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1964-02-25 第46回国会 衆議院 地方行政委員会 第13号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年二月二十五日(火曜日)     午前十時二十六分開議  出席委員    委員長 森田重次郎君    理事 田川 誠一君 理事 渡海元三郎君    理事 中島 茂喜君 理事 永田 亮一君    理事 藤田 義光君 理事 川村 継義君    理事 阪上安太郎君 理事 安井 吉典君       大石 八治君    大西 正男君       奧野 誠亮君    亀岡 高夫君       久保田円次君    登坂重次郎君       村山 達雄君    山崎  巖君       秋山 徳雄君    佐野 憲治君       千葉 七郎君    華山 親義君       細谷 治嘉君    栗山 礼行君  出席政府委員         自治政務次官  金子 岩三君         自治事務官         (大臣官房長) 松島 五郎君         自治事務官         (財政局長)  柴田  譲君  委員外出席者         自治事務官         (財政局財政課         長)      岡田 純夫君         自治事務官         (財政局交付税         課長)     山本  悟君         専  門  員 越村安太郎君     ――――――――――――― 二月二十五日  委員栗山礼行辞任につき、その補欠として麻  生良方君が議長指名委員に選任された。 同日  委員麻生良方辞任につき、その補欠として栗  山礼行君が議長指名委員に選任された。     ――――――――――――― 二月二十四日  市町村民税減税補てん債償還費に係る財政上の  特別措置に関する法律案内閣提出第一一〇  号) 同日  公給領収証使用義務制廃止に関する請願古川  丈吉紹介)(第五四五号)  同(井村重雄紹介)(第五七六号)  同(小川平二紹介)(第五七七号)  同(押谷富三紹介)(第五七八号)  同(四宮久吉紹介)(第五七九号)  同(福田赳夫紹介)(第五八〇号)  同(山口喜久一郎紹介)(第六二五号)  同(岩動道行紹介)(第六四五号)  同(茜ケ久保重光紹介)(第七〇五号)  同(野原正勝紹介)(第七〇六号)  同(逢澤寛君紹介)(第七八二号)  同(上村千一郎紹介)(第七八三号)  同(小川半次紹介)(第七八四号)  同(小沢辰男紹介)(第七八五号)  同(大久保武雄紹介)(第七八六号)  同(淡谷悠藏紹介)(第七八七号)  同(神田博紹介)(第七八八号)  同外二件(菊池義郎紹介)(第七八九号)  同外一件(倉石忠雄紹介)(第七九〇号)  同(砂原格紹介)(第七九一号)  同(田澤吉郎紹介)(第七九二号)  同外一件(辻寛一紹介)(第七九三号)  同(永田亮一紹介)(第七九四号)  同外一件(麻生良方紹介)(第八〇九号)  同外四件(稲富稜人君紹介)(第八  一〇号)  同(井谷正吉紹介)(第八一一号)  同外二件(玉置一徳紹介)(第八一二号)  同外五件(春日一幸紹介)(第八  一三号)  同(加藤常太郎紹介)(第八四一号)  同(木村武千代紹介)(第八七二号)  同(田川誠一紹介)(第八七三号)  同(小平忠紹介)(第八九〇号)  同外三件(鈴木一紹介)(第八九一号)  同外一件(永末英一紹介)(第八九二号)  大衆飲食に対する料理飲食等消費税軽減に関す  る請願登坂重次郎紹介)(第五七五号)  同(石井光次郎紹介)(第六四七号)  同(石田博英紹介)(第六四八号)  同(小川平二紹介)(第六四九号)  同外一件(岡崎英城紹介)(第六五〇号)  同(佐々木義武紹介)(第六五一号)  同(坂田英一紹介)(第六五二号)  同(進藤一馬紹介)(第六五三号)  同(砂田重民紹介)(第六五四号)  同(田中榮一紹介)(第六五五号)  同(内藤隆紹介)(第六五六号)  同外二件(中村梅吉紹介)(第六五七号)  同(永田亮一紹介)(第六五八号)  同(根本龍太郎紹介)(第六五九号)  同(古川丈吉紹介)(第六六〇号)  同(板川正吾紹介)(第七〇七号)  同(小川半次紹介)(第七〇八号)  同(島上善五郎紹介)(第七〇九号)  同(原茂紹介)(第七一〇号)  同(小沢辰男紹介)(第七六五号)  同(五島虎雄紹介)(第八〇七号)  同(門司亮紹介)(第八〇八号)  評価改定による農地固定資産税に関する請願  (池田清志紹介)(第六〇九号)  地方交付税離島補正制度確立に関する請願(  池田清志紹介)(第六一〇号)  奄美群島振興計画の樹立に関する請願池田清  志君紹介)(第六一一号)  バー業種法的独立規制並びに営業時間延長に  関する請願亀山孝一紹介)(第六四六号)  同(赤城宗徳紹介)(第七五四号)  同(大泉寛三君紹介)(第七五五号)  同(岡崎英城紹介)(第七五六号)  同(加藤高藏君紹介)(第七五七号)  何(亀山孝一紹介)(第七五八号)  同(菊池義郎紹介)(第七五九号)  同(四宮久吉紹介)(第七六〇号)  同(塚原俊郎紹介)(第七六一号)  阿(中村幸八君紹介)(第七六二号)  同(橋本登美三郎紹介)(第七六三号)  同(増田甲子七君紹介)(第七六四号)  農地の新評価方式による課税に関する請願外一  件(舘林三喜男紹介)(第六六一号)  同外一件(大坪保雄紹介)(第七六六号)  同外十二件(井手以誠君紹介)(第八〇六号)  同(三池信紹介)(第八七四号)  市町村民税制度改正に伴う減収補てんに関す  る請願池田清志紹介)(第七一四号)  地方議会議員退職一時金制度の実現に関する請  願(齋藤邦吉君他一名紹介)(第七三二号)  地方公務員定年制実施に関する請  願(齋藤邦吉君 他一名紹介)(第七三三号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 二月二十四日  工業用水道事業の起債わく増額に関する陳情書  (第一四号)  固定資産改正評価制度に関する陳情書  (第一五号)  同(第一六号)  同(第一七号)  同  (第一八号)  同(  第一九号)  同  (第二〇号)  同(第二一号)  同(第二二号)  同(第二三号)  同  (第二四号)  同  (第二五号)  同(第二六号)  同(第二七号)  同(第  二八号)  同(第二九号)  同(  第三〇号)  同(第二〇三号)  同(第二〇四  号)  同(第二〇五号)  同(  第二〇六号)  同  (第二〇七号)  同(第二〇八号)  同  (第二〇九号)  同  (第二一〇号)  同(  第二一一号)  電気税の撤廃に関する陳情書  (第三一号)  地方公務員法の一部改正に関する陳情書  (第三二号)  住民税課税方式統一に伴う減収補てんに関す  る陳情書  (第三三号)  同  (第二一二号)  県民税交付金増額に関する陳情書  (第  三四号)  地方自治確立に関する陳情書  (第三五号)  大都市財政確立に関する陳情書  (第三六号)  都市交通危機打開に関する陳情書  (第三七号)  国、県の委任事務経費増額に関する陳情書  (第三八号)  国の委任事務改善に関する陳情書  (第三九号)  地方税制度改正に関する陳情書  (第四〇号)  住民税改正に関する陳情書  (第四一号)  住民税徴税事務費交付金増額に関する陳情書  (  第四二号)  都市財政確立等に関する陳情書  (  第四三号)  地方公務員給与改定に伴う財源措置に関する  陳情書  (第四四号)  同  (第四五号)  一般補助事業債制限引き下げに関する陳情書  (  第四六号)  交通安全保持のための経費国費負担に関する陳  情書  (第四七号)  消防関係法定基準改正に関する陳情書  (第四八  号)  改正地方税法早期公布に関する陳情書  (第四九  号)  電気ガス税の改廃に関する陳情書  (第五  〇号)  県立高等学校施設建設事業財源措置に関する  陳情書  (第一〇  八号)  水道事業に対する起債わく拡大等に関する陳情  書(第  一九九号)  山村後進地域振興対策に関する陳情書  (第二一三号)  地方議会議員共済会の一時金制度確立に関する  陳情書  (第二一四号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  地方交付税法等の一部を改正する法律案内閣  提出第九二号)      ――――◇―――――
  2. 森田重次郎

    森田委員長 これより会議を開きます。  地方交付税法等の一部を改正する法律案を議題とし質疑に入ります。質疑の通告がありますので、順次これを許します。大石八治君。
  3. 大石八治

    大石(八)委員 地方財政計画に関する自治大臣説明の中に、今度の財政計画地方行政水準を上げること、地域開発の促進、それから地域格差是正という点を三本の柱にするということで説明されているわけでありますが、そのうちの地域格差是正というのは、おそらく地方交付税の中で解決することを主として考えているんじゃないか。それを交付税の中でどのような点で是正をしようとしているかを具体的に御説明を願いたいと存じます。
  4. 柴田譲

    柴田政府委員 お話のように地方財政計画策定方針の中にあります地域格差是正という問題は、地方交付税法改正と、それから現地債の充実、この二つでございます。  地方交付税法改正点につきましては、一つ市町村基準税卒を、現在七〇%でございましたものを七九%に引き上げております。こういたしますと、基準財政需要増額と相まちまして、財政力の非常に貧弱なところに交付税が流れていくことになります。それは第四条の改正でございます。  第二点は、態容補正係数の十種地以下の差をなくする作業を計画的に進めてまいりまして、それを来年度もさらに推進する。大体昭和四十年度で十種地以下の態容補正係数が同じようになる、こりいうことになろうかと思います。  それから第三点は、市町村につきまして島嶼その他隔遠地にあります市町村行政経費につきまして、隔遠地補正制度を置きたい、こういうことでございます。この第二点の態容補正格差の縮小の問題は、直接交付税法にあらわれておりません。隔遠地補正の問題につきましては、第十三条の改正でございます。  なお七〇%を七五%に引き上げますことによって、基準財政需要額増加を求め得ます額は、交付団体計算で約百六十億円、態容補正計算方代によりますと、交付税増額が考えられます額が約六十億円でございます。  隔遠地補正につきましては、現在いろいろ資料を集めて、ながめて算定をいたしておりますので、係数補正係数でございますので、固まっておりませんが、およそ三億ないし五億程度を考えております。
  5. 大石八治

    大石(八)委員 財政計画の問題と交付税の問題は、関連いたしておるように思います。ことに交付税算定の場合になってきますと、財政計画というものは一応順調な計画のように出ておりましても、実際がそうなるかというと、単位費用等関係で、政府が出しました計画どおりに私はいきにくい点があるのじゃないかというふうに感じますので、この場合そういう観点から少し質問をしたいと思うのでありますが、今度の三十九年度地方財政計画によりますれば、税収入増加をされておりまするし、また交付税総額も、パーセンテージは全体の中で減っておりますけれども、ふえている。それから単独業等もかなり数字的に、前年対比では三五%幾らというふうに増加を見ていますので、何となく形は余裕ができた、財政全体として、地方財政健全化されていくというふうに実は見ておりますけれども、実際には市町村なりあるいは府県等におきましても、それほど形で見えるように実は余裕があるのではないというふうに私は考えられるわけであります。そうなっている原因というものは、それぞれいろいろこまかい部分に理由があると思うのでありますが、一体その原因というものはどこにあるのか、またどういう事情なのかという点について、この際少しお伺いをしてみたいと思います。
  6. 柴田譲

    柴田政府委員 お話のように、財政計画算定ベースは、単年度収支ベースでございます。したがいまして、繰り越し事業関係は一切含みませんし、剰余金計算も含まないわけでございます。しかも標準的な規模で行なわれる場合の計算をしておるわけでございます。たとえば給与関係経費で申し上げますならば、地方公務員国家公務員でありせば幾ら給与になります、こういうことで計算をいたしておりますので、現実計算とは違ってくるわけでございます。率直に申し上げまして、この財政計画は、従来に比べますれば、税収入関係等もございまして、お話のようにその歳入構成から見ましても、非常に健全化が促進されておるわけでございます。しかし現実地方財政というものを考えてみます場合には、これは一つ指導方針ではございますが、実際にはこのとおりいかない町がお話のように多々あるのでございまして、一般的に申し上げますれば、地方の第一線では立ちおくれております。行政施設水準というものの引き上げ要請が非常に強い。特に交通通信が発達してまいりますと、行政施設水準均等化要請というものが非常に強くなってまいります。したがって、施設を更新しろという住民要請が非常に強くて、そのために必要な単独事業が行われる。またその計画では、国庫補助負担事業に関連いたしますものは、国庫補助負担金算定単価対象基礎にして計算いたしております。ところが現実には、先般来いろいろお話がございましたように、継ぎ足しの経費が必要になってくる、あるいは単価が低いために、単価是正をやらなければいかぬといったような問題も出てくる。そういうものは、実際問題としましては、この国庫補助負担を伴う事業には上がってこない。したがって、それは一般行政水準というものから申しますれば、国庫補助負担金を伴わない行政経費で申し上げますならば、国庫補助負担金を伴わないいわゆる単独事業にあらわれてくる。つまりここで予定している単独事業が、そういう面からある程度食われるということになる。そうしますと、その間にその二つ要請等が加わりまして、現実要請に対しては相当楽観的な見通しを持つわけにいかないということが一つ言えるかと思うのであります。  もう一つは、毎年相当大幅な給与改定がここ数年来行われております。しかも年度中途に行なわれます。これもこの前委員会で御質問がございましたが、年度中途に大幅な給与改定が行なわれますと、その財源の合理的な配分ができませんので、財政的にはゆがんだ規模ができ上がってしまう、こういう問題がございます。  それから最近の特殊な例としましては、高等学校等の問題によって非常に急速な財政需要があるといったような問題、さらにもう一つどもとして非常に関心を持っておりますのは、この中には公営企業への繰り出し金というものがある程度見込まれておりますけれども、そこの算定が、率直に申しまして必ずしも正確ではない。ところが公営企業本来から言いますならば、公営企業繰り出し金というものは、財政計画には、計上すべきものではございません。ところが地方公営企業が、御承知のように最近その経営が非常に思わしくございませんので、実行の過程における必要から、一般財源から相当程度繰り出し金を出さざるを得ないわけであります。  また国民健康保険会計につきましても、逐年合理化の努力をいたしておりますけれども、なおかつ大都市を中心にして国民健康保険会計が必ずしも望ましい姿ではない。それは結局一般会計からの繰り出し金によって補てんされてやっている、こういう事情がある。それが逆に財政計画でせっかく考えた一般会計健全化というものをゆがめてしまう要因ではないか。特に私どもは、その一番最後に申し上げました公営企業国民健康保険会計特別会計との関係、これを実は非常に心配いたしているわけでございます。
  7. 大石八治

    大石(八)委員 その問題は、あとでもう少し伺いたいと思いますが、いまの点で、財政計画決算の一面で歳出のことを主として申し上げた場合に、その計画決算の差というのは三十五、三十六、三十七もわかってくるときじゃないかと思うのですが、どのくらいずつ差が出てきているか、その主たる原因というものは、金の額でいえばどういう順位に、いまお話のありました給与等関係であるとか、あるいはその他のものが一番大きいとか、その点を少し明らかにしてもらいたいと思います。
  8. 柴田譲

    柴田政府委員 三十七年度決算計画との比較につきましてはいま分析をいたしておりまして、もう少し時間がかかりますので、分析ができましたらこの席でお話を詳しく申し上げられると思いますが、三十五年度決算では三千九百億円、三十六年度決算では四千八百億程度相違がございます。この相違のおもたる原因は、ベースが違いますので、算定ベースが違うことによります相違も当然でございますが、おもなるものはやはり給与費関係と、それから事業費関係——繰り越し事業でありますが、その関係、それから委託費とか貸し付け金、こういったものは現実財政計画で組まれております以上のものが行なわれております。特に年度内貸し付けといいまして、年度当初に資金を貸し付けて年度末に回収する、これは歳出歳入でまかなってまいります。こういった関係、それからいま申しました繰り出し金関係、その辺が大きな相違点でございます。
  9. 大石八治

    大石(八)委員 中には実質的には狂いではないようなものもあろうと思いますが、そのうち給与関係の問題というのは先ほど説明もありましたけれども、これは交付税が四月一日現在ということでやるからそういうふうになるのか。たとえば人事院勧告なりその他の勧告が出て、あるいは地方でいえば人事委員会といいますか、そういうものとの関連が出て、それは四月一日には算定がされないからそういうことであろうと思うのでありますけれども、しかしこのことはある程度想定され得る材料のような気が実はするわけで、四月一日ということで時点を限っても、平年行なわれるだろうというものというものは算定をしていくようにすることが、現実的な財政計画というものになるようにも思うのでありますが、この点に関しては、何らか考える余地はないものかどうか、お伺いいたしたいと思います。
  10. 柴田譲

    柴田政府委員 給与費が違いますのは、私の記憶がはっきりせぬかもしれませんが、たしか財政計画給与費がかつて問題になったことがございまして、昭和三十年でございましたか三十一年でございましたか、給与実態調査をやりました。この実態調査というのは地方公務員についての学歴それから職歴、経験年数等の悉皆調査でございますが、それに基づきまして、地方公務員国家公務員でありせば幾らもらうかという計算をやってみたのであります。そのときにわかった実態調査の結果を基礎にして計算をして、その中からそのときの人員を押えて計算をしておる。ところがその後におきましては、そのときに押えました給与ベース基礎にしてベースアップ計算をしている。つまりそのとき実際はたとえば三万円もらっている人でも、国家公務員でありせば二万八千円といいますと、二万八千円の計算をしている。それに俸給表改正に伴うベースアップ計算をしていく。したがってまた実際は一万五千円の人でも一万九千円もらうべきだという計算が出てくれば、一万九千円のベース計算をしているのでございます。それから毎年ふえますものにつきましては、計画的な増員計画によって計画に織り込んでおるわけでございます。狂いは、実際のベースというものと計画ベースというものの給与水準が違うことが一点、もう一つは、施設がいろいろできてまいりますと、公務員の数がふえてまいります。そこで施設に伴う増減員関係というものが、必ずしも計画実態とは合わない、その辺のところが重なり合ってかような結果が出てきておるのだろうと私は思うのでございます。この辺のところを洗い直す必要もございまして、三十七年度にもう一ぺん悉皆調査をやりましたが、その結果がことしの三十九年の秋が過ぎますれば出てくる。そうしますと、それに伴いましてまた必要な是正を行なう、こういうことになります。
  11. 大石八治

    大石(八)委員 そうすると主として原因というのは、国家公務員地方公務員ベースが違うというところにある。それから途中で増員の場合等がある。したがって年度途中のベースアップということはこの中では誤差の出てくる理由にはならない。
  12. 柴田譲

    柴田政府委員 給与費に関します限りにつきましては、御指摘のとおりでございます。ただ年度途中に給与改定が行なわれますと、すでに計画的な予算を組んで執行いたしておるわけでございますので、途中で財源のくめんをせなければいかぬ、そのために財政規模が不必要にふくれるということはあるわけであります。
  13. 大石八治

    大石(八)委員 またもとへ戻りますけれども補助単価が実際と合わないという点は、おそらくいままでの委員会等でもう御討議をされて、され済みだろうと実は思うのでありますが、この財政計画等をつくる場合に考えられましたいわゆる超過負担という額は、たとえば三十七年なり八年等でもいいのでありますが、具体的な数字でどのくらい超過負担という形になっているのかということをお伺いをいたしたいと思うのであります。同時に、そういうものは現実的に明らかでありますけれども関係各省との間におそらくいままでも交渉をされてきたことだろうと思うのでありますが、その交渉の成果といいますか、結果はどうなっているのかあるいはどういう経過の途中にあるのか、それから超過負担分というようなものを一体財政計画等では何らかの措置がされるのかどうか、この点をお伺いしたいと思います。
  14. 柴田譲

    柴田政府委員 先ほども申し上げましたように、単価につきましては国庫予算が一応きまっておりますので、その国庫予算単価によりまして計算をします。したがって、もっぱら国庫予算基礎になります単価について、現実に合わない面につきましてはこれを是正をしてもらうということで、もう長い間実は関係各省に話をし、大蔵省にもお願いをしてきたわけであります。確かに多少とも直っておりますけれども、もちろん問題は残されております。しかし財政計画を組みます場合には、その国の予算できめました単価というものを基礎にして、国庫補助負担金を伴いますものにつきましては算定をいたしております。したがってその足らず前というようなものになってまいりますと、勢い一般行政費の中で国庫補助負担金を伴わないもの、あるいは投資的経費の中のいわゆる単独事業というところに追い込まれることになるわけでございます。  なお、補助単価等改定状況を若干御披露申し上げますと、補助職員につきましての単価は、一番大きいものは保健所農業改良普及員生活改良普及員でございますが、三十八年度単価に比べまして、三十九年度は千九百十四円増、つまり医者で言いますならば——保健所医者でございますが、お医者さんが三十八年度単価は三万一千六百円、これは基本給でございます。それが三十九年度は三万三千五百二十円。その他の職員は三十八年度が二万七百九十五円。これに対しまして三十九年度単価は二万一千九百九十七円。農業改良普及員でございますれば、専門技術員の場合は三十八年度が三万二千四百七十五円、三十九年度が三万四千四百十五円。所長でございますと、三十八年度の二万四千四百七十円に対して、三十九年度は二万五千九百九十九円というような数字になっております。  また失業対策事業につきましては、労力費資材費事務費を入れまして、失業対策事業単価は三十八年度が五百九十八円五十三銭、これが三十九年度は六百五十七円八十五銭、九・九%の増加でございます。  それから施設関係では、公営住宅につきましては、一種、二種を通じまして七・五%から八・五%程度の間の増加率でございます。これは建設費でございます。  それから学校関係では、級によっていろいろ違いますけれども、大体五、六%から七%程度単価の改定が行なわれております。もとよりこれらの単価の改定では決して十分ではございませんけれども、現状におきましては徐々にではございますけれども、逐年、単価というのは合理的になってきているということは言えようかと思います。  なおそれで足らず前は、結局申し上げましたように、いわゆる継ぎ足し単独小業という形において是正をされておるということになろうかと思います。
  15. 大石八治

    大石(八)委員 その超過負担経費というのは、どのくらいになるかというのは——数字はわかりませんか。
  16. 柴田譲

    柴田政府委員 これはやや昔に一ぺん調べたことがございますけれども、なかなか正確に出てまいりません。あらゆる行政事務にわたるものですから、実際にどれくらいかかったということを調べなくてはならないのでありますが、正確にはつかめないと思いますけれども、大体学校、住宅、いまの改良普及員等おもなるもので、私どもは四、五百億円程度ではないかという推定をいたしております。
  17. 大石八治

    大石(八)委員 いまの説明で言います場合、もちろん単価の引き上げでいくことで努力している点は認められますが、結局見切れないものというものは、たとえばこの地方財政計画でいえば、一般行政経費で、(f)ということだろうと思うのですが、その他の一般行政経費というところでその分を見ているということに考えられますが、この(f)で見ているその他の一般行政経費というものは、それ以外に一体どういうものがこの中では想定をされているのか。  それと同時に、逆に今度は3の国庫補助金を伴わないものというので、普通建設事業費とか何かのほうへ回る分も考え、こっちへも残しておるのでしょうか。その辺の仕分けとか、一体どの程度をそれでは一般行政経費で見るというような何かやり方がきまっているのですか。
  18. 柴田譲

    柴田政府委員 お話の点は、建設事業につきましては、Vの投資的経費の中の3の国庫補助負担金を伴わない四千三百六十億というのがございますが、(ア)の普通建設事業費四千二百四十三億をこっちに回す、つまりこれは補助金のない建設費、たとえば単独でやります学校建築でございますとか、単独でやります住宅建築、あるいは単独でやりますところの道路の築造費、こういったものが、いわゆる単独事業といわれるのでありますが、この補助金を伴わない普通建設事業の中に入ってまいります。  それから先ほど御指摘のありました一般行政経費の中の(ア)の中の(f)でございますが、これは補助金を伴うものでございまして、この中に特記いたしましたもの以外のものでございます。たとえば私どものところにございます消防関係経費だとか、あるいはいろいろこまごました補助金がございますが、それに伴う経費でございまして、この説明書の中では九ページ以下に大体各省別に大ざっぱに補助金をあげておりますか、この中から生活保護費その他のいわゆる社会保障関係経費だけを特記をして、これに中小企業近代化促進費用を特記して、あとはまとめてここにあげた、こういうことになります。したがってこういうものに対しまする補助単価の不足分というようなものは、実際に行政を行ないます場合には、その中の(イ)の国庫補助負担金を伴わない二千八百六十七億円、この二千八百六十七億円の中で処理されることになります。本来、国庫補助負担金を伴わないものというのは、いわゆる旅費、物件費等の経費、それから一般事務費でございます。したがって、この中にはそういうものがおもでございまして、このほかに地方公共団体の独自の判断に立って行ないます事業費、たとえば貸し付け金でございますとか、出資金でございますとかいったものは、その中に入る。ここにあがっておりますものは、補助金を伴いますものにつきましては、補助金を基礎にして計算をしておりますので、補助金を伴わないものにつきましては、若干のふくらみを持たしておる。ふくらみを持たしておりますけれども、補助金の補助単価が過少でございますならば、ここに予定しておった補助負担金を伴わないところの経費でございますとか、あるいは建設事業の中の単独事業規模が圧縮される。それが問題になる、こういうことはあろうかと思うのでございます。
  19. 大石八治

    大石(八)委員 結局しわよせが、この(イ)の国庫補助金を伴わないもの、ないし建設事業であれば、3の(ア)の普通建設事業のほうへ入るということだろうと思うのですが、入るということを想定して、多少この点がふくらませてあるというふうに考えていいのでしょうか。
  20. 柴田譲

    柴田政府委員 これはある程度過去の実績を基礎にして包括的に計算をしておりますので、ある程度のふくらみも持たしておるつもりであります。したがいまして、十分であるかないか議論はございます。議論はございますけれどもお話のような考え方で算定をしておるわけでございます。
  21. 大石八治

    大石(八)委員 なお、これと関連するわけでありますが、県立の高等学校等の場合について、自治省等からそのことに関する市町村の負担を禁ずるような措置の通達があったわけでありますが、そのこと自体について、私は何もそのことが悪いとかいいとかいうことではなくて、いわゆる行政事務の明確化ということは、そのとおりだろうと実は思うわけであります。ところが、実際はそういうふうにいっているようには考えられない。したがって、やはり市町村等に相当の負担をかけていることだろうと思うのです。そういうものは、自治省体が通達をしているわけでありますから、市町村に対する財政計画の中には入らないと思うのでありますけれども、実際問題として、たとえば、三十七年なり三十八年なりには、どのくらいこういういわゆる制度外の負担といいますかをさせておるのか、その点をお伺いいたしたいし、また、実はこういうことをするのなら、国の制度としてそういうことをいたしておりますなら、国立大学の場合とか、あるいは司法関係等施設をつくらせる場合については、同じ趣旨が貫かれなければならないと思うのでありますが、これは何か当然のごとく府県なりが持たなければならぬというような形で堂々と、と言ってはおかしいが、地方負担に実はさせている点がありますが、これは地方から見れば非常に不満であります。自治省の言うこと自体が別にどうこうはなくても、政府という立場で府県なり市町村に言ってまいります場合は、支離滅裂といいますか、統一思想でないように実は思われるわけであります。こういう点は、地方財政の全体の計画の中には非常に大きい問題で、これはもう具体的に申し上げる必要ないと思いますが、こういう点に対してもどういう処置をされているか、お伺い申し上げたい。
  22. 柴田譲

    柴田政府委員 府県が市町村によけいな負担を求めますことの是正、国と地方団体との間の負担の是正という問題は、お話のように地方財政にとっては非常に大きな問題でございまして、地方財政法という法律がありまして、その中には負担区分の原則が書いてございますが、実際にはなかなか行なわれない。しかしながら、私どもといたしましては逐年その適正化に実はつとめてまいったつもりでございます。いわゆる国立高専の問題にいたしましても、また高等学校の問題にいたしましても、それぞれ関係者の注意を喚起し、是正につとめてまいったのであります。高等学校の問題につきましては、昨年でございましたが、法律をもって地方財政法を改正いたしまして、そういうような負担金をとってはいけないという措置が講じられたのであります。ただそれが、三十九年度から実施に移されるということに相なっております。私ども調査では、三十七、八年とも大体三十三、四億程度の負担が、府県立町等学校につきまして市町村に求められております。財政計画算定のところでは、府県、市町村突っ込みでございますので、その計数は具体的には出てまいりません。しかしその辺を顧慮いたしまして、地方交付税法改正に際しましては、府県につきまして町等学校の単位費用の合理化をはかりまして、基準財政需要額に対しまして約三十五、六億の増額をはかりました。そういうことの起こらないように必要な財源措置をいたしたつもりでございます。また、国立高専の場合につきましては、現在のところでは法律上は国の施設でございますので、地方団体に負担を求めてはならぬということになっております。ところが、その実行上なかなかうまくいかないという問題もございますので、なるべくは国の資産との交換、国有地と地方団体の持っております土地との交換、そういうようなやり方で実質的に地方団体に負担を求めない、こういう方法をとるようにいたしておりまして、国庫当局もその気でございますし、文部省もそのつもりで、地方団体にもよく趣旨を徹底させまして、地方団体が莫大な寄付金を受け持ってやるというやり方をやらないように指導してまいっておる次第でございます。
  23. 大石八治

    大石(八)委員 いまの高等学校等の問題も、それで結果的に三十億くらいといいますと、制度的に考えれば、高校急増対策の一部に当たるくらいの増額ではないかと思うのです。実際それをはっきりさせるのには、もう少し単価等の是正が行なわれなければ、いまのような趣旨というものははっきり実施されないのではないかと思うのです。いまの高専の問題もありますけれども、その他司法関係等の問題等、私はかなり習慣のほうが先行していて、何かそういうことになっているような感じが非常に強いわけであります。敷地の問題を、たとえば等価交換で別にするといいましても、建設自体につきましてはまだ地方にまつという習慣が非常に強いのではないかというふうに考えますが、それらの点について自治省としてはどういう態度をとられるか。
  24. 柴田譲

    柴田政府委員 地方財政再建促進特別措置法という法律がございますが、この法律の二十四条二項だったと記憶しておりますが、これには、国の施設に対しまして何か金を出す、名目のいかんを問わず地方が負担をする場合には、自治大臣の承認を得たければならぬという規定があります。この規定の趣旨は、実際問題として弱者の立場に立つことが多い地方団体が、国との交渉において弱い立場に立つものですから、法律の趣旨はそうきまっておってもなかなか法律が守られないというような場合があることを予想いたしまして、政府の中で自治団体の正当な利益と申しますか、正当な立場を守ってやるべき自治大臣が、その間の仲介役に入ってものごとを片づける、こういうたてまえでできているわけでございますが、実はいまこの規定が、その励行を常に督促をいたしておりますけれども、実際問題といたしましては知らぬうちに、私どもが存じないうちについ話をされてしまう、のんでしまったというような事例もあるわけでございます。そういったことがいまいろいろ大石委員の御質問の中にありました事柄となってお耳に人っておるのではないかと思うのであります。私どもといたしましては、口をすっぱくしてそういう場合の措置につきましては言ってまいっておるわけでございます。今後も引き続きその趣旨の徹底をはかるつもりでございますが、実際問題としては遺憾ながらなかなか守れなくて、お話しのような事例があることはお話のとおりでございますが、私どもといたしましては、繰り返して申し上げますように、そういうことが行なわれませないように今後とも指導してまいりたいと考えておる次第でございます。
  25. 大石八治

    大石(八)委員 その点はぜひとも、立場が平等ではないのですから、相当政府間の、各省間において強い方針を求められなければ、問題が下へ下がってきてからでは容易にいくものではない。しかもなおそれぞれ施設をつくってもらいたいという、要求はありますから、競争もあれば勢いそういうふうになりがちでございますから、その点については各省間、つまり政府がそういうことに関してのしっかりした態度をつくらない限りは、私はつくってもらいたいという思想があり、それがこちらもあちらもということになれば弱味にはまるのは当然であります。したがってその点は、よほどはっきりした考え方をお願いを申し上げたいと思うわけであります。特に政務次官に、その決意をひとつお伺いをいたしたいと思います。
  26. 金子岩三

    ○金子政府委員 御説ごもっともでございまして、これを徹底的に実行させるように努力をいたしたいと思います。
  27. 大石八治

    大石(八)委員 先ほど財政局長からお話のありました国民健康保険なりあるいは準公営企業あるいは公営企業という点の実際の問題は、あるいは特別会計でやるべきものだ等いろいろ観点がありますけれども実態がそのまま独立会計でやれないという事実はもうほとんどになってきておると思うのであります。したがって、一般会計からの繰り出し金というものが、当然行なわれなければならぬという形に、どういう形であろうとも実はなっていると思うのです。この中には、制度的にはその制度自体を変えてもらわなければならぬ、国の法律の中でやってもらわなければならぬ点等もあろうと思います。しかし事実はこうであれば地方財政計画を立てる場合あるいは交付税という問題の算定等についても、この事態というものはそれほど見直されるものではないと思うのであります。したがってこの際自治省では、たとえばこの問題は地方財政計画なりあるいは交付税等の対象にすべきものではないとか、これはすべき可能性がある、してもいいんではないかとか、何かそれぞれ思想というものがあり得ると思うのであります。国保はどうなんだ、あるいは準公営企業についてはどうだ、これは困ると、これはしかしここでは入れるべきだという点等があろうと思いますが、現在この問題についてどういう考え方をされておるか、はたまたその問題について、どういうふうに具体的に措置をされているか、先ほどお話の出た点でございますので、もう少しその点をはっきりお伺いをいたしたいと思います。
  28. 柴田譲

    柴田政府委員 国民健康保険につきましては、現在三十七年度決算で五十六億円の赤字、五十六億円の赤字と申しますのは一般会計からの繰り入れ金を入れてございます。したがって繰り入れ金をのけますと表面づらの赤字は十四、五億になりますけれども一般会計から繰り入れ金を四十何億入れておる、これが実態であります。特に最近の傾向では町村よりか大都市の国民健康保険の赤字が多くなっている、非常に心配される状態でございますが、現在の段階ではやはり国民健康保険というものは、それ自体で収支のつじつまを合わしていくというたてまえに立つべきものだと私どもは考えているわけであります。したがってこれにつきましては、一般会計からの繰り出しは非常に問題だろう。むしろ国民健康保険事業がそれ自身で収支が合っていくような制度というものを考えていかなければならぬのじやないか。国庫負担金の問題、それから財政調整交付金の問題、こういった問題の解決を通じて片づけていくべきものではないか。ここにはいろいろ問題があります。国民健康保険の将来をどうするかという問題を考えますれば、また別の観点が立つのでございますけれども、現在の段階では、現在のたてまえではこの問題はそういう措置をすべきじゃなかろうか。  それから純粋の公営企業につきましてはその企業であるたてまえ上やはり独立採算でまかなうべきものではないか、ただその場合に、この前も当委員会で御質問がございましてお答え申し上げましたように、日本の公営企業というものは全部借金企業でありますので、これに対する自己資本をどうするかという問題が当然に起こってまいるかと思うのでありますが、そのやり方等につきまして企業ごとにいろいろ違いますし、事業ごとにも違う。そうするとそこに原則というものがなければならぬだろう。原則を立てて企業の体質改善という形からこの問題を考えていくべきだろう、かように考える次第でございますが、原則を立てるにつきましては企業の収益も違いますし、いろいろの場合も考えられますので、やはりこれは基本問題として、公営企業制度調査会に一応おはかりをして、いろいろ御意見も承ってはっきりした態度をきめたい。きめてから、その原則ができますれば、それに対する財政計画上の措置というものを考えていかなければならぬ、かように考えているわけでございます。準公営企業でございますたとえば下水道あるいは病院といったような問題につきましては、その実態を少し検討いたしましてはっきりした財政措置を立てねばいけないのではないか、実はかように考えておりまして、非常に繰り出しが多いということと、病院とか下水道というものは、そのこと自身として準公営企業としましても、現在の情勢ではここしばらく独立採算的な運営ができるようなことにはなりそうにないというような観点も顧慮しまして、三十九年度財政計画におきましては、最近の実態を考えまして百五十億円前後のものを繰り出し金として見込んでいるわけであります。病院とか下水道でございますが、一般的にいいますとここのところは財政計画上問題がまだ残っている点でございます。いずれは実態調査をもっとしっかりしてはっきりしたものにしなければいけない、かように考えている次第でございます。
  29. 大石八治

    大石(八)委員 準公営企業については、財政計画の中に繰り込む措置をしているということでありますが、では国民健康保険の問題でありますが、国民健康保険はますます私は悪化をしていくと思います。町村等で入ってくるものは、給付率の問題その他もありますから、悪いのですから、そうでない社会保険を受けられれば人はそっちへ行ってしまいますから、まずいものばかり残ってまいる。しかも同じ制度を受けているのですから理屈の上ではそれを町村税から出ていく金でまかなうことはおかしい。同じ保険ならわれわれはこっちで自分たちもこうしてやっているのだから、ほかの組合の保険を自分たちが一般のいわゆる町村税で補うということはおかしいという理屈は確かにあると思う。ですからそのことはそのとおりであります。しかしいまの制度をそのままにしておいて、しかもそういうことは制度的にいけないのだということになりますと、その制度の精神を守れば守るほどいわゆる低収入の一般市町村民が受ける組織はますます弱体になるという点がありますから、この問題はとにかく国民健康保険制度を早く市町村財政の立場からも基本的に改めてもらうかないしはほかの考え方で財政措置をするとかどっちかにしないと、私はこれはもう悪化する一途だろうというふうに考えますので、その点について特に御配慮を願いたいと思うのでありますが、その点についてのお考えを承りたい。
  30. 柴田譲

    柴田政府委員 これは非常にむずかしい問題でございまして、幾たびか当委員会でも御議論があったかと思うのでございますが、いまのたてまえは、お話のように国民健康保険という社会保険的な考え方に立っておるわけでございます。したがって、一般会計から隔絶されておりまして、その財政調整機能というものも一般会計に求めない。したがって、国民健康保険につきましては、別途調整交付金という制度がありまして、これがちょうど交付税の機能を国民健康保険会計の中で営んでおるわけでございます。ところが、それでもなかなかうまくいかないという問題が御指摘のようにあるわけでございます。そうなってまいりますと、国民健康保険というものを、社会保険という考えを中心にしたものから、社会保障的な考え方というものに転換していかなければいかぬじゃないかという議論がかねてからあるわけでございます。ただ主管省であります厚生省内では、社会保障論と社会保険論とがいろいろ争いがありまして、議論が統一できないようでございます。したがって私どもといたしましては、いまの段階ではやはり調整交付金の機能というものを強化していかなければならぬのじゃないか、それによって措置する以外にないのじゃないかというふうに考えておるわけでございます。しかしお話のように社会保障的なものに割り切っていけば、おのずから考えが違ってくる、やはり一般会計との隔絶した関係は解消しなければならないのではないか、その場合はそういうことになるだろうと考えております。
  31. 大石八治

    大石(八)委員 その点はなるべく早い機会に確立した考え方というものを、政府の間でつくっていただくことをお願いいたしたいと思います。  最後にお願い申し上げたいと思うのですが、ことし道路五カ年計画という形で仕事が行なわれますが、この問題というのは、地方の行政水準とか全体を上げるというような問題、大臣の説明要旨にもありましたとおり、地方開発とか地方整備という問題が盛んに行なわれなければならぬということでございます。したがって今後——この間はもう済みました生活環境の五カ年計画の整備計画というものもありますし、続いて港湾等の五カ年計画あるいは住宅等の五カ年計画、漁港等の五カ年計画というように、どんどんそういう問題もこれから出てくると思うのであります。しかしこれらの仕事を進めていく、この仕事自体が悪いのではないけれども、概してこれらのことをやっていく場合における国のいわゆる単価の問題というものは、実情に合わないことで行なわれている。仕事が少ない間は地方財政の中で何とかまかないますけれども各省というものが地方財政力というものと無関係に、はなばなしく実はこういうものを展開をしてまいります場合は、一体そういう形を政府と言いますか、国の方針どおり受けられるかどうかということにも実は疑問があるように思います。したがって財政力というものが付与されていない段階でありますと、政府としては全体としてこういうことを考えて五カ年計画でやろうとしていっても、ある市町村ではこっちのほうしか手がつかないという問題等も出てきますし、結果的にはこういうことを進めれば進めるほど、今度は逆に格差が出てくるという危険も実はあると思うのであります。そういう点で、一体政府の中では、地方財政力というものと調整をとって各省がこういう問題を進めているかどうか。いままでは、どうもそういうことはあまりされていなかったのであろうと思います。国の行政意欲も盛んになり、地方住民の行政水準を上げるという気持ちも実は盛んになってきております。仕事をしたい、そしてりっぱな地域にしていきたいという意欲は出てまいりましたので、そういう考え、気持ちのムードというものはそろってきておりますけれども、逆にそれをさせる財政力という問題は、一緒に並行して考えられているとは実は思えないわけであります。したがって自治省という立場が、今後これらの問題を展開される中で、かなり重大な立場に立たなければならぬのではないかというふうに私には実は考えられるわけであります。へたをすればいま申し上げましたとおり、実は格差が逆に大きくなってくるという問題等も出てこようと思います。すでに五カ年計画という形で、次々と行なわれる情勢に実はなってきましたので、この点について自治省としてよほどの決意をもって、いわゆる政府という立場で問題を考えていただかたければならぬ。それには各省に対してと言いますか、政府全体としてこの問題を取り上げてもらわなければならぬことになると思うのでありますが、その点についての政府の考え方、自治省の考え方というものをとくと伺いたいわけであります。質問はこれで終わりますけれどもその点についてのはっきりした考え方をお漏らしを願いたいと思います。
  32. 柴田譲

    柴田政府委員 お話の点ごもっともだと思うのでございます。国庫補助負担事業単価是正につきましては、やはり本筋から申し上げますならば国庫補助負担事業そのもので考え直すべきものだとも存じますし、従来から国庫補助単価の適正化ということにつきまして努力をいたしてまいったのでありますが、なお引き続いてその点につきましては、そういう方向で努力をいたしてまいるつもりでございます。お話の点は、単独一業というものの重要性を強調されたかのように承ったのでありますが、お話のとおりでございます。私どもも従来からそういうつもりでやってまいりましたけれども、いろいろな事情で思うにまかせない点もあったのであります。だんだん各省の年次計画等につきまして、地方単独事業に関するものについても目標を生えるというふうな意味合いから、一つの何年計画といったような計画をつくる場合も出てまいっておりますので、私どもといたしましては、各省と十分連絡を緊密にいたしまして、計画策定の段階におきまして十分調整を加えて、そして実施できるように計画にも織り込み、また必要な財源措置もとっていく、こういう方向で今後とも進んでまいりたい、かように考えておる次第であります。
  33. 大石八治

    大石(八)委員 策定のつどという言葉が出たわけですが、もう少し申し上げますと、策定のつどということでなしに、まだまだ国では地方財政という問題についての考え方が足りないのではないか。策定のつどと言いますけれども、相次いで出てくることになれば、地方財政計画地方税制全体についても考え直さなければ追い切れないようにあるのだと思うのです。つどと言って、つどのときに何か金を少し出すという事態より、そういうふうにやり始めてくれば、いわゆる公共事業に関連した問題それにまた付随して単独事業ということがかなりやはり大きくなってくる。そうするとそういうような全体の財政計画とか財政制度の中でそのつど処置できないようなくらいになるものだと思うのです。したがって、そのつどということより、もう少し根本的に考えを改めてもらい、そして同時にそのつどやっていくというふうにしてもらわなければならぬ、こう思うわけです。その点もう一度お伺いいたします。
  34. 柴田譲

    柴田政府委員 私の御答弁のしかたが悪かったようでございますが、そのつどという意味は、お話のような意味でございまして、計画策定の段階において、地方実態と見合いながら、十分調整をする、そして、そのできた計画というものを、財政計画を立てます際には、きちっとした形でもって織り込んでいく、こういうことでやってまいりたい、こういう意味でございます。
  35. 森田重次郎

    森田委員長 細谷治嘉君。
  36. 細谷治嘉

    ○細谷委員 けさほどお願いしておりました資料をいただいたので、十分勉強しておりませんので、たいへん恐縮でありますけれども交付税の問題について若干御質問をいたしたいと思います。  まず第一番にお尋ねいたしたい点は、三十九年度におきまして、市町村における基準税率を百分の七十から百分の七十五に変えて、市町村間の財源の均衡化を一そう推進するということでございますが、これによって三十八年まで交付団体であったものが、不交付団体になると考えられる市町村数はどの程度になるか、まずお尋ねしたい。
  37. 柴田譲

    柴田政府委員 具体的に各市町村について計算をしなければ出てまいりませんので、いまここで推算を立てておりません。おりませんけれども、私どもとしましては、基準税率の引き上げと同時に都市的な財政需要につきましても相当充実をはかるつもりで内容を組んでおりますので、多少のでこぼこはありますけれども、そう大きな変動は起こるまい、かように考えております。
  38. 細谷治嘉

    ○細谷委員 五%の引き上げといいますと、一億円にいたしますと五百万円ですか、そういうかっこうになってくるわけでありますから、むろん交付税の総ワクの増加ということで、単位費用等の改定その他の改定が行なわれるようでありますけれども、おそらくかなりの数が不交付団体になってくるのではないか、こういうふうに考えます。大体において国税三税の一定率ということで、交付税の総ワクがきまっておるわけですから、こういうことが三十九年度市町村予算編成等にあたって非常に混乱を来たすのじゃないかと思うのでありますが、この点ではいかがですか。
  39. 柴田譲

    柴田政府委員 おっしゃるように、交付税計算の細目がわかりませんと、交付税の組み方が間違うということもあり得るわけであります。おっしゃるような御心配もありますので、交付税改正法案が整います前から、大体基準財政需要額はこういう形になるということを、県を通じまして、関係市町村には連絡を申し上げてあります。また法案が法律案という形でまとまりますと同時に、それぞれこれも県を通じてでありますが、府県市町村には必要な改正の内容を連絡済みでございます。したがいまして、市町村予算編成に混乱を与えないような措置はとったつもりでございますが、従来の例にかんがみますと、そこの徹底を欠いておるために、交付税計算を過大あるいは過小に見積もったために、予算執行に困難を来たしたような団体もあるわけでありますので、なお十分注意を喚起していきたいと思います。
  40. 細谷治嘉

    ○細谷委員 地方交付税は自主財源ということになっておりますけれども、大体単位費用等の改定、それから市町村では前年度の補正がそのまま踏襲された場合にどの程度交付税がもらえるだろうか、こういうことで年度初めの予算を編成すると思うのです。しかし実際に決定するのは八月末という形になります。したがって、市町村ではもとを押えられておる財源ということになって、租税収入と違って自主財源とはいうものの、ある意味では実質的な自主財源とは申せない。そういう自主財源を基準税額の七割五分ということは、今日地方自治確立ということがしきりに強調されておりまして、さらには税源の再配分もやらなければならぬのじゃないかというような地方行政調査会の答申から逆行する措置だと考えられると私は思うのです。この点についていかがですか。
  41. 柴田譲

    柴田政府委員 県と市町村の基準税率をどう組むかという問題は、お話しのように地方交付税をどう考えるかという問題と同時に、地方財源の補償をどのような形でどの程度するかという問題にからむわけだと思うのでございます。いままで府県につきましては八〇%、市町村につきましては七〇%という方式をとっておりました理由は、市町村財政事情というのは、細谷委員御承知のように千差万態でつかみにくい、特に産業行政費等になってまいりますと非常につかみにくい、こういうような関係もございまして当初七〇%から出発をしたわけでございます。一〇〇%で基準税率を見込んでおりますところにおきましては、自治との関係で非常に大きな問題が起ってまいりましょうが、県と市町村の基準税率を異にすべき理由というのはただ技術士の理由だけではないか、いまの県と市町村の法律上の性格から申しましてもそういうことじゃなかろうか、もっぱら技術上の問題だとわれわれは考えてきたわけでございます。だんだん交付税算定方法も進んでまいりますし、また市町村の事務の内容も逐次相似たものになりつつある。いわば交通、通信等の発達によってでありましょうが、市町村行政の中身というものがある程度均等化していく、こういう傾向も見られます。それらのことを勘案しまして、技術的に進んでまいりましたので今回五%程度を上げる。私どもは県と市町村とが基準税率を異にすべき理由はことさらにないのじゃないか、できれば一挙に県まで持っていってもいいけれども基準財政需要計算方法が明確化したといいながら、なおかつ問題が残っておるのに、一挙にそこまで持っていくのはいかがであろう、そこでとりあえず五%程度のものを上げて均衡化を推進してまいりたい、こういうつもりでやったのでございまして、自治との関連につきましては、八〇%をさらにこえるかこえぬかという問題になってまいりますればこれまたお話しのように大きな問題があろうかと思うのでありますが、今日のように財政力格差のはなはだしいときにおきましては、市町村といえども県と同じくらいの水準で基準税収入算定してもいいのじゃなかろうか、こういうぐあいに考えておるのでございます。
  42. 細谷治嘉

    ○細谷委員 俗に現在都道府県の自治というのは、二割自治といわれております。なるほど実態は三百に近い国の委任事務、こういうもので事務の内容自体が八割程度は占められておる、ということばかりでなくて、実際の基準税率というものが都道府県においては八割、残りの二割しか税上の自主性がない、こういうところから二割自治といわれておる。市町村については三割自治といわれておる。いままで基準税率というのが七割と見ておった。残りの三割というのが市町村の文字通り自主財源ということで三割自治と言われております。今度こういう措置をとりますと、これは市町村が三割自治から二割五分自治へ転落した、こういうことになるかと思うのであります。全国市長会等でも七割を七五%にすべきだ、あるいは八割にすべきだという議論がたびたびありますけれども、これについてはなかなか全員一致しない。やはり自治の精神をもっと前向きにすべきである。こういう主張もありまして、結論が出ない、とこういう点からいって、この問題はきわめて重要な問題であろうと思う。私は率直に申し上げますと、交付税が二八・九、国税三税に対する税の割合が、一定率というのがかえられる時期において、必要があってそういう措置を講ずるならともかくとして、ワクが変わりました。金額のワクは変わりましたけれども、一定率というのは変わらない段階において、こういう措置をすることはきわめて不適当であり、一そう地方自治をその方向から逆行するという印象ばかりではなくて、実際にそうなってくるんじゃないか、こういうふうに懸命をいたしております。この点について重要な問題でありますから、重ねてひとつお答えを願いたい。
  43. 柴田譲

    柴田政府委員 私どもは自主財源として残された幅によって自治の幅が左右されるとは実は考えていないわけであります。交付税でもって財源補償はいたしておりますものの、中には中央の支配を受けていない事務がたくさんございます。なるほど補助事業、補助負担事業も多うございますけれども、それは補助問題として地方団体が自主的にその補助事業を採択するかしないかということが、地方団体の判断にまかされておる事務もあるわけでございます。したがって、その問題とこの自治の二割、三割の問題とはすぐには結びつかないのじゃなかろうかというふうに思うのでございます。ただ税源が全地方団体におきまして、非常に豊かでございますれば、それは自主財源として、全くワク外に残しておく割合が多ければ多いほどそれに越したことはないかもしれませんけれども、しかし現実の日本におきます地方公共団体そのほかの税源の散在状況を見てまいりますと、どうしても交付税というものをもって財源補償を行ない、あるいは財源調整を行なっておるということをやらねばならぬ時代ではないか。またその努力に従って自治を侵さずして、そういう補償ができるようにということで交付税についてはひもをつけておりません。したがってなるほどおっしゃる、ように、完全な税源とは違いますけれども、しかし財源としての場合は、いわゆるひもつき財源ではないわけでございますので、そこに地方財政の自主性というものは残されているというように思うのであります。望ましい姿ではございませんけれども、今日の現状におきましてはやむを得ないじゃないか。また一般論としてはそのように考えるのでありますが、交付税率が上がったときになったら、交付税率を上げないのはおかしいじゃないかということでございますが、これもできれば、そういう交付税が非常に大幅にふえた機会にやりたい、こういう気持を持つのでございます。基本的にはよくわかるのでございますけれども、明年度地方税制につきまして大きな改正が行なわれます。特に市町村民税につきましては、本文、ただし書き方式の統一の第一歩が踏み出されるわけでございますが、いわば市町村の持っております税源上の弾力性の幅というものが縮まるわけでございます。そうなってまいりますと、財源の増減と申しますか、財源補償の幅というものも広げてまいらなければ、現実の貧弱市町村におきましては、財政運営に困るんじゃなかろうか、こういう判断もございまして、この際交付税算定方法の合理化とも相まって基準税率を引き上げて貧弱団体の財政力を強化したい、こういう考え方に立った次第でございます。
  44. 細谷治嘉

    ○細谷委員 おことばを返すようで恐縮でございますけれども、いまのお答えの中で、明年度住民税で根本的な改定が行なわれる、こういうことの関連もあるようでございますが、住民税の改定を行なうにあたって、その財源措置をどうするか、これは税の問題の際に十分議論をしなければならぬ問題でございますけれども、この財源補てんという問題がいろいろ議論されております。聞くところによりますと、百五十億の一部を交付税で見よう、こういうことも新聞等に報ぜられております。そうなってまいりますと、どうもそういう財源を求めるために、まあ住民税のただし書き方式を使っておるところは、おっしゃるような、貧弱団体、あまり税源のないところなんです。そういうことを勘案して七十五にした、こういうふうに理解されるふしもなきにしもあらずだと思いますが、いかがでありますか。
  45. 柴田譲

    柴田政府委員 直接住民税の補てん問題とは関係はございません。税制改正が行なわれる根拠になりましたのは、貧弱団体において非常に過重な住民負担を求めておった、こういう現実に着目して住民税の本文万式、ただし書き方式の統一が行なわれたのでございます。それによる穴というもの、それによって生じます収入源というものを、当面元利補償付きの起債と、基準財政需要増額を通じて漸減的に補てんをしていく、こういう措置をとったわけでございますが、私が申し上げました趣旨は、そういった事柄を起こしているもとというものは、やはり地方財源全体の問題の前に、交付税算定方法というものの中にも問題があるのではないか、それだからこそ財源補てんという問題を恒久的な形にせずして、暫定的な形でもって片づけようとしておる。したがってその意味の反省といいますか、そういうものも加えて貧弱団体の財源増強をはかる、その一つの手段として算定方法の合理化ともあわせて基準税率を引き上げたい、こういう考え方に立っておるわけであります。
  46. 細谷治嘉

    ○細谷委員 私は先ほど申し上げましたように、百分の七十を百分の七十五にするという問題、あるいは住民税の税全体について根幹に触れるような改定を行なわれるような場合には、やはり主税に対する交付税率というのが改定される、増加される、そういう段階においてこういう問題を扱うことが地方財政を混乱させない、予算編成について、きちっと財源をにらみ合わせて予算編成ができる、こういうことになる一番大切な点であろうと思います。しかしこの問題についてはこれ以上触れないで次の問題に移りたいと思います。  今度の改定によりますと、従来保健衛生費の中に組まれておりました清掃費というものが独立的な形で新しく単位費用が設定されました。ところで、お尋ねいたしたい点は、保健衛生費のほうの単位費用を減して、そうして清掃費というものを新たに設けたわけでありますが、それには十万程度の標準の都市、標準団体、こういうものを選びまして、そうして特別清掃区域の人口六万七千七百人、じんかい焼却場が一、下水終末処理場が一、し尿消化槽が一、公衆便所の数が十、じんかい収集車の数が十台、し尿収集車の数が十一台、こういう形で単位費用が算定されておるわけでありますが、昨年の推計は二百円、今度はそれを三百四十五、円という形で単位費用が設定されるようでございますけれども、お尋ねいたしたい点は、この標準団体の計画では、じんかいは一体週に何べんぐらい収集できる能力を持っておるのか、あるいはし尿は月何回ぐらい扱み取りができるようになっておるのか、その点をまずお尋ねいたします。
  47. 山本悟

    ○山本説明員 お尋ねの点でございますが、じんかい処理の場合には、それぞれ地区によりまして毎月取りの地区、そから週二へん取りの地区というような区別がございます。その区別は、六万七千七百人の処理人口のうちで、どの程度のものが毎月取りであるかというような想定をいたしまして、それぞれ積算をいたしておるものでございます。それからし尿のほうは、月二回というような計算基礎にいたしまして積算をいたしております。
  48. 細谷治嘉

    ○細谷委員 し尿のほうは月二回ということでございますが、十万都市で十一台あるとあるいはそういくかもしれません。じんかいについてお尋ねしますが、十台、毎週と週二回とそういう二つに分かれておるということですが、六万七千七百人のどういう割合で策定されているのか、まずお聞きしたい。
  49. 山本悟

    ○山本説明員 後ほど調べましてお答え申し上げたいと思います。ちょっと時間を拝借したいと思います。
  50. 細谷治嘉

    ○細谷委員 ここの標準団体の計画を見ますと、じんかい収集車十台、どういう車か知りませんけれども、おそらく二トンぐらいの車をお考えになっていると思います。週二回という計画では、この計画なり、人員の数が合わせて三十八名ということでありますから、できかねる内容ではないかと私は想像いたしております。しかし週一回と週二回ではどういう割合になっておるのか、これについては後ほどお答えするということでありますので、その辺の事情がわかりませんと問題でありますが、この人員配置の問題等とも関連いたしますので、これは後ほどその資料が出た上で重ねてまた御質問をいたしたいと思います。  次にお尋ねいたしたい点は、これは産炭地のことばかり言っておりますけれども、産炭地では失業者が非常に多い、生活保護者が非常に多いということは先刻御承知のとおりであります。そこで私がお尋ねいたしたい点は、この生活保護の単位費用というのは基準の改定で改定されておりますけれども、依然として人口単位でございます。そしてそれに密度補正等をいろいろふっかけていくということでございますが、私がお尋ねいたしたい点は、そういうやり方ではなくて、厚生省の保険統計というのが毎月出ております。そういうものによる扶助人員を基礎にすることが一番正確ではないか、かつ簡単ではないかということを考えております。その次に、扶助の種別については種別補正をする必要があるのではないかということを私は考えておる。それから社会福祉主事の設置等で、問題の態容補正なり寒冷補正というものが現実に即応しない、こういう問題を現実に即応するようにやる必要があるではないかという考えを持っております。これは生活保護の単位費用あるいは補正の根本的な問題でありますから、この点についてどうお考えになるのかお尋ねするのが一つ、もう一つは、失対事業等に関連しては、そこの都市の失業者数というもので単位費用がまずきめられております。ところで、その失業者が一体どの程度吸収されるかというと、全国まちまちでございます。端的に申し上げますと、東京都あたりでは吸収率は五〇%前後でしょう。産炭地等では九七、八%、こういう状況になっておるのであります。したがって、ただ単に失業者数という形で求めるのではなくて、しかも交付税法の中ではその失業者の吸収人員を五〇%ということを基準にしておるのですが、実際は九七、八%のところがございます。したがって、実際の失業者の吸収人員というものを単位費用の基礎とすべきではないか、それが実際に合うのではないか、こういう考えを持っておるのですが、その辺についてどうお考えになっておるか、お尋ねいたしたいと思います。
  51. 柴田譲

    柴田政府委員 お話しの点は、交付税の考え方の基本につながる問題かと思います。おっしゃるように実需要というものはこれは必要やむを得ない経費であって、しかも必要最小限度の経費だという前提に立てば、お話のような考え方が実は立とうかと思うのであります。現実問題といたしましては、生活保護費につきましても乱給問題というものもありましょうし、それから失業問題につきましても、何も必要ない事業とは申し上げませんけれども事業のやり方に、地方団体間に相互にでこぼこがいろいろ出てまいっておる、こういったような問題もあるわけでございます。したがって交付税の考え方といたしましては、需要をはじきます場合でもなるべく客観的な資料によって計算をする、それから収入をはじきます場合にも、実際の収入によらずに、別途の客観的な資料から収入を算定する、こういうやり方をとっておるわけでございます。したがって生活保護費、失業対策事業費等につきましても、一応そういう客観的に明らかな資料によって計算をするけれども経費の硬直性から考えまして、生活保護費や失業対策事業費につきましては、実際問題からの要請もあるわけでございますので、その足らず前は特別交付税の配分の際に精算をする、こういう若干迂遠といわれるかもしれませんけれども、そういうようなやり方をしてきておるわけでございます。もしかりに細谷委員お話のような考え方に立つといたしますれば、たとえば投資的経費の公共事業費等につきましても、同じ考え方をしていかなければならぬ。それで現在は、公共事業費につきましても、河川費あるいは道路費というものにつきまして一定の客観的な手法を使って計算をして、河川費とか港湾費とかいうものになりますと非常に経費の幅が違うものですから、これについては事業費補正という、これまた迂遠かもしれませんけれども、そういう補正を、一種の密度補正でありますが、これを使って、そしてあまり実態と妙なことにならぬかっこうをとろうとしている、こういうことであります。その辺のところをどう割り出すかということが、交付税が始まりましてから今日までずっと問題になってきておるのでございます。今後も問題になることで、いずれかの日には解決をせねばいかぬ問題かとも思いますけれども、今日まではやはり交付税の基本的な考え方に立ちまして、あるいは隔靴掻痒の感を抱いておるかもしれませんけれども、そういう方法をとってまいり、今次三十九年度におきましても同じ方法でやってまいりたい、かように考えておるわけでございます。
  52. 細谷治嘉

    ○細谷委員 なるほど基礎資料というものは重要でありまするけれども、厚生省が正確な資料を統計として毎月出しておるわけです。ですから、これはやっぱり信頼できる資料として、政府間の問題でありますから、そういうものに基づいておやりになるのがよろしいのじゃないか。常に乱給、乱給ということを局長さんおっしゃるのですけれども、それは若干ありましょう。しかしそれは大勢を変えるものではございません。乱給ということで議論をそらすということは許されません。現実に産炭地にたくさんの失業者と生活保護者がおる。それは乱給から起こったものだ、こういうことではございません。そういうことでございますから、乱給ということで大筋を曲げることはいかがかと思うのであります。やはり失業者の問題については、失業者がとっておるのですから、生活保護については生活保護の実人員、それも信頼できる政府の統計によってやることが一番実態を把握するゆえんではないか、こう私は思うのです。しかし依然として人口で、あとでいろいろな補正をかけておる。人口でやるということになると、やっぱり標準の密度、こういうことになってまいります。その密度が三倍にも四倍にも五倍にもなっているというのを補正でやること自体、もう補正の意味をなさない、こういうことに相なるかと思うのであります。そういう場合には特別交付税で見るということでありますが、見るべき筋合いのものはやはり普通交付税の段階においてきちっとルールに乗せて計算をするというのがたてまえであって、特別交付税というのは文字どおり特別な事情というものを加味して交付するというたてまえを貫くことが交付税法の性格をすっきりする。また地方を混乱させないゆえんではないか、こういうふうに私は考えるわけですが、この点については十分にひとつ御検討をいただきたいと思うのです。  そこで、いまの御答弁の中に河川費等の問題が出ましたので、これについてひとつお尋ねいたしたいと思います。  河川費の問題についてせんだっての御説明では、河川費なり港湾費等について適用されておる事業費の額に応ずる経費の割り増し補正を強化した、こういうふうに説明されております。  そこでお尋ねいたしたいことは、従来と比べて割り増し補正をどの程度強化されたのか、これをまずお尋ねいたします。
  53. 山本悟

    ○山本説明員 事業費の額によります割り増し補正は、従来その補正をかけませんでした場合の需要額と、公共事業地方負担額の差額の港湾費につきましては三五%、河川費及び海岸関係経費につきましては三〇%を補正によって増額いたすような措置をいたしておったわけでございますが、明年度の予定といたしましては、その率を五〇%程度まで引き上げたい、かように考えておるわけでございます。  なお恐縮でございますが、先ほどお答えを保留させていただきました分をお答えさせていただきたいと思います。  じんかい処理関係の標準団体におきまして、おっしゃいましたように処理対象人口を六万七千七百と想定いたしました。これをA、B、C三地区に分けて考えております。この六万七千七百人を戸数に直しますと、平均四・三人といたしまして一万五千七百四十戸、この戸数を基礎といたしまして、A地区が毎日取りでございまして一千五百七十四戸、B地区が週二日取りでございまして四千七百二十二戸、C地区が五日取りでございまして九千四百四十四戸、かような割合で推計をいたしまして所要の人数及び台数を積算いたしたわけでございます。
  54. 細谷治嘉

    ○細谷委員 いまのお答えでありますが、公共事業に関する事業費補正、一種の密度補正といってもけっこうでありますが、三十七年以降この点についてお考えいただいたことはたいへんけっこうであります。従来三〇%から三五%程度の補正が行なわれておるようでありましたのを、今度五〇%ということでありますが、これは河川についてもあるいは港湾あるいは海岸保全、いずれについても五〇%ということでございますか。
  55. 山本悟

    ○山本説明員 そのとおりに予定いたしております。
  56. 細谷治嘉

    ○細谷委員 五〇%ということになりますと、現実に港湾なりあるいは海洋保全なりあるいは河川等をやっております場合に、起債効果等々から考え、あるいは地元負担等の関係からいってどういうことになるのかお尋ねいたします。
  57. 柴田譲

    柴田政府委員 昨年度からと記憶いたしておりますが、こういった河川とか港湾とかいうものにつきまして、交付税算定と起債の配分とを抱き合わせて考えてまいっております。したがって、その年に予定されます河川改修費あるいは港湾修築費等の地元負担全額から、いま御説明申し上げました事業費補正を加えまして計算をした基準財政需要額を差し引きましたものについて起債を認めていく、こういう形をとっておるわけであります。
  58. 細谷治嘉

    ○細谷委員 重ねてお尋ねいたしますが、従来の三五%でありますと地元負担、それから起債等で見ていただくもの、そして残りの純地元負担というものが大体において五割程度におさまるのではないかと思いますけれども、さらにお尋ねしたいことは、そういうことによってなるほど河川なりあるいは港湾というものは救済されるかと思うのですが、海岸の堤防保全なりあるいは漁港の問題について、そういうことで完全にこの補正で有効になるのかどうか、この点いかがですか。
  59. 柴田譲

    柴田政府委員 漁港は港湾の中で見ておりますので、これは同じことでございます。海岸費につきましても県につきましては同じように事業費補正を適用する。したがいまして先ほど申し上げました原則によって処理されるわけであります。
  60. 細谷治嘉

    ○細谷委員 私の調査したところでは、一作に五〇%ということでありますけれども、海岸の問題については七〇%程度にならないと、これは非常に大きな経費がかかるし、災害を呼ぶ問題であります。そうでないとやはりこの公共投資というものが地元負担として非常に大きな地方財政の負担になってくると思うのですが、いかがですか。
  61. 柴田譲

    柴田政府委員 海岸というものは非常にむずかしゅうございまして、いろいろの場合があるわけでありますから、おっしゃるような場合が出てまいるかと思います。普通事業費補正をやりまして大体いいところまで片づけ得るだろうと考えておりますけれども、あるいはお話のような場合があるかもしれません。なおよく検討してみたいと思っております。
  62. 細谷治嘉

    ○細谷委員 いま検討するということですが、事実必ずしも一律でカバーできるという問題でもないようでありますから、この点については実情に即するようにひとつ御検討願いたいと思っております。  次に、これからは公共投資ということをしきり言われております。ところでこれについてお尋ねいたしたい点は、公共事業費については昭和三十年度までの分について元利の四分の一程度地方交付税で見ておられるというのが現況ではないかと思います、政府直轄債というものにありましては三十四年度発行の指定債、これについて元利の問題が交付税で、四分の一程度でございますけれども、算入される。  そこで、お尋ねいたしたい点は、これからどしどし公共事業をやる。道路の問題にいたしましても、港湾にいたしましても、非常な大きな計画というものがか進められております。この公共事業は、一般公共事業においても、政府直轄の事業においても、地元負担ということではね返ってきております。なぜ一般公共事業については三十年度で、その後については指定をしないのか。政府直轄災については三十四年までで、どうしてその後の問題については指定をしないのか。これは非常におかしいものである。今度の提案でもそれが変えられておりませんので、どうしてそういうことなのか、お尋ねいたします。
  63. 柴田譲

    柴田政府委員 これはいきさつがありまして、実は細谷委員は御承知かとも思うのでございますけれども、あの昭和二十八、九年、三十年にかけまして、地方財政が極度に緊急した事態がございます。その当時、その緊急の事態というものが、財源措置の不足に基づくものである、一般財源を与えるところを借金でごまかしたのではないか、そういうことがあって、そこで百六十億円でございましたか、臨時の交付金を与え、それを翌年度から交付税に全部振りかえたわけでございます。そのときに、それに対する、過去において一般財源で付与せずに地方債でごまかしたと言ったら語弊がありますが、当面を糊塗したものについての責任を交付税がとるのだ、そこでその責任のとり方を、給与のかわりに借金を配ったものについては全額、それから公共事業費について一般財源を与えるべきものを起債でごまかしたものはやや少な目に見て、そうしてそのあと始末をしたというのがこれでございます。その後におきましては、公共事業費につきましてもなるべく一般財源で見るのだ、地方債はごく特殊なものに限って見ていく。将来地方債の償還費の増額というものが地方財政に及ぼす影響を考えまして、なるべく交付税の中に織り込んでいくのだ、こういうたてまえで実は今日まで参っております。したがって、こういう措置はこれ限り、いわば一種の財政再建措置の一連のもので、例外的に出ているものでございます。したがって、たしかこれは附則で書いておったと私は記憶いたしておりまして、本法には入れてなかったはずでございます。ただ、考え方といたしまして、こういうようなあり方で公共投資の財源措置をしていくという見方も一つ考えられます。つまり、とりあえずは起債で裏負担を見ていくのだ。その元利償還金を交付税で処理していけばいいのではないか、こういうことも交付税制度ができましたときに初めからあった一つの考え方でございますが、これをやりますと、公共事業の取り合いと申しますか、公共事業の消化というものが安易に流れるおそれがある。そこでやはり自分の財源と見合って公共事業を選択していく、こういうたてまえをとらすほうが、地方財政の自主的運営の立場から望ましいのではなかろうか。こういうことで、その案は捨てまして、むしろでき上がったものについては償還に合うような元利償還的なものを減価償却費の形で見ていくのだ。かたがた新しく施設をつくるものについては、投資的経費の包括算入のような形で大きなワクで見ていく、こういう姿になっておるわけでございます。しかし、問題がないことはございませんで、投資的経典がだんだんふえてまいるのに、こういうような財源措置のしかたでいいのか、交付税算定上これでいいのかということにつきましては、御指摘のように問題があるわけでございます。ある程度交付税制度の根本にさかのぼって検討しなければならぬ問題だと考えておる次第でございます。
  64. 細谷治嘉

    ○細谷委員 三十年度ごろまでの地方財政の悪化ということから特別措置としてやっているので、これは一般的な措置ではないのだということでございますけれども、たとえば政府直轄災というものは指定災として三十四年度まで認めております。そういう点からいっても私はこういう問題については地方行政というものが——なるほど三十六、七年くらいまでは根本的には岩戸景気というようなブームによって救われてきたのであって若干の手入れはあったけれどもそれが救済の全面的なものじゃない、私はこう思っておる。ところが今日は、端的に申し上げますと昭和二十九年の状態よりももっと先行きが不安ではないか、こういうのが地方財政の現状ではないかと私は見ております。そういう点からいって、三十年で、直轄災については三十四年で区切っておる。これは少しおかしいのじゃないか。むしろそれ以降の問題についてもやはり指定災として見て、その元利償還につきましては、現行四分の一のようでありますけれども、やはり地方交付税に算入していくということがほんとうの姿ではないかと考えております。この点について自治省として今後どういうふうにこの問題についてやっていこうとしておるのか、その点をお尋ねいたしたいと思います。
  65. 柴田譲

    柴田政府委員 直轄事業につきましては、その分担金をかつて交付公債でもって払うという時代がございました。つまり、直轄事業というものの負担を繰り延べ払いの形でもってやっていく、それが、地方財政を公債費が圧迫してまいっておりましたので、公債費対策としてやはり三十年のときと同じような措置を、一連のもの、関連するものもございますので、とって、三十五年からでございましたか、直轄事業で交付公債を発行することをやめたわけでございます。ただ、そのやめましたのも、先ほど公共事業について申しましたと同じように、直轄事業についても地方団体側からの判断というものも持ったほうがよくはないか、そういう思想に基づいておったようでございます。しかしながら、投資的経費全般につきまして、先ほど私が申し上げましたような基本問題があるはずでございまして、私どもも現状による算定方法が最もいいのだというふうには必ずしも考えておりませんけれども、しかし、じゃどうするのだということになりますと、交付税全体の仕組みの問題、それから建て方の問題、いろいろ交付税基準財政需要額算定の基本問題にまつわる問題がございますので、私はここで腰を落ちつけて検討してみたい、こういうつもりでございます。
  66. 細谷治嘉

    ○細谷委員 これは要望にとどめますけれども、私、先ほど申し上げましたように、起債効果という点を見てまいりますと、その年に公共事業に対して起こされた起債の額、それから三十年まで見られた地方交付税の総額、これを加えたものと、既往のそういう公共事業の起債に対する元利額とを加えますと、三十二年とか三十四年ころの例を除きますと、全部起債効果は赤になっておる。起債をやっても何のことはない元利償還金に追われて、それでも金が足らぬ、こういう現況であります。現在公共事業というのは非常に強く取り上げられておる。その場合に一番大切なことは、その起債効果をあらわさせるようにするということ、あるいは地方団体が起伏能力を回復するということ、これが非常に大切な問題ではないか。したがって、三十年と三十四年で一方的に切っておる、それは特別な救済措置なんだということではなくて、その後の問題についても指定をして、そのものについて元利償還については地方交付税で見ていくということが、これからの公共事業を進めていく間に一番大切な点ではないかと思いますので、ぜひともこの問題につきましては十分に御検討いただいて、そういうふうにする方向でひとつ結論を出していただききい、こういうふうに考えております。  次にお尋ねいたしたい点は、今度の提案の中で、三十九年度においては道路の延長を測定単位とする分については交通量に基づく割り増し補正をやることにした、こういうことでありますが、三十八年度におきましては、この交通量補正というのが、地方団体にとってはひとつの混乱を起こしておるということが言えるわけであります。三十九年度においては、それを強化したということでありますが、そういうことにならないのかどうか。いま混乱ということばを使って少し強過ぎますので混乱ということばは適切でないかと思いますが、もう少し説明しますと、地方交付税の総額がふえた。総額がふえますから、したがって地方団体というのは、かりに去年の補正を求めた場合には、この程度もらえるだろう、こういうことで予算を組みます。ところが交通量の補正といっても、行政区域は何も変わっておりません。行政区域の変革はありません。にもかかわらず、実際に交付税をもらってみますと、数億円の違いが出た、こういう実例がございます。こういうことが起こらないようになっておるのかどうか。強化という内容について、ひとつお尋ねいたします。
  67. 山本悟

    ○山本説明員 御質問の点でございますが、御指摘のとおり三十八年度の県分の基準財政需要計算上、道路の面積にかけます交通量による密度補正が、新しい調査でやりました関係上、県によりまして相当な激変があって、県のほうの予定を狂わしたというような点がありました点はそのとおりでございます。実は建設省の交通量調査基礎に使用いたしておるわけでありますが、三十七年度までは三十三年度の交通量調査基礎にしておりましたのが、三十八年度におきましては三十七年の調査が判別をいたしましたので、それに置きかえたわけであります。その間五年間の時間が経過しておりますので、各県別の交通量に相当な変動がございました。非常に大きく伸びた県、あるいは伸びが非常に少なかった県等がございましたために、御指摘のような混乱が起きたわけでございます。ただ、明年度におきましては新しく道路の面積分のほかに、延長分についてもこの補正を適用いたそうといたしておるわけでありますが、この新たに適用いたします際には、昨年度の交通量を基礎にいたしまして、しかも増加経費のみを算入するというかっこうになってまいりますので、御指摘のような減額になって混乱をするというような事態は避け得るものと、かように存じております。
  68. 細谷治嘉

    ○細谷委員 総額は相当ふえているのに、前年度よりも減る、こういうことでは、やはり混乱の原因になりかねないので、補正等をなさる場合には十分そういう点も御配慮をいただきたい、こう思います。  最後に、先ほど来御質問があったわけでございますけれども、高校急増対策の問題について簡単にお尋ねいたします。  三十九年度の高校整備事業というのは百八十六億円、国庫補助は二十八億円、地方債が六十七億円、そして地方交付税ではまるまる残りの九十一億円を見るのだ、こういうふうなことになっておりまして、交付税の中においても、昨年と比べますと二十一億円程度増加になっておるようでございますけれども、問題は、市町村地方負担というものが相当ございます。三十九年度からこういう問題は完全になくなるのかどうか。先ほども御質問がありましたけれども、もう二度お尋ねいたします。
  69. 柴田譲

    柴田政府委員 私どもはなくなることを期待しておるわけでございます。また期待をして、高等学校の県分の単位費用の中に三十六億円ぐらいを、基準財政需要増加せしめるように組んだわけでございます。ということは、やはり今日の高等学校の経費基準財政需要額算定に無理がある。それが地方の実際からは、市町村に高等学校の建設費負担というような形ではね返ってくるのではないか。そこでその点を可及的に直そう。ちょうど三十七、八年ごろの県立高等学校に対する市町村負担の額が、三十三、四億円でございますので、大体これに見合った額を入れるということで基準財政需要額増加する措置をとったわけでございます。しかし、お話しのように、これはやってくれなければ、幾ら入れましても切りがないわけでございますので、やってもらうように指導もいたしますし、また法制的にも負担さしてはいかぬということになっておりますから、両々相まって必ずや地方団体側ではそのような措置に沿ってもらえるものと、このように考える次第でございます。
  70. 細谷治嘉

    ○細谷委員 いまのお答えでは、そういうことになるものと信じておるということでございますけれども、実際問題としては、法制的にそうなりましても、いろいろな形で地元負担という形で参ります。端的に申し上げますと、政府自体でその脱法行為を指導するということもなきにしもあらずでございます。そういうことでは自治省御心配の地方財政というものはいよいよ苦しくなる、こういうことにもなるわけでございますので、法なりあるいは省令などできまりましたならば必ずそういう問題を裏づけして、どこかが出たらへっこむということがあるわけですから、そういうへっこみが起こらないように、またへっこみがある場合には必ずそれを裏づけする、こういうことでひとつやっていただきたい、こう私は思います。  いろいろと交付税の問題につきましては御質問いたしたい点がございますけれども、きょうは以上の点で御質問をやめまして、御質問をした点についてはぜひ善処をしていただくように重ねてお願いを申し上げておきます。
  71. 森田重次郎

    森田委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時二十七分散会