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1964-02-21 第46回国会 衆議院 逓信委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年二月二十一日(金曜日)     午前十時三十七分開議  出席委員    委員長 加藤常太郎君    理事 秋田 大助君 理事 大高  康君    理事 志賀健次郎君 理事 森山 欽司君    理事 大柴 滋夫君 理事 栗原 俊夫君    理事 森本  靖君       小渕 恵三君    木部 佳昭君       寺島隆太郎君    中村 寅太君       中山 榮一君   橋本登美三郎君       本名  武君    安宅 常彦君       片島  港君    佐々木更三君       畑   和君    柳田 秀一君       受田 新吉君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 古池 信三君  出席政府委員         郵政政務次官  金丸  信君         郵政事務官         (大臣官房長) 武田  功君         郵政事務官         (大臣官房電気         通信監理官)  畠山 一郎君         郵政事務官         (郵務局長)  佐方 信博君         郵政事務官         (電波監理局         長)      宮川 岸雄君         郵政事務官         (人事局長)  増森  孝君  委員外出席者         郵政事務官         (大臣官房郵政         参事官)    溝呂木 繁君         郵政事務官         (電波監理局放         送部長)    吉灘  中君         日本電信電話公         社総裁     大橋 八郎君         日本電信電話公         社副総裁    米沢  滋君         日本電信電話公         社総務理事   平山  温君         日本電信電話公         社総務理事   金光  昭君         日本電信電話公         社営業局長   千代  健君         専  門  員 水田  誠君     ————————————— 二月二十日  委員安宅常彦君、片島港君、下平正一君及び柳  田秀一辞任につき、その補欠として横路節雄  君、山花秀雄君、石田宥全君及び加藤清二君が  議長指名委員に選任された。 同日  委員石田宥全君加藤清二君、山花秀雄君及び  横路節雄辞任につき、その補欠として下平正  一君、柳田秀一君、片島港君及び安宅常彦君が  議長指名委員に選任された。 同月二十一日  委員山本幸雄辞任につき、その補欠として寺  島隆太郎君が議長指名委員に選任された。 同日  委員寺島隆太郎辞任につき、その補欠として  山本幸雄君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  郵政事業に関する件(特定郵便局舎に関する問  題)  電気通信に関する件(有線放送電話及び公衆電  気通信役務の試行に関する問題)  電波監理及び放送に関する件(仙台放送免許  等に関する問題)      ————◇—————
  2. 加藤常太郎

    加藤委員長 これより会議を開きます。  郵政事業郵政監察電気通信電波監理及び放送に関する件を議題として調査を進めます。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。森本靖君。
  3. 森本靖

    森本委員 私はこの前の質問の続きを行ないたいと思いますが、その前にひとつ緊急に資料を要求しておきたいと思います。特定郵便局舎に対するところの簡保の転貸債の問題でありますが、自治省から各都道府県に対して出したこれに関する自治省の三十八年度の通達をひとつお願いしたいということと、それからどこか二、三県のこの件の貸し付けの融資条件をひとつ早急に資料として二、三日の間にお出しを願いたい、こう思うわけでありますが、どうでしょうか。
  4. 武田功

    武田(功)政府委員 第一点の自治省通達でございますが、自治省と相談いたしまして御希望に沿うようにいたします。  それから第二点は、二、三県の融資状況でございますが、提出いたします。
  5. 森本靖

    森本委員 それでは、この間の一般質問で、私が宿題として残しておりました例の県域放送の問題と、近畿チャンネルプランの問題と、仙台放送の問題と、この三つ残っておるわけでありますが、この県域放送の問題については、これはNHKの予算の審議の際にひとついろいろの問題を明らかにしていきたい、こう思うわけであります。それから近畿チャンネルプランについては、過日大臣から若干答弁がありましたので、次に仙台放送の問題でありますが、この問題については、当委員会が超党派的に取り上げておるわけでありますけれども、その後の大臣は、円満に事態が収拾できるように努力をするということを数回答弁をいたしておりますけれども、これが厳密に申し上げまして何ら解決めどがついていない、こういう状態になっておるわけであります。その後大臣としてはどういうふうな収拾のめどをつけられるような努力をせられたか。さらに、現状はどうなっておるかということについてお聞きしておきたい、こう思うわけであります。
  6. 古池信三

    古池国務大臣 お答えいたします。この問題につきましては、申し上げるまでもなくもうよく御存じのように、郵政省が権力的にどうこうするということのできる問題ではございません。そこで、できるだけ円満に、かつまた穏便にこの問題が収拾されるようにということを念願いたしまして、今日まですでにこの問題の調停の労をとっていただいておりまする三人の方々に、いろいろな機会をもちまして、再三私がお会い申して、極力その努力をさらに進めていただくようにお願いをしております。この方々も、いろいろ努力はしておるけれども、なかなかこの問題が早急にらちがあかないので、実は自分たちほんとうに困っておる、しかし何とか打開の道を発見して円満に収拾できるようにいたしたい、こういうつもりで努力を続けていただいておる次第でございます。  なおそのほかに、御承知のように私、参議院に議席を持っておりますので、参議院議員であり、かつ地元仙台方面から選出されておられる高橋進太郎議員にもこの話をいたしましたところが、高橋議員地元の問題であるから、かねがねその話も聞いておるし、自分としても何とかしなければならぬと思っておるので、この問題は十分に自分努力したい、こういう話でございまして、どうかよろしくお願いをしたいということで、いまその間のあっせん等についての御尽力をお願いしておる次第でございます。
  7. 森本靖

    森本委員 大臣があちらこちらにあっせん議員の人に依頼するのはけっこうでありますけれども、大臣が権力的にこれに介入するわけにまいらないという御答弁がありましたけれども、やはり郵政大臣としては、こういう一般民間放送に対しては、これを監督する権限を持っておるわけであります。そういたしますと、その監督する権限の中に、そういう会社紛争についてはなるべく早くそういう紛争解決をつけて、円満に会社運営できて公共サービスにこたえるようにしなさい、こういうことは言い得る責任もあり、またそれだけの権力もあると思います。ただ、大臣としてどちらがいい、こちらがいいということを、いま早急に言うということは困難であるにいたしましても、大臣としては、これに対するところ監督権を持っておるわけでありますから、そういう紛糾が起きているということは好ましくない、早く解決をつけて公共サービスに円満にこたえなさいと言うところ任務もあれば責任もあるわけであります。そういう点について、大臣がその両当事者に対していろいろのあっせんなり、あるいは仲介なり、あるいは勧告なり、そういうことを行なって、早急に解決をつける方向に向かいなさいというのがわれわれの言い分であります。大臣は、ある議員に依頼した、あるいはまた、そういうふうなことをやっておるということでございますけれども、私が言っておりますのは、大臣みずからがその権限任務において、会社紛糾をしておる両当事者に対してあっせんもし勧告もするということをやっておるかどうか、こういうことであります。
  8. 古池信三

    古池国務大臣 会社重役方々社長も含めまして、そういう方にもお会いしておりますので、そういう際に極力円満に解決をするように御努力願いたいと言って、私から特にそのことはお話をしてございます。
  9. 森本靖

    森本委員 ございますが、なかなか解決がつかない見通しである、こういうことですか。
  10. 古池信三

    古池国務大臣 まあ将来の見通しでありますが、私としてここではっきり何とも申し上げませんけれども、私が依頼した方々の話を総合して聞いてみますると、何とかそのうちにめどがつくであろう、こういうふうに承知しております。ただ、それじゃどういう方法でどんな形でめどがついていくかということは、いまその問題がそういうふうになっておりまするから、ここで私から申し上げることはむしろ差し控えたほうがよろしいと思います。
  11. 森本靖

    森本委員 私はそんなに深追いをするつもりはありませんが、ただ大臣が逃げ腰でそういうふうなあっせん調停勧告というものをやっても、なかなかこの問題は解決がつかない。要するにこれは資本主義社会におけるところの一番悪いところが出ておるわけでありまして、一番悪い争いになっておるわけであります。しかし、そうはいっても、この民間放送株式会社というものは、国民電波を割り当ててもらっておる会社でありますから、そういう点からいきますと、やはりそういう紛糾がなくなって、早く円満に事態がおさまるということが最も望ましい。そういう線で大臣としては極力やっておるけれども、なかなかむずかしい、こういうお答えであります。しかし私は、大臣はなお一そうこれについてのあっせんあるいは勧告ということをやって、極力円満に解決をつけるようにひとつ努力をしてもらいたい、こう思うわけでありますけれども、それでもどうしてもいかぬという場合には、やはりこれは一年後の再免許の時期とか、あるいはまた、場合によっては、日本電波総合ビジョンといいますか、FM放送あるいはUの親局という問題が一応解明をされて、そして仙台なら仙台にUの親局ができるという情勢があった場合には、これは私は一挙に解決がつくと思うのであります。しかし、その時期まで手をこまねいて見ておるというわけにはまいらぬわけでありますから、やはりその時期までも一応大臣としては十分に従来より一そうのあっせんなり、勧告なり、あるいは仲介の労をとる。それは大臣みずからやる場合もありましょうし、あるいは人を介してやる場合もありましょう。しかし、最終的にどうしても解決がつかぬという場合には、あるいは再免許の時期あるいはUの親局免許の時期、そういうときに解決をつけるというふうに考えていいのじゃないか、こう私は思うわけでありますが、その点どうですか。
  12. 古池信三

    古池国務大臣 大体あるいは御質問あるいは御意見の御趣旨には私も同感するところが多いのでございます。その線に沿いまして、今後も十分努力を重ねてまいりたいと思っておりまするが、明年の再免許の時期がきた際にどうするかという問題については、またそのときに十分に考えていきたいと思います。
  13. 森本靖

    森本委員 私の言っておりますのは、だからその再免許のときにどうするこうするということでなしに、やはりこの問題の解決をつけ得る一番いい時期は、再免許のときか、あるいはまた、常識的に考えてUの親局ができるというときが一番いいときではないか、だから大臣は、いまからも十分にあっせんあるいは仲介勧告ということをやって、円満にいくように努力してもらいたい。しかし、どうしてもいかぬ場合には、そういうことになるのではないか、こういうことを言っておるわけでありますから、そういう御趣旨によってひとつ将来とも善処していきたいという大臣お答えがあれば、私は質問を終わりたい、こう思っておるわけであります。
  14. 古池信三

    古池国務大臣 私、極力努力をいたしまして善処していきたいと考えます。
  15. 寺島隆太郎

    寺島委員 関連して。私はただいま森本委員によって解明せられました郵政当局のお考えに関連いたしましてお尋ねいたしたいと思います。  顧みれば、この仙台問題がわが逓信委員会に付議されましたのは、四十一国会のときであります。四十一国会のときに電波当局並びに郵政大臣答弁もいただき、さらに一そう奇々怪々なるその当時のいわゆる仙台側フジテレビ系列諸君、及び参考人といたしまして、宮城県の知事、宮城県会議長及び宮城県議会総務警察委員長株式会社仙台放送の問題の早川種取締役社長、ひとしく相争っておる立場にある高橋文五郎社長、及びいまは攻守ところを異にして、早川側からいま手を引いておりますが、その当時は早川とぴったりくっついておって、この会社をつくり上げた古谷敬二取締役、これらの意見を聞いたのでありますが、その席上、詳細に私が資料を提示いたして、公共のものである電波を、白昼堂々と、しかも郵政省の出先である仙台電波監理支局がある、その監督網をくぐって、しかも合法的に、社会正義の名のもとに強奪いたしておるということは、公明なるべき電波を独占すること大なるものなり。返す意思があるかどうか、元に返す意思があるかどうかという質問に対しまして、自分だけでやっておる会社ではないから、帰って相談をいたします。かような当時の答弁であったのであります。それで、同僚の上林山榮吉君は、この衆議院逓信委員会の場を何と心得ておるか、三百代言が総会荒しに立って答弁をしておるのと違んだ、もっとまじめな態度で答えなさいということを言っておりますが、当時夏暑い日でありましたが、早川社長顔面蒼白となり、善処いたしますという明確なる答弁をいたして帰っておるのであります。その間月去り人かわり、閣僚小沢郵政大臣になり、さらに古池さんが新たに郵政担当大臣になられたのであります。考えてみますれば、国土が焼土と相なりましたときの終戦直後に私は国会議員になりまして、その当時商工省電力局長をいたしておった古池政府委員と電力問題で一時間ほど渡り合ったことをいま記憶いたすのであります。そのときに示した明快な古池さんの態度、勇断をもって措置してもらいたい。本委員会にたびたび電波監理局長が出席いたしまして、たとえば中継局を許可する場合等においては十二分に発言権を発揮するから、そのときはプッシュいたします。なお小沢大臣も、この早川社長の陰の人水野成夫氏といろいろ会談をせられておりますけれども、もはやことが社会公共正義の名のもとに、こういう電波をいわゆる電波どろぼうの手に黙ってほおっておいて、天下の郵政省がいわゆる国民の負託にこたえ、もって公平なる行政をやっておるということは首肯しがたい。すでに昨年の統一選挙の後においても、同様の県の持ち株が公平に生かされるような措置をいたすために、株返還をいたすべく、願わくは国会並びに電波当局においてはやってもらいたいというるるたる陳情を重ねておるのであります。いまだ会社内部においてはかかる努力をいたした形跡すらないのでありますが、この事実に基づきまして、どうか古池大臣においては、その在任中いろいろな角度において行政権をもって、監督過程のうちに深刻な勧告をいたすにあらざれば、ことは池田内閣全体の問題にも累を及ぼすということを私はここに明確に申し上げ、大臣の勇断ある措置をお伺い申し上げたいのであります。
  16. 古池信三

    古池国務大臣 ただいまの御意見まことにごもっともに存じます。公の器として放送免許されておる以上は、あくまで国民公衆の利益のために、また文化あるいは経済の発展のために、ほんとうに円満なる運営のもとにおいて努力をするということは当然課せられた義務であろうと私は思います。特にこの仙台放送の問題は、御案内のように、最初二つの局の申請がありましたのが一本にまとまって、そうして仙台放送という会社ができたいきさつからいいましても、この重役諸公は、あくまでその本来の使命というものに徹して、円満に、かつまた公正に、この業務運営に当たるということは当然のことであります。それが最近までかような紛争を起こしたということは、私もたいへん遺憾に存じております。ただ、先ほどもちょっと申し上げましたように、この事態そのものが、たとえば法律何条によってかくかくの命令を出すというほどはっきりしたわれわれのほうの権限もありませんので、あくまで行政指導という立場からこれを円満に収拾させよう、こういう努力をしておるわけでありまするが、何しろかような問題は、いろいろその間に人間的な感情の問題も入りましてずいぶんむずかしくなっておると存じまするが、したがって、時日も相当今日までかかっておるわけでありまするが、私としましては、十分にこれらの点も勘案しながらあっせんをいたしまして、早くさような問題のおさまるように今後諸君とともに努力してまいりたいと考えております。
  17. 寺島隆太郎

    寺島委員 時間の関係上、もう一問だけにいたしますが、さすれば、四十一国会以来連続閣僚がかわること三名、電波監理局長もかわっておるけれども、いわゆる中継局を申請してきたような場合、その他仙台放送がどうしても関連事項郵政当局にお世話にならなければならないときには、強力なる指導をする意思ありやなしや。さらに、本日の質疑をもってこれは終了したものではなくて、継続努力を傾けておる問題であると了承してよろしいのであるかどうか。電波監理局長はかわっておるが、前局長からの引き継ぎ事項を確認してもらいたい。大臣もあわせて、私の前に再度力強く早川社長にこの速記録のこの事実を早く実現してもらうことを要請してもらえるかどうかということを、重ねてお伺いする次第であります。
  18. 古池信三

    古池国務大臣 この問題の解決のためには、私も今後あらゆる努力を尽くしてまいりたいと存じます。
  19. 宮川岸雄

    宮川政府委員 ただいま大臣からもいろいろ申し上げましたとおりでございまするが、私といたしましても、大臣の申し上げました線に沿いまして、今後この仙台放送の問題につきましては十分なる関心を持ち、また御指摘のとおり中継局その他の問題の起きましたときには、大いに考えながら前局長が申しましたように慎重に処してまいりたいと考えております。
  20. 大柴滋夫

    大柴委員 われわれのところへも、しばしば宮城会等から、自民党、社会党を問わず陳情に来るわけでありますが、これは宮城県会が、県会の決議できめ、そうして本委員会もいろいろなことをきめたわけでありますが、このままで紛争が長引くとするならば、いつまでたっても解決しないと思うのであります。そうすると、先ほど森木委員がおっしゃったように、免許更新のときに、こういう紛争をしているところには再免許はおろさない、こういうことになるだろうと思いますが、そういうように解釈してよろしいのでありますか。
  21. 古池信三

    古池国務大臣 この問題はなかなか重大でありまして、また再免許の時期もまだ一年有余先の問題でありまするから、その際に事情もいろいろ変更があるだろうと思います。したがって、その時に臨んで、最も適切なる措置を講じてまいりたいと考えております。
  22. 大柴滋夫

    大柴委員 われわれ逓信委員あるいは逓信委員会からいえば、郵政省態度は、はなはだ優柔不断だと思うのです。たしかこの問題の解決は、一昨年の十二月までは解決するということを当事者郵政省も確約をして、ひとまず幕を閉じた問題だろうと思うのです。そうすると、大臣どうですか、この三月、四月ぐらい大いに努力をしてみて、五月ぐらいの国会の最終には一応のめど——大臣のいま言ったようなことではなくて、こういう問題があるからこれは解決できない、あるいはここが隘路になっているという、はっきりとあなたは答弁できる予定がありますか。私はそうしなければならぬと思うのであります。これはずるずると、あなたのような答弁であったら、われわれとしては全く迷惑しごくな話でありますが、五月ぐらいをめど解決していただけませんか。
  23. 古池信三

    古池国務大臣 もちろん私としましては、一日も早くこの問題が収拾できるようなことを望んでおりますから、そのために努力をいたしますが、ただいまの段階において、何月に解決するということは、事柄の性質上ちょっと申し上げにくいわけであります。
  24. 大柴滋夫

    大柴委員 それでは私のほうでは五月をめどに——解決できなくても、一つの中間報告を本委員会にしてくれるよう要請しておきます。どうですか。
  25. 古池信三

    古池国務大臣 この委員会でさような御決定がございますれば、もちろんその御決定に従って私といたしましては最善を尽くすつもりでございます。
  26. 加藤常太郎

  27. 栗原俊夫

    栗原委員 イロハのような質問をいたしますが、しろうとでございますからわかりやすく御説明をいただきたいと思います。  昨年の暮れに郵便の配達の問題がたいへん混乱をいたした、その中心をなすものが特定郵便局舎の問題である。私も特定局特定局と言っておったのですが、さてわかっておるつもりでおったところが、ああいう問題が起こってみると、特定郵便局というのはどういうものだと言われて実は答えられなくなった。この特定郵便局とは一体どういうものなのかということを、しろうとの私にひとつわかりやすく説明していただきたいと思います。
  28. 古池信三

    古池国務大臣 よく御存じになっておってさようなことをおっしゃるのだと思いますが、いま日本郵便局の数は大ざっぱにいって一万六千くらいでございます。そのうちで、一万四千五、六百というのが、特定局でございます。特定郵便局は昔は三等郵便局と申しておりましたが、今日名前特定郵便局となりまして、名前と同時に、局の内容あるいは仕組み等もすっかり変わってきております。一言にして申せば、特定郵便局長というものがその局の長となって郵便業務を扱っておる郵便局、こう申し上げますれば一番端的だろうと存じます。
  29. 栗原俊夫

    栗原委員 その特定郵便局局舎の問題なんですが、ただいまのお話だと、特定郵便局長局長になっておるのが特定郵便局である、こういうことなんですが、われわれがしろうとでちょっと考えると、借家でやっておる郵便局がどうも特定郵便局のように聞こえるのですけれども、この特定局というものの中に、借家になっておる借り上げ局舎というものはどのくらいあるのですか。
  30. 古池信三

    古池国務大臣 今日できるだけ予算を心配しまして、この局舎国有ということにつとめておりまするけれども、何しろ多数の局のことでありますので、現在大体九四%程度が他から国が借り上げておる局舎になっておると存じます。
  31. 栗原俊夫

    栗原委員 そこでお話を伺うのですが、局舎を借り上げると、どうも借り上げた家主を何とか局長にしなければならぬというようなことになりやすいということは、一応私にもわかるのですが、そういう制度とか、そういう取りきめとかいうものがあるのですか。
  32. 古池信三

    古池国務大臣 御承知のように、昔三等郵便局と申しました時分には、局長局舎を提供せねばならぬ、こういうふうなきまりがあったのでありますけれども、今日の時代はすっかりそういうことはなくなりまして、局長局舎というものは制度関係はないわけであります。
  33. 栗原俊夫

    栗原委員 制度上はないが、しかし実質には、そういう三等郵便局時代の流れが続いておるから、具体的には九四%借り上げておる局舎のうちで、どのくらい実際に家主特定局長になっておるのですか。
  34. 古池信三

    古池国務大臣 民間から借り上げております局舎の中には、たとえば財団法人互助会というふうな法人から借り上げておるのもございます。しかし、何と申しましても、やはり局長の所有しておりまする局舎を借り上げておる率が多いと思いますが、その数字につきましては政府委員のほうから御答弁いたさせます。
  35. 増森孝

    増森政府委員 数を申し上げますと、国有のものが六・五%九百四十六局でございます。あらかじめお断わりしておきますが、三十八年の三月三十一日の調べてございます。それから局長所有のものが一万二百二十六局でありまして七〇・七%、それから第三者所有が三千二百九十八局ございまして二二・八%となっております。
  36. 栗原俊夫

    栗原委員 これはいままでの三等郵便局時代からの経過から見てこういうことなんですか。制度的には家主だから局長にならねばならないというようなことはない。しかし実際やってみると、なかなかりっぱな人で局長をやっていただいてもらってもいいというようなことでやっておるだろうと思います。しからば家主郵政省の職員として有能である、何も自分が貸しておる局舎局長でなくてもかまわぬわけですね。おれが貸したのだからおれをそこに使ってくれ、おれの貸しておる局舎局長でなければならぬというのではなくて、お前はあっちへ行け、こっちへ行けということで、どこへ行ってもかまわぬたてまえだろうと思いますが、これはどうですか。
  37. 古池信三

    古池国務大臣 お説のとおり、理論としてはそのとおりだと思いますが、ただ実際問題としましては、元来特定郵便局というのは、その地方において非常に信用のある、かつまた局長としてりっぱな人格、才能を備えた人を局長に任用しておりまするから、他の土地に転任するということは、実際問題としてはなかなか例も少ないことであり困難であろうと思います。しかし、理論的に言えば、転任をすることは少しも差しつかえないわけでございます。
  38. 栗原俊夫

    栗原委員 いろいろ問題を聞いてみますと、局舎を借りておるそこの家主局長だというようなことの中から職場で働いておる皆さんの中にいろいろと問題が起こってくる場面が多いと思うのです。前になくなられた手島さんのときにもいろいろと質疑をしたのですが、どうしても部内に局長になる適格者がいない、そこで部外に適格者を求める、そして求めた人がたまたま家も提供するというようなことになろうかと思うのですが、現時点では部内にもりっぱな人がたくさんおると私は思うのですよ。そこで郵政のあの年末のような問題が起こる。そういう家主局長になっておるという問題を回避するのが一つの大きなねらいだと思うのですが、そこでどうですか、そういう問題を、もちろん借りておる局舎がうまくないというようなことで、一方ではこれは新しく国営にしろと要求するのだが、当局のほうでは、銭がないから一ぺんにはそうはいかぬということでいろいろ問題になるのですが、いままで借り上げの局舎で本人の金で修理するというのが一応普通なんですが、それ以外に局のほうから金を持ち込んで借りた家を修理する場面というのは全然なかったのですか。やってはいけないのですか。この点はどうなんです。
  39. 佐方信博

    ○佐方政府委員 主管の建築部が来ておりませんのでかわって——正式にかわれるかどうかどうも疑問でありますけれども、実際の慣例としまして、風水害がありましたとか、非常な大災害がありましたときにはこっちのほうで金を出して修繕をしてやるというようなやり方をしておると思います。
  40. 栗原俊夫

    栗原委員 いや、私の聞いておるのはそういうことを聞いておるのじゃない。借り上げた郵便局舎をもし修理するときには家主以外にはやってはいけないのか、ほかの金でほかの手で修理することはやってはいけないのか、やってはならないという制度があるのかということが一点。いま一つそれとは別個に、そういうことをやっておる事実はあるのかないのかというのが第二点。このことを答えてください。
  41. 溝呂木繁

    ○溝呂木説明員 先生お尋ねの弟一点の、借り上げている局舎を修繕するのは家主以外がやってもいいかどうかという問題でありますが、現在一般の特定局舎の借り上げにつきましては、家主側が修繕する分と借りているほうの省が修繕する分と分けておりまして、いわゆるその建物の保存といいますか、相当価値を減ぜないような、形の大きな修繕は家主側がやれ、それから借りているほうが簡単に中を変えるとか、要するに借りているほうの都合によって修繕をする場合は、借りているほうの省側ということになっておりまして、お尋ねの点については、結局借りているほうがする修繕の分もあれば、あと大きな修繕は家主側ということになっております。そして家主側が当然修繕すべき負担分については、借料算出根拠の中に入っておるというようなことになっております。いま申し上げましたような点については、制度もあり、そのまま実行しておりますが、先生のお尋ねのは、今回の簡保融資転貸債のような場合のことではないかと思いますが、そういう例はいままでございません。今回から始めたものでございます。
  42. 栗原俊夫

    栗原委員 それは借りるときの約束でもってそういう約束になっておるので、別にそうしなければならぬという特別な法律があるわけじゃないのでしょう。
  43. 溝呂木繁

    ○溝呂木説明員 そういう法律はございません。
  44. 栗原俊夫

    栗原委員 今度特定局舎がどうもたいへん古くなった、工合が悪い、これを何とかやろうということでだいぶ問題が起こっておるようですが、これはそういう話し合いになれば、当局がやってできないことはないのだろうと思うけれども、この点はどうでしょう。
  45. 溝呂木繁

    ○溝呂木説明員 今回の簡保融資による問題は、先ほど私が申し上げました簡易なる修繕ではなくて、新しく特定局舎を建て直すとか増築するとか、いわゆる固定資産がほとんど変わってしまうという場合でございますので、当然これは省側あるいは借り主側ができる問題ではなく、あくまでも家主、貸し主側が当然その建物を建て直すとか増築すべき問題だと思います。したがいまして、これを省側でやるためには、全然別の建物を省の金で建て直すという形になって、性格が少し変わってくるかと思います。
  46. 森本靖

    森本委員 関連して。ちょっとその前に、先ほどの修理費の問題ですが、大きな修理費でも小さな修理でも、大体省がやる場合があると思うのです。具体的にいままで、転貸債の問題とは別に、特定局一局で一番大きな修理費を三十八年度に出したところはその額が幾らでしたか、それから一番小さい修理費は幾らですか。それが明らかになるとはっきりいたします。数十万の大修理をやったところがあるはずです。それからふすまとか建具とか直すような小さな修理で、月額千何ぼというものもあると思いますが、最高額と最低額は幾らですか。
  47. 武田功

    武田(功)政府委員 ただいまお尋ねの関係のこまかい資料を持ち合わせておりませんので、後ほど調べましてお答え申し上げます。
  48. 栗原俊夫

    栗原委員 今度のものは家主がやるものだ、こうおっしゃるのですが、家主が銭を持っているから、家主自分で直すというのではないらしいですね。ほかから金を持っていって、貸してやってやらせる。貸す金があるのだったら、その金を郵政省が借りて、郵政省でやっていってもいいのではないですか、これはできないのですか。
  49. 溝呂木繁

    ○溝呂木説明員 この制度のいきさつをちょっと申し上げてみたいと思いますが、一応特定局舎、いわゆる借り上げあるいは国有ということの原則は、三十三年に特定局制度調査会という民間の学識経験者による調査会がありまして、その答申等もいただきまして、一応省といたしましては、大規模な局、いわゆる将来普通局になるとか、作業上から見てこれは当然省でやらなければならないというような局につきましては国有で進めることとし、それ以外のいわゆる小局と申しますか、そういったように妥当な局舎が妥当な条件で借り上げられる場合は借り上げていく、こういう二本立ての方針にしております。したがいまして、あとから申し上げました借り上げていく局舎を改善いたしますのは、当然これは家主側の責任でやらせるという省の方針でいく。それでいままででしたら、当然家主側が何とか金融の都合をつけまして、そして特定局舎として恥ずかしくないような局舎にすべく努力もし、省もそのように強く言ってきたわけであります。ところが、御承知のように、特定局舎の借料が安いということもあり、民間のベースでもってなかなかうまく金が借りられないという特定局長も出てまいりました。そこで方針としては、そういうものを国有にするという方針を変えれば別でございますが、一応借り入れるものは借り入れていくという原則のもとにおいて、その局舎が悪くなっておるのを早くよくしたいという暫定の措置を講ずるためには、とりあえず融資ベースでもってこれを措置せざるを得ないということになりまして、そこでいろいろ関係者と相談いたしまして、とりあえず何とかしなければならない借り上げ局舎をよくする方法といたしまして、今回の簡保融資という方法をとったわけでございます。したがいまして、現在われわれとしましては、一応借り入れでいくというものの中で、しかも局長の資力で十分局舎がよくならない、しかしそれはほうっておけないというものについて、緊急暫定措置として今回のような措置をとったわけでございます。
  50. 栗原俊夫

    栗原委員 局長というか、家主というか、家主も金を借りて家を建て直そうというからには、近い将来、これは郵便局でなくなるということを考えて金を借りて直す人は一人もないと思うんですよ。またこちらのほうでも、そういう金を借りさして直させる以上は、ずっと将来これを局舎として使うつもりだから、そういうことをやるのだろうと思うのです。それならば家主自分で金をどっかで見つけて、自分の資力でやってよくします、こう言うならわかるけれども、貸してやるという金がこちらにあるならば、そして将来長く郵便局として使おうというならば、ほかに全然問題が起こらぬのならそれでも私はいいんですよ。何も問題まで起こしてそうやらなくともいいじゃないか、私はこう思う。問題が全然起こらずに、全くけっこうです、それは職場環境もよくなることだからけっこうです、こういうならそれで私はいいと思うのだけれども、それじゃ困るというなら、何も困るというやつまで押し破ってそういうことをやる必要はないじゃないですか、これは大臣どうです。
  51. 古池信三

    古池国務大臣 われわれとしましては、できるだけ国有でりっぱな局舎をつくりたいということは考えておりますけれども、結局やはり経済問題になってまいりまして、いま国有でつくろうという特定局についての計画をちょっと簡単に申し上げますが、昭和三十六年度におきましては十カ年計画を立てて、少なくとも九百六十局は改善をしたいということで予定をしたのです。そこでさらにそれを五カ年計画ということにしまして、これで五百六十局は改善しよう、それですでに三十六年、三十七年両年度には百六十一局を改善いたしました。三十八年度には九十局、また三十九年度は少なくとも百局は改善したいというようなわけで、極力努力は続けておるわけであります。ところが、何さまいま老朽化し、あるいは狭隘になったという局が四千七、八百もあるというものですから、これを国費で全部やるということは、とうていいまの郵政事業予算からいいまして許されないことでございます。さればといって、局長がどこかから金を借りてきて建てるなり改修したらいいじゃないかというお話ですけれども、そうしますと自然これは金利も高くなります。高い金利で建てればやはり国がこれを借り上げるについても、どうしても借料もそれらの原価を考えに入れますから高くならざるを得ない。それでまあいろいろな点を考慮しまして、そのうちの建築費の七割はこちらの安い金利の金を融資しよう、こういうことにいたしまして、あと三割はまあひとつ自弁でやってもらう。したがって、国が借り上げる場合の借料もそれだけ減額して、郵政事業の経理にも大いに有利にしていこう、こういうふうな経済的な見地が非常に大きな部分を占めておるわけでございます。私としましては、そういう点を組合の諸君にもよくお話をして理解をしていただいて、去年のようなああいうことが再び起こらないようにお互いに協力し合っていきたい、こういうつもりでおります。
  52. 栗原俊夫

    栗原委員 大臣、るる説明してくれているんですが、どうも部外者の私には納得がいかぬのですね。とにかくこれから直すところは、近くほかへ新規に郵便局を建てようという気のないところですね。これはそうでしょう、本格的にやろうというのですから。それならいま全部いきなり金がないから買い上げられないとか、いろいろなことがあっても、とにかくよそから金を持ってくるなら話はわかるのだけれども、政府部内、特に郵政省に関連したところから原資が出ている、金がたとえ貸す形ででもあるのだから、将来買収する第一段階として自分の計算でなぜやれぬのですか。三割は向こうが持つのだから、その三割に手が届かぬというような理屈も立てれば立てられるかもしれません。しかし、そのくらいのことは何とでもなると思うのです。その三割の問題と全逓の労働者のああいう問題のかね合いからいったら、私は、いろいろなことを考えても、将来は漸次国営に移すという一歩として、やはり自分計算でやるべきじゃないかと思うのですが、それでいろいろと問題が解消できる。先ほどお聞きした家主とその局の局長が同じ人であるということが、やはり問題をはらんでおるというようなこともありますから、いままでの経過からいっても、数が多いのはやむを得ないにしても、やはりそういうものを解消するという長い展望の上に立って考えてもらわなければならぬと思いますが、どうですか、もう一ぺんよく考えてみてください。ほかに関係もあるでしょうけれども、私、しろうとですけれども、国民の一人としてそう考えますね。郵便局から集まった金を貸して問題を起こしてやるよりも、問題の起こらぬようなやり方でできるじゃないか。なぜそれができぬのです。納得できるように説明してもらいたいが、そういう説明はできぬと思うのです。しいて言えば、家主に対する義理立て以外にはない、こう私には思えますが、どうですか。
  53. 古池信三

    古池国務大臣 直接郵政事業を経営していく責任を持っております立場から言いますると、なかなかそう簡単にも参らぬのですが、しかし、こういうことは言えると思います。家主になっておる局長に対して義理立てをして郵政省がやる、そういうようなことは毛頭ないのでございます。やはり、最初に申し上げましたように、あくまでこの問題は予算経理というふうな経済面でございまして、すでにお話しになりましたように、現に郵政省自体が、郵便事業の特別会計が、簡易保険の金を借りまして、それで直接やっておるのが相当あるのです。ありますけれどもそれだけではなお足りないから、いまのようなやむを得ざる措置を講じておるわけでございます。したがって、これは緊急暫定措置として五年間やろうということでやっておるわけでございまして、いま栗原さんのおっしゃいましたような御意見は、私もごもっともだと思います。  そこで、そのような措置を講ずるにつきましては、やはり今後の組合の諸君も十分納得していただいて、また組合の諸君の言われることも十分私は耳を傾けて実現できることは実現するように努力していきたいと考えております。何もこれらの特定局長に義理立てをしてどうこうということは絶対にありませんから、その辺はどうか御了承願いたいと思います。
  54. 栗原俊夫

    栗原委員 そこが私にはどうしてもわからぬ。個人には金を貸せる。それならその金を郵政省の特別会計が借りてなぜできないのですか。
  55. 古池信三

    古池国務大臣 これは詳しく御説明をいたしますと長くなりますから、いまかいつまんだお答えをしたのでありますが、郵政省すなわち郵便事業の特別会計自体が借りておることはいま申し上げたとおりであります。ところが、何千とある特定局の実情を考えてみますと、まず第一に必要なのは土地でございます。いま新たに土地を物色してその高い土地を買って、あるいはその土地を借り上げて、そこに新しく局を建てるということになりますと、その経済的な負担はたいへんなことになります。幸いにして、いまの局舎は大部分が局長の所有地である、あるいは所有地でないまでも借地権を持っておりますから、その局を基礎にして大改造をするなり、あるいはそこに新築するなりすれば、いま日本で一番むずかしい問題となっておる土地の入手ということの心配がございません。これはやはり第一にいいことだろうと私は思うのであります。  それからその次には、先ほども申し上げましたように、こっちは貸す資金というものは七割で済むわけであります。あとは局長のほうの努力に待つわけでありますから、したがって十割こちらが負担せねばならないというものに比べれば、七割だけでいいということになれば、同じワクの金でもってより多くの局の改修ができるというふうに、いろいろいいことはたくさんございますから、どうかひとつ御了承いただきたいと思います。
  56. 栗原俊夫

    栗原委員 いまの大臣答弁の中で私は重大な問題があるように思うのですよ。局長が、家主として地主として局長として、もしおれのところへ金を貸して、おれのところで新局舎というか、改修局舎をやらせなければ、土地は貸さないぞという圧力があるのですか。そう感じますね。この点どうなんですか。
  57. 古池信三

    古池国務大臣 そういう圧力が現実にあったということは私聞いておりませんけれども、しかし普通の常識から考えましても、土地は自分のものである、それを国が貸してくれといっても、自分の都合で貸したくなければ貸さないということは、これは当然のことだと存じます。
  58. 栗原俊夫

    栗原委員 そういういまの答弁の中から、こちらでもって現に幾つかやっておるけれども、郵政のほうで自分で大改修をやって漸次買収の方向へ進むとすると、そういうことではどうもこの土地を貸しておくわけにはいかぬというような、地主としての局長の意向があるように受け取れるのですがね。そういうことがもしあるならば、これはまたそういう立場で大きな問題として取り上げなきゃならぬけれども、こういうところはそういう心配があるからこうやらざるを得ぬのか、そういうことは全然ないけれどもというのか、この辺をひとつ明らかにしていただきたい。
  59. 古池信三

    古池国務大臣 一々局の改築の場合にさような考えで局長に当たったわけではございませんから、具体的にそういう圧力をかけたとかかけぬとかいう問題は私存じませんが、まず普通一般の常識からいいまして、地主として自分が貸すか貸さぬかということはもちろん自由意思でありますから、そういうときに貸さないとなれば省としては非常に困るわけです。実はいま相当安い地代で借りておるわけでございまして、そういう点もひとつ御承知いただきたいと思います。
  60. 栗原俊夫

    栗原委員 時間もだいぶ経過しましたから、このことはまたいずれゆっくりといろいろ論議する機会があると思いますが、とにかく現に郵政のほうで金を借りて郵政自身がやっているものもあると、こういうのですから、そういう制度が全然ないと言うんなら別として、そういうワクがあるのに、しかも貸す金が七割で済むからというのが、いま大臣の言うただ一つの理由のようですが、しかしそれは表の理由で、実は特定局長と称する人たちにあばれまくられてどうにもしようがない、働く人たちよりは、特定局長のほうが少しうるさい、こういう力関係というか、省のほうの取り上げ方のような気がしてなりません。いずれこれはもっと掘り下げる機会を得たいと思います。  次に、昨年有線放送電話が公社電話と接続される法律ができて、ことしの一月から実施されておるようでありますが、あの法律ができたのを契機にして、と言っては言い過ぎかもしれませんが、その後市町村の合併にも伴って非常に膨大な有線放送の組織があちらこちらにできてきております。その開設する過程において、前通常国会でも非常に論議になったわけですが、公社の電話が千分の十七以上あるところは云々という監理官通達がいろいろと支障になっておるということで、この千分の十七という問題については、これは具体的な現地の実情に応じて運用する、こういうようなことで、これをはずせとか、いろいろ施設者側からは要求があったのです。前回には一応幕を閉じておるわけですけれども、その後の新しい有線放送施設を認可するときに、この千分の十七というものはどのような取り扱いを受けてきておるか。これは特に担当なさっておられるほうの側からひとつお話を承って、最後に大臣に確認を願いたいと思います。
  61. 畠山一郎

    ○畠山(一)政府委員 お答え申し上げます。千分の十七という数字自体につきましては、有線放送電話の基本的な問題でもございますので、目下公社電話の農山漁村対策とも関連させまして検討中でございます。ただ、いま御指摘のございましたようないろいろな問題もございますので、例外的措置と申しますか救済措置といたしまして、有線放送施設の既存のものの統合とか、あるいは共同設置の場合にはそのまま認めるとか、あるいは一部狭小な地域が除外されます場合には、そのまま業務区域として認めるとか、そういった弾力的な措置を講ずることにいたしました。
  62. 栗原俊夫

    栗原委員 千分の十七というのは右線放送の基本的な問題だということは、やはり公社との関係において基本的な問題だという認識なんですか。
  63. 畠山一郎

    ○畠山(一)政府委員 結局は御指摘のとおりでございますが、有線放送電話に関する法律の四条の一号に、有線放送電話は相互の電話による連絡が不便なところに限り認めることになっております。電話による連絡が不便と申しますのは、結局公社電話による連絡が不便ということでございますので、公社電話の普及率なり、普及計画なり、そういったものと関連させて考えなければならないものと考えております。
  64. 栗原俊夫

    栗原委員 電話がついていなければ電話の不便ということもありましょうが、申し込んで積滞しているものは、一体これは不便なんですか、便利なんですか。これはどうなんですか。
  65. 畠山一郎

    ○畠山(一)政府委員 さしあたりは電話がつかないわけでございますから、不便ということも申せましょうけれども、やはりしばらくの間と申しますか、長い目で見た上で公社電話の普及対策と関連させて考えたいと思って措置してきたわけであります。
  66. 栗原俊夫

    栗原委員 これは文化の進展とともに電話をほしいと一般がみな思っておる。ところが、公社の電話を申し込んでもいつになってもつけてくれぬ。有線ができる。有線はやってはならぬ。一体ここの人たちはどうしたらいいのです。ひとつ明快なる方向を示してもらいたい。公社のほうでは申し込んでも電話はつかぬ。無線のほうではやるという。それに入りたいけれども、入ってはいけない。一体これはどうしたらいいのです。
  67. 畠山一郎

    ○畠山(一)政府委員 やはり公社が全体の電話を普及させる責務を持っておりますので、そのほうを主として伸ばすように努力いたしたいと考えております。
  68. 栗原俊夫

    栗原委員 いま自動化が非常に進んでおりますが、すでにできた人たちは自動化によって非常に便利です。自動化もただできるわけじゃない。片方には積滞がたくさんある。どっちを先にすべきなんですか。自動化をやって、自動化に金がかかるというなら、有線放送にやらしたらいいじゃないですか。この辺はどうなんです。自動化のほうには金をやる。だから申し込んでもそっちの電話はまだ引けない。自動化は電話が通じているのだからしばらくごしんぼう願いたい。まず積滞を解消するほうに金を使う、こういくのか、一体大臣、この点なかなか問題なんですよ。それは引いてもらっている人は、自動化されたり、どんどん便利な方向になっていくことはけっこうですけれども、その陰に、申し込んでも予算がないからまだまだというようなこと、それなら有線放送、それはだめ、こういう立場に追い込まれている。一体こういう関係はどうやったらいいのですか。
  69. 畠山一郎

    ○畠山(一)政府委員 自動化と積滞の解消ということのお話でございますが、積滞を解消するためにはどんどん電話をふやさなければなりませんが、そのためにはどうしても自動化が必要だということになろうかと思います。
  70. 栗原俊夫

    栗原委員 私もしろうとでよくわかりませんが、そう言われるとそういう考え方もあるのかなと思うけれども、予算関係じゃないですかね。自動化がただでできるならそういう議論はわかるけれども、自動化するのに膨大な予算が要るでしょう。一方では金がないからというので引くのに公債まで買わせて金を集めながらやっているわけです。もちろん自動化することによって、交換等も便利になるから、そのことで新加入の道も開けるだろうと思うけれども、やはり積滞がたくさんあるということは、予算関係で積滞を解消するほうの新加入の新工事ができないというところに最大の原因があるのじゃないでしょうか、どうなんでしょうか。
  71. 畠山一郎

    ○畠山(一)政府委員 先ほど申し上げましたとおり、積滞を解消するためにはやはり自動化が必要だと考えております。
  72. 栗原俊夫

    栗原委員 大臣にお尋ねします。いろいろ私がしろうとだものだから無鉄砲な質問もしているわけですけれども、有線放送をこれから新規にやっていくというところで、千分の十七という普及のあるところは有線放送の地域には入れない、こういう次官通達があり、これが障害になって非常に困っておる。こういうことなんですが、前回これはたいへん議論になって、千分の十七という次官通達があるけれども、実際の運用にあたっては実情に即してこれを運用しようということで、一応幕を閉じているわけですが、さて第一線に行くと、あたかも通信界の憲法のごとく、千分の十七というものが実際はがんとして公式になっているのです。こういう点は大臣として、通信手段としての有線、この電話の手段は、公社のものでもなければまた有線放送のものでもないと思うのです。やはりこれは利用する末端のほんとうに利用家のものでなければならぬと思うのですが、公社のほうの関係が、千分の十七もいっておるところは、今後もたくさん引ける条件だから有線放送がいけないのか、千分の十七あるところは有線放送の区域からはずさなければならぬという基本的なものの考え方はどこにあるのですか、お考えを述べていただきたいのです。
  73. 古池信三

    古池国務大臣 ただいまのお尋ねあるいは御意見、私非常にごもっともだと思います。そこでこの千分の十七についての答弁も事実非常にむずかしいのです。しかし、やはり大局から言えば、公衆電気通信というものは、あくまでも日本電信電話公社一本によって極力架設をしていって積滞数というようなもののないようにしていく。そのために最大の努力をしていくということがやはり原則であろうと思います。しかしながら、一方においては、有線放送電話というものが最近急速に躍進的に発展してまいりました。そこで有線電話を利用なさっている方としては、早く公衆電気通信の公社の線に接続して、そしてより一そう便利になりたいというそういう御希望まことにごもっともだと思います。私どもとしましては、そうかといって、あまりこれを野放しに両者を混淆してしまうと、将来また困ることもできるかもしれないというので、一応千分の十七という基準がきめられておると思いますが、現実に即しましてできるだけこれを緩和して、そうして極力地元の皆さま方の御要望をかなえると同時に、大きな面での電気通信というものの混乱を避けるようにしていきたい、こういうことを考えておりますので、今後は極力具体的な問題としてこの条件は緩和をして、なるべく有線放送電話の加入者の方の御便宜をはかってまいりたい、こう思っております。
  74. 栗原俊夫

    栗原委員 私はしろうとなりに一つの考え方を持っているのですが、たまたま有線放送の公社接続が全国接続でなく、同一県内一接続あるいは接続局内の二段階になっておるようです。特殊な場合は特例があるらしいですけれども、少なくもきわめてローカルな通話手段ですね。そういう意味から言うと、ほんとうに遠距離電話の必要な人は、有線があるから入らないということはないのです。ちゃんとこれは公社に入りますよ。このことは千分の十七を撤廃しても決して問題にならないと私は思う。有線に入ってしまったからといって公社はとらないはずはないですよ。なぜかならば、ローカルに制約してあるから、長距離の必要な電話需要者というものは、有線へ入っても必ず公社をとらざるを得ない。そういう形でやっていけば、ローカルのものだけで済む人はあるいは有線だけで済む。そうなると、ローカルだけの人は公社を申し込んでこない。こなくてもいいと思うのだ。これは公社の総裁もいて渋い顔をするかもしれないが、そんな心配はない。いまちょうど国鉄が遠距離輸送の中心になって、ローカルを犠牲にして長距離輸送のスピードアップをやっておりますが、公社はそういう立場に立って、ほんとうに長距離の必要な人にスピードアップするサービスをやる、ローカルはローカルでやる、こういうシステムが考えられる時期が来たんじゃないかと私は思うのですよ。そうなれば積滞なんかは解消もしますし、有線だけで間に合う人は有線でいいわけで、ならぬ人は公社に入ってくる、こういうことになれば、これはここにきれいに分離もできますし、そういう形の制度的な問題が——これはまことにしろうとの考えですから、どこかの角度から見ればまるでなっておらぬかもしれぬが、そんなぐあいに考えるのですが、こういう全くのしろうと案に対して、大臣のお考えはどうですか。
  75. 古池信三

    古池国務大臣 ただいまの御意見、一面非常にごもっともな点もあると思います。なるほど有線電話に加入される方は、長距離の通話をなさる方は少ないだろうと思います。したがって、いまのような御意見もごもっともだと思いますが、なるべくこの間の混乱を避けたいというような点もございますし、将来こういう問題は根本的には考えてみなくてはならぬと思いますが、とりあえずの問題としては、先ほど御引用になりました通達あるいは基準というものを修正して、できるだけ実情に沿うような手段を講じていきたい、こう考えておりますから、今日のところはその程度で御了承願いたいと思います。
  76. 栗原俊夫

    栗原委員 その千分の十七というものは、ここで議論していればたいしたことないのですが、第一線に行くと、実際、申請書をつくるときに弱るのですよ、ここだけはだめだよ、こういうことになってしまうのですから。ところが、地域社会に住んでいれば、隣まで来てうちはだめだ、こういうことでは全く弱るのですな。そういうところではどういうことかといえば、公社の電話の売買もありません。申し込んでも引けません。有線放送が施設されようとするというところは、こういうような地方の都市ですよ。こういうところは施設のほうの側でも、大都市を除いて地方の中小都市は特にその制約を取ってくれということを強く望んでおります。それは公社と競争しようとかなんとかいうんではなくて、実際の第一線の需要者の要求に基づいた声なんですよ。この声は単に選挙で出てきた代議士がわあわあと委員会で言うんじゃなくて、ほんとうに需要に基づいた声として、大臣聞いてもらいたいと思うんです。こういう点は、この前も実情に応じて運用する、こういうことになっているんですが、実情に応じてと言われても、それは政治判断だからなかなかたいへんだ。これはそれぞれ監理局長あたりが頭を悩ますところですね。それでは十八が運用なのか、二十が運用なのか、二十五が運用なのか、こういうことになって、そういう判断がむずかしいから、まあ数字が出ておるから十七でぴちっと切れ、こういうことになってしまうんですよ。私らは実際においていろいろ地元の要求で、まあそこら辺はというようなことで言うけれども、そういうことを代議士の先生が言うならば、もっと国会ではっきりしてくれ、実際こうやられるわけです。技術を担当しておる人としては無理からぬことで、こちらは十八でやってこちらは十七でやる、そんなばかなことがあるかという議論になりますから、ここらはいま少し実務の人もびっしりできるような、そして需要する人たちも、これならわかったと言えるような方向を何としてでも一これだけ有線放送というものがほんとうに要求されて出てきている現時点では、何とかはっきりしてやらなければいかぬと思うのですが、いかがでしょう。特にそのほうを担当している監理官のほうはどうですか。あまり検討中とか何とかいうんじゃなく、いま少しほんとうに需要家の声を聞いて、大臣こうですよとずばりとやってくださいよ。
  77. 畠山一郎

    ○畠山(一)政府委員 お答え申し上げます。現地のそういった要望というようなものは十分に聞いております。それで千分の十七というような数字は修正いたしませんけれども、ここまでついて、もう少しのところがつかないというところがいままでございましたけれども、そういうようなところは救済するような措置を最近講じました。それで大部分と申しますか、相当の部分は救済できるのではないかと考えております。
  78. 栗原俊夫

    栗原委員 その千分の十七なんという数字が一ぺん出たものだから、よけいにこれが問題になっているわけなんだけれども、私は逆に言って、一カ年間ないしは二カ年間に、少なくともその時点の積滞が、あとからあとから要求が出てくるから、積滞というものの内容は流動してきますけれども、数はだんだん減るとかいろいろになってくる。しかし、その時点において、少なくとも一年ないし二年で解消できる見込みのないところは、これは有線へ入ってもいい、このくらいのことはやらなければ政治ではないですよ。どうですか大臣
  79. 古池信三

    古池国務大臣 私も皆さまと同じようにやはり選挙で出てきておりますので、私の選挙区からも有力な人が来て、いまのお説のような意見も述べられ、またそういうふうな陳情も再々受けております。私も慎重にいろいろ検討し、また技術の担当者とも打ち合わせをしておるのでありまするが、いまのところは、千分の十七というものはそのままに置きまして、その他の方面においていろいろな緩和措置を講じ、特例を設けまして、実際には不便をなさる方が非常に少なくなるようにというので、いま実際措置を講じて、そういう通達電波局長にあててもう出したかと思いまするけれども、そんな段階になっておりまするから、その経過はもうしばらくごらんくださいまして、またその上で私も根本的な措置を考えてみたいと存じております。
  80. 栗原俊夫

    栗原委員 お気持ちはよくわかりますが、それでは千分の十七が次官、監理官通達なんというややこしいもので出ているから、全くわれわれのほうにも手が届くような届かぬようなところなんで、もし千分の十七がほんとうに必要なら法律案として出しなさい。ここでどういう答えが出るか、全会一致で通るか、そんなものはぶっつぶされるか、はっきり答えが出ますことで、監理官通達なんというややこしいものを出して、そして監理局長をしばったりなんかしている。これはずるいですよ。千分の十七がそれほど必要なら、法律案で出しなさい。これはどうですか。
  81. 古池信三

    古池国務大臣 ただいまのお説はまことにごもっともなことだと存じますが、私は、法律に出すまでもなく、この問題は行政上の措置として、できるだけ早い機会に御満足のいくようなふうにしてまいりたい、こういう考えでおりまするから、その点はどうか御了承いただきたいと存じます。
  82. 栗原俊夫

    栗原委員 時間もございませんし、まだお聞きしたいこともたくさんありますが、次の機会に譲ることにいたしまして、ぜひひとつ大臣にも善処を御努力願うこととして質問を終わります。
  83. 森本靖

    森本委員 そうすると千分の十七という基準は、一応いままでどおり基準として出してあるけれども、積滞数あるいはその他の条件、あるいは地理的な条件、そういうものを加味して、これが臨機応変な措置を各電波監理局においてはとってよろしいということを通達してある、こういうことですね。
  84. 畠山一郎

    ○畠山(一)政府委員 お答え申し上げます。今度出しました通達は、まず第一は、統合あるいは共同設置の場合に、従前の業務区域をそのまま認めるというのが第一でございます。第二はいわゆる除外区域の問題でございますが、除外区域の救済を弾力的に認める、この二つでございます。
  85. 森本靖

    森本委員 だから、除外区域問題と、それからこの千分の十七の問題についても一応臨機応変の措置をとるというような意味の大臣答弁があったから聞いているわけであります。行政指導としては、この千分の十七ということについてはワクをはめてあるけれども、今後相当弾力性のある措置を各電波監理局においてとり得る、こういうことですね。これは大事なことですから……。
  86. 古池信三

    古池国務大臣 ただ一口に臨機応変といいましてもなかなかわかりにくいと思いますが、やはりそれに対する例外的な特別措置として、こういうような場合は必ずしも千分の十七にこだわらない、そういうふうなことを措置するような通達を出したわけでございます。
  87. 森本靖

    森本委員 いまの監理官の話ではそういうことじゃないわけであって、だから千分の十七については、先ほど栗原委員質問をしたように、そこは相当申し込んでおるけれども電話がほとんどつかない。確かに千分の十七の電話が現実にあるけれども、それ以上についてはなかなか積滞数があってつかないというのが一つの特殊事情になってくるわけであります。そういうところについて、あるいはその他のいろいろな条件の変化によってできた場合には、その千分の十七というものは、一応基準として出してあるけれども、それを各電波監理局において臨機応変に処置してよいと解釈していいのかどうかということであります。
  88. 畠山一郎

    ○畠山(一)政府委員 そういうことではございませんで、先ほど申し上げましたように、統合、共同設置の場合と除外区域が生ずるような場合と、この二点でございます。
  89. 森本靖

    森本委員 だから、先ほどの大臣答弁と違うじゃないか。速記録をはっきり見たらいいと思うのだ。大臣は先ほど、やはりある程度千分の十七についても弾力性を持たすということはあり得る、そういうことについてはやるということを言っているわけであって、あなたの場合には、統廃合あるいは除外区域の問題と二つに限定しているわけだ。たまたまいま栗原委員質問をしたように、実際に千分の十七の電話があるけれども、しかし現実に申し込みがあと五十も三十もあっても、それがそこの電話局の事情によって直ちに積滞数が解消するわけにはまいらない。それが二年後、三年後でなければ、要するにその電話局の建築ができないからそこはできない。積滞が解消しない。そういう場合には臨機応変の措置をとらなければとり得る方法がないじゃないか。それを一年後、二年後に電話局ができ上がるまで待ってくれというのは、これは酷であります。だから、そういう点については臨機応変の措置をとり得るかどうかということを先ほど質問をしたら、それはとり得ます、こういう大臣答弁だったから、これは非常に大事なことでありますから私が確認をしたわけであります。それをまた監理官のいまの答弁では、それはできない、こういうことになってくるわけです。だから、その辺は非常に大事なことになってまいりますので重ねて——いま栗原委員が言ったようなことはもっともな話であります。確かに基準では千分の十七ときめてあっても、それは千分の十七の電話はあっても、それ以外に積滞の申し込みがあってそうしてそれが電話局の事情によってあと二年しなければ電話局の新設ができないから、その積滞は解消しない、あるいは特定郵便局の場合であれば、局舎ができなければ交換台ができないといった特殊な事情があると思う。そういう場合には、その千分の十七というものを臨機応変に上下する場合があり得るということであるとするならば、一応その点については支障ができるけれども、それも一切いかぬというのがいまの監理官の考え方でありますので、そうなると、先ほどの大臣答弁と考えてみるとおかしいわけであります。これは全国に非常にそういう例がある大事な問題でありますので、重ねて聞いておきますが、私は、そういう場合には、千分の十七についても臨機応変の措置をとる有力な一つの理由になると思う。だから、そういう点については臨機応変の措置をとるということをはっきりと大臣に言っておいてもらえればそれでいいわけです。
  90. 古池信三

    古池国務大臣 先ほど私は臨機応変ということばは申していないのです。ただ千分の十七という基準は残すけれども、できるだけこれを弾力的に運用し得るような方法を講じます。そのために通達を地方の局長のほうにも出した。しかし、その弾力的というにしましても、やはり行政をやる以上は、何にも基準もなく、ただそのときそのときの出まかせでやるというわけにはまいりませんので、こういうふうな基準によって弾力的にやりなさい、こういう通達を出したわけでございますから、さよう御了承願います。
  91. 森本靖

    森本委員 その通達が、いま言ったように二つしかはっきりしていないわけであります。言っておるのはもっともな意見ですよ。千分の十七というものの電話はあるけれども、そこに二十なり三十なり積滞の申し込みがある。ところがその積滞の申し込みは、電話局の事情、郵便局の事情によってあと二年しなければ積滞は解消しない、こういうときには、その有線放送電話をつけさしてもらいたいという場合には、当然私は臨機応変の措置をとってよろしいと思う。ただしそれが一つの地域電話として発達し、公社が長距離電話のみになるということについては、これはまた別途の問題で、そういう問題はそういう問題として、意見意見としてわが党にもあるわけでありますが、その問題でなしに、いま言ったように、千分の十七の基準に達するところの電話は確かにある。しかし積滞数がそれ以上にあって、それの解消が二年後でなければならぬというところについては、やはりそれは一応緩和するということははっきりやっていいことじゃないか、またやらなければならぬ問題じゃないか、こう私は思うわけです。だから、通達でなくとも、そういうことは私はやるべきだ、こう思うのです。
  92. 畠山一郎

    ○畠山(一)政府委員 ただいま申し上げましたのは、最近出しました新しい通達の内容を御説明申し上げたわけでございます。弾力性を持たせます規定は従来からの認定基準にもございます。その認定基準の運用のしかたの問題でございますが、私の申し上げましたのは、これは今回は新しくは触れていないという意味でございます。先生のおっしゃいましたようなものをどうするかということは、よほどはいままでの認定基準でできることになると思いますけれども、実際にはやっておりません。それでこれから考えさしていただきたいと思います。
  93. 森本靖

    森本委員 いまから考えるといっても、千分の十七の問題を論議したときに、法律を改正するときに、あなたのほうは、そういう点についても十分に検討あるいは善処しますという答弁をしておるわけでありますから、具体的にいま言ったような問題になった場合には臨機応変の措置郵政当局としてはとってもいいじゃないか。そんなに過度にこだわっておった場合には、先ほど言ったように、それじゃ地域は有線放送電話でやれ、長距離は公社の電話でやれというふうな意見も出てくる。だから電気通信事業の全般の体系の問題は別として、当面そういういなかのほうの積滞についてはやはり解消してやらなければならぬ。公社も一生懸命やっておるけれども、あと二年もしなければ絶対に建たないというところもあるわけであります。そういう場合に、有線放送電話がここにあるから、それに入れてくれといった場合には、それが基準に達しないからだめだということになると、かえって電気通信事業の一元化というものをあなたのほうが肩をすぼめて低くしておるようなかっこうになる。だから将来の電気通信事業というあり方から見ても、いまのような問題の場合には、応急措置として、その千分の十七というものの基準は一応弾力性を持たしてやるべきである。そういう行政指呼をやるべきである。これは考えなくともやれるわけでありますから、その点は大臣が、弾力性を持たしてやります、こう言えば、それでいいわけです。簡単なことです。
  94. 古池信三

    古池国務大臣 先ほど監理官から御説明申し上げましたように、先般出しました通達には、さようなことははっきり述べてはおりませんけれども、ただいまの点はまことにごもっともな点があると私も考えますので、できるだけ早く検討を加えまして、またさらに通達を出すというようなことも考えてみたいと思います。
  95. 加藤常太郎

    加藤委員長 次に安宅常彦君。
  96. 安宅常彦

    安宅委員 この前の委員会で沖繩のテレビの問題が話に出ておったのでありますが、その論議の中で、どうしてももう少し当局に意向を聞いておきたい、そしてさらに質問をしたい、こう考えておるものですから、これは監理官でもいいのですが、沖繩における現在のテレビの状況、まずそれをちょっと説明していただきたい。
  97. 宮川岸雄

    宮川政府委員 沖繩には民放が二つございます。経理状態必ずしもよくないとは聞いておりますが、二つやっております。
  98. 安宅常彦

    安宅委員 それではこの二つのテレビの局は、現実にこちらの民間放送なりそういうところからビデオなりフイルムなりを買っていって、そして向こうで電波を発射しておる、こういう形式をとっておるのだと思いますが、そのとおりですか。
  99. 宮川岸雄

    宮川政府委員 もちろん沖繩現地におきまして自社で製作しているものもあるかと思いますが、内地のテレビ会社と連携いたしまして、こちらでつくりました番組をテープにとりまして、それを向こうへ送っているということはあると思います。
  100. 安宅常彦

    安宅委員 そういう状態では、どうしても沖繩の人々が日本からの援助によってもっとりっぱなテレビを見たいというので、経理府か何か考え出して、この前そういう資材を提供することになったんだと思うのでありますが、この資材を積み出すときに、おそらくアメリカの本国かあるいは琉球の民政府から何か勧告かあるいは示唆があったのか知りませんが、機材の積み出しが一時中止になったいきさつがあったと思います。去年の九月ごろだと思いますけれども、そういう事実はありませんでしたか。
  101. 平山温

    ○平山説明員 お答え申し上げます。日本と沖繩のマイクロの中継線の工事は、政府の委託を受けて電電公社が実施したのでございますが、その過程におきまして、機材をこちらから向こうに積み出す場合に、一時ストップされた事実はございました。
  102. 安宅常彦

    安宅委員 それはどういういきさつでそういうことになったのか、説明をしていただきたいと思います。
  103. 平山温

    ○平山説明員 直接には私のほうでははっきりした事情はわからないのでございますが、私のほうは日本政府から委託を受けて工事をやっておったわけでございますが、それと並行しまして日本政府と琉球側のほうにいろいな折衝の問題があったように聞いております。その関係で、一時こちらの積み出しに対して向こう側から了承が得られなかったように聞いております。
  104. 安宅常彦

    安宅委員 そうすると、電電公社が日本政府からの委託を受けて工事をやる、そういう工事を請け負って工事をやっておる電電公社が、その機材の積み出しが拒否されたのはどういう理由だかわからない、こういうことがあっていいでしょうか。わからないとは言わせないのでありますが、あなたは非常にその辺ことばを濁しておりますが、はっきりしてもらいたいと思います。
  105. 平山温

    ○平山説明員 私が申し上げまするのは、先方の事情は、私どもといたしましては、日本政府を通してしか伺っておりませんから、直接の事情ははっきり私から申し上げられません。
  106. 安宅常彦

    安宅委員 そうすると、はっきりしておるのは、日本政府つまり総理府だということになりますか、それはどうですか。
  107. 平山温

    ○平山説明員 さようでございます。
  108. 安宅常彦

    安宅委員 そうすると、あの法律は、七千万円でしたかの相当の機材を向こうに贈与するという話だったと思いますが、工事をやる場合には、贈与する機械の価格だけではなくて、工事をする場合にも電電公社が幾らかかるかわからないでやったのでしょうか、あるいはどれくらいの工事の経費がかかるかということをちゃんと見積もって、そうしてあなたのほうでは工事を進めたのでしょうか、どちらでしょうか。
  109. 平山温

    ○平山説明員 工事を委託いたします場合には、その仕事の内容及びこれに必要な経費、かようなものについては  一切が明確に規定されておりまして、政府と私どものほうとの間でその点ははっきりわかっております。
  110. 安宅常彦

    安宅委員 そうすると、機材の積み出しを拒否されたり何かされれば、工事期限がおくれたり、いろいろな障害が起きたり、その場合に電電公社が幾ら損するとか、いろいろそういう問題が起きなかったのでしょうか。
  111. 平山温

    ○平山説明員 その積み出しが途中で一時でございますがストップするということは、契約の当初においては予定してなかったことでございますけれども、その期間も必ずしもそう長いことでございませんでしたことと、それからこういった工事の委託をする場合の性質といたしまして、当初予想できるものと、できないでそのときになってみなければわからないものがたくさんございますが、全体の契約の額を変更しなければならぬほど大きな支障はございませんでした。
  112. 安宅常彦

    安宅委員 あなたがおっしゃることは結果的にはそうなるわけですね。しかしそういう場合に、なぜこうなったのか、それではたいへんだ、こっちは損するじゃないかとか、たとえばあなたが通信機のメーカーの社長だったら、なぜそんなになったのだということを調べないで、そうしてこれは日本の政府でやったのだからおれは知らないなんと言ったら、あなたの企業はつぶれてしまう。そんなばかな話はないんで、もしそうだったら——委員長、これは総理府のどこの係がどういう折衝をやったのか聞かないとわからないので、私はこの質問に対して明確な答弁が得られないとするならば、以下ずっと質問しようとすることが全部だめになりますから、わかる人がいたら出して下さい。
  113. 平山温

    ○平山説明員 いまのお尋ねのこと、直接ではございませんが、先ほどの私の答弁にちょっと補足させていただきますけれども、向こうへの機材の積み出しがストップされましたので、私どもといたしましては、政府を通しましてできるだけ早くこれが予定どおり積み出すことができるように政府にお願いいたしまして、間もなくそれが解除になりましたということを補足いたします。
  114. 安宅常彦

    安宅委員 私はそういう経過を聞いているのじゃない。理由を聞いているのだ。だから理由のわかる人を呼んできてもらわなければ、ぼくはあと質問ができないじゃないか。
  115. 森本靖

    森本委員 関連して。それは郵政省答弁ができるはずであります。なぜかというならば、そういう場合に電電公社の監督権郵政省が持っておるわけでありますから、そういう場合には郵政省に電電公社から話をして、さらに郵政省から総理府に話をして、そういうほうから向こうの民政府に話をするというのが外交ルートであります。だから、郵政省としてはその詳細な全貌を承知しておらなくてはならぬはずであります。だから、郵政省がわからぬということはないはずであります。
  116. 吉灘中

    吉灘説明員 お答えいたします。私、当時文書課長をやっておりましたので、この間の経緯について承知しておりますのでお答えいたすわけでございますが、日本と沖繩政府との間におきまして、この資材の提供、その後の保守建設についての協定が当時まだできておりませんでした。一方資材は船積みする準備ができておったわけであります。したがいまして、何とかこれをスムーズに送らなければいかぬ、協定前でもひとつ送るようにということで、われわれは外交ルートを通じまして、ということは総理府及び外務省を通じまして、これに交渉をやったわけでございますが、協定未済ということで若干送り出しがおくれた、こういう事実でございます。
  117. 安宅常彦

    安宅委員 そうすると、協定はすぐ結ばれて、すぐ積み出しになったのか、協定は結ばれないまま外交交渉でまあいいだろうということになったのか、どっちですか。
  118. 吉灘中

    吉灘説明員 間もなく協定が結ばれまして、送り出されたというふうに記憶しております。
  119. 安宅常彦

    安宅委員 その積み出し拒否になったのはいつで、協定を結んだのはいつでありますか。その日にち……。
  120. 吉灘中

    吉灘説明員 いま正確な日にちは記憶しておりませんが、間もなく送り…されたと思っております。
  121. 安宅常彦

    安宅委員 これは工事計画にも支障がなかった、若干の時間でありましたから私らのほうではあまり気にかけなかったみたいな答弁があるから、何日ぐらい期間があったのかはっきりしなければ、論議が進められないです。はっきりして下さい。郵政省の当時の課長だの何だのでなくて、はっきりした答弁をして下さい。
  122. 畠山一郎

    ○畠山(一)政府委員 本日は資料を持ち合わせておりませんので、後刻御説明申し上げたいと思います。
  123. 安宅常彦

    安宅委員 それでは質問ができないじゃないですか。これは重要なんですよ。協定をすぐ結んだからすぐ積み出したなんてあなたは言い抜けをするが、ぼくのほうには伏線は一ぱいあるんだからね。そういううそを言って、そうして工事に支障はなかったなんて、おれをごまかそうったって、そうは問屋がおろさないですよ。そういううそを言っちゃ困る。だから、工事に支障があったのかなかったのかということを具体的に言わなければ、私の査問はできない。きょうは資料を持ち合わせてないなんて、こんな重要なことを、そんな言い抜けで——後刻というのはいつになるのですか。そんなことで質問を続けることはできない。
  124. 平山温

    ○平山説明員 私も的確な資料を持っておりませんので違っておるかもしれません。記憶としましては一月程度でなかったかと思います。
  125. 安宅常彦

    安宅委員 それではその点は次回にやることといたしまして、まるきり別な問題で電電公社に質問したいと思います。  いま公衆電気通信法の十二条の二によって、本実施にならないで試行の名のもとにやっておるものはどれくらいありますか。一々ずっと説明していただきたい。
  126. 千代健

    ○千代説明員 お答え申し上げます。資料を全部持っておりませんのでなにでございますが、現在やっております中では、ニュース・サービス、自営団地制度、それから準専用制度というのをやっております。まだあろうかと思うのですが……。
  127. 安宅常彦

    安宅委員 まだそのほかにたくさんありますよ。知らないのですか。高い月給をもらっていて何しているのですか。そんなばかな話ではないと思うのです。  それではその試行と言いながらやっておる中で、一番最初に始めてまだずっと続いている一番長い試行は何でございますか。いつごろから始めたか。本実施になったものは除きます。
  128. 千代健

    ○千代説明員 試行の中で一番古いのは新聞社によるニュース・サービスで、昭和三十二年の十月一日からでございます。
  129. 安宅常彦

    安宅委員 たとえば集線装置というのもこれは試行だと思いますが、これは何年からですか。
  130. 千代健

    ○千代説明員 集線装置は御案内のように法律に入っております。
  131. 安宅常彦

    安宅委員 そんなことはありません。試行ということでやっておるはずであります。
  132. 金光昭

    ○金光説明員 公衆電気通信法第二十六条第一項第一号の単独電話という定義がございます。そのカッコの中で「その交換設備に郵政省令で定めるところにより接続されるその従たる交換設備を含む。」というものが入りまして、これが集線装置のことを言っておるわけでございます。その改正は、昭和三十六年六月十七日に改正法律として施行されております。
  133. 安宅常彦

    安宅委員 そういうことはあったのでしょうが、現在試行という名のもとにあなたのほうでやっているということを労働組合等にもはっきり答えておるはずであります。法改正をやったあとでも、まだ試行という形で行なわれておるというので、おかしいなと思ってぼくは質問しておるのです。
  134. 金光昭

    ○金光説明員 これは法律改正が昭和三十六年にできておりまして、そういうことはないわけでございます。
  135. 安宅常彦

    安宅委員 絶対ありませんね。
  136. 金光昭

    ○金光説明員 そういうことはございません。
  137. 安宅常彦

    安宅委員 その点はまたあとで取り上げますが、集線装置について、三十六年の国会でしたかに改正したのですが、そうなりますと、私この問題の論議が本委員会で行なわれたことを知っておりますが、「その従たる交換設備を含む。」ということで、これを含めて局とみなして、そこから先が電話の回線であるから単独電話である、こういうことをあなたのほうでは主張し、法律上整理されたから問題はない、こういうふうにお考えになっているわけですね。
  138. 金光昭

    ○金光説明員 そのとおりでございます。
  139. 安宅常彦

    安宅委員 そうすると、たとえば集線装置の場合に、いろいろ前から何回線ぐらい入れてやろうかという話が転々としておるのですが、現在は十六回線かになっておると思うのですが、そういう交換局というのは理論上あるのですか。従局という定義ですよ。いまあなたは従局を含めてと言いましたから、そういう従局という定義は、いま電電公社の中で、あるいは公衆電気通信法の中であるのですか。
  140. 金光昭

    ○金光説明員 ただいま御説明いたしましたように、この法律を改正いたしまして、そういう集線装置を従たる交換設備というふうに見たわけであります。
  141. 安宅常彦

    安宅委員 そうすると、主たる交換局と直接つながっておる電話機も単独電話、それから従たる交換局を含めて、それを経由している電話も同じ単独電話、こういうふうに理解していいわけですか。
  142. 金光昭

    ○金光説明員 そのとおりでございまして、この集線装置は従局ではないのでございます。あくまでも従たる交換設備でございます。局の交換設備と一体となった交換設備でございます。
  143. 安宅常彦

    安宅委員 そうすると、いまのトラフィックの関係あたりから検討してみて、たとえば四人だったら四人の人が通話をしていれば、あとの十二人くらいは何ぼ回しても電話は通じない。普通の単独電話だったらそういうことはあり得ないのですが、そういうところで差別はつきますね。
  144. 平山温

    ○平山説明員 お答え申し上げます。この点につきましては、先般の法律改正の際にも同じようなお話があったかと思いますけれども、単独電話と申しましても、電話機から電話局の交換設備までは線が単独に結ばれておりますけれども、交換設備は、いま先生のおっしゃいましたように、トラフィックを勘定いたしまして設備しているわけでございます。したがいまして、その交換設備は、単独電話といえども、局内の交換設備がその使われ方によっては、百分の一とか二百分の一とかいう確率でつながらないということは、単独設備の場合においてもあるわけでございます。そこで、いまの集線装置の先につながれている電話機におきましても、その加入者がダイヤルしますときに、やはりそれと同じ程度の確率で話中の形になって電話が接続されない場合もございますけれども、これは一般の単独電話が電話局の交換機の中で起こるのと同じ程度、そういうふうに設計をしておりますので、利用される方から見た場合のサービスは、私どもといたしましては同程度ではなかろうかと考えておる次第であります。
  145. 安宅常彦

    安宅委員 そうすると、同程度であろうとあなたは想像しておるのですが、同程度でないという苦情が出て、年がら年じゅう、回しても話ができないじゃないか、おかしいじゃないか、おれのところの電話は何かおかしいものを使っておるのじゃないかということで苦情が出た場合には、その従たる交換施設から取り除くということもあり得るのですか。どうなんですか。
  146. 平山温

    ○平山説明員 私が先ほど申し上げましたことは、そういうことを基本設計としてやっておりますので、現実にそれと非常に違った実情がありまして、その集線装置をお使いになっている加入者が一般の単独電話の方と比べて非常に話中が多い、かかりにくいという実情があれば、電電公社といたしましては、これについてできるだけ救済の方法を考えなければならぬかと思います。その救済の方法といたしましては、たとえば先ほど先生が御指摘になりましたように、現在の集線装置は電話機側が十六回線、電話局側が四回線ということになっておりますが、私どもといたしましては、集線装置に加入者を接続する場合に、初めから十六回線を入れずに、もう少し内輪目に入れて、そして実際の様子を見てからさらに電話機をふやすというようなことをやっているはずでございます。そういうことで万全を期しているつもりでございますけれども、もし先生の御指摘のような事実がございますれば、また何かそれについては対策を考えなければならぬかと存じます。
  147. 安宅常彦

    安宅委員 そういう電話も単独電話、普通の交換局に直接つながるものも単独電話ということで、法律は改正したからかまわない。それで不便は忍んでもらっても、料金はあたりまえの料金を取りますなんていうのは少し虫がよ過ぎやしないですかね。どうなんです。そして、おたくさんの電話はこういう装置ですよということは加入者には全然知らせないのですね。そうなんでしょう。どうなんです。それでもいいか、それでもいいなら電話をつけてあげますと、あなたのほうが言って電話をつけておるのじゃなくて、知らぬ顔をしてつけているのでしょう。そこはどうなんです。
  148. 平山温

    ○平山説明員 まず前段のほうでございますが、特別にその集線装置につながれている加入者の方が一般の方よりも話中が多いというような状態については対策を考えなければならぬと先ほど申し上げましたが、この点は、たとえば電話局を設計いたします場合におきましても、もし電話局の交換機の中間の設備が不足いたします場合には、同じようなことが実はあったこともございます。これにつきましては、さっそく機械をふやしましてそういうことをすぐ解消いたしたわけでございますが、これは交換機の設計と実情とが見込みが違う場合にそういうことが起こるわけでございますから、そういうことがないようにしております。  それから第二の点で、これをつけるときに加入者に一々お断わりするかどうかということにつきましては、私、いまよく記憶しておりませんけれども、必ずしも御連絡申し上げてないのではないかと思います。
  149. 安宅常彦

    安宅委員 必ずしもだとか、うまいことを言っているけれども、あなたのほうでは労働組合にこれを提示した場合、ずっと前ですが、試行として提示した場合、労働組合からいろいろ問題が出て、団体交渉でいろいろ取りきめを行なっているのですよ。たとえば、公共性の問題でそういう差がつくのじゃないか、集線装置に収容する加入者には特別に周知しない、こういうことで、必ずしも周知しないのではないかと思いますなんて言っておりますけれども、実際は周知しない。前に私は一〇〇番のことをあなた方に質問したときがありますが、あなたも周知しない。都合の悪いものは全然大衆には周知しない。そうしてやっておることは労働組合との取りきめではっきりしておるのです。それから設備負担金その他全部同様に取り扱う。そのためにこれは周知しないということになったと思うのですが、現用回線に収容しておるものを試行の場合には切りかえる、そして加入者が苦情を言ってくればもとのケーブルに切りかえますということまで言って、試行を労働組合に認めさせた、そういういきさつがあるのです。その方針は今日でも変わってないと思いますが、どうなんですか。必ずしも断わっていないと思いますなんというのではなくて、今日でも、法律が改正になったとしてもそういう方針でやっておるのでしょう。周知をしないこと、それから現加入者を知らぬ顔をして切りかえること、それから苦情を言ってくればもとのケーブルに戻すこと、こういうことを基本にしてやっておるのですか。
  150. 金光昭

    ○金光説明員 私からお答えいたします。集線装置を使いました電話でも、これは単独電話でございますので、その点は別に集線装置によるということは周知をしておりません。  それから第二の点は、非常にトラフィックが多くて、その集線装置ではサービスに支障があるという場合においては別途の措置を講ずるということにしておるわけであります。
  151. 安宅常彦

    安宅委員 その場合に、あなたのほうでは積滞数がたくさんあって、解決しなければならないものがたくさんあり、東京都内なんかはもう三年も五年も待っておる人がおる、こういうときに、集線装置ではもうトラフィック上とてもやることはできないから、別なケーブルで単独にしてくださいと言われた場合に、すぐやれるような状態に——今日電電公社の電話の需要の状況というものはそういうあっさりやれるような状況にないから、こういう集線装置というものを考えたのだと思うのですが、あなた、そんな別な措置を講じますなんと言ったけれども、できますか。
  152. 金光昭

    ○金光説明員 お答えいたします。東京都内におきましても、各電話局におきまして、局の各種交換設備及び線路状況は、それぞれ個々でございます。そこで全般的に、現在まだ東京の電話の事情というものはそれほど緩和してないところもございますので、そういうところにつきましては、線路の増設まで一応そういう申し出がありましてもできないところもあるかと思います。
  153. 安宅常彦

    安宅委員 そういう人でもあたりまえの料金をいただくわけでありますか。
  154. 金光昭

    ○金光説明員 単独電話としての料金をちょうだいいたします。
  155. 安宅常彦

    安宅委員 そんなずるい話をしたのですか。どうですか、ずるいなと自分でも思いませんか。どうも困ったなあと思いませんか。それは法律できまったから当然取るのはあたりまえだ、こういう考えですか。
  156. 金光昭

    ○金光説明員 お答え申し上げます。現在単独電話をお持ちの方で、その電話が非常にふくそうしておりまして、さらに一本ほしいという方でも、現在線路の余裕がない場合等においてはやはりおつけできない、そういう場合もありますので、そういうところにつきましては局舎、交換設備及び線路設備をできるだけ増設いたしまして、そういう御要望に沿うようには努力いたしますが、期間的にはそういったような若干の御不便というものも出てくることもあるかと存じます。
  157. 安宅常彦

    安宅委員 私は、試行という問題を一つ取り上げておるのですが、そういうことが起きるということを電電公社はいろいろ知っておりながら、たとえばだれかからこうやってくれなどといわれる試行試行、うまい法律があるものですから、何でも試行する。それで本実施できないままに今度は別なことを考えたりする。たとえば自営の団地電話なんかは、試行してやってきておりながら本実施に移せない。今度移そうとしたときには、その条件よりもひどい条件でやらなければならない。しかも自営は許さないということまで考えていらっしゃるようですが、その内容についてちょっと説明していただけますか。
  158. 金光昭

    ○金光説明員 お尋ねの団地電話は、現在直営の団地電話制度といたしまして、郵政省のほうの試行サービスとしての認可を申請中でございます。一応の内容は、団地におきまして集団的な需要があります際には、その集団的な需要を全部満たし得るような交換設備を団地内に置きまして、それによってその御要望に応ずる、その場合の負担につきましては、一般加入電話と同じだ、ただしこれにつきましては、そういう団地内の全部の需要に応じますので、一般の電話と違いまして譲渡及び名義変更等につきましては制限を設けたい、そういう構想でいま郵政省のほうに認可申請中でございます。
  159. 安宅常彦

    安宅委員 そうしますと、いままで試行でやってきた自営の団地電話というものは、未来永劫試行でいくのでありますか。
  160. 金光昭

    ○金光説明員 ただいま申し落としましたが、直営団地電話制度を実施すると同時に、自営の団地電話の制度は廃止をいたしたいと思います。
  161. 安宅常彦

    安宅委員 そうしますと、自営の団地電話でやっておった人が、いままでの条件より著しく不利と申しますか、いやな思いをしなければならない、こういうことになると思いますが、どうですか。
  162. 金光昭

    ○金光説明員 ただいま私が申し上げましたのは、新しく団地電話を申し込む方は全部直営でやっていただく、現在すでにあるものは自営としての存続を許すということでございます。
  163. 安宅常彦

    安宅委員 だから未来永却試行でありますかと聞いておるのです。
  164. 金光昭

    ○金光説明員 その点は、当分の間試行ということで残っております。
  165. 安宅常彦

    安宅委員 おかしいじゃないか、当分の間なんて、これを制度化しなければ。今度これと違った制度ができたのに、それよりも不利だからいやだと言うにきまっておるのですよ、この人たちは。そうした場合に、そのまま制度化しないで当分の間いくのだったらずっと試行でしょうが、どうです。
  166. 金光昭

    ○金光説明員 ちょっと、いま私のことばが足りませんでしたが、経過措置として、現在あるものは認めるということでございます。  それから、ただいま安宅先生のお話しの非常にサービスに不均衡があるじゃないかというようなお話でございましたが、私らといたしましては、現在の自営団地と今回ただいまわれわれのほうで考えております直営の団地電話制度とでは、それほど負担において不均衡を来たさないようにというふうに考えております。
  167. 安宅常彦

    安宅委員 サービスとか、負担とか、いろいろことばがありますが、私が自営の団地電話に加わっておった、そうしたら今度直営にやってくれと言ったら、いやですと私は言いますよ。あなたのほうでは、それほど違わないようにします——それほどとか、可及的すみやかにとか、幾ぶんとか、日本語にはうまいことばがあるのだけれども、これは私は断固反対だと、おれだったら言うと思うのですよ、その場合には。経過措置として、というのですから、いつかは廃止しなければならないか制度化しなければならないか、二つの道を選ばなければならないと思うのですが、どういうことをやろうとしておるのですか。
  168. 金光昭

    ○金光説明員 経過措置と申しますのは、現在の自営団地が存続する限りにおいてはそれは存続するということでございます。
  169. 安宅常彦

    安宅委員 そうしたら、あなた、未来永劫じゃないですか、どうですか。私の質問のとおり何で答えられないか。存続する考えだったら、やめなければあなた、未来永劫じゃないですか。
  170. 金光昭

    ○金光説明員 現に自営でやっておりますものを、これを強制的にやめさせるという方法はないわけでございますので、この点につきましては、先方が自営団地を希望する限りにおいては、これは存続せざるを得ないと思います。
  171. 安宅常彦

    安宅委員 だから、それは試行という名のもとにおいてやるのですかと聞いておるのです。それしか手がないのじゃないですか。
  172. 金光昭

    ○金光説明員 ただいまのところは試行でございますが、将来公衆法改正の機会がございましたら、これを法律による経過措置というふうにする方法もあると存じます。
  173. 森本靖

    森本委員 いまの点は、そういういいかげんな答弁をしてもらったら困ると思う。あなたのほうは、いまの自営団地電話があまりよくないから、今度は直営の団地電話にしよう、こういう計画を立てておるわけであります。できれば、自営団地というものについては、それと同時に廃止をしたいというのが公社の方針であります。だから、それを未来永久に試行にするとか、あるいはその法律をもう一回改正して、現在の自営団地電話というものを正式に法制化したいというふうに考えておるかといえば、そうじゃないでしょう。だから、未来永久に試行にするかということを安宅君が言っておるわけであって、それじゃ逆に聞いて、いまの自営団地はどうも都合悪いから直営団地電話ということになってきている、そのどうも都合の悪い自営団地電話というものを、あなたのほうは近く法制化するという考えを持っておるのですか。いまの答弁では、法制化するという考え方を持っておるような答弁でありますから、それをはっきりしておかなければなりませんが、それは法制化するという考え方を持っておるのですか。
  174. 金光昭

    ○金光説明員 自営のものを法制化して、それを恒久的に存続するということでなしに、いまあるものはやむを得ず経過措置として存続させるというわけでございます。
  175. 森本靖

    森本委員 いまあるものはやむを得ず存続させるというと、法制化をするわけですか。
  176. 金光昭

    ○金光説明員 現在のところ、この自営団地制度というものは試行サービスとしてやっております。その試行サービスとしてやっているものを直ちに法律によって存続させるということはできないわけでございますので、いまのところは、試行サービスでやっております自営団地をそのまま経過措置として今後も存続するということになるわけでございます。
  177. 森本靖

    森本委員 だから、そういうことになれば、安宅君の言っておるのは、その自営団地電話をやめない限りは未来永久にその試行ということが続くか、そういう試行のあり方はないのだ。——大体この自営団地電話をつくるときに私は警告したはずなんです。こういうやり方は、おそらく将来間違いが起こるであろうということを当委員会を通じて警告した。しかしあなたは、だれにそそのかされたか知らぬけれども、ああいう電話をかってにつくってしまった、試行として。ところが実際やってみたら、当委員会で私が言ったように、不合理性が出てきたんじゃないか。そこで公社としてはこれをやめようと考えた。ところが、現在あるところの自営団地電話についてはどうにもできない。どうにもできないでそれはやはり試行としてやった以上は、今度新しくいわゆる公社直営の団地電話というものをつくる、こういうことになれば、その際に当然やはりその自営団地電話というものは一応廃止するなら廃止する、無理がいってもそういう方向をとらざるを得ないのではないですか、法制的にいえば。法律上からいえば、そういう措置をとらなければならぬでしょうが。法律上からいえば試行だったから、その試行したものがあやまちであった、だから今度は公社の直営のいわゆる団地電話にする、こういう方針をとるわけでありますから、当然そこに二年なり三年なりの経過措置をつけてそれが廃止をされて、なるべく直営の団地電話へ行くようにしてもらいたい。どうしてもいかぬ場合には、三年なら三年の期限を切ってやめるというのが——いい悪いは別ですよ、やることは。いい悪いは別として、法律上のやり方は、私が言うやり方になるわけでありましょう。
  178. 大橋八郎

    ○大橋説明員 私、先ほどから両方のお話を承っておりますが、大体金光理事の言っていることも、ただいま森本さんの言われたことと趣旨は同じように私は聞いておりました。私は、あなたのおっしゃるとおりの手続をとるべきだと思っております。金光君もそういう趣旨で申し上げておるように私は聞いておりました。
  179. 安宅常彦

    安宅委員 そんな、森本さんのほうにうまくやって——おれがほんとう質問をしているんだ。ごまかしては困るよ。森木さんが了承したって、ぼくは絶対了承しない。あなた方は、昭和三十三年に十二条の二というのをつけたんですが、そのときの議事録なんかを見ていると、まことにもってあなたのほうのやり方は強引なんだ。それに賛成した人もおるようでありますが、しかし、こういうことでやっていったら事実上——法制上の場合は、いま総裁森本さんの間にやりとりがありましたが、事実上それはやめるということができますか、総裁
  180. 大橋八郎

    ○大橋説明員 ただ、理屈一ぺんで申しますれば、試行でありますから、やはり試行としてはやめて一向差しつかえないと思いますけれども、しかしこれは、一方から考えると、ずいぶん無理な話であります。したがって、これを実際上の運行としては、おそらく今度新しくできる直営による団地電話の性能が試行の結果いいとなって、いよいよこれを本実施する場合には、その際に一緒に、従来の自営のものは何作かの期限を限ってこれをやめるという、おそらくそういう措置をとるだろうと思う。それは現在の有線放送の接続の場合と同じ方法でいくだろうと思います。
  181. 安宅常彦

    安宅委員 それで、私は申し上げるんですが、この試行というものは、あなたのほうでは職権を乱用するかのごとき乱発をしているのです。それで、試行をやっているのに、また同じやるのに試行だ。試行が二つあるんだ。それでもうおろおろしているんですよ、あなたのほうでは。そんな試行がありますか。同じ性能について試行を二つやるなんということは、どうも私は納得できませんが、それは好ましいことだと思いますか。
  182. 大橋八郎

    ○大橋説明員 必ずしも好ましいこととは思いませんけれども、緊急にこれをやってみて、早く実際にこれをやるためには、まず試みに少数のものについて試験的に行なうということもやむを得ない措置と考えて、今日やっておるわけであります。
  183. 安宅常彦

    安宅委員 それではさっき一番最初に言いましたニュース・サービスも、あれは二百円だかもらって昭和三十二年からやって、物価は上がっても、何が上がっても、まだ二百円でそれをそのまま、限定された通信社、新聞社、そういうところが専用できるような状態のままでずっとやっておりますが、そうすると、そういう仲間に入れない通信社やなんかは非常に——新聞だって、あなた、商売ですから、おれのところはニュース・サービスまでしているんだ、どうだと言われれば、それは小さい新聞なんかはがたがた言っちゃうんです。そういう専用、独占させておくという形で、少なくとも十年近く——大きすぎますかな。七年くらい試行のままにしておくというのは、これもおかしくありませんかね、どうですか。
  184. 千代健

    ○千代説明員 お説のとおり相当長期間にわたって試行しております。先ほど二百円云々ということは、中のオート装置のみについてでございまして、これは一般の加入電話と同じような方法で、新聞社からちょうだいしておるわけです。現にやっております数社のほかに、特別な希望は——東京においてはありませんけれども、大阪、名古屋等で希望が出ておりまして、それをどうやるか、局内の事情等現在のような事情で、最近まではほとんど応じられない事情であったわけでありますか、御存じのことしの秋のオリンピック東京大会、こういうことに関連いたしまして、いろいろな方面から幾らか話が出ております。これをいま私どものほうで内部で相談しておるところでございますが、できるだけそれまでに本実施に持っていきたい、こういう考え方でおるわけであります。
  185. 安宅常彦

    安宅委員 新聞、通信社に例をとりましたけれども、これは一般の単独電話などを引ける回線を利用して、その新聞社の専用にしておかなければならないものですね。だから、一般の大衆に対するサービスよりも、その六社か七社に七年間も回線を専用さして、安い料金で、そうしてその会社が非常に地位が高くなり、経済的にも有利になるような方法をやらせておくということは、公衆電気通信法の根本的な問題、日本電信電話公社法の根本的な方針に反するとは思いませんか。
  186. 千代健

    ○千代説明員 これは当初やりましたときからあとは、私の記憶に間違いなかりせば、東京においては希望は出ておらないと思います。それから、これは御案内のように日曜、祭日を除きますと、夜の七時から朝の九時まででございまして、電話の非常にすいておるときにやってもらう、こういう方法でございまして、これによって、やられている各社が経済上非常なフェーバーをとっておられるかどうかということは、いまのところは、私どもはそれまでには考えていません。なお、今後出る問題とあわせて、ほかの都市の設備等も考えて洗い直し、将来はこれを法律改正によって本実施に変えるべきものである。現在までのところは、東京の回線の余った、比較的余裕のあるところだけできたものでございますが、これが名古屋とか、大阪とか、広島、福岡、こういった方面に拡充することは、いままでは控えておったわけでございますが、どうも最近の状況では、そういった方面の要望が相当出てまいっておりますし、それに、大体皆さんのほうでオリンピック東京大会を契機にされるような様子でございますので、私のほうも現在内部的に研究はいたしております。
  187. 安宅常彦

    安宅委員 いままで七年たっているのです。そうして通信社や新聞社は、オリンピック東京大会を契機にして、そういうことを何とかやりたいという希望がある。そうすると、あなたのほうでは——比較的回線の余っている東京なんかでやったんだと言う。ところが、回線なんか東京は余っていないでしょう。それから今度は、そういう理屈を言うと、また何か答弁するかもしれませんが、それでは、第三次五カ年計画、第四次五カ年計画が済まなければ、地方におる小さな通信社や新聞社というものもそういうサービスがしたいという希望があっても、望みはかなえられないで、中央の大きな通信社だけがそういうものを将来にわたって——それ以外の人々は、少なくとも昭和四十五年まで待たなければならない。そういうことになりませんか、本実施した場合。本実施した場合は、限定されたある種の通信社だけに許可して、いなかの小さな新聞社なんかはこの際ごめんこうむるということで、差別をつけるつもりなんですか。それはどうなんですか。
  188. 千代健

    ○千代説明員 本実施いたします際も——現在も同様差別をつけておらないつもりでございますが、地方のローカル紙に多少の差別をつけるとか、そういった考えは毛頭持っておりません。
  189. 安宅常彦

    安宅委員 差別をつける考えは持っていないといったって、なるんじゃないか。おれは詳しく説明しておるのですよ。そうでしょう。いまだって、差別をつけているつもりはないと言ったけれども、希望があるのにその希望がかなえられないということは、それは通信社に対して差別をつけておるということです。回線を専用しているのですから、一般の加入者が電話をとりたいといって何回出しても——極端なことを言いますけれども、差別をつけていないとは言えない。そういう現在の状態を差別をつけておると思わぬと言う。ところがあるのです。私の考えから言えば、これは差別がはっきりしておる。そこへもってきて、いなかの小さな町や何かのところまでそういうサービスが提供される時期は、それでは本実施を待つのですか。オリンピックあたりが希望だから、そのころ本実施に移して法制化をしようとするのですか。そこのところを答えてください。
  190. 千代健

    ○千代説明員 いま差別をつけておらないと申しますのは、東京だけで試行しておって、他都市と差別があるのではないかという意味では差別がございます。他の都市もこういったものを拡充します際に、地方の小新聞社だからといって、結果的にそこの設備の自動化が行なわれないとか、いろいろな点で回線が入らないということで、具体的に地域的につかないという問題は、現在の電話の事情と同じでございまして、あるいはあるかもしれませんが、そういった点はできるだけ努力をしてやっていきたい。  なお今日、市外専用線についても同様でございますが、小新聞だから、地方紙だからといって、私ども一つもこういった点は差別をつけていないつもりでございます。
  191. 安宅常彦

    安宅委員 そうしますと、結局小新聞だから、地方紙だから差別をつけないという方針だったとすれば、あなたが幾ら努力をしても現在の電話建設の計画第四次が完了しなければ話にならぬ。総裁が計画を修正しない限り、あなたが何ぼ努力したって何にもならないじゃないですか。オリンピックのときまでに認可をすると言うのだったらこれは必ず差別がつきます。わあわあ地方紙からぜひやってくれと言ってきた場合に、その需要に応ずることができないということを認めますか。認めなければならないと思います。  それからもう一つ、そういう苦情がどんどん出てきて、これは本実施にならなければできないとするならば、理論上第四次計画が完了するまで待たなければならないということになる。そうすると、昭和三十五年からえんえん十何年間試行ということになる、こういう試行というものが世の中にあっていいものかどうか。第十二条の二の改正はそういう趣旨ではなかったと思いますが、どうですか。
  192. 千代健

    ○千代説明員 試行がえんえん十数年ということは先生のお説のとおりでございます。これはあり得べかざることと私ども同感でございます。  それからオリンピックのときにできるのかというお話でございますが、新聞社等については、オリンピック大会当時における新聞社の需要というものを、昨年の六月末を期して新聞協会等を通じてもとっております。そういった関係から、具体的に把握ができておりますので、むしろ私どもその需要のはっきりしたものを持っておりますが、それほど御希望がないように考えております。
  193. 安宅常彦

    安宅委員 あなた方の頭は少し切りかえてもらわなければ困る。積滞数なんというのは、その年度においてはるかに——電電公社というのは何ぼ申し込んでも電話をつけてもらえないものだ、だから電話をつけたいけれども申し込んでいない者もあるのですよ。それを消化するために第四次まで全部やるというのがあなた方の計画なんです。その後貧乏な人間でも電話をとりたいといってどんどん出てきた、それを実は考えていませんでしたから、昭和四十何年度後の第四次計画が終わるころには全部だれが申し込んでも電話がつきますなんといういまの話はほんとうにインチキなんです。あとで追及しますけれども、それと同じように、いまのところ通信社は希望がないと言うが、知らないから希望がないのだ。だから、そういうことをしたら、これはほかの新聞社でやっている、わが社でもやらないと、新聞の販売部数にも関係があり、ほかのニュース・サービスをやっておる新聞社よりも営業上のひどい差がついてくる、これではだめだからといってみな申請しますよ。そういうことははっきりしておるじゃないですか。そういう段階で、オリンピックまでに必ず法制化する準備を現在あなたのほうではしておるのかどうか、それをまずひとつ聞きたいのです。
  194. 千代健

    ○千代説明員 先ほど申し上げた本実施の点は間違っておりまして、全国的にこれをやれるような体制をとって、その後時期を見て法制化する、こういうぐあいに訂正させていただきます。
  195. 安宅常彦

    安宅委員 そうすると大臣か監理官だ。あなたは監督官庁だから、電電公社総裁の顔なんか見なくてもいいから、正直に答えてもらいたいし、はっきりしてもらいたいが、いまの答弁によれば、試行というこの制度は、オリンピックということは訂正して、そういう体制ができてから、それを見て本実施に移したいと思う、こう言っておる。私の考えたところでは、地方紙から何から全部そういう要望を満たすことができるというのは、第四次の計画が終わらなければできないことは理論上はっきりしておるので、今日まで七年間試行制度が続いておるのに、さらにもう十年間くらい続きそうな状態、こういう試行ということがあっていいのかどうか、監理官、答えてみてください。
  196. 畠山一郎

    ○畠山(一)政府委員 試行サービスは、やはり法律のたてまえでそう長く続くべきものではないと考えております。
  197. 安宅常彦

    安宅委員 そう長くないと考えておりますと言うが、長いですよ。七年もたっておる。それでいいかを聞いておる。
  198. 畠山一郎

    ○畠山(一)政府委員 ものごとによりまして、これはどのくらいの期間がいいかということはきまるものだと考えております。何年までがよくて何年以上が悪いというふうには、ちょっと一がいには言い切れないと考えております。
  199. 安宅常彦

    安宅委員 委員長の注意もありますから、きょうはこの程度で——終わるのではなく、一応中止しておきますが、さっき言った自営の団地の電話の制度はぼやぼやしておったら未来永劫試行になりそうだ。それから今度はニュース・サービスは特定の新聞、通信社に限って二百円の料金で、物価が何ぼ上がろうがそのままにしておいて、オリンピックあたりまで何とかやりたいというようなことを言ったけれども、できないことがわかったら今度はあわててそれを訂正してずっと先に延ばした。延ばしたら十年になりますよ。間違いない。こういうような試行制度について一々今度はずっとつついていきますから、こういう問題について、監理官は、大体こういう制度についてはいつごろ本実施にすべきものであるというはっきりした目途というものを、電電公社と打ち合わせて、次の委員会までにはっきりした答弁ができるようにしてもらいたい。ものによっては何年でもいいみたいな答弁では、監理官、監督官庁の親分がつとまりますかね。
  200. 加藤常太郎

    加藤委員長 次会は来たる二十七日木曜日に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時七分散会。