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堀委員 私は答申の説明を聞く意思はないのです。いまのは説明なのですよ。いま小松さんのおっしゃったように、私は
証券問題の今後のビジョンというものが非常に重要だと思うのですけれ
ども、そういうビジョンを
考える場合に一番重要なのは、やはり
証券業者自体があるべき姿になっていないと、そこがきちっときまっていないところに上にビジョンをかこうとしてもかけないのです。だからどうしても
低迷している中へ、まずどこへ石を置くかということ、
証券業者というものをきちんとして、信頼される、あるべき
証券業者の土台の上にいろいろな今後の問題を積み上げていくなら、下がきっちりしているから間違いがない、私はこういうことになると思うのです。そこであわせて総括的に、いまおっしゃるように、この外務員登録制で大蔵省に登録をするという問題と免許制の問題はつながっておる。そこで、大臣はいま免許制にするということはお答えになっておりますが、私はここで、少し具体的な提案をしたいのです。
実は先般の
委員会で、財務比率の通達の問題につきまして私は問題を提起をいたしました。大臣も
現状ですぐ急いでそれを
実行するについては多少無理もあるから
考える、こういうお話でしたが、実際はどうも
考えているかどうかわからないような行動が行なわれておるわけです。
新聞紙上では行なわれておる。末端では、私が聞いておる範囲では、財務比率で売りなさいという
指導が行なわれておる事実もある。それはいいですが、私はその問題を単に財務比率だとかあるいは
資本金の増額だとか、ぽろりぽろりとあの手この手でこの問題をやるような
段階は、率直に言って過ぎたと思っている。そういうものを総括的にして、そうしてあるべき
証券業の姿を
政府はかかなければならぬ
段階にきておると思うのです。
きょうは午前中に春日委員も指摘をされておりますけれ
ども、少なくとも現在の
証券業者が、時によってはディーラーでもうけ、
現状のようになれば、やむを得ぬからブローカーでもうけ、場合によってはアンダーライターでもうけよう。そのアンダーライターでもうけようということが、ややもすれば第二
市場にいろいろ問題を起こすようなことにもなりかねないというような実情を
考えていきますと、ディーラーならディーラーだけでやれといっても
現状ではできません。ブローカーならブローカーだけでやれといってもできません。しかし少なくともディーラーを主体にしておる
業者は、そんなにあっちこっちに支店を持つ必要はないのです。ディーラーなら本店と主要なる事業所があればできるわけです。ブローカーを主体にしておるものならば、やはり店舗を設けて全体との
関係を
考えてやらなければならぬという問題も出てくるだろうと思うのです。
そういうふうに、もはやここらにきましたら、免許制の問題をいつかはやらなければならぬという問題ではなくて、私はひとつ提案をいたしますと、こういうやり方を
考える必要があるのじゃないか。まず皆さんがあるべき
証券業者、
資本金は大体このくらいだ。いまの財務比率はこういうことだ。業種的な配分については、ディーラーを八〇%やるものはブローカーは二〇%くらいにしろとか、あるいはブローカーを主体にするものはブローカーが八〇%、ディーラーは二〇%以内で押えるべきだ。アンダーライターをするものはどうであるとか、
証券、投信の分離の問題も、もう少しきちんとしてもらわなければならぬ。
投資信託の問題についても、もう少し本格的に分離をするかっこうにならなければならないとか、やはりこれらの問題をここで大蔵省がかかなければいかぬのです。こういうあるべき姿が私は免許の基準だと思うのですよ。しかしそうだからといって、いまたくさんの
業者がいますから、これに合致するかといえば合致はしない。しかし少なくともここで免許制度に切りかえるという線を出して、現在あるものには一応仮免許をやりましょう。これからつくるものはもう仮免許はやりませんよ。本免許に合致したものでなければ、これからは認めません。しかし現在ある人には仮免許をやりましょう。それから二年なら二年適正な間隔を置いて、その先でいま私の言ったようなあるべき
証券業の姿にならない人は仮免許のままで本免許はできません。そうすると、その間に
資本金、財務比率その他で必要なものは統合をされましょう。どうしてもだめなものは御遠慮願いましょう。自発的なそういう彼らの自主性にまかした期間を、自主的に経過措置を設けて、ある一点においてはっきりした
証券業のあるべき姿を書くということがもしできるならば、大衆は将来を見出して、なるほど
証券業というものは、業態自体から
政府がそこまで土台をつくってくるということならば、いまのようなことでなくて、もう少し安心して将来的な展望のもとに立って、
投資をやってもいいんではないかということになるのではないかと私は思うのです。だからきょう私は抽象的な、免許をやりましょうというようなことを聞いたって、
現状ではへの突っぱりにもならないと思うのです。
そこで私がいま
——これは私の提案ですから、何もこのようにしなさいとは言いませんけれ
ども、少なくとも私の言っておる趣旨をひとつ生かして、大蔵省として抜本的な姿勢を正すような
証券対策の一端を、ここで大蔵大臣に述べてもらいたい。これは事務当局の問題じゃない。政治的な問題ですから、大蔵大臣ひとつ……。