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1964-03-13 第46回国会 衆議院 地方行政委員会 第21号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年三月十三日(金曜日)     午前十時二十六分開議  出席委員    委員長 森田重次郎君    理事 田川 誠一君 理事 渡海元三郎君    理事 中島 茂喜君 理事 永田 亮一君    理事 藤田 義光君 理事 川村 継義君    理事 佐野 憲治君 理事 安井 吉典君       伊東 隆治君    大石 八治君       大西 正男君    奥野 誠亮君       亀岡 高夫君    久保田円次君       武市 恭信君    登坂重次郎君       村山 達雄君    森下 元晴君       山崎  巖君    和爾俊二郎君       秋山 徳雄君    阪上安太郎君       重盛 寿治君    千葉 七郎君       華山 親義君    細谷 治嘉君       栗山 礼行君    門司  亮君  出席国務大臣         国 務 大 臣 早川  崇君  出席政府委員         自治政務次官  金子 岩三君         自治事務官         (大臣官房長) 松島 五郎君         自治事務官         (大臣官房参事         官)      宮澤  弘君         自治事務官         (財政局長)  柴田  護君         自治事務官         (税務局長)  細郷 道一君  委員外出席者         自治事務官         (税務局府県         税課長)   佐々木喜久治君         自治事務官         (税務局市町村         税課長)    森岡  敞君         自治事務官         (税務局固定資         産税課長)   石川 一郎君         専  門  員 越村安太郎君     ————————————— 本日の会議に付した案件  地方税法等の一部を改正する法律案内閣提出  第一〇九号)  市町村民税減税補てん債償還費に係る財政上の  特別措置に関する法律案内閣提出第一一〇  号)      ————◇—————
  2. 森田重次郎

    ○森田委員長 これより会談を開きます。  地方税法簿の一部を改正する法律案及び市町村民税減税補てん債償還費に係る財政上の特別措置に関する法律案の両案を一括議題とし、質疑を行ないます。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。華山親義君。
  3. 華山親義

    華山委員 こまかくなりますが、一応終わったつもりでございましたけれども、帰って見ますとやはりいろんな疑念がありますので、遊興飲食税取り扱い方についてお尋ねしたいと思います。  昨日、外国人がホテルなどでパーティーをやって日本人を呼んだ場合には、外国人の分だけが免税になるのだというお話でございましたが、逆に日本人外国人を呼んだ場合に、日本人ポケットからもちろん出るわけでございます。その場合には外国人の分は免税になりますか。
  4. 細郷道一

    細郷政府委員 法のたてまえは、外国人の分だけは免税になります。
  5. 華山親義

    華山委員 そうすると、日本人外国人を呼んだ場合には免税になる、そういうことでございますか。
  6. 細郷道一

    細郷政府委員 その外国人行為にかかる分だけ免税になります。
  7. 華山親義

    華山委員 法の精神といたしましては、外国人のそういうふうな負担を軽減するという意味なんであって、日本人が払う分になぜ軽減になるのですか。
  8. 細郷道一

    細郷政府委員 この遊興税自体場所行為の規制を受けて課税をする、こういうたてまえになっております。今回の場合、外客について法に示された場所飲食行為をした場合には、その部分免税になるということでございますので、その外国人行為にかかる分だけが免税になるわけでございます。
  9. 華山親義

    華山委員 それでは法の精神から逸脱しておりませんか。日本人の出す金さえ外国人を招待した場合には安くなる、こういうことをやはり法で考えておるのでございますか。
  10. 細郷道一

    細郷政府委員 外人行為にかかるもので区分をいたすことになっておりますので、外人行為にかかる分だけが今回の免税の対象になる、こういうことでございます。
  11. 華山親義

    華山委員 それは法の解釈はそうでございましょうけれども、法の精神がそうでないとするならば、私はこの法律そのものには反対でございますけれども、そうでないような法律をつくればよろしいのでございませんか。なぜそんな、外国人を呼んだ場合に日本人税金が安くなるのですか。外国人ポケットを軽くしようという趣旨であるならば、日本人外国人を呼んだ場合にも軽くなるということはないのじゃございませんか。何も外国人に迷惑を及ぼしておらない。この法律それ自体に私は反対ではございますけれども、そういうふうに立法なすったらいかがでございますか。
  12. 細郷道一

    細郷政府委員 遊興飲食税自体場所行為を基礎にいたしまして課税をいたすたてまえでございます。同時に、その行為者にそれだけの行為をする担税力がある、こう見て、その消費金額課税する、こういうたてまえを法はとっておるわけでございます。ただ、現実の問題といたしましては、いろいろ飲食等行為をいたしました、消費行為をいたしました場合にも、それ、それの人がその自分の行為分に応じて料金を払うというようなことは、現実の場合にはいろいろなケースがあるわけでございまして、現行法でまいりますれば、あらゆる場合が課税というたてまえになっておりますので、その辺は現実の問題との調和で一本に処理をすることができるわけでございますが、今回のようなこの措置になってまいりますと、その部分だけが法律的には免税になる、こういうことになるわけでございます。
  13. 華山親義

    華山委員 政府例外規定をつくることは——もういつでも例外規定例外規定でいっている。私はそういう場合には、かりにこの法があったとしても、外国人を招待する日本人には税金をかけないというふうなことはおかしいと思う。考えていただきたいと思います。  それから次に伺いますが、一つの例をもって申し上げたほうがいいと思います。ある外国人キャバレー等に行った、そこで酒も飲むし、料理も食べるし、ショーとかいうものもあるそうですから、ショーも見るでしょうし、酒を飲んだ合い間にはダンスも——このころホステスと言うそうですかやった、こういうふうな場合には、受け取り書にはショー部分ホステス部分というものは分離して書いてあるものですか、どうですか。私、最近知りませんが、どうなっておりますか。
  14. 細郷道一

    細郷政府委員 経営の態様によっていろいろあろうと思いますが、いままではそういうところでの遊興行為飲食行為も、あるいはその他の利用行為も、すべて同様な保税、同率の課税ということになっておりましたので、ときに一本で書かれておったような場合があろうかと思いますが、今回こういうことになりますると、その部分区分して明らかにしないと、逆にいえば免税特典が受けられない、こういうことになろうかと思います。
  15. 華山親義

    華山委員 じゃこれからは、ショー部分幾らホステス部分幾らと、こう分けて領収書をつくらせる御方針ですか。
  16. 細郷道一

    細郷政府委員 形式的にはこの法律が成立いたしました暁には、適正な執行ができるようなくふうをいろいろいたしてまいりたいと思いますが、御指摘のような区分一つの方法であろうと思っております。また、そういった場合に、それを的確に把握するための調査等行為も、いままでよりはよけいにしなければならないと思います。
  17. 華山親義

    華山委員 はなはだ抽象的でわからないのでございますが、いままでのやり方から見ましても、その領収書なるものに、ショー部分幾らホステスサービス料幾ら、こういうふうに分けて書かなければ私はできないと思う。そういうことは、しかし実際上は私はできないと思うのです。そんなことを業者に言ったって、業者はやれません。実際問題として、いままで、このホステス部分ショー部分も、全部飲食費の中に入っておる、私はそう思う。そうして請求している。それを分けて書け、特に外国人部分だけ分け書けなんていったって、書けるものじゃないんじゃございませんか。そういうことを、あなたの指導下にあるところの職員に求めることができますか、業者に求めることができますか。
  18. 細郷道一

    細郷政府委員 現在でも、たとえば料理屋におきます花代等につきましては、これは御承知のように遊興行為でございますが、花代につきましては区分をして領収証に書くようにいたしております。こういつたことは、一つにはやはりそのそれぞれの経営あるいはそれぞれの社会の慣習もございますので、そういった行き方をとっておったのでございますが、従来も花代につきましては特別な税率を使っておった時代もございましたので、同じ料理屋におきます消費行為の中でも、花代とその他の飲食については区分をして書かせる、こういうような指導もし、現実にそれが行なわれておるわけでございます。バーキャバレー等におきましては、いままで一本課税であったといったようなこともございまして、区分現実には、おそらく便宜の問題もあろうと思いますが、実際上は一本で書かれておったわけでございます。今回こういうことになってまいりますと、逆に納税者の側から申しますれば、この免税特典と申しますか。この免税を受けるためには、主張すべき点として、そういう点を区分していかなければならない、こういうことになるわけでありまして、そういう意味領収証書き方等についてもくふうを要しなければならない、こう考えております。
  19. 華山親義

    華山委員 くどいようですけれども、芸者の花代は、前からきちんとしているのであって、これは分けて書けます。そういうふうな受け取り証を出すのでありますけれども、キャバレーにおきまして、やれバンド代幾らだの、ホステス代幾らだの、ショーの代が幾らだの、そんなことを分けて書けるはずがないと思うのです。そういうことを局長がお考えになっておるとするならば、それは非常に無理な注文です。そんなことはできません。戦後いままでだって、そんなことをやったことはないでしょう。そういうふうなことを考えると結局要するに、バーキャバレーでは外国人税金がない、こういうことになってしまう。結局そうなります。そういたしますと大臣がおそれられるように、日本という国はいまでもそうであるように、南方の天国のように考えておる、昔の上海のように考えておる、そういうことを助長するのじゃないか。私は決して局長のおっしゃることをどうこう攻撃するわけじゃございませんけれども、そういうことをおやりになるというならば、ほんとうにやっていただきたい。私は、まずできないと思うのです。  それからきのう大臣は、いろいろなところに掲示をすることは慎重に考慮したいと言いますけれども、外人が迷惑いたしますよ。このバーに入れば、これは税金がないんだ、このバーに入れば、これは税金はあるんだということがわからなければ、どこのバーにだって——日本人なら知っているでしょうけれども、入るでしょう。ところがあるところでは税金をとられた、あるところでは税金をとられない、こんなことになってはおかしなことになると私は思う。ですから表示を掲げる掲げないということは考える、こうおっしゃいますけれども、掲げなければだめです。掲げたら日本はおかしな形になる。各店に全部掲げなければならない。この店は外国人には税金がかかりません。あっちの店に行くと、この店には外国人には税金がかかります。みな書いておかなければ外国人は困ってしまうでしょう。戦後のオフ・リミットのような格好になっちゃう。そういうことをやらなければ外国人はかえって迷惑いたします。おやりにならないというつもりでお考えになったのか、どういう方針でいられますか。
  20. 細郷道一

    細郷政府委員 遊興料飲税の実際の担税者は、消費行為を行なう者であります。それをそういう場所経営者特別徴収をして納める、こういう形になっておるわけでございます。したがいまして、消費をして実際に担税する消費者並び特別徴収義務のある場所経営者が、それぞれ免税あるいは非課税特典を受けるためには、それだけの手続をしなければならないものと考えております。したがいまして、先ほど来ておりますような、かりに領収証の面でそれをどうするかといったような場合には、やはり領収証の中を区分をいたしませんと、むしろ全部課税というような形になってしまうわけであります。それでは法の適正な執行ということになりませんので、やはりそういう手続が必要ではなかろうか、こう考えておるのでございます。  なお掲示につきましてもそういったたてまえでございますので、やはり消費者あるいは行為者に、そういうことがわかるような掲示はしなければならないと思っております。ただ今回の場合には、たとえばバーキャバレーにおきましても、遊興行為課税であるが、飲食行為非課税であるということになってまいりますと、その場所自体が、この店は免税の店であるというふうな表示にはならない、いま少しく親切な表示をしなければならない、かように考えております。
  21. 華山親義

    華山委員 局長はお仕事の上からあるいは税法執行の上から、当然なことを言っていられる。この当然なことが私は行なわれないだろうということを心配するのです。それはもうほんとうにその店の原価計算から始めなければできません。バンド代幾らだとか、ホステス代幾らだとか、ショー代幾らだとか、全部その店の経営を分析して、きちっとしなければできないことなんだ。そういうふうな経営形態に私はああいうところはなっていないと思う。局長は、お役人として、りっぱにお答えになっておりますけれども、そのりっぱなお答えが、実行には移されないだろうということを私は思っている。ここの答弁としてはそれでよろしゅうございましょうけれども、実際問題として必ずお困りになります。また、多くの徴税官は、必ず困ります。私はこういう複雑な税法は、徴税の面からいっても設けるべきではない、こういうふうに考えます。  この質問はこれで終わります。  次に、市町村民税のことにつきまして伺いますが、一般質問におきまして、減税に伴う補てん質問がありました。その際に大蔵大臣は、きわめて簡単でございまして真意を補促しがたいのでございますけれども、大蔵大臣答弁と私の推測を入れれば、基準財政需要額、そういうものが各市町村にはいっているんだ。そこまではいっているんだ。それをこして税を取ろうというふうなことは、基準財政需要額をこえるものであるから、これを補てんする必要はないのだけれども、激変を緩和する意味補てん策をとったんだ。こういうふうに私は了解したのでございますが、従来からの御交渉もございますけれども、大蔵省の意向はそういうことでございましたか。
  22. 細郷道一

    細郷政府委員 大蔵大臣の言われたことは、私も直接聞いておりませんからなんでございますが、いまの御質問趣旨から判断いたしましてお答え申し上げたいと思います。  従前、この地方財政制度におきまして、交付税の配分にあたっては、基準財政需要額基準財政収入額の差額を交付税で交付する、こういうことは御承知のとおりですが、この場合の基準財政収入額に、住民税につきましては、本文方式でかつ準拠税率、標準的な税率の場合の収入が取り得るものとして計算をしてまいっておるわけであります。したがいまして、それの外の部分につきましては、いわばその団体の独自の見解に、あるいは判断に基づくやり方ではなかろうかといったようなことから、補てんの要なしというような議論が出たものと考えております。  ただ私どもとしましては、従来から住民税課税方式が、かつては五つあり、最近は二つある、こういったようなことは、自治体にそれぞれの選択をまかせるたてまえをとっておるのでありますから、その選択判断がどうであろうと、これはそれ自体現実の問題として受けとめていかなければならない。かつ今川はその方式が分かれておりますことが、住民負担の全国的な公平化の面から問題があるということで、こういう措置をとって、方式一つに限定してしまうわけでありますので、その間の財政的な変化に関しては、やはり国においてめんどうを見るべきではなかろうかというようなたてまえから、御提案申し上げておるような方向によっておる次第でございます。
  23. 華山親義

    華山委員 大蔵省と御交渉なさったと思いますが、その際に大蔵省は、大臣答弁の様子を見ると、補てんにつきまして反対をしたように見えますけれども、そういうことはございませんでしたか。
  24. 細郷道一

    細郷政府委員 結果はともあれ、過程におきましては強い反対がございました。
  25. 華山親義

    華山委員 その趣旨はどういう趣旨でございますか、大蔵省反対趣旨は。
  26. 細郷道一

    細郷政府委員 ただいま申し上げましたように、自力で処理すべきであろうというのが基本的な考えと思います。
  27. 華山親義

    華山委員 そうしますと、大蔵省の根底には、基準財政需要額というものがあるので、これによって最低の行政水準はできる、そういうふうな考えに立つものと了解されますか。そうでございますか。
  28. 細郷道一

    細郷政府委員 おおむねそういう考えが基本になっております。
  29. 華山親義

    華山委員 私もそういう趣旨だと思うのでございますけれども、これは非常に間違っておると思う。局長は間違っているというふうにお考えになりますが、大臣はいかがお考えになりますか。
  30. 早川崇

    早川国務大臣 理屈からいえば大蔵省の言うことも——本文方式収入でやっておるのですから、片一方はただし書き方式で余分の収入があるじゃないか。しかし御承知のように、交付税のあれだけではいかぬいろいろな支出があるわけです。たとえば、単価が交付税で算定しておるよりも、公営住宅学校建築あるいは国保の事務職員の費用、道路、その他あらゆる面におきまして、交付税基準財政需要額を上回る支出現実に出ておるわけであります。しかもただし書き町村というのは貧弱な町村でありますから、やむを得ずそういった支出を余分にしておる。さればといって、これを理屈どおりに割り切って補てんしないとなりますと、現実にいま言ったような穴があいて非常に困るわけです。こういうことで、われわれといたしましてはあくまでこういう大きい改革でございますから、過渡的に国が交付税という大きいワクでお手伝いをしなければいかぬのじゃないか、こういうように考えまして、大蔵省を説得いたしまして、今日御提案しておるような補てん措置を講ずることになったわけであります。
  31. 華山親義

    華山委員 そういう話の閥からうかがわれますことは、大臣大蔵省にも一理があると言われますけれども、基準財政需要額そのものが低いのではないか。基準財政需要額というものが低いからそういうふうな結果を生じておるのではないか。基準財政需要額というものが、市町村行政水準をある程度に保てるものであるならば、私は大蔵省の言うことはほんとうだと思う。保てないからこういうことになっておる。その原因は何か。要するに地方交付税が足りないということだ。地方交付税の総ワクが足りない。地方交付税の総ワクの上に立って、この分配のしかたはいろいろございましょうけれども、その総ワクの中で、基準財政需要額というものが、算術的に出てくる数字なんだ。ですから、基準財政需要額が高くなければいけない。基準財政需要額が低いということが、私は地方行政の最大の重点的なところにあると思うのです。それですから、基準財政需要額というものを高める、そのことの努力は何によるか。要するに、私は地方交付税というものの率がもっと高くなければいけないのじゃないか。私は大蔵省の言うことは矛盾しておると思う。ある程度地方交付税の率をきめておいて、そこから算術的に算出されたところのものをもってこれでやるというふうなことでは、これは私は何ともならない理論じゃないかと思う。ひとつ基準財政需要領を高めるために、その根本になるところの交付税の率ということを高めるために、今後ともぜひ御努力を願いたいと思います。  それから、このたびの市町村民税やり方によって、いわゆる地方税特色でありますところの負担分任制ということばがありますが、こういうふうなものは相当後退したものだ、こういうふうに考えてよろしゅうございましょうか。われわれといたしましては、やはり社会政策的な税の考え方と、地方税におけるところの負担分任制という特色と、そういうところに矛盾を考えるのでございます。このたびの措置によりまして、負担分任制はある程度後退させた、こういうふうに考えてよろしいのでございましょうね。
  32. 細郷道一

    細郷政府委員 地方自治体の税制として負担分任が要請される、これは御指摘のとおりでございます。しかし一方では、国民全体の社会経済水準に応じた合理的な租税負担ということも強く要請されるわけでございまして、その両者の調和をどの点に求めるかということが、現実処理の問題になろうかと思います。そういう意味合いにおきまして、負担分任の度合いをどの程度に広げていくか、どの程度まで求めていくかということは、やはりそのときどきの情勢によって判断をしていかなければならない、かように考えて、おるわけであります。今回こういうことを行ないましたことによりまして、なるほどいわゆる所得割り納税者の数は減ってまいります。その限りにおいては、数の上での負担分任制は少なくなる、かように考えますが、同時にそれが反面では国民租税負担合理化程度というものとの調和においては、一応是認さるべきものではなかろうか、かように考えるわけであります。  なお御承知のように、今回本文方代に統一されたといたしましても、住民税の面におきましては、所得税におきますよりは納税義務者の幅は厚いというわけであります。
  33. 華山親義

    華山委員 それでは固定資産税のことをお伺いいたしますが、償却資産とそれからいろいろな農地等につきまして、首尾が一貫していないんじゃないか。片方原価主義片方時価主役をとっているんじゃないかということにつきまして、局長といろいろお話をいたしましたけれども、不幸にしてそのままになって意見が食い違っております。その後私も決して無責任でやっているわけじゃございません。各会社状態、現地の徴税状態、その後私もできる限り調べてみました。大体におきまして簿価よりも五%高くとっているようであります。しかし、世の中でいわれるところの含み資産が多いか少ないかということが、一面におきましてその会社がいいか悪いかという判断にもなっている。この含み資産までに税がかかっておると私は思いません。しかし、ここでそういうことを申しましてもなんでございますが、一つだけ伺いますけれども、昭和二十五年に再評価をしたので、したがってそのときには、その前のものは昭和二十五年の時価に直っている、そういうふうな話を、局長は言わなかったかもしれませんが、ところどころで聞きますけれども、そういうふうなお考えを自治省としてもお持ちでございましょうか。
  34. 細郷道一

    細郷政府委員 昭和二十六年に、それ以前の取得資産については資産評価を全般的にやったわけでございます。それにのっとりまして、固定資産税償却資産につきましても、それ以前の取得財産については再評価をいたして均衡化を保っておるわけであります。
  35. 華山親義

    華山委員 昭和二十五年でなくて、昭和二十六年でございますね。
  36. 細郷道一

    細郷政府委員 たしか二十六年であったと思います。
  37. 華山親義

    華山委員 それはいつのときを基準にして再評価なすったのでございますか。昭和二十五年の時価によってなすったのですか。昭和二十六年の時価によってなすったのでございますか。
  38. 細郷道一

    細郷政府委員 昭和二十六年の一月一日現在で、資産評価の倍数を基準にして、一年のずれがございますのでこちらがちょっと高くなっておりますが、それによって処理いたしました。
  39. 華山親義

    華山委員 昭和二十六年の一月一日ということになりますと、結局昭和二十五年が一つ時価基準になったと思うのです。昭和二十五年以降におきまして、今日四割の卸売り物価指数の上昇を来たしております。その点、著しい場合は直すとおっしゃいますけれども、意地の悪いことを言いたくありませんが、四割卸売り物価が高くなっておる、その点はどういうふうにお考えになりますか。
  40. 細郷道一

    細郷政府委員 第二次の資産の再評価を二十八年にいたしておりますから、二十五年当時との開きは、またその段階で是正をされておるものと考えます。
  41. 華山親義

    華山委員 それから固定資産税につきまして、農地というのは畑と田だけのように承知いたしておりますが、さようでございますか。
  42. 細郷道一

    細郷政府委員 さようでございます。
  43. 華山親義

    華山委員 牧草地、採草地はいかが相なりますか。
  44. 細郷道一

    細郷政府委員 地目いろいろあると思いますが、原野、牧野等でございます。
  45. 華山親義

    華山委員 それはたいへんおかしい。現在とにかく農業の政策といたしまして、田というよりも、いろいろな点で家畜を飼えという方向に向かっている。そして採草地、牧草地というものの拡張につとめている。場合によっては田畑をつぶしてさえも採草地牧草地にするという方向にさえも言われている。その際に、田畑だけだ、採草地、牧草地は、二割を限度とするところの税が上がる可能性がある、私はおかしいと思いますが、この点いかがでございますか。
  46. 細郷道一

    細郷政府委員 国の農業放棄のあり方にも関連すると思いますが、従来から、どちらかと言えば、米作中心といったような考え方がもとにされておりましたので、田または畑をもって農地として扱ってきておるわけでございます。なお御指摘のような牧草あるいは採草、そういったものにつきましては、現実には地目もいろいろなものにわたっておるものがあろうかと思います。私どもとしましては、従来からの方針に従って、山畑を農地扱いにいたしております。
  47. 華山親義

    華山委員 局長はそういうことについて、何かお考えになっているような様子ございませんが、私はおかしいと思いますよ。極端な場合を言いますと、いままでの畑というものは、畑をつくるよりも牛を飼ったほうがいいので、採草地に直そうということで、採草地に直したとたんに税金が上がるということさえもあるわけでございますね。地目といいますけれども、名目的な地目だけでいいのだということではないでしょう。実質でございましょう。その際に、畑を採草地に直したとたんに税が上がってくる、重くなってくる、そういうことはおかしいじゃございませんでしょうか。私は実際に合わないと思う。
  48. 細郷道一

    細郷政府委員 飼料の草をとるといったようなことは、いろいろ農業の転換によって必要な面もあろうかと思うのでありますが、畜産自体の飼料といたしましては、購入飼料といったような問題もございます。全般的にすぐ採草地であるということだけで判断するということは、むずかしかろうと思います。なお、田畑につきましては、原則といたしましては現況をもってこれを処理する、こういう考え方であります。したがいまして、現況が田または畑でなくなりますれば、いわゆるここで言う農地ではなくなるわけであります。もし牧草地になった場合には、その評価の面での操作がどういうように現実に行なわれますか、一般的には田または畑のほうが高い場合が多いのではなかろうか、こう考えるのであります。
  49. 華山親義

    華山委員 局長は、農業の専門家でもいらっしゃいませんから、いまここで農業問題まで触れようとは思いませんが、私は非常に現在の農業政策、そういう面から見ますと、答弁は不十分だと思います。これは政府方針がそういうふうになっておる。購入と申しますけれども、購入したところの飼料では採算が合わない。どうしても草というものをもとにして日本の牧畜はやっていかなければならない。そのためには、草というものをできるだけ多量にして、購入飼料というものを少なくしようということが現在の農業の方針なんです。この方針ほんとうに強力に進められるならば、私は採草地がどんどんふえていくと思います。御承知のとおり、朝日ジャーナルでは、この間も農林大臣質問をしたのでありますけれども、開銀理事の下村さんは、関東平野を牧草地にしようと言っている。そういうふうな趨勢において田畑だけを農地として扱って、採草地、牧草地を農地として扱わないということはたいへんな間違いだと思う。この点、大臣、ひとつ御答弁願いたい。
  50. 早川崇

    早川国務大臣 従来長年にわたって米作と畑地というものを基本にしてまいりましたので、いま華山委員の言われることもまことにごもっともでありますが、今回の税制改正におきましては、農地だけを据え置くというようにいたしたのであります。今後、酪農中心の農業に全般的に転換されるという時代がきて、農業の様相が変わりました場合には、一考の要があると考えます。
  51. 華山親義

    華山委員 変わった場合とおっしゃいますけれども、変わりつつあるのです。そうしますとこれから三年間でもそれに変わったとたんに税金が上がるという場合も生ずるわけです。これはいろいろなことでほかの条件もありましょうから、現実にはどうなるかわかりませんけれども、山林については、やはり二割の限度で上げられるのですから上がるわけです。理論的におかしいのじゃないか。政府は一たん出されたものはどうしても改めない、こういう考え方はおかしいと思うのでございます。私はこの点は強く反省を求めておきます。将来の日本全体の農業方針の上から反省を求めておきます。特に北海道、東北地方は、そういう面につきまして問題が多いと思いますので、この点は御研究をし、また農林省の意見等も十分に聞いていただきたい。  それから、このごろ私はよく聞くのでございますけれども、団地等を東京の近郊等につくられると、そのためにいろいろな施設がかかって、市町村が非常に負担が増加する、こういうことをよく言われます。こういうふうなことで、このたびいろいろな点で住宅政策のために減税措置をとられるようでございますが、ますますその問題が困りはしないかと思いますけれども、そういうふうな団地のそういうことにつきまして、特別な御方策をおとりになっていましょうか。
  52. 細郷道一

    細郷政府委員 今回固定資産税あるいは不動産取得税についてとりました住宅措置につきまして自体は、特に団地とそれでないものとの区分をいたしておりません。一般的にとっておる措置でございます。特に差はございません。
  53. 華山親義

    華山委員 私お聞きいたしますことは、大団地ができますと、その土地の市町村は小学校もつくらなければいけない、道もつくらなければいけない、清掃もやらなければいけない、いろいろな面で非常に負担が重い。したがってそういう団地などを、初めはめずらしがったようでございますけれども、だんだん忌避する方向になっているといわれるのでありますが、この減税によって一そうその方向に拍車をかけないか。それならばそれで一面、そういう大団地ができて困るところの市町村、そういう面には特別の考慮がなければいけないと思うのでございますけれども、そういうことがございますかどうですかということを伺っておるのでございます。
  54. 細郷道一

    細郷政府委員 団地ができますと、ご承知のようにいろいろこれに伴う施設を地元の市町村がせざるを得ないのであります。それらの財政の需要増は当然出てまいるわけでございます。また、反面には、そこにそれだけの住民がふえますので、税収入の面でも伸びができる、こういったこともあるわけでございます。したがいまして、団地ができますことが、一がいに、その市町村の発展に支障があるかというと、そうでもない場合があろうと思うのであります。問題は、その間におきます何年かの経過的ないろいろな財政負担といったようなことが、現実の問題として処理を要する問題ではなかろうか、かように考えておるわけであります。特に現在、団地なるがゆえに特別な財政制度はございませんけれども、十分市町村の実情を考えて、起債等の面でもめんどうが見れるものは見ていくというのがその市町村のためになるだろう、かように考えております。
  55. 華山親義

    華山委員 その点を御考慮になりませんと、私は、せっかくの住宅政策もうまくできないと思う。今後特に団地の一層建築、そういうものが多くなると思いまするし、東京近郊、大阪近郊方面に続々出てくると思うのでございます。そのために貧弱な市町村財政が圧迫される。一面において、減税があって市町村税が減る。こういうことがありますと、一時的にも非常に困ってくる場合が多かろうと思うのでございます。ひとつそういう点につきまして、低利の長期の起債でも特別に認めてやるとかなんとかの御考慮がありませんと、私は、今後往宅政策はうまくいかないと思いますので、御研究を願いたいと思います。  その次に、電気税のことについて伺いますが、あらかじめ資料等もお願いしておきましたので御用意ができていると思います。いま電気税にいろいろな点で減免がなされておりますが、この減免がなかったとすれば幾らくらいになりますか。
  56. 細郷道一

    細郷政府委員 現在の電気ガス税の明年度の収入見積もりとしては、五百一億でございます。そのうち、各種の特別措置その他の免税非課税等によります減収額は、全部で百九十二億、こういう一応の数字になっております。
  57. 華山親義

    華山委員 そのうち、水道のためには、五百一億の中にどのくらい入っておりますか。
  58. 細郷道一

    細郷政府委員 水道は非課税でございませんので、課税分に入っております。
  59. 華山親義

    華山委員 いや、五百一億の中にどのくらい入っておりますか。
  60. 細郷道一

    細郷政府委員 ちょっと、水道の分だけ特別に分けておりませんので、いまわかりかねます。
  61. 華山親義

    華山委員 大体いまお聞きするところによりますと、五百一億のうちで百九十二億が減免になっておる、これは私は相当な額だと思います。毎年毎年積み重ねて、ことしは何億、ことしは何億ということだから目立たなかったのでございますけれども、これが一挙に百九十二億ということでございますれば、私は、自治省は黙っていないと思う。こういうふうな特定の国策というものと地方税というものは、できるだけ遮断する、それが私は地方税特色だと思っております。国の政策のために市町村が、ことばが過ぎるかしれないが、とにかく百九十二億という犠牲を払っておる。百九十二億というものが、積み重なって今日にきたのでございますから、この百九十二億というものを地方交付税の中に増してもらう、こういうふうな方途を構ずべきだと思いますけれども、私の言うことに自治省としては反対のはずはないと思いますが、いかがでございますか。
  62. 細郷道一

    細郷政府委員 先ほど申し上げました数字は、五百一億は明年度の収入見込み額でございまして、その外に百九十二億という減収見込みがある。その百九十二億は、現在の非保税全部を入れた見込みでございますので、私のことばがちょっと足りなかったかもしれません。それで、この百九十二億の中には、実は電気ガス税制設の当初から減免になっておったものも御承知のとおりあるわけでございまして、明年度新規に加わるものの減収額は、明年度につきましては、六億程度、こういうことでございます。六億程度でございますが、個々の市町村に与えます影響等も考慮いたしまして、その財政の状況において、激変緩和の特交等の措置を講ずる必要があろう、こう考えております。なお、全体の百九十二億の問題につきましては、これが年々の減収の積み上げといったようなこともございますので、そのつど年々の財政計画の面におきまして、総体の財源計算で、不十分ながらも一応地方財政の形をつくってきた、こういったような経緯もございますので、この電気ガス税の灯火の行き方という問題に関連いたしまして検討してまいらなければならない、かように考えております。
  63. 華山親義

    華山委員 電気ガス税の一%軽くすることにつきましても、これについてのかわり財源を求めて、片一方におきまして、積み重ね、積み重ねになって百九十二億になったならば、この際開き直って、これだけのものになったのだ、これをひとつ国のほうで見てもらいたいという主張は私は無理じゃないと思う。それは三億、二億、そういうもののたびごとにそう言うこともどうかと思いますけれども、たび重なって、もはや二百億に近くなろうとしておる。それだったならば、これにつきまして、交付税の面なりそういう面で政府としても考慮を払うべきだと私は思いまするし、この点につきまして自治省といたしましては、強く主張すべき問題だと思いますが、いかがでございますか。
  64. 細郷道一

    細郷政府委員 電気ガス税については、いろいろ議論がございます。私どもは、これも市町村の重要な財源として尊重してまいらなければならぬ、こう考えておりますが、御承知のように、いろいろ議論があるわけであります。したがいまして、電気ガス税全体についてやはり根本的な検討を加えてまいらなければならぬ、かように考えております。そういう過税において、いま御指摘のような問題点も取り上げてまいらなければならない、かように考えます。
  65. 華山親義

    華山委員 私は、もっと明快な、そういう市町村に非常に迷惑をかけておる、ひとつこれは補てんしてもらう方向でいこうというお答えがあるかと思いましたのですが、そう明快におっしゃいませんでしたけれども、私は、自治省は甘く見られちゃ困ると思う。いろいろな国策を押しつけられて、そうしていろいろな点で市町村に入るべきところのものをむしり取られている。そういうことを守ることこそ私は、大臣あるいは自治省の職責じゃないかと思う。二百億なんというと相当のものです。ぜひその点お願いいたします。  それから、一つ伺いますが、この間のお話で初めて伺ったのでございますけれども、大体コストに電気料金が五%を占めることを標準にしてやっているのだというお話しでございますが、五%でございますと全部免ぜられて、三%であると一つも免ぜられない、こういうことに相なりますか。
  66. 細郷道一

    細郷政府委員 現在四百八十九条に非課税の業種がきめられておりますが、この取捨の基準といたしましては、先ほど御指摘のありましたように、コスト中に占める比率がおおむね五%というのを基準にいたしておるのでございます。したがいましてここにあがっておりませんものにつきましては全部課税、こういうことになるわけであります。なお五%という基準は、いろいろ議論の末生まれたものでございますので、すっきり割り切られたものとは思いませんけれども、沿革的な理由もありますのと、いま一つは五%程度以上であればコストに及ぼす影響も大きいし、同時に転嫁される場合の購入者への影響もあるではなかろうかといったような、いわゆる間接税の持っております特性を考えまして考慮されたものでございます。
  67. 華山親義

    華山委員 私は税の公平からいいましておかしいと思います。五%ならばあるいは五%半だったならば全部免税になるのだ、四%だったならば免税にならない、そういう理屈は私はないと思う。こういうふうに羅列的ではなくて、抽象的に、税金のほうで調べるのですから、そういうふうなことで原則をきめて、そうしてそれに該当するところの場合には五%まで免税する、こういうふうな方向でいかなければ私は税の公平が保たれないと思う。ただし原始、第一次産業のように、特に保護しようというものは別でございますけれども、企業間におきましてはそういうことでなければ私は公平ではないと思う。その点いかがお考えになりますか。
  68. 細郷道一

    細郷政府委員 五%ということだけから見ますと、その限界の公平論が起こるのはごもっともだろうと思います。ただ単に五%というだけでなく、重要な基礎資材的なものというような意味で、二次製品以下については原則として課税してまいる、こういう考え方によっておりますので一つの産業政策であろう、こう考えております。
  69. 華山親義

    華山委員 局長のおっしゃることは、私はたいへん失礼でございますけれども、答弁になっていないと思うのです。こういうわけでやりました、こういうわけでやりましたということであって、こうすべきじゃないかということについて御答弁なされない。私はおかしいと思うのですけれども、税の公平の意味からいったならば、私の言うことのほうが正しいのじゃないかと思うのですけれども、そういうふうな抽象的な規定があって私はいいと思うのです。そうして公平に各企業について五%になるまでは免税だ、こういうふうなことでなければいけないと思います。しかし私はこの制度そのものがいいというのではございませんから、その点は誤解のないようにお願いをしたいのでございます。  次に伺いますが、今度綿織物、綿紡績等が新しく指定になりましたが、これはどういう理由からでございますか。
  70. 細郷道一

    細郷政府委員 これらの繊維産業がわが国の輸出において占めております地位の高いのにかんがみまして、輸出振興というたてまえから、五年間の限時的な軽減措置、これをとったわけでございます。
  71. 華山親義

    華山委員 私はこの程度のことでそんなにコストが下がるとは思いません。大体現在アメリカ等におきましては、日本のものが安くて自由に輸出させないということでいつでも問題になっておる。どこがどういうわけでそういうふうなことがあるのか、そういう点を通産省からお持ちになった場合に、市町村を保護する立場から十分に御検討になったと思いますが、通産省の説には御納得がいきましたのでしょうか。
  72. 細郷道一

    細郷政府委員 先ほど申し上げましたように、輸出の中で占めております繊維産業の地位というものを、その輸出の比率あるいは輸出金紙に対する比率、そういったような面から見てまいり、また反面では電気料金の占めております比率を考慮いたしまして、輸出振興というたてまえからこういうふうな措置をとったわけでございます。特に綿糸等につきましては、原綿を輸入しております現在におきまして、原綿の価格自体に外国の統制と申しますか、外国でのきめられた価格が作用いたしておりますので、国内でその部分についての合理化の余地がほとんどないといったような点も考慮いたしたわけでございます。
  73. 華山親義

    華山委員 納得がいきませんので、私は通産省当局のお話をお聞きしたいと思う。それからお話しになりました百九十二億のうちで、いわゆる第二次産業が占めておる部分は大体幾らくらいになりますか。
  74. 細郷道一

    細郷政府委員 百九十二億のうち二次、三次産業分が百五十七億と見積もっております。
  75. 華山親義

    華山委員 大部分が第二次、第三次産業でございますか。大体会社はもうけておると思う。もうけていますというと、この五%の電気税の減免分だけはそのもうけの中に入っている。それを国は法人税の、おおむね法人税だと思いますが、法人税として徴収している。市町村の減免税の分を国は法人税で増徴しておる、こういうふうな形になります。私は数字的なパーセンテージとして考えてみましたが、そういう結果になる。こういうふうなものは当然市町村に返すべきものではないか。市町村収入を減らして、片方で国がもうけている。国がもうけているというと語弊がありますが、国が税として取り上げている。そのうち交付税としては三〇%程度はよこすでしょうけれども、あとの七〇%は国に入っている。こういう面から見ましても、こういうふうなものは市町村に還元すべきものだと思いますが、いかがなものでございますか。
  76. 細郷道一

    細郷政府委員 税制のたてまえがいろいろございますので、そのたてまえによって処理しなければならないと考えております。税制で補えない部分につきましては、現在の地方財政の町では交付税といったような措置をとっておるわけであります。なお、こういった間接税的なものにつきましては、通例法人税上の計算では、所得がそれだけ、減免になった分が大きくなる計算でございます。同時にその分の一定割合は、交付税あるいは法人税判りあるいは法人事業税、こういったようなものにはね返ってまいる部分もございます。
  77. 華山親義

    華山委員 ございますでなくて、そういう部分市町村税金を減らしたために、回り回って国の税収として入ってきているのじゃないか、そういうふうなものは国のほうから市町村に返すべきじゃないか、こういうのが私の考え方なんです。そういう考え方、私どものものの見方が悪いのかおわかりにならないようですけれども、そういうことについていかがにお考えになりますか。
  78. 細郷道一

    細郷政府委員 財政全部のどんぶり勘定としては、そういった御議論、確かにごもっともだろうと思うのでございますが、税制にはそれぞれの税制のたてまえがございますし、税制上の相関関係もございますので、それぞれの税制の行き方にも、これが全部ほかの税制で補わなければならないというふうになってまいりますと、なかなか税制自体の全体の輪郭がむずかしくなってまいると思うのであります。今回のこのものにつきましても、御指摘の点は特別措置によります減収分だけ地方財政に穴があいておるのじゃないか、こういう御議論だろうと思うのでございますが、その点につきましては、この特別措置のよしあしにつきましてはいろいろ御議論のあるところと思いますが、年々の財政上の措置によりまして、この分だけは地方税としてはとれないものとして財政計画をつくってまいっておるわけでございますので、一応のそれぞれの措置が行なわれてておる、かように考えておるのでございます。
  79. 華山親義

    華山委員 私は政治的に言っているのです。税制がこうなっておるなんということじゃないのです。とにかく市町村のほうではそれだけの減免をしておる、その減免が大企業の利益の上に入ってくる。それをもとにして法人税をとっている。そうしたならば市町村がそれだけの減免をした分についてのはね返りが利得として国家へ入っているのじゃないですか、そういうような行き方はおかしいのじゃないか、これを交付税なり何なりの形で増額するなり何なりの形で返してもらうのが市町村を守る立場の自治省のあり方ではないか、こういうことを言っているのです。私は税制がどうこうと言っているのじゃございません。政治的の考慮であるべきだと思うのでございます。それで私が言ったのは、こりいうふうな財源があるじゃないか、こういうふうな金だってあるじゃないか、したがって先ほどお話しになりましたような積み重ねでこんなに多額になったところの電気税というものについては、この際整理をして、そして地方交付税の増額等を交渉していただきたい、こういうことを申し上げているのでございます。この点は時間もないそうでございますからあまりお聞きいたしませんが、大臣といたしましては、自分は自治体を守る立場で大臣の仕事をなさるということを初めにおっしゃったということが新聞に出ておりますが、そういう立場からいいましても、こういう点は十分に御考慮いただきたいと思います。  次に、時間がないそうですか伺いますが、補てん債でありますが、いままでのお話をお聞きいたしますというと、今度の住民税によって欠陥を生ずるが、これは住民税の自然増、国税の自然増によるところの交付税の増、その他によって埋めることができる、こういうふうにお考えでございますか、何か計数的な、計算をなさったものがございますか。
  80. 柴田護

    ○柴田政府委員 市町村民税減税補てんの一番最盛期、この減税補てん債の償還額が一番大きくなりますのは昭和四十六年度で、総額百七十億円程度でございます。このうちで国が元利補給いたします額が百十四億でございます。そして地方交付税で算定いたしました額が五十七億円、約六十億でございます。この程度のものは現在の一般財源の伸び率から申し上げますならば、基準財政需要額においてそれが可能だ、こういうことを繰り返し申し上げておるわけであります。なお毎年毎年減税補てん債が減少してまいりますので、地方団体自身の中で交付税法でいく額、それが大体年平均しまして六十億ぐらい続くわけでございます。これと、先ほどいろいろ御議論がございましたが、減税補てん債を受けます市町村基準財政需要額の算定方法の合理化を通じまして吸収していくわけでございます。この程度のものは、年々六十億でありますが、従来からやっておりました低極地市町村のほうの引き上げあるいは財源の傾斜配分というようなことをやってまいりましたが、この傾向を再検討して、強めてまいる措置をいたす、こういうことにしたい、かように考えておるわけでございます。  なお先ほどお話がございましたが、基準財政需要額の見方が少ないからこういう問題があるのであって、それに対しては交付税率の問題ということになるのじゃないかというお話がございましたが、このただし書き市町村におきます基準財政需要額をこえた財政需要は何だというところに実は穴がある。この交渉の過程におきましても大蔵省と私どもは話が合いませんで、常に議論をしてきましたのは、このただし書き市町村のただし書きによる、しかも高い税率をとって徴収しておる原因が何であるか、こういうことでありました。その点につきましていろいろ問題があるのでございますけれども、総体的に財源が足るか足らぬかという問題とともに、財源の配分のしかたにおいて問題があるのではないかというよりな議論も成り立つわけでございます。従来のいきさつから言いますならば、交付税の算定は本文方式でやっておるわけでございますので、その点につきましては、基準財政需要額の算定のしかたにも相当問題があるだろうということで、そういう措置を本来的にはとるけれども、何分にも激変を与えるわけでございますので、その点につきましては減税補てん債というところの異例の措置をとって措置をする、こういうことになったと思うのでございます。私どもといたしましては、そういうことで大体この吸収分、それから基準財政需要額にほうり込んでいきます分、ともに大体措置できるのではなかろうかというふうに考えておる次第でございます。
  81. 華山親義

    華山委員 前のほうに時間をとり過ぎたので大事なところにかかって時間がなくなりましたので、こっちのほうも早目にやりますから御答弁も簡単にお願いいたします。  埋められるということばがたびたびありますが、埋められるものは五年間で埋められる、ほかのほうはその間にもっと伸びる、そこに地方格差が出ませんか。
  82. 柴田護

    ○柴田政府委員 将来の問題でございますが、将来の財政状況を見渡してまいらなければ、そこの判断を軽々にするわけにはいかないのでありますけれども、たしかこの委員会でさきにお答えいたしたと思うのでありますが、このことがすぐに交付税に結びつくかといえば結びつかない。お話のような状態が将来起こるかもしれません。それはその状態におきましてその地方財政全体を見渡し、国家財政との関連を検討した上で判断をすべきものだ、かように考えております。
  83. 華山親義

    華山委員 新市町村建設促進法によりますと、いままで各市町村は非常に努力をいたしまして、新市町建設の方策をきめております。いろいろ問題もありましょうけれども、財政の面を考慮しながら県庁も自治庁も指導いたしてつくったところのとうとい資料を各市町村が持っておる。計画を持っておる。これを遂げするための超過課税というものがあったのではないか。将来、このせっかくつくったところの新市町村建設計画が、いかが相なりますか。影響を受けますかどうですか。これは行政局長かもしれませんけれども、ひとつ御答弁願います。
  84. 柴田護

    ○柴田政府委員 いろいろ御心配をいただいておる点ごもっともでございますが、財政需要は御承知のように無限でございますので、仕事は幾らでもありますが、やはり財政ということになってまいりますと、その住民負担等を考えながら、その間おのずからほどほどの限度というものがあるんじゃなかろうか。そのほどほどの限度というものが、醜態から見て非常に窮屈なものだ、何と申しますかまだ縮減し得る余地があるかないかといったようなことが問題になるわけであります。いまの地方財政のテンポから考えますならば、もとより理想からいいますならば問題はいろいろございますけれども、しかしながら本文方式を採用しております市町村、こういうようなものとの関連を考えますならば、財源の配分の問題についてさらに再検討を加えますことによりまして、お話のような御心配は現状のテンポでいきます限りまずないのではなかろうか。しかしながら将来、繰り返し申し上げておりますように、異常な事態が発生しました場合におきましては、地方財政全体について再検討する必要がそれは出てまいるかもしれない、かように考える次第であります。
  85. 華山親義

    華山委員 新市町村建設計画は、決して架空のものではございません。市町村が自己の財政が将来どうなるかということを考えた上で、県庁も自治省も指導をして、せっかくつくったものでございます。これが根底から動いてきましたので、その点をお伺いいたしたのでございますが、そういうことのできるように——異常な部分がごさいましたならば、これは除去すべきでございましょうけれども、できるようにひとつ御指導を願いたいと思います。  次に私は、現在のムードといたしまして、低開発地域、後進地域というものはあせりを感じている。県民全体としてのあせりを感じている。何とかして後進地域を脱却したいとか、あるいは全国並みになりたいとか、そういうムードがあります。このムードにつきましては、当然のことではありますけれども、その村民あるいは地方民ばかりでなくて、やはり政府にも責任がある。後進地域を開発する、地域差をなくする、こういうことを常におっしゃる。そのことが地力に反映している。焦燥を感じている。したがって、今後そういう面から財政要額がある程度増すというふうな気風があります。この際、先ほどおっしゃったとおり、ここで財源が減ってようやく埋められる程度だということであれば、そこにどうしても無理が出る。どういう無理が出るか。一つには借金をしようとする。借金をしようとする傾向につきまして、自治省は、そのことを理由にして借金をお認めになりますか。
  86. 柴田護

    ○柴田政府委員 市町村民税減税補てんの問題と事業財源の問題は、一応別と考えておる次第でございます。
  87. 華山親義

    華山委員 その次の方法とじて考えられることは、税外負担をふやしていく。苦しまぎれに税外負担をふやしていくという傾向が出るだろうと思いますが、その点につきまして、このことのために税外負担をふやすということは警戒しなければいけないと思いますし、また十分そういうことのないような財政措置をとらなければならないと思いますが、その点につきまして御心配をなすったりあるいはあらかじめその点について予防をしておかれるような心がまえがございますか。
  88. 柴田護

    ○柴田政府委員 お話の点はごもっともでございますが、税外負担の解消につきましては、従来から逐次その合理化をはかるよう、財源配分、交付税計算その他を通じまして、これに対する見返り財源を与えながら合理化を進めてまいっております。したがって、今後ともこれに関連して、さらにさようなことの起こりませんように、十分指導し注意してまいりたいと思います。
  89. 華山親義

    華山委員 それでは伺いますが、これを免れる方向といたしまして、私は法定外税を創設するおそれがあると思いますが、法定外税というのは、私はよく存じませんが、いまございますか。
  90. 細郷道一

    細郷政府委員 法定外税は、市町村で現在相当の種類のものがございます。
  91. 華山親義

    華山委員 そうしますと、そちらのほうに逃げていく傾向があると思いますが、それを抑制されますか。このことを理由にしてこれを寛大に認めていこうという御方向でもとられますか。
  92. 細郷道一

    細郷政府委員 法定外普通税につきましては、地方団体の自主的な財源、またその自主性を尊重いたしまして、現在でも特定の場合以外は法定外普通税を起こすことができるというふうに法律上きめられておるわけでございます。特定名場合につきましては、課税標準が非常にダブっておるあるいは物資の流通を阻止するといったような場合が法律上限定されておりますので、法定外普通税自体は、こういう事態にかかわらず市町村としては起こすことができる一つの権能として認められておるわけでございます。
  93. 華山親義

    華山委員 権能として認められていることはわかっております。しかしこれは、かってにできないでありましょう。自治省の許可が要るのでありましょう。違いますか。私間違えていたら失礼しますが……。
  94. 細郷道一

    細郷政府委員 自治大臣の許可ということになっておりますが、自治大臣が自由に許可を左右できるというよりは、むしろ、自治大臣がこういう場合だけが許可できないというふうに、幅広く自主性を尊重するたてまえになっておるわけでございます。その考え方によって一般的に処理をしてまいりたい、かように考えております。
  95. 華山親義

    華山委員 そうしますと、こういう結果、法定外税が多くなるというような御心配はありませんか。
  96. 細郷道一

    細郷政府委員 個々の市町村のことでございますので、それぞれの事情によって法定外を起こすかどうかを判断してまいるわけであります。したがいまして、一般的な傾向としてすぐ反映をするというようなことはないのじゃないだろうか、かように考えます。
  97. 華山親義

    華山委員 それから、今後こういうふうな財政事情になりますと、市町村財政が窮屈になるということも考えられるわけでございますが、それにつきまして、市町村に対しまして、これを契機としまして、自治省のほうで市町村財政合理化あるいは緊縮、そういう方面に指導をなさるおつもりはございますか。
  98. 柴田護

    ○柴田政府委員 特別これを契機としてお話しのような指貫をとるつもりは現在持っておりません。ただ、財政が安定いたしてまいりますと同時に、最近管理経費といいますか管理的な意味における経費について、いわゆるゆるみが見受けられるような節もあるのでございまして、こういう点につきましては、貴重な税金によってまかなう経費でございますので、できるだけ効率化をはかるように指導をしてまいりたいと思います。
  99. 華山親義

    華山委員 私のおそれるのは、このたびの措置によりまして、財政は緊縮しなければいけない、有効な方面に使わなければいけないのだという認識が、自治省の中に高くなって、職員の処遇、そういう方面にいろいろ影響することがないかということでございますけれども、そういうおつもりはございませんか。
  100. 柴田護

    ○柴田政府委員 このことだけを契機にしてそういうことをいたすつもりはございません。
  101. 華山親義

    華山委員 それでは、たいへん、長くなりまして申しわけございませんでした。これで終わります。
  102. 森田重次郎

    ○森田委員長 秋山徳雄君。
  103. 秋山徳雄

    ○秋山委員 だいぶ時間もおそくなりまして、華山先生の場合には、特に委員長からの御注意があったくらいでございますので、もうお昼が近くなっておりますので簡単に二、三、料飲税のことでお尋ねをしたいと思います。  大体いま行なわれております税金の中で、当局側となれば、できるだけ多く取り上げようという精神が横溢しているように思われます。しかしながら、今度の料飲税の外国人に対する特例の場合におきましては、法の精神からいっても、できるだけ外国人に一人でも多く日本に来ていただくということであれば、可能な限りにおいて税金をいただかないという方針のように考えられますが、そういうふうに受け取ってよろしいかどうか、まずお尋ねいたしたいと思います。
  104. 細郷道一

    細郷政府委員 外国人免税の今回の措置は、観光政策上の見地からとられたものでございます。いまおっしゃるような気持ちではございません。
  105. 秋山徳雄

    ○秋山委員 そういうことになりますと、何か観光客だけに厚く考えていくべきじゃないかとも思います。同じ外客といっても、外交官のように職務を帯びてくる人、あるいはそうでなくとも、何か特殊の用件を持ってくる人、こういう方々と観光客と区別する必要があるのじゃないかと思いますが、それに対しての御見解を承りたいと思います。
  106. 細郷道一

    細郷政府委員 抽象的には観光客と申しましても、実際はどういうふうに判定をしてまいるか、非常にむずかしい問題があるわけでございます。ここいらは技術と現実との調和で割り切らざるを得ない面が出てまいるわけであります。今回御提案申し上げておりますのは、出入国管理令によって日本に入ってまいる外人のうち、永住者を除いた者につきまして外客という扱いをしてまいりたい、かように考えております。
  107. 秋山徳雄

    ○秋山委員 そういたしますと、資格のいかんを問わず、外国人であって永住しない者はすべてこれに該当する、すなわち軍人であろうと軍属であろうとあるいは一般外国人であろうと、これは問わないということですね。
  108. 細郷道一

    細郷政府委員 軍人、軍属、特に連合国の軍人、軍属につきましては、行政協定によって出入国管理例の適用を排除されておりますので、先ほど申し上げたようなことから、今回のこの外客には入らないことになります。
  109. 秋山徳雄

    ○秋山委員 説明のしかたはいろいろありますけれども、観光を重点にするということになりますと、軍人であろうと軍属であろうと、こういう方々が宣伝をする価値というものは非常に大きなものではなかろうかとも思います。特にニューヨークあたりでは、一時的には横須賀の汐留という地域がございますけれども、こうした特殊な地域だけのことが新聞や雑誌に載ることによって、日本というものが非常に大きくクローズアップをしたという事例もあるわけなんで、そういう考えからいけば、こういう人たちを除外するということはどうか、割り切れないものがありますけれども、これらについての御見解はいかがでございましょうか。
  110. 細郷道一

    細郷政府委員 政策の限界の引き方の問題であろうと考えますが、今回行なっておりますのは、日本に入ってまいりまして外貨を落としていくという意味で、観光客の範囲を出入国管理令四条にあるもの、そのほか若干準ずる規定がございますが、それに限定をいたしたのでございます。
  111. 秋山徳雄

    ○秋山委員 そういうことになりますと、何か割り切れないものがあると思います。たとえば軍人、軍属というものは自分が好きこのんで来るのではないのであって、しかも給料そのものからいけば、日本の自衛隊の人たちだってそういうことを言うと思いますけれども、おそらく一般人から見れば給与も低いのではないか、かようにも考えられますが、こういう人たちには特典を与えないで、他の裕福で遊びに来る人だけを対象にしてものを考えるということは、何かいまちょうど日本の国内でいわれているようなことを現実の上にあらわしていくんだというふうに考えられますが、そういうことでございませんか、どうぞその点もひとつ加えてお答えをいただきたいと思います。
  112. 細郷道一

    細郷政府委員 軍人だから収入が少ないとかいうような一般的な議論は、ちょっと私どももわかりかねますので申し上げかねますが、ただ先ほど申し上げましたように、外貨を獲得したい、いろいろ表面的な名目はともあれ、観光に来る人が日本で外貨を落としていく、それによって日本の観光政策を伸展していきたい、こういう考え方でございまして、どうも一般の常識からいたしまして、軍人等が日本に見えた場合に、これを観光客というふうにはどうも割り切れないものもございましたので、そこで線を引いたわけでございます。
  113. 秋山徳雄

    ○秋山委員 軍人は、もちろん軍属も含めてでしょうが、そういう方が観光には無関心だ、無関係だということでありますならば、他の用務を持ってくる方々も同じ解釈ではないかと思いますが、そこに区別をつける理由をお伺いしたいと思います。
  114. 細郷道一

    細郷政府委員 こういう政策を実行に移すにあたって、どの辺で線を引くかというのはいろいろお考えがあろうと思います。ただ軍人軍属で見えている方を観光目的というのは、どうも一般常識として合わないのではないだろうか、こんなふうに考えまして、出入国管理令によって入国をしてくる人に押えたわけでございます。
  115. 秋山徳雄

    ○秋山委員 軍人軍属は用務が違うから観光ではないということなんですが、そうすると他の用務を持って来る人、いわゆる商用で来る人あるいは外交官のような人で特別な理由があってくる人、こういう方などもやはり一つの要務を帯びてくるのであって、観光客ではないと思いますけれども、あなた方の考えは私たちの常識と違っていると思われますが、そういうことに理解する以外に方法がないと思いますが、そういうことですか。
  116. 細郷道一

    細郷政府委員 判断の問題でございますので、いろいろ御議論があろうかと思いますが、一応私どもは先ほど申し上げたような考え方で線を引いておる次第でございます。
  117. 秋山徳雄

    ○秋山委員 先ほど華山さんからお話がありましたように、政府の人たちというものは、自分の考えだけが正しいと思っているようなことが答弁の中にあらわれてくるわけでして、たまたま自分の考えに多少の間違いがあった、あやまちがあった場合に、直そうとしないという傾きがありますが、そういうことはどうかと思いますが、そういう心持ちについてまずお答えをいただきたいと思います。
  118. 細郷道一

    細郷政府委員 十分気をつけてまいりたい、かように考えます。
  119. 秋山徳雄

    ○秋山委員 そういうことであれば、いまの答弁の中にもありましたように、軍人や軍属ですと、日本の国へ来て一銭も金を使わないのだというふうに御答弁をなさっているように聞こえてまいりますけれども、私たちが直接耳で聞いたり、からだで体験したりしておる事実からいきますと、たとえば横須賀のように、横浜のようにあるいは佐世保のように、こうした軍人軍属の出入りの多いところに私どもが行きますと、基地経済ということばすらあるくらいで、そういうところの景気、不景気というものは、艦隊の入港あるいはまた入港しないとき、こういうことによって大きく左右される、こういうことがいわれるくらいであります。特にこういうところでは非常に大きく反映することがありまして、ただ飲み食いするだけではなくて——あなた方は横須賀に行って、雨が降るときあるいは艦隊の入港したときなんか、一体ごらんになったことはありますか。行ってごらんなさい。艦隊が入ってきたときあるいは雨の降ったとき、こういうときなんかは、おそらくタクシーをとめようとしてもとまりません。アメリカ人ならとまるけれども、日本人の場合は絶対にとめてくれない。こういう実態をあなたは御存じないからそういうことを言うのじゃないかと思うのですが、こういう方々が国内で消費するお金というものは、かなり膨大なものがあろうかと思いますけれども、御存じならばお知らせをいただきたい。たとえば基地と言われるところで国内消費に使う費用が年間大体どのくらいあるか、それをお示しいただきたいと思います。
  120. 細郷道一

    細郷政府委員 ちょっとそれだけの資料をいま持っておりませんので、お答えいたしかねます。やはり相当なものであろうと思います。ただ反面には、軍人軍属につきましては営内に特別な施設もございます。御承知のようなPXもございます。そういう点は、現在でも行政協定によって免税になっておるのでございます。そういった点を含めての数字は、ただいま持ち合わせておりません。
  121. 秋山徳雄

    ○秋山委員 かりにも自治省の人というものが、すべてのことに通じていないのだということになればやむを得ないかもわかりませんけれども、少なくもそういったケースはおつかみの上に立って税に対する心がまえあるいは交付税に対する心がまえ、交付金その他すべての財政問題とにらみ合わした関連性が出てくるのじゃないかと思いますが、そういった資料は、一体いつになったらいただけますか。あるいはあしたにも、あるいは来週早々にでもいただけますか。
  122. 細郷道一

    細郷政府委員 軍人軍属の使用につきましては、私どもも十分な資料を持ち合わせておらぬ点はまことに不十分でございますが、非常に調べにくい問題ではなかろうかと考えております。したがいまして、御指摘のように資料をとりまとめることは、ちょっとむずかしいのではなかろうか、こう考えております。
  123. 秋山徳雄

    ○秋山委員 そういうことで、財政計画を立てたりされたのでは、そういうことに大きなウエートを持っている市町村、府県というものは、非常に迷惑をするのではないかと思うわけなんですが、そういうことをお感じになったことはございませんか。
  124. 細郷道一

    細郷政府委員 財政計画は、国民経済の動きをもとにしてやっておるわけでございます。御指摘の点は、ちょっと、軍人軍属個人の消費の問題にもなりますので、私どもいま資料を持ち合わせていないのでございます。
  125. 秋山徳雄

    ○秋山委員 このあなた方にいただいた資料によりますと、料飲税としてあがってくるものが四百六十八億三千五百万円ですか、そういったものを基調として、オリンピックに伴う外客の特例措置による減税というものが九億六千五百万円ですか、そういうふうに計数が出ておりますが、改正後の昭和三十九年度の収入見込み額として、「なお、上記のほかに五億円程度の減収額が見込まれる。」こうなっておりますけれども、これらの関連性をひとつお答えいただければ幸いと思います。
  126. 細郷道一

    細郷政府委員 九億と五億と足した十四億が、御提案申し上げておりますところの非課税の減収額、こう見込んでおるのでございます。これは明年度の外客の総数を基礎にいたしまして、推算をいたしたものでございます。
  127. 秋山徳雄

    ○秋山委員 そういう、数字を合計したものがこうだということでなくて、「上記のほかに五億円程度の減収額が見込まれる。」というのは、どういう性格のものであるかということを聞いておるのです。
  128. 細郷道一

    細郷政府委員 九億に五億を加えた十四億、これが御提案申し上げているものの減収見込みでございますが、その計算自体は、明年度来るであろう外客、これも見込みでございますが、それを基礎にいたしまして、一人当たりの消費金額を推定いたしてこしらえたものでございます。
  129. 秋山徳雄

    ○秋山委員 そうでなくて、ここに書いてありますように、「上記のほかに五億円程度の減収額が見込まれる。」というのは、切り離してあるけれども、これはどういうものをさすのかということを私は聞いているのです。
  130. 細郷道一

    細郷政府委員 閣議の決定と事務の段取りのズレが若干ございまして、資料として備考に書くようなことになりました点は、若干私どもの不手ぎわでございますが、御提案申し上げたものに相当する減収は、その五億円を加えたもの、こう御了解いただきたいと思います。
  131. 秋山徳雄

    ○秋山委員 さっきのあなたの御答弁によると、何かもう自分たちがきめたものは変えないのだという方針が一貫されているように思いますけれども、閣議で言われた場合はこれはやむを得ない、上から押しつけられたものは、しかたがないから涙をのんで承服しなければならないというふうに受け取れるわけです。ところが私たちが言うことは、もう一向考える余地がないのだというふうに受け取れますけれども、そういうことではけしからぬと私は思うのです。やはりあなた方が人さまに言われようが、あるいはまた正しい事例として何かを見ようが、聞こうが、そういうことでもって反省するべきものがあったら率直に反省しなければならないのではないかと思いますけれども、何かそういう態度がとられておらない、こういうことに私は非常な不満を感ずるわけですが、そういうふうに私が理解してよろしいかどうか、念のために聞いておきたいと思います。
  132. 細郷道一

    細郷政府委員 そういう点につきましては、従来からも十分反省を加えて、いろいろな面の考慮を加えて、私どもも税制改正その他の作業に当たっておるつもりでおるのであります。なお足りません点は、十分気をつけてまいりたいと思います。
  133. 秋山徳雄

    ○秋山委員 けっこうな御答弁をいただいて感謝をするわけでありますけれども、そういうことになりますと、先ほど来私が申し上げましたように、軍人軍属といえどもほとんどいただいた給料は全部その地区で費消してしまう、これが通例のように思います。こういう人たちは、たまたま寄港してくる人たちであって、帰れば、その人たちの口を通じて、あるいは体験談として、話題の中から、日本という国はこういう国なのだ、ぜひ一ぺん行ったらどうかという勧奨がなされるのではないかと思う。そういうことを考えますと、やはり観光問題としてもかなり大きな力となってくるのではないかとも思います。そういうことの上に立って、先ほど申し上げましたように、こういう方々にもこの適用を与えたらどうかと思いますが、これに対しての御意見をお聞きしたいと思います。
  134. 細郷道一

    細郷政府委員 先ほどお答えいたしましたように、観光政策の適用を受けます人の限界をどこに置くかということは、いろいろむずかしい点があるわけであります。一般に軍人軍属は、観光目的で日本に来ているというふうには見られないのではなかろうかという私どもの判断によりまして、今回こういうような措置をいたしたわけでございます。
  135. 秋山徳雄

    ○秋山委員 これはいろいろな言い方があると思いますけれども、現在のように平時の場合に来る軍人さんというものは、戦争目的で来ているわけでもなし、特別の軍務があるといえばあるかもしれないけれども、そうではないような心持ちもいたしてまいります。そしてまた、この人たちが、たとえば横須賀に寄港した場合には、横須賀を中心として鎌倉を見に行き、あるいはまた横浜を見に行き、東京に遊びに来る、こういう人たちもかなりたくさんあろうかと思われるわけです。こういうことを考えたときに、この人たちだけを除外するということは、何か納得しかねる面がありますが、こういうことについてあなた方としてもう一度考慮をするというお考えはありませんか。
  136. 細郷道一

    細郷政府委員 沿革的に申しますれば、軍人軍属についてはむしろ行政協定上別途の国内におきます各方面での扱いがなされておるわけでありまして、そういった総合的な面も検討してみないと十分な結論が出ないのではなかろうかと思いますが、今回料飲税について御提案申し上げておりますものは、先ほど来申し上げておるような考え方によるものでございます。
  137. 秋山徳雄

    ○秋山委員 いまの御答弁は、どうしてもそういうものについては考えないというふうな御答弁でありますけれども、いま、たとえば基地に属する人たちの話題の中ではどういうことが考えられ、どういうことが発言されているかということをあなた方は実際に知らないのじゃないかと思うのです。第七艦隊の人たちが何名いるか、あなた御存じですか。
  138. 細郷道一

    細郷政府委員 承知いたしておりません。
  139. 秋山徳雄

    ○秋山委員 何人おるかわからない、そういうことでは、私は地方行政に携わっている人としてはあまりにも不勉強ではないかという気もいたします。たとえば日本の国には基地が幾つあって、そこに年間何人くらいの人たちが入ってき、その人たちが給料をどのくらいいただいておって、そして国へ生活費を送る人がどの程度いて、どのくらいの金額になり、あるいはまた日本の国内で消費する人たちはどのくらいの人数があって、およそどのくらい使っているのだ。そしてまた、いま新聞紙上をにぎわしていることごとによれば、朝鮮事変当時は、日本には遊ぶところがたくさんあるのだといって兵隊さんが喜んできたそうでありますけれども、最近の例によりますと、最近では台湾にみんな遊びに行ってしまって、日本では遊ぼうとしないという人たちがたくさんあるということを聞いております。そういうことがやはり、税の面からいえば、いま話題になっております料飲税に関係があるということにもなりましょうし、あるいはその他の面において大きなお金が落ちるということにもなりましょう。私はおそらく日本に来る観光客の大半の人が使うお金と大体匹敵するぐらいのお金が費消されているのではないかと思いますが、そういうことについてお考えになったことはありませんか。
  140. 細郷道一

    細郷政府委員 相当の額の費消があることと考えておりますが、料飲税の面からも、従来特別な扱いをいたしておりませんので、具体的な数字としてそれらについての把握をいたしていないわけであります。料飲税の収入見積もりにおきましても、課税実績をもとにいたしておりますので、総合的にはそれらの中に含まれてきておるものと考えております。
  141. 秋山徳雄

    ○秋山委員 大体、こういう税ができた初めというものがどにあるかということになりますと、おそらく戦争中にできた遊興飲食税がもとで始まったものと思います。一時は、外国人といえども、全部対象になっておったのですが、これをまた一時やめてみたり、また今度取ってみたり、またやめてみたりというのが、いまの政府のあり方のような気もいたします。そうしますと、そのつど行なわれた段階において、歴史の過程において、当時税の対象となっておったときと廃止になっておったときと、今度取ろうというときとの計数を握らないであなた方が立案した、そこに無理があるのではないかと思いますが、そういうことをもっと強く言えば、一体お役所の人たちは、何を基本にして勉強し、そしてどういうことをつかんで税の対象として考えていくのか。その基本的な問題もあやふやになってくるのではないか。おそらくいままでの例からいけば、こういう税を取ろうとするには、どういう対象の人がどれほどあって、どういう形になっている、こういう人たちがこうであるということをあらかたつかんで、その計数をあらわしていくのが税のたてまえでもあるし、また税を納めていただこうという心持ちがこれのもとになる、こうも考えますが、最近においてはそういうことではないのですか。
  142. 細郷道一

    細郷政府委員 おっしゃるように、税制は社会、経済の各方面にわたっておりますので、できるだけ各方面のデータを集めて、これを処理していかなければならないとたえず心がけておるのでございます。何ぶんにも事象がいろいろ各般にわたっておりますので、必ずしも万全を期し得ない部面もあろうかと思います。だんだんと御叱正によって私どもも勉強してまいりたい、かように考えておるのでございます。  なお、今回の外客の料飲税の減収見込みにつきましては、先ほど申し上げましたように、明年度日本に来るであろう外客の数を基礎にいたしまして、計算をいたしましたのでございます。
  143. 秋山徳雄

    ○秋山委員 いろいろ言い回しもあるでしょうけれども、私がこの委員会で聞いてみても、当局の知らないことばかりなんですね。私も知らないから聞いているのですけれども、あなた方も知らないことが多過ぎるのじゃないかと思います。そういう勉強の範囲の狭いものを基調として税のたてまえを考えられて、どんどんいやおうなしに徴税されるということでは、住民ほど迷惑をするものはないのじゃないか、私はこうも思います。少なくとも私どもは、そういうものを考慮に入れて立案をしなければならないことだと思います。いまここであなたにそんな無理を言ったところで、そこまで勉強していないのだと言われれば、やむを得ないことかもわかりません。  先ほど来の質疑の中にもありましたように、いまキャバレーとかあるいはバーだとか、そうした飲食居に類するところ、こういったところでは、サービス料幾らであるとか、あるいはまたショーの代価が幾らであるとか、そうした区別はなくて、そこの店の施設に見合った料金を考えてものを売っているということが常識ではないかとも思います。その中で、今度はこうした特定な税の処置を行なうわけですけれども、先ほど来意見がありましたように、これについての議論の中でも何かいただけないものがあるわけです。たとえばこれだけの施設の中で、毎月ショーに使う金がどれほどかかって、そしてまたウエートレスをどのくらい置いて、あるいはホステスをどのくらい置いて、だからうちは一ぱいのウイスキーが幾らいただかなければそろばんが合わない、そういう計算をしておるのが業者だと思います。その中において、あなた方がこれはこれ、あれはあれといって、分けて税の対象としておるというところに大きな無理があろうかと思います。税を取り立てるための法律ですから、あなた方が立案をしたときに、公給領収証方式と申しましょうか、書式と申しましょうか、そうしたものもすでにお考えがあると思いますが、その様式をお示しいただきたいと思います。
  144. 細郷道一

    細郷政府委員 公給領収証の様式については、現在地方税法の施行規則できめられておるわけでございます。いろいろな業態にそれぞれ向くような様式をきめておるわけであります。ただ、今回こういうことになりますれば、この様式に若干の手を加えていくか、あるいは課税部分非課税部分とを別個の領収書を出さしていくか、その辺についてはなおよく検討をしてまいりたいと考えております。
  145. 秋山徳雄

    ○秋山委員 先ほど来、華山さんとの間でいろいろ議論もありましたように、一体業者はどういうことで公給領収証を発行しているか。失礼なことを言うようですが、あなたは御自分のお金で飲み屋に行ったりしたことがないでしょうと思いますが、いま料理屋なんかに行ってごらんなさい、向こうでもって領収書が入り用ですか、と聞きますよ。大体領収書をいただいていくのは会社の人、会社から払う金、役所から払う金、こういうもの以外はほとんど公給領収証は持っていきません。これが実態なんです。だからいまこういう税を取り上げようとする人たちが、どれほど苦労をなさっておるか。都合によれば、おたくではいままでの関係からいって、このくらいが妥当と思うからといって、大体請け負い式の徴税をしておる、こういうことではないかと思いますが、こういうことはあなた方は実際に知らないのじゃありませんか。
  146. 細郷道一

    細郷政府委員 領収書ができましたのは、御承知のように、そういった請け負い課税式なものをなるべく廃止してまいりたいという方向でつくったわけでございます。いま御指摘のように、領収書を守らないところも現実にはあろうかと思います。しかし、そういうところはどしどし御指摘をいただきまして、私のほうからも注意をしてまいりたい、かように考えております。私も、現在の公給領収証制度自体が、一〇〇%行なわれておるとは遺憾ながら思っておりません。しかしそれだからといって、これをいまやめてしまったら、なおさら徴税吏員は苦労するのではなかろうか。さんざん議論の末に生まれた制度でございますので、現実に若干のひずみがありましても、むしろこれをもり立てる方向でひとつ御協力をお願い申し上げたいと思う次第であります。
  147. 秋山徳雄

    ○秋山委員 だからいま私が言ったように、公給領収証の新しい案ができていなければならないはずですよ。それでなくてもむずかしい税金なんであって、しかも今度は外国人の場合は、ここに書いてあるように、字句そのものでも、「旅館における宿泊に対しては、」ということですね。そういうことになると旅館でないところに泊まる場合がある。神奈川県などでは、オリンピックの期間中にはホテルや宿屋が足りないために、東京も一含めての話でありますが、そのために横浜港には船舶を係留さして、そこに宿泊をさせるわけであります。しかもその人員は二万人を予定しているということであります。そういうことになると、これは旅館ではありません、船舶の中であります。そうするとその人たちは税の対象にならなければなりません。こういうことについてどういうお考えを持っておりますか。
  148. 細郷道一

    細郷政府委員 料飲税の対象になりますのは一定の場所の特定な行為、こういう消費行為になっておるわけであります。旅館につきましては、旅館業法の旅館ということでございますから、御指摘のような船に泊まったりあるいは民宿をしたりというようなものは、もともと遊興飲食税の対象外のものでございます。
  149. 秋山徳雄

    ○秋山委員 そういうことになりますと一方では軍人軍属は除外する、また一つには無理なオリンピックといっては語弊があるかもわかりませんけれども、それだけの施設のないところでオリンピックをやるので、これはやむを得ないことだろうと思うのです。そのために旅館が足りない、ホテルが足りない。それを補うために一定の期間中に船に寝泊まりをしていただく。こういう方については税を取り上げるということになった場合を考えたときに、その人たちはどういう感情を持ちますか。普通ならば観光客ですからできるだけ設備のいいホテル、旅館に宿泊をしたいでありましょう。それにもかかわらず、その願いもいれられない。それだけではなくして、そういうところへ入れば税金は免除をされるかもしれないけれども、逆に施設の悪いところに押し込められて、そして町の人たちからは、流されるふん尿で迷惑をさせてといって小言を言われたり、そういう人たちについては課税の対象になるのだということになれば、この方々は踏んだりけったりじゃありませんか。そういうことについてはお考えになりませんか。
  150. 細郷道一

    細郷政府委員 料理飲食等消費税は料理店、貸し席、カフェー、バー飲食店、喫茶店、旅館その他それらに類する場所における行為について課税されるわけでありまして、御指摘のような、船のことを言っておられるのじゃないかと思いますが、もし船のことでございましたら、これは遊興飲食税の対象外でございますから、そもそも課税とか免税とかいう問題は起きない場合になろうかと思います。
  151. 秋山徳雄

    ○秋山委員 そうしますと、船で自分が寝泊まりして、旅館にかわっているのですから、船業者はおそらく何かの名目でお金をとると思います。そしてまたその中で食事をとる人もあるわけであります。あるいはまたそこにおる人たちが、陸上に上がって他のところで食事をする場合もありましょう。あるいはまた旅館やホテルが足りないのですから、新聞紙上をにぎわしておるように民家に泊めてもいいことになるでありましょう。民家に泊まった人たちは、その人たちの犠牲において無料でお泊めするのかどうか、こういうことも疑問になってくると思います。おそらくこれらについてもやはり何分かの経費をいただかなければ追っつかないかと思います。そういうことを考えてまいりますと、この人たちだけがどうなってくるのか、これも考えがむずかしくなってくるのじゃないかと思います。船に宿泊をしていて、その船は出港もしないでその期間中係留をしているのですから、係留費も払わなければならぬでしょう。船会社もただではおそらく泊めないと思います。そういうことについて一体あなた方はどういうふうなお考えを持ち、どういうこの法律との関係が生まれてくるか、こういうことについての考えを聞きたいと思います。
  152. 細郷道一

    細郷政府委員 料飲税自体は、先ほど申し上げたような場所行為の限定がございますから、一般的に船、それも旅館業の船であれば別でございますが、普通の船ということでありますれば課税にならないわけであります。その間その船に泊まっておる人たちと船会社との関係は、これはいわば料飲税の対象外の行為の問題でございます。どういう便宜によってそこで泊まれるようになるかは、一般的には私どものこの税の外の問題でございますので、いろいろなケースがあろうかと思います。
  153. 秋山徳雄

    ○秋山委員 これには載っておりませんけれども、俗に言う待合とか割烹とかいうところも、旅館ではないかもわかりませんけれどもやはり宿泊ができると思いますけれども、そういうところへ泊まった場合も除外されるわけですね。
  154. 細郷道一

    細郷政府委員 宿泊につきましては「旅館における宿泊」となっておりますので、いま御指摘のようなそれ以外の場所で、待合等で宿泊行為がかりにあったといたしましても、それは免税になりません。
  155. 秋山徳雄

    ○秋山委員 だから先ほど来いろいろ議論がありましたように、遊興と飲食と区別するとかいろいろあろうかと思います。たとえば待合などにおいて日本人の招待を受けた、あるいはまた逆に日本人をお迎えした、そういう消費者の方があるかもしれない。そしてその方がそこで宿泊をする、こうした場合に、この特典を得られないということになります。だからむしろそれならば逆に旅館という字をとってしまって、宿泊または飲食ということにすれば、これも全部に拡大解釈ができるのではないかという気もいたします。だから当初私が聞きましたように、えてして税というものは、多少無理があってもとれるのだという心持ちで取り上げているのが現在の税金の仕組みのような気がします。しかしながら、こうしたものは一人でも多くの人たちに来ていただく、そのための特例なんだから、これは拡大解釈をすべきでないかという質問をしたのでありますけれども、それについてはやはり趣旨はそうらしいのでございましょうけれども、何か明確さを欠いておる。こういうことで、この税のむずかしさと問題点があろうかと思うのでありまするが、これらについてはもう少しわかりやすく、はっきりと区別ができるように御答弁をいただきたいし、先ほど申し上げましたように公給領収証もいままでのものをそのまま使うような御答弁でありますけれども、せっかくこうしたものが出た以上はこれに伴って、サービスとは何ぞや、そしてそれはどう扱うのだというふうなこと、あるいは余興のようなもの、こうしたものはどれほど、何%をもって認めるとか認めないとか、そういうことまで区別してかからないと、これは完全に近いという運用ができないのじゃないか、かようにも考えるわけですが、それらについてあなた方のお考えをもっと率直に聞かせていただきたい。
  156. 細郷道一

    細郷政府委員 遊興の行なわれる場所においては確かに遊興飲食等行為区分してまいらないと、今回の改正法案の適正な執行ができないわけでございますので、区分の方法といたしまして、あるいは領収証区分経理をさせるとかあるいは別個の領収証を出させるというような技術的な点については、本法の施行が七月一日ということもございますので、なおよく検討をして適正を期するようにつとめてまいりたいと思っております。
  157. 秋山徳雄

    ○秋山委員 まだ期限があるから検討していくと言うのだけれども、先ほど申し上げましたように立案をするからには、ある程度腹案というものがなければこれは無理ではないかと思います。特にまた、ナイトクラブとかキャバレーとかいうところへ行ってみますと、御存じのように、ウエートレスが、一々こちらから所望するとかあるいは所望される場合もあるでしょう、ダンスを踊ったりなどもいたします。それらは遊興なんだというお考えならば、これらははずしていかなければなりません。そうすると自分が消費した額の中から、先ほど申し上げましたようにそこの施設やすべての従業員の関係、こうしたものを何%か控除して考えなければならぬ計算になるのじゃないかと思うわけです。それでないと理屈が合ってこない。それに対して、それではこの店については何%はサービス業だということで控除しなければならぬ、このうちでは何%ということに、それぞれの規模やなにかに従って考え方を変えていかなければならぬということにもなろうかと思います。だから、府県なんかでは、御存じかもわかりませんけれども、議会へ依頼をして、議会人が実態調査をやっております。そうして、場合によっては、個々にもきめていかなければならない、こういう態度をとっておりますが、一体この委員会でもそういうことを行なうのかどうなのか、そういうこともついでに聞いておきたいと思います。
  158. 細郷道一

    細郷政府委員 私のほうで御提案申し上げております今回の法律が成立の暁には、その執行の適正のためには、いままで以上の十分なる調査をするといったようなことは必要かと思っております。  法案の御審議の過程におきます行き方につきましては、一切当地方行政委員会の御決定にまつ次第であります。
  159. 秋山徳雄

    ○秋山委員 いまの御答弁ですと、当局でもあまり実態を御存じないようですから、あなた方ももう一ぺん実態の調査をしていただきたい。私たちも委員長さんにお願いをして、やはりこういう問題が出たのですから、必要な個所を何カ所か見てみたいと思います。この点は委員長さんにお願いしておきます。同時にまた、先ほど話題になったように、基地の場所もあります。そういうところでもって落ちる消費金額、こうしたものは、できるだけ早い機会にお調べをいただいて御提示を願いたいと思います。  もう十二時半で昼飯の時間になりましたので、大体この程度できょうは打ち切っておきます。
  160. 森田重次郎

    ○森田委員長 栗山礼行君。
  161. 栗山礼行

    ○栗山委員 三十分ばかりお許しをいただきたいと思うのであります。  おそらく地方税法のこの問題は、私が九回のピンチバッターとしての役割を帯びておるかと思うのでございまして、そういう意味で荒っぽい議論でありますけれども、問題の内容別についてお尋ねを申し上げたいと思うのであります。その過程において、大臣がいらっしゃいませんから、ひとつ政務次官の政治的なすぐれた御発言をお願いいたすかもしれませんので、よろしくお願いします。  今度の市町村民税の問題でございますが、本文方式とただし書た方式の不均衡を是正するということで御提案になっておるわけでありますが、もとよりただし書き方式は、当局も地方財政事情からやむを得ざる処置として、これを指導されてまいったと思うのであります。今度は不均衡を正すということで、二カ年間において一本化するという作業で上程されたのでありますが、この問題は作業の関係において二カ年間という年限の定めを待つのか、あるいは財源的な一つの処置として二カ年間という形において是だするという内容をもたらすのか、もしくは事務作業の内容と財政的なものをあわせて考慮されて二カ年間という期限の限定をされたか、そこら辺をちょっとお伺いを申し上げたいと思います。
  162. 細郷道一

    細郷政府委員 当初考えておりましたのは、方式統一と税率の標準化ということを二カ年でいたしたい。二カ年にいたしましたことは、やはりそれの影響する範囲が非常に広い。財政的な面でも合わせて三百億というような減収を来たす問題でございますので、市町村財政への影響も非常に大きいじゃないか。いま一つは、方式税率の標準化と若干異質的なものが一ぺんに行なわれるという技術的な面もございまして、二カ年というふうに考えてまいったのでございます。結果、御提案申し上げておりますのは、その二カ年でやりますことは変わっておりませんが、御承知のように方式分について財政上に与える影響、国の財源、そういったような問題もございまして、方式部分についても若干区分をいたしておる次第でございます。
  163. 栗山礼行

    ○栗山委員 細郷さんの御説明では、なぜ二カ年になったのかという明確な理解をちょっとしにくいわけでありますが、端的に申し上げまして、これを二カ年でやらずに一年でやってしまうということが不可能な内容がございますか。
  164. 細郷道一

    細郷政府委員 不可能なことはございません。一ぺんにすることもできますが、やはり相当大きな減収を伴うものでございます。特にこれは全市町村にわたっている問題でもございませんで、それぞれの市町村にとってみればかなりの影響もございますから、二カ年くらいで行なうことが適当ではなかろうか、こういう判断をいたした次第でございます。
  165. 栗山礼行

    ○栗山委員 これはいろいろ御説明及び質問答弁の形で伺っておりますが、これからくる地方財政補てんといたしまして、五カ年間の補てん債及び交付税基準額のワク内においてこれを補てんする、こういうような内容を持っておるわけですか、いわゆるただし書き方式市町村において、五カ年間において不均衡の是正及び地方財政が困窮化しないという一つの見合いをもってこの五カ年間という定めをされたのであるか、この五カ年間の定め方、もっと卒直に言うなれば、五カ年間は地方財政について地方債と交付税によってこれを補てんしていく、しかし五カ年後において、これは何ものも与えられておりません。ただし書き方式のところは、行政執行においても地方自治体の財政状態から見てやむを得ずこのような二方式の悪い一面を採用しなければならないという、こういう経過において生まれてまいったと私は思うのであります。したがって、五年後に完全にただし書き方式地方財政が確立するという見通しでおやりになったのかどうか、この点をひとつ明らかにしてもらいたいと思うのです。
  166. 柴田護

    ○柴田政府委員 減税補てん債を五年間漸減方針をとりましたのは、やはりこの措置が一種の外科的手術というような役割りを持つので、いわば一種の激変緩和措置、こういう感覚で、一挙に減らさずに三年間漸減していくという形をとったわけであります。しかし、そのあとの措置か一面に明確でないじゃないかというようなおしかりももっともでございます。本来激変緩和の措置という立場からはそれだけでいいわけでございますけれども、しかし、地方財政の状況から言いますならば、先ほど私がお答え申しましたように、ただし書き方式をとっておる理由というものにいろいろ議論があって、私どもは基準財政需要額の算入不足分があるというふうに考えるのでありますけれども、それらのところを考えて漸減されてくる部分につきましては、逐次基準財政需要額の押入のほうに編入をしていく、こういう措置をあわせてとっていきたい、こういうことでこういう措置をとったのでございまして、主たる考え方はやはり激変緩和措置という考え方でございます。
  167. 栗山礼行

    ○栗山委員 御意見のほどはわかったのでありますが、どうも重傷患者に対する施策面としての内容づけにはならないわけですね。いろいろこういうただし書き方式のところは大きな激変がございますから、それについてのひとつ目薬をさしておこう、こういうことだけで、明るい地方財政の方向づけということをしていくのが本旨であろうと思うのでありますけれども、ほんとうは当面けがしたらひとつヨーチンを塗っておけ、こういうことで、それがどのように悪化の方向をたどるかということについてはノータッチだ、大体こういうような考え方を持って取り組まれておるやに理解ができるのであります。やはりただし書き方式の激変緩和措置と、それと平常化における健全な方向づけということなくして、私はこのような激変に対する一片の処理だけで終わるということについては望ましい姿でないのじゃないか。くどいようでありますけれども、ひとつ名財政局長の正直な、将来の地方財政に暗い影響を与えない希望的意見等も含めてこれはひとつ御答弁をいただきたいと思います。
  168. 柴田護

    ○柴田政府委員 お話のような御疑問を持たれますのは、二割ずつ減っていくものについて具体的にどうするかという措置基準財政需要の算定上明確でございませんので、そういう御疑問を待たれるのはごもっともと思います。思いますが、私どもは先ほど来申し上げておりますように、本来激変緩和措置でありますならば、ほっておけばいいのでございますけれども、そういうわけにいかない、つまり今日のただし書き方式を連続してとっていかざるを得なかった市町村というものの実態の中には、やはり交付税の算定方式において背負うべき部分があるだろう、こういう感覚を私は多分に持っております。したがって、その減収補てんを一応されたあと、二割ずつ減ってまいります部分についてはやはり基準財政需要額の中にできるだけ吸収していく、こういう方向で措置したいと思っておるわけでございます。ただ具体的にどういう措置をするのだということになりますと、具体的の市町村についてどういう姿になっておるかということをやはり判定をいたさなければいけませんので、いまここでこういう方法でやるということを明確にできないのは、はなはだ残念に思いますけれども、そういうつもりでございますということを申し上げて御了承いただきたいと思います。
  169. 栗山礼行

    ○栗山委員 私は二つの問題があると思います。初年度の基準額に基づく五カ年間の漸減方代ということで、二カ年目にはこれがカンフル的要素を持たない、こういうことで財政困窮の方向をたどるだろう、こういうことと、それから激変緩和措置というほんとうの目薬でありまするから、五年後における地方財政がもっと悪化の状態になる。自然増とかそういうような姿においてただし書き方式地方財政が豊かになっていくというようなことは、おおよそそれはもう考えられないことでありますから、これらの問題をあわせてやはり検討をされる、あるいは御提案されるということが、やはり財政処理及び法改正の税制処置として好ましいことでなかったか、こういうような、まあ私、みずから結論を申し上げて、そして細郷さんと柴田さんの御答弁を伺いたいと思います。
  170. 柴田護

    ○柴田政府委員 将来これが地方財政にどういう影響を及ぼすかという問題につきましては、私どもは先ほどから答弁いたしておりますのは、現行制度というものを基礎にして、現行の地方財政需要の変転というものを基礎にする限りにおいては、こういう方法でやって処理できますということを申し上げておるわけでございます。しかしお話のように膨大な財政需要が起こってくかるもしれません、あるいは大きな税の減収というような問題が将来起こるかもしれません。そうなってまいりますとこれは地方財政全般の状況を見て、そして今日の税制がいいか、あるいは交付税率の税率が適正かという問題は、あらためて判断しなければいかぬじゃないか、そういう事態がくるかもしれぬということを否定いたしませんけれども、今日の財政需要の状態というものを考えてみますならば、まあまあこの程度で大体御心配なくいけるんじゃないか、こういう判断に立っております。もっとも財政需要は無限でございますから、欲をいえば切りがございません。しかしながら今日置かれております膨大な財政需要の前に、国、地方を通ずる租税負担ということを考えますと、いろいろ諸般の情勢を考えた結果はそういうことになるんじゃなかろうか、かように考えておる次第でございます。
  171. 栗山礼行

    ○栗山委員 時間がございませんから、柴山さんと私の思想的な基盤が若干違うと思うのでありますけれども、私の指摘いたしました点をやはりよく考慮して、今後の施策の方向に誤りない努力をひとつお願い申し上げてこの問題を打ち切りたいと思います。  柴田さんにちょっとお伺いいたすのでありますが、直接の関係ではございませんけれども、市町村民税といわゆる国民健康保険との一つの関連でございますが、現在の時点においても国民健康保険——これは暴論に通ずると私は思うのでありますけれども、これは返上するということになり、あるいはまた被保険者に対する負担増を重ねてまいろうというような窮余の策としての意見が相当あがっておるやに思うのであります。今度の市町村民税がこのような方向をたどってまいりますと、健康保険の徴収率においてさらにまた悪化の情勢をたどっていく、こういう問題が起きると思うのであります。今度厚生省の提案されております。四十年度でありますか、オール七割納付の問題、こういうことになってまいりますと、これは保険の抜本的な解決の方向というものなり、今度の市町村民税の軽減による保険の低下及び七割給付の実施、こういうことに伴いまする負担増が相当伸びてまいる。こういうことについて、これはもう直接ではございませんけれども、地方財政に与える深刻な影響の内容等もあろかと思うのでありまして、これはもう関係当局と腕をふるって地方財政の確立の基盤の上に立って御検討いただかなくちゃならないと思いますけれども、この問題について柴田さんがどのように対処しようとしていらっしゃるか、これをひとつお伺いいたしたい。
  172. 柴田護

    ○柴田政府委員 お話の問題は、実は非常にむずかしい問題でございます。従来から議論のあるところでございます。私どもは今日の国民健康保険の立っておりまするいわば一種の社会保険的な考え方に立ちます限りにおいては、今回のような税法政正の姿をとっていかざるを得ないのじゃなかろうか、問題は社会保険的な考え方でこれが貫き得るものかどうか、社会保障的な考え方を入れていかなければならないのじゃないか、常にこれは争いのあるところでございますが、私どもは漸次社会保障的な考え方を入れていかなければいけない段階に来ておるの、じゃないだろうかという感じを実は持っておるわけでございます。現に国民健康保険会計の推移を見ましても、市町村のところでは、いまのところ、大きな市を除きまして小さな市町村にまいりますとほぼ収支均衡を維持しておるところが割合と多いのであります。しかしこれには給与水準の低下という事実のもとにおける収支の均衡という問題が一つある。しかし大都市になりますと、軒並み赤字になる。赤字のほとんどは、大体六、七割は五大都市の赤字だというような状況になってくる。そうしますとこの辺のところを一体社会保険という考え方で貫き得るのか、社会保障的な考え方を入れていかなければこの制度ができない、成立していかないのじゃないだろうかというような基本問題があると思うわけであります。これにつきましては、従来から厚生省当局ともたびたび議論を重ねておりますけれども、なかなからちがあかない。厚生省の中にもやはりさいぜん私が申し上げましたような二つの考え方があって、これが議論を戦わしておりますけれどもなかなか議論が尽きないというような状態でございます。私どもはいずれにいたしましても、これがほっておきますと地方財政の一般会計に及ぼす影響が非常に深刻になってまいりますので、何とか基本方向を明らかにして措置を講じてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
  173. 栗山礼行

    ○栗山委員 お説のような考え方でこの問題は、いまからひとつ十分の対処をして、少なくとも問題の起きておる、さらに問題を加えられようとする内容について、新しく地方財政負担増にならない、あるいはまたこれが被保険者の負担増にならない処置を、地方財政の行政的立場から検討してもらいたいと思います。  それから、先ほど市町村税をお尋ねした際、重要なことを私お尋ねすることを忘れておったのでありますが、今度は三分の一が地方交付税率の基準によってこれを地方自治体がまかなう、三分の二は地方債で、これを政府補償として認める、こういう処置になっておると承知をいたすのでありますが、いろいろ議論がございましょうけれども、私はずばり申し上げて、いわゆる一つの赤字公債じゃないかというきめつけの論点をかたく持っておるわけであります。これは地方交付税率の基準を引き上げて、一般財政からこれの補てんをするという一つの処置をなぜとれなかったのか、この点が非常に重大な要素を持っておろうかと思うのであります。赤字公債の悪例を残すということが一点。そうして交付税税率の引き上げというきわめて常識的な処置からはずれておるということについて御見解を承りたい。
  174. 柴田護

    ○柴田政府委員 赤字全部を補てんしなかったという意味におきましては問題だったかもしれません。しかし三分の二国が補てんをした部分につきましては元利補給をするわけであります。いわば一種の分割払いということで、赤字公債とは言えないんじゃないかと私どもは考えておる次第でございます。それから交付税の総額論という問題が一つございます。ございますが、この問題は分けて考えるべきじゃなかろうか。地方財政全体の姿から見て、財源が足りるか足らぬかという問題と交付税率の問題は結びつくのでございますけれども、このこと自信につきましてはいろいろ問題がございますが、なぜただし書き方式をとっておるかというところに議論の根底がある。地方財政の立場からいいますと、これには議論がございますけれども、一応基準財政需要額を算定をして、そして本文方式で算定をしておる。したがって、その限りにおいては一応相対的意味における基準ではございますけれども、必要な財源措置はしたというたてまえになっておる。したがって本文方式をとっております団体との均衡を考えてまいりますならば、そのオーバー分については地方団体でゆっくり始末すべきものかもしれませんけれども、一挙に始末するということになってくればやはり大きな影響を与えるので財源措置をとってやらなければならぬ、こういう考え方に立っておるわけであります。しかしこの問題を扱いました場合には、これは私の前職時代からの問題でございますが、いろいろ議論があって、なぜただし書き方式をとっておるかという原因の究明が非常に大事なわけでございます。この原因の究明をいろいろやりましたが、結局のところは地方財政要額の算定方法が罪をかぶるべきだというところも確かにあるわけであります。しかし一種の惰性的なものになっているところもないとは言えないわけてあります。これは争いをやっておりますと果てしないわけであります。そこでこの問題はある意味では、本委員会でございますのであけっぱなしに申し上げますけれども、その部分は問題が片づかないままになっておる。だから私は先ほど申し上げましたように、私どもといたしましては基準財政需要額の算定について罪をかぶるべき部分は確かにある、その部分については逐次直します。こういうことで申し上げておるわけでございます。
  175. 栗山礼行

    ○栗山委員 柴田さんと私は考えの基盤を公債論については異にいたします。あまりに事務的だと思います。三分の二を補償する補てん債として発行するのだから赤字の公債にはならぬ、こういう一つの事務的解釈やに承るのであります。しかし地方財政補てん財源として地方債を認める、そしてこれが元利とも補償債だということなら、その事実はまさしく赤字の公債でなくちゃならぬ、私はこういう理論展開をいたしておるのです。これは果てしない議論の様相になろうと思いますので、別の機会に一ぺん論争をさせていただきたいと思うのであります。  それから先ほどの激変緩和の処置という一つの理解はできます。一面また安易にあぐらをかいて徴税をやっておった、こういうことから惰性的条件がございますが、私が申し上げたいのは、やはりそういう地方財政に適正な財政指導をやっていって、今日の地方自治体を強化するという方向の一面をあわせてお考えにならなければ、そういう問題点が起こるのじゃないかという御警告を申し上げまして、ひとつ将来の地方財政に対する適正な財政指導の方向をお願い申し上げたいと思うのであります。  固定資産税の問題の一、二点だけ指摘をしてまいりたいと思うのでありますが、固定資産評価の設定につきましては、三十六年の十月の固定資産評価制度調査会の答申に基づいて今度の評価がえを実施されたと私は理解をいたすのでありますが、その当時の考え方というものはどこまでも適正評価であります。いまの時価主義ではございません。少なくともその評価が増徴につながらないというこの二点が柱になっておる調査会の答申であったと思うのであります。これについての見解を承りますことと、特に私の論点から申し上げますならば、いろいろな減税及び処置方策をとられておりますけれども、土地においては明らかに二〇%の増徴であります。そうすると今度の減税方策と答申との内容について一つの相矛盾する事実がここにあらわれてきておる。こういう事柄についてはどうも納得のできない問題があるわけであります。御見解を承りたい。
  176. 細郷道一

    細郷政府委員 課税標準に適正な時価を使うということが同定資産税のたてまえでございます。ただその適正な時価をどういう方法で求めていくかという評価の方法といたしまして、土地について売買実例価額というものを使うことになったわけでございます。その限りにおきましては御指摘評価制度調査会の答申のとおりでございます。なお、これを機会に増税をしないというのは、これも同定資産評価制度調査会で全体として増税をしない徴税をしろという御意見のようになっております。今回いたしましたのも、いわば固定資産税全体といたしましては、現行制度に伴います自然増収という範囲にとどまっておるのでございますので、これによって積極的な増税をはかるという意味ではございません。その点も答申に合致しておるものと考えております。
  177. 栗山礼行

    ○栗山委員 次の問題は、今度の登録税、相続税、贈与税という問題との相関連において調整策がとられておらぬのではないか、こういうことを本会議で御指摘を申し上げたのでありますが、これについて早川自治大臣が明確なお答えをされなかった経過があるわけであります。御承知のとおり、これの改定は関係諸税と資産評価課税基準とするという考え方に基づくのだと思うのであります。関係諸税の問題については、いろいろ税務署長の問題あるいは登録税につきましては登記官吏等の権限に基づく行使として、いまほんとう時価主義の方向をとられておるわけでございますが、そうだといたしますると、今度の関連税について増税的内容にならないかどうかということについて相当深刻な議論の展開があるわけであります。少なくともいままでの評価基準より、時価主義の方向によってとっておるから、今度の評価制度の立場において増税にならないとお逃げになる一つの論法と私は承知するのでありますけれども、そういう安易な見通しで地方財政を処置するところではない。こういう関連からいたしまして、やはり明確な地方税との関連において調整策をとって示さるべきが妥当な内容であったのではないか、こう考えるのでありますが、これについて一点も私が指摘いたします調整策というものはとれてない、こういうことについて御見解を承りたい。
  178. 細郷道一

    細郷政府委員 相続税も登録税も固定資産税もそれぞれ時価をとる、こういうたてまえになっております。ただその時価につきまして、固定資産税が特に土地等において非常に実際よりも低かった。ということは同時に相続税、登録税よりも低かった、こういうことであったのでございます。絶えずそれよりも低いということで実は指摘をされてまいったわけであります。今回固定資産税について新評価によってこの評価が上がったわけであります。いわば相続税、登録税の従来のあれに比べますと、それに近づいたというのが実態であろうと思います。  そこで今回相続税、登録税等は、原則的に固定資産税評価と合わせるべく、答申もございましたので、実は努力をいたしたわけでありますが、全面的にまだそこまで踏み切ることができませんでした。相続税、登録税は、従来のそれぞれの行き方を当面は踏襲することになろうと思います。その場合に相続税、登録税は、従来から固定資産税よりも評価が高かったのでありまして、こちらがむしろ近づくという行き方をとっておりました関係上、従来のペースを維持する限りにおいては、特にそこに急激な変動ということは考えられない、かように理解をいたしております。
  179. 栗山礼行

    ○栗山委員 この点についても私は細郷さんと見解を異にするのであります。これは一年間の実情把握において肯定できる。しかし一年間固定資産評価額を定めておるのに、時価主義の方向でいっている。今度の時価主義という状態になりますと、新しい評価基準に基づく一つ時価主義をとるということなら、その分だけが当然増徴につながるという危険なしとしない。そのことはわれわれの所管が違います。こういうような一つの論法で逃げられたら、これはもうお手上げなんでありまして、地方財政及び地方税法に直接間接関連する問題についての適正な調整策というものが、絶対必要であったのじゃないか。こういう点を指摘いたしまして、この点はやはり調査会の答申の線に沿って、大きな増徴にならないように、そうして適正な一つ基準に基づいて、今後のそういう関連税の増徴とつながる排除をやっていく、こういう努力を私はせっかくお願い申し上げまして、この問題を終えておきたいと思います。  次は電気ガス税の問題でありますが、この問題についてはいろいろ議論がございます。一面からいうと、これほど楽な税制度はないという議論で、この点について問題がございます。それからまた電気ガス税を何らかの財源転嫁をして、これを廃止すべきじゃないかという議論の問題がございます。これについてはいろいろ議論として、問題の成否を論及しなくちゃならぬ、こういうふうに思うのでありますけれども、とにかくいずれにいたしましても、いまの電気税が、今度三年間にわたる漸減方代をとっていらっしゃるというような事実、しかも免税点の問題につきましては、電力を中心といたしまして、ほとんど免税の問題であって、財源の内容は、いわゆる電力じゃなくて電灯である。こういうような数字がいまの自治省の資料をちょうだいいたしましても見ることができるのであります。したがって私は、こういう観点から電気ガス税というものは基本的に、抜本的にこの問題を検討するという事態に直面をいたしておるのじゃないか、こういう一つ考え方について、どのようにお考えになっておるかということがお伺いしたい一点であります。  もう一点についは、たしか昭和二十六年であったと承知いたすのでありますけれども、いわゆる俗に言う定額灯、こういうことで免税点を三百円という定めがいたしておるのでありますが、もはや十数年来、日本経済及び国民の生活が大きな変貌を遂げておるということは言うまでもないのであります。こういう私どもの見解から申し上げますと、少なくとも生活消費についての課税というものについては、これを改める方向をとっていかなくちゃならぬという基本的な考え方を持っておるのでありますけれども、それはともかくといたしまして、過渡期の処置として、私はいまの文化水準、単なる社会政策的な意味において、三百円の免税点を行なわれたという理解は、経過から見るとできないのであります。そういたしますと、日本の文化及び家庭水準の向上に伴って、そういう免税点の引き上げを大胆に行おうという一つの内容が過渡期としての望ましい処置ではないか、こういう私の意見を申し上げまして、この二点についてひとつ御明確なお答えをいただきたいのであります。
  180. 細郷道一

    細郷政府委員 電気ガス税については、御指摘のように非常に議論のあるところでございます。たまたま毎年一%ずつの軽減ということで、いかにも漸減方式方針としたような結果になりましたが、私どもとしては、実はそういう考え方は従来持ってまいっていないわけであります。しかしながら、このように議論が多いということになりますと、やはり一応安定させなければいけない、こういように切実に思っておるわけでございまして、これはできるだけ近い将来に安定させるべく十分検討してまいりたい、かように考えております。  実は免税点の問題は、三十六年に電灯についてだけ認められたわけでありますが、これをその後の情勢の変化で、どのように考えていくか、確かに一つの研究問題であろうと実は考えたわけでございますが、何ぶんにも電気ガス税全体の問題がいま御指摘のあったような状態にございますし、いま一つは、免税自体の設定後の電灯料金の動きも、割合としてはそう大きな割合でないといったようなこともございまして、反面定額電灯、いわゆる証明用の生活必需的な部分、定額電灯の家庭につきましては、八割ないし九割近くのものがこれによって処理をされておるといったようなことで、実は今年は見送りをいたしたわけでありますが、電気ガス税の根本的検討の際には、当然この問題もあわせて取り上げてまいりたい、かように考えております。
  181. 栗山礼行

    ○栗山委員 私は今度の機会をとらえて、せめて過渡的処置として免税点の率の引き上げ、こういうことを強く望んでおったわけでありますけれども、ニュアンスの相違でありますから…。この問題は基本的な一つの態度の中に、今日こういうような一つの矛盾した文化、産業生活の高まった時代に処する問題としては、あまりに免税額というものがずれておる。こういうことで、せっかく期待申し上げておるような内容の方向づけをお願い申し上げたいと思います。  それから軽油税の問題でありますが、これはずばり申し上げまして、道路歳暮五カ年計画、こういうふうなことと、それに伴いますガソリン税の大幅値上げ。また関連いたしまして地方税一つの種類に入っております今度の経由税の引き上げというようなこと。しかも大幅に上げられておるということでありまして、私はこれは多く議論する必要がない。いろいろな影響面は、日本における内燃機産業が相当深刻な打撃を受けるということが一点。それからバス、トラック及び重量物運搬におけるこれが利用度が約半分を占めておるということでありますから、これは少なくとも物価安定の抑止政策と相矛盾する悩みをこういう方向でとってまいる、こういうふうな内容を持っておろうかと思うのであります。こまかく申し上げましたら、これは石油業者の切実な意見を伺いましても、これによります管理、経営の費目が増大するということで、反対の論点を持っておるやに思うのであります。その他多くの弊害がございますが、こういうようなことまではここで言えませんけれども、安易に道路整備計画及びガソリン税の値上げに便乗して、この軽油税の値上げをするということは、地方税の方面としては望ましくないという考え方を私は強く持っておるわけであります。結論を申し上げますと、細郷さん、これは悪政にあらゆる点から通じますから、これはひとつ全面撤回するという御意見を持って、この問題に対処してもらいたいという希望を持っておるわけであります。そういった要望等も含めてどういうふうにお考えになっておるか、ひとつお答えをいただきたい。
  182. 細郷道一

    細郷政府委員 せっかくの御意見でございますが、やはり軽油引取税は、一つには揮発油との均衡の問題がございます。また、諸外国におきましても、道路財源として占めておる地位の低さというふうな問題もございます。また、現実の問題として、国、地方を通じまして、現在道路に力を入れるということは、いまや全面的な世論であり、要望である。それらに対する目的財源としての占めております地位にもかんがみまして、今回、わずかではございますが、引き上げをお願いいたしておるような次第でございます。なお、これの影響等も検討いたしまして引き上げ率もきめてまいったような次第でございます。
  183. 栗山礼行

    ○栗山委員 私の意見を申し上げておきましょう。これは一つの便乗増税なんですよ。それからガソリン税の引き上げというものは、目的税のみによって日本の国土開発につながる道路整備計画なんてお立てになることがナンセンスでありまして、基本的にはやはり一般財源からそういう大きな国策的条件としてこれに取り組むということで、もし大きな長期計画の中において一般財源でこれを補てんすることができないという場合において、これに対する限定処置として赤字公債をもっていかなければ、道路問題は解決しない。こういう基本的な考え方を持っておるわけでありますけれども、それの是非は別にいたしまして、こういう一つの制度的なものは日本の政治施策の一環から考えるべきだ、こういうことで、この問題も私の考え方の一点を加味して御検討をわずらわしておきたいと思うのであります。  金子さんにちょっとお尋ね申し上げたいのですが、飲食税の問題でございます。これについてもつっぱねて逃げる、こういうようなことについて、これは失政、と国民の怨嗟の中心になるのじゃないかということを私は憂えておるものであります。やはり純然たるすしや米というような大衆の、一面素朴なうるおいと、飲食をするということについて、原則的に言うと、こういうものに課税をするということは、いまの政治の姿勢からいきますと、大衆課税というものをどのようにして排除するかという方向からは、およそ離れておると思うのであります。基本的には撤廃の方式をとるべきである。しかし、その過渡期としては、今日円の価値というものがだんだん低くなっておりますので、素朴な慰安のために、ビール一本飲んで、すしを少し食い過ぎたというと、課税の対象になるということでございますから、この問題はやはり免税点の引き上げ等を行なって、大衆課税の撤廃の方向に持っていくという政治家としての姿勢の方向が望ましい、私はこういうふうに考えるのでありますが、これが一点であります。  それから外人の料飲税の問題については、多くの問題を投げかけておりまして、細郷さんは貝の口をあけてお答え申そうという内容が一点としてなかったので、はなはだ残念に思うわけであります。早川さんがいらっしゃれは、早川さんこそがこういう政治姿勢を正すべきトップバッターとしておやりになる問題だ、私はこういうふうに考えておったのですが、幸いに金子さんがいらっしゃいますから、お伺いをいたすのであります。  これについては、いろいろな経過をたどってきた。二十二年の十一月の経過から、これが一部の免税をやられたり、あるいは全免ということをやられたり、あるいはまた、その経過において、ほうはいたる世論の反発にあうというようなことや、あるいはまた、税制査会の総会で、こういうようなばかなことあるかということで、反対が強く出まして、これを撤廃するということになってまいったのでありますが、たまたまオリンピックをとらまえ、あるいはまた、外国で日本のホテル、料飲の値段の高さというようなものが指摘されて、そして業者がこれをどう隠れみのとしてやってまいるか、こういうような、時を同じゅういたしまして、これは閣議決定に至るまで、複雑な様相があったと思うのでありますけれども、何か業者の強い圧力で、これはむしろ自民党さんの三役に伺うのが一番適正かもしれないことを伺うのでありますけれども、まさか参考人にここへ呼んでというようなこともお認めにならない、こういうふうに思うのでありますが、外客の料飲税の非課税には多くの問題がございます。私はそれを一々指摘したいと思うのでありますけれども、時間がございませんのでやめますが、これほど卑屈な処置はありません。特に日本は開放経済になって、観光政策の重要性が考えられましょう。あるいはまた、国際収支の是正という痛切な問題につながる問題でありますが、これは観光政策をどうするか、そうして、外人誘致のそういうホテル関係を、どのような格好でやって国際収支の改善に資するかということについては、別な大きな観点からこれの政策論議をして方向づけていかなければならぬ、こういうふうに考えるのであります。しかるに、地方税でありますこの問題を、閣議決定をして、そうして当分の間免税だ、こういうことについて、金額はともかくといたしまして、あまりにもかくれみので卑屈な決定をされた、こういうふうに私は解するのであります。少なくともこういう問題は、日本国民の独立的な意欲及び国民的プライドがこれを許さない。依然としてそういう従属的な、あるいは卑屈な思想の上に立ってこういうような措置をするということについては、日本の国を憂えるという観点から立ちまして、この問題は、そういう政治論として展開をしなければならぬのではないか、自分ではこういう意見を持っているのです。だから、金子さんにいたしましても、早川さんにいたしましても、自治省がときの権力に屈するとか、閣議決定だというようなことでなく、多くの矛盾点を持っておりますこの問題について、やはりオリンピックについては、一つの国家的、国民的な行事として、国がこれに襟度を示すにはどういう施策をもってこたえるべきであるか、単なる一片の税金によって——外人は御承知のとおりビジネスであります。合理主義者でありまして、日本人のような考えを持っておりません。一片の税金が安くなったというようなことによって、観光政策につながるということは、ナンセンスでありますから、この問題はえりを正して、日本国民感情を反映して、日本人に、そういう卑屈な従属的な態度でなく、独立と民族的誇りを持たすということから、これはすみやかに撤回せよと、体を張ってでも強く皆さんと戦いたいという気持ちを持っております。あなたは政治家でありますから、細郷さんのような繁務的な態度でなく、政治的発言をして、早川さんと協力してこの問題を解決するという一つの襟度をお示しいただきたいと思うのであります。
  184. 金子岩三

    ○金子政府委員 後段の外人料飲税の免税の問題について、栗山先生の政治家としての御意見、まことに私も政治家としては同感でございます。ただ、御発言の中に、業界の強い圧力かあったとかいったようなおことばがあったようでございましたが、私は、そういう事実があったとは考えておりません。これは私事でまことに失礼でございますが、私もホテル業者の一人でございますが、この問題については何ら意見も聞かなければ、相談にもあずかっておりません。昨年ですか、この問題が取り上げられまして、前尾幹事長がここに出てまいられまして、いろいろ提案説明したあのころはちょっと私たちにも声がかかりましたけれども、このたびは何らそういう動きはしていないと私は心得ているのであります。したがって、その点は、栗山先生は少し思い過ごしじゃないか、純然たる経済問題で、大いにこの際外貨をかせごう、あるいは変わった面で観光客を多くしようという政治的な配慮からこういう措置がとられたものと、かようにお考えいただきたいと思うわけでございます。五百円の免税点がどうだろうかということは、これは五百円に免税点を引き上げてからまたしばらくしまして、ずいぶん酒は安くなっておりますが、ほかのものは高くなっておりますから、やはり食べものが値上がりしていけば、適当に免税点も引き上げるべきじゃないか、かように考えております。ただ、料飲税の根本の問題については、私も柴山先生と同感でございます。
  185. 栗山礼行

    ○栗山委員 たいへん時間が超過して恐縮いたしております。金子先生にどろを吐かすようなことは無理でしょう。ですから、残念ながらまた一つ点数をかせげないというようなことで私の質問を終わりたいと思いますけれども、要するに、今度の地方税法の改正というものが、シャウプの勧告以来の地方税の改正という大きな一つのとらえ方をされて注目いたしておりますが、総論、各論を見まして、これは問題でございます。そういう事務当局の考え方で、貝の口をあけないとか、政治の姿勢を明らかにしないということについては——私は少数党でございますから、多くの皆さんの意見についていきますけれども、おそらくこの問題はなかなか政府のお考えになっているように、審議が促進するということはない。何らか、やはり九回の裏で一つ点数を上げるという政治的処置を期待いたしまして、私の質問を終わることにいたします。
  186. 森田重次郎

    ○森田委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時二十二分散会