○高木
参考人 非常に御親切な
お話を
伺いまして、まことにありがとうございます。
私のほうは先ほど申し上げましたように、
事業の部門が融資
関係と土地造成
関係の二つに大体なっております。そのほかに委託
調査とかいうふうな問題がございますけれども、大体二つの
事業部門が非常に重要な部門になっております。そのうち融資部門につきましては、大体予算を消化いたしまして、もう三十八年度の分も
資金量が不足するくらいの
程度に仕事が進んでおるわけなんですが、一方の土地造成につきましては、なかなか予算の消化がむずかしい、こういうふうな
状態でございますので、われわれとしましても非常に苦慮しているわけでございますが、その原因と申しますか
事情につきまして、一応
お話し申し上げたいと思います。
何しろ、お互いがつくります土地は産
炭地域でございまして、その地域内に適地を求めるということが非常に困難な
事情がございます。御存じのとおり、産
炭地は
炭鉱の
採掘あとが大部分でございまして、そういうふうなところに
被害の問題や何かもございますし、特にまた陥落の落ちつかない浅所陥没つまり浅いところを掘りました部分の陥没地帯が各所にある、こういうふうなことから、その適地の
調査に相当長い時日を要するのが実態でございます。それから、たまたまその適地としてお互いが
考えましたところに農地がございますと、それぞれの面積に応じまして、あるいは県、あるいは農林省というふうなところに農地転用の許可を仰がねばなりません。その農地転用につきまして、
事業団の土地造成について特別の考慮を払うというふうな制度がございません。もちろん農林省におきましても、その間の
事情を御了承願いまして、できるだけの便宜は気持ちの上においておはかりを願ってはおりますけれども、やはり法規は法規としてあります以上、なかなか速急にお互いが
考えるようにその許可がおりない、こういうふうな面もございますし、それから公有地の払い下げあたりにしましても、なかなかお互いの思うような方向にいかない。たまたまそういうふうなことが進みまして、そして用地造成の許可申請をいたしますと、お互い経済的に土地をつくらねばならぬ、こういうふうな使命がございます。それは
井手先生から先ほどいろいろ御批判もございましたけれども、現在のところではあくまで経済ベースによってつくらねばならぬ、こういうふうな
関係もございますので、この土地は造成費が高いとかなんとかいうふうないろんな御
意見もありまして、なかなかそれが思うように運ばないというふうな
関係もございます。それから、
事業団のつくる土地は高いとかいろいろな御批判もありますから、できるだけ安くしたいとは
考えますけれども、やはり先ほどの独立採算の
関係で申し上げましたように、いろんな歩掛りとかいうようなことを
考えますと、どうしても、そういうふうな安い土地を求めるということがしかく簡単ではございません、というふうないろんな
関係もございまして、なかなか思うように仕事が運ばないで、予算の消化ができかねている、こういうふうなことがございまして、そういう
事情になっておるわけでございます。その辺のところの、農地転用の許可を促進していただくということ、それから経済的な土地造成をやるということは、あくまでお互い
考えなければなりませんけれども、おのずからそれには限度があるというふうなことについての御考慮、あるいはできるだけ事務処理のほうのことを、内部でも今後とも促進方を
考えますし、また
監督官庁におかれましてもそういうふうな御
配慮を願って、
事業壁の消化に努力したい、こういうふうに
考えておるわけでございます。
それから融資の問題は先ほど、現在のところは順調に進んでいる、こういうふうなことを
お話し申し上げましたが、やはり地方の希望といたしましては、従来のような
中小企業というふうなものばかりでなくて、もう少し大
企業に対しての誘致をはかりたい、こういう希望が非常に熾烈でございます。しかし現在のところ、そういう、ふうな大
企業に対しての融資ということができませんようなたてまえになっておりますので、そういうことにつきましても、地方の要望を幾らかでも入れられるような方向に
考えを変えていただけば、たいへん産
炭地域の振興に資するのじゃないか、こういうふうに
考えます。一方また、
労働組合のほうからの要望といたしましては、もう少し質のいい再就職の場をひとつつくってもらいたい、こういうふうな話もございますので、そういう面につきましても、やはり
中小企業と大
企業の間にはいろいろ違いがございますので、そういうふうな要望に対しても、大
企業の誘致ということがはかられれば非常にいいのではないか、こういう
考えも持っております。
それから、これはお互いのところが純然たる金融機関ではございませんから、なかなかむずかしい面もあろうかと思いますけれども、お互いの
事業団では設備
資金の融資の三〇%なり四〇%なり、あるいは場合によって五〇%という
資金の貸し方しかできないわけでございます。しかし
事業をやるにつきましては、やはり運転
資金というものが必然的に必要になってきますから、運転
資金の融資によって
企業の運営がやりやすくなるというふうな面も
考えたらどうかという希望を持っているわけです。しかしこれはなかなかめんどうなことで、直ちにこれが実現するとは
考えられませんけれども、お互いの気持ちとしてはそういうふうな気持ちを持っております。
それから、三十八年度の終わりに十七億五千万円弱の融資量になっておりますが、それでまかなえなくて三十九年度まで持ち越しましたのが、融資希望額十三億ぐらいあるわけであります。こういうようなのもできるだけ早く融資をしてやりますと、それだけ産
炭地振興の速度が早くなるという
関係もございますので、そういうような面から申しますと、もう少し融資のほうの原資をふやしていただけばけっこうじゃないか、こういう希望も持っております。
それから融資比率にいたしましても、先ほどちょっと触れましたが、三〇%なり四〇%、あるいは最大五〇%という
程度の低金利の金を貸すだけでは魅力が薄いのじゃないかという感じもいたしますので、この点も融資比率の引き上げができるということになりますと、産
炭地に進出する
企業に魅力を感じさせますので、自然誘致もしやすいのじゃないだろうか、こういう
考えも持っております。
以上申し上げましたのは、希望とお互いが当面している困難な
事情でございますが、こういうふうなことについてその困難な
事情を解消していただき、お互いの希望を、望外の面もあるかもしれませんが、かなえていただけばたいへん
事業団としてはしあわせじゃないか、こういうふうに
考えます。