○平林
委員 どうも私の
質問の趣旨がわかってないようだけれども四千五百六万石、米の集荷をするわけだ。しかし実際問題としてはその大多数というものはこういう減税の恩恵を受けておらぬで集まってきておるわけですね。私がいま聞いたのは、この減税の恩典を受けて集荷される石数はどのくらいですかということを聞いておる。これは私は聞かなくても大体ごく少数だということはわかる。そうするとこれだけの石数を集荷しながら実際にはその恩恵を受けているのはわずかであるし、わずかの人のためにこれだけの租税の特別措置を与えておる。その割合もいま御説明になりましたように全
農家から見れば三・八とかきわめて少数の
農家になっておるわけですね。こういうことから
考えると、他の
一般の
農家なりあるいは四千五百万石の大多数の集荷というものからいいますと、こういう措置を何でとっておるか、
政策的にはほとんど
意味がないのではないかと私は思うのです。
政策的に
意味のないものをいつまでも
所得税の
臨時特例という形で
政府がお出しになってくるというのはどういうわけですか。私はその点が聞きたいのです。そういう
意味で
政策的
意味としてはほとんどなくなっているのにかかわらず出してくる、
考えなければならぬと思うのです。ただ私は申し上げておきたいのは、こればかりの金額を出すことによって——租税特別措置によって全般が恩恵を受けているのは二千数百億円という巨大な金額が、大法人だとかあるいは大企業に対して租税特別措置をやっておる。ことしも今度の国会で相当多数の租税特別措置による減税が行なわれようとする。私どもとしては、全般の
農家の中でも三二%くらいだ、その総額においても微々たるものだ、こういうことを認めておきますと、これによって租税特別措置に対するわれわれの攻撃、
批判というものの
一つのとりでみたいにされてしまう。人質ですよ。私は、
政府のほうがやたら大企業に対して租税特別措置をやっておって、
農家にもこれだけやったじゃないかと言って大きな顔をして、だんだん租税特別措置の額を多くしたり、あるいはいろいろな特例を多くしてくるということはいけないと思う。
農家にこんなものがなくなれば、
農村の
人たちも現在の租税制度における特別措置に対してやはり鋭い
批判を持ってくるようになると思う。あなた方にも少ないけれどもやってあるのだということになると、この租税特別措置に対してやはり
批判力が集中してこないということになるわけですから、私はいずれにしても、これはあまり賛成しないのです。ただ
一般の大企業に対してたくさんの租税特別措置をやり、今国会においてもいろいろな理由をつけて
政策的減税をやる中で、これだけをへずるというのは、これは租税特別措置の中では不公平ということになるから、まあまあしょうがない、目をつぶろうという程度です。私は、そういう
意味では
農家が、しかも三%の人が二月当たり一万五百円、それは大きな金額ではないとはいいませんけれども、この恩恵を受けることによって、他の特別措置に対して、こっちもやっているんだからといって文句を言えないようなことでは困るわけです。そういう
意味では
政府のほうは、他の租税特別措置に対してもやはり厳正な態度をとると同時に、こういうものをやめるときには大幅にやらなければいかぬという態度に出てこなければいかぬと思うのです。どうも私に言わせると、こういう人質をとっておくことによってこの租税特別措置をカバーして、全
農村の
批判が大企業に集中しないようにする、これを廃止すると、今度は大企業に対する租税特別措置の文句がついてくるというようなことの配慮があって、なかなかこれは消せないでいるのじゃないですか。社会党もそういう点を少し
考えなければいけないと思う。私は、そういう点は、課税の公平という点を
考えると、どうもあまり感心をしない、こういうふうに思うのです。それで先ほども申し上げましたような府県別の資料もぜひ出してもらって——いろいろな
意味を
考えて、これは固執をするようなことはどうもまずいと思うのです。そういう資料もひとつ出してもらいたいと思う。こんなことをやるよりは、私はむしろ
生産者米価についてもっと
政府なりわれわれが
考えるということが大事だと思いますし、またたとえば私
たちがふだん主張しているように、むしろ
生産者の意欲をわかせるという
意味で、たばこをつくっている
農家に対しては、それこそ酒を
無税で販売をしてやる、そうして一年間について二千本でも三千本でも
税金をとらないで原価でもって渡してやるというほうがよっぽどいいのですよ。そのほうがよっぽどいいということです。そして全般の
生産農家に対して
生産意欲をわかせるというほうがよほどいい。私は、そういう
意味ではただ
農家の
税金について、いけない、これはやめなさいという酷なこと言うわけではなくて、こんなことにだまされてはいけませんよということを言いたいわけなんです。いずれにしても採決をするというので、われわれも賛成の
立場になるわけだが、しかし人質だから、あまり積極的に賛成しているのじゃないということは明らかにしておきたい。それからまた、
政府自体のほうも、いつまでも
批判のある問題についてほうかむりして通すような不見識なことは
考えたらいいんじゃないか、むしろ全
農家あるいは全農産物
生産者の
人たちに公平に行き渡るような
生産者米価だとかあるいはいま私が申し上げたようなことを
考えたほうがよろしい、こういうことだけを申し上げて
質問を終わっておきたいと思います。