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1964-04-16 第46回国会 衆議院 商工委員会石炭対策特別委員会連合審査会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年四月十六日(木曜日)     午前十時十九分開議  出席委員   商工委員会    委員長 二階堂 進君    理事 小川 平二君 理事 小平 久雄君    理事 始関 伊平君 理事 中川 俊思君  理事 早稻田柳右エ門君 理事 板川 正吾君    理事 久保田 豊君       海部 俊樹君    神田  博君       佐々木秀世君    田中 龍夫君       田中 正巳君    田中 六助君       中村 幸八君    野見山清造君       長谷川四郎君    大村 邦夫君       島口重次郎君    楯 兼次郎君       伊藤卯四郎君    加藤  進君   石炭対策特別委員会    委員長 中村 寅太君    理事 神田  博君 理事 始関 伊平君    理事 中川 俊思君 理事 多賀谷真稔君    理事 滝井 義高君       田中 六助君    中村 幸八君       野見山清造君    三原 朝雄君       井手 以誠君    細谷 治嘉君       伊藤卯四郎君  出席国務大臣         通商産業大臣  福田  一君  出席政府委員         通商産業事務官         (鉱山局長)  加藤 悌次君         通商産業事務官         (石炭局長)  新井 眞一君  委員外出席者         通商産業事務官         (石炭局鉱害課         長)      佐成 重範君         通産産業鉱務監         督官         (鉱山保安局石         炭課長)    佐伯 博蔵君         専  門  員 渡邊 一俊君     ————————————— 本日の会議に付した案件  鉱業法の一部を改正する法律案内閣提出第五  三号)      ————◇—————   〔中村石炭対策特別委員長委員長席に着く〕
  2. 中村寅太

    中村委員長 これより商工委員会石炭対策特別委員会連合審査会を開会いたします。  商工委員長との協議により、私が委員長の職務を行ないます。  内閣提出鉱業法の一部を改正する法律案を議題とし、前会に引き続き質疑を許可いたします。細谷治嘉君。
  3. 細谷治嘉

    細谷委員 鉱業法の改正問題についてすでに質問も行なわれておりますので、重複する部分もあるかと思いますけれども、御質問したいと思います。  鉱業法改正審議会は、長年にわたって五十回になんなんとする審議を経て、答申案が出されたわけでありますが、まずお尋ねしたい点は、この答申をこの法案の中にどの程度織り込んだのか、まずお尋ねいたします。
  4. 加藤悌次

    加藤政府委員 答申はこれを全面的に尊重いたしまして、特別の小さな例を除きまして、全部これを織り込んでおります。
  5. 細谷治嘉

    細谷委員 答申を概略読んでみますと、いまお答えのとおりでございますけれども、今度第三条で若干鉱物について追加がありました内容答申と同様でございますが、さらにこれを十三条の二という新しいものを設けまして分類をいたしたわけであります。これもまた答申内容どおりでありますが、こういうことにした理由、さらには、こういうものが業界等に対してどういうふうな影響を持っておるか、そういう点についてお尋ねいたします。
  6. 加藤悌次

    加藤政府委員 今度十三条の二という規定を新たに設けまして、三分類主義にいたしましたのは、以前の現行法関係考え方から、鉱業権設定する場合には、間々重複鉱区というものが非常に多く出てまいりまして、当事者間にいろいろの紛争を生ずるという事例も多々ございます。それと同時に、鉱業の実施についての監督上、鉱害問題あるいは災害問題、こういった面について、鉱区が重複している場合が非常に多いわけでございますので、問題が多かった。これをできるだけ簡素化いたしまして、そういった面からの事務処理の促進、あるいは監督支障のないようにいたしたい、こういう趣旨でございます。
  7. 細谷治嘉

    細谷委員 そうなってまいりますと、当然鉱区調整という問題が具体的に起こってくると思いますが、これはどういうふうになさいますか。
  8. 加藤悌次

    加藤政府委員 先生の御質問趣旨は、いままでに重複したかっこうになっているものをどうするかという御趣旨かと存じますが、これは今後新しく鉱業権設定する場合に、この改正法規定が適用されるということでございまして、従前のものにつきましては既得権を尊重しましてそのまま認める。附則にそういった規定があるわけでございます。
  9. 細谷治嘉

    細谷委員 いま附則の話しもちょっと出たのですけれども、新しい品種、鉱物三つばかり加えた、こういうような問題、あるいは三つ分類をした、こういうような問題で、当然何らかの経過措置をとられるかと思いますが、どういう経過措置をとられるのか、お尋ねします。
  10. 加藤悌次

    加藤政府委員 追加鉱物に伴う経過措置といたしましては、従前からこういったものを土地所有者との契約に基づいて採掘をしておる人、あるいは土地所有者自身採掘しておる人、こういうものにつきましては優先出願権を認めるというかっこうにいたしております。
  11. 細谷治嘉

    細谷委員 若干私の質問について御理解いただけなかったかと思うのです。たとえば、金属非金属が同じ類に入ったわけですが、端的に申し上げますと、金属非金属鉱物になってまいりますと、かなり条件が違っておるんじゃないか。たとえば企業規模、こういうものが違っておるんじゃないか。そういう問題についてどういう経過措置がとられるのか、これをお尋ねします。
  12. 加藤悌次

    加藤政府委員 ちょっと先生の御質問趣旨が理解いたしかねるわけでございますが、御指摘のように、一般金属鉱物非金属鉱物の場合、確かに仕事やり方は相当違うわけであります。したがいまして、これの鉱業法上のいろいろの災害防止鉱害防止の面からの監督があるわけでありますが、そういった面の監督についてどういうふうに考えておるか、こういう御質問ではないかと存ずるわけでございます。鉱業法の形式的な面における規定のしかた、たとえば施業案認可等につきまして、法律上は同じ取り扱いをしておるわけでございますが、それぞれの仕事内容が御指摘のように相違をいたしておりますので、施業案認可するときの認可基準が当然違ってくる、こういうふうに御了承願いたいと存ずるわけでございます。
  13. 細谷治嘉

    細谷委員 答申の中には、たとえば新しいものを加えた、そうなった場合に、中小企業の圧迫とかなんとかいうことについては、起こらないように配慮せねばいかぬ、そういうものについての、たとえば法施行一定期間何らかの措置を講ずべきじゃないか、こういうことが答申の中にうたわれておるのですね。そういう問題をどういうふうに処理しようとしておるのかというのが私の質問の点なのです。
  14. 加藤悌次

    加藤政府委員 ようやくわかったような気がするわけでございますが、追加鉱物について、いままでやっておられる方について鉱業法規定をそのまま適用すると、非常に酷な場合があるんじゃないか、こういうことだと存ずるわけでございますが、そういった面の、たとえば鉱区面積等についての特例規定経過措置規定をいたしておりまして、少なくとも従前からの既得の権益はできるだけ尊重してまいる、こういうたてまえになっておるわけでございます。
  15. 細谷治嘉

    細谷委員 私、附則内容について十分承知しませんですけれども、そういうことによってある程度の変化というものが起こるわけでございますから、そういう点の配慮は十分にお願いしなきゃならぬのではないか、こう思っております。  次にお尋ねしたい点は、七条と八条の関係でございますが、この七条の一項一号、それから一項の二号、こういうものがございます。国の行政機関その他政令で定める者がボーリングにより探鉱したとき、これが八条における場合にどういうことになっておりますか、お尋ねします。
  16. 加藤悌次

    加藤政府委員 七条の一項の第一号と申しますのは、例としては原子燃料公社のようなものがあるわけでございます。こういうものが、ここに書いてございますボーリングによって探鉱したいというときに、必ずしも試掘権設定を受けなくてもできる、こういう趣旨のものでございまして、この趣旨は、自分で鉱物を開発することを目的としていない、こういう趣旨にかんがみまして特に規定を置いたわけでございます。したがいまして、この八条の一項との関係におきましては、かりに、それが他の試掘権者鉱区であるその鉱区内で、たまたま一号に規定している者がボーリングをいたしまして鉱物が出てきたということになりましても、その鉱物の帰属は、八条の一項の規定によりまして当該試掘権者所有になる、こういうことになるわけでございます。
  17. 細谷治嘉

    細谷委員 その場合に、利害関係調整はどういうふうになさいますか。
  18. 加藤悌次

    加藤政府委員 この試掘というものは、もともと鉱物のあるかないかをさがしてみるというための権利でございまして、その結果出てまいりましても、その鉱物所有権は、この法律規定に基づきまして、その効果として試掘権者のものになるわけでございます。もともと権利の性質としては、採掘権鉱物採掘して取得する権利でございますが、試掘権は探鉱する権利であると五条の規定ではっきりうたっておりますので、所有権はこの法律によってきめられる、こういう前提のもとに考えられておるわけでございますので、当事者利害関係調整という問題は起こらないというように存じます。
  19. 細谷治嘉

    細谷委員 この第七条の二項の問題として、「営利目的としない」、こういうことを書いてありますね。たとえば天然ガスが非常にたくさん出た部落が、ずっと一軒一軒みんな自家用で掘った、こういうような場合はどうなりますか。
  20. 加藤悌次

    加藤政府委員 私も、新潟、秋田等における状況がどういう状況にあるか、はっきりとは存じないわけでありますけれども、この規定趣旨といたしますのは、可燃性天然ガスが新しく追加鉱物で指定になりましたときに、従前から、ここに書いてあるように、営利目的ではなくて、単に一家の自用に供する燃料にするということで、一般の家庭において使っておられる例がございまして、そういったものを追加によって取り上げるというのは酷ではなかろうか、また全体の鉱業権に対するたいした支障もないんじゃなかろうかということで、この規定があるわけでございますので、この規定に該当する限りにおいては、いま御指摘のような、軒並みそういうものがあったということであっても、これはこの規定によって当然そういうことができるというふうに解釈されるわけでございます。
  21. 細谷治嘉

    細谷委員 現実問題として、相当たくさん、部落一軒一軒掘ったといった場合に、鉱業権の問題との具体的な関連というものがある線で起こってくるんじゃないか、こう思うのです。その場合は、現実に問題は起こりませんか。
  22. 加藤悌次

    加藤政府委員 現実に、こういう鉱業権規定がもともとございまして、鉱業権者との間には問題は起こっておらないわけでございます。それから、今度の新しい規定によりますと、百条の十六という規定がございまして、それから新しく自家用としてこういうことをやる場合には、全部鉱業権者承諾を得る必要がある、こういうことにいたしておるわけでございます。
  23. 細谷治嘉

    細谷委員 一軒一軒の場合、承諾が要りますか。
  24. 加藤悌次

    加藤政府委員 先ほどの答弁をちょっと訂正さしていただきますが、百条の十六の規定は、第七条の一項の規定でございまして、二項にはそういう承諾を得る規定はございませんでして、ただ、やり方いかんによっては問題がいろいろ起きるわけでございます。鉱業権の非常な侵害になるとか、あるいは場合によっては保安支障があるとか、そういう場合には監督通産局長は必要な指示ができる、こういう規定を百条の十七の規定で置いてあるわけでございます。  それからただいまの御質問、ちょっと聞き漏らしたのでございますが……。
  25. 細谷治嘉

    細谷委員 第七条の二項の一号の場合には、そういうチェック通産局長がなさるわけですか。
  26. 加藤悌次

    加藤政府委員 もともとこの規定に該当する行為は自由にできるわけでございますが、そのやり方いかんによっていろいろ弊害が起きてくる。そういう場合に、いま申し上げました百条の十七の規定によって通産局長が必要な指示をする、こういうことに相なっておるわけであります。
  27. 細谷治嘉

    細谷委員 この辺、七条、八条の関係にもいろいろ問題があると思いますが、次に進みます。  昨日、多賀谷委員から詳細な質問が行なわれた不適格者の排除の問題について、当局の答弁では必ずしも結論が出ないで、再検討を要望された点がございます。そこで、私はこの問題についてもう少し突っ込んだ質問をしたいと思うのです。  第一にお伺いいたしたい点は、たとえば鉱業法なり鉱山保安法に違反して罰せられた、こういうことでございますが、三年というふうに限ったのはどういう理由からですか。
  28. 加藤悌次

    加藤政府委員 こういう方につきまして、永久に鉱業権から締め出すということではあまり酷ではなかろうか、こういう趣旨でございまして、他の立法例その他を勘案いたしまして、一応三年ということできめたわけでございます。
  29. 細谷治嘉

    細谷委員 答申では三年ということは書いてないですね。他の立法例によったということですか。
  30. 加藤悌次

    加藤政府委員 御指摘のように、答申では一定期間と書いてあるわけでございまして、私どものところで検討の結果、三年ぐらいのところが適当ではなかろうか、それ以上になると少し酷過ぎるのじゃなかろうか、こういう意味合いで三年に規定した、こういうわけでございます。
  31. 細谷治嘉

    細谷委員 一定ということもはっきりしませんけれども、三年ということに問題があるんじゃないかと思う。鉱山災害というものが起こるのは、問題は災害が起こらないようにしなければならぬわけですが、どうも過去の例を見ますと、一つの資本で同じような災害を繰り返しているという例がございます。そうなってまいりますと、その人は本質的にやはり不適格なんだ。だから三年が済んだからといって、その人の本質は変わっておらないのです。たとえば具体的な例をあげるのはどうかと思いますけれども、福岡県の筑豊の山で大きな事故を起こしたというと、あああの炭鉱かという例がございますね。そういう点で、保安上からいって三年ということに区切ったということは適当と思いませんが、いかがですか。
  32. 加藤悌次

    加藤政府委員 先生指摘のような考え方もまことにもっともな点があるかと思いますが、この鉱業権設定の場合に欠格要件を設けまして、そういう不適格者をできるだけ排除するということのほかに、その後の施業案を通ずる鉱業監督だとか、あるいは鉱業権取り消し制度、こういうものもございまして、これらのものをいろいろと活用して、できるだけ鉱害あるいは災害防止したいということでございますので、この欠格条項だけで、たまたまそういう例があるからということで——実際の法の運営上の問題もここで考慮する必要があるということもございまして、一応この程度のところで設定段階におけるチェックは妥当ではなかろうか、こういう考慮に基づくわけでございます。
  33. 細谷治嘉

    細谷委員 一定というのを具体的に三年としたわけですが、そこまでやるのならば、こういう原因の、こういう規模災害を繰り返し起こすというのは、もうその経営者鉱山保安上から見て欠格的な本質を持っているのですよ。ですから、ただ機械的に三年なんということじゃなくて、その災害原因というものを見てみますと、これははっきりするのですから、たとえばどういう災害を何回というような形で制限するのが、ただ運営上じゃなくて、災害予防する意味において大切じゃないかと思いますが、そういう意思はございませんか。
  34. 加藤悌次

    加藤政府委員 御意見として十分承っておきたいと思います。私どもといたしましては、鉱業法の運用上の問題として、そこまできめこまかく行なうことについてはどうであろうかというような気持ちも持っておりまして、先ほど申し上げましたほかの条項、諸制度による監督の強化というものをこの際あわせて——規定がずいぶんあるわけでございますが、御指摘鉱害問題あるいは災害問題の防止につとめたい、こういう考え方でおるわけでございます。
  35. 細谷治嘉

    細谷委員 大体において災害というのは、九九%体制がととのっておっても、残りの一%で大事故が起こるわけですね。三池の大災害を例にとりましても、監督官庁自体はこれだということを指摘しておった。ところが最後の締めくくりが足りなかったためにああいう大事故が起こっております。ところがその人の本性、性格というのは、九九%までは保安事故の問題については関心を持っておるのです。ただその人の性格が、わずか一%災害が起こるような——私の経験からも、それにマッチするような性格を持っておるのです。そういたしますと、問題はやはり、もう二回とか三回とか同じような原因災害を繰り返す人はそういうものには不適格だ、こういうふうに判断するのが、災害を未然に防ぐために災害というのはもうはっきりした原因から起こるわけではないのです。ひょっとしたことから大きな事故が起こる。それは起こるべくして起こっているわけですけれども、そういう問題を含んでおります。そこで、そういう点については、ただ単にそういうふうなおっしゃり方では一歩も前進しないのじゃないか、こう私は思うのですよ。重ねてお尋ねします。
  36. 加藤悌次

    加藤政府委員 何回も申し上げますように、鉱業法は特に権利設定段階におきましては、大体において形式審査を主体といたしておりまして、いま御指摘のような個々の出願者の実態にまで立ち至るということになりますと、出願処理迅速化という問題が一方においてもございまして、かなり問題が多いのではなかろうか、こういう感じで、先ほど来申し上げておりますようないきさつでこういう結論にしたわけでございます。それから同じ危険な業務を行ないます火薬の製造業であるとか、あるいは武器の製造業、こういったものにつきまして、やはりこういう立法例がございまして、これと同じ三年間、こういうことにもなっておるわけでございまして、そういう立法例等も参酌いたしまして、バランスを考えると一応この程度のところで妥当ではなかろうか、こういう判断に基づいておるわけでございます。何回も繰り返すようでございますが、鉱害なり災害予防防止につきましては、第一関門でのこの設定段階チェックするのは当然でございますけれども、それと同時に、他の施業案による監督あるいは鉱業権取り消し、さらに鉱山保安法による監督ということで防止につきまして十全を期したいいこういうふうに考えるわけでございます。
  37. 細谷治嘉

    細谷委員 答弁はきわめて私には不満でありまして、やはり同じような災害を二度、三度と繰り返しております。しかも一年か二年、その間において繰り返しておるという例がございます。そういう点で、私は、せっかく前向きで法の上でそういうことを予防していこう、こういうことであるとすれば、経営者自体鉱業権者自体保安に対する不適格というものがあるわけなんですから、そういう問題を単なる指導問題ばかりでなく、法の中でただ三年ということだけでやるのじゃなくて、不適格だということによった一つ尺度というものを設けるべきであると思うのです。しかし、それは指導でやるのだというおことばでありますが、こういう点については前向き予防という観点からひとつ十分に検討をしていただきたい、こう思います。  次にこの問題でお尋ねをしたい点は、五十一条の四に相続関係の問題がございます。この問題は、無条件ですか、お尋ねします。
  38. 加藤悌次

    加藤政府委員 さようでございます。
  39. 細谷治嘉

    細谷委員 これはやはり問題があると思うのですが、いかがですか。
  40. 加藤悌次

    加藤政府委員 御指摘のような趣旨から、問題があるというふうに存ずるわけでございますが、やはりこの点につきましても民法の大原則との関係等もございまして、やむを得ずこういう規定を置いたわけでございます。やはり鉱害災害等防止につきましては、自後の監督等の活用によって十全を期したい、同じような考え方でおるわけでございます。
  41. 細谷治嘉

    細谷委員 現実問題としてはむずかしいかと思うのですけれども相続問題無条件、こういうことから災害が忍び寄る、こういうふうに私は思うのです。この点について何らか検討をする御意思はございませんか。
  42. 加藤悌次

    加藤政府委員 ただいまもお答えを申し上げましたように、理屈としては、確かに不合理な点があるのは御指摘のとおりでございますが、民法のそういった大原則がございまして、それとの関係においてこういう規定を置いたというわけでございまして、その後の監督等措置によりまして十全を期したい、こういうふうに思うわけでございます。
  43. 細谷治嘉

    細谷委員 民法の問題ということでございますけれども、私はこの点からも災害の起こるすき間があるのじゃないか、こういうふうに思いますので、ひとつ十分にこの辺も御配慮いただきたいと思っております。  次に、昨日多賀谷委員から詳細な質問があったわけでございますけれども、二十六条の三に経理的基礎というのがございます。これは石炭亜炭についてでございますが、経理的基礎というものは政令にゆだねる。昨日のお答えによりますと、非常にむずかしさ、複雑さを持つだろうとおっしゃいます。なるほど石炭亜炭といいましても、石炭亜炭は違う、石炭でもいろいろ規模は違います。この経理的基礎というのは一体どういう尺度でおきめになろうとしておるのか、それから技術的な問題はどういうふうに組み入れていこうとするのか、この点をお尋ねいたします。
  44. 加藤悌次

    加藤政府委員 この基準政令できめることになっておりまして、目下石炭局とわれわれのほうとでいろいろ研究いたしておる段階でございますが、この趣旨は、石炭亜炭鉱業につきましては、過去の実績を見ますと、相当災害あるいは鉱害が多発いたしておるわけでございます。そういう非常に問題の多い鉱業権者をできるだけ今後なくしていきたい、前条の規定欠格条項ということで、同じ趣旨でございますが、石炭亜炭だけについてはこの条文をさらに付加いたしまして、能力主義的な要素を加味したわけでございます。見方といたしましては、大体あの程度の経理的な基礎を持っておる人であれば、かりに災害あるいは鉱害が起きた場合でも責任を持って処置をしてもらえるであろう、そういった社会的信用と申しますか、これをこの経理的基礎ということで見たいという趣旨で、いま検討いたしておるわけでございます。
  45. 細谷治嘉

    細谷委員 社会的信用というのはやはり物的な基礎というものが必要でございましょうけれども、具体的な内容は千差万別なんです。そうなってまいりますと、どういうふうに経理的基礎というものをおきめになるのか、政令はできておらないでしょうけれども、構想はあると思うのです。それをお聞きいたしたい。
  46. 加藤悌次

    加藤政府委員 先ほどお答え申し上げましたが、鉱害災害等跡始末責任を持ってやれるということのほかに、この程度資産等をお持ちの人であれば、社会的信用もあるわけでございますから、鉱害災害等防止についても相当良心を持ってやってくれるのではなかろうか、単に跡始末だけではなくて、防止の点からも十分その面の配慮をやってもらえるのではなかろうかといった意味社会的信用の裏づけになる経理的基礎というふうに考えておるわけでございます。
  47. 細谷治嘉

    細谷委員 なかなかむずかしい問題で、具体的にはお答えを聞くことができぬでたいへん遺憾に思うのですが、質問を次に進めます。  三十五条の三でございますが、「鉱物試掘又は採掘による鉱山災害防止することが著しく困難であると認めるときは」というふうに書いてあるわけですが、これは一体どういうふうに具体的に御判断なさるお考えですか、お尋ねします。
  48. 加藤悌次

    加藤政府委員 私も専門家でございませんので、具体的にどういう場合という例をあげて申し上げることが困難でございますが、専門家から見て、いわゆる自然条件といいますか、地上の状況あるいは当該鉱床、あるいはその地質が非常に出水のおそれが多いような地層の状況であるかどうか、こういうふうな諸般の事情を見まして、現在の技術のもとではどうしてもそれを災害なしに手をつけることが困難ではなかろうかという判定がなされる場合が多々あると存じます。そういうことが事前にはっきり予想されるような場合は、それを未然に防ぐために鉱業権設定を認めないという趣旨でございます。
  49. 細谷治嘉

    細谷委員 これもずいぶん鉱山局長の主観ということにならざるを得ないだろうと思うのです。施業案を見る、そして技術的に検討するということでございますけれども、具体的な問題としては非常にむずかしいのではないか。しかもこれでは、災害が起こるのだという判然としたものはわかりますけれども災害というものは、先ほども申し上げたように、わずかのすき間から大災害が忍び寄ってくるわけですから、これはむずかしい問題であると思うので、事実上の問題としては、こういう判定というものは空文になるのではないか、こう見ておりますが、いかがですか。
  50. 加藤悌次

    加藤政府委員 この例といたしまして、硫黄の出願地に亜硫酸のガスが多量に出るというような例もかなりあるようでありますが、そういった場合には当然災害防止の見地からその鉱業権設定を認めない、こういう例があるわけでございます。
  51. 細谷治嘉

    細谷委員 こういうような問題に関連いたしまして、たとえば災害防止のたてまえから取り消しなりあるいは停止処分という問題が起こってくると思うのです。そういう場合に、どうも悪質な違反とかなんとかいう非常に抽象的なことばがある。いまの問題についても同様でありますけれども、こういう問題もずいぶんむずかしい具体的な問題を含んでおると思うのですが、こういう問題はやはり監督官庁なりあるいはその主体である鉱業権者の問題になると思うのですけれども、ただこの法律だけを見ておっても、これは運営いかんによっては——運営々々とおっしゃいますけれども、これは一歩も進んでおらない、ざる法になる心配が多分にあるわけでありますけれども、この問題についての所信はいかがですか。   〔中村石炭対策特別委員長退席、二階堂商工委員長着席〕
  52. 加藤悌次

    加藤政府委員 今度お願いいたしております改正法では、鉱害並びに災害防止という、そのための規定を整備するというのが一つの重点になっておりまして、鉱業権を最初に設定する段階、さらに設定した後の施業案監督段階、さらにそれでもなおかつ足りない場合に鉱業の停止なり鉱業権を取り消す等の規定を整備いたしたわけでございますので、私どもといたしましては、この改正法趣旨から見まして、この法律が施行されたあかつきには、従前以上にさらに努力をいたしまして、鉱害災害防止に懸命の努力をいたしたいという覚悟でおるわけであります。
  53. 細谷治嘉

    細谷委員 この問題は非常に重要でありまして、私が申し上げたような災害というものはそういう本質を持っておるわけなんで、法律を見ますと、いや悪質だあるいは著しく困難だ、多くの場合主観的な判断というのをなされる、そういうところから災害が起こっているわけです。こういう問題についての通産大臣の所見をひとつお伺いします。
  54. 福田一

    ○福田(一)国務大臣 今度の鉱業法の改正にあたっても、保安ということについては特に重きを置いて改正をいたしたつもりでおります。今度御案内のように鉱山保安法の改正も行なうことにいたしましたし、保安の問題については一そう力を入れて立法上もまた実際の行政上も措置をいたしてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
  55. 細谷治嘉

    細谷委員 国の恥辱でありますから、ひとつ十分にやっていただきたい、こう思います。  次に、今度の法律案を見ますと、公共の福祉ということがかなり取り上げられておるようでありますが、これに関連して若干お尋ねしたいと思います。  三十五条の二で、公共の福祉に反すると認めるときは、出願を許可しない、こういうふうになっております。そして五十三条では取り消し処分というものが起こるわけですが、これもまた非常にむずかしいと思うのです。通産局長は一体公共の福祉に反すると認めると、どういうふうに判断いたしますか。
  56. 加藤悌次

    加藤政府委員 一応の判断の基礎としては、三十五条の二の各号に列挙してあるわけでございますが、通産局長だけでこういった総合的な判断は必ずしも十分に行なえないであろうというおそれもございますので、こういった趣旨から、通産局長の判断をできるだけ適正にするための制度といたしまして、従前からございますが、第二十四条に、一般公益の代表者といたしまし七都道府県知事に一々事前に協議をする、こういうことに相なっておるわけでございまして、府県知事がそういった観点から言ってまいりました意見を十分に尊重いたしまして、三十五条の二に該当するような場合には許可はしない、こういうふうに運用をいたしております。
  57. 細谷治嘉

    細谷委員 三十五条の二は出願許可の問題なんですね。これは非常に重要なんです。それから五十三条は取り消しあるいは変更の処分なんですね。その場合に、五十三条の場合には地方鉱業審査会の意見を聞く、こういうふうになっております。三十五条の二ではこれは通産局長の主観的な判断だけになっており、五十三条では地方鉱業審査会の意見を聞く、こうなっておるのですが、どうしてこういう差を設けたのですか。
  58. 加藤悌次

    加藤政府委員 五十三条の取り消しの場合につきましては、一たん与えました鉱業権を剥奪するわけでございますので、できるだけ慎重な手続を要するというたてまえから、一般公益と鉱業権との調整について今度新しい機能を持たせます地方鉱業審査会に諮問して、その諮問を経た上でなければ取り消しはしてはいけない、こういうことにいたしたわけでございます。
  59. 細谷治嘉

    細谷委員 そこで、この地方鉱業審査会の意見を聞くということでありますが、昨日も質問があって、協議の問題が出ておりましたが、意見を聞くというのはどういうことですか。
  60. 加藤悌次

    加藤政府委員 公益的な見地からの判断を適正に行ないますところの鉱業審査会の意見を聞かなければいけない、こういうことになっておりますので、この意見は十分に尊重するたてまえでおるわけでございます。
  61. 細谷治嘉

    細谷委員 尊重するということも、意見を聞く以上は尊重するということですが、問題は具体的な問題なんですね。ただ集めて意見を一、二回聞いた、こういうことの運用だけなら、これは意味をなさないと思うのです。決定権は通産局長にあるわけなんですから、ただ形式的だということであればこれは何もならぬと、こう思うのです。  そこで私はお尋ねしたいのですが、問題はその地方鉱業審査会の構成なんですけれども、百六十七条に、「審査会は、会長及び委員三寸人以内をもつて組織する。」と、とうなっておりまして、特別の必要のある場合には臨時委員を置く云々と書いてあるわけですが、審査会のこの三十名の構成というのはどういうふうにするお考えなのか、お尋ねします。
  62. 加藤悌次

    加藤政府委員 先ほどお答え申し上げましたような趣旨での審査会でございますので、これは一般学識経験者を中心にいたしまして、特にこの趣旨からいたしまして一般の公益を代表する方々を相当数入れたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
  63. 細谷治嘉

    細谷委員 公益を代表するというのですが、百六十七条の三項に、会長、委員及び臨時委員は、関係行政機関の職員及び前条に規定する事項に関し学識経験のある者のうちから任命すると、こうなっています。私がお尋ねしたいのは、問題は公共の福祉、あとで出てくる鉱害等の問題についての重要な役割りを演ずるわけですから、この構成が問題だと思うのです。ですから、もっと具体的にひとつお聞きしたいのです。
  64. 加藤悌次

    加藤政府委員 一般公益を代表するという意味で、たとえば関係の管内の都道府県の知事の中から適当な方を入れる、それから特に当該地域が農林水産について非常に密接な関係がある、権利の衝突するおそれがあるというふうな場合には、その地域におきます適当な農林水産関係について学識経験のある方をお願いする、一例を申し上げると、こういう考え方でおるわけでございます。
  65. 細谷治嘉

    細谷委員 問題は、公共の福祉という問題についての重要な結論をつけるわけですから、公共の福祉を守る一番客観的な人は地方公共団体の代表であろうと思うのです。これを入れる御意思はございますか。
  66. 加藤悌次

    加藤政府委員 ただいま申し上げましたように、関係の都道府県知事の中から適当な人をこの中に入れるということは、当然考えておるわけでございます。
  67. 細谷治嘉

    細谷委員 地方鉱業審査会に地方公共団体の代表をどの程度入れるお考えなのか、具体的にお聞きします。
  68. 加藤悌次

    加藤政府委員 全体の人数三十人以内ということで制限がございますので、そう多くは入れられないのではなかろうか、たとえて言いますと、都道府県知事であれば一人ないし二人、それからそのほか、おそらく市町村代表といったようなかっこうで入れるというような御要望もあるいはあるかもしれませんが、これも市町村の中から、たとえば九州でいいますと、九州は非常に広いわけでございまして、そのうちの市町村代表ということでどういう方にお願いするかいろいろ問題がある。といって、あまりにも大ぜいそういう方に入っていただくということになりますと、全体の構成上問題があるということでございまして、いままだ結論をそこまで出しておらないわけでございますが、かりに市町村の代表者を入れるということになりますれば、せいぜい一人か二人、こういうことになるのじゃなかろうか。私どもは個々の事案に関連いたしまして、特に一般公益代表者としてこういう方を入れたほうがいいんじゃないかというような場合もままあるかとも存ずるわけでございますが、そういう場合には、この二項にございます「特別の事項を処理させるため必要があるとき」ということで、臨時委員ということで必要に応じてこの審議会に入っていただく、こういうふうにしたいと存じておるわけでございます。
  69. 細谷治嘉

    細谷委員 入れるというはっきりとしたお約束もいただいておらぬようですけれども、入れるということはぜひやっていただかなければいかぬ。かりに石炭の場合をとりますと、九州の場合四県ある。福岡、長崎、佐賀、熊本とございますので、たとえば石炭の場合ですと三名あるいは四名、少なくともその程度入れなければ公共の福祉というこの法の精神というのは具体的には守られないんじゃないかと思うのですが、はっきりとこの点についてお尋ねいたします。
  70. 加藤悌次

    加藤政府委員 現在、現行の規定によりまして地方鉱業協議会というのがあるわけでございますが、今度の新しい鉱業審査会というのはこれ以上に性格がはっきりいたすわけでございますが、公益と鉱業との調整についての問題を処理するということでございますので、いままで以上にそういった面からの人員の選定についての配慮が必要であるというふうに思います。現在の地方鉱業協議会の、たとえば九州での構成で申し上げますと、地方の機関、これは大体都道府県の知事その他の方でございますが、二十一名のうち七名お入りになっておられます。こういう実績もございますので、できるだけいまの御趣旨に沿うような方向で検討いたしてまいりたい、こういうふうに存じておるわけでございます。
  71. 細谷治嘉

    細谷委員 いまの七名というのは、知事が何名で、市町村長が何名ですか。
  72. 加藤悌次

    加藤政府委員 ちょっと私の手元の資料ではその内訳がわかりませんので、あとで先生のお手元までお届けいたしたいと思います。
  73. 細谷治嘉

    細谷委員 公共の福祉を守るという場合に一番大切なのは、やはり完全自治体である市町村の代表というのが非常に重要なウエートを持っておるのではないかと思う。知事、知事というので、一切それで地方公共団体の代表ということでは、現実問題としてはこれはいけないと思う。何といってもやはり市町村の代表の市町村長というものを——たとえば石炭の場合を例に申し上げると、全国におおよそ八つばかり県がございますね。そうなりますと、やはりそこの一つの組織がありますから、そういう中の代表というものを入れていただきませんと、現実問題としては、公共の福祉は空文に帰してしまうんじゃないか、こう思うのですが、その点のお考えを重ねてお聞きします。
  74. 加藤悌次

    加藤政府委員 御意見を十分尊重いたしまして人選には十全を期したい、こういうふうに考えます。
  75. 細谷治嘉

    細谷委員 次にお尋ねしたい点は、五十三条に関連して、この公共の福祉の問題についての認定なり発案権というものは、すべて通産局長にあるわけですが、これではやはり十分でないと思うのです。一番この問題について心配をし、一番この問題についてよく知っておるのは、何といっても地方公共団体の長であろうと思うのです。したがってこの問題ならこの問題というものについて通産局長ばかりではなくて、地方公共団体の長に、五十三条に基づく発案権を与える御意思はないかどうかお尋ねします。
  76. 加藤悌次

    加藤政府委員 法律上の発案権については、この条文のとおり表には出ておらないわけでございますが、実際問題といたしましては、関係の都道府県知事なりあるいは市町村長からのそういった御要請があれば、当然それを尊重いたしまして検討するというつもりでおるわけでございます。
  77. 細谷治嘉

    細谷委員 実際問題として知事なり地方公共団体の長からそういう申し出があればということでございますけれども、やはりそこまでいくのならば、この五十三条は通産局長だけの発案権でありますから、何らかの形で地方公共団体の発案権というものを実質的に認めて、それで初めて公共の福祉が守られると思うので、そういうふうにこの五十三条を修正していただきたいと思うのですが、いかがですか。
  78. 加藤悌次

    加藤政府委員 従前からも地元の声、それを代表いたします都道府県知事等の御意見を十分尊重して行政処置をいたしておりますので、この条文の中にまで入れることはどうであろうか、こういう感じを持っておるわけでございます。
  79. 細谷治嘉

    細谷委員 従前からということでございますけれども、この五十三条というのは、公共の福祉に反するということが重要な問題として取り上げられておるわけです。そのためには、やはり竿頭一歩を進めて、実質的に地方公共団体の長に発案権を与えるというようなことをやりませんと公共の福祉は守られないのだという意味において、ただ通産局長に申し出て、通産局長がそうだと判断した上で初めて問題が動き出すということではなくて、やはり実質上発案できるようなことが必要ではないかと思うのですが、この点について通産大臣にお伺いいたします。
  80. 福田一

    ○福田(一)国務大臣 これは考え方の問題になると思いますが、行政をやります場合に、こういう鉱業権を与えるとかあるいは取り消すとかというような権限、その鉱業権というものは国が持っておる、それを与える、こういう杉であると思うのです。そういう意味で法定するということだと思うのであります。私はいま仰せになったような地方自治体にまで実質的に与えることは、場合によっては弊害が起きる場合もあり得ると考えておるのであります。したがって、いまのところにわかにあなたの御意見には賛成いたしかねますが、十分研究はさせていただきたいと思います。
  81. 細谷治嘉

    細谷委員 少しくどくなりますけれども、なるほど鉱業権の許認可というものは国にございます。しかしこの法律では、今度は公共の福祉ということと真正面から取り組もうという姿勢なんですね。公共の福祉を守るということは、鉱業権の許認可チェックするということなんですから、取り消すこともあるわけです。そういうことになってまいりますと、これはやはりどうなったらどうなるという、その公共の福祉を一番よく知っている、しかもこの問題がそこの財政にも大きな影響を持っておる、こういう観点からいって、地方公共団体の長に実質上の発案権を持たせるということは決して不当でなくて、法の目的に合致すると私は思うのです。通産大臣の、研究はしてみますけれども、そういうことはいけないのだということについては、きわめて不満であります。ぜひそういうふうに公共の福祉というものを守る以上は、それを最先端で守っておる地方公共団体の長の発案権をやはり実質上認めるような形でひとつ直していただきたい、こう私は思います。  次にお尋ねしたい点は百八条関係についてであります。百八条は鉱業権者の地上事業者に対する損害賠償請求と思いますが、やはり地上の事業者の鉱業権者に対しての救済規定というのが当然あるべきだと思うのですが、それが一向ありません。きわめて片手落ちだと思うのですが、いかがですか。
  82. 加藤悌次

    加藤政府委員 地上の土地所有権その他諸権益の権利を守るため損害を未然に防止するための措置につきましては、民法一般原則によりまして、いわゆる妨害排除請求権というものが認められておるわけでございますので、特に特別法の鉱業法でそういう規定を置く必要はない、こういう判断に基づいておるわけでございます。さらに、損害が起きましたあとの救済につきましては、第六章の規定にあります鉱害賠償ということで鉱業権者に無過失賠償責任を課しておる、こういう次第でございます。
  83. 細谷治嘉

    細谷委員 この問題については、通産省のたてまえは、鉱業権者のほうの味方になるウエートが非常に大きいので、公共の福祉の問題あるいは一般地上の事業者に対する考え方というものについてのウエートが軽いということが如実に出てきていると思うのです。民法民法とおっしゃいますけれども、これはやはり片手落ちだと思う。そういう問題について、あとは鉱害だという形じゃなくて、これはやはりこういう片手落ちをなさらぬのがいいのじゃないかと私は思うのであります。  その次に、百八条の六、請求の問題なんですが、国土の有効利用あるいは開発の見地から裁決をするということでありますが、これも具体的にはずいぶんむずかしさを持っておりますが、どういうふうにおやりになるつもりですか。
  84. 加藤悌次

    加藤政府委員 御承知のように、土地調整委員会と申しますのは、ここに書いてございます国土の有効利用、開発の見地、こういう見地から、鉱業権一般その他の公益との調整をはかるために総理府に置かれておる特別の機関で、委員会による合議制の機関でございます。こういう問題を専門的に取り扱っておるわけでございまして、ここに書いているような基準によりまして適正な判断ができるのではなかろうか、こういうふうに存ずるわけでございます。
  85. 細谷治嘉

    細谷委員 適正な判断というのですが、もう少し具体的にお聞きしたいのですが……。これはこういうことになっているのですね。三項「土地調整委員会は、前項の申請があった場合において、特殊施設の設置が鉱物採掘の事業の実施と対比して国土の有効な利用又は開発の見地その他公益上の見地から適当でないと認めるとき、」これは対比するわけですね。比較するわけです。そして結論を出すわけです。文書ではなるほど平面的に読みますといいのですけれども、これはまっこうから国土の有効な利用あるいは開発というものと、それから鉱物採掘の事業の実施と対比するというのですから、これはもうたいへんな問題だと思うのです。むずかしい問題ですよ。ですから、これは対比してどちらにウエートがあるかということをきめるわけですから、もう少し具体的にお聞きしなければわかりません。
  86. 加藤悌次

    加藤政府委員 この土地調整委員会というのは、先ほど申し上げましたように鉱業権等と地上権益を調整するために特別に設けられたいわゆる裁判所的な機能を営む機関でございまして、特に鉱山、鉱業を所管している通産省の外に置いてあるのもそういった意味から、公平の見地を最も尊重する必要があるのではなかろうか、こういう趣旨で通産省の外に置いてあるわけでございます。機能は全く裁判所と同じような機能を営むということで御理解を願いたいと思います。
  87. 細谷治嘉

    細谷委員 全く裁判所的な機能ということでありますけれども、これもずいぶんむずかしい問題であろうかと思いますが、まあこの程度にいたします。  その次に、昨日もずいぶん多賀谷委員から質問があった問題でございますけれども施業案認可または変更等に関連する問題であります。通産局長は知事を経由して市町村長に通知する、こういう形になってまいりますが、ある程度その辺は前進してきたと思うのですけれども、まだ踏み込み方が足らぬと思う。昨日の御質問でもどうもはっきりしておらぬ。こういうことでは市町村はたまったものではないわけですね。昨日質問があったように、もっと前進して、そして予防的な対策というか、そういうものによって起こっておるいろいろな被害ということで地方財政の負担というものは大きいわけですから、もっと突き進んだ前向きのことが必要であると思うのですが、いかがですか。
  88. 加藤悌次

    加藤政府委員 四十二条の二で、市町村長への通知という新しい条文を設けました趣旨は、市町村長はその関係一般住民にとってその付近の鉱区状況がどういうことになっておるだろうかということを、実は従前ですと知る適当な方法がなかったわけでございます。どうしても知りたいということになりますと、通産省へまいりまして登録原簿を見るということをするより方法がなかったわけでありますが、それではあまりにも鉱害問題等の見地から見て不十分ではなかろうか、もう少し積極的に関係の者に鉱業権状況等を知らせる必要があるということで、この規定の挿入を行なったわけでございますが、いま先生の御指摘の、もう少しはっきりわからせる必要があるのじゃないかという御疑問は当然のことでございますので、この規定趣旨はそういう趣旨でございます。そのほかに、たとえて申し上げますと百八十七条でございますが、関係者が一体どういうふうな方法で鉱業が行なわれておるだろうかということを知りたい場合には、この百八十七条の規定によりまして関係鉱業権者に説明を求めることができる、さらにそれで不十分な場合には通産局長に説明を求めることができる、こういうふうな新しい規定も入れたような次第でございまして、との規定の活用によりましていま御心配の点は救えるのではなかろうか、こういうふうに考えておるわけでございます。   〔二階堂商工委員長退席、中村石炭対策特別委員長着席〕
  89. 細谷治嘉

    細谷委員 百八十七条の問題を持ち出したわけですけれども、平たく言いますと、結論が出た、知事に通知する、知事を経由して市町村に行く、全部おぜん立てができたわけですね。きのうも御質問があったように、もっと事前に市町村長の意見というものを聞けるようなことをお考えいただけないかどうか。
  90. 加藤悌次

    加藤政府委員 きのうの多賀谷先生にもお答えしたわけでございますが、鉱業権出願を許可する前に関係の都道府県知事に協議をいたすわけでございますが、実際上の取り扱いといたしましては、協議を受けました都道府県知事は、ほとんどの場合関係市町村長に対して照会を発しておられる、こういうことで十分市町村の御意向も鉱業権出願処理について反映できるのではなかろうか、こういうふうに考えておるわけでございます。
  91. 細谷治嘉

    細谷委員 協議というのは、ただ協議するだけという以上に出ないわけですね。運営の中において知事に協議する、知事がその段階において市町村長に意見を聞くだけだ、こういうことなんです。知事が聞かなければ同じなんですね。やはり知事が県の責任者でありますから、聞かぬということになりますと、市町村長はもう上からさっと流れてきたものをやらなければならぬということで、私はきわめて非民主的なかっこうであり、またいろいろな問題の予防、あるいは公共の福祉というものが守れないじゃないか、ここまできたのならば、百尺竿頭一歩を進める、そしてその辺をはっきりして、混乱が起こらないように、民主的にいくように、また災害予防対策、あるいは公共の福祉を守るようにするのがよろしいのではなかろうかと思うのです。これは百八条等にも関連があるわけでありますけれども、そういう点でこれはきわめて不満であって、もっとこの問題について市町村長の意見というものを聞くように私はお願いしたいと思うのですが、そういう御意思はございませんか。
  92. 加藤悌次

    加藤政府委員 事実問題として、先ほどお答え申し上げましたように、十分事前に市町村長等の御意見が反映するようなかっこうになっておりますので、それで十分ではなかろうか、こう存ずるわけでございます。
  93. 細谷治嘉

    細谷委員 その辺については、事実問題として、事前に十分に聞けるように配慮するということ以上に出ませんでたいへん残念に思うのでありますが、次に移ります。  鉱害関係の問題でございますが、この臨鉱法、これも同様でありますけれども、原状回復ということになっておるわけですが、私が質問したい点は、金銭賠償というのが原則になっております。これが今日いろいろな問題を生んでおるわけですが、もっとこの鉱害復旧について積極的に取り組む、端的に言いますと金銭賠償をやめる、そして原則としては原形復旧ということでいくべきだと私は思うのです。臨鉱法は効用を回復する、そしてこの鉱業法では金銭賠償を原則としておる、こういうことでありますが、この点についての所見をお尋ねいたします。
  94. 加藤悌次

    加藤政府委員 鉱業法そのものの鉱害賠償規定の中で、賠償の方法について原状の回復を原則にしたらどうかというような御趣旨の御質問ではなかろうかと存ずるわけでございますが、わが国の民法その他一般法制の原則から見まして、賠償は大体金銭で行なうというのが原則的な考え方になっております。また実際の世間の実態を見ましても、おおよその場合が金銭賠償が一応の原則になっておる。ここの第三項にも書いておりますように、金銭賠償に比しましてあまり多額の費用を要しない場合には原状の回復の請求ができる、こういう例外的な場合もあって、この考え方に基づきまして、事実上原状回復をやっておる場合も相当あるかと思いますが、法律上の原則といたしましては、いま申し上げましたような関係で金銭賠償主義を原則としたわけでございます。ただ御指摘のように、それだけで万事が終われりということでいいかどうかという問題があるわけであります。そういう見地から、ただいま御指摘石炭鉱害あるいは他の鉱害につきましては、臨鉱法の特別規定によりまして、国のいわば事業といたしまして国土の保全あるいは民生の安定という見地から、これを組織的、計画的に復旧しようということが行なわれておるわけでございまして、そういった見地から特別法でそういう制度を設けることは非常に必要であり、またけっこうなことだと存ずるわけでございますが、鉱業法そのものの中にそういった原則をうたうことについては、ただいま申し上げたような趣旨からどうであろうか、こういうふうに存ずるわけでございます。それから石炭等の鉱害の場合は、大部分が土地の陥落による被害ということに相なるわけでございますが、このメタルの山等におきましては、その他鉱煙の排出だとかあるいは廃水の放流といった面からの損害があるわけでございまして、こういった場合の損害の賠償につきましては、当然金銭賠償主義が本来であるということもあるわけでございますので、原状復旧の問題につきましては、そういった別の面からの考慮に基づいて、現在ございますような臨鉱法による国の事業としての復旧ということで今後とも考えていくべきであり、またそうすれば十分ではなかろうか、こういうふうに存ずるわけでございます。
  95. 細谷治嘉

    細谷委員 この金銭賠償ということが、これは民法原則だということでありますけれども、外国の例を見ても、そういう立場はとっておらぬようですね。それから現実に金銭賠償ということが、たとえば道路の計画にしても都市計画にしても公園計画にしても、これが非常に大きな問題を生んでおるわけなんです。これはおそらく御承知かと思うのですが、私は、民法のたてまえというのですけれども、いま言ったように外国でもそういうふうにとっておらない。民法の中でやはり原状回復、これは物理的な原形復旧ということじゃないと思いますけれども、要するに原状回復というのはやはり原則としては原形復旧というたてまえをとっておるんじゃないか、今日原則は金銭賠償という形になっておって、そういう問題が産炭地区なりあるいは鉱業を持っておるそういうところの行政に非常な支障を来たしておるわけですから、これを根本的に改める御意思はないかどうか。
  96. 加藤悌次

    加藤政府委員 先ほど申し上げましたように、金属山等におきましては、原状回復という場合が非常に少ないということも御了解願えると思いますが、かりに原状回復を原則としたような場合に、どういうことが起きるかということを考えてみますと、これはあくまでも被害者と鉱業権者当事者の賠償関係でございまして、もし原状回復を原則にいたしまして、たとえば農地の陥落について、当事者間同士の問題として、これをてんでんばらばらに原状回復するということではどうも効率的ではなかろうじゃないか、やはり賠償の義務のある者からそれに相当する金銭を特定の機関に集めまして、それを国なり地方公共団体として計画的、組織的に、一体として原状の回復をするということがより適切ではなかろうか、こういうふうに存ずるわけでございまして、現在ございます臨鉱法の制度はそういった意味から非常に適切であるのではなかろうか、こういうふうに考えるわけで、鉱業法そのものの中にこういう規定を入れることにつきましては、ただいま申し上げましたような関係でどうであろうか、こういうふうに存ずるわけでございます。
  97. 細谷治嘉

    細谷委員 鉱業法そのものの中に入れるのはどうか、あるいは組織的、計画的にやらなければいかぬということなんですけれども鉱業法等では金銭賠償というのを原則にして、その次に原状回復ということばがうたってあるんです。臨鉱法の中でははっきりと、「効用を回復する」と書いてあるんですね。これは一体どういうことですか。
  98. 加藤悌次

    加藤政府委員 原状回復の法文の解釈でございますが、これは原形そのままに復帰するということのほかに、先ほど先生の御質問にございました効用を元どおりにするということも、解釈上これに含まれるというふうにわれわれは解釈いたしております。
  99. 細谷治嘉

    細谷委員 そうしますと、法律上原状回復というのと効用回復というのと同じことだ、こういうふうに解釈なさっているということですか。
  100. 加藤悌次

    加藤政府委員 私ども民法あるいはこの百十一条の解釈といたしまして、ただいま申し上げましたように、元のままの、そのままのかっこうに回復するというふうに狭くは解しておらないわけでございます。
  101. 細谷治嘉

    細谷委員 百十一条には「金銭をもつてする。但し、」ときて「原状の回復をすることができる」となっておるんです。そして、臨鉱法を見ますと効用回復という字がはっきり使われておるわけです。原状回復というのは物理的な原形復旧だということには解釈してないということですが、原状回復というものと効用回復というものとはずいぶん違いますよ、事実問題として。いかがですか。
  102. 新井眞一

    ○新井政府委員 鉱業法の原状回復なりあるいは金銭賠償という考え方は、先ほど鉱山局長からお話がございました。私ども、臨鉱法によります効用回復と申しますのは、そういった当事者の賠償ということではなくて、公共的な見地によりまして、国土の有効な保全、こういう関係で効用を回復していくのだ、あるいは元どおりに、これだけの賠償をしてもらわなければならぬから、それでこういうふうにしてもらいたいという個人的なお考えはあろうかと思いますけれども、あくまでも臨鉱法というのは特に農地を中心にいたしまして、特定のものについて公共的な見地で効用の回復をはかるということでございます。
  103. 細谷治嘉

    細谷委員 私は、効用回復ということになりますと、農地が一メートルなら一メートル陥没した、陥没したそのままの姿で浸水等が起こる、日本は雨量が多いんですから、浸水等が起こると、ポンプ・アップすればいいんだ、効用回復したんだ、こういうことになろうかと思うのですね、極端にいいますと。原状回復というのは、やはり物理的なものは必ず含めなければならぬと思うのです。そこに今日の鉱害復旧の非常に大きな問題があり、トラブルが起こっているんじゃないかと思うのです。私は、原状回復というのはやはり物理的な原形復旧というものをたてまえとするんだ、こういうことでいくべきだと思うのですが、重ねて石炭局長……。
  104. 新井眞一

    ○新井政府委員 先生のお話のごとく、原状に回復をいたしませんと効用は十分な形で回復できないという場合もあろうかと思いますけれども、効用の回復という考え方と元どおり物理的に原形に直すんだという考え方とは、ちょっとそこに違った点があるわけでございます。
  105. 細谷治嘉

    細谷委員 私が申し上げておるのは、効用回復という名のもとに、原状回復というのは物理的な原形復旧だというたてまえがほとんど無視されて、効用さえ回復されればいいんじゃないか、こういう形で鉱害の復旧がなされておる。そうして現時点においては効用回復したかのごとく思われますけれども、一年たった、二年たった先になってまいりますと、その効用が完全に回復されておらぬという事例が非常に多いのですね。そこに問題点があると思う。その金銭賠償というのは現実にいろいろな問題が起こっておる。私はたてまえとしては原状回復、その原則はやはり原形復旧だ、こういうたてまえで鉱害復旧をやるべきじゃないか、それが国土の保全じゃないか、公共の福祉を守るゆえんではないか、こういうことを主張しておるのですが、これは従来から長い間の問題であって、容易に解決しない問題でありますが、いまの御答弁を聞きますと、私はたいへん遺憾に思うのです。そういう現実からいって、いま私が申し上げたような線で、そういうたてまえで復旧していただきたいと思うのですが、もう一度ひとつ……。
  106. 新井眞一

    ○新井政府委員 法律のたてまえは、あくまでも私が先ほど申し上げたとおりでございまして、もしそれで完全な形で効用が回復されないという場合には、先生御承知のように追加工事もやっておるわけでございます。たてまえとして原状回復が原則であって、効用回復はそうじゃないという議論に対しまして、私はそうじゃないと考えておるわけであります。しかし、実際の運営からまいりまして、できるだけ完全な効用回復をはかる。すなわち原状回復というものが完全な効用回復でございますれば、そういう方向で運用してまいるというふうに考えております。
  107. 細谷治嘉

    細谷委員 そこで次にお尋ねしたい点は、鉱害の認定という問題でございます。これは非常な大きな問題を現実に生じております。これについてはどういうふうにおやりになるおつもりですか、お尋ねします。
  108. 加藤悌次

    加藤政府委員 御指摘のように鉱害の認定というのは非常にむずかしい問題がございますので、今度の改正法でも、通産局長から常時鉱業権者に、参考になるような資料を調査し、整理しておくということを指示できる規定を挿入いたしたわけでございます。それからさらに臨鉱法の中にも、これは昨年の改正でございますが、専門的な方にこの調査を依頼するということで、新しく鉱害調査員の制度を設けた。こういったいろいろの制度を活用いたしまして、常日ごろから鉱害の進行状況等について十分把握できるような方法を今後講じていきたい、こういうふうに存じているわけでございます。
  109. 細谷治嘉

    細谷委員 第三者的な立場として、地方鉱業審査会というものが裁定なり仲介をするわけでしょう。
  110. 加藤悌次

    加藤政府委員 紛争が起こりました場合に地方鉱業審査会に持ち込みまして、そこで裁定までできる。いままでは仲介員制度でございましたが、今度新しくそういう第三者的な公平な機関によりまして、仲介もやりますが、それと同時に裁定もやる、こういうふうに新しく規定を設けた次第でございます。
  111. 細谷治嘉

    細谷委員 その場合に、鉱業権者が、現実鉱害が起こっておってもこれは鉱害じゃないのだと言った場合に、通産局長からその資料を説明するとかなんとか、そういう道が開けましたけれども、その裁定は鉱業権者に対して拘束力を持ちますか。
  112. 加藤悌次

    加藤政府委員 当然拘束力を持つわけでございます。当事者間にそういう話し合いがまとまったということでございまして、もし不服があれば出訴というものがあるわけであります。
  113. 細谷治嘉

    細谷委員 現実鉱害でありながら、そういう鉱害の事実がないということで、地方公共団体なりあるいは関係者が非常に困っておる点もあるようでありますから、こういう点については十分な運営上配慮をしていただかなければならぬじゃないかと思うのです。  最後に、鉱害というのは非常に重要な問題でありまして、その基本法ともいうべき鉱業法でいろいろ原則論の問題について意見を申し上げたのでありますが、具体的な問題としては臨鉱法という臨時立法の形でやっておるわけですね。そうして期限が切れたから延ばしておるというのが現況ですが、こういう問題は、まだ鉱害として認定されていないものでこれからやはりどんどんふえていくのは必至なんです。何年かしたらなくなるという筋のものではないわけですが、恒久立法にすべきだろうと思いますけれども、これについてのお考えはいかがですか。
  114. 新井眞一

    ○新井政府委員 お話にございましたように臨鉱法は、昭和四十七年七月三十一日までの臨時立法でございます。先生の御趣旨のように、これは恒久立法にすべきではないかということにつきましては、私ども検討をすべきだろうと考えておりますが、四十七年はまだ先でございますので、もうしばらくこの状態でもってまいりたい、こう考えております。
  115. 細谷治嘉

    細谷委員 四十七年までということでありますが、期限が切れかげて延長したということでありますけれども、鉱山というものがある以上は必ず鉱害は起こってまいります。したがってこれは当然な形として恒久的な立法としてつくり上げるべきではないかと思います。四十七年までの間に検討して、そういう方向でということでありますが、それまで待つという形ではなくして、ぜひこれは早急に恒久立法としてやっていただきたいと私は思います。  以上で私の質問を終わるわけでありますけれども、特にお願いしたいことは、この法律の中で繰り返して申し上げましたけれども、公共の問題ということがかなり前面に浮かび上がってきておりますけれども、ほんとうにその法の趣旨を生かすにはまだまだ不十分な点があります。先ほどいろいろと申し上げたわけでありますけれども、そういう点についての十分な検討をしていただいて、この立法の段階においても、そういう点についての修正等も必要ではないかと思います。十分にひとつ御検討をお願いいたしまして、私の質問を終わります。
  116. 中村寅太

    中村委員長 次会は、来たる二十三日木曜日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午前十一時五十五分散会