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1964-06-19 第46回国会 衆議院 地方行政委員会 第58号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年六月十九日(金曜日)     午後一時十六分開議  出席委員    委員長 森田重次郎君    理事 田川 誠一君 理事 渡海元三郎君    理事 中島 茂喜君 理事 永田 亮一君    理事 川村 継義君 理事 安井 吉典君       大石 八治君    大西 正男君       奧野 誠亮君    亀山 孝一君       武市 恭信君    登坂重次郎君       村山 達雄君    山崎  巖君       和爾俊二郎君    秋山 徳雄君       重盛 寿治君    千葉 七郎君       華山 親義君    細谷 治嘉君  出席国務大臣         自 治 大 臣 赤澤 正道君  出席政府委員         自治事務官         (大臣官房長) 松島 五郎君         自治事務官         (大臣官房参事         官)      山本  弘君  委員外出席者         専  門  員 越村安太郎君     ————————————— 六月十八日  公衆浴場業に対する地方税免除に関する請願(  奧野誠亮紹介)(第四三〇四号)  同(坪川信三紹介)(第四三〇五号)  同(服部安司紹介)(第四三〇六号)  同(前田正男紹介)(第四三〇七号)  同(八木一男紹介)(第四三三三号)  水道料金値上げ抑制に伴う財政措置に関する請  願(江崎真澄紹介)(第四三六二号)  同(川崎秀二君外五十九名紹介)(第四三七八  号)  同(亀山孝一紹介)(第四三八五号)  同(矢尾喜三郎紹介)(第四四〇九号)  同(井原岸高紹介)(第四四一九号)  同(臼井莊一君紹介)(第四四二〇号)  同(砂原格紹介)(第四四二一号)  同(床次徳二紹介)(第四四二二号)  同(藤山愛一郎紹介)(第四四三三号)  同(大西正男紹介)(第四四五一号)  同(川崎秀二紹介)(第四五〇一号)  同(櫻内義雄紹介)(第四五〇二号)  同(堀川恭平紹介)(第四五〇三号)  同(前田正男君外二名紹介)(第四五〇四号)  人車左側通行統一に関する請願西村英一君紹  介)(第四四三二号)  同(辻寛一紹介)(第四四五二号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  地方行政連絡会議法案内閣提出第一六一号)  (参議院送付)      ————◇—————
  2. 森田重次郎

    森田委員長 これより会議を開きます。  去る十六日、八郎潟干拓地における新村設置準備体制調査のための委員派遣承認申請について決定したのでありますが、たまたま新潟地震の発生により、今川はこれを見合わせざるを得ないこととなり、あらためて適当の時期に実施いたしたいと存じますので、御了承願います。      ————◇—————
  3. 森田重次郎

    森田委員長 去る十三日参議院から送付されました内閣提出にかかる地方行政連絡会議法案議題とし、まず政府から提案理由説明を聴取いたします。赤澤自治大臣。     —————————————
  4. 赤澤正道

    赤澤国務大臣 ただいま議題となりました地方行政連絡会議法案につきまして、その提案理由要旨を御説明申し上げます。  今日、社会経済進展に伴う地域社会広域化に相応し、地方行政分野におきましても、都道府県区域を越えて広域的に処理すべき問題が次第に増加し、その内容も複雑多様となり、各種の行政相互に密接に相関連してまいっておるのであります。このような地方行政の動向に対処して、それぞれの地方において、広域にわたる行政が総合的にかつ円滑に実施されるように、地方公共団体が国の地方行政機関との連絡協調を保ちながらその互換の連絡協同をはかることを考えることが緊要と存ぜられるのでありまして、さきに、地方制度調査会におきましても、このような観点から都道府県を越える広域行政についてこの種の連絡協議のための組織を設けるべき旨の答申がなされているのであります。  このため、全国ブロック地方行政連絡会議組織し、都道府県及びいわゆる指定都市の長に地方広域行政関係のある国の出先機関の長を加えまして、地方公共団体相互間や地方公共団体と国の関係出先機関等との間の連絡協議組織的に行なわせ、地方における広域行政の総合的な実施と円滑な処理を促進し、もって地方自治広域的運営の確保に資せしめることといたしたいのであります。  次に、この法案内容につきまして、その概略を御説明申し上げます。  第一に、全国都道府県を九つの地域に分け、それぞれの地域ことに都道府県及び地方自治法筋二百五十二条の十九の規定に基づく指定都市をもって連絡会議組織することとし、地方における広域にわたる行政計画及び実施について必要な連絡協議を行なうものといたしました。この連絡及び協議を行なうための会議は、都道府県知事及び指定都市市長のほか、おおむね数府県区域を管轄する国の地方行政機関の長、その他地方における広域行政に密接な関係をもっている機関の長で構成するものとしております。  第二に、会議構成員は、協議のととのった事項については、これを尊重してそれぞれの担任事務処理するようにつとめるものといたしまして、連絡協議の成果を国、地方公共団体行政に反映させるようにいたしております。  第三に、連絡会議関係行政機関等との関係につきましては、連絡会議は、関係行政機関等に対して必要な協力を求めることができることとするほか、これらの機関からの求めに応じて関係費料を提出しなければならないものとし、また、連絡会議は、必要に応じて、関係大臣公共企業体等の長に対して意見を申し出ることができるものとするとともに、関係大臣は、所管事務について連絡会議意見を聞くことができることといたしました。  最後に、連絡会議の経費の負担、会議の結果の報告、その他連絡会議運営等に関して必要な規定を設けた次第であります。  以上が地方行政連絡会議法案提案理由及びその要旨であります。  何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
  5. 森田重次郎

    森田委員長 以上で提案理由説明は終わりました。     —————————————
  6. 森田重次郎

    森田委員長 次に、質疑応答に入ります。  質疑の通告がありますので、これを許します。和爾俊二郎君。
  7. 和爾俊二郎

    和爾委員 ただいま御説明がございました地方行政連絡会議法案に関しまして、いささかお尋ねを申し上げたいと存じます。大臣がいまほかのほうにお立ちになりましたので、関係の方々、特に本業の立案に関係した方ないしは同時に詳しい方にお答え願えればけっこうであります。  わが国地方行政が、明治の初年に府県制度として区域が設定され、行なわれてまいりましたが、当時の社会情勢等から考えますると、あの区域でちょうどよかったかもしれませんけれども、その後人力車やかごや馬車というような交通機関とは変わって飛行機か飛びかい、ジェット機が飛びかう時代となりましては、この区域というものはもうすでに非常に古い形のものであると存じております。したがって、いまも提案理由の中でおっしゃられましたように、社会的な区域が広がると同時に、当然これは必然的に行政の血におきましても広域を要するということに相なってまいりますのはあたりまえでありまするが、それに従いまして地方行政調分会その他におきまして、道州制とかあるいは地方制というようなことがいろいろと論議をされてまいりました。地方行政広域的な方面における論議がいろいろと盛んであります。これはわが国地方制度進展のためにまとにけっこうであると私は思うのでありますが、本国会中におきましてもいろいろな案が出てまいりました。それは先に連合案、またこれにあたかも対応するがごとく合併案というのか出てまいりました。いずれもまことにけっこうな構想だと思いまするが、連合案におきましては、私は屋上屋を架するものではないかというような感じを持っておりました。したがって、合併案のほうがすぐれておるのではないか。私はむしろそのほうに同調をいたしたい、こう思っておりましたが、今度はこの両者をあたかも相打ちにして、ともに消してしまうというようなかっこうでただいまの連絡会議の案がとびでしてまいりました。これも何だか両方のメンツを立てたようであって、しかもその二つの中の連合のほうに近いようにも思われまするが、よく見てみると、またそれとも全く違う。何だか複雑怪奇で私にはちょっとわかりかねるのでありますが、たいへんな名案であるとは思いまするけれども、この三つを見比べてみまして、私はいささか迷いが生じてまいりました。  そこで、お尋ねをいたしたいのでありまするが、まず第一に府県合併府県連合連絡会議という三案のそれぞれの構想はどういうことであるか。またこの三者の間にどういうような相互関係があるのであるか、またないのか、そういうことについてお尋ねをいたしたいと思います。
  8. 松島五郎

    松島政府委員 お答えをいたします。  ただいまお尋ねのございました府県合併あるいは府県連合並びにこの提案をいたしております連絡会議構想について、それぞれの内容説明し、その関連説明せよというお話でございます。府県合併は、申し上げるまでもなく二以上の府県合併をして一つ府県になるということでございます。これに対しまして、府県連合として一時私ども考えておりましたものは、府県人格は変更することなくそのまま維持し、共通仕事についてお互い計画を立てその調整をはかり、その計画のもとに仕事実施する、また必要がある場合には、共同して一つ仕事としてやっていくというような体制。しかし、どこまでもそれぞれの府県人格はそのまま残しますから、二つの県が一つになるのではなくて、どこまでも県としては独立の態勢を保ちつつ広域的な仕事がやれる体制、こういうことで考えておったのであります。この府県合併にいたしましても府県連合にいたしましても、いずれも広域にわたる行政をみずからの仕事として行ないます場合の主体をどう考えるかという問題でございます。  これに対しまして連絡会議のほうは、現在の府県制度というものをそのまま前提といたしまして、広い範囲において問題になるいろいろな行政について、国の出先機関をも含めてお互い協議体制を整えて仕事を円滑にやっていこうという内容のものでございます。したがいまして、府県連合でありますとか府県合併というようなものと異なりまして、現在の府県制度そのものをどう変えていくかというものではございません。その点において相違があり、それぞれ特色があるのではないか、こういうふうに考えております。
  9. 和爾俊二郎

    和爾委員 三者の区別につきましては、大体私も想像しておったとおりのお答えをいただきました。それで、この連絡会議法でありまするが、それは地方公共体が国と共同していろいろな事柄を考え計画し、あるいはそれを実施に移すというようなことにおいて、さきの二者よりは中央とのつながりにおいて非常に近いものがあるように思われるのでありまする。ところで、この違っておる点について一体どういう法律上の効果、目的がありますか、その辺をひとつお聞かせを願いたいと思います。
  10. 松島五郎

    松島政府委員 連合なり合併なりは、先ほども申し上げましたように府県自体仕事執行体制そのものを変えていくわけでありますから、府県制度そのものについての一つ体制というふうになろうと思います。また特に府県合併の場合におきましては、二つ団体一つ団体になってその地域仕事を一手にやっていくということでございます。  ところがこの地方行政連絡会議のほうは、現在の制度そのものを変えようというのではなくて、現在の府県制度なり国の出先機関というものを一応前提といたしまして、その間の相互連絡協調をはかっていくための会議を持ちたい、そこで連絡協議をしていこうというものでございますから、まとまりましたものが実行されていくということにはもちろんなります。したがいまして、別に法律的効果と申しましても、そこで話がまとまらなければ、それを強制するとか、あるいは別個の方法で規制していくというようなことはないわけでございますから、どこまでも連絡協調と申しますか、話し合いを積み上げていくことによって問題の解決をはかろう、こういう性質のものでございます。
  11. 和爾俊二郎

    和爾委員 そういうぐあいに、法律上そうたいして云々という効果を満たし得ないとするならば、現在におきましても地方ではブロック知事会議というようなものもございますし、そのほかに地方協議組織というものが現存しておるのを私は知っておるわけでありますが、それならこの程度でいいのではないか。わざわざ別の法律をつくってこういう組織考えていくという理由はどこにあるのでございましょうか。
  12. 松島五郎

    松島政府委員 確かに御指摘のとおり、地方団体相互間あるいは地方団体と国との間の協調関係を保ちますために、現実にブロック知事会議でありますとか、その他の連絡調整の事実上の措置が行なわれておるわけでございます。なお、それで十分ではないかということでございますけれども、今日だんだん広域行政ということが問題になってくるに従いまして、国の出先機関等との関係も密接になってまいります。この関係をうまく調性してまいりませんと、地方団体にまかしておけないというようなことから、中央における統制というようなものも強化される心配も出てくるわけでございます。そこで単なる事実上の会議というものよりは一歩進んで、地方団体と国の機関、あるいは地方団体相互間が法律的に連絡調整をしていく土俵をつくるということが今日最も必要なことではないか、かように考えて、あえて法律的な構成をもって会議をつくっていく、こういうふうにいたしたわけでございます。
  13. 和爾俊二郎

    和爾委員 法律をつくって、いままでのそういう知事会とかあるいはその他の地方協議組織というものをこの中にはめていくということは、効果の上がることであるという御説明でございました。よくわかりますが、これに関連いたしまして、今度のこの組織の中に特に指定都市府県のほかに加えられました。これは私はいままで長い間地方自治関係をいたしまして、一番悩んでまいりました大都市、すなわち現在の法律上の指定都市が、いろいろ苦悩の道をたどってきたことを経験したのでありますが、この法律において初めからまま子扱いにせずに、政府原案に載せていただいたということには私は非常に敬意を表するのであります。そこで、この法律が成立をいたしました暁には、何とかいままでのいろいろなブロックにおける法律上の形をとらない会議、あるいは協議会というようなものを吸収をしていただきたい、こう思うのでありますが、そういうお考えがございますかどうか、ひとつお伺いをいたしたいと思います。
  14. 松島五郎

    松島政府委員 先ほども申し上げましたように、府県あるいは指定都市との間における連絡協調を密にする、同時に、国の出先機関との間の連絡協調をはかって、広域行政の円滑なる運営をはかっていこうという法律的な土俵をつくろうというのがこの法律案趣旨でございます。そういうものをつくりました以上は、できるだけこの中ですべての問題が処理されていくような態勢が望ましいわけでございます。このほかにいろいろな事実上の会議があって、そのために会議会議で日を暮らしているということでは、かえってせっかく設けました制度も生きてこないわけでございますから、御趣旨に沿うように努力してまいりたいと考えております。
  15. 和爾俊二郎

    和爾委員 いままでのいろいろな会議協議会というようなものが吸収されるような趣でございますので、在来いろいろなかっこうで設けられ、あれもこれもと会議にその日を暮らしてきた地方行政の現状が、多少でも救済されるように相なりますれば、私も願ってもない幸いと思うのであります。ところが、要綱を見ますと、地域ごとの、都道府県指定都市組織することになっておりますが、それ以外に地方の国の出先機関の長をほとんど網羅的にあげられております。そこでいろいろわれわれ考えてみますと、先ほどお話によって地方の、日々明け暮れ会議をやっていることがまとめられるという意味において、これらが含められることはけっこうであり、国のほうへの地方公共団体の意思の伝達がスムーズにいくのではないかと思う点に利点を見出すのでありますが、反面、地方自治体の権限中央が侵すのではないか。侵す程度に至らなくても、事ごとに何かにつけて干渉されるというようなことが生じてきはしないかという憂いを持たざるを得ないのであります。そういう点につきましては運用の面においてどういうお考えをお持ちでございますか。その点をお聞かせ願いたいと思います。
  16. 山本弘

    山本(弘)政府委員 地方行政連絡会議は、ただいま官房長が申しましたように、府県指定都市をもって組織するものでございますが、実際に会議を行なう場におきましては、これに地方出先機関が参加するわけでございます。いわゆる地方公共団体地方出先機関が、一つ土俵の場で広域にわたる行政連絡協議するわけでありますが、これは構成員としては全く平等の立場で行なうように考えているのでございます。そしてこの会議の議長には、会議において指名する都道府県知事をもって充てるといたしておりまして、地力における広域行政が自治体を中心として連帯される、そういうふうに考えておりますので、地力出先機関を加えることによって国の統制力と申しますか、そういうものが強化されるというようなことはないものとわれわれは考えておりますし、またそういうふうに運営すべきものである、かように存じておるのであります。
  17. 和爾俊二郎

    和爾委員 それではこういうぐあいに解してよろしゅうございますか。たとえば、会議におきまして正式の代表は、府県知事指定都市市長であり、オブザーバーが別にある。そのオブザーバー地方出先機関の長が当たるというように解してよろしゅうございますか。
  18. 山本弘

    山本(弘)政府委員 連絡会議は、地方公共団体組織いたしますが、連絡協議を行なうところの機関としての会議には、地方公共団体地方出先機関をもって構成する、かように規定しているわけでございますから、出先機関はオブザーバ一としてでなく、会議構成員としてこの協議に加わるものである、こういうことに理解いたしております。
  19. 和爾俊二郎

    和爾委員 それでは、全然対等立場である、こういうのですか。
  20. 山本弘

    山本(弘)政府委員 さようでございます。
  21. 和爾俊二郎

    和爾委員 そこが私のいささか心配となる点であります。いままででも、これは当たるか当たらぬかわかりませんが、河川法の改正の問題でも問題を起こし、また道路管理の面におきましてもこれに類似のような問題が起きてまいりまして、中央権限が伸び過ぎて、地方一泊の範囲に食い込んでまいるという傾向があるようなものを二、三見聞きをするのでありますけれども、それとこれとは違うと申されるか、または同じような方向になってくるのか、その辺の危惧がございますので、明確にお答え願いたいと思います。
  22. 松島五郎

    松島政府委員 会議構成といたしましては、ただいま申し上げましたように対等でございます。対等立場でそれぞれ協議を重ねていくわけであります。しかしながら御心配になりますように、かりにオブザーバーのような形になったからといって、国の発言権が弱まるというわけのものではなく、また、オブザーバーにもしないで会議からボイコットしてしまった場合にはとうなるかというような場合を考えますと、やれるならやってみろというような形になったらかえって問題がこじれるばかりでございます。ここはどこまでも国の出先機関地方府県市対等立場共通の問題を話し合う、その話し合いを通じて地方の問題の解決をはかっていこう、そういう体制をつくり出すことによって、国が、何でも中火から統制をしなければ問題か解決しないんだというようなものの考え方なりあるいは処理の仕方なりを改善していこう、こういう考え方でございますので、御心配のないようにむしろ運営していこうというのがこの法律のねらいでございます。
  23. 和爾俊二郎

    和爾委員 心配は要らないというお答えでございまするので、その額面どおりお受けをいたしたいのでございまするが、どうかひとつ運営の面におきまして、われわれが心配しておるような点が生じてこないようにお願いを申しておきたいと思うのです。  それからこの機会に、連絡会議関連いたしまして、自治省では、今後の広域行政方向をどうお考えになっておられるか、その点ひとつ、わずらわしいことでございまするが、簡単にひとつお答えを願いたいと思います。
  24. 松島五郎

    松島政府委員 今後ますます広域行政といわれる分野が広がっていくであろうということにつきましては、私どもはそういう認識を第一番に持っております。そういう認識のもとに立って、どういう処理の仕方をしていくのが適当かということが問題であろうと考えておりますが、何と申しましても行政は、そのサービスを受ける住民の身近なところにおいて行なわれることが、民主的なコントロールが可能であり、かつ、そういうところで総合的に行なうことが、行政を真に住民の福祉に合致せしめるゆえんであるという前提に立ちまして、そういう広域行政を行なう場合にも、主体はどこまでも地方自治団体に置いて考えていくという態勢で対処してまいりたい、これが基本的な考え方でございます。ただ、そういう基本的な考え方をどういう手段、方法あるいは制度をもって貫いていくかということが、今後に課せられた宿題であろうというふうに考えておるのでございます。先ほど指摘になりました連合案というようなものも、そういった方向についての一つの試みであったということが言えるかと思います。それから、合併という問題も同様でございます。しかし、いずれにいたしましても、合併連合あるいはその他の方法にいたしましても、少なくとも府県について考えます場合は、四十六しか数はないわけでございます。それらがどういう形で結びつき、どういう形でもって結合し、どういう姿の地方制度になるかという問題について、やはり相当突っ込んだ研究と詳細な調査の上に立って問題を考えていかなければならないのではないか、かように考えておるわけでございまして、そこで、ただいまは、前に問題になりました連合案、 あるいは最近問題になっております合併案というようなものも含めまして、検討をいたしておるという段階でございます。
  25. 和爾俊二郎

    和爾委員 もう一つ、私は、ちょっといまのとは関連性がない、飛んだような話になるかもわかりませんが、この機会お尋ねをいたしておきたいと思うのは、私は、この案を見まして、出先機関も網羅的に入っておるという点において、非常にこれはいい点があると私はとっております。と申しまするのは、在来、私が聞いてまいりましたところでは、いろいろと広域行政をやるにあたって、いろいろな出先機関が何かこう相互に相相克するような場面がよくあった。いわゆる何と申しまするか、セクショナリズムと申しますか、そういう自己の権限を拡大し、主張するということに明け暮れしておったような部面がなきにしもあらずです。これは私の考えでありまするので、当たっておるかどうかわかりませんが、そういうことがあったという話を聞いておりまするが、この会議が成立してうまく運用されたら、そういうことを防ぐ上に非常に役立つ、効果があるものではないか、こう思っておりまするが、こういうこととこの連絡会議とは何か関連性があるように思われますかどうか、ひとつ御意見を拝聴いたしたいと思います。
  26. 山本弘

    山本(弘)政府委員 地方における広域行政需要は、非常に多岐にわたるわけでございます。中火各省におきましては、それぞれ公共事業実施するところの出先地方建設局あるいは地方農政局その他港湾建設局を持っておりますが、広域行政がそういった複雑多岐にわたるものでございまして、その行政内容を見てみましても、産業基盤整備から生活環境基盤整備というふうに非常な広い範囲にわたります。そういう意味で、各個別の出先機関地方公共団体との協議では広域行政解決にはなりません。したがいまして、広域行政の需要の実態にかんがみまして、総合的に処理するためには、広域行政関係のあるすべての機関を網羅いたしまして、そうして国の出先機関地方公共団体の協調を保ちながら、地方公共団体相互間の連絡共同をはかっていくというところに広域行政解決する道がある、こういうふうに考えまして、第四条で、一から十にわたる機関を指定いたしまして、さらに、必要ある場合には政令で定める国の地方行政機関の長、また公共企業体等機関の長でございましても、連絡会議構成員として委嘱し得る道を開いておりますのは、ただいま和爾先生の御指摘のとおりでございます。
  27. 和爾俊二郎

    和爾委員 そういうような長所を持っておることは私も賛成でございまするが、それならもう少し内容が性格的に強かったほうがいいのではないか、こう思うのであります。この程度の案では、むしろ逆に摩擦が起きて、それを口実にして出先機関を強化するとか、あるいは中央の力を及ぼしていくというようなきっかけを与えるというようなことは赴きませんでしょうかどうか。
  28. 山本弘

    山本(弘)政府委員 連絡会議の場におきまして、国と地方公共団体協議を行なうわけでございますが、協議のととのいました事項につきましては、第五条におきまして、それぞれ構成員は、尊重する義務を負うというふうにいたしておるのでございます。したがいまして、協議のととのいましたものにつきましては、それぞれの構成長であるところの府県出先機関も、その協議の線に沿ってそれぞれの行政運営をしていかねばならないというふうになろうかと思うのでございます。ところが、御指摘のように、直ちに拘束をしてしまうというふうな強い法律上の規制はいたしておりません。したがいまして、協議がととのっても効果が薄い、あるいはまた拘束性がないから協議もなかなかととのわないということについての御疑念でございまするが、この法律案は、先ほど提案理由大臣のほうから御説明がございましたが、広域行政というものの展開につきまして、協議方式の積み重ね、そうしてその一回の会議で結論を得るということを急ぐのじゃなしに、広域行政につきまして利害相反する場合もあろうかと思うのでございますが、そういうものをこの場で話し合うことによって、協議方式を積み重ねることによって円満なる解決に持っていきたいというようなのが趣旨なのでございます。  また、第七条に、意見の申し出ということを概定いたしておりますが、連絡会議の場におきまして協議された事項につきまして、問題の所在におきまして、たとえばそれが中央官庁の施策に原因する場合におきましては、意見の申し出をなした場合におきまして、中央におきましても地方における広域行政の場における問題点が明らかになるわけでございまして、おのずから中火におきましても実質的な調整的な動きも出てまいります。そういった動きともかね合わせまして、連絡会議の実効を期待していっていいんじゃないか、私たちはさように考えておるのでございます。
  29. 和爾俊二郎

    和爾委員 第八条に「連絡会議の連帯に要する経費は、連絡会議組織する都道府県及び指定都市の負担とする。」こうなっております。先ほどからのお話を伺いますと、この都道府県指定都市出先機関が非常にたくさんある。それらが会議をひんぱんにやります場合に、会議の経費だけではありましょうけれども、相当の経費がかかるのではないか。その場合において、都道府県指定都市だけに負担をかけておることはこの条文で明らかでありますが、何か別に政府としてその費用の点についてのお考えがあるのではないか。またどうしようというお考えなのか、その点をひとつお聞かせを願いたいと思います。
  30. 松島五郎

    松島政府委員 費用についてのお尋ねでございますが、こういう会議でございますので、会場の借り上げ料、会議のときの茶菓代、資料の印刷費程度でございますので、一年間に一ブロック全体を通じましても、数十万円程度のものではないかというふうに予測いたしております。その程度のものでありましたならは、一般行政経費でそれぞれ分担いたしましてもわずかなものでありますから、まかなっていけるのではないか、かように考えております。
  31. 和爾俊二郎

    和爾委員 仰せのごとき程度のものであるならば、これはたいした心配のないことだと私は思います、しかし、会議がどんどん複雑化し、いろいろな調査だとか何かに要する費用がかさんでまいりました場合にも、やはりそのまま府県指定都市の負担にまかせ、国は何も見てやらないとおっしゃるのかどうか、その点もひとつお聞かせを願いたい。
  32. 松島五郎

    松島政府委員 先ほども申し上げましたように、できるだけ地方団体側に主体性をもたせつつこの会議運営をはかっていきたい、こういう趣旨から、会議の費用も非常に多額のものでございますならば別でございますが、会議の費用でございますので、できるだけ簡素な形で運営をいたすべきであるとも考えますし、そういたしますと、お尋ねのような非常に大きな負担になるというようなことはまずあり得ないと考えております。したがいまして、当分の間はここにありますように都道府県及び指定都市の負担でまかなって運営をして、結果を見てまた善処いたしたいと考えます。
  33. 和爾俊二郎

    和爾委員 それでは経費の問題は後日結果を見ていろいろ御善処を願えるというお答えでございますので、これでとどめます。  今度はまた見方を変えまして、私は大阪出身でありますが、御存じのように近畿圏整備本部ですか、そういうようなものがあり、東京都におきましては首都圏の問題、これらとこの連絡会議というものとはどう区別して扱われておるのですか、簡単にひとつお教えを願いたいと思います。
  34. 山本弘

    山本(弘)政府委員 昨年近畿圏整備法によって設けられました近畿圏整備本部は、近畿圏の地域につきまして、国の計画としての基本的な整備計画及び実施計画をつくるようになっております。いま申しましたように、これは国の機関である総理府がつくる計画であります。なるほど近畿圏整備本部には、付属機関として近畿圏整備委員会というのがございまして、府県知事あるいは関係議員さん、関係市長さんまた学識経験者もその委員会の委員として入っておられるのでございますが、地方行政連絡会議は、先ほども申しましたように、具体の広域行政運営につきまして、地方公共団体と国の出先機関が相協調して広域行政を展開していくというのがその目的でございまして、ただいまの近畿圏の整備計画にいたしましても、関係府県意見を聞くという場合がございますが、こういった場合におきまして意見を単独で出すのではなくて、それぞれ連絡会議の場において十分練ったものを意見として出して、中央における国の計画樹立に反映させるという方法をとることによって十分連絡会議との調整をとっていける、かように考えております。また、近畿圏整備計画ができ、事業計画ができましても、これを実施する場合におきましては、それぞれ権限を持っておりますところの国の機関あるいは地方団体がこれを行なうということには変わりはございません。したがいまして、具体的な事業計画実施につきまして、それをどういうふうに運営していくかということにつきまして、地方行政連絡会議の場において十分なる連絡強調を遂げる必要がある、かように存じておる次第でございます。
  35. 和爾俊二郎

    和爾委員 最後にもう一つお伺いをいたしたいのは、先ほどお話を承りましたが、この案でいろいろと都道府県指定都市そして中央の各出先機関たくさん集まって、その効果をあげようとせられます目的はよくわかったのでありますが、その場合におきまして自治省以外の各省はこの案に対してどういう熱意を示されておるか、その熱意のほどを伺って私は質問を終わりたいと思うのでございますが、もしお調べになりお聞き及びの点がありましたら、腹蔵なく聞かしていただきたいと存ずるのであります。
  36. 松島五郎

    松島政府委員 この地方行政連絡会議法の政府原案作成の過程におきましては、各省においていろいろ御意見、御注文があったことは事実でございまして、その御意見、御注文の中には、こういう会議があまり強い性格のものとなって各省の権限をチェックすることを、必ずしも好まないという立場において述べられた御意見もあったように承っております。しかし、ただいま提案をいたしておりまするものについては、政府として各省とも意見の一致を見て出しておりますので、この法律成立の暁におきましては、各省ともこの法律の成果が十分あがりますよう協力を惜しまないものであるというふうに確信をいたしております。
  37. 和爾俊二郎

    和爾委員 るる承りまして大体の概念を得ましたけれども、この連絡会議の案が法律として成立をいたしました暁には、各省間の摩擦をなくして、しかもその熱意は十分に発揮するよう、運営の妙を得まして、地方自治体の行政がいよいよ進展するようにお取り計らいを願いたいということをお願い申し上げまして、私の質問を終わらしていただきます。
  38. 森田重次郎

    森田委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時五十九分散会