといたしましては、御承知のとおり、執行部の上に経営委員会というものがあります。これが最高機関として決定権を持っておるわけでございますが、その経営委員会決定執行部がはたしてそのとおり行なっているかどうか、また、この決定がすみずみまで浸透しているかどうかということをむしろ主眼に置いて監査を行なうわけであります。従来の監査局は、総裁等執行部決定に基づいて、その決定がうまく下部に浸透して業務がうまく行なわれているかどうかということを監査する。こういうたてまえで、両者必ずしも重複することにはならないだろう、こういう趣旨考えまして監事というものを設けたのであります。現在でもその趣旨に基づいて監査が行なわれておる、かように考えております。
  21. 片島港

    片島委員 これはあなたのほうからいただいたのだと思うのですが、昭和三十三年の五月に法律改正されますときに、第十条の第三項の改正理由として、公社最高意思決定機関である経営委員会は、意思決定にあたって必要な監査を行なうことが当然できるから、こういうものをつくる。それからもう一つは、第二十条の五項を設けて「監事は、公社業務監査し、その監査の結果を経営委員会に報告する。」その改正理由には、監事は単に経営委員会命令によって監査を行なうのみでなく、自己権限責任において公社業務一般について監査を行うものである、そういうことがこの改正理由に載っておるわけでありますが、単に経営委員会命令によって監査を行なうのでなく、自己権限責任において公社業務一般について監査を行なうということが書いてありますが、きょうは監事もお見えになっておりますが、一体、経営委員会命令によらないで、あなたのほうではどういう自己権限責任において公社業務一般監査を行なっておられますか。
  22. 松田英一

    松田説明員 お答え申し上げます。  監事職務権限根拠といたしましては、ただいまお読み上げになりましたように、第二十条に規定してございまして、「監事は、公社業務監査し、その監査の結果を経営委員会に報告する。」これが根拠規定でございまして、この限りにおきまして、監事自分で適当と認める監査を行なうということでございます。これは立法のときにもここでいろいろと説明がございましたように、結局、経営委員会公社最高意思決定機関でございますから、潜在的には公社全体の業務監査する機能を持っておるのであります。しかし現在の経営委員会そのままでは、とてもそういうことは実行できないので、その潜在的に持っている監査機能をここではっきりと表に出して、そして監事監査機能を持たせるのだ、したがって、現在ございます監査局は、これは総裁以下の執行部の中で総裁職務執行状況というものをよく調べるという意味自治監査として行なっていくわけであるけれども経営委員会最高意思決定をいたしまして、公社としての重要方針をきめていくわけでございますから、それに役立つような監査をやっていくという趣旨を持っているのだというふうに説明されたわけでございます。そこで、監事は、そういう趣旨のものですから、そういう経営委員会の意を体して行ないますけれども法律上はこういうふうに規定されているものですから、監事自分でそういうバックを持ちながら、そういう考え方監査テーマをきめていきますけれども、しかし経営委員会といたしましては、最終的に自分でこういう事柄を調べてほしい、調べる必要があるというふうに経営委員会で認定されました場合には、監事にそのことの命令がある。したがって、監事はその命令を受けて監査をやることもあるというふうになっておりまして、現実といたしましても、また私どもは、経営委員会のいろんな意思決定をされます場合に役に立つような、経営の基本方針関係するような事柄をみずから選んで監査をしていることもございます。また、経営委員会から命令を受けて監査する場合もございます。ことに経営委員会からは、経常的に、これは経営委員会の運営規程にきまっているわけでございますけれども経営委員会できめた事項の実施状況監査しろということになっておりまして、これは毎年一回そういう監査をやっております。
  23. 片島港

    片島委員 経営委員会の命によってもやるし、また二十条に基づいて自己権限責任において業務監査をやる、こういうことになっておりますが、あなたのほうの機構を見ますと、監事が二人、それに秘書が一人ずつついております。それから調査役三人、調査員三人、ほかに職員が二人いて、下部組織も何もなくて、一体経営委員会命令による経営監査と、それからあなたの自己責任において自発的に業務監査をするということが、これらの陣容、調査役三名、調査員三名だけの機構でできますか。
  24. 松田英一

    松田説明員 確かに私どもの陣容は少ないわけでございますけれども、これもこの国会で公社法改正監事の設置の法案がいろいろ審議されました場合に、やはり御議論がございまして、結局、公社としては、総裁以下の執行部において自治監査をもって自分でやっていくことで、万全を期してやっていくということでやっておられる上に屋上屋を架するようなことは必要はない、しかし経営委員会最高意思の決定をするわけで、公社の基本方針をきめるわけでありますから、その意味でそういうことに反映し得るような、結局、公社経営管理というものを高い目で見る、そういう立場からやっていくのにはそんなに人手を要するわけではない、つまりこまかい問題を一々取り上げてやるわけではなくて、全体的にいろいろと公社執行状況というものをある角度から考えてみて、そしてもう少し改善、考慮すべき点があるとすれば、それを経営委員会に申し上げて、経営委員会がそれを最高意思決定の資料にされる、こういうことでございますので、現在おります程度の調査役、調査員三名ずつでございますが、それに若干の補助を加えまして、そういう人たちを手足に使って私どもがいろいろと公社執行状況というものを調べていくということで、まあ自分のやっていることでございますから、こんなことを言うのはおかしいですけれども、何とかお役に立っているんじゃないか、こういうふうに思います。
  25. 片島港

    片島委員 私は、調査役三名、調査員三名、それに秘書が二人、職員が二人おられる、ただこれだけの陣容で、実際問題としてどのくらいの監査ができるものか——経営委員会の命による監査自己責任において行なう監査というものが、このくらいの陣容でどれだけの仕事ができるものか。監事が二人おるわけですが、その下には六人しか調査役、調査員がおらぬ。むしろポストをつくるために置いたというふうな結果になれば、これはあってなきがごとき存在になってしまうのではないか。このことを実はおそれるからそのことを尋ねたわけであります。  総裁お尋ねいたしますが、昭和三十八年一月十一日に行政管理庁長官から勧告が出ております。経営委員会において、監事監査報告について効果確保のための具体的な措置がなされていないということと、監事の処遇についてと、二点について勧告を受けております。総裁のほうでは、承知いたしましたという回答を出されておりますが、具体的にはどういうことをやっておられましょうか。これは読み上げてもよろしゅうございますが……。「監事経営委員会のもつ潜在的監査機能を具現する機関として設置されたものであるが、その監査結果の処理状況についてみると執行部の施策には相当寄与しているところがあるとはいえ、経営委員会においてはかくべつその効果確保のための具体的措置がとられていない。」それから監事本来の権限責任を十分に果すためには、上記の監査機能の強化措置と併行して、処遇面においても理事者との均衡をはかる」べきである。それに対して大橋総裁から郵政大臣——これは行管長官から郵政大臣に出したものをあなたのほうに送ってきたわけです。あなたのほうでは郵政大臣に、承知いたしましたというようなことが回答されておるのでありますが、具体的にはどういうふうな対策を講ぜられたのか。
  26. 大橋八郎

    大橋説明員 ただいまの御指摘の点につきましては、郵政大臣からの通達に基づきまして御返事を差し上げてあります。「監事監察の業務運営について」は「御趣旨にそうよういたします。」「監事の処遇については、理事との均衡を考慮して給与基準の改正を検討いたします。」かように返事をいたしてありますので、でき得る限りその御趣旨に沿うて事業運営の上に反映するように努力をいたしておる次第でございます。また、いろいろ他の似たような公社その他の権衡等も考えて処理するように検討いたしておるわけでありますが、まだ実行はしておらないわけであります。
  27. 片島港

    片島委員 どうですか大臣。あなたは、あなたの前任者が行管から受けて、そしてこういう勧告が来たからこれに沿うよう努力をしてくれという文書を、大臣から総裁に出された。大臣は、「右について」「一、監事監察の業務運営について」は「御趣旨にそうよういたします。」「二、監事の処遇改善について」は「理事との均衡を考慮して給与基準の改正を検討いたします。」といって、三十八年の二月、一年二カ月前に返事が出されておるわけでありますが、それについては、まだ総裁のほうでは具体的には何もやっておらぬ、こういうことでございますが、大臣どうですか。
  28. 古池信三

    古池国務大臣 ただいま総裁からも御答弁があったのでございますが、この問題につきましては、確かに郵政大臣あてに回答を受け取っております。この回答によりまして、第一段は、この趣旨に沿うように努力したいということであり、第二段は、監事の処遇問題については、理事との間の均衡を考慮して給与基準の改正について検討をいたしますという回答であります。その後検討の結果かようなことに改正をしたという報告は、いまだ受けておりません。目下検討中であろうと考えますが、さらに検討を早めて、この趣旨に沿うような結論を早急に出してもらうように督促をいたしたいと考えます。
  29. 大橋八郎

    大橋説明員 先ほど一応申し上げたのでございますが、なお詳細の具体点が出ましたから、さらに申し上げます。  行政管理庁からのお示しによって、先ほど御指摘のような通知をいただきましたので、それに基づいて経営委員会においていろいろ相談をいたしまして、申し上げるような方法で今後やろうじゃないかということを決定いたしておりますから、その結果を申し上げます。「1、経営委員会は、監事監査報告があったときは、これを審議する。2、経営委員会は、監事監査結果に関し、監事から説明を徴し、必要あるときは関係部局長の出席を求めて質疑を行なう。3、審議の結果、監査報告の内容により業務運営上取り入れることを適当とするものについては、その旨を議決し、その他のものについては、経営委員の発言があった場合は、その主な内容を議事録に記載する。4、当日の経営委員会において、執行部門の検討を要するものとされたものについては、その主な内容を議事録に記載する。5、執行部門においては、速やかに前号の検討を了し、その結果を経営委員会に報告する。経営委員会は、前項の報告と併せて監事監査報告を審議する。6、経営委員会の議決に基づいて執行部門が実施方針を定め、またはこれを実施する場合において、経営上重要と認められるものについては、経営委員会審議に付し、その他のものについては、これを経営委員会に報告する。」いままででも多少これに相当するようなことをやっておったのですが、こういう通知をいただきましたので、特にはっきり経営委員会においてこういうことを審議してきめたわけでございます。その後は、その方針に従ってやっております。
  30. 片島港

    片島委員 変なことを聞くようですが、公社の中で、総裁は、理事監事はどちらが格が上だとお考えですか。
  31. 大橋八郎

    大橋説明員 どちらが上下ということはございません。どちらも役員として考えております。
  32. 片島港

    片島委員 処遇は、役員としての報酬はどうなっておりますか。
  33. 大橋八郎

    大橋説明員 詳しいものはさらにだれかから答えさせますが、大体において理事のほうが報酬は高いようでございます。監事のほうが幾らか理事よりも少ないということになっております。
  34. 米沢滋

    ○米沢説明員 私、いま的確な数字を覚えておりませんが、理事には三つのA、B、Cといいますか、一、二、三とありまして、それから、監事のほうは一つだけでございます。それで、理事のA、B、Cの三つのうちの一番おしまいのCと監事が大体同じじゃないかと思いますが、はっきりした数字は後ほど調べて申し上げます。
  35. 井田勝造

    井田説明員 監事は月十四万円でありまして、理事は十九万円ないし十六万円でございます。
  36. 片島港

    片島委員 先ほど私は、どちらが身分的に上か下かということを聞いたんですが、大体役員でも職員でも、処遇する場合に、上下というのは待遇できめるんですよ。理事は十六万から十九万、監事は十四万といったら、これは同じように扱っておられないじゃないですか。同じように公社として見ていないじゃないですか。どうですか。
  37. 大橋八郎

    大橋説明員 理屈を申し上げるつもりはございませんけれども、私どもは、役員としては同様に心得ております。ただ報酬の点においては違うということを申し上げておきます。
  38. 片島港

    片島委員 だから、行管のほうでは、理事との関係で処遇の問題についても考えなさいという勧告が出ているんですよ。そうしたら、あなたのほうでは「理事との均衡を考慮して給与基準の改正を検討いたします。」と答えておる。いま私があなたに上か下かと聞いたら、役員として同じような格だと言った。そうしたところが、給与を聞きますと、監事は十四万で理事は十六万から十九万というと、取り扱いに差別があるんじゃないですか。また一年以上も検討しなければわからぬものですか、こういうことは。
  39. 大橋八郎

    大橋説明員 監事仕事のあるのは私のほうだけでなしに、他の公社にも、また他の営団等にもありますので、一般の情勢等も見比べて決定する必要があるかと思っております。私のほうだけで理事と並べただけでは、やはりこれはいかぬ関係がありますので、少し検討に手間どっておる次第であります。
  40. 片島港

    片島委員 実は私、前にこの問題を決算委員会で取り上げたわけです、その行管の勧告が出た場合に。あなたのほうの回答でも、ここにはっきりしておるように、ほかのところとの均衡とかいろいろなことは書かないで「監事の処遇については、理事との均衡を考慮して給与基準の改正を検討いたします。」——大臣に聞けば、検討した結果がまだ出ておらぬけれども、いま検討中だろうというお話なんです。あなたのほうではもう検討済みですか。検討して、大体これでいいという結論が出たならば、これ以上ほうっておいていい、郵政大臣にも何にも——検討することになっておったが、この結果はお流れになったとか、あるいは検討したところがいまのままでいい、こういうふうなことにお考えになったのか。検討する以上は、検討した結果を何らか形の上にあらわすべきじゃないかと思うのですが、どうですか。
  41. 大橋八郎

    大橋説明員 まだ決定しておるわけじゃございません。検討中とお考えいただいてよろしいと思います。
  42. 片島港

    片島委員 あまり検討期間が長過ぎるようであります。そうたいした問題じゃありませんし、総裁からも、全く役員として同じものだというお返事もいただいておるのでありますから、ひとつ早急に結論を出していただきたいと思います。
  43. 大橋八郎

    大橋説明員 御趣旨はよく拝聴いたしました。御承知のとおり公団、営団、公社等の関係は、こういうものの報酬等につきましては、政府のほうで統制されておられるわけでありまして、私のほうだけで勝手に上げ下げすることができない関係もありまして、ついおくれておるわけであります。できるだけ早く取り運ぶようにさらに……。
  44. 片島港

    片島委員 また話は先に戻りますが、あなたのほうの一般監査報告を見ますと、ただ報告されただけでは——不当事項などがあった場合、これを指摘するというようなことはなされておらぬのでありますか。一般監査報告の性格というものはどういうものですか。ただ、こういうことを調べたらこうだったといって、言いっぱなしで報告をしておく、これだけのものですか。
  45. 大泉周蔵

    ○大泉説明員 ただいまの御質問は、おそらく監査局でやっております一般監査報告をごらんになっての御質問かと思いますが、監査局一般監査あるいは現金監査等行なっておりますが、その監査をいたしました場合に、その監査を受けましたところに対しましては監査結果を通知し、改善すべきものは改善さしておりますと同時に、これを総裁に御報告申し上げておるのでありまして、ただいま申されましたのは、おそらく監査を受けた分に対する監査結果通知のほかに行なっております監査結果の報告のことを申されたと思います。むろん総裁に御報告申し上げますと同時に、関係の部局に対しましては、改善すべきものは改善するように要求しまして、その結果は絶えず様子を報告を求めておりまして、その結果をまた、大体四半期別程度総裁に御報告申し上げております。
  46. 片島港

    片島委員 不当事項などがあった場合には、その不当事項を指摘して責任の所在を明確にするというようなこともなされておりますか。
  47. 大泉周蔵

    ○大泉説明員 もしそういうような事項を見たならば、当然そのようにすべきものでございます。
  48. 片島港

    片島委員 いままで不当事項などを指摘して責任の所在を明確にさせたという例はございませんか。
  49. 大泉周蔵

    ○大泉説明員 いま申されておりますのは、おそらく不正事項の通達を——不当と申しますのは、不当であります事項につきまして責任云々というようなことよりも、直ちにそれを改善するような措置をとらせておるわけでございまして、不正事項の問題につきましては、別途その責任問題を通じまして、その責任をとらせております。ただし私たち監査をしておりまして、少なくとも私が担当しましてからの例を見ますと、そのようなことは監査の際にあまりなかったわけであります。
  50. 片島港

    片島委員 公社のほうは、執行部門における執行がうまくいっておるかどうか内部監査をせられるので、実を言うと一番内部の事情に詳しいわけでありますが、ここに会計検査院が三十六年度の不当事項として、一つには、ケーブル埋設工事の施行が不当であった。二つには、ケーブル直埋め工事の施行が設計と相違していた。三つには、予定価格の積算にあたって、低能率の装置を使用することとしたため工事費が非常に高くなった。四つには、四号EC鉄板の仕様に対する考慮が足りなかったため、整流器の取り付け金物が必要となって不経済になった。こういったような不当事項があげられております。  三十七年度におきましては、さらに装置料の経理、これは建設勘定支弁の構内外移転工事及び支障移転工事に伴う装置料を中間勘定の設備費の負担料で受け入れ、そして資本剰余金に振りかえるべきものを電話事業収入に計上しておった。これは装置料の経理の問題です。不当事項としては、昭和三十七年の八月及び十二月に、近畿通信局の石がき工事の問題——これはあとで請負人に再施行させたそうであります。さらには三十六年十二月から三十八年三月までの間、随契で岡野電線KKほか七社から通信用二心並列PVC屋内線ほか三点を総額三億六千六百万円で購入しているが、仕様の改定を考慮しなかったため二千二百万円が不経済となった。この二千二百万円も不経済になったというのはあとで御答弁願いたいと思うのですが、不経済になったものをそのままほっておいていいものかどうか、これは重大な問題であります。  さらにはまた、ステンレスバンド等の購入にあたって仕様の検討が不十分であったなどのために購入価額が九百万円も高くなった。よその人間が公社の内部に来てみて不当事項がこんなにたくさん、しかも公社としては非常に不経済あるいは損失をこうむるようなものを、あなたのほうでは監査局という膨大な機構を設け、地方には監査部というのを置いて内部監査をやられておりますが、そういうような不当事項——外から来てみて検査吏からわかるような事柄が、内部においては一度もそういうことにわれわれは遭遇しなかったというのでは、一体何を監査をしておられるのか、その点を私は非常に疑問に思うのであります。やはり部内監査をやられる場合に、けしからぬことがあった、そうして何千万円も損をするようなことがあれば、不正事項でなく不当事項であった場合でも、その責任の所在を明確にすることは当然であろうと思う。それは不正ではないから今後はやるな、これだけのことじゃおかしいと思う。あなたのほうでは、監査する場合に全然こういうことは目につかなかったことなんですか。また、こういうことにはあなたたちは手を触れないということでございますか。その二千二百万円などの不経済になったものもそのままでいいんだということですか。
  51. 井田勝造

    井田説明員 この件につきまして、これに類するようなことが全然見つからなかったかという御質問でございますが、いろいろとこれに似たような事項は見つけてそのつど注意いたしております。この面につきまして非常に不当なけしからぬ事項があるということでございますが、その結果につきましては、はなはだ申しわけないと存じております。しかしながら、この中身を見ますと、一時から見ますと相当改善がされておりまして、三十六年度決算報告で御指摘になりましたケーブル埋設工事あるいはケーブル直埋め工事等が設計と相違しておりました点等も、非常に思い至らなかった点が偶然に重なった面が多うございまして、非常な悪意があった、悪質だったというような事項ではないのでございます。検査院のほうも、そのようないわば盲点になりそうなところを特に重点に御指摘願いまして、公社事業改善に資するようにという御指示がございまして、私たちもそのような点につきましては、仕様書の不備とか、監査やり方とか、いろいろな点について改善をするようにいたしておるのでございます。  それからこの四号EC鉄板云々の問題につきましても、これは仕様書の問題でございまして、このようなものをつくったときのわれわれの配慮がたまたま足りなかった公社の盲点でございまして、まことに申しわけないと思っております。このような点につきましても、技術局等におきまして今後十分注意するように努力いたしておるような次第でございます。  また、三十七年度につきまして、この装置料の問題について御指摘がございましたが、この点につきましては、処理上のいままで不備であった一つの点でございますが、これは直ちに改善しております。  それから石がき等の工事につきましては、公社はわりあいにこのような土木工事にふなれでございまして、よく御指摘を受けるのでございますが、この点につきましては、裏込めセメントの関係が不備だという御指摘を受けたのでございます。このような点につきましては、今後改善していきたいと関係者も一生懸命になっておるわけでございます。  また、先ほど申された、特に二千二百万円という御指示のございましたPVC屋内線の問題も非常にむずかしい問題なんでございますが、これは銅線にすずメッキを行なっておったのはどういうわけかと申しますと、昔はゴム被覆をやっておったが、ゴム被覆をやりますと銅が硫化しますので、すずメッキをすると同時に、屋内線でありますから、すずメッキをしますとハンダは非常に少なくて済み、きれいに仕上がるためにすずメッキをしたのでございます。現在ほかの部門の電電公社以外で使う屋内線には、そういうようなものはほとんど全部すずメッキされておりますし、諸外国でもほとんどすずメッキされておるわけでございます。ただ電電公社におきましては、PVCが仕様化されてから硫化のおそれがなくなったので、すずメッキをやめればよかったのでありますが、ハンダづけの関係がございますのでこれをやっておった。ところが、たまたまPBX関係のものにつきましては、ハンダづけしなくてもいいというような仕様書所定がありましたので、この分だけすずメッキをやめて経費節減をはかったのであります。ところが、ほかの二心のものにつきましては、PBX以外に使いますので、当時もこれを急にやめることに気がつかなかった。たまたま検査院でお調べになりましたら、公社は全部ハンダづけをやめておった、けしからぬという御指摘を受けましたので、この点については思い至らないところはまことに申しわけございませんけれども、実はそのような事情でこのようないわば相当高度な点に御指摘を受けるようなことになっておりまして、まことに申しわけないと思いますが、その他の点につきましては前よりも相当向上しておるというぐあいに考えておるのでございます。監査局におきましても、このような点につきまして現場において気がつくものは相当念を入れて見ておるのでございますが、検査院のごらんになるのは公社として特に盲点になるようなところを御指摘願っておりますために、たまたまわれわれの至らぬところも御指摘を受けますし、あるいは場合によっては監査の日程の関係で、公社のほうの監査が行く前にごらん願うところも出てまいるような次第でございます。そういうようなことでございまして、われわれの監査がこのような問題を軽視したり無視しておるわけではございません。
  52. 片島港

    片島委員 いま指摘しました事項は、いずれ決算委員会において論議すべき事柄でございます。ただ私は、一番詳しい公社監査局が、会計検査院が外から不当事項として指摘するような事項はノータッチでおられるのではないか。特に、不当な場合であっても不正でなかったならば、これから先やらないようにという指導でいくというような事柄であり、こういう外からのことは、内輪で調べるほうにまっ先にわかるのが当然じゃなかろうか、こう考えたからお尋ねをしたのであります。この会計検査報告の問題につきましては、いずれ決算委員会でまた議論になろうと思いますので、私は電々公社業務の問題について質問を進めたいと存じます。  現在、電話の申し込みをやってもなかなかつかない、それであきらめて申し込みをしないといういわゆる潜在積滞というものも相当あろうかと思うのであります。あなたのほうの一般報告を拝見しましても、積滞となっている申し込み者に対して——しかも高順位のものでも三年以上もほうっておるというような状態があった。いつごろつくのか、どうして電話がつかないのか、その高順位のものでも公社から何にも連絡がないからわからない。これはほんとうにあなたのほうの書かれた文書かどうか、たぶんそうだと思うのですが、新聞に一般監査報告として載っておりますが、どうして積滞が解消しないのか、電話がつかないのか、あるいはいつごろつくかということを通知をすれば、寝た子を起こすようなものであるから、寝た子を起こさないように連絡をしておらないんだ、こういうようなことがうかがえる。実際の顕在積滞のほかに潜在積滞というものはどの程度一体御推定になっておりますか。
  53. 宮崎政義

    ○宮崎説明員 お答え申し上げます。  需要の潜在をいかにしてはかるかということは問題になるのでありますけれども、潜在需要と申しますのは、御承知のように面接とかその他によって実際数量を調査しているような状態でございますが、面接となりますと、心理的影響その他によりまして、過去にも数回やったのでございますが、必ずしも実現値と合ってこないというような状態でございます。また、潜在需要を数字的に見る方法はないかということでございますが、統計学的に申しましても、なかなか潜在需要の数量的な把握ということは困難かと存じております。したがいまして、われわれとしましては、現実に顕在需要によって大体その数量を把握しているわけでございますが、もっと広い意味で、全国の人口流動状態あるいは世帯の需要率というようなものを考えまして上限を求めたりいたしております。したがいまして、潜在需要は幾らあるかということについては、まことに申しわけありませんが、以上のような事情で正確に知っておるわけではございません。
  54. 片島港

    片島委員 いま前段の、申し込んだけれどもなかなかつかない、しかも高順位のものであっても二年も三年もほうっておかれる、行って電話局に聞けばわかるかもしれませんが、そういうものに対しては、実はこうこういう理由でいまはどうしてもつけられない、しかしいつごろになったならばつきます、こういったような一つの親切さがあっていいのではないか。いつまでたっても知らぬ顔をして、いつになったらつくのかつかぬのか、もうつけてくれるのかくれぬのかさっぱりわからない。連絡をしてもいいけれども、連絡をすると寝た子を起こすような結果になるからそのままほうっておくんだ、こんな不親切な話はないと思うのです。これはやはり何らかの方法で、紙切れ一枚でもいいのですから、いつごろつくのか、もうしばらく待ってくれとか、そのくらいの思いやりというものがあっていいのではないかと思うのですが、その点いかがですか。
  55. 大泉周蔵

    ○大泉説明員 ただいまの御指摘は、私のほうの監査報告に書いた字句を引用されましたのでお答え申し上げますが、字句のほうは、内部の監査結果をほんとうに事業改善に生かすために端的に書いてございますので、あるいは外部に出すには不適当かもしれません。この点はお許しいただきたいと思います。  実はこの問題に関しましては、電々公社としましては、横滑になっておるお客様方に対して何とかお知らせするのが親切であるということできめまして、全部に指示しておったわけでございます。しかも監査でございますから、やっていないところがないわけでございませんで、それをちゃんとやって大いに喜ばれているところもあったわけでございます。ただ全体的にはその点が少なかった。そこで、なぜやらないかといって聞いてみますと、うかつに、三年前に申し込みになりましたが、まだつかないので申しわけございません、なお申し込みの意思を継続しておいででございましょうか、とお知らせしますと、局から通知がきた、電話がつくらしいといって局にわあっと来られる、そこで局では非常に困るので、つく見込みになるまではどうもお知らせしにくいということで、現場では非常に迷っておった。そこで監査局では、そのような場合には、もっとしょっちゅう連絡すればそういう誤解が起こらないので、またお知らせのしかたについてもくふうがあるのではないかということを指摘したわけでございまして、現場には、うかつにお知らせして誤解を生じては申しわけない、困るという気持ちがあったということを端的に指摘しただけでございます。
  56. 片島港

    片島委員 こういうあなたのほうの指摘の事項ですが、機構が非常に膨大になってくると、各部門別の連絡がなかなかうまくいかない。そのため営業部門では申し込みを受け付けた、しかし線路部内ではその増設計画に乗らない、あるいはそこの近所の電柱に端子函がない、しかし隣にはある、そういうことがあなたのほうで指摘されております。そういうような点、同じ公社内でありますし、そして末端までの組織が行き届いておるのでありますから、各部門との連絡とか、こういう点は何とか解消できるのではないか。前からそういうことがあるわけですが、これは改善することはできないわけですか。
  57. 大泉周蔵

    ○大泉説明員 ただいまのお話でありますが、実はそのような点を特に総合的に御報告申し上げましたところ、通信局長におきましては非常に共鳴されまして、私の聞きましたところ、各通信局長とも、通信局においてそのような指示をされ、現場にまでそのような点をなくするように、お互いの連絡をよくするようにという機運が進んだように思っておるので、私たち監査いたしました者といたしましては、その監査報告をこのように熱心に取り上げられていることについて非常に喜んでいる次第でございます。おそらく本年呼は相当の改善を見るものと私は確信いたしております。
  58. 片島港

    片島委員 この点は前々から私たち指摘をしておる点でありますが、DSA通話の急増による応答遅延などがあることも指摘されておる。これは監本局が指摘する前に、われわれは当委員会を通じて前々からDSA通話に対しての応答遅延の問題を指摘しておったのです。加入者はいつまで何しても出てこないから非常な迷惑をこうむっておる。また、料金の通知を省略するとか、電話の申し込みに対する申し込み者番号の反復をやらないとか、こういったことのサービスが低下をしておる。これはすべて私は要員措置に関係があると思うのですが、こういうことは新年度総裁の運営方針にも、サービスの改善ということが第一に掲げられておるにかかわらず、今日も外からはがんがん言われ、内部からは監査でまたそれが指摘をされておるにかかわらず、解決をしないというのは、要員措置において私は非常に手落ちがあると思うのでありますが、その点は総裁いかがでございましょう。
  59. 大橋八郎

    大橋説明員 御指摘のとおり、私ども仕事といたしましては、何といってもいいサービスを提供するということが本体でありますから、最も力を注がなければならぬことは申すまでもないのであります。いろいろ仕事が立て込むときにおろそかになる点があることははなはだ恐縮いたしておるのでありますが、したがいまして、本年度の運営方策においては特にこれを取り上げて強調したような次第であります。今後一そうこの点について努力いたしたいと考えております。
  60. 片島港

    片島委員 それはいま私が指摘をし、あるいは部内監査監査報告で言われるまでもなく、もう耳にタコができるくらいいままで言われておる問題です。特にこの前私の隣におった会社の重役でありますが、その人が職が変わりましてよそに行った。あき家になっておる。私のほうで頼まれておるのですけれども、かぎをかけた人の電話のお守まではなかなかできない。移転工事をなかなかやってくれないのです。向こうに早く移してやってくれと言うのに、やってくれないから、リンリン鳴っておる。いろいろ聞いてみると、あまり移転をしてくれないので、あれはほんとうは電々公社しか電話機の取りはずしなんかできないはずですけれども、どうしてもそれを取りはずしてくれないから、それを取りはずして局に持っていく。それじゃおまえけしからぬというわけにもいかない。自分のほうでやらないでおいて、親切に持ってくるということになれば、なかなかそれが言えない。さらにはまた、深夜などにおいては、呼びがあっても作為的に話中をつくっておいて、結局加入者に非常に迷惑をかける。こういう点はすべて要員の配置が非常に不合理であり、不足しておるがゆえにこういうことになってくるのではないか。サービスをモットーとする電々公社であるならば、こういう呼びがあっても作為的に話中にするとか、あき家の電話をいつまでも移転もしてくれない、こういったような点は、要員対策上非常にまずい点があるのじゃないか。この点も前と同じような問題ですが、一体さきの総裁の御答弁では、いろいろと検討をしてやりたいと言っておられるが、具体的にこういう方面において定員増を行なう、そしてそういうことがないように今後やるというお考えでございますか。ただ、考えておくとか、これから善処したいとかいうことでなく、何かもっと具体的な方針を承りたい。
  61. 大泉周蔵

    ○大泉説明員 総裁のお答えがあろうと思いますが、ただいまの具体的な問題について、この資料は実は通信局ごとに具体的な報告書があるのでございまして、それを総合したものの一部がどこからか新聞なんかに出たのでございましょうから、あるいは誤解があるといけませんので申し上げますが、私たちが見ましたこのようなもので、要員不足のためにどうにもならないというものはむしろ非常に少ないのでございます。あるいは創意くふうによって何とかなる、あるいは仕事やり方を変えればできるというものも非常にありまして私たちのほうの具体的な報告によりますと、ある結果に対して創意くふうでうまくやっておる例が相当あることを、報告で詳しく申しておるわけでございます。それで非常にうまくいっている場合が多いということを書いてきているわけでございます。これは内部監査でございますので、その点はよくわかるように詳しいものが出ておるのでありますが、その点誤解があるといけないので申し上げておきます。  それから、先ほどの電話機を自分ではずしてきたという例は、実は大量開通のある局でございまして、そこの局ではよそに請負に出すとか、あるいは従業員だけでできるかということでいろいろ検討をしたが、うちの従業員の能力でやれると思ったところが、実は思ったほど能率が上がらなかったので、移転工事のほうにしわ寄せがきてしまったということの非常にまれな例でございまして、その後やはり業務量などをはかって、請負に出すものは出すということに改めるということでございますので、そのような例はもう起こらないと思うのでございます。  そういうことでございまして、総裁の御答弁にもございましたとおり、ほんとうに要員を措置すべきものはするわけでございますが、むしろそのようなことがあとあと業務運行からいってかえって困ったような例になる場合においては、創意くふうによって解決すべきものであり、その創意くふうの例は、監査局におきまして具体的な例が見つかったならば、そのいい例というものを全国に参考になるように監査報告として各方面に御通知申し上げておるわけでございます。
  62. 片島港

    片島委員 その移転工事がうまくいかなくて、電話機をはずして局に持ち込んだ、これは特殊な例だ、創意くふうでやればすぐできるとおっしゃいますけれども、実際問題として、そういうところでない、私の隣でもなかなかやってくれなかった、それでおりもしないところにじゃんじゃん電話がかかる、あるいはあき家ですからどろぼうが入っていったってわかりはしない、そういう事例が非常に多い。これはやはり要員の問題、特にDSAの応答遅延といったような問題は要員が足らぬからだということは明確なのです。特に作為的な話中をつくるということは非常に問題がある。ですから、こういう点について、工事の促進ということには力を入れるが、いまの電話を持っておる利用者に対するサービスの面において、それが置いてきぼりにされておる、こういう点が全体的に見て指摘できるのではないか、こういう点をもう少し御留意願わなくてはならぬと私は思うわけです。  その次に、改式の予定局になっている局は一般的に原則としてサービスが非常に落ちる。これはもうどこでもそういう例がある。これも、たとえば今度は改式になる、そうすると組合員にとっては非常に身分的な不安感なども一つ原因となる。これはもう当然である。いつどうなるかわからぬというのでは、仕事の意欲というものはなかなかわいてこない。こういう問題、この改式予定局のサービスが落ちるといったようなことについても、要員措置などについてずっと前から十分組合との話し合いをして、十分納得をしてそれに積極的に従業員が協力できる、こういう体制を事前にとっておけば、改式予定局のサービスが落ちるというような原則が破れるのではないか。それをそのままにしておくために、非常に職員の身分の不安感なども一つ原因となってサービスが落ちる、こういうようなことになるのじゃないかと思うのですが、その点いかがですか。
  63. 宮崎政義

    ○宮崎説明員 ただいまお話のありました改式予定局については、十分組合に説明していったらそういう問題が起こらないのではないか、こういうお話のように伺いましたのですが、実は、われわれは、年度設備計画を立てましたときに、組合と、本年度こういう局を改式します、またそれに必要な要目問題につきましては、大体こういう目通しになるということを事前に説明し、打ち合わせております。したがいまして、ただ、実行の場合には、年度が改式サービスをするまでに局によりましては三年あるいは二年という長いものもありますが、実際問題としましては、その時点で職員側と行なう配転協約によって説明いたしておるわけでありますが、すでに計画を開始するときには、いまも申しましたように、計画協議でその組合等に説明いたしております。
  64. 片島港

    片島委員 直前でなくて、いつごろ改式ということはずいぶ前から予定されておるわけでありますから、ずっと前から十分に組合との話し合いをして、納得をさしておく、納得のいけるまで話し合いを十分にされておく、こういうことになれば協力体制もできるのじゃないか。それをその直前になって話し合いをするということになれば、なかなかそれまでの不安感というものも起きてくる。これは全国的な原則であり、一般の通例でありますから、特に私は御注意を喚起しておきたいと思う。
  65. 宮崎政義

    ○宮崎説明員 私のことばが少し足らなかったと思いますので、もう少し補足しますが、すでに改式サービス・インまでにたとえば三年かかるものは計画を三年以上前にやるわけですから、その時点で説明をいたすわけでございます。計画協議の内容をお話しいたしますと、特に労働不安を感ずるような問題につきましては、十分組合の意見も聞きまして、われわれとしては必要なものによっては計画の変更をいたしております。したがいまして、サービス・インが三年かかるものについては、もうすでに三年前に十分話しておるつもりでおります。
  66. 片島港

    片島委員 電報の問題で一、二伺いたいのですが、最近大都市においては非常に交通事情も悪化しておるし、また高層建築のビルも増加されておる。それで大都市のサービスは悪化する。これらの問題は、もちろん託送によってやる方法もありますけれども、しかし全部が全部なかなか託送で知らせるわけにいかない。これもひとつお伺いしたいのでありますが、私が推薦をして電報配達に高校出の非常に優秀な青年を東京で採用してもらいました。しかし、これがたまたまオートバイの免許を持っておったために、君は電報配達がよかろうということで電報配達になりまして、第一回目は夕方でありましたが、腰の曲がったばあさんが横からひょっと出てきて——その局はいままで無事故局であったのが事故局になったというので、本人は非常な責任を感じてノイローゼになる。ようやく事情を話しておりましたら、これもまた十分注意深くやっておっても、相手のあることでありますから、また交通事故をやって、今度は自分がたいへんな大けがをしたわけであります。何とかほかのほうにということで、これは現場のことでありますから、本社の方にお願いしておりませんが、私はそういう事例が非常に多いのではないかと思う。何ぼ気をつけても、相手のあることであるし、こういうふうに交通事情が悪化をし、またビルの何階も上がっていかなければならぬ。いろいろな事情で、この点はいわゆる電信の外務に対しては、要員対策その他いろいろな特別な施策を講ずる必要があるのではないかと思うのですが、その点はどう考えておられましょうか。
  67. 米沢滋

    ○米沢説明員 ただいまの質問でございますが、最近、都市の交通事情が非常に激しくなってまいります。それからまた高層建築なんかできてまいりますので、先ほどお話が出ました電報の電話による託送の問題とか総合的に十分考えていきたいと思います。
  68. 片島港

    片島委員 私が聞いたのは、託送などをやるようにしておるということだけではないのです。そういうこともあるけれども、そればかりでいかぬから、私がいまお話し申し上げたような事実が発生をしたのです。それはおそらくそこの局だけでなく、またその男ばかりでなく、そういう交通事故なんかも相当あると思うのです。統計をあなたのほうでとってみられれば、昔からすれば、人にけがをさしたとか、自分がけがをしたとかという事例も相当あると思うのです。それに対する対策として、ただ託送でやればいいのだというだけではなくて、託送でやっていいことならば、こんなけがをせぬで済むのです。やはり配達をしなければならぬからこういうことになってくるのですから、そういうところについては特別な要員対策、あるいは手当で済むことか、あるいは事故が起こった場合にはあなたのほうで医療費を負担されるのかどうか知りませんが、何か特別な対策を講ずる必要があるのではないか、こういうことをお尋ねしておるわけです。
  69. 米沢滋

    ○米沢説明員 私先ほど電話託送のことを例に引いたのでありますが、総合的にいろいろ十分——そういう都市の交通の激増とか、あるいは高層建築に上がっていかなければならぬというようなことを考えて検討いたしいと思います。
  70. 片島港

    片島委員 これはいま始まったことじゃないのですが、具体的にはどういうことを項目にあげて検討されておりましょうか。
  71. 宮崎政義

    ○宮崎説明員 私が通信局長の場合、そういう事例が相当ございました。その事柄を具体的にお話しいたしたいと思います。  私がおりましたのは札幌でございますが、札幌もかなりの都市でございまして、そういう交通事故が最近やはり多くなってきております。たまたま先生のおっしゃった例もやはり老婆でしたが、私のほうで、曲がり角で、こちらは故意でありません、もちろん正規の信号どおりやったわけですが、ふらふらと出られまして、ひっかけたというような事故がありました。これにつきましては、さっそく現場から被害者の力にお見舞いを申し上げまして、いろいろな手当をいたしております。全部公社としましてはその医療の設備を提供しまして、あるいは経費を出しましてやっておるような状態でございます。また、本人につきましては、そういう交通事故の内容を十分調べまして、本人の責めに帰すべきものと帰せられないものとありますから、その内容によりましては、それぞれの注意あるいは今後こういうことを起こさないように、さらに慎重な行動をやるように指令いたしております。
  72. 片島港

    片島委員 これは札幌の事例ばかりではなく、大都市においては非常にそういう事情が悪化しておるわけですから、私は、全般的にこういう点はこうだ、こういう点はこうしろ——ただ本人がけがをした場合に、自分の責めに帰する場合は自分でやれ、自分責任がない場合は公社が持ってやるとか、けがをさした人にくだものかごを持って行くとか、そういったようなその場当たりの対策でなくて、もっと計画的に、どういう点はこうやろう、こういう点はこうやろうという具体的な計画を立てて、これに対処をしていただきたい。まだそれができておらぬというならば、さっそくでもそういう点については御配慮をお願いしたい、こう思うわけであります。  時間もだんだんたちますので先に進みますが、一一五五番のサービスについては全加入者に非常な苦情の種となっておるのでありますが、その原因は一体どういうところにあるとお考えでありますか。
  73. 大泉周蔵

    ○大泉説明員 担当の運用局長がおりませんので、私、監査の結果見ましたことを申し上げますと電報の電話による受け付けにおいての苦情として一番多いのは話し中が多いということでございます。大安その他の場合に申し込みが殺到するということから起こる非難が一番多いように承知しております。
  74. 片島港

    片島委員 そういう場合にはもう少し回線をふやす、あるいは人間もふやす、こういうような対策はできないものでありますか。
  75. 宮崎政義

    ○宮崎説明員 ただいま運用サービスの面で必要な場合には回線をふやすというお話がございましたが、当然われわれとしてはこれに応じまして回線をふやしております。
  76. 片島港

    片島委員 それはふやしておられましょうけれども、なんぼ呼んでも出ないというときもあるんです。それから今度かけたならばまたいつまで呼んでも話し中でなかなか出てこない、こえいう点なんです。それはいまそういえことをやっておられると言いますが、われわれが実際かけたときにはそういう状態になっておる。これはやはり同線をふやし、同時に、回線ばかりでない、どこかの線にかかっておるものでありますから、一方の線があいておっても、人手が足りないためにサービスができない。いつまでも呼ばせる。いつまででも呼んでおると出てきます。出てくるが、今度は逆のところが幾ら呼んでも出ないというのと、それから幾ら呼んでも話し中である、この二つが一番の大きな苦情の種なんです。これは回線と要員と両方の問題からきておる問題である。これは現存東京で、あなた方も電報を打たれるときにそういうふうにお感じになると思うのです。これはもう回線をふやし、人をふやす、この二つ以外には方法はないと思うのですが、東京あたりの実情から考えて、何らかこれはもう早急に実施せられる必要があると思うのですが、いかがですか。
  77. 宮崎政義

    ○宮崎説明員 運用局長がいませんので運用の統計から御報告いたしますが、先生のお話がありました点については、三十六年ごろの東京の一一五五の平均応答秒数というのを統計的に調べておりますが、大体三十六年の四月から十月ぐらいまではかなり思うございまして、十月に至りましては三十秒というような状態であります。その後三十七年、あるいは三十六年から要員措置あるいは指導の強化を運用でとりまして、その結果、三十七年度におきましては、一月、二月、三月までは多少悪い状態でありますが、大体四月以降は十秒くらいになっております。また、三十八年では、いいときには五秒くらい——これは月別に申し上げておりますが、五秒あるいは三秒というときもありますが、大体悪いので十四秒、こういうような状態でございますが、平均応答秒では数字的に申しますとだんだんよくなってきているのじゃないかというように考えられます。
  78. 片島港

    片島委員 それはあなたのほうの統計でそうなっているかもしれぬが、私たちが実際かけてみた場合に、ふくそうしてなかなかかからぬのです。ですからその統計はどこから出た統計かわかりませんが、全国的に見れば一秒で出るところもありましょうけれども、しかし東京あたりの場合非常にふくそうしておる。人が足らぬか、回線が足らぬか、いずれか、こういう状態が非常に多いと思う。これは早急に改善をお願いしたい。  それからもう一つ大臣がこられましたが、その前にお伺いしておきたい。それは大阪と東京での持ち越し障害の格差が大きいのでありますが、それもわずかばかりの開きでなくて、大阪の場合の持ち越し障害が非常に多い。東京の場合はわりと少ない。こういう点はあまりにも開きが大きいのでありますが、一体どういうところに原因がありますか。
  79. 大泉周蔵

    ○大泉説明員 この点は原因は非常にはっきりしておりまして、時間外に勤務しておるか、していないかだけでございまして、東京の場合には五時以降にも相当人数が障害修理のために残っておる。大阪はそれがあまりできないというところに原因があるように思います。
  80. 片島港

    片島委員 大臣がおいでになったので一言聞いておきますが、この執行機関最高意思決定機関——総裁、副総裁は執行機関でありまして、経営委員会意思決定に基づいて業務を執行せられるという立場になっておる。そうして先ほども質問しましたように、監事経営委員会の直属機関であって、理事者側とは立場を別にして、経営委員会命令によって、また自主的に監査して経営委員会に持っていく。しかし、その最高意思決定機関のいわゆる経営委員会には、総裁も副総裁もそのメンバーに入っておられる。こういうことになると、何としても、たとえば監事の手当を幾らにするかというようなことは、おそらく大臣がきめるのでなくて、総裁意思決定機関がきめられるのでありましょうが、先ほど聞きましたならば、監事は十四万、理事は十六万から十九万だ。処遇面でも非常に開きがあります。この執行機関である総裁、副総裁が、最高意思決定機関である経営委員会のメンバーになっておられるということは、ここに何らか矛盾といいますか、やりにくいところがあるのじゃないか。一つ例を申し上げますれば、またNHKを引き合いに出してたいへん恐縮でありますが、NHKでは会長、副会長はもちろん経営委員会のメンバーに入らないで、むしろ、要するにわれわれ委員の側とそちら側に坐っていろいろ答弁をせられる立場になっております。執行機関意思決定機関とが相対して、いろいろ執行機関に質問をしたり、また命令をしたり、こういうことをする立場にあるメンバーになっておるということは、これはいろいろな場合にちょっとやりにくい点があるのじゃないかと思うのですが、その点は大臣いかがお考えでありますか。
  81. 古池信三

    古池国務大臣 この問題は、根本の目的は公社業務の運営について最も適切なる基本方針を確立していく、それに従ってまた適切なる業務の執行をしていくということが目的であろうと存じます。そういう面から言いますと、ただいまの制度はやはりお説のような意見も成り立つかとも存じますが、しかし、経営委員会にみずから執行の責任者が入って、経営委員の人たちと十分に意見を戦わせながら、ここに最も適当と認める方針を樹立する、それに協力していくというたてまえも、やはりそこに利益の点も私はあるのじゃないか、こう思いまして、絶対にそれはいけないとかいうべき筋のものでもなかろうかと考えます。いずれにしましても、一利一害と申しましょうか、そこに長所と短所はあるものでございますが、いまの場合は、総裁、副総裁経営委員会のメンバーとしてともどもに相談をしていくということに、非常に悪いということもなかろうかと考えております。
  82. 片島港

    片島委員 普通の場合、意思決定機関と執行機関というのは全く性格を異にしたものでありまして、中に入って大いに議論を戦わすというようなお話でございますが、それは経営委員会を開く場合には必ず執行機関最高責任者を呼んで、そこでいろいろな意見を戦わす、あるいは命令をする、こういうことであります。意思を決定し、命令をするというような立場にあるもののメンバーの中に執行機関も一緒に入っておる、こういうことについては、先ほどの監事制度との問題にも関連をして、やりにくい点がかえってあるのじゃないか。意見を戦わすというのは、こういうようにあなたと私とこうやって戦わすのであって、あなたがこちら側におって、隣におって意見を戦わす方法もありましょうけれども、やはりあなたはそちら側におってわれわれと意見を戦わす、こういうことが適当ではなかろうか。そして国会というこういう議決機関できまったことをあなたは執行する。それからこちらにおって、こちらでいろいろきまったことをおれがやるというのではないほうが、形としてすっきりするのではないか、こう考えるので、いまお尋ねをしたわけです。その点はもう一度大臣及び総裁から御所見を承りたい。
  83. 古池信三

    古池国務大臣 一例をあげて申し上げますと、たとえば株式会社の場合において、株式会社最高意思決定機関は株主総会であろうと存じます。そして株主総会において選任せられた取締役が実際の会社業務の執行に当たるわけでございます。さような場合には、株主総会と理事者側とが対立したような関係に立つと存じますが、しかし、公社の場合は経営委員は会社にたとえれば株主のようなわけでもございませんし、したがって、経営委員会というものは株主総会とも少し違うようなものだと思います。もう少し進んで申せば、やはり経営委員会なるものも、この業務の執行については責任があるんだ、こういうふうな考えに立ちますれば、総裁、副総裁と同時に同じ席で事を話し合うということは、むしろ便益が多いんじゃないか、こんなふうに考えております。むしろ執行者と相対立してその業務監査するのは監事のほうの役目が非常に大切であって、監事こそは理事者の仕事を十分材監査しまして、そこに不当不正なことがあればこれをついて、正しい方向に戻していくということが監事の役目であって、私は、監事責任というものは、そういう意味からいって非常に重大であると考えております。
  84. 片島港

    片島委員 いま監事の話が出ましたから言いますが、監事はいわゆる経営委員会の直属機関であって、その経営委員会理事者側の最高責任者が総裁と副総裁なんであります。でありますから、監事こそと言われますが、監事総裁、副総裁の下につかなければならぬような立場にもなり得るわけでありまして、そういう点に矛盾も起きてくるのじゃないか、こういうことを指摘しておるので、むしろ私は大臣とは反対の立場からその点は論じておるわけなんです。どうですか。
  85. 古池信三

    古池国務大臣 この監事のあり方というものにつきましては、いろいろな議論もあると考えます。いま三公社監事のあり方をちょっと比べてみますと、まず人事権でありますが、監事の任免につきましては、国鉄のほうでは監事相当するものが監査委員会であろうと思いますが、これが任免は運輸大臣がいたしております。非常に権威を持たしてあることと考えます。それから専売公社につきましては、審議会の推薦に基づいて大蔵大臣が任免をする、こういうことになっております。電信電話公社においては、経営委員会が直接任免する、こういう組織になっております。このことは先般三十三年に法律改正の際に、国会の御意見によりまして、当初の原案は経営委員会の推薦によって郵政大臣が認可をして、その認可のもとにおいて経営委員会が任命するということになっておりましたが、その認可という点は削られまして、直接経営委員会が任命するということになったのでございます。任命の根拠はどこにありましょうとも、監事として一たん任命された以上は、やはりその独自の権限があるわけでございますから、その責任において、経営委員会やり方にしても、あるいは総裁、副総裁以下のやり方にしても、不当であると考えれば、どしどしこれに対して注文することは当然やってしかるべきものである、こういうふうに考えております。
  86. 大橋八郎

    大橋説明員 この組織問題というのはなかなかむずかしいものでありまして、理論的、また実際面、両方面からいろいろ研究しなければならぬ問題であります。理論的には正しくても、実際の運用に困る場合もあります。今日までの私どもの経験から言いますと、現在の制度は理論的にはあるいは御指摘のような多少の欠陥があるかと思いますけれども、運用上においては比較的いい制度じゃないか、私の経験上から言うとさように考えております。
  87. 森本靖

    森本委員 いまの監事の問題については、先ほど来の質疑応答を聞いておりますと、ちょっとおかしいわけでありますが、この監事については松田君が知っておるように、三十三年に当委員会において決定された法律であります。そのときにあなたは電気通信監理官として答弁をいたしておりますが、いまは監事であります。そのときに、この監事をつくるにあたって私たちが要望いたしましたのは、単に監事というものだけを二名置いても何にもならぬ、そのスタッフというものを相当つくっておかなければならぬ、監事がこの電電公社法に基づいて随時随意に経営委員会に対して意見を具申するということについては、監事二名だけではとにかく話にならぬ、できれば現在の監査局仕事監事がかねるという形が最も望ましい、しかしそれが不可能な場合においては、監事監事としてのスタッフとかなり強力なメンバーを持って、経営委員会にとにかくそういう点についての意見を出さなければ意味がない。そういう点は施行にあたっては十分考慮いたしますということで、われわれはこの法律を通過させたわけであります。これは満場一致で通った法律でありますから、私もよく覚えておりまするけれども片島委員が先ほど来言っておりまするのは、いまの監事の下におるところのスタッフ、メンバーでは、実際にこの電電公社法に基づくところの監事の任務というものが完全にやりおおせるというところの自信がないのではないか。ややもいたしますると、総裁、副総裁理事の膝下に入るような感じを抱かざるを得ない。給与にいたしましても、あるいはスタッフ、メンバーにいたしましても、そういう点については、いま監査局のあり方というものと、それから監事のあり方というものについては、再検討を要するのではないかということを言っておるわけであります。  それから、先ほどの総裁大臣答弁でありまするけれども、これは電電公社の場合は、株式会社とはだいぶ意味が違うわけでありまして、経営委員については、御承知のとおり、内閣が任命をいたしまするけれども、その場合にわざわざ国会の承認を要することになっておるわけであります。両院の承認を要するということは、これはすなわち広く国民の中からこれを選びたい。こういう意味において経営委員会経営委員を選んでおるわけであります。そこで、総裁、副総裁については、経営委員でありまするけれども、特にこれは法律条項においては特別委員というふうに名前がついておるわけであります。だから特別委員という経営委員の資格において経営委員会に参画するということは、これは必要でありましょう。しかしその場合に、その特別委員、いわゆる総裁、副総裁というものが、他の経営委員と同じように議決権を有するということについては、若干おかしいところではないか、こういう点が言えるわけであります。これは法律の十七条を見ていただければよくわかりますように、要するに総裁一般経営委員とは別に、特別の経営委員である。特別委員であるということを法律においてうたっておるわけであります。特別委員であるということによって経営委員会に参画するということは、私は必要であろうと思います。しかし、経営委員会の議事を決定をする場合に、この特別委員が議事の中に参画をするということについては若干の疑義がありはしないか、その点は株式会社の株主総会とか、そういう面とは意味が違ってくるのではないか、こういうように考えるわけでありまして、その点について、ひとつ大臣の所見をこの経営委員については聞いておきたい。これは要するに電電公社の根本のあり方の問題でありまするので、非常に重要な問題でありますので、おろそかにはできない、こう思うわけでありまして、第十七条の二項のこの解釈を一体どう解釈せられるのか。
  88. 古池信三

    古池国務大臣 ただいま御指摘のように、第十七条の二項におきまして、経営委員会として議事を進めるにあたっては、出席者の過半数をもって事を決するという規定になっております。なるほど特別委員という名はついておりましても、やはりこの委員会のメンバーの一人として責任を互い、また意見も十分述べ得る、こういう立場にありますことが、かような公社の場合としては、むしろ便利な点が多いのではなかろうか、こういうことを申し上げたわけであります。
  89. 森本靖

    森本委員 それでは総裁、副総裁をなぜ特別委員という名目にしたのか。それならば特別委員という名目にする必要はないわけであります。本来ならば、総裁、副総裁というものを普通の経営委員にすればいいわけであります。それをわざわざ総裁、副総裁というものは特別委員であるということによって経営委員会に参画をさせておるわけであります。そうなってまいりますと、やはり執行者としてこの議事に参画をし、説明もし、また質問があれば答弁もしなければならぬ。そういうところから総裁、副総裁というものは、この経営委員会に参画をするわけであります。そうでありますから、もし経営委員会というもののほんとうのあり方からいくとするならば、この第十七条の第二項については、やはりこれを改正をして、この議事を過半数において決するということについては、この場合には特別委員は除いたほうがよろしいのではないか。しかし議事については、特別委員は十分に参画をすることはできる。こういうふうに、これは常識で考えるわけでありまして、そういう点については、これは普通の株式会社の問題とは大臣だいぶ違うので、株式会社の例をとって経営委員会の問題を論ずると、コーポレーションというものと株式会社というものとの違いが明確になってこぬわけでありますので、この点は大臣ももう少し勉強をせられて検討を願いたい、こう思うわけであります。
  90. 古池信三

    古池国務大臣 先ほど私が例として株式会社を持ち出しましたのは、株式会社とは全く違う形態であるからということの、むしろ違うということの一つの証として申し上げたのでございますが、それらの問題は別といたしまして、現在のこの規定のあり方で特別に支障はないように考えておりまするけれども、なお今後十分調査をいたしまして、支障がある、あるいはただいま御意見のようなふうに改正したほうがベターであるというような結論が出すした場合には、また十分に検討いたしたいと存じます。
  91. 森本靖

    森本委員 それともう一つ監事の問題でありますが、これも先ほど来大臣が言っておりまするように、監事大臣がただいま答弁をせられましたような仕事をするとするならば、いまのような調査役と調査員のスタッフとメンバーではほとんど仕事はできない。これは単なる事務当局から資料を取り寄せるだけであって、その資料が適確なものであるか、正確なものであるかというところまでは調査がいかない。そこにやはり監事執行部に頼ってその資料をつくらざるを得ない、こういうことになるわけであります。ところが、いまの電電公社監査機構は下部末端にまで監査機構を持っておるわけです。そこで通信局の下部末端に至るまで監査局というものは、一応電電公社の機構並びにその他の事業内容等については精通をしておるわけであります。本来監事経営委員会に対して総裁、副総裁を通り越してはっきりとした意見を述べるためには、それだけの機構とスタッフがなければ、監事がただ二名すわっておって、あと五、六名の者がおったのでは、いかに松田君がりこうなとはいえ、それ以上のことはできないと思う。要するに電電公社法に基づいたところの監事の任務を全うさすためには、それだけの機構と人事とスタッフをつくらなければできない。しかし新たに機構と人事とスタッフをつくるということになると非常に膨大な経費を要する。そうなってまいりますると、いまの監査局の機構と合わせば非常に適確にいくわけであります。ところが、監査局と合わすといたしますと、監査局長のポストと理事というポストが一人減るから、監事が二人ふえても一人しかふえたことにならぬ、こういう理屈になるわけでありまして、これは前から言っておるけれども、なかなかその問題については、いい意見ではあっても、これが絶えず衝突をいたしまして、なかなか結論が出ない、こういうことでありますけれども大臣が先ほど来答弁をされましたような任務を監事が完全に全うするためにば、何といたしましてもいまの監査局機構と監事の機構とをひっつけるようなことを考えなければならないのではないか。行政管理庁が勧告をいたしております意味もそこにあるのではないか。行政管理庁が勧告をいたしておりまする意味は、それぞれの公社、公団あるいは公共企業体、そういうものの不正不当事件があとを絶たない。そういうことを防止するためには、各監事の有能な使い方をしなければならぬということを、このときの川島行政管理庁長官は言っておるわけです。その任務を全うするためには、やはり監事がいま申し上げましたように監査機構を持たなければできないわけです。不正不当事項まで監事がぴちっときめつけていくということになりますと、総裁、副総裁とは全然別個の権限において監査機構を持たなければ意味がないわけです。監査局長が最後に監査いたしましても、それを総裁、副総裁に報告をして、これはこれでよろしい、これはこれでよろしい、こういうことになれば、内輪ですからそれで済んでしまうわけです。そこで監査機構があげた問題でありましても、監査をいたしましても、あとで会計検査院が検査をすれば続々と不正不当事項が出てくるという結論になるわけであります。そういう点については、いま少し監事の機構という問題と監査機構という問題と内部監査という問題、それに対する会計検査院の検査、こういうものを総合的に電電公社としては早急に結論を出す必要があるのではないかというように私は考えるわけでありまするが、大臣は単なるその場限りの答弁でなしに、私のいま言った意見について、もし同意であるとするならば同意をし、検討するというなら検討するでよろしい、あるいはそこが違うというならそこが違う、こういうふうな答弁を願いたいと思うわけであります。
  92. 古池信三

    古池国務大臣 最近における監査関係について事情をさらに詳細に調査をいたします。そうして総裁意見、また監事意見も十分聴取いたしました上で、この問題については今後のあり方について十分検討を加えてまいりたいと存じます。
  93. 安宅常彦

    ○安宅委員 関連。先ほど片島委員の質問に対して、たとえばDSA台とか、あるいは電話の架設の計画なり、そういうものについて創意くふうをしながら懸命にやっておって、片島委員が言うような不当事項が起きないようにするなどということを、森本委員がいま言ったように、何かその場限りの答弁が多過ぎるような気がするので、私は時間がありませんから、片島委員の質問に関連して伺います。それならば大泉さん、昭和三十六年に、ひばりケ丘団地の電話の架設に対して、あそこは二千七百戸ぐらいになっておると思いますが、そこにわざわざあなたのほうでは一千八百回線を田無の局に割り当てたことがある。そういう事実があるかどうか、そこからまずお答えを願いたい。とにかく、その場限りの答弁はさせないというつもりでおりますので、明確に答えてください。
  94. 大泉周蔵

    ○大泉説明員 ただいまのお話は、私は具体的には存じません。
  95. 安宅常彦

    ○安宅委員 あなたが局長のときだと思うのでありますが、三十六年であります。ひばりケ丘団地の電話が大体六〇%ぐらい要るであろうという推定をして、千八百回線を田無に割り当てた。今日そこには約二百七十から三百ぐらいの加入者しか開通いたしておりませんが、こういう事実を知っておられる方はおりますか。全然知りませんか。
  96. 千代健

    千代説明員 私存じませんので、調べなければわからないのでございますが、いままいっております全員がそうであります。
  97. 安宅常彦

    ○安宅委員 大泉さんが局長のときにやった仕事でありますから、たとえば市街地だったら市街地、あるいは市内だったら市内、どういうふうに将来の計画を立てるとか、どういう団地ができてどういう工事ができるのか、いろいろそういう計画があって、そうして電話が五年たっても、申し込んでもさっぱり音さたがない、こういうことがないようにしますというふうなことを先ほど言いましたが、現実にこの場合には一千八百回線を割り当てたけれども、急遽一千回線をどこかに割り当て変えをしている。これは田無から私は聞いたのだから間違いはない。知らないとは言わせない。そういうことをみずからやっておって、そして創意くふうをするとかなんとかかんとか言ってごまかして、この委員会をのがれようとしているようでありますが、私はそういうことは許さない。だから一千八百回線のうち一千回線を急遽どこかに割り当て変えをした、こういうことについて、大泉さん、知らないとは言わせないから、あなたから答弁願います。
  98. 大泉周蔵

    ○大泉説明員 何か誤解があるようでありますので釈明いたしますが、私当時営業局長をいたしておりましたが、ひばりケ丘に何回線つけるかということは、そのときの取扱局長の判断に伴い、通信局長において設置計画を立てたのでございまして、本社はそういうことはわからないたてまえになっておるのでございまして、私は決してうそを申しておりません。
  99. 安宅常彦

    ○安宅委員 それでは今度の委員会で当時の通信局長、当時の電話局長を呼んでやってもいいですか、そんなことを言うのなら。
  100. 大泉周蔵

    ○大泉説明員 どうも何か誤解があろようでございまして、国会の御調査に対してとやかく申し上げることはございませんが、本社がわからないということは何らうそ偽りはございませんので、御了承願いたいと思います。
  101. 安宅常彦

    ○安宅委員 これは集団、いわゆる団地電話の問題で、あなたのほうでは直営にするための一つのモデルケースとしてここには特別の電話回線を割り当てた。ところが、高いものだからそんなに売れなかったので、一千回線をどこかに移したということを——移した先まで私どもは聞いているのでありますが、そういうことは通信局長や電話局の局長ができる筋合いのものではありません。こういうモデルケースをつくるために本社がみずから声がけをして、そうしてこうするのだということをあなたのほうから指図があったのだということを言っている。こういうことについて本社が知らない仕組みになっているというのはおかしいじゃないか。どうですか。
  102. 大泉周蔵

    ○大泉説明員 いまのお話は、一般電話の割り当ての話ということと思いまして、公社の仕組みを申し上げたわけでございますが、団地電話のことでございますならば、いわゆる手動の自営の団地電話につきましては、ひばりケ丘みたいな大きなところは不適当である、もしやるならば直営の電話をつけるべきであるという議論をしたことはございますけれども、具体的な計画については存じません。
  103. 安宅常彦

    ○安宅委員 それはあなたのほうから、大体このくらい売れるはずだからということでそう言われたけれども、本社がみずから、一般的なそういう電話の架設に対して特別におかしな指示を出しているものだから、下のほうが混乱して、創意くふうするどころか、とんでもない間違った創意くふうを本社からされて大迷惑をしたと言っているのです。こういうことは、係員なり、そういうところを全部私のほうでは調査しておるのであります。先ほどはあなたのほうでひばりケ丘の問題については知らないと言われたが、私はひばりケ丘ということを特定してあなたに質問しているのだから、団地の電話のことぐらいは知らないはずはない。わかるはずです。それを知らない仕組みになっているなどと、一般的なことで逃げようとし、あるいは今度は集団団地電話のことについて、特別にそういうところによけい出したはずだと言ったら、そういう議論をしたことがあるというところまであなたのほうでは動いてきている。明らかに知っていながら知らぬ存ぜぬで逃げると、また時間が長くなります。そういうことについては、明らかにそういうことがあったということだけはきょうあなたから答弁をもらっておきたい。そうでないとあと論議が進みませんが、どうですか。
  104. 大泉周蔵

    ○大泉説明員 何か非常に誤解がおありのようでございますが、全然うそは申しておりません。ただし、団地電話の問題につきまして検討しましたときに、手動の団地の電話についていろいろ議論したことはありますけれども、申されましたのは、具体的にどこに幾つの電話をつくるかということでありますが、そのようなことは本社では一々指図はしないのでございます。試行計画か何かありますとそういうことはあるかもしれませんが、そのような試行計画はございませんので、これは存じないということは当然であろうと思います。
  105. 安宅常彦

    ○安宅委員 それでは、あなたの答弁はこのままにしておいて、きょうはもう一時ですからこの次に具体的にやります。計画がうまくいっているようなことを言ってちょろちょろ逃げているけれども、逃がすようなことはさせないつもりでありますから、それは……。
  106. 加藤常太郎

    ○加藤委員長 この件については、委員長から公社に要望いたしまして、後日調査の上本委員会に報告をしてもらうことにいたします。  次会は来たる十五日水曜日午前十時から理事会、理事会散会後委員会を開会することとし、本日はこの程度にて散会いたします。    午後零時五十九分散会