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1964-02-12 第46回国会 衆議院 大蔵委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年二月十二日(水曜日)    午前十時五十三分開議  出席委員    委員長 山中 貞則君    理事 臼井 莊一君 理事 原田  憲君    理事 坊  秀男君 理事 吉田 重延君    理事 有馬 輝武君 理事 堀  昌雄君    理事 武藤 山治君       伊東 正義君    岩動 道行君       宇都宮徳馬君    大泉 寛三君       大久保武雄君    奧野 誠亮君       押谷 富三君    金子 一平君       木村 剛輔君    木村武千代君       小山 省二君    砂田 重民君       田澤 吉郎君    濱田 幸雄君       渡辺美智雄君    卜部 政巳君       岡  良一君    小松  幹君       佐藤觀次郎君    田中 武夫君       只松 祐治君    日野 吉夫君       平林  剛君    松平 忠久君       春日 一幸君    竹本 孫一君  出席政府委員         大蔵政務次官  纐纈 彌三君         大蔵事務官         (銀行局長)  高橋 俊英君  委員外出席者         議     員 安宅 常彦君         外務事務官         (経済局外務参         事官)     平原  毅君         通商産業事務官         (通商局輸出振         興部長)    谷敷  寛君         日本輸出入銀行         総裁      森永貞一郎君         日本輸出入銀行         理事      斎藤 正年君         専  門  員 抜井 光三君     ――――――――――――― 二月十一日  国有財産法第十三条の規定に基づき、国会の議  決を求めるの件(内閣提出議決第一号)(  予) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律  案(安宅常彦君外九名提出衆法第五号)  とん税法及び特別とん税法の一部を改正する法  律案内閣提出第七〇号)  国有財産法第十三条の規定に基づき、国会の議  決を求めるの件(内閣提出議決第一号予)  日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案(内  閣提出第五一号)      ――――◇―――――
  2. 山中貞則

    山中委員長 これより会談を開きます。  安宅常彦君外九名提出国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律案議題といたします。     ―――――――――――――     ―――――――――――――
  3. 山中貞則

    山中委員長 提出者より提案理由説明を聴取いたします。安宅常彦君。
  4. 安宅常彦

    安宅議員 ただいま議題となりました国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由並びにその概要について御説明申し上げます。  日本国有鉄道日本専売公社日本電信電話公社が、いわゆる三公社として発足いたしまして、その職員は、国家公務員法一般職公務員の給与に関する法律などの適用を離れ、賃金を初めとする労働条件については労使団体交渉により決定するという公共企業体等労働関係法適用を受け、もって企業の民主的、自主的経営の実をあげ、公共の福祉に資することと相なりまして、すでに十年以上に及んでいるところであります。  この間、恩給制度につきましてもそれそれ公共企業体職員等共済組合法による年金制度に改められていることも御承知のとおりであります。しかしながら、その職員にとって重要な労働条件一つとなっている退職手当につきましては、公労法により団体交渉事項とされながら、依然として国家公務員と同様、国家公務員等退職手当法適用を受けてきていることは、昭和二十八年七月二十九日、本院大蔵委員会において、「公共企業体等労働関係法との関連において、公共企業体職員を本法の適用範囲からはずすことが妥当であるとも考えられるが、他方これと関連してその職員に対しては恩給法並びに国家公務員共済組合法準用規定を排除して、一般社会保険制度適用することも考えられるので、これらの諸問題を公正に解決する方途を速やかに講じ、早急に再検討することとする。」という附帯決議が採決されていることや、昭和二十八年三月十日、公共企業体仲裁委員会仲裁裁定第十号をもって、当然公労法上の団体交渉事項であることを明らかにしていることなどに見られるように、それ自体問題を残しているのであります。  他面、日本電信電話公社を初めとしてこれら三公社事業のごとく、技術革新拡充計画などの遂行が今日のごとくその職員に多様複雑な影響を及ぼす状況にありましては、退職手当につきましても多角的な実情に沿った労使団体交渉による決定必要性が痛感されているところであります。事実、日本国有鉄道においては、法にきめられた額を上回る条件につき、労働協約によって取りきめている実情になっているのであります。これらの理由に基づく改正のおもな点は次のとおりであります。  第一に、日本国有鉄道日本専売公社日本電信電話公社のいわゆる三公社職員の退職不当については、公共企業体等労働関係法関連において、現在の国家公務員等退職手当法適用を取りやめ、労使団体交渉できめることと改めようとするものであります。  第二に、この場合、公社職員国家公務員相互間の在職期間の通算、及び公社の定める退職手当の基準など所要措置を行なおうとするものであります。  なお、この法律の施行は昭和四十年四月一日からといたしたいと考えます。  以上がこの法律案提案理由並びにその概要であります。  何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御賛同あらんことを切望する次第であります。      ――――◇―――――
  5. 山中貞則

    山中委員長 次に、とん税法及び特別とん税法の一部を改正する法律案、及び国有財産法第十三条の規定に基づき、国会議決を求めるの件の両件を一括して議題といたします。     ―――――――――――――     ―――――――――――――
  6. 山中貞則

    山中委員長 政府より提案理由説明を聴取いたします。大蔵政務次官纐纈彌三君。
  7. 纐纈彌三

    纐纈政府委員 ただいま議題となりましたとん税法及び特別とん税法の一部を改正する法律案、及び国有財産法第十三条の規正に基づき、国会議決を求めるの件について、提案理由及びその概要を御説明申し上げます。  まず、とん税法及び特別とん税法の一部を改正する法律案について御説明申し上げます。  最近におけるわが国貿易外収支の動向及びわが国港湾経費が諸外国に比べやや低位にある状況等にかんがみ、今回、港湾経費一つであるとん税及び特別とん税をそれぞれ倍額に引き上げ、もって国際収支の改善に資そうとするのが、この法律案提案理由であります。  その内容は、とん税につきましては現行入港ごと納付トン当たり八円を十六円に、一年分一応納付トン当たり二十四円を四十八円にそれぞれ引き上げ、特別とん税につきましては、現行入港ごと納付トン当たり十円を二十円に、一年分一時納付トン当たり三十円を六十円にそれぞれ引き上げるとともに、この改正に伴う所要規定整備をはかろうとするものであります。  一方、現行邦船外航船舶にかかる固定資産税につきましては、別途法律案提出いたしまして、これを課さないこととすることを予定しておりますので、邦船につきましては、実質的に税負担の増加を来たさないものであります。  次に、国有財産法第十三条の規定に基づき、国会議決を求めるの件について、御説明申し上げます。  本件は公園である公共用財産公用財産とすること等につきまして、国有財産法第十三条の規定に基づき、次の案件につきそれぞれ国会議決を求めるものでありまして、その概要は次のとおりであります。  第一は、公園である公共用財産公用財産とする件でございます。現在、京都御苑として公共の用に供しております厚生省所管公共用財産の一部を、総理府宮内庁京都事務所庁舎敷地とするため、総理府宮内庁所管公用財産としようとするものであります。  第二は、公園である公共用財産皇室用財産とする件でございます。現在、皇居外苑として公共の用に供しております公共用財産と、皇居として皇室の用に供しております皇室用財産との境界につきまして、一部不合理な点が見受けられ、財産管理上不都合がありますので、この際、国有財産管理の適正を期するため、厚生省所管公共用財産総理府宮内庁所管皇室用財産としようとするものであります。  第三は、公用財産皇室用財産とする件でございます。皇居東側地区内は、現在公用財産皇室用財産とに区別されておりますが、皇居付属庭園としての同地区整備も進行しておりますので、この際、国有財産管理の適正を期するため、総理府宮内庁)の公用財産皇室用財産としようとするものであります。  第四は、皇室用財産の取得の件でございます。  まず、宮殿新築であります。旧宮殿は、昭和二十年五月の戦災により焼失し、現在は宮内庁庁舎の一部を仮宮殿として使用している状況でございますので、昭和三十五年一月の閣議決定に基づきまして、この際新営しようとするものであります。なお、宮殿付帯施設といたしまして、電気機械室及び地下駐車場新築し、あわせて宮殿周辺道路上下水道照明装置等工作物を新設することといたしております。  次は、皇居東側地区工作物の新設であります。先ほども申し上げましたように、鳥居東側地区は、皇居付属庭園として現在整備を進めているわけでありますが、これに伴いまして必要な道路上下水道等工作物を新設しようとするものであります。  次は、皇后陛下還暦記念ホール新築であります。このホールは、皇后陛下の御還暦を記念いたしまして、音楽、舞楽の演奏その他皇室関係の講演、映写等を行なうホールとして新営しようとするものであります。  以上が、とん税法及び特別とん税法の一部を改正する法律案、及び国有財走法策十三条の規定に基づき、国会議決を求めるの件について、提案理由及びその概要を御説明申し上げました。  何とぞ御審議の上すみやかに御賛同くださいますようお願いいたします。
  8. 山中貞則

    山中委員長 これにて提案理由説明を終わりました。  各件に対する質疑次会に譲ることといたします。      ――――◇―――――
  9. 山中貞則

    山中委員長 次に、日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案議題といたします。  質疑の通告がありますので、これを許します。竹本孫一君。
  10. 竹本孫一

    竹本委員 きのうに引き続きまして、あと二点だけ御質問したいと思います。  一つ中小企業輸出金融の問題についてでありますけれども、本年度の輸出計画におきまして五十二億ドルあるいは五十四億ドル、最近では五十五億ドルの輸出考えられておるようでございますけれども、その中において中小企業の占めるウェートはどのくらいになっておりますか。
  11. 谷敷寛

    谷敷説明員 いま手元に詳細な資料を持っておりませんが、わが国の全輸出のうち中小企業の占めます輸出の比率は三割から四割の間くらいだと承知しております。
  12. 竹本孫一

    竹本委員 いまの三割か四割というのは直接中小企業製品がそのまま出る場合だけの計算ではないか。まあ大企業下請、あるいは協力工場、あるいは部分品付属品といった形においてのウェート考えた場合にはもっと大きくなるのではないか。いかがですか。
  13. 谷敷寛

    谷敷説明員 先生の仰せのとおりでございます。ただ、それが何%くらいになるかということは、統計上非常に把握が困難でございまして、はっきりした数字は出ておりません。
  14. 竹本孫一

    竹本委員 中小企業の重要な問題の性質から考えてみまして、日本生産あるいは生産の向上、あるいは従業員といったようなものについてのパーセンテージはよく出ておるのでございますけれども、私はこの際輸出の中に占める中小企業ウェートというものについても、もう少し総合的な検討が必要であろうと思います。これは希望でございますけれども、そういう意味においてウェートがはたして何%になるか。特にもちろん部分品付属品等の問題、協力工場等の問題については、推定の困難な面もありましょうけれども、おおよその見当をつけて輸出の中に占める中小企業ウェートというものをはっきりさしていただきたいと思います。  引き続きまして、これらの中小企業輸出金融面援助はだれがどの程度、どういう形においていまやっておるのか、伺いたいと思います。
  15. 谷敷寛

    谷敷説明員 御承知のように輸入銀行金融の対象は、プラント輸出が主でございますので、特に中小商社につきましてはほとんどと申しますか、輸出入銀行がこれに融資いたしております例はそう多くはないのじゃないかと思います。メーカーにしましても、中小メーカーに直接日本輸出入銀行融資されておるという例は、これもやはり多くないと思います。ただメーカーの場合は下請等関係を通じまして、これは二割程度くらいは中小メーカーに回っているのではないかというふうに考えられます。あと金融につきましては、これは市中銀行融資しておるわけでございますが、特に中小企業金融機関といたしまして、中小企業金融公庫あたり相当部分めんどうをみておるというふうに考えます。
  16. 竹本孫一

    竹本委員 輸出に対しまして中小企業の場合には、いまお話しのように、はなはだ政府援助の手の差し伸べ方が不徹底のような感じがいたしております。特に貿手企業について伺いたいと思いますけれども、これの金利負担というものがどの程度になっておるのか。大企業の場合、プラント輸出の場合に、昨日四%とか、四・四%とかいうお話がございましたけれども中小の場合の貿手金融等についての金利はどのくらいの負担になっておるか。さらにこれに関連をいたしまして、メーカーやシッパーの問題で貿手金融に乗らないものが、全体のどのくらいになっておるか、この辺を伺っておきたいと思います。
  17. 高橋俊英

    高橋(俊)政府委員 輸出貿手金利は、銀行輸出業者または生産者貸し付ける場合の金利を申しますと、貿手担保として貸し付ける場合、担保貸しのレートは一銭五厘、それから割引をする場合には一銭三厘、なお日本銀行がそれに再割をするとかあるいは銀行に対して輸出貿手担保を、それに対する日本銀行がまた融資をするという場合には、これより二厘ないし三厘低く定められております。これは貿手金利は大企業であるとか中小企業であるとかということは関係ございません。ですから先ほど通産の側から答弁がありましたが、現在でも輸出関係につきましては、中小企業であっても大企業であっても金融的には何ら差別をしておりませんで、その点では相当な優遇措置が講じられておるものと思います。なおいまお尋ねのこの貿手に乗らないものがどれだけあるかという点でございますが、数量的には、金額的にははっきりいたしません。要するに、輸出契約ができれば金融に乗るわけでございます。それ以前の段階における、たとえば見込み生産輸出のためではあるけれども成約を得てない、そういう場合につきましては実際実情に即しまして、銀行がある程度――もちろん金利はこのような安い金利適用できませんけれども融資いたしておるわけでございます。その分量はどれくらいあるかというのは、ちょっとつかみにくい問題であります。
  18. 竹本孫一

    竹本委員 今回、輸出入銀行の場合、千六百億円からあるいは千八百億円近い貸し付けを年内に行なうということでございますけれども、いま問題になりました中小企業金融の面については、これは間接的に潤いがあるというだけであって、直接的にはほとんど関係なしということに理解してよろしゅうございますか。
  19. 高橋俊英

    高橋(俊)政府委員 輸出入銀行の取り扱います――まず輸出入銀行がつくられた目的と申しますのは、主としてはプラント輸出設備関係を、まあこの内訳としましては、一番大きなものが船舶でございます。それから車両、自動車、重機械、こういったものの輸出を伸ばそう。どちらかと申しますれば、船舶はいまでは世界一といわれておりますが、その他の機械類につきましては、特に重機械につきましては日本は立ちおくれておるわけでございます。その立ちおくれを取り戻し、さらにそれを伸ばしていかないと、日本のいままでの繊維、雑貨等輸出だけでは日本輸出は大きく伸びない、そういうことで輸出入銀行のそういう使命があるわけでございます。それらの製品輸出業者またはメーカーというものはほとんどが大企業でございます。中小企業のものもありますが、それはやはり非常に小さなものになってまいりまして、そういうものにつきましては実際問題としては延べ払いの通用、延べ払い契約がそう多くないわけでございます。現金で決済されるというものが中心になりますので、したがいまして、輸出入銀行融資の大部分、実績を申しますと九七%は資本金十億円以上の会社である、こういう結果に相なっておるわけでございまして、中小企業だから輸出入銀行が特に冷遇するというのではなく、成約があればこれは輸出入銀行で全部取り扱うたてまえになっております。
  20. 竹本孫一

    竹本委員 そこで輸銀法改正の行なわれるこの際に、中小企業のために特別な分野を開拓し、あるいは部門を設ける。たとえば開発銀行の場合に地方開発局というものができて、地方開発に特に力を入れるようになった。商工中金でも為替業務を始めるというような話も聞いておりますが、この際に先ほどお話しがありましたように、中小企業輸出が全体の三割、四割、実質上はおそらく五割をこしておると思いますけれども、そういう重要な中小企業輸出に対して、輸銀の性格をいまお話のありましたように、ブラント輸出延べ払いということだけに限定をせずに、新しい段階に、新しい考え方中小企業輸出のための金融めんどうを見ることができるように輸銀法改正するということはどういう困難がありますか、伺っておきたいと思います。
  21. 高橋俊英

    高橋(俊)政府委員 ただいまの御質問は輸出入銀行として、何か中小企業輸出のために特別な措置考えられないかというお尋ねだと思いますが、やはり延べ払いでない、つまりプラントでないようなものの輸出輸出入銀行が取り扱うということは、これは制度的に大変革でございまして、当初の目的からははずれるのじゃないか。そういう関係で私どもはそういう意味での改正考えられませんが、中小企業といえども延べ払いによって設備等輸出する、機械等輸出するという場合が実際にございます。これらはまあ大体中小企業でそういう輸出業者の多いのは関西地区などにわりにあるようでございまして、そういうことで輸出入銀行大阪事務所を設けまして、そこでは事務所でございますから、実際の貸し付け事務までは扱わないのでございますけれども、ある程度要望もございますので、ある程度審査もやる、下審査をやって、東京の本店に送致する、こういったようなこともやっておりまして、中小企業のそういったプラント輸出等にも、機械輸出にも力を入れてやっておるわけでございます。ただし一般金融、普通の金融ということになりますと、先ほど申しました輸出貿手がございますし、さらにそれに続くものとしては、日本側から見た輸出のユーザンスを提供するという意味におきまして、外国為替資金貸し付けという非常に低利な資金貸し付け制度がありまして、日本銀行貸し付け額だけでもほぼ二千億円に達するということでございます。そういう面で十分輸出面におきましては制度が整っておりまして、輸出入銀行はあえてこれを肩がわりしてやる必要はないのじゃないかと考えております。   〔委員長退席吉田(重)委員長代理着席
  22. 竹本孫一

    竹本委員 ただいまのお話は当初の目的からそれるのではないかというような御答弁だと思うのですけれども、そこでそれはそうではなくて、いまお話の中にもありましたように、大阪に新しく事務所を置いてそういう要望にもこたえようというお考えもすでに実現しておるわけですから、それと同じような意味で、当初の目的を発展させて新しい時代の要請にこたえる、特に今日の輸出の中で中小企業の果たしている役割りが大きいという現実に即しまして、当初の目的を発展させて中小企業のために輸出金融めんどうを見る、そういう新しい業務、新しい仕事をつけ加えるという考え方でこの改正考えられないかどうか。さらに制度的な制約ということでございますけれどもめんどうだということが理由になるということでは意味をなさないと思いますけれども銀行法の条文を読んでみますと、業務範囲ということにつきましても、必ずしもそれを全然制約があってできないというふうにも読めないと思いますけれども銀行法のたてまえで御趣旨はよくわかりますけれども、新しい時代に、新しい構想でこの業務範囲を拡大するということが法律的に絶対不可能であるというお考えでございますかどうか。それからファンクションの上でめんどうであるとかということを別にして、普通の銀行がすでにやっておることでございますから、そういう分野をつけ加えてやるということも新しい段階に沿った考え方ではないか、その点どうしてもそれができないという根拠があるならばその点を伺いたいと思います。
  23. 森永貞一郎

    森永説明員 実際の運用の面に当たっておる立場からお答え申し上げたいと存じます。  私ども銀行融資につきましては、たてまえ上はもちろん大企業たると中小企業たるとを問わないわけでございます。ただ取り扱っておりまする商品の性質上、大企業が多いということでございまして、中小企業件数では相当ございます。先ほど銀行局長資本金十億円以下が三%と申されたのでありますが、資本金一億円以下の会社件数は金額では一%ほどでございますけれども社数では二〇%ぐらいということでございまして、これをもちましても、大企業たると中小企業たるとそのゆえをもって差別をいたしていないということはおわかりいただけると思います。品目につきましては、累次の改正によりましてプラント類から単体の機械あるいは鉄鋼製品等にも及んでまいっております。あるいは耐久消費財等にも及んでまいっておりますが、何ぶんにもよく事情のわからない外国相手でございますし、法律関係もいろいろ不案内な点がございましょう。また相手資産信用状態調査等につきましても、中小企業ではなかなか手が回りかねるというようなところもございまして、そういった面から、私どものほうでは決して差別いたしておりませんが、自然中小企業が出るチャンスが少ない。これは事柄の性質上当然だと思います。  それともう一つは、中小企業に対して私ども銀行の窓口の敷居が高くては困るわけでありまして、そういうことがないようにということで、いらっしゃれば何でも御相談に応じるという立場で御相談いたしておりますが、その面の一そうの便宜に資するため、先ほど銀行局長からも答弁がございましたとおり、大阪に支店を設けたり、あるいは名古屋月々相談に行っておる。そんなことで敷居を高くしまい、どなたでもいらっしゃいという体制をとっておるということもあわせて御承知いただきたいと思います。そういうたてまえでございますので、法律上の問題としては、現在のところ中小企業に対してどうこうという必要は実はないわけでございます。運用上、ただいま申し上げましたような気持ちで今後も運用をしてまいりたいと思います。ちなみに大企業あて融資でございましても、二、三割のものは中小企業等下請等関係で流れておりますこともあわせて御承知いただきたいと思います。
  24. 竹本孫一

    竹本委員 ただいまお話しのありました敷居が高いかという問題でございますけれども大阪事務所ができる、名古屋事務所ができる、ありがたいことでございますけれども、実際問題として、中小企業敷居が高いというふうに自分のほうで受け取っておると思うのです。輸銀といえば、一億円以上あるいは十億円以上の関係でなければ相手にされないのだ、こういうふうに受け取っております。それで、私のいま申し上げる点は、この際法律改正が必要ならば、法律改正を一緒にやって、またそれでなくともできるというお話であるならば、なおさらけっこうでございますから、たとえば地方開発局が開銀にできるというような形と同じように、輸銀の中に中小企業のほうを専管する分野を設ける、中小企業局を設ける、こういう形で正面から中小企業いらっしゃい、こういう体制をつくることのほうがさらに徹底をするのではないかと思うのであります。その点をひとつ承りたいと思います。
  25. 森永貞一郎

    森永説明員 きわめて簡素な機構で運営をいたしておりますので、特に中小企業のために専門の部課を設ける余裕はございませんが、気持ちの上では中小企業に対して何ら差別をしない、決して敷居を高くしない、そういう気持ちをいま全体に徹底させまして、いやしくも中小企業なるがゆえに差別待遇をいたすことのないように、今後も努力をいたしてまいりたいと思っております。
  26. 竹本孫一

    竹本委員 中小企業のためにもう少し進んだ姿勢が必要ではないかと思いますけれども、時間もございませんので次に移ります。  最後にお伺いしたい点は、日本輸出関係輸出市場の問題でございますけれども、外務省からもお見えになっておりますのでお伺いをいたしますが、世界の経済が自由化の方向に行っておる、関税は一括引き下げの方向に動いておる、こういう大勢でもございますけれども、同時にEECというものが大きな力を持ってさらにその発展をしつつある、こういう情勢の中で日本の貿易政策を考える場合に、ブロック化の傾向というものをどういうふうに受け取っておるか、お考えを承りたいと思います。
  27. 平原毅

    ○平原説明員 御説明いたします。  お説のとおり一九五八年からEECが発足いたしまして、その結果世界経済全般、したがって日本の経済にも大きな影響を与えておるのは確かに仰せのとおりでございます。根本的に申しますと、やはり日本といたしましてはこういう世界の経済が幾つかのブロックになっていくということは望ましくない、こういうふうに考えております。  ただ、実際の貿易の趨勢を見てみますと、EECと日本との間の貿易は意外に伸びておりまして、EECができましてから昨年までの間の数字を見てみますと、日本からEECあての輸出は七〇%ほど伸びております。ただ問題といたしましては、確かに伸びておるけれども、そういうブロックがなかったならばもっと伸びておったのではないだろうか、こういうことが考えられるわけで、やはり日本といたしましては、まず第一番目には、こういうような共同体の壁は関税の差別にあるのが根本でございますから、その関税の壁をなるべく低くさせるという世界じゅうの関税一括引き下げ交渉というものにやはり日本としても積極的に加わって、この面からブロックの壁を低くさせるように努力する、これが第一点ではないかと思います。  それから第二点といたしまして、実際のところこの欧州経済共同体をつくっております六つの国は、それぞれ日本差別的な輸入制限を依然として課しております。ひどい国もまた比較的ゆるやかな国もございますが、いずれも残っておりますので、やはりこの問題は日本の特別の問題といたしまして取り組んで、なるべくこういう差別的な制限は早く直させる、そういうことでまた一段と日本のEEC向けの輸出は伸びるのではないか、こういうふうに考えております。
  28. 竹本孫一

    竹本委員 関税の壁を引き下げる交渉をするとか、差別的待遇に対していろいろ抗議を申し入れるということは当然でございますけれども、問題はブロック化の傾向がある今日の世界市場の中において日本の発言権と申しますか、あるいは交渉する力のバックというものが一体どこにあるかという問題であります。  私がいま伺っておるのは、ブロック化の傾向は望ましくないというお話でございますけれども、それはそのとおりであります。しかしながら現実にはブロック化の傾向を持っておりますし、特にEECの中におきましても貿易が伸びておることは事実でありますけれども、いまお話がありましたように、もしブロック化の傾向がなかったならば、あるいはEECがなかったならばもっと伸びたかもしれない。特に差別的な待遇を日本、インド、香港その他のいわゆるロー・コスト・カントリー、低賃金国といいますか、コストの安い国については特にきびしく、風当たりが激しい、そういうときに日本としてはただ陳情をするような形の交渉をやっておるということは承っておりますけれども、それ以上の力のある発言ができない。これは要するに日本の側においてブロックに対抗するブロックがないということか、あるいはその他のくふうがないということのためでございまして、そこで私が伺いたい点は、ブロック化の傾向に対して外務省なんかで言われるバーゲニング・パワー、取引する力を日本はどういう形でこれからつくっていこうとされるのか、その点を承りたいと思います。
  29. 平原毅

    ○平原説明員 ブロック化に対して日本もやはり日本を中心とする、あるいは日本を一部とするブロックをもって対抗したらどうかという考え方も確かにございますし、われわれ自身常に政治的にもアジアに位する日本といたしましては、何かアジアにも経済的な地域的なブロックと申しますか、共同体的なものはできないだろうかということは検討いたしております。御存じのように、エカフェにおきましてもここ二、三年来非常にアジアでも経済共同体をつくったらどうかという考え及び動きがございまして、日本も一生懸命考えておるのでございますが、いまヨーロッパにありますような関税同盟というようなものをいきなりりくるにしては、まだアジアの各国の経済状態というものが離れ過ぎておるんじゃないか、したがって、最初からそういう非常に発展したものをつくるよりも、もっと現実的なものを考えてみたいというような動きに、最近慎重な形になってきております。しかしいずれにいたしましても、エカフェの場におきまして、アジアでも何かこういうものをつくりたいという気持はいずれの国におきましても、相当強くなってきております。  それから第二の考え方といたしまして、太平洋経済共同体というような考え方も出ております。これは御存じのようにアメリカ、カナダ、日本、豪州、ニュージーランド、大体この五つくらいの比較的先進工業国と先進農業国、この間で共同市場的なものをつくったらどうかという考えも出ておりまして、ことに民間の間ではそういう話し合いを非公式にしておられるということも聞いております。いずれにいたしましても、アジアの場合は、歴史的に見まして、また経済的な構造からいいまして、いきなりいまヨーロッパにあるような経済共同体をつくるということにはなかなかいきかねる、ただ方向としてはやはり常にそういうことを考えていきたい、こういうふうに思っております。
  30. 竹本孫一

    竹本委員 バーゲニング・パワーを日本自身身が持つということのために、アジアの経済圏とかあるいは太平洋の経済共同体とかということが構想として持たれるということは当然でございますけれども、私考えますのに、これはしかしながらなかなか困難である。太平洋共同体につきましては、米国のヒルズマン国務次官補がこの間ハワイ大学で演説をして、その中で太平洋地域の貿易構造を分析いたしておりますが、先進国同士の間に行なわれる貿易が六〇%だ、低開発国相互においては一〇%だ、先進国と低開発国との間に行なわれる貿易は三〇%だというような分析をしております。これは事実でございますからそのとおりである。しかし、問題はアメリカの考え方でございますけれども、そのハワイ大学における話の中で、ヒルズマンは、米国は温帯農産物の主要市場として、西欧及び日本に妥当な責任を求めるというようなことを言っております。これは一つ考えの一部があらわれておるのでございますけれども、全体としてアメリカの考えておる太平洋経済共同体というものは、やはりアメリカ本位の、アメリカの得手勝手な考え方でございまして、   〔吉田委員長代理退席、委員長着席〕 これと協力をするということにおいて日本考える太平洋の経済ブロックといったようなものは、全く国家の経済を発展させる方向ではない、逆に、よくいわれる植民地化するか、どういう形になりますか、少なくとも日本の経済を前進させる方向に持っていくということは現実において不可能である、そういう意味で、地理的な制約もありますけれども、政治的に問題を考えた場合に、特に困難が非常に多い。そういう意味で、太平洋経済共同体というものに多くを期待することもできない。しかるにまた、東南アジア――エカフェあたりでもいろいろお考えがあるようですけれども、東南アジアの問題につきましては、一番問題は、政治的な不安定、ドルの不足、こういったような問題を考えますときに、東南アジア経済共同体といったようなものもほとんど問題にならない。特に、アジア経済の中で一番大切な市場である中共は共産主義になっておるし、しかもまた中共との政治関係、貿易関係もいまのところほとんど問題にならぬ、やっと二億ドルの貿易ができるということで大騒ぎしておる程度では問題にならない、こういうふうに考えてみますと、将来の日本の国際経済の中における発言権を確保する意味において、また確保した発言権によって日本の貿易を伸ばしていく、輸出を伸ばしていくという意味において、日本はどういう具体的な構想を描けば、バーゲニング・パワーがほんとうに充実した形で、EECとでも対に話ができるのかということを私どもは心配をいたしておるわけであります。  そこでもう一度お伺いしたいのでございますけれども、やはり欧州のEECその他のブロック的な動きに対して、日本政府としてはどういう構想で日本のレーベンスラウムをつくって対抗していこうとするのであるか、またそういう形でなければ日本の貿易はほんとうの意味では発展しない。輸入はどんどんふえておりますけれども輸出はいくら努力してみても、あるいは努力の足りないものもありますけれども、いまのところ実際において五十五億ドル程度だ。これを七十億、八十億にふやすには、どうしても日本自身のレーベンスラウムというものがあって、またはっきりした自分の地盤というものがあって、その上に立って各ブロックとの政治的折衝を重ねていかなければならぬと思います。現に日本の貿易の市場の構造を見ましても、一体どこにほんとうの日本の地盤があるのか、ほんとうに日本の重点があるのかはっきりしません。アメリカにも適当にやっている。東南アジアにも過当にやっている。世界至るところに、グローバルに買うものがおれば売っている。こういうような形で日本自身の貿易市場に対する重点というものが、市場構造の中において見ることができない。こういう形だから日本の貿易は伸びないのだと私は思いますけれども、その点についてお考えを伺いたいと思います。
  31. 平原毅

    ○平原説明員 お答えいたします。  いま先生のおっしゃいましたことに非常に多くの真理が含まれているということを私感ずるのでございます。ただ日本が世界の多くの国々と雑多な貿易をやっている中で、日本一つの生活圏というようなものを持たないじゃないか、将来持つほうがいいじゃないかというお説に関しましては、私たちといたしましては、単に日本のように、国民の生活水準、国内経済というものを発展させるためには、どうしても輸出をしなければいけないという国にとりましては、やはりあらゆる機会にあらゆる地域と貿易をしていくということがある程度必要なんじゃないか、その中で特にどの地域に力を入れていくべきであるかというところは、確かに先生のおっしゃる問題になると思います。ただやはりできるところとはなるべく多くの物の売り買いをしていく。ただその中で将来どこに一番重点を置くかということが問題になると思うのですが、その際は、何と申しましても地理的、歴史的に見ましても、東南アジア――東南アジアと申しますか、それをもう少し広げましてアジアと申しますか、こういうところに重点を置いていくべきだということは十分にわれわれとしては感じております。ただ現実の問題といたしまして、先生よく御存じのとおり、先ほど先生のおっしゃいましたとおり、あるいは政治不安の問題あるいは現実の外貨の不足、こういった問題で、われわれが期待するようになかなか伸びない。しかしやはり将来のビジョンとしては、世界全体と貿易しながらも、やはり重点はわれわれの近くにあるアジアというのに重点を置いていきたい、そういうふうに考えております。
  32. 山中貞則

    山中委員長 竹本君、きのうからの続きですから、これで最後の締めくくり質問にしてください。
  33. 竹本孫一

    竹本委員 すぐ終わります。  東南アジアもしくはアジアに重点を置くということでございますけれども、問題はその重点の置き方だと思います。これは時間もありませんので、またあらためてお尋ねすることにいたします。  最後に、アジア貿易の中における中共の重要性にかんがみまして、輸銀との関係において、大日本紡績の中共向けのビニロン・プラント輸出はどうなったのかということと、それから輸銀の中共等の共産圏向けの延べ払いのワクというものがどういうふうに考えられているかということをお伺いしたいと思います。
  34. 森永貞一郎

    ○森永政府委員 第一点の、大日本紡績のビニロン・プラントの点につきましては、まだ政府輸出許可を与えるかどうかという段階で、政府との間に種々の交渉が行なわれておりますことは承知いたしておりますが、私どものほうにはまだまいっておりません。  第二のワクの問題でございますが、私どもは品目別にも国別にもワクは設けておりません。と申しますのは、輸出それ自身が相手方のあることでございますし、機動的に処理しなければならない場合が多いわけでございまして、ワクを設けますとかえって資金面から輸出を阻害するというようなことにもなろうかということをおそれまして、特にワクは設けておりません。ただ結果的に申し上げますと、対共産圏向けの貸し付け額の割合は、現在、昨年の十二月末現在でございますが、一二%、大部分はソ連向けでございます。中共向けにも塩安、特殊鋼、農機具等すでに貸し出しを実施したものもございますが、まだその金額はわずかでございます。
  35. 竹本孫一

    竹本委員 終わります。
  36. 山中貞則

    山中委員長 卜部政巳君。
  37. 卜部政巳

    ○卜部委員 まず、日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案提案理由説明から順次質問をしていきたいと思います。  そこで、まず第一にあります東南アジア諸国等に対するから始まって、最後には協調融資の問題が書かれておるわけでありますが、日本輸出入銀行のそれと市中銀行との比率の問題をお伺いいたしたいと思います。
  38. 高橋俊英

    高橋(俊)政府委員 円借款、いわゆる外国政府等に対する円借款の資金は、輸銀が八割、市中銀行二割ということで現在行なっております。
  39. 卜部政巳

    ○卜部委員 私の質問をしておりますのは、現在までに協調融資をされた面のいわゆる実績についての等比を質問しておるわけです。
  40. 高橋俊英

    高橋(俊)政府委員 この保証の対象になり得るような過去の実績――実績の過去のものをこれから保証するかどうか必ずしも決定しておりませんが、その実績によりますと約四十億をわずかに下回る程度が市中分です。
  41. 卜部政巳

    ○卜部委員 従来までの私の調べた統計の中にもありますが、大体比率が出ておるわけです。それは即九対一だとか、八対二だとかいうようにそのパーセンテージが出ておるわけでありますが、今年度に限ってそれが出ていないわけです。その点を私は質問をしておるわけです。
  42. 高橋俊英

    高橋(俊)政府委員 今年度と申されますが、最近の実績は輸銀八、市中銀行二という割合でやっております。
  43. 卜部政巳

    ○卜部委員 いまそういうような答弁がございましたが、私は率直に申し上げて、こうした一つ提案説明がなされ、さらに第一として問題点を提起しておりますだけに、そうした資料を私は添付すべきだと思うのです。そういう資料がいままでなかったかといえばそうではないので、あるわけです、ですからその点について、いまの状態は八対二だというようなことではなくて、ひとつその点の資料をお願いいたしたい、このように思います。  次にその貸し出しました協調融資分の八対二と言われた二のいわゆる商社の名前を列記して教えていただきたいと思います。
  44. 高橋俊英

    高橋(俊)政府委員 いま御質問されておりますところの提案理由説明は第一、第二、第三、第四までございますが、この第一のところで法律改正考えております事項は、いわゆる円借款、通常の延べ払い輸出ではございませんで、インド、パキスタンなどに対して何回か借款供与をいたしておりますが、その市中銀行の貸し出しを行なった分につきまして、輸出入銀行が債務の保証をするようにできるようにしょう、こういうことでございます。全体の延べ払いに関する問題ではございません。ですからこの場合金を出したのはいわゆる市中銀行、まあ都市銀行と申し上げてもよろしゅうございますが、大きな日本銀行がそれぞれ応分の分担額をきめて融資しているわけでございます。両社その他で融資しておるわけではございません。
  45. 卜部政巳

    ○卜部委員 御説明はよくわかりました。しかしそれに関連して私が質問を行なってもいいと思うのですが、いまはこの問題と離れて、次にいま延べ払い云々と言われましたけれども、それ以外の問題として私が質問をした事項について御答弁を賜わりたい、このように考えます。
  46. 高橋俊英

    高橋(俊)政府委員 と申しますと、延べ払い輸出をしておる同社その他の会社の名曲でございますか。
  47. 卜部政巳

    ○卜部委員 そうです。
  48. 高橋俊英

    高橋(俊)政府委員 おもなるものだけでも商社その他百二、三十社ございます。それらの名前をいまここで申し上げるのは、ちょっといかがなものですか――では、いま上位二十社の分を申し上げますから、ちょっとお待ちください。――これは後ほど資料で提出いたしますが、さしあたりここで二十社の名前を申してみたいと思います。  大きな順に申しますと、日本ウジミナス株式会社、三菱造船、石川島播磨重工業、日立造船、丸紅飯田、アラスカパルプ、浦賀重工業、アラビア石油、日本鋼管、三菱商事、新三菱重工業、三菱日本重工業、日立製作所、三井造船、呉造船、三井物毎 神戸製鋼所、日綿実業、伊藤忠商事、東洋棉花、これが上位二十社でございます。
  49. 卜部政巳

    ○卜部委員 ただいま銀行局長のほうから、あとで資料として出すということを申されたわけですが、その点を一応御確認を願いたいと思います。
  50. 山中貞則

    山中委員長 出させます。
  51. 卜部政巳

    ○卜部委員 ただいまの商社の名前――商社といってはおかしいのですが、上位メーカーの名前を列記されておるところを見ますとこれは大メーカーであります。一流メーカー、言うならば大企業なのであります。先ほど竹本委員のほうからも御指摘がございましたが、このごろの中小企業の輸入というものがたいへん直接的に行なわれておるという状態にあります。そういうような面からいたしまして、この大企業中小企業との差がかなり広まっておる、こういう状態にありまして、銀行局長答弁には関係がないかとも思いますが、大蔵省のほうにひとつ御答弁願いたいと思います。現在中小企業者が商工中金等を利用しようとしても、かなり歩積みや拘束預金、担保物件等の制約があって、容易に利用しにくい状態になっておる。その状態に対してどのように対処しようとしておるのか、ひとつお伺いいたしたい、このように考えます。
  52. 高橋俊英

    高橋(俊)政府委員 輸出関連しての中小企業金融お話と思いますが、いま歩積み、両建てその他によって借りにくいというお話がございましたけれども、少なくとも輸出を行なう中小企業のための資金は、政府関係機関におきましてもむろんそうでございますが、民間におきましてもこれはきわめて優先的に取り扱っておると私は思っております。なお政府関係におきまして、たとえば中小企業金融公庫の場合も、輸出を行なう中小企業に対して、そのために必要な設備資金は特別の条件貸し付けるという制度もございますし、もちろん商工中金におきましても、そういったものを輸出のための運転資金であれば優遇的に扱っているはずでございます。したがいまして、一般的にも中小企業金融につきましては政府は相当な配慮を行なっておりますが、特に輸出関係については御心配のようなことはない。輸出をするに必要な資金が借りられないようなことはないだろうと私もと思っております。
  53. 卜部政巳

    ○卜部委員 それは銀行局長答弁をされることが妥当であるかどうかということは、私もかなり疑義を持つわけですが、すでに外国為替業務の取り扱いの問題につきまして、ただいまの問題として大蔵省当局もかなり渋っておるという問題が提起されておることは事実だと思うのであります。この点についてひとつ大蔵省のほうからこの問題とどういうふうに取り組もうとするのか御答弁を願いたい。
  54. 高橋俊英

    高橋(俊)政府委員 ただいまのお話は、商工中金法の改正にからんでのことと了解してようございますか。
  55. 卜部政巳

    ○卜部委員 はい。
  56. 高橋俊英

    高橋(俊)政府委員 商工中金が外国為替の業務を行ないたいという話でございますが、これはそのように改定することになりまして法案の提出準備を行なっております。
  57. 卜部政巳

    ○卜部委員 その点はこれまでといたしまして、次に品目別貸し出し残高の中にある問題について質問いたしたいと思うのですが、その他とある、その他というのは一体何なのでございましょうか。三百三十二件というのであります。
  58. 森永貞一郎

    森永説明員 列記以外のその他のものを全部その他といっておるわけでございますが、その中には種々雑多なものが入っておりまして、たとえば最近融資いたしました中共向けの肥料であるとか、あるいは農機具であるとか、あるいはエジプトでしたか、昨年耐久消費財としてテレビ等の輸出もございまして融資いたしましたが、そういった雑多なものがこの中に含まれております。
  59. 卜部政巳

    ○卜部委員 そうすると輸入のほうについての十六件の中には、これはただ金属鉱物ということだけで、その他というものはないのですか。
  60. 森永貞一郎

    森永説明員 輸入金融を認められておりまするものは、品目がたしか五つでございます。正確に申し上げますと、金融鉱物、燐鉱石、石炭、塩及び鉄鋼くずの五品目でございますが、該当は金属鉱物だけでございますので、その他はございません。
  61. 佐藤觀次郎

    ○佐藤(觀)委員 ちょうど森永さんが見えますので、ちょっと関連してお伺いしたいのですが、ウジミナスの投資の問題については、あなたこの間アメリカに行かれたらしいのですが、いまどういう状況になっていますか。
  62. 森永貞一郎

    森永説明員 ブラジルのウジミナス会社は、当初百億クルゼーロくらいの資本金で発足いたしましたのが、インフレによりまして資金所要額が天文学的にとは申しませんが、ひどく膨張いたしまして、一昨々年の暮れでは八百二億クルゼーロになっておりました。しこうしてその八百二億クルゼーロについて調達計画がきまっておりましたが、その間若干不足がございますのを、一昨年末から昨年にかけて相談をするという段階でおりましたところ、その後のインフレの進行でそれがさらに――七号予算というのでございますが、二千二百七十七億に膨張し、その案につきまして、ブラジルと日本の間で交渉を行なうために日本から代表が参りましたところ、昨年の八月でございますが、そのときにまたこの二千二百七十七億がさらに膨張してしまった。結局彼我の交渉の基礎を一体何にするかということでいろいろ研究いたしました結果、もう一ぺん現在で一体どのくらいの金がかかるのかということを調べて、それを基礎にして相談をし直そうということで別れまして、その数字が昨年末にこちらにまいりました。それは三千八百三十六億クルゼーロでございます。当初の百億が三十八倍というような、ひどい資金の膨張が見られるわけでございます。三千八百三十六億クルゼーロの現在の計画で、資金不足額といわれております。今後調達を考えなければならない金額が、千六百五億クルゼーロ、これをどうするかというのが今後の問題でございまして、その点については目下日本側株主、と申しますのは結局日本ウジミナス株式会社でございますが、鋭意検討いたしております。ブラジル側でも株主が目下検討を重ねておる最中でございまして、当初は今月末といっておりましたが、若干おくれまして、三月ごろブラジルのほうから代表団が参りまして、まず株主間において、この不足額をどうして調達するかといったような問題を初め、会社の根本問題につきまして協議をする、そういう段階でございます。
  63. 卜部政巳

    ○卜部委員 では、第二の問題に入ってまいります。  第二の提案理由の中に「その国の要請に応じて主要な債権国において債務の履行云々」、こういうことがございまして、この点につきましては、竹本委員のほうからも質問がございましたが、この点に対する質問を再度行なわせていただきたい、このように考えます。  まず、第一点でありますが、提案説明の中にもあったわけでありますが、債権国会議というものを開いて、その結論が出たあとでなければ、いわゆるその貸し出しを認めないということを言われたわけでございます。このアルゼンチンの場合におきましては、債権国会議の場合に、日本の場合はたまたまそういう規定がないだけに、確答を避けて帰った、各国はその点についてすぐそれを承諾した、こういうことがあるわけなんですが、そのときのアルゼンチンの場合の債権国の名前をあげていただきたいと思います。
  64. 高橋俊英

    高橋(俊)政府委員 一九六三、六四年の当時現在における債権国、これの名前を申し上げますと、イタリア、英国、西独、フランス、スイス、オランダ、それに日本でございます。
  65. 卜部政巳

    ○卜部委員 それと関連してでありますが、ウジミナスの製鉄所の問題について、これはいま佐藤委員のほうから質問があったわけですが、この点についてはまたあとから逐次質問をしていきたいのですが、英国の、いわゆる機械を買うならば作業費は出してもいい、こういうような問題がいま提起をされておると思います。そういう点に対する、この債権国会議の問題との関連、この点はどういうふうになっているのか、この点について、日本政府もかなり苦慮しておるということも聞くわけですが、この点の関連をひとつ聞きたいと思います。
  66. 高橋俊英

    高橋(俊)政府委員 はっきりいたしませんが、いまお話しのように、イギリスから、もし自分の国の機械を買えば現地の作業費、労務費等の一部を貸してもいいというような申し入れがあるやに聞いております。しかし、そのことは、いまここに申しまする債権国会議をやって繰り延べをするという問題とはまだ直接関係がないと思います。日本の債権が圧倒的に大きいわけでございます。このウジミナス製鉄所に関する限りは……。
  67. 卜部政巳

    ○卜部委員 確かにウジミナス製鉄所の場合には、その融資の半分を行なっておる。資本金の半分ということが出ておりますだけに、それは圧倒的に多いということはよくわかるのであります。私が質問をしたいのは、やはり問題提起として、提案をされた中にある、アルゼンチンとブラジルを問題として債権国問題を出してきたわけなんですから、そういうような状態の中にやはりブラジルが含まれておるという形があるわけであります。でありますから、ブラジルに、必ずしもウジミナス製鉄所ばかりではなくて、いわゆるここにいろいろな資金を出しております同じブラジルとの合弁事業に、石川島播磨重工なんかの問題もあろうと思いますが、ただ、私はその中で、債権国会議の中で云々というこの中で、ブラジルの問題が提起されたときに、そういう問題とがどういうふうな関連で結びついてくるのだろうか、こういう点が心配になりましたので、質問しておるわけであります。
  68. 高橋俊英

    高橋(俊)政府委員 確かにアルゼンチンの場合すでに繰り延べをやったのですが、これは輸銀が金を貸して肩がわりしたという形になっておらぬわけです。たまたま、具体的に申しますと、一九六三年と六四年中支払い期の到来する中期商業債権、それの半分を――一九七〇年まで繰り延べるということのために、その半分に当たるものがある商社の延べ払い輸出代金とちょうど見合っておったものですから、結局現在のところでは、輸銀ではなくて、商社がつないでいるその資金を延べて待っているというふうな形になっておったわけです。こういうことはやや不自然でもございますので今回の改正をお願いしているようなわけでございますが、アルゼンチンにつきましても、今後もあそこの国の国際収支がいまのような状態を続ける限りやはり問題が生じ得るのでありまして、これらの債権者各国は、いわゆるパリ会議といいますか、パリ・クラブとかいうものをつくりまして、別にきまった内規があるわけではございませんが、ときどき会合をやってアルゼンチンの債権をいかにするかというふうな話し合いをしているわけであります。ブラジルにつきましても、いまのようなはなはだしいインフレと、それに伴う為替の暴落といいますか、そういう点から見ましても、やはり今後ウジミナスの関係を含めましてブラジル全体として対外支払いが円滑にいかないおそれがあるものと思います。しかし、いま現在直ちにブラジルについてあらためてそういう交渉を持たなければならぬというふうには思いませんが、これはもう前にもすでに申しましたが、ブラジルについても、これは約三分の二でございますが、繰り延べをやっておるわけであります。それに続いてですから、またブラジルが再び対外債務の延長を申し出るというおそれはあるかと思いますが、それは現在の問題ではございません。ウジミナスに伴いまして、ウジミナスの債務償還が始まりつつありますから、そういうことについて問題は当然起こり得ると思っております。
  69. 卜部政巳

    ○卜部委員 最初の質問に対して、一九六三年と六四年、英国もその債権国の中に名を連ねている、こういうことであります。そうなりますと、いま御説明がありましたように、ブラジルのインフレの問題、これはあまりにも有名なんですが、そうした方面における債権国であるイギリスということは、何としても事実だと思うのです、イギリスがあるということは。そうした場合に、今度のウジミナスの問題につきましても、言うならば、これは全然違った性格のものであるとはいいながら――同じ性格と言えばおかしいですが、同じようなインフレに悩んでいるブラジルにあってイギリスのほうがさらに工事費を出していくというような状態に対して、いまの日本の場合、この中にさらに金を投ずることは泥沼式になってくる、いわゆる金を捨てるようなものだと指摘しておる、こういう関係があるわけなんですが、この面との関連がどういうふうになっているか。イギリスの場合はさらに工事費をつぎ込もうとする、日本の場合には投資をしたその中でもって金を捨てていくようなばかげたことになるのではないかという危惧と、さらにはこの問題に何とかして対処していかなくちゃいけないという、この問題との関連の問題なんです。質問がわかりませんか。
  70. 高橋俊英

    高橋(俊)政府委員 確かにミナス製鉄所が当初の計画に比べてはなはだしい資金の増加がありまして、一体そういう大きな金をなぜ必要とするのか、だれしも疑問に思っておったのです。イギリスがそこへ金を貸そうといいますか、機械を買ってくれればさらに若干の現地資金を貸してもいいというふうな態度をとるその理由、全く私どもには了解いたしかねます。はっきりわかりません。もちろん金額にもよると思うのであります。非常に大きな金額を出すほどイギリスも外貨を持っておるわけじゃございません。日本の場合ですと、やはり外貨の面からもそう大きなものを追加投資するだけの余裕はございませんし、また現地でのその資金計画が七号予算、八号予算、九号予算と、いずれもふくれ上ってきているのですが、なぜそれだけのものが要るのか、はっきりした説明がついてない。そういうことについて、いまでも現地に対して資料を要求しておるわけでございます。きわめて大ざっぱな数字が並んでいるだけでして、こまかい説明がない。いずれこれはそういう資料を持って、たぶん三月ごろであろうと思いますが、向こう側の代表が東京に来て会談をやるということになりそうでございますが、日本としてはやはり野方図もないような資金計画でやることについて、おいそれと貸し応ずるというわけにまいらぬ、もう少し慎重に経理の立て直しをやってもらう必要もあるのじゃないか。とかくあれらの国の工事、その他工事に関係はありませんけれども、すべての点において、たとえば人間なども倍くらい使うのは平気だ、場合によると三倍も使う場合もある、非常に能率が悪いということで、建設コストとしても非常に高いものになるおそれがあるというふうなこともございますので、いままでもかなり慎重ではございましたけれども、これから新たに金を出さなければならぬという立場になっておりますので、十分慎重に内容を検討した上で、それから今後の運営についても十分な方針を立ててやっていかなければならぬ、そういうふうな態度でおるわけでございます。
  71. 卜部政巳

    ○卜部委員 いま高橋銀行局長は、イギリスがそのように機械を買えば工事費あたりは出してもいいんだという趣旨がわからぬ、意図するものがわからぬ、こういうことで、ほほえみながら申されたわけなんですが、その実は、これがやられたのでは日本立場がないという苦慮した立場に立っておるということも私は事実だろうと思うのです。いままでせっかくつぎ込んでおったそのようなミナス製鉄所に対して、英国のほうから資金が投入されてくる。こういうことはゆゆしい問題だろうと思うのですが、何か高橋銀行局長はほほえんだり何かして余裕のあるところを見せられたわけですが、私は実際問題としてそういうものじゃないと思う。ほんとうはその点に苦慮されて、どのように対処するかというのがいまの日本立場ではないか、こういうふうに私は考えるのですが、いかがなものでしょう。
  72. 森永貞一郎

    森永説明員 このブラジルのウジミナスの計画は鉄鋼五十万トンでございまして、それを一期、二期に分けて本年末までに完成する、その分に関する限りはもう日本からは必要な機械を全部輸出する契約ができまして、船積みももう九割ぐらいまで進行しております。その一期、二期までの計画外国から買った機械もございますが、これはもうすべて輸入済みでございます。いまのお話はおそらく第二期が済んだあと、さらに将来の拡張についてイギリスから機械を買わぬか、買えば少し資金的援助をする、そういう話だと思いますが、私どもが当面しております問題は、ともかくこの一期、二期までの日本が当初約束した分を何とかして完成させて、完全に操業するように、そこまでは日本に責任があるわけですから持っていかなくちゃならぬわけでございまして、その意味ではもちろん慎重な検討は必要ですが、何とか立ち直るようにという努力はしなければならぬと思って、政府にもお願いを申し上げなければならぬと思っております。しかし、いまのイギリスの話はそれが済んだあとの活でございまして、しかも多分にブラジル側が今度日本側と交渉するについて、日本側を牽制するための話と思われるような節もございまして、まだそれほど確実なものではないようでございます。両方でいろいろこれから交渉していくわけでございますので、いろいろの主張がどういうふうに調整されるか、その段階における一つの情報程度に私どもは聞き流しておるわけでございます。さような意味でお聞き取り願えばよろしいのじゃないかと思います。
  73. 卜部政巳

    ○卜部委員 では、森永輸銀総裁にここで確認をしていただきたいのは、それは単なるうわさであり、同時にまたブラジルの牽制だ、何ら意に介することはない、ミナス製鉄所に関する限りはこの点はおまかせなさいということで確認をしてもいいわけですか。そういうふうに、情報ぐらいだということですか。
  74. 森永貞一郎

    森永説明員 私はどうも確認する立場にないのでございますけれども、私どもの問題は、とにかく第二期までを始末しなければならぬ、三期以後の問題はいずれは起こってくるでございましょうが、それは私どもの関心の対象ではない、その際ブラジル側がいろいろなことを言っておる、あるいは内々商談もあるということは、これはあるかもしれません、私どもつまびらかにいたしておりませんが、しかし私どもはいまのところそういったうわさに耳をかさなくてもいいのじゃないか、とにかく第二期までの問題として考えればいいのじゃないか、そういうふうに申し上げた次第でございます。
  75. 卜部政巳

    ○卜部委員 そういたしますと、現在日本側に要求してきております借入金の半分と、さらには資本金の四〇%を出してもらいたい、こういう要求等も来ておるわけなんですが、この点に対してはどういうふうにお考えなんですか。
  76. 森永貞一郎

    森永説明員 不足資金につきまして日本側に相当の負担をさせたい、ことに増資によってまかなうものにつきましては、従来どおり四割を負担させたいという意向のようには聞いておりますが、何分にもまだはっきりした資金調達案が示されておりませんので、ここで確認をする状態にないことを御承知いただきたいと思います。
  77. 卜部政巳

    ○卜部委員 高橋銀行局長から、交渉団が近く日本を訪れる云々というような答弁がありましたが、その点といまの森永輸銀総裁の御答弁との関連関連といったらおかしいのですが、その点の問題についてちょっと私わからないわけなんですが、ちょっとその点を御質問いたしたいと思います。
  78. 森永貞一郎

    森永説明員 昨年末に三千八百三十六億、これを九号予算と称しておりますが、その所要資金につきましては数字が送られてまいりまして、これを検討しているわけでございます。向こうの大株主であるブラジル開発銀行もおそらく検討しているところだと思います。いろいろわからないところがございまして、質問もしなければなりませんし、のみならず、いま申し上げましたように、具体的にどう調達するかについてのはっきりした案はまだ出てないわけでございますが、そういう点は今度交渉団が日本に来てみないとどうもはっきりしたことはわからぬ、それを待っておるというのが現状でございまして、銀行局長お話の交渉団との関係はそういうことだと思います。
  79. 卜部政巳

    ○卜部委員 この問題についてのみ私は関心を持っておるというわけじゃありませんが、ひとつその経過についてもつまびらかに、今後の問題にしていただきたいと思います。  それから次の問題でありますが、これは単にブラジルの問題が出たわけですが、韓国あたりにおいてもかなりそうした、そうしたと言ってもこれは全然性格が違いますが、こげつき資金があるというふうに聞いておるのでありますが、幾らくらいありますか。
  80. 高橋俊英

    高橋(俊)政府委員 いま韓国関係で残っておりますオープン勘定等の残高、未払いになっておる分は四千六百万ドルでございます。
  81. 卜部政巳

    ○卜部委員 わかりました。何といいますか、簡単なお答えなんですが、その内容はどうなのかということをお聞かせ願いたいと思います。どういうところに貸し付けたか、どういうところでこげついておるか、そういうことであります。
  82. 高橋俊英

    高橋(俊)政府委員 実を申しまして、これは為替局所管事項でございまして、私としてはあまり詳しくないのでございますが、要するにこれはオープン勘定でございますから、いってみればいろいろな貿易取引の結果、差し引きして相手政府に対してこれだけの貸し勘定が残っておる――どんぶり勘定でございます。
  83. 卜部政巳

    ○卜部委員 いま高橋銀行局長のほうから、所管事項でない、こういうことでございまして、時間もないだけに、いまここに呼んでこいというわけにはなりません。この点はひとつ委員長にもお願いいたしますが、今度はっきりあれさしていただきたい、このように考えます。  それから、なおこのブラジル、アルゼンチンの問題に関連をして、将来予想される問題といたしましては、インド、パキスタン云々ということがございました。その点についてはいかがになっておりますか、お伺いをいたしたいと思います。
  84. 高橋俊英

    高橋(俊)政府委員 インド、パキスタンは、日本からの融資の主要なものと申しますか、円借という形で、つまり政府に対して輸出入銀行貸し付けるという形をとっております。その関係の市中分についての補償と先ほど申したわけでございますが、こういった政府がインドとパキスタンに貸し付けているというのは、これはなるほど日本だけではもちろんございません。相当多数の自由主義国、またソ連等においてもそういう借款を供与しておるわけでございます。この借款の額がかなり大きいのでございまして、はっきりした数字はわかりませんが、インドの場合には四十億ドルに近いんじゃないか、すべての対外債務ですね。外貨の事情から申しますと、最近ではインドですと四、五億ドルしかないというふうな状態でございますから、対外支払いについてはいままでにおきましても、利子のたな上げその他元本の返済猶予という措置が国によっては行なわれております。ですからこういう政府借款が非常に大きなものでございますから、これらにつきましてその返済期限が到来するに従いまして、それをどうするかという問題は当然起こると思いますが、これはここに響いておりますところの通常の輸出入から生じた債権の累積から、一般的な対外支払いが困難になるという場合とは少し事情が違うように思います。政府間の借款、それについてですから、特別な取り扱いをするということは予想されますが、いまのケースによるような、普通の商業上のベースで輸出された延べ払い代金が支払えなくなるというふうなものとは、発生的に見ましても事情が違うというふうに私ども思っております。
  85. 卜部政巳

    ○卜部委員 性質は違うとはいたしましても、提案理由に述べられた中にある債権国家の問題ということからまず派生をして将来予想されるものとしてインド、パキスタンがあるということが言われておるわけですね。これは大蔵当局から出ておる問題でありますが、その性格が違う云々ということになりましても、そういう問題が提起されておるだけに私は質問したかったのです。
  86. 高橋俊英

    高橋(俊)政府委員 そうしたインド、パキスタンに対する円借の分につきまして、初めから八割を輸銀が貸しておりまして、残りの二割につきましては市中銀行融資しているけれども、その債務の履行が滞ったという場合には、輸出入銀行がそれを肩がわりしてやるというような態勢にしております。将来、インド、パキスタンにつきまして債権国が会議をやりまして、一般の対外支払い全体につきましてその繰り延べの相談をするという可能性はまた別個の問題として、いまのこれらの国の対外支払い能力から見ますと、こういうような政府借款に限らず、全体の貿易上の支払いにつきましても、そういう債権国会議が開かれる可能性はあると思います。
  87. 卜部政巳

    ○卜部委員 では、その問題はおきまして、次に、経済協力基金との関係なのですが、この点、今度は経済協力基金との関連について御質問をいたしたいと思います。  この経済協力基金の使途、この点についてお伺いしてみたいと思います。
  88. 高橋俊英

    高橋(俊)政府委員 経済協力基金は、輸出入銀行の、主として商業べースによるところの延べ払い輸出、そういうものをさらに補完するというふうな考え方運用しております。概して、その通常の契約よりも期限が長い、あるいは事業の収益性その他から見て低利を要求される、こういったものにつきましては協力基金を使うというような考え方でいっておりますが、何分にもこれはその限界が明らかでない場合がありますので、一々の具体的な例については輸出入銀行と経済協力基金とが緊密な連絡をとりまして、具体的にきめております。  いままで融資を承諾した額を申しますと、貸し付けは十三件、六十八億の承諾でございます。出資の分として二件、十億円、合わせて承諾額では七十八億円に達しております。
  89. 卜部政巳

    ○卜部委員 この点について、七十八億というわずかの金額では云々ということが多々あるのであります。また、その点についても質問が多々残っておるわけでございますけれども、一時から本会議ということでもございますがゆえに、一応ここで保留をいたしまして、次の委員会で質問を続けさせていただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
  90. 山中貞則

    山中委員長 わかりました。
  91. 小松幹

    ○小松委員 資料要求をしておきますが、輸出入銀行プラント輸出のここ三年の地域別並びに業務内容別の数字で、実態を示してください。それから開発資金百億ですか、五十億ですか、あれはあなたのほうでやっていると思いますから、それの実績、状態、それを数字であらわしたものを金曜日までにお願いします。
  92. 山中貞則

    山中委員長 小松君、海外経済協力基金は経済企画庁ですが、それも連絡をとらせまして、金曜日までに御要求の資料を提出させます。  次会は来たる十四日、午前十時より理事会、一時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。   午後零時三十一分散会