○平林委員 その問題は多少
大蔵大臣に聞いておかなければならぬ問題で、あなたに指摘するのは無理かと思いますけれ
ども、この資料でわかるとおり、
昭和三十年から比べまして、国民の税負担率は一九・六%から二二・二%へ、二・六%の増加を示しているわけです。私の推測ではこれがもっと
伸びます。
昭和三十九
年度は、少なくとも二二・二にとどまらないと見ています。ですから、二・六はこれ以上に増加していくだろう、こう思います。これは推測でありますから、お互いの見解の違うところがあるでしょう。しかし、現状においても二・六違っている。ところが、社会保障関係、文教及び科学振興費、公共事業費を含めましても、その増加率は一・五%ですから、
政府が言うているように、
租税負担率が明らかに高くなっている。社会保障あるいは文教及び科学振興、公共事業関係においてプラスしているのだからがまんしてもらいたいということには、裏づけとしてなっていないということは明らかです。この点は少し
大蔵大臣の頭に入れてもらいたい。
政務次官もひとつ十分お考えをいただきたいと思うのであります。同時に、これは国民所得に対する
割合を出しているにすぎないですね。御
承知のように、国民所得というものは、全部の
企業あるいは個人を合算したものの平均でございますから、そういう意味では、たとえば勤労所得あるいは
農業所得、中小
企業の所得、大
企業の所得というぐあいに区分をしていかないとほんとうの意味の比較にはなっていきません。たとえば国民所得が全般で一〇
伸びるといたしましても、勤労層だけを考えれば一〇は
伸びないですね。同じようには
伸びていきません。少なくともそれより低い
割合でしか
伸びないわけです。そういうことから考えますと、一がいにただ国民所得に対する比率だけを見ておりますけれ
ども、必ずしも的確な対象ではない。これから考えましても、少なくとも
政府の言うていることは、ことばどおりやられていないということを、この資料は教えていると思うのであります。そこで私は、この点につきまして、
政府がわれわれの追及に対して答えるなら答えるらしいその面に対する配慮というものが具体的
数字でも実証されていかなければならぬと思う。これは本
委員会の論を離れることになるかもしれませんけれ
ども、
租税負担率が逆に言えば高過ぎるということを指摘しておきたいと思うのであります。
そこで、この
政府の提出した資料を見まして、どの年次を読んでみましても、国民所得の
伸びに対して社会保障や文教及び科学振興費、公共事業費が足りないというだけでなく、
自然増収の額よりもその分の前年
予算対比の増加額が少ない、こういう傾向があらわれております。たとえば三十八
年度自然増収が六千八百億ございましても、これら三つに要する経費の
合計額は千九百六十億円でございまして、はるかに下回っておる。本年は国税、地方税合わせて、
政府の言い分をとれば二千億の減税がございましたが、それにいたしましても
自然増収をはるかに下回っていることは事実です。これを三十八
年度、三十七
年度、三十六
年度、三十五
年度と、いま
政府の提出された資料に基づいてにらんでみましても、いずれも
自然増収の額を下回っておる。こういうことになりますと、私は、現在の
政府の施策というものが、徴税強化とまではいきませんけれ
ども、予定以上の
税収がありながらそれが他の必要な歳出増に向けられまして、その結果何回税率やその他控除額の減税調整をやりましても、税負担が重くなっているという現象になってきておると思うのであります。そこで
政府で考えてもらわなければならぬことは、
自然増収があった場合、せめてどういうふうなことをするかという基本的な原則を立ててもらわなければならぬじゃないか。
自然増収があった場合は、大体こういう
程度にするというものを頭に入れて、歳出の増、あるいは
予算を組むというようなことでなければならぬ。これも
大蔵大臣に議論をしなければならぬ点でございまして、あなたに注文するのはどうかと思いますけれ
ども、補佐する立場において、
自然増収があった場合はどういうふうにしたらいいかということを、大蔵省部内で研究なさっておるでしょうか。何かそういうような、煮詰まらなくても、どういうふうにしたらいいかというふうなおおよその考えがございましたら、それを明らかにしてもらいたい。