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新井政府委員 三十七年の秋に、御
承知のように、
調査団が
答申を出されまして、それに基づいて現在、四十二年を
目標に
石炭の
合理化推進のためにきびしい道を歩んでいるわけであります。その中で、いま
お話のございました、当時の
計画と現在の
状況のペースの問題はどうかという点でございますが、御
承知のように、高
能率炭鉱に集中をするという面で、非
能率炭鉱の
スクラップと高
能率のビルドという
基本の
ラインで進んでいるのでありますが、これにつきましては、御
承知のように、旧
方式が六百三十万トン、新しい
方式は千二百五十万トンという形で、これはむしろ順当と申しますか、
計画どおりに進んでおるわけでございます。ただ、
人員の点につきましては、
調査団が当時
考えました姿からいいますると、おおむね二年くらい早く人の頭数の問題は進んでおります。本年の三月で十二万四千くらいになるのではなかろうかと思います。この数は、
調査団ぺースによりますと、ちょうど四十
年度の終わりくらいのころに相なるわけでございます。その面が
一つ。それに
関連をして
能率の問題でございますが、一人月当たりの
出炭能率、この
関係が同時に、
人員の減少に伴いまして頭で割りますので違ってまいっておりますけれ
ども、この点につきましては、本年五千五百万トンが遺憾ながら五千二百万トンということで、
生産が減っておりまする
関係上、
生産数量が減っておりまするので、
能率のほうは三十トンくらいで、その辺の変更はあまりないのではなかろうかと思うわけであります。いずれにいたしましても、人の問題ではかなり数字の点で大きな食い違いを示しております。もっともこの問題は、これも御
承知のように、
計画の
拘束力と申しますか、
指名解雇はいたしませんので、あくまでも
合理化に伴いまする
希望退職でございますので、
労働者の
石炭に対する
考え方と申しますか、
スクラップダウンも進んでまいりますので、そういう
関係からかなり足早に
退職していくという
事態は、これは
現実問題として、特に三十八
年度においては顕著にあらわれておるものかと思うわけでございます。そういう面が将来、四十二年に対してどう
考えていかなければならぬかという点は、今後十分検討しなければならぬかと思っております。そのほか
鉱害の処理問題、これも当初全体としてどのくらいの累積の
鉱害があり、それを年々どういうふうに解消していくかという
計画のものでございますが、これも大体
計画のとおりに、ぴったりではございませんけれ
ども、三十八
年度約二十五億の臨鉱法の
措置をやっておりますし、来
年度は三十億ということで、しかもその間に無資力の認定という
制度も出ておりますので、もちろん現在
鉱害によって被害を受けております方々に対してはほんとうに申しわけないと思っておりますけれ
ども、やっていきつつあるように
考えられます。
なお、再
就職の問題でございますけれ
ども、これは労働省の
関係でありますが、本年四万三百人という非常に多くの
退職の方があったわけでございますが、いずれも
会社あっせんそのほか、いろいろ再
就職計画として十月手直しした次第で、
年度末一万九千くらい残るのでありますが、そういう形で処理をいたしております。
なお、産炭地振興問題、これもまことに立ち上がりはおそうございましたけれ
ども、ようやく
事業団も一年半となりまして、現地の要望からほど遠いと思いますけれ
ども、
土地造成約四十万坪、
貸し付け件数は八十件、約十四億という形で、来
年度も貸し付け二十七億という形で進めてまいりたい。いずれにいたしましても、
調査団が
考えられたとおりの高
能率炭鉱とそれから
スクラップダウンのテンポというものは、あの
計画どおり密着していっておりますので、人の問題が大問題として出てきておるということでございます。私
考えますのに、三十八
年度は非常に大きな
石炭の山場でございます。三十七
年度の一年間の
労使休戦、あの
調査団当時のことを
考えていただきますと、
石炭鉱業の歴史の中で非常に大きなギャップがあったわけでございまして、三十八
年度はまさしくその
初年度であります。私
どもの
努力も足りませんでしたが、何かと問題がありました。さらに年末には、御
承知のとおり、遺憾ながら三池の
災害等もございまして、非常な波乱の多い年であったかと思いますが、この
状況で将来を見ていただくのは私はどうかと思いまして、こういうアブノーマルな一年間でございますけれ
ども、その中に存在しておる将来についての人の問題はあろうかと思いますが、四十二
年度に対して高
能率高賃金の
石炭鉱業の
確立というこの
ラインは、
基調において全然変わることはないというふうに
考えられるわけでございます。