○
田中国務大臣 私は、御
指摘のとおり歴
年度主義者でございます。私だけが
考えておっても、
大蔵省の皆さんに全部御賛成いただかなければ、これらの問題はなかなか片づかないわけであります。私が自由民主党の
政調会長になりましたときには、いまから四年油でありますが、第一番目に
考えたのは歴
年度制ということでございます。これは、私は思いつきでしゃべったのではなくて、北半球の世界じゅうの国々を見て、一体四月から三月
年度をとっておる国がどこにあるかという問題でございます。今度西ドイツも
歴年度に変えております。これは、御
承知のとおり、国の
予算が三月三十一日に通りまして、中央から
地方へ
令達をするまでの間は、いままでは六、七月、ひどいのは十月に
予算の
令達をする。もっとすごいのは、来年の三月ごろやる。こういうのでありますから、どうもどういうことをやっておるのか、私にもよく理解ができなかったわけであります。そういうことで、
財政と金融との
調整がとられておるとしたならば、そういうことはよろしくないことであります。ますます
格差が開くということであります。国の
予算が三月末できまって、六月来会で
継続費をきめて、九月
県会でもって新
工事をきめる。これは雨季になり、
農繁期になり、日が短くなり、合理的でないことはわかり切ったことでございます。でありますから、ますます
仕事ができなくなって、雪の降るところなどは、三月三十一日にできないから四月、五月になってできておるのですが、書類の上で三月三十一日にできたことにする。三月三十一日付けでもって小切手を切っておいて、預かっておる。会計検査院にはあやまって、何とか見のがしてもらわなければいかぬ。これは事実であります。
議論ではなく事実であります。にもかかわらず、かかる問題が
解決されないということは問題があります。私は
歴年度に
制度を変えれば、何千億かの国の利益は守れるとさえ
考えておるのであります。がしかし、いままで盛んに
議論をしました。一時
中田伊知郎氏などに依頼いたしまして、
西欧諸国の
会計年度を検討していただいたこともございますが、またその
報告書も出ておりますが、いまでも
継続費の
制度もございますし、
繰り越し明許の
制度がございますし、実際は早くやるようにしておりますから、
歴年度にしたとてたいした変わりはありませんということは
事務当局も学者も言いますが、そういうところは問題があると思っております。いろいろな
制度でもって
除外例をつくって救済をしておるから、
年度はこれでいい、こういうことを言っておりますが、やはりそういう
制度上の問題が正されておらないために、非常に非能率的なものになっておる。これが雪の降るようなところ、四九・何%ありますが、こういうところは四月から七、八月の非常に
農繁期に
仕事をやる。そして
農繁期が終わったら表
日本に労力が移動することができるようになれば、私は物価も相当違うと思うのです。同じ時期に、
農繁期において
国営事業を
一緒にやるために、賃金は四百円から九百円、九百円から千二百円になったことは、過去三年間の例をとってみればわかるのです。同じ時期に
工事が集中することがほかのものに影響があることは、私も
指摘しておるのであります。私は、たった
一つだけ
暦年度にして困るかなという問題がございます。それは、雪が四九・何%降るのですから、
学校に通う
子供が、新学期の一月から通うということになりますと、雪の中を通わなければならぬという
議論をするものもありますが、それは、今度七歳の入学を六歳にしようかという
議論が非常にあるのですから、そういう面から
考えて、何も問題はないし、
学校だけは四月
年度であってけっこうだ、何か
暦年度にやらないために
議論がつくられておるということは、はなはだ遺憾であります。私は、
総理に何回も申し上げておるのです。
総理は
大蔵省出身だから、あなたの
時代にこれをやればたいへんなことになりますよ、こういうふうに盛んに気合いをかけているのが事実であります。