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河野国務大臣 ただいま第一に
お尋ねの利根川、
荒川の水についてでございますが、実は私、建設大臣当時に、これらの水を利用いたしまして隅
田川の水を浄化しよう、御案内でございますが、水道行政は通産行政でございますから、建設大臣としては、依頼を受けたときに、もしくは水の利用等について御協議申し上げるときに、むろん考えないことはございませんけれ
ども、そのときには、一応
オリンピックに間に合いますように隅
田川の水を浄化しようということで、十月一日までに
荒川の水を隅
田川に入れて、そしてこれで隅
田川の浄化をしよう、こういうことで
工事をやっておりました。したがって、これは
東京都の水
対策ということでやっておったのではないのでございます。ところが、私、建設大臣をしておりましたときに、十月一日ではおそいから、九月十日までにこの
工事を仕上げて、そして隅
田川の水を浄化せいということを言いまして、一応九月の十日にこの水が隅
田川に入ってくるようになっておりました。これを
東京都の今回の水不足の
対策に、隅
田川のほうはあと回しにして、これを緊急に使おうということで、いま
お話のとおり、さらに九月の十日を早めまして八月二十五日までに、これが水道の水源に利用できるようにいたそうということで、さらに方針を変え、もしくは現地の
工事の
関係者の御
協力を得て、八月二十五日にこれが一応水源地に入ってくるということにいたしたのでございまして、この点は、ないものをむやみに持ってきたとか、そういうふうになっておるものがどうなったとかということでございませんで、ただしこれが完全に入ってまいりますと、むろん一部分は水源になり一部分は隅
田川に流れるということになるわけでございまして、それを隅
田川のほうを全部やめて水道の水源にしよう、こういうことで考えておるのでございます。
それからもう
一つは利根川の水でございますが、利根川の水を
荒川に持ってくる
工事は、
お話のとおり、これはまだ来年でなければできません。いま
お話しのようなことでございましたら、これもさらに緊急にこれを導入してくる必要があるということで、先般来
関係方面とよく御協議申し上げ、また
お願いをいたしまして、一応来年の二月末日までに利根川の水が
荒川に入ってくるようにということにいたしております。したがって来年の二月末には利根川の水が
荒川に参り、
荒川の水と合流して、これが
東京都の水の利用になるということにいたしております。これは御承知のとおりでございますが、われわれが十分勉強いたしましたところによりますと、
東京の場合、水の不足、
水飢饉というものは、おおむね二十年を周期にしてやってまいっておるようでございます。過去にそういうことでございますので、たまたま去年、ことしあたりがそれに該当いたします。のみならず、しかもこの
渇水の周期は一年でございませんで、両三年続いて水の足りない年が続いておるということが過去の実例でございますから、来年もまたことしのように降雨量が少ないのじゃないかということも、ある
程度想定しなければならぬと思うのでございます。そういう意味合いから、ことしの水につきましては、まことに御迷惑をかけて相済まぬのでございますが、いまこれが
東京都の
責任であるとか、
政府の
責任であるとか、これはやはりお叱りを受けることはいかようにお叱りを受けてもやむを得ませんが、これを最大限に何とか善後策を講ずる必要があるということでせっかくやっておりますが、現在の時限におきましては、このまま雨が降らないということでまいりまして、まず十七、八日が一番悪い
状態になります。これはいまの水を、応急に
神奈川県その他からちょうだいした水をやりますが、小河内、村山の
ダムの水がますます減ってまいりまして、十七、八日になりますと、それまで全然降雨量がないということになりますと、打つ手は一応打ちましたが、やむを得ず第五次制限に入ることになると思うのでございます。これもひとつお許しを願いまして、そして次は二十五日の
荒川の水が入ってくるということになりますと、ここで相当に考えられる。四十万トン入ってまいりますから、ここで相当考えられる
状態になる、こういうことでございます。が、しかし四十万トン入ってまいりましても、
ダムの水が極度に
渇水いたしておりますから、これをすぐに増配して使ってしまっていいかどうかということが問題になるわけでございます。これははなはだ取り越し苦労で恐縮でございますが、一雨降ることを待ちません以上は、こういう足らない
状態を続けて十月の
オリンピックに持ち越しますと、はなはだ不手ぎわなことになるわけでございます。そこで私
どもとしましては、二十五日に
荒川の水が一応入ってまいりましても、すぐにそこにその水を全部使ってしまうということはひとつごかんべんをいただきまして、幾らかずつは
オリンピックまでに、一雨降るまでためていこうということを実はいま考えておるのでございまして、一雨降るかどうかということが一番たよりでございまして、そして降るまでは五割五分制限の第五次制限以上にはむろんいたすことはございませんけれ
ども、それを四割五分に下げる、三割五分に下げるということがいいか悪いかということは、今後の雨の都合を見つつ、
オリンピックの水の貯蓄をしていくということを勘案して配給量はきめていきたい、こういうふうに一応はいま考えておるわけでございます。
こういう
状態を続けて、まずこの十八日から二十五日までが一番最悪、それから二十五日から先はいま申し上げましたように、水はあるけれ
どもどの
程度貯金するか、どの
程度がまんするかということで、それを最悪にして、それから雨のあるなしによって上昇ぎみになっていくということで一応御了承を願うよりほかに打つ手がございません。
そこで先ほど承っておりますと、
神奈川県の話が出ましたが、
神奈川県からは最大限に御
協力を願っております。しかも、私から
神奈川県のほうに
お願いいたしておりますのは、一応稲のかけ水がいまは一番少なくていい時期でございますから、
神奈川県のほうも
相模湖の水の貯蓄があまり豊富でございません。これをいまこちらのほうで先に使っておりますから、それだけ稲にかける水のほうが減っていっておるわけでございます。したがって二十五日以後において、
神奈川県のほうでその水はやめてくれ、稲のほうに全面的に使わなければならぬからというお申し出がありますと、これについては特別に水をお返しするか、さもなければそのときに別途案を考えなければいかぬ。私は、今後利根川の
農業用水等との調整をする必要もございますから、お約束したことは必ずお約束どおり実行していただくということにしなければ今後ぐあいが悪いと思いますので、
神奈川県との
関係におきましても、農業者の迷惑においてこちらが水をちょうだいするということはいたしたくない、こう考えております。諸般の点がありますから、いま申し上げましたように十八日の時限もしくは二十五日の時限におきまして、それぞれ
東京都内に流す水については考えていきたい。そういたしまして、なるべく十月の
オリンピック時を水不足の
状態でなしに過ごすことにいたしてまいりたい。そうして十一月になります。十一月から先は、いま申し上げましたように明年がさらに
渇水である心配もございますので、十一月から明年の夏の
対策に入る必要がある、こう考えまして、十一月以降明年の八、九月まで長期の水配給
計画を立てる。これはいま申し上げましたように、二月末で利根川の水の導入
工事が一応終わりますから、三月から利根川の水をどの
程度利用するかという問題とからめて、利根川の水を相当量こちらに導入してまいる。利根川の水で
東京の水、羽村系の水をまかなうことができますれば、その間は小河内に水をためておく。なるべく多く小河内に夏場の水を貯蓄をいたしておきまして夏場に入るようにしていきたい、こう考えて、十一月以降の冬場において
都民の皆さんに御迷惑のかからぬ
状態において水の節約をしていくということを考えまして、長期の水の配給
計画を立てまして、そうして来年の水については、幾ら雨が降らなくても、少なくともことしの轍を繰り返さないようにしていきたい、こう考えております。利根川の水につきましては、きょう閣議におきまして、
政府部内において
関係各省もしくは利根川沿津の
関係府県の
知事さん等の方々にお集まりいただきまして
連絡会を開いて、これらの間に十分なる意思の疎通をはかって、一般の水を現に利用しておられる皆さんに御迷惑のかからぬ
程度において余剰の水をただいま申し上げました水路を使って
東京のほうに来年の三月から持ってまいる。この水を使う閥は小河内、村山に
貯水するという長期
計画を立てて、一応明年度の
対策はこれでやっていく、こういうことにいたしております。
四十一年以降の分につきましては、
東京都において案がすでにおありのようでございますけれ
ども、これはあらためて
東京都と御相談申し上げまして、長期
計画はあらためて明年度予算以後において根本的に考え直すということにしてまいりたい、こう考えます。
いま
お話しのことで副
知事から御答弁でございましたが、私もこの点につきましては非常に不満を持ちまして、水の足らないところはいつでも減水、断水といえば一番先に出ない、長時間出ないという場所が都内にありますことは非常に遺憾でございます。水は減水しておっても、出るところは出るけれ
ども、出ないところは出ないというこの
状態が最も悪い。これに対して
東京都は二十億
程度の金を使って
対策を講じておられるようでございますけれ
ども、
政府といたしましてはその
程度じゃいかぬ。もっと大幅に来年の夏までにはこれらの地帯に新たに管をつけるならいける、
ポンプをつけるならつけるようにして、可能な範囲においてことし減水の影響が直ちに断水になって影響した地帯に、少なくともひどいところには新たに鉄管をいけ直すということを来年の夏までにやってほしいということについても、せっかく
東京都のほうでいまの二十億を倍にするか三倍にするか、まで上げて、新たに鉄管、
ポンプを入れてもらうということを、いませっかく案を練っていただいておるようなわけでありまして、これらの処置によりましてことしの轍は絶対に繰り返さないということに一応案を練って
対策を講じていきたい、こう考えておるのでございます。
四十一年以降の分につきましては、いま申し上げましたように、これはお小言を受けるかもしれません。受けるかもしれませんが、やっぱり自治のたてまえからいたしまして、
政府でこれに関与してまいりますことには限界があるだろうと私は思います。したがって、自主性は
東京都にとっていただかなければいかぬだろうと思います。したがって
東京都のほうから案がこないのにこちらからあまり差し出がましくああもせい、こうもせいということはちょっと青いにくいのじゃなかろうか。この非常
事態はやむを得ませんから私がやっておりますが……。したがって、四十一年以降の基本
対策につきましては、一応
東京都のほうで案を練って出していただく。それについて
厚生省その他
政府部内において
関係君が十分
連絡いたしましてこれについて御
協力を申し上げる。すでに水の資源が関東平野全体を通じて非常に困難な
状態に入っております。利根川の水につきまして、いま申し上げるように十分な
連絡会議を開きませんことには水が余っておりません。そういう
状態でございますから、四十一年以降の分につきましてはよほど大幅に考えて、
東京都の水の
対策、関東近県全体を通じての水の
対策を講ずる必要があるだろうと考えますので、これらにつきましては別途ひとつ十分根本的に考えたい、こう思っておる次第でございます。