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川俣委員 そこで、林野庁にお尋ねをしたいのですが、最近、
国有林の開放の問題がだいぶ盛んになってきておりますが、
国有林は、明治初年以来、太政官布告等によって国有荒蕪地払下法、あるいは、明治三十九年から四十年、日露戦争後の農村の不況にあたりまして、
国有林を非常に開放いたしておるわけであります。また、大正年間の救農国会以来、
国有林の開放がかなり進んでおりまして、約百三万町歩か、百十万町歩以内でございましょうが、私、いまはっきりしたところを記憶をしておりませんけれども、その
程度、農地に所属がえになっておる、売り払いになっておる問題があるのでございます。特に、終戦面後の開拓
財産については、大幅な、五十何万町歩かと思いますが、開拓
財産に開放になっておるわけでございますが、これらの
財産が、農地として
活用されておるかどうかという統計が、あまり確実なものは林野庁は持っておらぬようでございます。農林省もまた、あまり確実に持っておらぬようでございます。いま私どもは、ただここで非常に心配するのは、
森林の効用についてもう一度認識を高めておかなければならない時期にきたのではないかと思うのでございます。徳川時代以来、
森林については長期の
計画をもちまして、
森林の効用について非常に——もちろん国土の保全という意味ばかりじゃなくて、今後は
国民の保健衛生の上からいいまして、そういう意味での
森林の保存というものが必要になってくるのではないか。特に都市におけるスモッグ等から、
森林の効用というものを再検討しなければならぬ。
東京都内の空気の清浄さを
調査してみますと、都内では宮城内がかなり清浄である。宮城から離れますと朝霞までいかないと清浄の度合いが悪い、こういうふうになっておる。それほど空気は汚染をしておる。スモッグの
原因になっておる。こういう空気を清浄にする作用を持っております
森林について、深く検討していかなければ、お互いの生命を縮小するようなことがあってはならないのではないかと思うのでございます。眼前の
住宅としての
敷地の提供もちろん必要でございましょうけれども、
住宅が多くなったからといって不健全な、生命を細らせる
住宅なんというものは、
住宅の役目をなさないと思うのでございます。そういう意味でも、植物の同化作用の中に人間が共存しておるわけですから、共存物体でございますから、それだけの
森林の効用を
考えていかなければならぬときに、単に
国有林が開放されて——もちろん農地か不足なことは日本の農業の
一つの欠陥でありますから、農業用地として開放することは望ましいことでございまするけれども、それを
活用しておらない、いまだに
処分をしていないというところを見ますと、一体日本の農地が不足なのかどうかという疑問が出てくるわけです。なぜ一体農林省が農業上の基盤でありますこの
土地に対してもっと積極的にならないのか。いまここに農林省はおりませんけれども、少なくとも今後農業について幾多の
財政上の負担をしなければならない
大蔵省としてみても、こういう問題についてただ予算のことだけやかましく言いましても、こういう
国有財産についてもう少しきびしくしていかなければ、日本の農業を達成させるわけにいかないのじゃないか。こういうことが私があえてここに警告的な質問をしておるゆえんなんです。
政務次官、
政府を代表して御答弁を願いたい、こういうふうに思います。