○
中尾政府委員 いまの
答弁に
補足さしていただきます。
特別会計を設けることは新しい
制度でございまが、これによって
一般会計の負担をどうこうするという考え方は全然ないのであります。
予算の御審議でも明らかにいたしましたとおり、
国立学校の経営というものは、当然本質的にこれは
一般会計の普通の
財源をもってまかなうべきものでございまして、したがって、本来的な基本になる必要な
経費は、どういう事情がございましても、これは
一般会計からの
繰り入れでまかなうということでございまして、いままでは
国立学校の
経費そのものが
予算の面にあらわれておりましたが、今後は
特別会計繰り入れという形で、同じような大きな重要な
経費が
一般会計に頭を出してまいりまして、
一般会計の
予算の御審議を通じ、あるいは決算を通じまして、十分御審議なり御批判なりが承れるようになっておる次第でございます。
特に
特別会計を設けることについてどうかと考えましたのは、
先ほど大蔵、文部両
政務次官から御
答弁がございましたとおりでありまして、そのようないろいろな利点がございますので、これらをあわせ用いまして、
国立学校の
施設の主として
充実に充てる。
もう一つは、やはり
一般会計と
特別会計ということになりますと、
特別会計のほうがいわば通例の例によらない特別の取り扱いをいたすのに便利でございます。たとえば
建て交換といったような場合、これは一般の税負担とは
関係のない
収入支出に相なりますので、そういう点については弾力的な
予算を目一ぱいに組むことができるわけであります。そういうような
予算の面につきましても若干の利益がございます。
それから
一般会計ということになりますと、やはり財政負担の御批判にこたえなければなりませんので、明瞭な形の歳出歳入というものが必要でございますが、その結果
学校の中におきましても、たとえば
病院といったようなものは、
収入支出というものが、業務に応じて非常に変動をいたします。多くの場合には
予想を越えまして
事業量が伸びざるを得ないというような実情にあるのでございます。こういうような場合に、従来でございますと、一々予備費使用の手続をとるというようなことでございまして、その間予備費となりますと、全体の予備の
財源でございますから、いろいろ制約もございますが、今回はこれを弾力条項によりましてスムーズに処理できる。また処理できる道が開かれてございますから、
学校当局におかれましても、その運営におきまして、余分な懸念なりあるいは
心配なりということなしに、本来の目的に従って十分に活動していただくことができるというような点がある次第でございます。
問題はそういうことでございまして、ただ重ねて申し上げまするが、このようないろいろな便宜があり、あるいは特別な
財源がイヤマークされまして付与されるということにつきまして、その反面におきまして
一般会計の負担を差し控えるのではないか、これを前提にして
国立文教施設に対する
予算編成の際の心がまえが変わるのではないかという御
指摘が先般来非常にあるわけであります。これはまことにごもっともな御懸念かと思いますが、決してそういうことではないのでございまして、そういうものにつきましてはそれが本来的な方法でございます。しかしそれに
補足いたしまして、なお動員できるだけのいろいろな
手段を動員いたしまして、この際
国立学校の
施設の
充実、
内容の
充実ということをはかってはいかがでございましょうかということで、御相談を申し上げたのでございます。もちろん
文部省におかれましても、直ちにこれに対して同意をされたわけではございませんので、十分に
趣旨はおわかり願いましたが、それを円滑に理解を求め、そして実施するということについては十分に検討したいということで、検討を留保されまして、続いて
予算の最終的な
段階におきまして、それからの見通しというものを十分に固められまして、それで
特別会計設置ということになった次第でございます。結果的に見ますと、それによりまして
一般会計からの
繰り入れも通例と同じように大幅に伸ばしておりますが、それにも増してその弾力的な措置が全部容認されることになりましたので、三十九年度の
予算からは
国立学校の経営なりあるいは
内容の
充実なりについて画期的な姿になっておる次第でございます。