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1964-04-01 第46回国会 衆議院 大蔵委員会 第29号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年四月一日(水曜日)    午前十一時三十六分開議  出席委員    委員長 山中 貞則君    理事 金子 一平君 理事 原田  憲君    理事 藤井 勝志君 理事 坊  秀男君    理事 吉田 重延君 理事 有馬 輝武君    理事 堀  昌雄君 理事 武藤 山治君       天野 公義君    大泉 寛三君       奧野 誠亮君    押谷 富三君       木村 剛輔君    木村武千代君       小山 省二君    島村 一郎君       田澤 吉郎君    谷川 和穗君       濱田 幸雄君    大村 邦夫君       佐藤觀次郎君    田中 武夫君       日野 吉夫君    平林  剛君       松平 忠久君    春日 一幸君       竹本 孫一君  出席政府委員         宮内庁次長   瓜生 順良君         大蔵政務次官  纐纈 彌三君         大蔵事務官         (日本専売公社         監理官)    遠藤  胖君         大蔵事務官         (管財局長)  江守堅太郎君  委員外出席者         日本専売公社総         裁       阪田 泰二君         専  門  員 抜井 光三君     ————————————— 四月一日  委員小川平二君、田中武夫君、野原覺君及び松  平忠久辞任につき、その補欠として谷川和穗  君、島口重次郎君、大村邦夫君及び米内山義一  郎君が議長指名委員に選任された。 同日  委員大村邦夫君、島口重次郎君及び米内山義一  郎君辞任につき、その補欠として野原覺君、田  中武夫君及び松平忠久君が議長指名委員に  選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  国有財産法第十三条の規定に基づき、国会の議  決を求めるの件(内閣提出議決第一号)(参  議院送付)  専売事業に関する件      ————◇—————
  2. 山中貞則

    山中委員長 これより会議を開きます。  国有財産法第十三条の規定に基づき、国会議決を求めるの件を議題といたします。  質疑の通告がありますので、これを許します。有馬輝武君。
  3. 有馬輝武

    有馬委員 大蔵省に一番最初お尋ねしたいと思いますが、国有財産維持管理については、中央審議会並びに地方審議会の議を経てやっておられることは私たち承知いたしておりますが、その効率的な運用についてどのような基本方針をもって臨んでおられるか、この点についてお伺いしたいと思うのであります。  地方審議会の現在までの経緯をずっと見ておりますと、ケースバイケースで、何か一貫した効率的な運用についての考え方がなくて、その場その場で処理されておるようなきらいがあるように感じられますので、この点について、大蔵省としての基本方針を聞かしていただきたいと思うのであります。
  4. 江守堅太郎

    江守政府委員 基本方針と申しますか、現在わが国は非常に土地が少のうございます。国有財産土地もだんだん少なくなってまいっております。一方需要も非常に強いということでございますので、これを計画的に管理処分をいたしたいということを念願いたしております。公共目的あるいは都市計画あるいは新産業都市の建設、いずれも土地がその前提になる問題が多いのでございます。そういう点につきまして、国の土地が効率的に利用されるようにということを考えております。  ただ、そういった都市計画あるいは新産業都市に基づく土地利用ということを、長期的な見通し計画を立てるということもまた非常にむずかしい問題でございますし、一方そういった問題を離れまして、あるいは個人の住宅の問題、あるいは私企業の土地問題等からの需要もまたあるわけであります。これらの問題につきましては、計画的に処理するということ自体が非常にむずかしい問題でございます。したがいまして、仰せのとおりケースバイケースによって処理をしていくということもやむを得ない面もあるのでございますが、いずれにいたしましても、そういった土地を効率的に利用するということを念願いたしまして、そうして個々処分にあたっては適当な方に適正な時価で売るということを考えて仕事をやっておるわけでございます。
  5. 有馬輝武

    有馬委員 いまお話し事情についてはわからないでもありませんけれども、やはり相当コンクリートなものにしておかないと、ケースバイケースということで、本来持っておられる大蔵省考え方というものがゆがめられるきらいがあるのじゃないか、私はそう思うわけであります。少なくとも三十人の練達の士が委員になっておられて、公平な立場からしかも効率的に運用されるようにということで、それぞれの地方審議会では論議をされるでありましょうけれども、しかし関東なりあるいは南九州なりそれぞれの場によって、その場の空気なり発言者のカラーなりというものによって左右される場合が起きてくるのじゃないか、こう思うのでありますが、ここら辺をチェックするのについては、具体的にどのように考えておられるか、いま一度お聞かせをいただきたいと思います。
  6. 江守堅太郎

    江守政府委員 国有財産審議会に議案を提出いたします際は、まず事前に、たとえば公共目的のようなものでありますれば、そのところの都市計画あるいはその他の計画的な土地利用というものが、もしその地方にございました場合は、そういったものに合致するか、あるいはそういったものの目的に反した利用にならないかということをもちろん十分検討をいたしております。それからそういった面を離れまして、そういったことと関係のない土地につきまして私企業的な立場から売ってくれというお申し出がございました際には、まずそれが随意契約で売れるものであるかどうか、あるいは一般競争入札で売るべきものであるかどうかという点につきましては、予決令の規定に基づきまして慎重に検討をいたしておるわけでございます。  いずれにいたしましても、そのようにいたしまして財務局事務当局におきまして、この土地をこのような目的でこのようなところに売る、貸す、あるいは譲与するということが適当であるという案を策定いしたまして、これを地方審議会にお諮りをしておるわけでございます。したがいまして、策定される案そのものにつきまして、地方審議会委員方々にこういうものを出すがどうかというようなことをお諮りする機会はもちろんないのでございますが、その点につきましては事務当局で慎重に検討いたしまして、案をお出しするわけでございます。地方審議会におきましては、その土地学識経験者あるいは財界のおも立った方あるいは国の出先の官庁の長というような方方が審議会委員になっておられて、そこで十分審議をいただいて、御諮問の結果、それがよろしいというものでなければもちろん処分をしないわけでございます。ただ実際問題といたしましては、その審議会においてこれはもっと考え直したほうがいい、あるいはこういうことはやめたほうがいいというようなお答えをいただくことはごくまれでございます。大体におきまして、事務当局事前検討いたしました線に沿って、それでよろしいという御答申を得ているような事情でございます。
  7. 有馬輝武

    有馬委員 いまの点にも少し問題があるようでありますが、次にお伺いしたいのは、たとえば三十二年の七月から三十六年の三月末までで八百十一件の処理がなされておりますが、その中で売り払いが六十五件、譲与が二十二件、交換三十六件というぐあいになっておりますけれども、その相手方についてみますと、産業が二十八件、地方公共団体六件、公益法人六件、その他三件というぐあいになっておるようであります。この場合に、たとえば地方公共団体の六件でありますが、これは産業の分野にいたしましてもそうでありまするけれども、よほど確とした大蔵省方針がないと、たとえば地方公共団体に売り払いなり譲与なりする場合に、その地方公共団体の首長の政治的な手腕がどうこうというような形で論議がされるようなケースが出てくるのじゃないか。そうなりますと、その効率的な運営云々という問題とも関連いたしまして、問題が横道にそれるおそれがあるのじゃないかと思いまするけれども、そういった点についてはどうですか。
  8. 江守堅太郎

    江守政府委員 土地をお売りする、あるいはお貸しするというのは、ある面におきましては売ってくれ、貸してくれと言われる方々のほうから申しますと、一つの商売というような面もあるわけでございます。したがいましてそういった希望を持って非常に熱心に何度もおいでになるというような方々が、まず売り払い、あるいは貸し付け相手方として当然財務局で考慮される相手方となるわけでございます。でございますが、国が財産を売る、貸し付ける、あるいは譲与する、減額で売るというようなものは、もちろんすべて法律の規定に基づいてやっておるわけでございますし、またその相手方の選定にいたしましても、どのような方であっても随意契約で売るというわけにはまいらないのであります。その点あるいは産業の保護、奨励、あるいは輸出に貢献をする、あるいは公益的な事業であるという方々であれば随意契約でお売りしておるわけであります。それ以外の場合はやはり公正な一般競争入札というようなことでやっておるような実情でございます。
  9. 有馬輝武

    有馬委員 どうも私質問がへたくそなものでありますから、私の意のあるところがおわかりにならなくて、また答弁もそれでぼやけてきておると思うのでありますが、私がお伺いしております焦点は、効率的な運営という立場から国有財産維持管理については基本方針が立てられなければならないじゃないか。その効率的な運営というものはやはり国民立場から最も緊急なものに対して払い下げなり譲渡なりが行なわれてしかるべきである。そうして国民立場から申せば、たとえば東京都においては住宅不足、その最大の原因になっておる土地を考慮する、そういう立場からこれはただ大蔵省だけではなくして、内閣基本方針としても考慮されてしかるべきであると思うのであります。  ところが一例として申し上げますれば、関東地方審議会で御決定になっております第三十一回審議会、三十五年の九月五日に、東京都の旧遺族倶楽部所属土地三千五百七十六坪、それから立木その他について靖国神社に対して随意契約をもって有償貸し付けをいたしておりますが、私は、もちろん現在神社その他が非常に苦しい立場はわかりますけれども、しかし申し入れがあった。では靖国神社にあれしましようという形でなくて、いま申し上げましたように東京都の土地の状況はどうなのか、住宅事情はどうなのかというような基本的な立場から考慮されていくべきではないか。先ほど御答弁があったように、三十人の委員方々は、一つの原案が出れば、それは練達の士であると同時に紳士ばかりでありますから、ああそれでよろしゅうございましょうというような結果になるかもしれません。そういった審議会空気があればあるほど、やはり大蔵省としては慎重な態度があってしかるべきではないか。私は、靖国神社のものにけちをつけるという意味ではなくて、もっと効率的に運用されてしかるべきではないか。こういう考え方があるからお伺いをいたしておるわけであります。いま一度お聞かせ願いたいと思います。
  10. 江守堅太郎

    江守政府委員 そのときどきの重要な政策、たとえばいま申されました土地の問題などにつきまして国有土地をその目的のために十分に利用するということにつきましては、私どももそういう点を基本的な考え方として処理をいたしておるわけでございます。たとえば住宅公団への出資等につきましても、相当思い切って出資をしておるつもりでございます。ただ、いまの仰せ靖国神社貸し付けたという土地がどこでございますか、私、ちょっとわからないのでございますが、非常に個々の場合になってまいりますと、その土地をお売りするというような場合に、これを住宅用土地として留保しておいたほうがいいか、あるいはいま直ちに売ったほうがいいかというような点はやはりその一つ一つケースに応じて考えなければならない問題かと思うのでございます。いずれにいたしましても、そういう点は十分頭の中に入れまして、そうして一つ一つ管理処分ということは考えてやっておるつもりでございます。
  11. 有馬輝武

    有馬委員 三十五年当時は局長いらっしゃらなくてその間の事情をあるいはつまびらかにしないかもしれませんけれども、私は、局長がおかわりになっても、いつでも、これは第一優先順位でこういうケースだったからこのように処理されたということが、中央審議会だけでなくして、地方審議会においても常にルールというもの、ものの考え方というものが一貫しておる、そのことが必要なのではないかということを申し上げておるわけです。それは、靖国神社のときはどうなったんでしょうかね、つまびらかにいたしませんけれども。というようなことではなくて、やはりほかの各省とも連絡をとりながら、このケースは第一順位ですからようございましょうというような一つのあれがあってしかるべきではないか、それが、少なくとも国有財産法が設けられ、この国有財産法に従って維持管理が行なわれていく、そういうことじゃないかと思うのです。そういった基本方針について私はこの際お伺いをしたいと思いますが、地方審議会に早急に大蔵省としてのものの考え方——もちろん情勢は一年一年急テンポで違っていくかもしれませんけれども、それに対して今後このような維持管理をしたいという草案をつくって地方審議会にはかられる意思があるかどうか、もし現在それがなければ、この際政務次官からいつの審議会においておはかりをいたします、そうしてその草案については私どもに御相談していただく、こういう点についてひとつ政務次官のほうから御考えをお聞かせいただきたいと思います。
  12. 纐纈彌三

    纐纈政府委員 ただいま有馬委員の御質疑の御趣旨につきましては十分了承をいたしておりますが、御承知のように、いま局長からも御答弁申し上げましたように、いろいろの事情がございまして、やはり基本的の大筋を持っているということは必要だろうと思いますが、個々の問題になりますと、なかなかそれが貫くことができないようなケースもないではないという想像をされるわけでございます。ただいまの御質問に対しまして、いつそれをやるかということの御質問でございますが、いろいろの関係もございますし、十分ひとつ検討いたしまして、何と申しましても国有財産でございますから、将来やはり公共的な性質を持っているものを先にしなければならないでございましょうし、また、中には長い間民間のほうに貸し下げておってそれを払い下げてくれというような問題もあれば、これはある程度考えなければならぬというようないろいろな問題がございますので、こういうものを検討しつつ、十分ひとつ御趣旨のような形に、基本的と申しますか、一応の処分に対する方針等につきましても、ひとつ結論を出すように努力してみたいと思っております。
  13. 有馬輝武

    有馬委員 政務次官のお答えもわからぬではありませんけれども、私がこういうことを申し上げておりますのは、いままでのような運営では、ケースバイケースというようなことではちょっと困る事態が出てくるんじゃないかと思いますので、もちろんこれはなかなかむずかしい問題でありましょうが、早急に草案をつくっていただきまして、地方審議会がいつ開かれるかわかりませんが、きわめて近い地方審議会には必ず大蔵省としての基本方針を出しますという点について、この際御確約を願いたいと思うのであります。
  14. 江守堅太郎

    江守政府委員 仰せの点につきましては、国有財産管理処分をどのようにするかという基本方針を毎年度当初財務局に対して管財局長名で出しております。また地方審議会におきまして、委員方々から、一体こういうふうにばらばら処分していいのか、もっと長期的な見通しのもとに計画的にやってはどうか、そういった計画はどうなっているのかというような御意見もたびたび出ております。そのつど私どもは考えております基本方針を御説明いたしているわけでございますが、先ほども申しましたように、基本方針個々の売り払いに結びつけて運用いたします際にどのようにするかということは、はなはだむずかしい問題であると私ども考えております。でございますが、さらにこの基本方針をもう少し具体的にして、それが財務局財務部での個々仕事に結びつけるような方針を策定いたしまして、財務局に示し、また審議会お話を申し上げたいと考えます。
  15. 有馬輝武

    有馬委員 ぜひそれを急いでいただきたいと思うわけであります。  本委員会において個々ケースについて論議することは避けなければなりませんので、私はいろいろな事態についてもお伺いをしたいと思っておりますけれども、そういったことは避けさしていただきまして、幸い次長がお見えになっておりますので、この際個々ケースに入って恐縮かと思いますが、一つだけお伺いをいたしておきたいと存じます。それは品川の宮様の土地と東急との間に——実は私たち福祉会館をつくりたいと思いまして宮様と御相談を申し上げておりましたが、他の有力会社のほうにあれされまして、私どものせっかくの企図も中途はんぱに終わっているわけでありますが、そういうケースもありますので、あの場合はどういうことで宮内庁のほうとしては臨んでとられたか、お聞かせいただきたいと思うのであります。これに関連して大蔵省としてはどのように見つめてこられたのか、これもあわせて局長のほうから御説明願いたいと思います。
  16. 瓜生順良

    瓜生政府委員 高輪南町御用邸の問題でございますが、この御用邸につきましては、現在あすこにお住みになっている東久邇稔彦様がこれは自分所有のものだというような主張をされて、訴訟が起きたりしておりました。宮内庁といたしましては、これは皇室用財産としていままで管理している。東久邇さんは皇室の非常に近い御親戚のようなものですから、そこに一時的にお住まいをしていただくことを承認をしてきておったわけです。したがってその東久邇さんが引き続きずっとそこに住んでおられれば、いままでの関係では、一時的でも東久邇さんに認めている以上、それを取り消すというようなことは考えないでずっと済んできておったわけであります。ところが、そういう訴訟が起きたりしておりました。その訴訟関係は二月の十八日に先方も取り下げられたようなことでまたもとの状態に返ったわけですけどれも、宮内庁といたしましては、皇室の用に供する財産として引き続きこれを管理していく必要があるかどうかという問題にかかってくるわけでございます。皇室用財産として維持管理していく必要がないというふうなことになりますと、これは皇室用財産を解除するということで、そうなりますと、国有財産でありますが、普通財産に返る。普通財産になりますと、大蔵省のほうにお返しして、大蔵省のほうでこれを管理する。それをどういうふうに御処分になるか、これはもう大蔵省のほうの御意見でなさる、矛の点は宮内庁のほうは関与はしないということがたてまえであります。東久邇さんが一時自分所有だということで、あるいはいまお話し福祉会館の話をされたり、ほかの話があったり、少しごちゃごちゃしたことがあったことも承知いたしておりますけれども、しかし宮内庁としてはあくまでも皇室用財産として管理している。皇室用財産でなくなれば、大蔵省のほうへお返ししてそこでまたどういうふうに処分されるかということをきめていただくというふうなことで、お尋ねの点には関係してないわけであります。
  17. 江守堅太郎

    江守政府委員 いま宮内庁次長お話にございましたとおり、二月の中旬に東久邇氏が訴訟をお取り下げになりました。宮内庁のほうでは高輪御用邸は今後皇室用財産として利用しないというお話がございまして、目下大蔵省普通財産に引き継ぐ手続中でございます。大蔵省といたしましてはこの普通財産をいかに処分するかということでございますが、東久邇さんの訴訟の問題の中にいろいろの経緯があったのでございますが、その経緯の中から京浜急行処分するのが適当であるということがだんだんきまってまいりまして、目下京浜急行高輪御殿処分するという方向で下準備をしているという段階でございます。
  18. 有馬輝武

    有馬委員 個々の問題についてあまり詳しくお尋ねするのもなにかと思いまするのであれしますが、そういうことで私が先ほど申し上げたように、やはり基本方針というものがちゃんとしてないと問題がややこしくなりますので、個々の点は、先ほど局長から答弁がありましたように、ぜひその基本方針を示していただく機会を早めていただきたいと存じます。  そこで、次長にお伺いをいたしますが、今度の案件京都御苑の問題なり皇居外苑の問題についておはかりがあるわけでありますが、私は、皇居並びに外苑東京都の都心に寄与する役割りというものは非常に大きいと思うのであります。もともと東京が無計画的に発展してきた都市でありまして、外国の首府に見られるような全体的な構成美というものを持っていない点はいなめない事実でありまして、非常に残念なわけでありますが、戦後千載一遇の機会であったにもかかわらずそれをほったらかしにして、また現在のような東京の雑然たる都市形態になっておる。これも当時の知事の無能、無策でやむを得ないといえばそれまでのことでありまするけれども、しかしその中でやはり皇居並びに外苑東京都市美を引き締める役割りを果たしていることは、私どもとして非常に喜ぶべきことだと思うのでありますが、それの維持管理という面について基本的にどのようなお考え方を持っておられるか、この際お聞かせをいただきたいと思うのであります。   〔委員長退席吉田(重)委員長代   理着席
  19. 瓜生順良

    瓜生政府委員 この大きな東京都の中心に皇居がございまして、皇居が、いま先生おっしゃいますように都市美あるいは都市空気の浄化、衛生的な効果、そういうようなまた別の意味の用を果たしておるということは、われわれも十分承知をいたしております。したがってこの皇居維持管理につきまして、そうした面に特に留意し、外から見えます部分について、きたなく見えるというような点のないように特に留意をして、予算なんかもいただて、それを整備してきておるわけでございます。  なおここに議決をお求めいたします中に、皇居東側地区整備に関連して、従来厚生省の所管であった公園の用地となっておりまする部分を、皇室用財産にしていただく。また宮内庁公用財産であるところを、皇室用財産としていただくというようなことが出ておりますが、このことはこの皇居東側地区約十万坪余りございまするが、その部分につきまして、これは皇居造営審議会答申に基づきまして、皇居付属庭園として整備をして、これを皇室で御利用にならない場合は、原則として一般に公開する。大体においては公園のようにして、一般の方が昼間は自由に入って散策のできるようにしようというような計画を進めておりまする関係上、ばらばら管理がなっておりますることはやりにくいので、管理を一本にしてこれを整備しようというようなことで、この議決を求めておるわけでございまするが、特に東側地区につきましては、従来いろいろな他の官庁建物がありましたり、また宮内庁関係建物がございまして、それもあまり古くなっておってきれいでない。そういうのを、他の官庁の分は外へ移す、宮内庁関係の施設はその地域の一角、ちょうど大手門から入りまして右側の一角にまとめまして、その他の土地につきましては木を植え、あるいは芝を張って、緑の公園ふう整備しようというわけでございます。そういたしますれば、いま先生がおっしゃいまするように、皇居の美観というのはもう少し従来よりはよくなり、しかもそれが一般の方も公園のようにして御利用になれるようになっておるわけでございまして、先生のおっしゃる線で進んでおるわけでございます。
  20. 有馬輝武

    有馬委員 それでたとえば皇居自体だけではなくして、周辺の問題についても十分配慮されておると思うのでありますが、そこら辺で宮内庁考え方をそのまま通せないというか、ほかの要因でもって阻害されるようなきらいがあるのではないかと思うのですが、それに対してはどのような機構を通じて、どのような形でそれを貫かれることになっておるのか、私どもつまびらかにいたしませんので、お聞かせをいただきたい。抽象的でおわかりにくい点があるかもしれませんが、たとえば周辺に二、三十階ものホテルが建つというようなことでは、皇居自体というものは周辺の景観によってささえられていると思うのです。それが周辺から、せっかくの企図がくずされていくというようなことであれば、これは問題がややこしくなってくると思うのであります。少なくとも都市美というものは、一つ一つ建物なり公園なりというのではなくて、全体の形の中ではじめて都市美というものが生まれてくると思うのでありますが、近ごろ周辺が目に余るような事態になりつつあるような気がいたしますので、そこら辺についてお聞かせをいただきたいと思います。
  21. 瓜生順良

    瓜生政府委員 皇居の周辺にいろいろな建物のできるというような関係になりますと、現在のたてまえで宮内庁として、それをやめてほしいとかなんとかというようなことを言うような権限もないので、そこまではちょっといたしておりませんけれども、しかし皇居に隣接する部分について、たとえて言いますと、半蔵門の前のあのお堀の反対側のところ、そこのがけをくずして道路をつくろうというような計画がいっときあったことがございますけれども、そういうことにつきましては、皇居造営審議会の際にも、これは直接皇居じゃないけれども、やはり皇居の周辺の景観というものは維持すべきで文化財として考えなければいけないということで、その問題については、文化財保護委員会のほうでそれはいけないということで許可をされなかったわけであります。結局そのがけをくずすことはやめて、地下道にされたというようなふうになりました。そう申す権限はこちらにございませんけれども関係の筋を通じて、周辺の景観があまりそこなわれないように、事実上は努力いたしております。
  22. 有馬輝武

    有馬委員 最後に新宮殿の問題についてお伺いいたしたいと思いますが、当委員会として皇居にお伺いいたしまして、新宮殿の問題についてもお話伺いましたときに、私どもからも希望を申し上げておきました。もちろんもう具体的な計画に入っておられるのでありまして、私どもそのときにも近代的な設備というような点については十分な配慮が必要であると同時に、やはり日本の宮殿であるというカラーをできるだけ出していただきたい。屋根については日本式にというようなお話もございましたが、それと同時に、やはり皇居国民のものにすると言ってはおかしゅうございますが、親しみやすいものにする努力というものは、当然宮内庁としても配慮されておると思いますし、また当然そうなければいかぬと思います。そういった意味で、たとえば明治神宮がつくれられますときに、樹木について全国の国民の気持ちを結集された。ああいったことが、何か考えられておられるのかどうか、ここら辺についてお聞かせをいただきたいと思うのであります。
  23. 瓜生順良

    瓜生政府委員 宮殿の造営に関して広く一般の方から樹木とか、そういうような寄付を受けるかというような問題かと思いますが、宮殿の造営につきましては、これはわれわれもやはり全国民のものでございますから、その宮殿の設計の際も、この宮殿の伝統を基礎とはするが、また国民に親しまれるようなものでなければいけないという点を基本として、設計なんかも進んでおるわけでございます。  なお、この宮殿については、これは国費でされるということは、要するに全国民の負担においてできるということになるわけです。特別の方の寄付を中心に考えるというたてまえじゃなくて、全国民の方の御負担でできるというたてまえを基礎にして考えてきておったわけであります。ただ特にその際に、宮殿のために寄付がしたいという誠意を持っておられる方、これをお断わりするのも、人情にも反しますし、誠意を生かしたほうがいいということで、皇居造営審議会答申の際も、弊害のないものは受けてよろしいという決定をされ、閣議もそういうふうに決定になったわけであります。お金で幾らかずつ寄付されている方の分は、いまこれを蓄積いたしておりますが、なお木で寄付をしたいという方につきましては、この宮殿造営の計画と合うものについては、これはお受けをしてもいいということで考えております。その造営の計画に合わないものを無恥に持っておいでになりましても、これは使いようがございませんからこれは困る。ただ明治神宮の造営の場合のように、そうたくさんの樹木をお受けする必要はございませんので、先ほど申しました東側地区を皇宮付属庭園とする、それに必要な樹木につきましては、すでに苗から育成してそれぞれ準備ができておりますから、大体においてもうそれでできるわけでございます。ただ特別のもので、こういうものということで、それが宮殿造営の計画とマッチするものであれば、それはお受けするというたてまえでございます。
  24. 有馬輝武

    有馬委員 終わります。
  25. 吉田重延

    吉田(重)委員長代理 これにて本件に対する質疑は終了いたしました。     —————————————
  26. 吉田重延

    吉田(重)委員長代理 これより討論に入るのでありますが、別に討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ることといたします。  おはかりいたします。  本件を原案のとおり可決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  27. 吉田重延

    吉田(重)委員長代理 御異議なしと認めます。よって、本件は原案のとおり可決いたしました。  おはかりいたします。本件に関する委員会報告書の作成等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  28. 吉田重延

    吉田(重)委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。   〔報告書は附録に掲載〕     —————————————
  29. 吉田重延

    吉田(重)委員長代理 この際、専売事業に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許します。大村邦夫君。
  30. 大村邦夫

    大村委員 私は、たばこ専売行政並びにたばこ製造工場などの合理化の促進について、これから質問を試みようとするのですが、大蔵委員会の常任委員でございませんので、この種の問題が過去いろいろ討議になったこととあるいは重複するかもしれませんが、ひとつ御容赦を願いたいと思います。  私が申し上げるまでもなく、専売公社の運営は、専売公社法あるいは一連の法律、規定等によりまして運営をされておると思いますが、その日本専売公社法の第一章総則、第一条並びに日本専売公社業務方法書第一章第二条によりますと、「日本専売公社は、たばこ専売法、塩専売法、製塩施設法、塩業組合法、たばこ耕作組合法及び塩業整備臨時措置法に基き現在の国の専売事業の健全にして能率的な実施に当ることを目的とする。」そういうように経営方針規定をされております。  ところで一方、専売事業については、御承知のように、国家独占企業でありまして、その資金はすべて政府が出資をしております。そういう公益的な性格も持っておるわけでありますが、この性格と健全な経営実施という関係について、専売公社の経営の責任者である総裁に、たばこ専売事業に限り所見を伺いたいわけであります。
  31. 阪田泰二

    ○阪田説明員 専売公社といたしましては、ただいまお示しのように、専売公社法その他の法令、規定にしたがいまして、専売事業の実施に当たっておるわけであります。お示しのように、たばこ専売、塩専売、その他の仕事をやっておるわけでありますが、専売事業あるいは専売公社の使命といたしましては、一方におきまして財政収入をあげる、国あるいは地方団体に専売の納付金あるいはたばこ消費税といったような形で財政需要に寄与するというのが一つ目的であります。同時に、たばこ事業についていいますと、たばこ消費者にいいたばこを適正に供給する、サービスする、こういった使命の両方があると思うのです。ただいま申しましたように、そういう両面につきまして能率よくやっていくということが、消費者に対するサービスという面からいいましても、あるいは適正な財政収入をあげていくという面からいいましても、必要となってくるわけであります。私どもといたしましても、そういう意味におきまして、法令その他の規定に従いました専売事業の能率的な運営ということにつきましては、せいぜい心がけてまいっておる次第でございます。
  32. 大村邦夫

    大村委員 ただいまの御答弁によりますと、健全な経営というのは、一つには財政専売としての機能を果たさなければならない、また一面においては公益専売としての機能も持っておる、こういうことだったと思います。ところで、今日のたばこ専売事業の公益性について、それが十分実施されておるかどうか等の関係から見ても、必ずしも私はそうは言い切れないのではないかと思うのでございますが、そういう点についてのお考えをお聞きしたいと思います。
  33. 阪田泰二

    ○阪田説明員 ただいまの御質問の御趣旨がはっきりわからなかった点もあるのですが、たばこの価格についての質問かと拝聴したのです。たばこの価格の問題につきましては、これはもちろん一方におきましては財政収入をあげるという問題もございますが、一方からいいますと、たばこは国民一般に広く愛好されております嗜好品でございますが、同時にある意味におきましては、喫煙者層におきましては必需品といったような状況にもなっておりますので、こういうふうにたばこを消費される方々に適正な値段で、十分に必要とする量を適切に供給してまいるということが必要になるわけでございます。その関係に立ちまして、現在の価格がいまの時勢といいますか、経済情勢なりいろいろな情勢や条件に照らして適正であるかというような問題になってくると思います。この点につきましては、いろいろと公社におきましても、過去において検討いたしたことがございますが、現状におきましては、銘柄によりまして価格はいろいろ違っておりますが、全体といたしまして、公社のたばこの定価と申しますのは、大体諸外国の例、あるいは現在の国民所得、あるいは消費の状況その他から見まして、適正なものである、決して高い、値下げを必要とする、あるいはまた別に値上げを必要とするといったようなものではないというふうに判断しておる次第でございます。
  34. 大村邦夫

    大村委員 公益性を十分満たすという点については、価格の問題とか、あるいは雇用対策とか、あるいはさらにあがってきた利潤を国民生活の向上に十分に役立たせるとか、そういう方面に使用するとか、いろいろな面があると思いますが、まず価格の面にしぼって考えてみますと、御答弁によりますと、適正な価格である、こういうことであります。私が申し上げるまでもなく、たばこの専売事業は国家的独占企業でありまして、これをもし民間に独占的にやらすということになったら許されない行為だと思います。したがって、国がこれを独占的に経営するということになれば、それ相当に公益性というものがかなり尊重されなければならないと私は考えるわけです。その公益性の中で、特に価格については、御承知のように総原価の平均は大体三〇%、これに小売り人の手数料八%を加えても、三八%から四〇%であります。そうしますと、小売り価格からこれらを差し引きました六〇%から六五%というものがいわゆる純益としてあがってくるわけであります。これはもちろん私が申し上げるまでもなしに、一般の民間企業と違って、それが直ちに資本蓄積なり設備拡張に使われるというものでなしに、国の財政に繰り入れられていくわけであります。そういう使命を持つにしましても、六〇%から六五%の利益をあげ、これが税金ということになるわけでありましょうが、そういう形が一体価格として妥当であるかどうかという点については大きな疑問を持つわけであります。  そこで、諸外国との開運においてお尋ねをします。民間でたばこの事業がやられておる国々はかなりあると思いますが、また一方におきまして、日本と同じように、国家がたばこの専売事業を独占しておるところがあると思います。これらのいわゆる原価あるいは手数料と利潤との比率ですね、代表的なものがわかっておればお聞きしたいと思います。
  35. 阪田泰二

    ○阪田説明員 お示しのように、諸外国におきましてはアメリカ、イギリス等のようにたばこの製造、販売を民間でやっておる国があり、あるいはフランス、イタリア、オーストリアのように政府あるいは専売公社のような特殊会社におきましてたばこの専売をやっておる国といろいろございますが、具体的な、どこでどの専売ではどういう率の益金をあげておるか、あるいは税をとっておるかという数字をただいま持ち合わせておりません。専売公社でもこの点は調査をいたしておりまして、益金率、これもいろいろなものがございますが、大体におきましてイタリア、フランス等の代表的な専売制度を見ておりましても、日本と同じ程度あるいはそれよりもやや多い程度の益金率、収入をあげておるように承知いたしております。
  36. 大村邦夫

    大村委員 大体のということで数字を示されませんから、総裁の言われることを一応信用いたしますが、いずれにいたしましても、政府の専売公社の合理化計画等をながめてみますと、これから合理化を促進し、さらには所得倍増計画の伸長に伴って毎年二%程度の——これは平均でしょうが、値上げを見込んでおられるようであります。この点について専売公社として、総裁として、近い将来に値上げをやられる考えがあるのかどうか、この点をお聞きをしておきたいと思います。
  37. 阪田泰二

    ○阪田説明員 専売公社といたしましては、いろいろと事業をやってまいります上におきまして、将来の売れ行きといいますか、たばこの販売の見通しを立てておく必要がありますので、そういったような推計もいたしておりますが、その推計をいたす場合におきましても、将来値上げをするといったようなことを見込んだことはございません。また、現在におきましても値上げをするといったようなことを考えてはおらないわけでございます。ただいま二%といったようなお話がございましたが、この問題は値上げと申しますよりも、むしろ販売しますたばこの平均単価が上がっている、こういったような問題だろうと思います。従来におきましても、国民所得の向上あるいは国民の消費生活内容の向上ということに伴うことだと思いますが、たばこの値上げはここ十年ほどやっておりませんが、売りますたばこの平均単価としては、実績としてもだんだん上がってまいっておるわけであります。だんだん高級なたばこのほうに趣味嗜好が移ってくる、こういった傾向は従来見られておりますし、将来もこういう傾向は継続するのだろう。その程度になりますと、これは推計の問題でありますからなかなかむずかしいのでありますが、傾向としては、今後もそういう傾向が続くのではないかというふうに見込んでおるわけであります。
  38. 大村邦夫

    大村委員 わかりました。私の若干の誤解でありました。  さらにお尋ねしますが、価格の決定について、毎年国からそれぞれ予算上の必要なワクといいますか、これこれの収益をあげてほしいという要請があると思いますが、この要請にこたえるために、逆算して価格はきめられるのかどうか、そういう点についてお聞きをしたいと思います。
  39. 阪田泰二

    ○阪田説明員 この問題につきましては、具体的に申しまして、国といいますか、政府のほうから、明年度はこれだけの益金収入をあげてほしい、こういったような話があるわけではございません。価格は変えないという形で、翌年度の売り上げなりコスト関係その他の見通しを立てまして、それによりまして予算もつくりまするし、収支の計算もいたしますし、納付金の見通しも立てる、こういった操作を毎年いたしておるわけであります。
  40. 大村邦夫

    大村委員 長期計画によりますと、これから合理化が推進されていくようになっております。この合理化の推進に伴ってコスト・ダウンも考えられるわけですが、合理化が推進をされ、コストが安くなっていけば、当然小売り価格にもはね返らなければならないと私は考えますが、その点はどうでしょう。
  41. 阪田泰二

    ○阪田説明員 専売公社といたしましては、工場の設備その他近代化をはかりまして、工場の能率、生産性の向上をはかってまいりたいということで、ただいまやっておりますが、その結果として、そういう方面におきましてはコスト・ダウンという要素が出てまいりますが、一方におきましてコストの上がってくる要素もいろいろあるわけでございます。御承知のように、たとえば従業員の労賃の水準も毎年上がってまいっております。葉たばこあるいはその他いろいろの原材料関係の価格も大体におきまして、ものによって違いますが上がってくる傾向にあることは間違いないことでありまして、そういったような原価高の傾向にできるだけ対処しますために、工場の方面の合理化、能率化というようなこともやっておるわけであります。そして結果といたしまして、全体として、そういうことによりまして、コスト・ダウンあるいは原価率が下がって益が出たときにどうするかという問題でありますが、そういうような場合におきましても、御承知のように、たばこの定価は法律できまっておりますので、それによりまして直ちにたばこの定価を変えるという問題は起きてこないわけであります。結果としまして、益金がふえるとか減るとか、こういったような問題に直接にはなるわけでございます。そういったような状態がありまして、政府あるいは国会の御方針としまして、そういう状況を見て、たばこの定価についてどういうふうに考えていったらいいか、こういうお考えがきまりまして、そこで定価をどう調整するかという段取りになるわけでございまして、直接的には公社の収支が変わってくる、納付金がふえる、減る、こういった問題に直接的にはなるわけでございます。
  42. 大村邦夫

    大村委員 たばこの価格は、最終的には国会で法律できまる、これは財政法あるいは製造たばこの定価の決定又は改定に関する法律等ではっきりしておるわけでありますが、しかしその基本となるいわゆる専売法の第三十四条によりますと、総裁が一応きめることになっておる。そして国会の承認を得て法律できめられる。その一応もとになる総裁の考え方が、国会にその責任を転嫁するというより、積極的に公益性の面を勘案して、つまり財政専売としての機能を果たすと同時に、公益専売としての機能も果たす。その公益専売の機能の一つは、大衆になじまれる、しかも低廉なたばこを提供するということ、これは考えていかなければならない問題だと思いますが、重ねてお尋ねします。総裁のお考えはどうでしょうか。
  43. 阪田泰二

    ○阪田説明員 ただいま御質問の法律の点につきましては、専売公社は大蔵大臣の認可を受け、製造たばこの定価等をきめることになっておりますが、もちろんこの基本には定価法があるわけであります。  それで、定価をどうきめるかということは、結局、ただいまお示しのありましたような消費者に対するサービスをどう考えるかという面と、財政上の要請をどう考えるか、この両面を考慮して決定することになると思います。最初に申し上げましたように、公社といたしましては、財政に寄与するという面と消費者にサービスする面と、この両方の面を持っているわけでございますから、両方の要請を調和するといったような点で定価をきめることになるのではないかと思います。
  44. 大村邦夫

    大村委員 価格が高いとか安いとかいうことは水かけ論になると思いますが、いずれにしましても、専売公社の行なっておられますところのたばこの製造あるいは専売等、価格に占める原価の割合から見て、私はあまりにも公益性を無視したいわゆる独占横暴的なやり方だと考えるわけであります。その点については、きょうは私の質問の本旨ではありませんから、この程度でたな上げをしておきます。  ところで、先ほど申しましたように、健全なしかも能率的な運営の実施ということで、その能率をあげる、あるいは健全な経営をするために、公社では合理化が考えられているようであります。すなわち専売公社の業務方法書第三十九条によりますと、長期計画を立て、工場を拡張したりあるいは縮小したり、いろいろやられるようでありますし、また専売公社の職制の総裁室の所掌事務の中には、長期経営計画あるいはスレッシング等が設けられて、その任務がそれぞれきめられております。  この長期計画の中身を見ますと、能率の向上あるいは経営の健全化ということでいろいろの面があると思いますが、なかんずく合理化計画の中心はスレッシング方式の採用だと認識をするわけであります。ところでスレッシング方式の採用については、再乾燥工場に採用する場合と製造工場に採用する場合と二通りあるようですが、いずれにしましても、昭和三十八年度以降の五年間、すなわち四十二年度までには全国の葉たばこ再乾燥工場及び工場すべてに新方式を採用する、こういうことが長期計画の中できめられております。あるいはまたこのスレッシング方式だけでなしに、この方式を取り入れると同時に、一連の製造工程が一つの工場で新機械ですべてができる、そういう見通しも立って、新しい機械が導入されるようなことも述べてありますが、そうしますと、これらの長期計画をながめてみますと、現在あるところの中骨工場等について一体どうなるのだろうか、中骨工場は、この方式を採用すると、能率化という面から見ると、公社としては当然といいますか、将来はなくしていく考えがあるのではないかというような心配もあるわけでありますが、そういう点についてお尋ねをしたい。これは話が前後しますが、先ほど公益性の点で申し述べました中に、専売公社の事業はなるほど国家財政に寄与するという面もありますが、同時に価格の面、低廉な価格で国民にたばこを提供するとか、さらにもう一つ忘れてはならないのは、ある程度の利益が確保できれば、一つの工場でかりに公社あるいは政府が考えておられるような経営形態にならない、利潤が十分上がらないにしても、雇用政策として考えなければならないという公益性もあると思います。そういう側面を持っておるのでありますから、中骨工場等についても、このスレッシング方式を採用すればなくなるように考えられますけれども、直ちにそのことを直結さして、なくするとかどうとかいうことにはならないと思うのですけれども、そこら辺の考え方を聞きたいと思います。
  45. 阪田泰二

    ○阪田説明員 公社におきまてしは、ただいまお示しのとおり、長期計画というものを立てまして、公社のたばこ製造工場全体を合理化、近代化していこうということで現在進行しておるわけでございます。お示しのように、スレッシング設備を製造工場あるいは再乾工場に導入していくということ、また新しい機械を入れて一連の製造過程を能率向上、合理化をはかっていこうということを考えておるわけでございますが、その中におきまして中骨工場、これは現在山口県の防府に一つあるわけでありますが、これをどういうふうな位置を与えていくかということにつきましては、いろいろと全体の計画とも関連してなかなかむずかしい点もございますので、現在公社におきまして検討中でございまして、まだ具体的の案はできていないわけでございます。この中骨工場というのは、御承知と思いますが、できまする前には塩のほうの工場であったわけでありますが、そのほうの仕事がなくなりましたので、その関係の設備、土地建物、あるいはこれに従事しておりました従業員というものを活用するといったような意図をもちましてできたものでありまして、その他のたばこ製造、つくっております工場から、その製造過程中にできました中骨の供給を受けまして、これを扁平といいますか、平たくして刻んで刻みにして、これをさらにまた、いろいろこれを使う工場のほうに還元する、こういったような仕事をしておるわけでございまして、こういったような仕事が、将来スレッシング方法が全工場に導入されました場合にどういう立場を持つか、またどういうふうにしたほうが全体として一番能率的か、こういったような観点から、これからこの防府工場の措置につきましても具体的な適切なやり方を考えていきたいということで鋭意検討しておる段階であります。
  46. 大村邦夫

    大村委員 どうも私もしろうとで質問の要領を得ませんが、専売公社で出された「これからのたばこつくり」というパンフレットの中に、新方式採用の見通しがいろいろ出ております。それによりますと、昭和三十六年二月に平塚に中央研究所の分室を設け、年間三十億本のたばこ工場に相当する設備を行なって、原料受け入れから刻上品になるまでの各種の作業について実用化の研究を行なった、そして見通しもついた、そしてさらにその見通しのついた実績の上に立って長期計画がきめられておる。   〔吉田(重)委員長代理退席、委員長着席〕 そうしますと、長期計画の内容からすれば、当然この中骨工場というものは要らなくなる。総裁が、それは直ちにやめるのではない、こうおっしゃっても、しょせんはそういうことになるのではないかと思うのです。そういうことでいま検討中だということですが、少なくとも長期計画をお立てになっておるからには、防府のような中骨工場の処理についてもある程度の構想があるのではないかと思うわけであります。その構想が固まっていないからここでは発表ができないということかもしれませんけれども、私どもが考えるのに、これだけかなりはっきりした長期計画が新方式採用によって立てられ、あるいは年々百億本にのぼるところのたばこの販売増、即製造増等が考えられておりますから、そういう点からすれば、総裁の頭の中にはある程度の構想があると思います。その構想について再度お尋ねをしたいわけでありますが、その御回答を得る前に、全国でただ一つ中骨工場としては防府だけということですから、若干防府の工場からも申し上げておきたいと思うのです。  総裁も御承知と思いますが、昭和三十四年に公布されました塩業整備臨時措置法によりまして、防府市三田尻の塩田が廃止になりました。ここでは現在百万坪にのぼる塩田のあとが放置されておるわけであります。これは何も専売公社の責任だとは申し上げませんけれども、いわば専売行政の犠牲でもあります。工場誘致でも地元でどんどんやってその土地を活用すればいいじゃないかといっても、これは総裁の責任ではございませんけれども、なかなかそうは簡単にまいりません。それで専売公社の都合によって合理化をされるということは、それは企業である限りにおいてはあるかもしれませんけれども、百万坪といえば膨大な土地であります。それが遊んでおる。三十四年当時にこの塩業整備臨時措置法が施行されて廃止になったが、これは専売公社等の御配慮もあって中骨工場ができたと思います。その中骨工場がやっとできて三年余りになった今日、専売公社の長期合理化計画を見ると、もうそれもほとんど要らなくなる、こういうような状態であります。そこで、総裁の構想を単に聞くというよりも、安定性のある工場をやはりつくってやるべきじゃないか。専売公社のほうでは毎年百億本からの需要増がある、これは一つの大工場の製造数に匹敵をする、こういうことをおっしゃっておられます。もちろん現有施設をそのままにするということでなしに、新方式を採用され、能率をあらげれるのですから、直ちにそのことが人員増になるとは常識的には考えられませんけれども、おたくで出されたこのパンフレットを見ましても、これから新規の人員が必要になるし、また労務も軽減される、こういうことが宣伝をされております。そういうところから関連をいたしますと、総裁がお考えになる構想の中には、両切りたばこ工場に転換をするという構想があってしかるべきではないかと思いますが、総裁はそういうものを含めて検討するということなんでしょうか、どうでしょうか。
  47. 阪田泰二

    ○阪田説明員 お示しのとおりに、専売公社の長期計画では、四十二年までに全工場のスレッシャー導入といいますか、近代化を完了しようということで計画も立てております。この立てました計画は、一ぺん立てたものはどこまでも機械的にそのとおり実施するんだというふうには考えておりませんので、現在までに幾つかの工場につきましてスレッシャーの導入も完了いたしまして動いてもおりますが、いろいろその実績あるいはその後のたばこの需要の状況その他も考えまして、よりよい計画を立てるということで、毎年その年度の計画を立てますると同時に、翌年度以降の計画、やり方等につきましても検討して直してやってまいっております。  ただいまお話ありましたように中骨工場の問題について申しますと、最初の計画でいきますると、先ほど申し上げましたように、製造工場でできました中骨を現在ではその防府の工場に持ってきまして、防府で刻みにして、また製造工場へ返す、こういう過程をとっておるわけでありますが、長期計画で一応初めにきめましたものでいきますと、その中骨ができた工場でそれをそのまま使うという形になっておりますので、防府の工場が要らなくなる、こういったような問題といいますか、御懸念も出たことと思いますが、その点につきましても、そういう意味におきましてきまったことではございませんので、今後の長期計画の進行に応じまして、どういう形にすることが一番合理的であるかということをこれからも検討しまして、先ほども申し上げましたように、総合的に考えて案を立てていきたい、防府工場もその中の一環として考えていきたいと申し上げておるわけであります。そういった意味におきまして、現在におきまして全体の中でどういったような仕事を防府工場に持っていただくことになるかということは、まだはっきり申し上げられないわけであります。ただ両切りたばこの製造工場にしたらどうか、こういう御質問の点につきましては、現在のところ公社は両切りたばこの工場は全国に三十八工場ございますが、現在でもかなり数が多いわけであります。また、先ほど申し上げましたようなその工場の近代化をはかってまいりますと、生産性の向上ということによりまして予想される将来のたばこの需要はまかなえるという見通しが立っておるわけでございます。そういう意味におきまして、ここに新しく両切りの製造工場をさらに一つ増設するということは、現状ではちょっと考えられないことであります。そういったような方法でなくて、何らかその他の方法で防府工場につきまして考えていくことができるのじゃないか、そういうような方向で現在は検討を続けておるようなわけでございます。
  48. 大村邦夫

    大村委員 どうしたら合理的な経営ができるか、そういう考え方に立って防府の中骨工場の処理の問題も考えられるということですが、総裁に率直にお尋ねをしますが、この防府の中骨工場は少なくとも工場を閉鎖をするということは考えられないということですか。作業の内容は別にしましても、防府から工場を引き上げるというようなことはしない、そういうことなんですか。
  49. 阪田泰二

    ○阪田説明員 その点につきましては先のことでありますので、ここで具体的にいろいろとお約束するということもどうかと思うわけでありますが、ただ先ほど来から申し上げておりますように、防府工場で現在こういう土地なり設備、人員を擁して仕事をやっておるわけでありますが、ぜひこれを何らかの方法で将来とも専売公社の製造事業全体のために有効に活用するような方向で案を立てていきたいということで考えておるわけでございます。
  50. 大村邦夫

    大村委員 検討中ということですから、そういう程度の答弁で一応は了承しておきますが、しかしその御答弁の中に何とかして防府に工場は残しておきたい、こういう含みがあるように理解をいたします。  さらにお尋ねをしたいのは、たばこの製造工場あるいは中骨工場等におきましての職員構成でありますが、男女の比率ですね、それはどういうふうにになっていますか。製造工場と中骨工場と分けて、総体でよろしゅうございますから、ひとつお示し願いたいと思います。
  51. 阪田泰二

    ○阪田説明員 ただいま具体的な数字を持っておりませんが、両切り工場におきましてたばこの製造に従事しておる職員の中では女子従業員のほうが割合が多いわけであります。半分以上は女子の従業員になっております。これに対して防府の工場におきましては、御承知のような塩の工場から転換いたしましたそういったような事情がございますので、こういう製造工場としてはやや異例でありますが、男子の職員が非常に多い、こういったような形に現在なっておるわけであります。
  52. 大村邦夫

    大村委員 いま御回答になりましたように、どちらかというと他の企業に比べて比較的女子が多い。これから合理化が推進をされ、首は切らないけれども、すなわち完全雇用ははかるけれども、配置転換等もあり得るということがあるいはお考えの中にあると思いますけれども、私どもの考えますのに、女子というものは配置転換をやられると、場合によるとやめなければならない。これは男子と性格が違います。もちろん男子でもそういうことは言えないこともありませんけれども、特に女子の場合にはそういうことが言えると思います。父母のもとを離れ、あるいは汽車の所要時間とか、いろいろな問題がありますので、そういう点を考えますと、単に首を切らなければいいんだ、配置転換をやれば事足りるという問題ではないと思いますが、これから合理化の推進に伴って、配置転換というようなことも考えておられるかどうかについてお尋ねしたいと思います。
  53. 阪田泰二

    ○阪田説明員 御質問の配置転換の意味でありますが、製造工場その他のスレッシングの導入とか近代化をやってまいりますと、やはり工場内における職場あるいは受け持ちの仕事の変更というのは、これはある程度どうしても起こってまいります。その辺を工場の製造規模の拡大ということと同時に行なってまいりまして、余剰人員を生じないようにできるだけ持ってまいりたいということで従来やっておるわけであります。それ以上の職場が変わるといいますか、工場の所在地、勤務場所が変わるといったような意味の配置転換、こういったものにつきましては、いままでの例といたしましては、公社としては小名浜に塩の製造工場がありましたが、これを廃止いたしました際に、そこの従業員はそれぞれ当人の希望を聞きまして他のたばこ製造工場あるいはその他の公社内の職場に転勤していただきました。そういったような例がございますが、一般的にはあまりそういう工場なり職場の所在地が変わるといったような意味の配置転換まではいたしておらないわけでございます。
  54. 大村邦夫

    大村委員 委員長から一時までにやめてくれという要請がございましたので、私もぼつぼつやめますが、先ほど防府の中骨工場についての両切りたばこの転換の要望に沿えるかどうかについては現状ではちょっと考えられない、こういうおことばがありました。しかし長期計画も、いまはっきりしたこれこれを絶対にやるというコンクリート化したものでなしに、事態の進展に伴って変更もあり得る、また御答弁にもそういうことがありました。したがって、防府に中骨工場を置いた経緯、歴史等を勘案願いまして、両切りたばこは絶対にしないということだけでなしに、それも含めて検討、善処されるように要望しておきたいと思います。その点について総裁は御了承いただきたいと思いますが、どうですか、含めて検討する……。
  55. 阪田泰二

    ○阪田説明員 ただいまの御要望の趣旨は承りましたが、公社といたしましては、先ほども申し上げましたように両切り工場を増設する、この問題はお聞き及びと思いますが、他の地方におきましても両切り工場をつくってほしいという要望が非常にたくさん出ておるわけでありますが、現状におきましては、先ほど来申し上げましたとおり工場を増設することは将来過剰な工場ができるという結果になることがかなりはっきりしておりますので、もちろん御要望の趣旨もありますから、検討の中にそれを入れるということは、それは入れて検討してもかまいませんが、結論としては、どうも現状におきましては両切り工場の新設ということはできないというふうに私どもは考えておるわけであります。
  56. 大村邦夫

    大村委員 陳情するわけでもございませんが、現状においてということで了解しておきます。  締めくくりとして申し上げますが、防府の今日の中骨工場のできた過程、歴史等を考えますと、専売公社としても単に事業の御都合だけでものを考えるということでなしに、やはり地域発展に寄与するという一つの側面も持っておる、任務も持っておるということを十分お考えいただきまして、善処方を要望して終わります。
  57. 山中貞則

    山中委員長 関連質問を許します。平林君。
  58. 平林剛

    ○平林委員 私は公社の総裁にお尋ねするという意味でなくて、いま大村さんがお尋ねになった点について私からも一言要望しておきたいと思うわけであります。  それは、専売公社の合理化が進められるにあたりまして、もちろんそれは大きな意味専売事業について重点が置かれることは当然でございましょうけれども、同時に働いている者の立場ということにつきましても十分な配慮をしてもらわなければならない。働いている者にとっては職場の安定ということは命より大事なくらいなものであります。ですから、合理化計画を進められるにあたりましては、絶えずそのことを配慮しながら進めてもらいたいということを希望いたすのであります。特に防府工場の場合には、いま大村委員からも指摘をされておりましたように、かつて塩の工場であったわけであります。これが塩業政策の転換によりまして中骨工場になった。このとき職場の安定を命と考える勤労者にとっては大きな不安を当時抱いたわけであります。ところが三年間に新しい合理化計画の進展に伴いまして再び次の職場の転換を見ようとする、これはいずれも勤労者にとっては自分の責任ではなくて、大きな意味では、公社の政策の転換によって絶えず職場が不安に置かれているということになるわけであります。二回行なわれたわけです。当時も公社としては相当の長期計画がございましたけれども、三年たってまた変えざるを得ないということになったことにつきましては、ある程度公社は責任を感じてもらわなければならぬと思う。そこで今回の場合には特に長期的な展望に立って職場の安定を与える、こういう角度で検討をしていただきたいということであります。一時しのぎに、また何年かたったら転換をされるということでなく、長期的な展望に立って職場の安定を与える、こういう角度でひとつ考えてもらいたいと思うのであります。  一つには働いている者の気持ちも十分参酌してもらいたい。第二は長期的な展望に立って職場の安定を確保してもらいたい。第三には公社と労働組合との間にいろいろ御相談がございましょうけれども、労働組合側の意見も十分参酌しながら結論を出してもらいたい。  この三つの点について私は希望しておきたいと思います。総裁に一言その問題についてお気持ちをお答えいただいて私の質問、要望を終わりたいと思います。
  59. 阪田泰二

    ○阪田説明員 ただいま御要望の点、私どももそういうふうな趣旨に考えておるわけでありますが、ただ職場の安定と申しましても、従来どおりの工場で古い機械を使って製品をつくっておる、こういうような状態でいつまでもおることはできないわけでありまして、専売事業全体の向上をはかっていくという点から言いましても、どんどん新しい施設も入れる、合理化もはかっていく、りっぱな工場にしていかなければならないわけであります。それに伴いまして個々の職員の方にも、あるいは職場が変わるとか、仕事が変わるとか、問題がいろいろ多かれ少なかれ起こってまいりますが、それはやはり公社あるいは専売事業全体の向上というところから御協力を願いたいと考えておるわけであります。そういった意味におきましてまたお話がありました長期的な計画見通しを立てて何度も計画が変わるということのないようにしてほしい、こういうことでありまして、これはお示しのようにそういう計画そのもの、見通しそのものが悪いためにいろいろと途中で変更しなければならないことになるというようなことはもちろん避けたいと思います。長い見通しの上で安定した発展、計画的な向上をはかっていきたいと思いますが、しかし一方からいいますと、先ほども申し上げましたように、最近はいろいろ社会経済一般の変化も非常に急激でありますし、専売事業といたしましても世界の水準あるいは世間の進歩におくれないように仕事の面におきましても、製品の品質の面におきましてもやっていこうというためには、やはりそのときどきのそういうものにマッチするように計画を直していかなければならない場合も生ずるわけでありまして、そういったような意味計画の変更、よりよいものを求めて変えていくということは、これはやむを得ないことであると思いますので、その辺につきましても十分に御了承願いたいと考えておるわけであります。  ただいま労働組合関係お話もございましたが、そういうような意味におきましても、私ども組合と交渉するにあたりましても、十分そういったような趣旨につきまして組合のほうの理解も得まして、協力してやっていきたいと考えておるような次第でございます。      ————◇—————
  60. 山中貞則

    山中委員長 参考人出席要求の件についておはかりいたします。  証券取引に関する件について来たる八日、東京証券取引所及び大阪証券取引所のそれぞれの代表者に参考人として委員会に出席を求め、その意見を聴取することとし、その人選等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  61. 山中貞則

    山中委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ————◇—————
  62. 山中貞則

    山中委員長 次会は明二日午前十時三十分より、理事会省略、直ちに委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時十分散会