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1964-05-07 第46回国会 衆議院 石炭対策特別委員会 第17号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年五月七日(木曜日)    午前十時三十一分開議  出席委員    委員長 中村 寅太君    理事 上林山榮吉君 理事 神田  博君    理事 始関 伊平君 理事 中川 俊思君    理事 多賀谷真稔君 理事 滝井 義高君    理事 中村 重光君       田中 六助君    中村 幸八君       西岡 武夫君    野見山清造君       藤尾 正行君    三原 朝雄君       渡辺 栄一君    細谷 治嘉君       伊藤卯四郎君  出席国務大臣         通商産業大臣  福田  一君  出席政府委員         通商産業事務官         (石炭局長)  新井 眞一君         通商産業事務官         (鉱山保安局         長)      川原 英之君  委員外出席者         通商産業事務官         (鉱山保安局管         理課長)    森田三喜男君         通商産業鉱務監         督官         (鉱山保安局石         炭課長)    佐伯 博蔵君     ————————————— 五月七日  委員原田憲辞任につき、その補欠として渡辺  栄一君が議長指名委員に選任された。 同日  委員渡辺栄一辞任につき、その補欠として原  田憲君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  鉱山保安法の一部を改正する法律案内閣提出  第一五二号)      ————◇—————
  2. 中村寅太

    中村委員長 これより会議を開きます。  内閣提出鉱山保安法の一部を改正する法律案を議題として、前回に引き続き質疑を行ないます。  質疑の通告がありますので、これを許します。渡辺栄一君。
  3. 渡辺栄一

    渡辺(栄)委員 私は鉱山保安法改正に関連いたしまして、岐阜県の可児郡を中心といたしました亜炭の問題につきまして、質問となお一部御要望を申し上げたいと思っております。  まず、本論に入ります前に、かねて私どもが主張し、また努力をしてまいりましたのでありまするが、最近におきまして岐阜県当局並びに県議会におきましても、これが重要性につきまして十分な認識に達しまして、積極的にこれが解決に乗り出す態勢が整ってまいりました。本日も県議会関係委員会の決議をもちましてお願いにあがっておると思うのでありまするが、こういうような段階にまでこの問題が軌道に乗ってまいりましたことにつきまして、特に関係当局の非常な御熱意に対しまして、私この機会に厚くお礼を申し上げておきたいと思います。  さらに、かねて承っておりますように、亜炭の根本問題を解決いたしますために、亜炭鉱企業診断を行なおうというような意図を明示されておったのでありますが、さっそくこれが診断班編成されまして、五月上旬からこれが診断調査にかかられるということを承っておるのであります。かように急速に取り運んでいただきました御当局の御熱意誠意というものにつきましては、かねてお願いをしてまいりました私どもの立場からいきまして、非常に私どもとしましては敬意を表しておる次第であります。しかしながら御承知のように、雨季を目前にいたしておりまして、すでにこの委員会でもるるお願いがございましたと思いますが、この亜炭鉱山の問題は保安上非常な不安を伴っておるわけでございます。そういうような意味におきましては、この診断が一体いつ結論が出るのかというようなことにつきましても、非常な心配をいたしております。なお今回の措置によりまして、竿頭一歩を進めたとは申すのでありまするが、過去におきまする御当局の御答弁等内容からまいりますると、はたしてこの診断班の結果というものがどういうような運びにしていただけるのかということにつきましては、なお関係者といたしましては非常に憂慮をいたしておるのであります。かような意味におきまして、私は本日は御当局の今日までの熱意につきまして一言敬意を表しますと同時に、そういうような点につきまして御当局の明快なる御方針を承りたい、かように考えておるのでございます。  まず第一番に、炭鉱診断班につきましては、名大教授の末松博士中心とした診断班が形成されるというように承っておるのでありまするが、この診断班の詳細につきまして、重要な点だけでけっこうでございまするが承りたいと思います。なお、これらの診断班編成されました根拠、またそれによって出てまいります結論、生んでまいります効果というようなものにつきましてひとつ承ってみたいと思います。
  4. 新井眞一

    新井政府委員 亜炭問題につきまして、かねてから御熱心にいろいろ御配慮なりお世話をいただいておるわけでございます。強い御要望によりまして私どももおそまきながら、総合診断計画に踏み切ったわけであります。御承知のように、亜炭鉱業東海地方では非常に苦しい状況に相なっておりますので、これを総合的に診断をいたしまして効果のある政策を打ち立てたい、こういう考え方で発足をいたした次第でございます。  先生お話にございましたように、実施担当機関といたしましては、できるだけ現地の実態を反映をいたしますということと、現地地方公共団体のほうで、特に地域的な産業でもございますので御熱意を持っていただくという考え方で、実施担当機関といたしましては愛知県、岐阜県並びに名古屋通商産業局ということにいたしまして、三者相互に緊密な連絡を保ちながら診断実施をやってまいるということを考えておるわけであります。  診断班編成といたしましては、お話にございましたように、末松玄先生診断責任者といたしまして、担当といたしましては生産保安需給部門として名古屋通産局鉱山部長の加納さん、鉱害部門では名古屋大学の松沢先生産炭地部門では愛知県、岐阜県の両商工労働部長という形でございまして、班員の中にはほかに石炭局あるいは鉱山保安局並び東海鉱害復旧事業団の方、そのほか大学の先生方並びに現地名古屋通産局鉱山部並びに鉱山保安監督部行政担当部というような形で編成をいたしまして、おおむね六月末までぐらいには診断最終報告を作成するということに考えているわけでございます。事によりまして、診断書の結果にもよりますけれども各般措置を私どもとしてはとってまいりたいと考えているわけであります。
  5. 渡辺栄一

    渡辺(栄)委員 ただいまの編成並びに診断予定日特等はよくわかったのでありますが、ただ現地におきましては、従来問題の解決が非常にむずかしかっただけに、こういうような委員会をつくることにおいて、この問題の焦点がぼけるのではないかという心配をしている向きもございます。私はこの今回の設置の経過から見まして、そういうふうには考えておりません。当局誠意を十分認識いたしておりますが、ただこのことによりまして、ある程度この問題の解決責任県当局のほうに課するようなことになるのではないか、もちろん地元としまして県当局県議会が非常に熱意を持っていただいてきておりますから十分協力体制を整えていただけると私は確信をしておりまするが、あくまでもひとつ国の責任におきましてこれは御推進を願いたいと思うのであります。その辺について御所信を承りたいと思います。
  6. 新井眞一

    新井政府委員 先ほど申し上げましたように、やはり国のほうでいろいろ計画をいたしまして、実施担当として現地機関がいたすという考え方でおりますが、何分亜炭鉱業は御承知のように、地域的な特産産業という考え方を持っておりますので、国のほうでやはりやりますけれども現地の県御当局におかれましても、地元重要産業ということで、幸いいろいろまた先生方の御努力でそういう気分にもなってまいったということは非常にありがたく思っておりますが、やはり県御当局も何分の責任を持って実施の点で御助力をいただきたい、かように考えておるわけでございます。
  7. 渡辺栄一

    渡辺(栄)委員 協力の点につきましては申すまでもないと思うのですが、先ほど申しましたように、ひとつ当局におきましては、なるほど全国的に見まするとあるいは部分的ということばが否定できないかもしれないと思います。しかしこの亜炭経過から申しますと、すでに述べられておりますように、戦前あるいは戦後を通じまして、いわゆる燃料の非常に不足いたしておりました時代に、相当な貢献をいたしてきておるのでございまするし、またその後の経過としましては、単にこれが亜炭関係業界だけでなしに、地域全体の問題としまして非常な社会不安をもたらしておりまするし、また一面におきましては、陥没その他によりまして耕地あるいは道路学校その他にも今後も被害が相当予想されるのでございまするから、そういう点につきましては、ひとつ従来のお考え方をこの際改めて、国におきましては新しい観点に立ってこの問題に取り組んでいただけるものというふうに私どもは考えまして、今回の診断班編成というものを非常に重く見、同時にまた期待をいたしておるわけでございます。その点につきまして、ただいまの局長さんのおことばでは、従来の御発言の中にございましたことばとやや似たようなことばでございますので、非常に心配をいたすわけでございますが、その点ひとつもう少し熱意を持ってこの問題に取り組んでいただけるような御回答が願いたいと思うのであります。
  8. 新井眞一

    新井政府委員 ことばのニュアンスでございますけれども、やはり岐阜県、愛知県にとっては土地の重要な産業でございますので、国で全部やれということはどうかと思います。やはり一緒になりまして亜炭産業の窮状を打開していくというようなかまえで進めてまいる、こういうふうに考えておるわけでございます。十分熱意を持って努力をいたしたい、こういうふうに考えております。
  9. 渡辺栄一

    渡辺(栄)委員 実は診断の結果どういうような結果が出るかということは今後の問題でございまして、それを予想していま論議するのは当たらないと思うのでございますが、少なくともこういうような相当大規模な体制を整えて企業診断をやっていただくということでございまするので、私どもとしましては、その結果に基づいては、あるいは法の改正あるいは予算措置等を含めまして、もちろん地元協力は十分お願いしようと思いまするけれども、国におきましても相当な御決意を持ってかかっていただいているもの、こういうふうに私は考えております。したがいまして、このことにつきましては大臣おいでになりました上でさらに私は御所信を承りたい、こう考えますが、その前にきょうは幸い関係局長さんがおいででございますから、ひとつその辺に対します現在の御方針を伺っておきたいと思います。
  10. 新井眞一

    新井政府委員 先ほども申し上げましたように、総合診断でございますので、各般の問題が出てまいろうかと思いますが、私ども考え方といたしましては、その情勢によって、どんな問題が出てまいりますか、いろいろ考えられる点もありますけれども、いまの考え方といたしましては、すでに通産省といたしましても各般政策手段を持っておるわけでございますので、それをある意味において傾斜的に運用することによって打開できる分野が相当あろうかと思いますので、新しい法律改正による柱を立てるという事態まではおそらくいかないのじゃなかろうか、いま持ち合わせの政策手段でかなり改善なり打開はできる、これは診断をやってみないとわかりませんけれども、そういうふうな考え方でおるわけでございます。
  11. 渡辺栄一

    渡辺(栄)委員 順次論点に入りたいと思いますから、そのときに触れたいと思うのでありますが、たとえば亜炭対象になっておらないというように私どもは過去の御答弁の中から判断をいたしております。保安臨時措置法等に基づきます問題等は、やはりこの問題につきまして相当大きな分野を占めることになると思うのでありますが、そういうような問題につきましては、どのような御見解をお持ちでございましょうか。
  12. 川原英之

    川原政府委員 保安臨時措置法亜炭を適用すべきかということにつきまして、過般来渡辺先生からいろいろ御指導をいただいているわけでございます。御承知のように、石炭鉱山保安臨時措置法は、現在石炭対象としておりまして、亜炭を適用しておらないわけでございます。ただこの法律ができましたときの経緯及びこの法律趣旨等から考えますと、この法律立法されました当時、御高承のように、非常に保安が悪くなって、かつ非常に大量の離職者を出した。そういう関係から、この離職者対策あるいは鉱員のやめました場合の労働者に対する措置というような面が、ある時点におきまして非常に大量に出る。したがって再就職が非常に困難な事情があったというようなところから、この法律先生御高承のとおり、特に当時二年間という時限立法をもちまして制定をされたのでございます。そういった事情が消えませんために、さらに一年間の延長をいたしまして、今年までの時限立法に相なっております。これに亜炭を現在適用すべきかどうかということにつきましては、いろいろ亜炭鉱業に対して廃止勧告をいたしまして、その結果生じますいろいろな社会的影響の度合いが、おそらく判断の基準に相なろうかと存ずるわけであります。もちろんただいま石炭局長から御答弁がございましたように、今回総合的な診断班編成されまして、亜炭に関連いたします各般問題つまり亜炭生産流通並びに経営保安労働その他全般につきましての診断が今回行なわれるわけでありまして、もちろんこれにつきましては、ただいま石炭局長より御答弁ございましたように、ただ亜炭廃止勧告をするというだけの問題ではなしに、今後どういうふうに亜炭鉱業を伸ばしていくか、もちろん地域的な産業としての特色を生かしながら、その販路を開拓し、あるいは流通過程におきます問題をいろいろと改善をしていくというところに、この診断班の目的があるわけでございます。したがいまして、この診断班がどういう結論を得ますか、それにもよることでございますが、ただいまこの時点におきまして、時限立法でございます保安措置法をさらに再延長し、かつこれに亜炭を適用すべきかどうかということに関しましては、ただいま申し上げましたように、いろいろ廃山によりまして出てまいります労務者の就職の難易というようなことが、非常な一つのキーポイントになると思います。もちろん先般来渡辺先生からいろいろと御指摘をいただいておりますように、これは研究に値する問題とは存じますが、ただいまの段階でこれを直ちに保安臨時措置法対象とし、かつ保安臨時措置法を延長すべきであるかどうかということについては、私どもとしましてはまだ確信を持ち得ないのでありますけれども、もちろんこの診断班の出します診断書によりまして、新しく考慮すべき面もあろうかと思います。
  13. 渡辺栄一

    渡辺(栄)委員 ただいまの御答弁で、誠意を持って解決をしようという、そういう誠意はよくわかるわけでございます。なお、診断班の結果を待たなければ、広範にわたりまする問題でございまして、必ずしも保安臨時措置法の問題に関連するかどうかということは、もちろん予測できません。それはよくわかるのでありますが、しかし私ども現地におりまして、あるいはまた関係者のいろいろな資料によりまして、やはり現在の炭鉱のたとえば保安施設が悪いというような問題は、内容へ入ってみれば非常に経営状態の悪いというようなこと、あるいは将来性がないというようなことが相当大きな原因になっておるということは、私はいなめないと思うわけであります。したがいまして、いまここでそれを承るのはあるいは無理かも存じませんけれども、私どもといたしましては、少なくともこれだけの診断実施していただきますのでありますから、診断の結果としましてそういうような必要が生じた場合におきましては、法の必要がなければけっこうでありますが、必要な場合にはそれを通じてでもひとつ万全の措置をしていただくという誠意ある御方針を承りたいと思います。
  14. 中村寅太

    中村委員長 渡辺君に申し上げますが、大臣は、十一時ごろから参議院の委員会で採決があるらしいですから、あなたの質疑の中で大臣のほうをこの次から先にやっていただきたいと思います。
  15. 川原英之

    川原政府委員 同じことを繰り返しますようで、たいへん恐縮でございますが、先ほど申し上げましたように、保安措置法そのものに対して、過去におきます立法経緯その他等を考えあわせまして、具体的にそういう事実があり、かついろいろな面でそういう措置が必要であるという結論が得られました場合には、この問題は再検討いたすべきものだと思います。ただ保安を確保するというたてまえだけから申しますと、これは現在の鉱山保安法を発動いたしますと同時に、かついろいろな保安監督を厳重に行ないますことが一つの行き方でもございます。その辺どういうふうな必要があるか、これはもっぱら今後の診断にまちたい、かように存じておるわけでございます。
  16. 渡辺栄一

    渡辺(栄)委員 多少いままで申し上げましたことと重複する点もございますが、大臣おいでいただきましたのでお願いいたしたいと思います。  まず第一番に、いろいろとお示しをいただきました線に沿いまして、さっそく亜炭関係企業診断班を結成いただきまして、五月早々から診断にかかっていただくということにつきまして、御当局の非常に誠意ある御措置につきまして、きょうは県議会代表者も来ておりますが、この機会に厚くお礼を申し上げる次第であります。なお、県のほうの当局、ただいま知事は渡米中でおりませんが、県議会のほうもこの問題につきましては非常に積極的な熱意を持って解決に当たってまいっておる次第でございます。  そこで、本日特に大臣のおことばをいただきたいと思いますのは、今回の診断の結果は予測はできないのでありますが、三月二十六日の本委員会におきましていろいろ当局から御答弁がありましたおことばの中には、亜炭の問題につきましては非常に地域的である、いわゆる部分的であるというようなこととあわせまして、離職者対策というものがあまりむずかしくないのだというような観点もございまして、この合理化臨時措置法あるいは保安臨時措置法というようなものにつきましては、比較的亜炭に対しましては消極的な態度であるように受け取れるわけであります。しかし私どもといたしましては、過去の経過からかんがみましても、亜炭というのは戦中戦後を通じまして非常に燃料解決のために協力をしてきております。むしろ地域をあげまして労務を提供し、あるいは道路を改良いたしまして、この亜炭増産には協力をしてきておるわけでございます。たまたま燃料革命が生じてまいりまして現状のような姿になりましたけれども、これは結論として、ただ単に亜炭関係業者の問題だけではないのでありまして、関係地域全体に大きな不安を醸成しておるわけでございます。そういうような意味合いにおきましても、また一面、これは中小企業対策にもつながる問題だと私は思うのでありまして、こういうような部分的で小さい問題であるから、国のほうがいろいろな問題につきまして特に考慮することがむずかしいということでは、私どもとしましては非常に心配をいたしておるわけでございます。そこで特にお願いしたいと思いますのは、診断の結果を待たなければ予想はできませんけれども診断の結果に基づいて、場合によりましては保安臨時措置法の適用なり、あるいはまたそういう法案の準備なり、または予算措置なり等を通じてまでも国が積極的にこれが解決に御熱意を入れていただくということについて、できるだけの誠意ある御措置をこの機会お願いいたしたいと思うわけでございます。そういう点につきまして、ひとつ大臣のあたたかい御方針をぜひ承りたいと思うのであります。
  17. 福田一

    福田(一)国務大臣 前々から渡辺委員がこの問題について非常な熱意を示しておられ、いろいろと委員会あるいはその他の場所においても御意見は承っております。まことにごもっともな面も多いと考えましたので、今度診断班をつくりまして診断をしていただく、こういうことにいたしたわけであります。これは私が申し上げるまでもなく、政治というものはある程度万人の納得するところでないと、なかなかこれが実現は困難であります。したがって、診断というものを中心にしてわれわれとしてはいろいろの施策を考えてまいらねばなるまいかと存じておるわけでありまして、その診断班がいまできて、これから診断をされようというときでありますので、私たちとしてはやはり診断班の御意見を聞かしていただき、それに基づいて何らかの措置をとる必要があるかどうかというようなことも考えてまいらねばなるまいか、かように考えるわけであります。しかしいずれにいたしましても、そういういろいろの特殊準情もあり、戦前戦後あるいは戦中においても、一時はやはり燃料いわゆるエネルギー源を供給して、あの地方においては、いわゆる中小企業陶磁器等に結びついた一つの大きなあれもしておるし、また、家庭燃料等にも使われておったことも承知をしております。等々の事情もよくわかっておりますので、ひとつ診断班診断に基づいて、われわれとしては、できるだけの措置を考えてみたい、かように存じておる次第であります。
  18. 渡辺栄一

    渡辺(栄)委員 大臣もお忙しいと思いますので、これで……。ただいまで、大体誠意を持って進めていただけるという御方針はよくわかったわけでありますが、さらに続きましてお願いを申し上げたいと思います。  特に私どもがこの問題につきまして非常に心配をいたしておりまするゆえんは、ただこれがいわゆる他の事業のように、関係業者衰退につながるというだけの問題ではなくて、非常に地域衰退につながってくるということ、それから特に、一般の家屋あるいは工場、学校あるいは耕地のそれぞれ地下が坑道になっておるわけでありまして、今後こういうものがどんどん陥没をする、すでにそういう事例も起きておるわけでございますから、そういうことにつきましても、非常に心配をいたしておるわけでありますが、こういう点につきましては、いずれ診断の結果としてもあらわれてくるだろうと私思いまするが、問題は、鉱害復旧事業団等によりまして、事業推進がはかられてはきておるのでありまするが、遺憾ながら、この事業者のほうの負担の問題が解決ができないことは、この現状からいきまして十分想像できるところでありますが、そういうことのために、非常に遅々としてこれが進まないという現状でございます。先般の御当局の御説明の中には、そういうもののいわゆる無資力認定というような道もあるのだというおことばがあるようでございますけれども、実はこの問題につきましては、診断の結果がどう出ようとも、特に御配慮願わなければならぬ問題でございまして、私どもといたしましては、ひとつもう少し具体的な当局のこの問題に対しまする御配慮というものを承りたい、こう考えるわけでございます。
  19. 新井眞一

    新井政府委員 鉱害の問題につきましては、東海のほうでいろいろと問題のございますことは、私も承知いたしております。特に農地それから家屋、いろいろ御迷惑をかけておる状況を存じております。したがいまして、もちろん今般の総合診断におきましては、これも含めてやることは当然でございまするけれども先生お話にございますように、それを待たなくとも、この措置は十分やっていかなければ相なりませんので、おそらく予算問題の関連もあろうと思いますが、全般予算もきまりかかっておりますので、これの地区別配分等におきましても、先生の御意見も十分尊重いたしまして努力をいたしたい、こう考えております。
  20. 渡辺栄一

    渡辺(栄)委員 非常に御理解のあるおことばをいただきまして喜んでおりまするが、結論としては、私は、やはり相当国の費用によって復旧をしていただかなければならぬということになるというふうに考えるわけでございますので、関係方面のできるだけの協力お願いしてまいるつもりでありまするが、その点につきましては、ひとつこの実情を御了承くださいまして、特にひとつ鉱害復旧推進につきましては、格別の御配慮をこの機会お願いしたいと思います。  続きましてお願いを申し上げたいと思うのでありまするが、先ほど来私が申し上げてまいりました中で、いろいろございまするけれども、もう一つ、どの炭鉱は持続をする、どの炭鉱は閉鎖をする、どの炭鉱はさらに設備を改善する、まあ、具体的にどう出るにいたしましても、そういう傾向だろうと私は思いまするけれども、その場合に、炭鉱を閉鎖いたしまして他の産業に転向をしたい、こういう炭鉱が出てくるであろうことは十分想像ができるわけでございます。そういうような場合におきまして、根本的な鉱山の閉鎖というところまでいくことは、先ほど来の問題で別といたしまして、そういうようないわゆる転業資金のような問題につきましても、具体的な問題に入ってまいりますると、実際は保安の十分でないような鉱山を担保として金を借りるということは、現実の問題として非常にむずかしい問題でございます。あるいは県の信用保証協会でこれをひとつお願いしようといたしましても、現在の制度ではこれまた非常に実現のむずかしいことも現実の姿でございます。この点につきましても、すでに何かいい成案ができておりますれば、ひとつお聞かせを願いたいと思うのであります。
  21. 新井眞一

    新井政府委員 今度の総合診断におきましては、おそらくあの地区におきます亜炭の需給情勢の見通し、そういうことも一応把握いたしました上で、それでは一体現在の姿をどうするんだ、こういう問題になろうかと思いますが、その場合に、いまおっしゃいますような転業と申しますか、これがおそらく重要な問題の一つだというふうには考えられると思います、これは予想でございますけれども。したがって、この面につきましては、いまの担保力の問題、いろいろむずかしい問題もあろうかと思いますが、どういうふうに転業の資金の援助をやるかという点でございますが、これは通産省のほうでもいろいろ施策を持っておりますので、これの運用面でやっていけるかどうか、あるいは地元の、おっしゃいますような信用保証協会、あるいは状況によっては、県の損失補償と申しますか、そういうふうな御助力もひとついただいた上で資金を出すか出さぬか、こういう問題、いろいろと議論の対象になろうかと思っております。いまここで明確にこういたしますという点はまだできておりませんけれども、逐次この点も前向きでよく研究をいたしたい、こう考えます。
  22. 渡辺栄一

    渡辺(栄)委員 現在の状態の中で、御回答のいただける限度ということは私も想像できますから、ただいまのおことばでけっこうでございますが、ただ、県の信用保証協会でやるといたしましても、この鉱山の実情では非常にむずかしいということは想像ができるわけでございます。したがいまして、特にこの問題につきましては、亜炭業界の実情にかんがみまして、ひとつ特別の御配慮お願いしたいと思います。  次に、こういうような問題を今後解決してまいろうと思いますると、非常に広範な問題が必要でございまして、たとえばこのために他の産業に転向していこうということになりますと、幸いこの地域は現在低開発地域に指定をされておるわけであります。最近、相当な工場が進出をいたしてきておるのでありますけれども、そのためには、直接通産省の関係ではございませんけれども、これは当然道路の改良という問題が一つ優先して生じてまいります。なお関係市町村としましては、他の市町村にないところの財政需要を生じてくるわけでございまするから、当然特別交付税というようなものにつきましても、御配慮を願っていかねばならぬと思うのでありますが、その点につきまして、特別交付税等につきましてはすでに多少の御配慮をいただいておるやにも聞いておりまするが、その辺は具体的にどんなように進んでおるのでございましょうか。
  23. 新井眞一

    新井政府委員 いまの地方財政の問題に関連をいたします公共事業の問題でございますが、この点やはり、私ども所管は違いまするけれども、いまの亜炭鉱業の問題とは直接関係ございませんが、あるいは転業いたす場合の工場誘致と申しますか、そういう問題があろうと思いますが、これは、いまさしずめ明快なお答えができませんけれども、やはり自治省なり建設省のほうに、私どものほうから、総合診断の結果によりまして御要望申し上げまして、適当な措置をとってまいりたいというふうに私どもとしては動きたいと考えております。
  24. 渡辺栄一

    渡辺(栄)委員 大体一般的な道路改良あるいは都市計画、そういうようなものにつきましては、従来とも例があるわけでございますが、ただ頻発いたします鉱山の事故というもの、こういう問題とか、特に今回のような問題が起きてまいりますと、自治体といたしましても、相当いろいろな財政需要が生じてくると思うわけでございます。これは当然自治省の関係になると思いますけれども、直接関係しておられます御当局としまして、そういう財政面につきましても特に配慮していただけるような方向に、ひとつ関係当局としての横の連絡をお願いいたしたい、こう思うわけでございます。  なお、現在御嵩町は、工場団地の造成計画を立てつつあるはずでありまして、その一部はすでに、名古屋通産局を通じまして、本省のほうへも提出がされておるのであろうと私は思っております。このことにつきましては、今後いかなる診断の結果が出るといたしましても、現在のままで亜炭関係がいかないということはもう既定の事実でございます。そこで、工場を誘致するにしましても、産業を進めてまいりますにいたしましても、やはり工場団地の造成というようなことは非常に必要でございます。そういう意味におきましては、一般のいろいろな基準あるいは御方針というものもあろうと思うのでありますが、これらの問題につきましても、石炭亜炭関係に直接関係をしておいでいただいておりますところの御当局としまして、優先的にこういう地域に工場団地が造成される方向に、いずれ診断の結果もございましょうけれども、進めていく方向でひとつ御努力を願いたいと思うのでありますが、その点につきましても御方針を承れればけっこうだと思います。
  25. 新井眞一

    新井政府委員 いまお話しの点は、おそらく中小企業団地という問題だと思いますが、これは御承知のように、中小企業庁のほうでやっておるわけでありますが、私ども側面のほうから、いまの御趣旨に沿いまして、かりに亜炭産業がそういう形をとっていった場合、それにかわるものという形での造成団地である場合には、私どもからそういう発言をいたしまして、御趣旨に沿うような側面からの措置をいたしたいと思います。
  26. 渡辺栄一

    渡辺(栄)委員 大体当面いたしております大きな問題点につきましての御当局誠意は、私よくわかったのでありますが、あとは診断の結果と、それに伴います誠意ある御措置ということになると思うのであります。ただ根本的な問題としまして、いまいろいろ申し上げてまいりました問題等のほかに、さらに坑道等の影響を受けまして上水道が非常に困る、水に非常に困っておるという問題も起きていると思います。あるいはまた、排水で非常に困っておるということもすでに起きておりまして、関係のところでいろいろと御配慮願っておりますが、いずれ診断の結果としましては、こういう各般にわたる問題が起きてくるだろうと私想像いたすわけでございます。そこで、そういうような総合的な問題を御解決願わなければならないのがほとんどであろうと思うのでありますが、そういう問題解決のために、たとえば、現在の石炭局中心になってこれをお進めいただけるのか、あるいはどういうような形で、診断の結果というものが、具体的に行政措置として解決が進められていくのであるか。このことにつきまして、実は私は、たとえば従来のとおり、それぞれの関係当局に対して地元の方がお願いにあがらなければならないことはよくわかりますけれども、できるならば、こういう客観的な診断班を御結成いただいた機会でありますから、石炭局等が中心となられまして、この関係の連携をとって、ひとつ総合的に推進をしていただくようなところまで御配慮がいただけますならば、非常にあたたかい御措置であると私は思うのでありますが、これにつきまして何か御配慮を願っておることがございますれば、ひとつお答えをいただきたいと思います。
  27. 新井眞一

    新井政府委員 亜炭生産あるいは流通、そのほか全般の問題につきましては、石炭局が所管をいたしておりますので、したがいまして亜炭問題に関しまする取りまとめそのほかは、全部私のほうでやってまいるつもりでおりますけれども予算そのほか関係方面がございますので、私どもが窓口になり、そういう関係がございますれば、他省のほうにも私どもを通じまして御連絡なり御要望を申し上げる。ただその場合にやはり地元のほうでも十分にひとつ御協力をいただきたい、こう考えております。
  28. 渡辺栄一

    渡辺(栄)委員 たいへん明快なお答えをいただきまして、石炭局長さんの非常に御熱意ある御方針に私は感謝をいたしております。実は今回の診断班の問題が新聞に出まして、地元並びに関係業界地域の者は、さっそくおとりくださいましたこの御措置、なお診断班内容等につきまして非常に期待をいたしておるわけでございます。しかしながら問題は、先ほど来申し上げましたように、すでに目標日時は示されておるようでありますが、ややもすればこういう問題はなかなか日時を要する問題だろうと私思いますので、できる限り予定の日時に、あるいはできれば一日も早くその結論を出していただいて——万全な結論も大事でありますが、実はいまは一日も早くその結論を望んでおるのが実情でございますので、さらに詳細にわたった調査が必要な場合には、さらに第二段階に向かって進むとしましても、なるべく早く第一次の結論を出していただきまして、そうしてあるいはすぐ起こるかもしれませんところの亜炭炭鉱の災害という問題も心配でございますので、先ほどのおことばによりますれば、石炭局中心となってひとつ横の連絡をとって進めてやろうというおことばでございまして、私は非常に感謝をしておりまするが、診断の結果に基づきまする措置がひとつ早急に進められまするように、この機会にさらにお願いを申し上げておきたいと思います。  なお県議会等におきましても、この問題につきましては相当心配をいたしておりまして、それぞれの陳情があろうと存じまするが、私どものいろいろ承っておりまする範囲におきましては、カロリーその他からまいりましても、また、なるほど規模の大小はございますけれども石炭亜炭と一体どこにおいて区別すべきであるか、なぜ亜炭だけはかような区別をして非常に不利な体制に残されなければならぬのかということにつきましては、私どもは納得ができないわけでございます。したがいまして、転廃業に要しまするいわゆる転業資金というような問題並びに石炭鉱山保安臨時措置法改正あるいはその適用というような問題につきましても、それぞれ強く御要望をなさっていらっしゃるようでありますから、この機会に私は付言をいたしておきたいと思っております。  本日は非常に御熱意のある御答弁をちょうだいいたしまして、私はこの関係の一員といたしましても非常に感謝をいたしておりますが、問題は決して日時をかされないのであります。どうか、再三申し上げてまいりましたように、ひとつこの問題につきましては、部分的であるというような従来の観点を捨てて、中小企業対策あるいはまた従来亜炭の尽くしてまいりました使命というようなものにかんがみまして、この岐阜県があげて解決に当たろうとする事の重要性を御認識いただきまして、ひとつ格別の理解ある御同情とさらに御高配をいただきまして、住民の不安が一日も早く一掃いたしまして、災いを転じて福となすと申しますか、この従来の亜炭によりまして示されてまいりました因子が、今後の産業の振興によりまして地域住民に均てんできまするように、ぜひ、御認識いただきました大臣はもちろんでありまするが、中心になっていただきまする石炭局長さん並びに保安局長さんをはじめ関係当局の格別の御措置を切にお願い申し上げる次第であります。いろいろお願いいたしましたが、これで私の質問を終わることにいたします。ありがとうございました。
  29. 中村寅太

    中村委員長 中村重光君。
  30. 中村重光

    中村(重)委員 鉱山保安法改正問題についてお尋ねをするわけですが、その前に、三池の三川坑の火災の問題、あるいはさきに発生いたしました炭じん爆発の問題、そうした問題についてお尋ねしてみたいと思います。商工委員会関係石炭委員会に欠席をしたことがあったので、同僚議員の質問をいたしておる点と重複する面があるのではないかと思いますが、一応お尋ねします。  三川坑の火災が発生をいたしておるわけですが、幸いに死傷という面はなかったといわれておりますけれども、もしこれが爆発の原因というものがあったならばたいへんなことになったのではないか、こう考えます。まず原因であるとか、あるいはその他いろいろ御調査になった面があろうかと思いますので、そうした面に対して御答弁願いたいと思います。
  31. 川原英之

    川原政府委員 ただいま御質疑のございました三池炭鉱三川坑におきまして、去る四月二十九日午前十時三十分ごろでございますか、坑内火災を発生いたしました。いろいろと御心配をおかけいたしまして、まことに遺憾に存ずる次第でございます。最初に、現在までわかっております今回の坑内火災につきまして、若干御報告を申し上げたいと思います。  先般、昨年十一月に発生いたしました大事故の後、われわれといたしましては、三池炭鉱の三川坑及び炭鉱全体に対しまして、特に厳重な措置をとって今日に至りましたわけであります。しかるにもかかわりませず、さらにこの坑内火災を発生いたしました。まことに遺憾に存じます。  発生いたしました場所は、三百五十レベルの上層部の二十一号卸でございます。状況をまず御報告申し上げますと、四月二十九日十時三十分ごろ、三川坑の三百五十レベルの排気坑道におきまして煙が出ておる、これを発見をいたしました。直ちに坑外の上司にその旨を報告いたしますと同時に、その発生個所を探見いたしました結果、三片坑道のところに煙が出ておることを発見したわけであります。直ちにこの報告に伴いまして入坑いたしております全員に対しまして緊急退避の命令をいたしますと同時に、大牟田のほうに常駐いたしております鉱山監督局の局員、監督員三名、及びその知らせによりまして直ちに監督局から五名急派をいたしました。まず最初に退避をいたさせますと同時に、救護隊を招集いたしました。これが約四十分の後に入坑をいたしたわけであります。現在、煙を発見いたしまして後、とりあえずこの消火に最初当たったのでありますが、やはり安全を見まして特にこれは密閉をして消火すべきであるという結論に至りましたので、最初仮密閉をいたしましたが、なお不十分でありますので、本密閉を約九カ所であったと思いますがいたしました。幸い退避が非常に早く行なわれました関係もありまして罹災者が出なかったことは、非常に不幸な中で幸いと申すべきであったかと思いますが、いずれにいたしましても、こういう事態がとにかく起こりましたことは、私どもとして非常に遺憾に存ずる次第であります。なお、三池鉱につきましては昨年の事故発生以来、種々坑内の整備を行ないますと同時に、自己救命器の整備でございますとか、あるいは退避訓練及び救護隊の招集訓練を再三にわたりまして行なっておったわけでございますが、今回の坑内火災につきまして比較的早く退避ができましたことは、私どもも不幸中の幸いと存じておるわけでございます。
  32. 中村重光

    中村(重)委員 火災の原因は明らかにされなかったわけですが、まずその点を聞いておきたい。
  33. 川原英之

    川原政府委員 災害の火源につきまして現在聴取中でございます。したがいまして、この調査の結果を待っておる現在でございます。ただ、通常考えられますことは、これは一般論としてでございますが、電気系統の火源及び自然発火というようなところが、一応一般論としては考えられるわけでございますが、現在までの聴取によりますと、火災が出ましたときに扇風機は回っておったというようなことも聞いております。その辺につきましては、なおいろいろ現場を見ております者から聴取をいたしてたどってまいりたいと存じます。ただ、その発生いたしました現場は現在密閉をいたしておりますので、その現場そのものに入るということが不可能でございますので、そういう点若干、火源の追及につきましては困難もございますが、極力その証人その他よりの聞き取りによりまして今後、どういうわけでこういうことが起こったのか追及をしてまいりたい、かような段階で、はっきりいまその火源を、こうであるということがお答えできない段階でありますことは、まことに残念でございます。
  34. 中村重光

    中村(重)委員 火災が発生したのは四月二十九日午前十時四十分でしょう。もう一週間以上経過していますね。それから新聞の報道するところによると、三池炭鉱労組の立山書記次長は、自然発火も考えられるが、会社側の保安対策は不十分だったと考えざるを得ない、監督局の厳重な監督を要求するつもりだ、こういうことを言っております。そうすると、おそらく組合からも監督局に対して抗議というのか、そういうものが行なわれたということが判断できるわけです。そうすると、その抗議の中には、いろいろ保安対策上不十分であったという点の指摘も私はあっておると思う。それらの点についてあなたのほうで御調査になっておられないということになってくると、職務怠慢であるということに私は考えざるを得ない。もう一週間以上たっておるのだから、もう少し突っ込んだ調査があってしかるべきじゃありませんか。もう少し私のほうの質問に対して、何というか納得いくような調査がなければならぬと思います。いまの答弁の程度以上に御調査になっておられないのですか、どうです。
  35. 川原英之

    川原政府委員 ただいまお答え申し上げましたように、現在その発生現場が密閉をいたしておりまして、中に入ることができませんので、もっぱら聴取によりまして捜査を進めております段階でございます。したがいまして、現場が点検不可能でございますこともございまして、いろいろと、その現地をその発生の前後に目撃したり、あるいは通過した人をたどりまして、聞き取りによる捜査をいたすほかない、現在のところは、はなはだ恐縮でございますが、そういう段階にありますことを申し上げたいと思います。
  36. 細谷治嘉

    ○細谷委員 関連して。いまの火源、これは非常に問題で、密閉したので確認できないということはわかりますけれども、それならば昨年の十一月九日の原因、火源ははっきりいたしておりますか。この特別委員会でも、やはり原因を調査するということが一番大切な点だ。原因を明らかにすることなしに対策は講じられない。今回の火災も、これは爆発と変わりないのです。もし爆発条件があったら、これはもう爆発しているわけです。前回の経験が生きておるところもありますけれども、依然として本質的な点は直っておらぬ、こう判断せざるを得ないのです。それでは十一月九日の火源は何であったか、これをお尋ねします。
  37. 川原英之

    川原政府委員 去る十一月の三池三川坑の爆発につきましては、御高承のように、その後数回にわたりまして調査団も派遣いたし、なおそれと並行いたしまして、監督局及び検察当局におきまして捜査をいたしておるわけでございます。ただ、この火源が何であるかということを突きとめることにつきましては、現地に残りました証拠物件その他をいろいろと検討いたしながら捜査をいたしておる段階でございますけれども先生にいま御指摘いただきましたように、すでに数カ月を経てなおまだ火源がわからないのかという御質問、まことに痛み入る次第でございますが、調査団の報告等にもございましたように、火源そのものにつきましていろいろと考え得る項目、これは推定はだんだんといたしてまいったのでありますが、最後のこれであるということにつきましては、なおまだ司法捜査の継続中でございまして、この結果を私どもといたしましては待っておる次第でございます。
  38. 細谷治嘉

    ○細谷委員 山田団長の十一月二十六日の通産大臣あての報告を見ますと、火源としては、電気ケーブルの切断、電球の破壊、車両の車輪とレールとの摩擦火花、車両の車体と鉄枠ベルトコンベヤーのフレーム等との摩擦熱、裸火、発破、失火その他と書いてありまして、総括的に言いますと、「現在までの調査結果によれば、電気ケーブルの溶断は認められず、車両の車輪とレールの摩擦火花による実験結果によっても、着火の可能性は極めて少ない。また、災害時には裸火の使用、発破作業を行なった形跡も認められず、現段階では機械的原因としては車両と鉄枠あるいはベルトコンベヤーのフレーム等との摩擦熱、電気的原因としては、電球の破かいによるもの以外には考えられない。」とこう書いてあるわけですね。何が何だか、原因は一つも煮詰まっていないのです。りっぱな人たちがこれをやっておりますが、こういうことでありますから、その原因が徹底的に究明されておらない。現在もこのとおりであろうと思う。機械的原因なのか、電気的原因なのかわからぬ。今度の場合もたぶん電気的な原因だろう、こういうふうに報道関係の人は語っておりましたけれども、これも電気的原因か機械的原因か、自然発火かわからぬ。おそらく自然発火ということであれば、爆発が起こっているでしょう。自然発火するだけの条件があったならば、爆発は起こっているかもしれない。爆発が起らぬとなると、何かの原因ということになると、機械的原因か、電気的要因か、こういうことに考えられる。ところが、これは一つも煮詰まっておらぬ。こういうことですから、半年後の四月二十九日にまたこういう問題が起こったのです。これはやはり絶対安全の状態になっておらない。新聞の記事を見ますと、鉱業所側はこう言っております。火災が起こったことは事実であるけれども、退避等が十分うまくいったので死傷者は起こらなかった、こう書いてある。しかし、爆発が起こっていたら、退避もくそもないのです。いかにして被害を、死傷者を最小限度にするかということだけなんです。ところがそれに対して、十分その後の訓練はできておったのだ、こう言っておりまして、火災が起こったけれども死傷者が起こらなかった、ということで、あまり深い関心が示されておらぬような会社の談話が出ております。問題は、私は今度の経験から見ても、やはり十一月九日の原因をこういう程度の調査結果で終わっておるところに、火源を徹底的に追及しなかった。かつて飛行船が落ちた、そのときに、日本の学界あげてその原因を究明した。そうして落ちてまる焼けになった飛行船の燃えた火災原因がどこにあったかということが徹底的に究明されて、原因がはっきりしたという例もあるのです。やはりこういう問題は、徹底的に究明する必要があると思うのです。この調査報告は一つも煮詰まっておらない。いまの局長さんの説明でも、一向煮詰まっておらない。それではこの報告はどうなっているのか。もっと掘り下げた調査なり原因究明が行なわれておるかどうか、その辺をお尋ねいたします。
  39. 川原英之

    川原政府委員 私どもといたしましても、三川坑の爆発の火源につきましては、特に厳重な調査をいたさせておる次第でございますが、現在地方検察庁の指揮のもとに捜査を進めておるわけでございまして、現在までに相当多数の聴取をいたしました。なお、逐次聴取によりまして当時のいろいろな環境を総合いたしました上で、最終的な火源の結論を出すことに相なろうかと思います。まことに時間がかかって、何をしておるのかとおしかりを受けて恐縮でございますが、ただ現実の問題といたしましては、ただいま申し上げましたように、まだ現在捜査続行中でございます。われわれといたしましては、そういう問題につきまして考えられますいろいろな原因につきまして、それぞれ今日まで三池につきましては対策を講じさせてまいったのでありますが、また再び坑内火災が起こりましたことは、まことに遺憾に思う次第でございます。
  40. 細谷治嘉

    ○細谷委員 そこで、原因の徹底的な究明、そしてもう一点にしぼる、そこまではっきりする、科学的な検討が必要であります。現在はわからないのならば、ある程度、六つの原因が考えられるうち、たとえば三つなら三つにしぼられた、この三つのうちのいずれかだといった場合には、その三つが原因なんだと想定して、それに対する対策を講ずる以外にないと思うのです。原因の三つを一つにしぼる、そういう努力と、もう一つは、三つが原因なんだと想定して、その三つがもう絶対に原因にならないように対策を講ずるようにしなきゃならぬ。それは山田さんの報告にもあるんですね。たとえば「三川坑においては隣接して人車坑道が併設されているので第一斜坑電気施設に給電するケーブル以外は早急に第二斜坑に移設することが望ましいと思われる。」こういう措置もあるわけですね。そういう点について対策をとられたかどうか、これだけ一つお尋ねいたします。
  41. 川原英之

    川原政府委員 いま御指摘のございました、いろいろの火源及び爆発の原因となります事項それぞれについての対策につきましては、三川坑の爆発以来厳重に実施をさせてまいったわけでございます。すなわち、まず、炭じんの問題につきましては、炭じんの堆積が起こりませんように、散水及び岩粉を十分に坑内全般にわたりまして散布をさせる、かつケーブルにつきましても、ただいま御指摘のございましたような移設をいたさせたわけでございます。なお、三川につきましては、ケーブルはすでに移しております。さらに自己救命器の備えつけ及び救護隊の招集演習、退避演習、こういう問題につきましては、これは特に監督官が常駐いたしまして厳重に行なわせてまいっておった次第であります。
  42. 中村重光

    中村(重)委員 どうも今度の二十九日の火災の火源の問題にしても、十一月九日の火源の問題にしても、きわめてあいまいですね。慎重に取り組まれる、調査をされるということはわかるんだけれども、具体的にそれじゃあなたのほうでは、どういう調査をしておられるか、その点が明らかにされなければ納得できないわけですね。調査団の報告というものは、いま指摘のとおり、きわめてあいまい、どうも会社の圧力が強くかかってきている、そういうようなふうに勘ぐりたくなるのですね。そんなに勘ぐられたんじゃあなたのほうでも迷惑だろうから、それじゃ、なるほど保安局は真剣に取り組んでおる、人命尊重という立場に立って積極的に十一月九日の大事故の反省の上に立ってやっておるのだということが、国会におきましても、また炭鉱労働者にとりましても、認められるという形でなければならぬじゃありませんか。ですから、ひとつ具体的な、あなた方の現に取り組んでおることについて御説明を願いたい。
  43. 川原英之

    川原政府委員 ただいまお答え申し上げましたように、実際に十一月九日の災害の火源につきましては、いろいろその押収した機器の判定等を現在ずっと行なっている次第であります。なお、当時のいろいろな状況その他につきましての聞き取りをその後継続をいたしまして、相当数の聴取を続行いたしておりまして、これらのいろいろな供述によりまして最終的な判断を下すことに相なろうかと思います。ただわれわれといたしましては、その当時考えられました、いろいろな想定される原因のそれぞれにつきまして、ただいま申し上げましたように、たとえばいろいろ保安機構の改善であるとか、あるいは炭じんにつきましては特に散水と岩粉の散布を厳重にやり、また、火源を発生した一つの原因と申しますか、動機と相なっております炭車の逸走を防止いたすために、それぞれの炭車のリングにつきまして厳密な精密検査を行ないますと同時に、その後もその精密検査の継続をいたさせております。また、ケーブルにつきましては、先ほど申し上げましたように、人車坑道のほうに移設をいたしますとか、あるいはマスクにつきましても、特に備えつけを急がせまして完備をいたしました。あるいは救護隊の訓練、さらに非常招集の警報装置の完備につきましても、これはその後二組みの非常警報装置をダブって装置させることをやらせました。そういった面につきましては、われわれといたしましては、万全を期したつもりでありましたけれども、遺憾ながら坑内火災が発生いたしましたことは御指摘のとおりでございます。
  44. 中村重光

    中村(重)委員 災害防止対策として、岩粉散布の問題にしても、あるいは散水にしても、これをやるのはあたりまえですね。それはそれとして徹底的におやりにならなければなりません。また、火災訓練等に対してもおやりにならなければならない。ところが、やはり原因の究明はゆるがせにできないわけです。いろいろ押収品等その当時あなたのほうでは押収されて、十一月の九日ですからもう半年もたっているわけですね。ですから、大体いつごろにこの点が明らかになり、また、今度の二十九日の火災の火源が明らかになるのは大体いつごろになるのか、その見通しをひとつ明らかにしていただきたい。
  45. 川原英之

    川原政府委員 ただいまお答え申し上げましたように、これは検察庁の手によりまして現在司法捜査の段階でございますので、これがいつであるかという明確な時期を私からここで申し上げることは非常にむずかしい問題でございますけれども、現在押収品の鑑定並びに検査をずっと行なっておりまして、普通の考えから申しますと、私どもといたしましては、あと二、三カ月ぐらいで結論が出るのではないかということを期待をいたしておるわけであります。
  46. 中村重光

    中村(重)委員 その後の保安状況に対しては、先ほど岩粉問題あるいは散水の問題等々二、三御説明があったわけです。ところが、私は、炭じんの問題に対しましては、本委員会におきまして問題点として指摘をしたわけです。岩じんの発生量も重要であるけれども、炭じんの堆積ということに対してはどうも基準というものが明らかになっていない。この堆積量というものがやはり問題点としては重要ではないのか。ところがその点に対しては、日本だけではなくて、ヨーロッパ諸国においてもどうも明確じゃないのだ、こういうことであります。しかしその点が重要であるということは、当時の保安局長もお認めになった。あなたのほうでは、この炭じんの発生あるいは堆積、こういう問題に対して実情に即するような基準というものをおつくりにならなければならぬと思う。根本的な保安対策をお立てにならなければだめだと思うのですが、それらの点に対してはどのような取り組みをしていらっしゃいますか。
  47. 川原英之

    川原政府委員 ただいま中村先生から御指摘のございましたように、炭じんの堆積につきましては、現在石炭鉱山保安規則の改正の問題といたしまして種々検討を続けております段階でございます。ただこの炭じんの堆積の恕限度につきまして、現在も試験所や大学のいろいろな機関に依頼をいたしまして、いろいろ研究を進めておりまして、結論を得たいと思っておりますが、ただいま先生からいみじくも御指摘がございましたように、一般に炭じんの恕限度というものがその炭の性質、それから揮発分の問題等いろいろな問題がからみまして、具体的には鉱山によって非常にその事情を異にする面もございます。おそらく諸外国におきましても、この炭じんの恕限度につきましてはきわめておるところが現在ないということも、一つはそういう理由によるものかと存じますけれども、われわれといたしましては、三川坑の爆発の経緯もございまして、何とか一定の基準をきめたいというようなことで、現在鋭意その検討を続けておる段階でございます。いずれ近くこの結論を得まして、石炭鉱山保安規則の改正として方針を出していきたい、かように存ずるわけであります。
  48. 中村重光

    中村(重)委員 炭じんの堆積量の問題は、いまいろいろあなたのほうでは研究を進めておる、これは短時間ではできないことだということは私もよくわかる。わかるのだけれども、炭じんが堆積していなければ爆発は起こらないのだから、そうすると、炭じんの堆積がないようにしなくちゃならない。単に岩粉を、あるいは散水を十分やる、こういうことだけでは足りないのであって、やはり堆積をしないように、十分その掃除が行き届くようにしなければならない。あのときも、何か休憩時間にちょっと掃除をするという程度である。それでは不十分だ。だから災害防止の見地から、それらの点に対して十分あなたのほうではやれることがあるんだから、炭じんの堆積量の基準をおつくりになるという根本的な問題の前にできることがある、そういうことを具体的にはどのようにおやりになっておられるのか。
  49. 川原英之

    川原政府委員 炭じんの問題に関しましては、これは三川坑だけの問題ではなしに、全国的に炭じんの処理を厳重にいたすべきであるという観点に立ちまして、去る二月一日に石炭鉱山の保安緊急対策を指令いたしたわけであります。これによりまして、まずただいま申し上げましたような岩粉及び散水の強化をはかったのでありますが、三川坑について申し上げますと、ことに事故の起こりました斜坑の場所におきましては、散水のコックを三十メートルごとに備えつけますと同時に、岩粉だなを増設いたしまして爆発の伝播を防ぐ。さらに岩粉の散布は、特に普通以上に多量の岩粉をまかせることによりまして、炭じんの爆発の防止ということをいたしたわけであります。岩粉の散布につきましては、これは全国的にそれぞれの炭鉱におきまして、現在きわめて多量の岩粉を散布いたしまして、炭じんが爆発を起こさないような措置を厳重に講じさせておるような次第であります。
  50. 中村重光

    中村(重)委員 掃除をする、そのために機械をとめなくちゃいけない。ところがいままでは、生産第一主義ということから、なかなか機械をとめないのですね。それではいけないので、あの炭じん爆発については、その点が相当重要な原因であるということが考えられるから、そのためには、いまあなたが言われたようなことだけではなしに、十分掃除が行き届くように、炭じんを除去することができるように、要員もふやしていかなければならない。またそれだけの所要時間というものも十分とるようにしなくちゃならない。そういう点をどのように改善なさいましたか。
  51. 川原英之

    川原政府委員 私先ほど御質問に対しまして答弁が漏れましたことをおわびいたしますが、炭じんの掃除につきまして、局の指示といたしまして増員をいたさせました。現在三川坑だけで二十六人の就業をいたさせておるわけであります。御指摘のございました掃除の人数をふやすということにつきましても、との増員を要求いたしまして、現在昔の数倍にのぼる人員をもって掃除に当たらせておるのであります。なお、掃除とともに、絶えず散水によりまして、ことに三川の斜坑の場合には炭じんを洗って流してしまうということを、散水コックの増設と相まちましていたさせておる次第でございまして、その点につきましても、現在炭じんの堆積を起こさないような措置は十分とったつもりであります。
  52. 中村重光

    中村(重)委員 時間の関係もございますので、まだこの点について詰めてみたいと思いますけれども、先へ進めていきます。  先ほどお答えの中に、火源の調査に対して、まだあなたのほうでは司法調査の段階である、だからしていつごろその原因が明らかになるかということに対しては明確に言えないのだ、わからないのだ、こういうことだ。ところが、司法調査だけでよろしいですか。あなたのほうはあなたのほうとしておやりにならなければならぬことがある。また、やれるはずなんだ。やらなければならないことだと私は思う。その点の見通しは当然お立ちになると私は思う。その点どうなんです。
  53. 川原英之

    川原政府委員 司法捜査と申し上げましたのは、つまり鉱務監督官が司法捜査のメンバーであるわけであります。当然これは検察庁の指揮のもとに、警察側と並行いたしまして、監督局が独自の調査を進めてまいるわけであります。私が申し上げましたのは、いろいろ現地の証拠品の押収というようなことも、そのために監督局の調査そのものが一面司法捜査の一つの役割を持っておるということにおきまして、当然監督局は監督局としての調査をいたしておるわけであります。一応現地での調査は完了いたしまして、現在一番力を入れておりますのは、先生からいま御指摘のございました火源の究明でございます。証拠物件の鑑定並びに検査につきましては、これは特にそれぞれの部門の専門家にもその鑑定を依頼いたしまして追及をいたしておるわけでありますが、私どもといたしましては、監督局としての最終的な結論が出るのは、先ほど申し上げましたようになお二、三ヵ月は要するのではないか、八月ぐらいがその最終的な結論の出る時期になるのではないかというふうな期待をいたしておるわけであります。
  54. 中村重光

    中村(重)委員 司法捜査をやるとか、また行政調査をいろいろおやりになるとか、そういう点に対して、会社側であるとかあるいは労働組合、そういうものの協力がどうしても必要になってくると私は思う。そういうところの協力体制はどうなんですか。難航しているのかどうか、相当時間的に延びているので、ある程度難航しているのではないかというようにもうかがわれるわけですが、難航しているという点はどういう点なのか、その点を明らかにしてもらいたい。
  55. 川原英之

    川原政府委員 現在までに数百名にわたります供述をとって進めております。難航いたしておりますと申し上げますのは、通常の方法といたしまして、ただいま申し上げましたように現地から押収いたしましたそれぞれの証拠物件の、これはいろいろな原因について全部突き詰めていく必要がございますので、その分析、鑑定等に日時をとっているわけでございまして、この点が難航であるというようなことは現在私どもとしては報告を受けていないわけであります。
  56. 中村重光

    中村(重)委員 それから、先ほど申し上げましたように三池の労組のほうから、今回の火災の原因としてやはり保安対策が不十分であった、こういうことを指摘しているわけですが、これに対しては何か出先の監督局に対して抗議というのか、申し入れというのか、何かあっておるのではないかと思うのですが、その点どうなんですか。
  57. 川原英之

    川原政府委員 ただいま御指摘のございました点につきましては、現在までのところ、監督局から私どものほうにまだ報告を受けておらない次第でございます。
  58. 中村重光

    中村(重)委員 この点については、またいずれ適当な機会にお尋ねしますが、十一月九日の入院患者ですね、まだいい状況に進んでいない、こういうことを伺っているのですが、その詳細についてひとつお聞かせ願いたい。
  59. 川原英之

    川原政府委員 入院患者につきましては、三月二十八日現在におきまして、現在入院をいたしております者が二百八十一名でございます。通院の過程にあります者が四百五名という報告を受けております。その後の状況が必ずしも好転していないということにつきまして、私ども非常に遺憾に思っておる次第でございます。
  60. 中村重光

    中村(重)委員 入院患者に対するところの措置あるいは遺族等に対するところの援護措置は、その後どういうふうになされておりますか。
  61. 川原英之

    川原政府委員 入院患者のその後の措置につきまして、これは労働省のほうにいろいろとお願いもいたしておるわけでありますが、まず三十九年の一月六日に労働、通産、文部、厚生四省の連絡会議を開き、一月十六日に三池災害の中毒患者につきましての委員会をやったわけでございます。この委員会中心にいたしまして、たとえば大牟田に労災療養所を開設いたしまして、編成は精神科、内科、神経科の三科編成でございますが、現在医師は五名、看護婦二十名、事務関係者が四十六名というのが最初の計画でございます。ただ、同所の収容能力がベッド数百二十でございますが、これにつきましては、私どもが報告を受けております限りでは、現在まだ十七名の収容をいたしておる段階でございます。ただこの入院希望者が少ない理由といたしまして、いろいろと家族、付き添いの問題があるようなことを実は聞いておる次第でございます。
  62. 中村重光

    中村(重)委員 どうも明確ではありません。あとでなお現地と連絡をとって、もう少し詳細について御報告を願いたいと思います。  それから火源の原因究明に対しては、司法捜査その他、あなたのほうとしてはできるだけのことはやっておる、こういうことです。ところが十一月九日のその大事故に対するところの保安監督上の反省として、やはり総括的なことは当然出ておると思います。その点をひとつ明らかにしていただきたい。
  63. 川原英之

    川原政府委員 先ほど若干お答え申し上げましたように、三川坑の災害に関連いたしまして、その後数回にわたり調査団も派遣いたしたわけであります。その調査団の報告等もあります。これも参照いたしまして、すでに先ほど申し上げましたように、二月一日に、現在の法令その他ででき得る限りの措置を緊急にとる必要があるということを考えまして、石炭鉱山の保安緊急対策という措置を全国的にとらせたわけであります。その内容といたしまして、先ほど申し上げましたように、まず炭じんに対する措置、自己救命器に対する措置、逸走防止器に対する措置、ケーブルの移設問題、それから種別指定をさらに厳重にやりますと同時に、必要によりまして、もし保安上不備を認めます場合には、積極的に現在の鉱山保安法を発動いたしまして、操業を停止させる、その個所が整備できるまでは操業を停止してでも保安措置を講じさせるというような一連の措置をとりあえずとったわけであります。  さらに三月に入りまして、新しい監督方針をきめまして、特に鉱山としての全般的な保安計画を各鉱山に対してきめさせ、その中でいろいろと全般的な保安のあり方、あるいは自主的な保安体制の確立ということを特に主眼に置きました保安計画をとりまして、これを総合的に監督局といたしまして検討いたしますと同時に、必要に応じ、この保安計画中心にした総合検査あるいは追跡検査というものを実施いたして今日に至っておるわけであります。われわれといたしましては、さらに今年度からいろいろと御指導をいただきました保安融資を活用いたしまして、保安に不備な面については極力これを整備させるということで進んでおりますと同時に、保安が非常に悪い場合には、当然そういうふうな問題につきましても考慮を払っていくという各般措置をとりますと同時に、今回御審議をお願いいたしております保安法の改正、さらにこれに関連いたします石炭鉱山保安規則の具体的な改正というものを現在進めている段階でございます。いずれも今年に入りまして三川坑の経験を頭に置きながら措置を講じてまいった次第であります。
  64. 中村重光

    中村(重)委員 いまお答えになった点も、それは反省として今後災害を起こさないために取り組んでおられることとしてわかります。それと同時に、あの災害のときに本委員会におきましても問題として指摘されたことは、改善命令をお出しになった、ところがその命令をお出しになったところが十分改善されておるかどうかということに対しては調査することができなかった、こういうことが明らかにされておるわけです。そういうことも反省として当然総括の中に出てこなければならないし、今後はそういう点はやはり、要員不足いわば監督官が不足であるというような点もございましょうし、あるいは監督上不備であるという点も私はあろうかと思う。それらの点に対してはどのように改善をされたのか、まずその点を明らかにしていただきたい。
  65. 川原英之

    川原政府委員 三川坑の爆発に対しまして、指示をしておきながら追跡ができなかったのではないか、こういう御質疑、それからその後監督体制が一体どういうふうになったか、こういう御質疑であろうかと思います。  私どもといたしましては、先ほどるる申し上げましたような、全般監督のやり方をいろいろと再考いたしますと同時に、現在の保安法の許します種々の法律的な行政措置の発動は遠慮なくやっていくということで進んでおるわけでありますが、三川坑につきましてはその後三名の常駐監督官を置きまして、連日常時坑内を監督いたして今日に至ったわけであります。なお全般的な問題といたしまして、本年度は御指摘のごとく、監督官の増員は行なっておりませんけれども、昨年及び一昨年にわたりまして増員いたしました六十名が、これは相当訓練期間も要るわけでありますが、これが漸次稼働状況に入ってくるというようなこと、及び、これは申しわけにはならないかと存じますが、炭鉱の数も若干減ってまいったというような事情もございまして、最近はその監督の密度は少なくとも従来よりは高くなっておるというふうに考えております。
  66. 中村重光

    中村(重)委員 従来より密度は高くなった、こういうことですが、いわゆる保安監督行政の強化は具体的にどのように変わったのか。それから密度が高くなったというけれども、どの程度要員がふえてきて、そうしてまた、従来二カ月に一回とか三カ月に一回とかいうことで監督をしておられた、そのような点がどういうように変わってきたか、具体的にお答えを願いたいのです。
  67. 川原英之

    川原政府委員 監督体制といたしまして、先ほどるる申し上げましたように、保安計画中心にいたします監督方針、さらに追跡検査というようなことによりまして監督をいたしておるわけでありますが、さらに保安融資によりまして具体的に施設の改善をはかっていくというような面も、今後の監督一つの問題として考えておるわけであります。なお御指摘の点は、巡回をどのようにやっておるか、どのように変わったかという御質問であろうかと思います。巡回の数から申しますと、これは鉱山によりまして全国的に一様ではございませんけれども、従来二カ月に一ぺん行っておるところは一カ月に一ぺん行くということで、特に先ほどの保安計画と関連いたしまして、この巡回を重点的に行なうことによりまして、保安の問題として問題のあるところについては特に多く、たとえば三池炭鉱につきましては、先ほど申し上げましたように、現地に常駐いたしまして、その監督官が常時坑内を監督するという体制に移っておりまして、そういう意味で、全般的に何倍になっという数字を一つの数字でもっていま申し上げる用意がございませんけれども、重点化によりまして相当監督は強化し得たと感じておる次第であります。
  68. 中村重光

    中村(重)委員 労働省のほうからあなたのほうに勧告が出ましたね。それに対しては、労働省と具体的に何か話し合いをされたかどうか。勧告が出た、労働省と協議会等を持つ、そういう形において特に保安対策上変わってきた点があるのか、その点どうですか。
  69. 川原英之

    川原政府委員 三池の事故に関しまして、労働省から当方に対します勧告がございました。問題となっております事項は、種別の指定の基準の再検討、それから運用の強化、保安管理体制のあり方の検討、それから保安委員会活動状況の把握とその促進、鉱業権者の保安認識を向上させると同時に保安教育を強化する、あるいは緊急警報装置の整備をはかる、退避訓練を徹底させる、さらに炭じんの問題といたしましては、炭じん防止に関する諸般の措置を特に厳重にやらせると同時に、車両の連絡装置あるいは脱線防止施設の整備をはかる、さらに先ほど細谷先生から御指摘のございましたケーブルの問題、さらに一酸化炭素の中毒防止といたしまして自己救命器、あるいは鉱山救護隊の強化というような事項につきましての勧告を受けたわけであります。われわれといたしましては、この勧告と相まちまして、なおそれより以前に、先ほど申し上げましたように、石炭鉱山の保安を緊急に整備する必要があるというわれわれの観点もございまして、二月一日に、先ほど申し上げましたような指定基準の強化、炭じん関係の諸般の施設並びに炭じんの清掃、岩粉、散水というようなことを厳重に守らせる措置をとりますと同時に、自己救命器の完備ということにつきまして、一月以来特にメーカーを督促いたしますと同時に、緊急輸入を行ないましてこの整備を急いだわけであります。なお鉱山救護隊の訓練でありますとか、あるいは具体的な保安教育につきましても、必要に応じて監督官が現地に立ち会いまして退避訓練を行なわせ、あるいは保安教育を強行させるというような措置を講じたわけでありますが、なお保安管理体制のあり方、あるいはさらにその他の問題につきまして、先ほど来申し上げましたように、法律改正あるいは規則の改正を必要としますものもありますので、この点は今回御審議をお願いいたしております保安法の改正と相まち、具体的に炭じん、それからガス発生防止、ケーブル、そういった諸般の全面的にわたる事項につきましての炭則の改正を現在進めておる次第でございます。
  70. 中村重光

    中村(重)委員 形としては、いま御説明によりますと、いろいろな措置が講じられている。ところが、そのことがやはり成果として上がってこなければ意味がないと私は思うのです。あなたのほうとしては、成果として上がってきている、確かに事故は少なくなった、こういうように判断をしておられますか。その点いかがですか。
  71. 川原英之

    川原政府委員 この点は、われわれといたしまして、ただいま申し上げましたような措置を極力強く打ち出しますことによりまして、もちろん事故をうんと少なくする、絶滅を期したいというのがわれわれの希望でございます。これは決してそのゆえをもって私が広言いたすべきものではないと思いますけれども、若干いろいろの事故もございまして、われわれがこうやったからよくなったというようなことはあえて申すものではございませんけれども、ただ結果といたしましては、現在のところまでは、今年に入りましてから死亡災害及び災害率も若干減少を見つつある段階でございます。ただ、もちろん災害の問題は油断をすべきものではございません。及ぶ限りの手段をすべて打ってまいりまして、われわれといたしましては、今後こういった事故の絶滅を期したいという決心でおる次第でございます。
  72. 中村重光

    中村(重)委員 いまあなたがお答えになったように、三池の大事故から次から次に事故が続出した。ところが、あなたのほうから配付していただきました災害の趨勢の資料によると、なるほど絶対数は減ってきたということが言える。しかし労働者の数、炭鉱の数という絶対数が、これまた減っている。そういう比率からすると、いまあなたがお答えになったように、事故の件数というものが減ったというようには判断できない。この点何かやはり一本欠けているものがあるのじゃないか。いろいろ制度的に改善された面はある。監督官もふやしてきた。あるいは巡回する回数もふやしてきた。いろいろ前向きの姿勢があるということを私は否定しない。しかし、やはり前国会において決議されたように、保安思想を徹底的に普及をしていく、人命を尊重する、この考え方の上に立って、政府としても、あるいは経営者は言うまでもなく、労働者その他関係者すべてがこれに取り組むということでなければならぬと私は思う。そういう点にまだ足らざるものがあるのではないか、このように考える。あなたのほうの取り組みも万全ではない。こうした質疑応答の中におきまして、その答弁技術のよしあしということで私は申し上げるのではありませんけれども、いろいろとお尋ねをいたしました面におきまして、何かしらあなたのほうの取り組みが不足しておるような感がいたします。それではどのように予算をふやしましても、あるいは制度を改めましても、事故の発生を防ぐということは私はできないのじゃないか、こう思います。これらの点に対して、お答えは非常にむずかしい、抽象的になりますのでむずかしいとは思いますけれども、何か、いろいろ取り組んでおられる中に、これではだめじゃないか、もう少し何か抜本的な対策、あるいは具体的な取り組みが必要ではないのかというように、あなたのほうとしてお考えになっている面がありませんか。いまあなたの御答弁で、これは災害の発生、あるいは死亡災害等が下降線をたどっておるということは、比率の面からいうと必ずしも言えないのじゃないか、私はこういう感じがいたします。その点どうなんですか。
  73. 川原英之

    川原政府委員 いろいろと先生の御指摘によりまして、今後私といたしましても努力をいたしてまいるつもりでおります。もちろん、ただいま御指摘のございましたような保安意識という問題につきまして、すべての人にその意識を高揚させ、人命が最も尊重すべきものであるという思想を高めていくことが必要であるという点につきましては、私は先生と全然意見を同じくいたします。現在の段階で百万人当たりの災害率も若干減っておりますけれども、確かにただいま御指摘のございましたような、労働者総数の減少ということもございます。われわれといたしましては、先生の御指導及び御鞭撻をいただきまして、今後足らざるところは幾らでも補い、かつ強化いたす覚悟でおる次第でございます。
  74. 中村重光

    中村(重)委員 どうも第二会社に事故が多く発生するという傾向があるように見受けます。比率からいたしましても四割程度高いのではないか、そのようにいろいろな資料から見るわけですが、その点どうなんですか。
  75. 川原英之

    川原政府委員 仰せのごとく、第二会社につきましては、これは一定の措置によりまして、第二会社を原則的にはあまり認めない方針でありますけれども、実際に第二会社になりましたものが相当ございます。確かにいま御指摘のございましたように、第二会社に移行いたしました当初と、若干の年月を経過いたしましたところでは、その災害の傾向が若干変わってまいっておるように思います。これはいろいろな理由があるかと思いますが、第二会社に移行いたします際に、われわれといたしましてはもちろん、経理的基礎と技術的能力を坑口使用の許可に関連いたしまして厳重に審査をいたしますほか、当該炭鉱労働組合の承諾も得て移行いたさすわけであります。したがいまして、原則的にはこれはあまり認めていないわけでありますが、かりに第二会社に移行いたしました場合の監督につきましては、必ず格付けをいたしまして、巡回の回数を増加いたしまして、たとえば年八回行くものを年十回行く、あるいは年四回のものを年六回行くというようにふやしているわけであります。このようにして災害の防止につとめておるのでありますが、なお、第二会社移行に伴いまして、これは鉱山にもよると思いますが、採掘方法が変わってまいる。たとえば長壁払いが残柱式に変わる。さらに人的な構成の変化ということもありまして、それらによるふなれということもおそらくあろうかと思いますが、一時的に災害が増加いたしたことがございます。ただその後監督を強化いたしますと同時に、漸次新しい方式に順応いたしてまいりますにつれまして、災害は漸次減少してまいる趨勢を示しております。
  76. 中村重光

    中村(重)委員 第二会社に事故発生の度合いが非常に高いということにつきましては、事実であります。この点に対しましてはいずれ適当な機会に、石炭政策の問題と関連をいたしましてあらためて質問をいたしたいと思います。時間の関係がございますからこの点は省略をいたします。  いろいろ保安対策上措置をしなければならない、前向きで取り組まなければならない面が、まだまだ非常に多いと思うのです。労働組合からもあなたのほうに改善申し入れ、こういうことがあろうかと思うのであります。たとえば保安教育の徹底を期するために中央地方保安センターをつくったらどうか、あるいは監督官の各山に対する責任体制を確立する、こういうことにしたらどうか、まだいろいろありますけれども、ともかく保安監督官の責任体制を確立するということはきわめて適切な措置であるし、おやりにならなければならない点ではなかろうかと思います。しかし今度の改正法案を見ましても、そういうことは明らかにされていない。政令その他においていろいろおやりになる考え方であるかもしれませんけれども、そういう点に対して、何かその後従来と異なった取り組みをしようとお考えになっておられるならば明らかにしていただきたいと思います。
  77. 川原英之

    川原政府委員 ただいま御指摘をいただきました、保安教育の問題に関しまして常設的な保安センターをつくるべきであるという御意見は、これまでも私ども伺っております。もちろんこれは非常に有意義なことであろうかと思いますし、われわれといたしましても今後、これは予算関係もございますが、十分研究をいたしたい、かように存じておる次第であります。  また、監督官の各鉱山に対する責任体制というお話がございました。この点につきまして、たとえば一鉱山ごとに監督官を常駐させて監督責任を持たせるというようなやり方が効果がある、あるいは一つの総合的なグループとして各鉱山の監督を進めていくほうがいいという問題、これはやはりそれぞれの鉱山及び現在各地区に、一定の炭鉱地帯の中心にそれぞれ監督署という形で置いておるわけでありますが、これは大体その地域的なグループに対しまして具体的な責任を持つという形を漸次とってまいっておりますし、一昨年来増員いたしました人数もすべてこの監督署に、現地に常駐をさせるというシステムを逐次とってまいったわけであります。ただ、一人一人がそれぞれ一つの山を受け持つという体制がいいかという問題につきましては、私どもといたしましてもう少し研究をさせていただきたいと存ずるわけであります。と申しますのは、御高承のように、鉱山の監督と申します場合に、たとえば機電の関係でありますとか、あるいは採鉱の関係であるとか、監督官によりまして、それぞれの専門がございます。この専門を総合的に生かすのには、やはりある程度のグループでそれぞれの職種がかみ合うという必要が、ことに大きい鉱山につきましてはそういう必要も起こってまいります。もちろん常駐ということの意義も私決して疑わないわけでありまして、常時その鉱山にがんばって、そうして坑内を絶えず監査をするということは、もちろんそれはそれで大いに有意義なことであると存じますけれども、ただ、ただいま申し上げましたような機動性あるいは多角的な監督という点になりますと、必ずしも一人に固定したほうがいい場合ばかりでもないような気もいたしまして、この点はさらに今後の予算あるいは定員等ともからみまして検討をいたしたい、かように存じておる次第であります。
  78. 中村重光

    中村(重)委員 前者にウエートがかかっておるのですか、予算、後者の問題ですか。ともかく従来のようなやり方ではだめなんだ。事故がどんどん発生するから、やはり責任体制監督官に持たせるということがいいのではないか、常駐体制をとることが必要ではないのか、こういうことが災害防止の見地から前向きの考え方として出ているわけです。ところが技術上の問題に対して、いろいろ総合的な監督の必要性、それはわかります。ところがそういう技術的な問題の克服というものは、そうむずかしい問題ではないのではないか。常駐体制を確立をする、責任体制をとっていく、あるいは監督署というものも地区別ではなくて、三池のような大きい山に対してはここへ監督署を設置するとか、こういう制度的なものをこの際積極的に改めていかなければならないのじゃないか、こう考えるわけです。研究はそれは必要でしょう。私は研究は否定しないのだけれども、どうもあなたのほうでは、予算で縛られる、金がないからこれは必要なんだけれどもやれないんだ、それは答弁技術というのか、そういうことでうまくあなたのほうでは言い回してきている。こういうことがほんとうでないかという気がいたします。私は人命尊重という立場から、ともかく予算という形においてこれを、やるべきことをやらないでおくということはもう許されないと考えます。その点どうなんですか。
  79. 川原英之

    川原政府委員 常駐体制がとられるべきではないかという御質疑、まことにごもっともに存じます。われわれといたしましても、たとえば三池につきましては、監督署ではございませんけれども、常時三名を常駐いたさせましてその具体的な監督にあたっておる次第でありますが、ただこれはやはり鉱山によりましていろいろとスケールも違いますし、またそれぞれの特色もございますので、そういった点を今後十分検討いたしたい、かように存ずる次第であります。
  80. 中村重光

    中村(重)委員 技術上の問題、特色、そういうものはそれなりにそれはできるわけですよ。だからして、常駐体制が必要である。常駐体制をとるということは、責任体制をとることになるわけですね。それが予算の問題でどうしてもできないのだということになるならば、そういう点を明らかにしてもらいたい。そうしてわれわれとしてもあなた方と一体となって、予算をつけるようにやる、これでなければ私はならぬと思う。その点に対してはこういう質疑の場合におきましては、必要なことは必要だ、ところが金がないからなかなかできないのだ、そういうことを明らかにしてもらう。この人命尊重という問題は、ほかの問題と違うのです。そういうあなた方の姿勢を強く要望いたしておきたいと思います。  それからまた、保安監督をおやりになる場合に、監督官に労働者保安委員を同行させる、あるいはいろいろ保安改善命令を出す場合であるとか、あるいは委員会内容であるとか、そういうことがすべての労働者に十分わかるようにやってもらいたいというような要求がいつも続けられておると思うのです。そういう点が少しも改善されないわけなんですが、そうした点に対しては今後どのように措置しようとお考えになっていらっしゃいますか。
  81. 川原英之

    川原政府委員 鉱務監督官が鉱山にまいります場合に、その実際の巡回につきましての同行の問題でございますとか、あるいは保安改善命令を出した場合の周知方という点につきまして、これは先般の法律改正によりまして、局から通達いたしましたことは保安委員会に報告をする義務を鉱業権者に課しております。したがいまして、これは先生がお詳しいわけでありますが、現在各鉱山に保安委員会という組織がございまして、これにそれぞれ組合から選出されました保安委員も半数は出ておるわけであります。この保安委員会にそういった措置事項につきましては報告をし、付議をいたしておることにおきまして、その周知方をはかる体制をとっておるわけでありますが、なお実際の場合に、労働者全般保安の問題を周知させるということにつきましては、われわれといたしましてはこのほど来、組合の人とも会うように極力指導いたしておりますし、実際にもそういった、先生のいまの御指摘のありましたような方向で現在進めておる次第であります。
  82. 中村重光

    中村(重)委員 実際にはなかなか進まないのですね。実際に進むならば、何も問題はないわけです。保安委員会の運営がうまくいっておるかどうか、これはうまくいってない、これが実相であると私は思います。ところが、三池のあの大事故が発生をした。それでは三池だけでも保安委員会の運営がうまくいくようになったのか、これもうまくいっていないのじゃありませんか。その点どうですか。
  83. 川原英之

    川原政府委員 私どもといたしまして保安委員会の運営が、先生御指摘のごとくに民主的にスムーズにいくということは、自主保安体制の問題といたしまして特に重要なことだと考えております。したがいまして最近におきましては、保安委員会の詳細な議事録を監督局長に提出をさせまして、その内容によりましては具体的に指導をいたしておるつもりであります。ただ、先生御指摘のごとく、かりに非常にうまくいかない面が今後あるといたしますれば、なおわれわれといたしまして、いろいろ御指導、御指摘をいただきました上で、その改善に進んでいくということにおきまして、われわれはその方向をとりたいという気持ちを持っております。
  84. 中村重光

    中村(重)委員 答弁はしごくいいのですけれども、実際はそういうことじゃないですね。議事録にはどう書かれておるか知りませんけれども、うまくいってないです。繰り込み委員会といったほうがいいと思うのですが、繰り込み前に委員会を開く。そういうわけで、繰り込み時間がきた、これでさっとおしまいだ、そういうようなやり方をやっている。それではほんとうにスムーズに、被害者である労働者意見というものが取り入れられた中で保安委員会が動いていくという形にならぬじゃありませんか。議事録を見ることもいいでしょう。ところが、自主保安というけれども、この点に対しては、あなたのほうの保安監督上の補完的な役割りを果たしているのだ。人間の生命を守っていくということは、政府の重大な責任なんだ。だから、現実にその保安委員会がうまくいっておるのかどうかということを実際に把握する、そうしてうまくいっていなければこれをどんどん改善をさしていって、正常な保安委員会の運営をやらせる、こういうことでなければ私はならぬと思う。少なくともこの保安委員会の運営上の問題に対してだけでも、私どもの質問に対して具体的に、こうしているのだ、私自身も現地に行ってこういう保安委員会の運営のあり方というものをつかんでいるのだ、その程度の答弁ができるような取り組みをあなたにはしてほしいと思います。どうもいつも変わらないような答弁では、いつまでたっても災害を防止することはできないと私は思います。それでは血は通いません。どうですか。
  85. 川原英之

    川原政府委員 私も、現実に鉱山にまいりました場合には、特にその点につきましては組合の方ともいろいろお話をいたしまして、実情を聞いておるわけであります。これはいろいろ御意見があろうかと思いますけれども、私どもの現在までの気持ちといたしましては、おおむねの鉱山におきましては、この保安委員会は円滑に利用されておるように実は聞いておるわけであります。ただ先生御指摘のように、鉱山によりましてもしそういう運営が円滑でないというものがありますれば、これは先ほど来申し上げましたように、いろいろ各方面の御意見も伺いまして、具体的にその運営が円滑にいくような指導を各監督局長としていたさせるつもりであります。
  86. 中村重光

    中村(重)委員 保安委員会というものは、保安の注意事項ということよりも、むしろ、上からの生産の問題なんというものが相当あるように私ども伺っておるのでありますが、そういうことが流されてくるという機関であってはだめなんですよ。被害者である労働者の声、要求というものがそこへくみ上げられてくる機関でなければならぬと思う。こういう問題については、私はもう議論の余地はないと思う。当然のことが当然に守られるように運営されていくようにしなければならないと思います。ところが、必ずしも言われたようになめらかにいっておりません。あなたのほうには、いいことばかり報告されるでしょう。そういうことが耳に入ってくるかもしれません。しかし現実にはなかなかそうはいかない。大手の炭鉱においてすらうまくいっていないものが、労働者経営者の力関係がぐっと変わってくる中小の山においては特に、労働者の声というものが強く生かされてくるという形にならないのは当然でありますので、その点は十分この際留意されて、ほんとうになめらかにいくように措置していただきたい、このことを強く要望いたしておきたいと思います。  それから、先ほどの私のお尋ねに対してお答えがないわけでありますが、保安監督官が巡回をする、あるいは坑内に入る、こういう場合に労働者保安委員を同行する、これに対してはどうですか。そのとおり実行することに問題があるわけですか。
  87. 川原英之

    川原政府委員 現在でも、保安委員が同行をいたしてやっておるものも相当数ございます。私はこの点特に問題があるとは思っておりません。
  88. 中村重光

    中村(重)委員 どうもあなたの答弁で満足いかぬですね。いつも問題になるのですよ。妨害もありましょうし、なかなかうまくいかないですね。だから私は、制度的にそういうようにやる以外にないじゃないか、また保安監督官としても、たまさかしかやってこないのですから、実際いつも山におる労働者保安委員から具体的な状況を聞く、そしてまた注意もする、こういうことでなければならぬと思いますから、当然そういうことを制度化していくということが私は必要であると思います。そういうことで研究をしていただきたい。そうして、そういう制度を確立するということになりましたならば、またそういうことをやってもらわなければなりませんが、それを報告していただきたいと思います。  時間の関係上、あと一点だけお尋ねいたします。今度の改正で、これまた労働者が強く要望しておった、労働者保安監督員制度が一応かっこうがついてきたということでありますけれども、遺憾ながらこれは補佐員という形になっている。労働者は被害者である。その労働者が補佐員であっていいのか。なるほど保安監督責任経営者にあるのだ、そういう点からするならば、その責任者である経営者が任命する者、いわゆる経営者の側が責任を持つという立場から、経営者の側から保安監督員が出るということはわかるような気がいたします。それはそれなりにそういう責任を持ってもらわなければなりません。しかし現実には労働者が被害者だ。次から次にとうとい人命が失われつつあるのだから、やはり労働者保安に対する発言権を強化していくということでなければなりません。補佐員制度は前向きだと言いますけれども、補佐員はやはり補佐員です。監督員を補佐するという権限以外にはない。こういうことになってまいりますから、必ずしもあなたのほうで期待されておるような、あるいは労働者の諸君がいままで強く要求してまいったことが、十分生かされるとは私には考えられない。補佐員という形ではなく、やはり監督員という形で正式に労働者保安上の発言を強めていくという措置を、あなたはどうしておとりにならなかったのか、どこに問題があったのか、その点を明らかにしていただきたいと思います。
  89. 川原英之

    川原政府委員 監督員に労働者の代表を入れるべきであるという御意見、これはこれまでも幾たびか論議された問題であるかと思います。この点に関しまして、御趣旨は私も理解できないわけではございませんけれども、御承知のように、保安監督員それ自体は一種の保安専門のアウト・チェッカー、サイド・チェッカーといたしまして、広範な問題についての勧告を保安統括者にするという責任を持っておりますが、そのためにいろいろと高度の資格試験を要求いたしますとか、その他の条件を課しております。その監督員にその鉱山労働者の過半数の推薦による人を選出するということにつきましては、これはもちろんそういう方向が一つ考え方であることは私もわからないわけではございませんけれども、現在の段階におきまして、やはりいろいろ鉱山それぞれの——鉱山と申しましても、御高承のように金属もございまするし、石炭もございますし、いろいろな種類の鉱山がございます。これを一本に共通に、いま一挙にそういう制度にいくことがいいかどうかということにつきましては、実は中央保安協議会におきましても非常に多くの議論を重ねたところでありますが、やはり保安監督員補佐員という形で作業の現場の意見が実際に浸透していくことをはかるという制度が、現在の段階ではいいのではないかというふうに私は考えております。
  90. 中村重光

    中村(重)委員 なるほどあなたが言われたように、監督員ということになってくると、それだけの資格が必要である。技術を身につけておらなければならない。それは労働者の中からそういう人を選ぶ、また、そういう資格を与えるようにこれをいろいろと教育していくということは不可能ではありませんよ。労働者の代表を補佐員でなくて監督員にするという道をここで開いていく、制度づけていくということが必要であるならば、そのとおりにおやりになればよろしい。せっかく開いたけれども、資格要件に満つる人がいない、そういうものに対しては補佐員とするのだというような制度であるならばわかります。しかしながら労働者の代表を補佐員とするという制度にしておるところに、私は問題があると言うのです。そういう道をお開きになる必要があるのではないか。だから補佐員制度、今度は監督員でなくて補佐員という形にされたことは、いまあなたがお答えになった、労働者の中からそういう人物を物色する、選任をするのに適当な人がいないのだ、だから当分これを補佐員制度にするのだということなのか。経営者が保安監督責任を持つのだから、当然労働者監督員でなくて補佐員ということにすることのほうが適当であるという考え方の上に立ってそうされたのか、その点をひとつ明確にしていただきたいと思う。
  91. 川原英之

    川原政府委員 保安監督員は先ほど私申し上げましたように、その職務の性格上、豊富な経験知識を持ちまして、保安上の客観的な判断に基づいて保安統括者に勧告をいたすものでございます。したがいましてこれはそれだけの資格要件が要ることは、先ほど申し上げたとおりでございますが、これを直接労使代表という形に結びつく選任のしかたを法律によりまして強制をすることは、現在の段階では私は確信を持ち得ない次第であります。  ただ保安監督員の日常の業務の遂行にあたりまして、現場に働いております人の保安に関する意見が十分反映をいたすことが望ましいということは当然でありまして、そういう意味におきまして、今回の改正におきましては補佐員制度を新設いたしまして御審議をお願いいたしておる次第であります。もちろん一般の鉱山労働者でございましても、法令によりまして要求される資格を持ち、かつ、十分な適格者であるという判断のもとに鉱業権者が選任をいたしました場合に、これは何ら妨げるものではないわけでありますけれども、これを法律的に全鉱山について強制をするということは、現在の段階ではまだ確信を持ち得ない次第であります。
  92. 中村重光

    中村(重)委員 現在の段階ではとおっしゃるのはやはり保安技術上、保安監督員としての高度の資格要件が要るのだが、そういう適当な人物がなかなかいない、そういう意味で現段階では監督員ではなくて補佐員にするのだ、でき得るならば労働者代表という立場に立って、監督員補佐員でなくて監督員にすることが望ましい、こういう考え方の上に立っておるというふうに了解してよろしゅうございますか。
  93. 川原英之

    川原政府委員 ただいま申し上げましたように、もちろん選任のしかたの問題であろうかと思います。現在保安監督員そのものが、先ほど来申し上げましたような統括者に対する一つのアドバイザーという形をとっておることもありまして、それを直接労使の代表という形でやりますことは、いろいろ鉱山の職制その他もございましょうと思いますが、必ずしもそういう選任のしかたを法律でもって強制をするということには現在なじめないのではないかというふうに感じておる次第でございます。
  94. 中村重光

    中村(重)委員 保安監督員はこの総括責任者に対して勧告権というものもあるわけですね。それも付与されておるわけです。補佐員はそれはできない。やはり資格というものが違うわけですね。実際問題として、労働者労働者の代表という形で保安監督員を出すことの可否ということには、いろいろ議論があると私は思います。経営者が保安責任を持っておる、その保安責任者に対して保安の万全を期するように要求をしていくということは、労働者の権利という立場からなされなければならない。そういう面からするならば、労働者代表ということによって保安監督責任者にすることがはたしていいのかどうかということに対してはいろいろ問題がある、そういうことが議論としてなされたのではないかと思うのですけれども、いまはそういう権利関係を言っているときではない。どうして命を守るかというところに問題はかかってきておる。そういうところから私はやはり、勧告権を持つ、資格のある保安監督員というものを労働者の代表から出す必要があるのではないか、それがもう労働者すべての願いではないのか、こういうことで申し上げておるわけであります。どうして生命を守っていくか、労働者が十分自分たちの考え方をここで反映をさせるというのには、やはり労働者の代表である監督員、これが一番身近であるし、反映もする。また監督員の心がまえというものも、監督員という立場からいたしますならば、経営者が任命する、あるいは労働者の代表であるということによってこれが動かされてはなりませんけれども、実際問題としてはやはりあり得る。ですから、この点に対しては前向きに取り組んでいただきたい。そうして、ほんとうに実情に即するような措置をとっていただく。やはり基本はどうして生命を守るか、どうして災害を防止するか、この点から出発していただきたいということを強く要望いたしておきたいと思います。  それからいま一点お尋ねしますのは、この監督員補佐員は労働者の過半数の推薦を得ることになっておる。具体的に申し上げまして、三池のように二つの組合がある。一方が非常に多い。過半数ということになってまいりますれば、少数の組合の代表というものは出にくい。また、出さないとすれば出さないで済む。三池のように感情的に対立しておるところは、必ずしもうまくいかないのではないかというように憂慮されるわけですが、その点に対しては運用の面でどうこれを生かしていこうとお考えになっておりますか。
  95. 川原英之

    川原政府委員 法律のていさいといたしまして、「一人は」という表現を用いておりますのは、法律として強制いたします最小限の義務を課す意味において「一人は」という表現をしておるわけであります。したがいまして、もちろん具体的にそれぞれの鉱山の特殊事情によりまして、この人数をそれ以上の人数にするということは何ら差しつかえはないわけであります。おおむねの鉱山におきましては、大体こういう形で実際には運用されていくと思いますけれども、特にいろいろ問題がございます鉱山につきましては、もちろんこれは双方の話し合いというようなことも行なわれましょうし、われわれとしても御審議をいただきましてせっかく制定ということに相なりました場合に、われわれが企図いたしましたこの監督員補佐員の制度が逆にかえってトラブルの種になるというようなことでは、実際われわれの気持ちも通らないわけでありますから、ごく特殊な場合につきましては、十分双方の話し合いのもとに、実際にこの監督員補佐員を円滑に生かして使っていかれるような方向に運びたい、かように存ずるわけであります。われわれといたしましても、もし問われますれば、そういう方向にアドバイスをいたしたいと考えております。
  96. 中村重光

    中村(重)委員 いまの御答弁、ほんとうにそのように生かされるように期待いたします。  それから、今度の法案は罰則の強化ということがないわけであります。罰則を強化するということで事故が防止されるとは私は考えておりません。決して罰則万能ということは考えません。しかし、これもまた現実問題として考えなければなりません。実際において事故を起こしたその事故の責任者、今度の制度によりまして直接経営者の責任が強くなってきたとは思いますけれども、やはりそれぞれの係のその人が責任を問われるということになる。ところが罰金ということになってくると、これは会社側が払います。少しも痛痒を感じません。やはり罰則という制度があるならば、その制度が正しく公正に行なわれなければならない。そうして再び間違いを起こさないように徹底していくようにしなくちゃならない。そういう面からいたしますならば、罰則という問題も慎重にお考えにならなければなりません。正直に言って、この罰則は上に軽く下に重い。こういう形が現実の問題としていままかり通っております。こういうことは改めていかなければならぬと思いますから、次の機会におきましては十分これらの制度が公正に行なわれるように、十分配慮してもらいたいということを強く要望いたしておきたいと思います。  時間の関係上、きょうはこれで終わります。
  97. 中村寅太

    中村委員長 この際、参考人の出頭要求に関する件についておはかりいたします。  すなわち、ただいま本委員会において審査中の内閣提出鉱山保安法の一部を改正する法律案について、参考人の出頭を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  98. 中村寅太

    中村委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。  なお、参考人の出頭日時、人選等につきましてはすべて委員長に御一任を願っておきたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  99. 中村寅太

    中村委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。  次回は明八日金曜日、正午より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時九分散会