○阪田説明員 民間企業と公社と比較いたします場合にどうい方法で比較をすべきかという点は、
先ほどもちょっと申し上げましたが、かなり理論的にもまた実際的にもむずかしい面があるように思います。ただいま民間の比較対象となるべき企業の規模の点につきまして主としてお尋ねがございましたが、どういう業種と比較するかといったような問題、あるいはどういう職種と比較していけばいいのかといったような問題もあると思います。それから比較のしかたにつきましても、ただ平均賃金と比較するということだけでは、これはあまり
意味のないようにも思われますが、一方から言いますと、たとえば年齢構成をウエートに入れて比較する、あるいは勤続年数でいくとか、あるいはもっとこまかく入りまして、職種といいますか、仕事そのものの比較によっていくほうがなお妥当ではないか、いろいろそういったような問題があるわけであります、ただ
現実に比較いたします場合には、やはり
資料がなければ比較するといいましても
意味がありませんわけで、結局、現在ある職種の
資料をいろいろととりまして、それによって比較する。それを参考にして、ある
程度の見当をつけてやっていくという以外方法がないのではないかと思っておるわけでございますが、そういう
意味におきまして、公社といたしましては、大体毎年そういう方法でやっておるわけでありますが、労働省の毎月勤労統計
——毎勤と普通いっておりますが、事業規模五百人以上というようなものをとってやっております。そのほか賃金実態総合
調査、三十六年四月に行なったものでございますが、これにつきましては企業規模十人以上、あるいは、千人以上といったようなところをとって参考にしております。それから東洋経済の統計月報につきましては、企業規模五百人以上といったようなものをとっておるわけであります。
労働組合のほうでは、専売事業というものは非常に大きな規模の企業であるから、こういう何百人以上といったようなとり方は間違っているので、民間の個別的な非常に大きな企業をとってきて、それとベースを比較すべきではないかというようなことを主張しております。そういうことも参考にしてやってみることも必要ではありましょうが、しかしこれをもって直ちにそれと比較して結論を出すべきものではないというふうに私
どもとしては考えておるわけでありますが、何ぶんにも
資料が十分でもありませんし、また比較のしかたにつきましても問題のある点であります。なかなかぴったりした、これでいけば間違いないといいますか、理論的にも実際的にもいいといったような方法はむずかしいわけでございますが、
現状ではそういうふうにいたしておるわけであります。
今度の公労委が仲裁裁定にあたりまして、主として参考とされましたのは、全産業、企業別百人以上といったようなものを参考にしたように承ったわけでありますが、その点につきましては、そういう比較のやり方といたしまして、公社としては、それはいい悪いという問題ではなくて、
資料が乏しいわけでありますから、こういうものが妥当と見られてこれによられたと思いますが、私
どもといたしましては、どういう方法が一番いいかということにつきましては、今後も十分に研究を続けていきたいというふうに考えております。