○栗山委員 私は、
自動車局長がお見えになっていらっしゃいますので、広範にわたって実はお尋ねを申し上げたいことと、若干
タクシー経営に参画いたしました経験等から、運輸行政について少しもの申すという気持ちを持っておるのでございますけれども、道交法の最終の
委員会になっておりまして、時間の
関係等の制約を受けますので、二つミックスしてお尋ね申し上げたり、若干私のささいな経験を持ちます内容を申し上げて、端的にお答えを願い、
重点だけにとどめてまいりたいと思うのでございます。
いま
白タクの問題が出てまいりました。
白タクについてはいろいろ終戦後における歴史的な沿革というか、起源がございます。これは
運輸省だけの問題でなくて、世相から見て、これらについてどのような適正の
取り締まりをするか、こういう問題についても私は率直に言って不十分な内容が存在いたしたと思います。また最近の
白タクの様相は非常に変わっておる。一部の、当初起きましたようないわゆる暴力団の
一つの組織によります
白タクというようなものも、これは世相と、経済的な条件と、
交通の需給の
関係からということで、必然生まれてまいります。今日の
白タクの情勢というものは、主として月賦で自家用車を買いまして、それの
一つの償還に充てるという条件において、いわゆる本職でない、そういう形において
白タクが行なわれておるというのが
一つの特色であろうかと思います。自分が働いて、ただでひとつ車を手に入れる、こういうアルバイト方式というものによって行なわれておるというのも最近の変化の
方向であります。もう
一つは、
運輸省でお
考え願わなくてはならない点は、いわゆる
関係会社が自己の所有車という形において車
台数をふやしていくということでなくて、最も新しい車で、
タクシーを雇わぬと白ナンバーを月ぎめの契約をして、長期借り入れ契約を行なう、こういう
一つの
制度的
方向に入っておることは
自動車局長よく御
承知のとおりであろうかと思う。これはいろいろ長短がございます、あるいはまたこれをどのように規制するかということについても、
取り締まり及び運輸行政の面から
検討を要する深い
問題点があろうかと思います。私はこの点について、
白タクの沿革と
白タクの
実態をながめて、
取り締まり及び行政面からどのようにこれに対処するか、こういう
一つの
問題点を
指摘して、できれば私は
自動車局長及び
交通局長から、両面から御意見を承っておきたい。
それからいま
一つ、
個人タクシーの問題でございます。いろいろ質問を伺っていたのですが、現在約七千台、営業
台数のどれほどの
比率になるかということでありますが、これはきわめて
台数が狭小なものであるということであります。私の記憶ではたしか楢橋運輸大臣のときに、非常にふえて点数をかせがれたという内容を持っておるかと思うのですが、私自身も
個人タクシーという
一つの
制度を認めるというあの経過については、非常に賛意を表する者であります。御
承知のように
運転手というものは、非常に就業年数が短い職業的条件を持っておる。長い間働けないという過労の条件を職業的に持っておる。しかも、漸次福利退職
制度というものができてまいりましたが、一生運ちゃんかという
一つの絶望的条件に、せめて自分の経験をみずからの自由にして営業を行なえるということに大きな光を与えたということであります。こういう点から私は非常に善政であったと思うのであります。その後の経過をながめてみますると、いわゆる営業車と個人免許の
比率において、この点がアンバランスだ。私は、一部の企業を守る形において個人免許というものを極度に制限しておる、こういう
実態もいなめない
一つの
現実になってあらわれておる、こういうことを
指摘を申し上げて いろいろございます。いろいろございますが、自分で頭金をつくって、みずからの
経営として自由に
運転できる、
会社よりもはるかに高い自分の
収入を得られるということについて、せめて一点のあかりをともす
一つの
制度であるということから、これは
業者の圧力という
一つの
考え方でなくて、基本的に足らないのでありますから、優秀な
人たちがみずからの、終生の
一つの働きの場を与えてやるということについては、もっと真剣にこれと取り組んでいかなくちゃならぬ、こういう
問題等もあろうかと思います。私は統計を存じませんけれども、おそらく
交通の事故の場合においても、みずからの車でありますから、保管、管理、
運行について、非常に大事にいたします。自重いたします。こういう
観点から申し上げましても、私は営業車よりもはるかに社会的利益を与えておるという点から、私は大胆に、いわゆる官僚的な
一つの狭義を脱して、この問題に真剣に取り組んで強化するという
方向をとってもらいたい、こういうことが私の申すところでございますが、御意見があれば、この点もお答えしていただきたいと思います。
同時に、この点はいわゆる
白タク、それから個人
運転、それから
会社経営の
タクシー、それが
一つの悪循環があるわけです。それは御
承知のとおり、
タクシー経営にもいろいろな沿革が終戦後ございますけれども、その
実態は
自動車局長がどういうふうに把握されておるか知りませんけれども、いろいろ池田さんの経済政策等の反映等もございます。今日ほんとうに黒字
経営を行なっておるという
タクシー業者はないのです。ここに問題がある。このことについては、 いろいろ管理費の問題、人件費の問題あるいは
一つの近代事務管理の
問題等についての負担度の問題もございますが、
一つは
料金の
問題等に限らず、
タクシーの
経営規模という認可の範囲があまりに少なかったということであります。今日十台や十五台で
経営ができるというところに大きな間違いがあるのでございまして、あるいはまた二十台、三十台では今日の
経営規模としての条件に満ちません。こういうところから、むしろ問題はノルマのことになって、そうして
白タクをやるか、あるいは免許をもらえないということになれば、
白タクをやるのだって同じじゃないか、こういうことになったり、
乗車拒否や、ああいう悪循環を生んでおる、こういうことでありますから、私はやはり
運輸省としては、そういう既存の
業者についての適正な
経営の健全化の
方向というものを、そういう角度から
検討を加えていくべき
状況に立ち至っておるのじゃないか。こういうふうに、
白タク、個人
経営、及び
タクシー経営という三点について、質問になりますか、あるいは意見を申すということになりますか、これはこの点で簡明にひとつお答えを願いたいと思います。私は若干専門家であるということを自負しておりますので、あなたの答弁によっては幾らでもこれについて論争点を持っておるわけでありますが、そういうふうに主客転倒するような立場できょうはお尋ねしようというふうに
考えております。