○伊藤(卯)
委員 最後の第三にお尋ねいたしますことは、今後の国内石油等天然
ガスの
開発についてでありますが、さきにも申し上げましたように、通産省が第一次五カ年計画を大蔵省側に資金の裏づけをさせて、石油
開発会社に計画どおりにそれを遂行させましたので、したがって申し上げたように目的一〇〇%以上を達成したのであります。今後も石油
開発会社に、創立当初の目的精神というか、そういうように油田の探鉱
開発のみを国策機関として思い切ってやらす、そのためには石油資源
開発株式会社という、この「株式会社」の四字をとってしまったらどうか。この四字をとって、石油資源探鉱事業団というような名前に改められるように現在の
法律を
改正をしたらどうか、この「会社」という名前がくっついておるところから、自立経営でやれとか、あるいは配当をしろとか、あるいは
政府資金を返せとか、いろいろそういう私企
業会社に注文すると同じようなことを大蔵省側はこの
開発会社に向かって要請をしておるわけです。そういうところから、通産省側で計画される第二次計画、あるいは今後さらに探鉱事業をやれば十分油も
ガスもあるということはわかっておりながら、通産省側のあの計画を大蔵省側にのますことができない。大蔵省側は
開発会社を私企業と同じように見て、この取り扱いをしようとしておる。そういうところから、したがって思い切り探鉱をやることができない、あるいは深い井戸を掘ることができないという点においては、帝石も
開発会社もやや変わらない状態に大蔵省側が強く
圧力をかけてきておることは、これは通産省側の
政府委員もまた大臣もおそらくお聞きになっておられるだろうと存じます。そういう点から、やはり石油資源
開発会社を国策会社として、思い切り大臣が言われるように
予算も、探鉱資金も相当出してやらすということであれば、やはり会社という名前があると大蔵省側も私企業と同じような無理な注文をつけてきますから、そこに自立でやれ、あがった利益でやれ、こういうことを注文して
政府から金を出そうとしない。そういう点になれば帝石も
開発会社も同じような運命におちいってくることは当然であります。でありますから、やはりこの
開発株式会社の「株式会社」という四字をとって探鉱事業団にする、こういうことをやれば、これは国策会社を
政府の機関としてやるわけでありますから、そうすればいまの大蔵省側の
圧力とかなんとかはなくて、通産省側で計画されるとおりの石油、
ガス開発が思うとおりにやれるので、そうすれば第一次計画が成功したと同じように、第二次、第三次、第五次と計画してやられるならば、ことごとくこれは成功するだろうということを
専門家筋も見ておるわけでございます。この点も大きな
一つの改革でありますから;いや大きな改革というより、創立当初に戻れということでございます。お考えを願いたい、そこで徹底的に石油、
ガスの油田を探鉱さすならば、日本にはおそらく天然
ガスはもちろんですけれども、石油等も探井戸を掘れば、これは想像のできないような油層を掘り当てることができるのじゃないかといわれております。たとえば西洋諸国には油はないといわれておりました。もちろん二千メートル、三千メートル掘っては成功しておりません。ところが、最近オランダですか、あの
地域に四千、五千メートルの深井戸を掘ってみましたところが、驚くべき石油層を掘り当てております。これはもう世界的に問題にされるほどの油層を発見いたしました。こういう状態でありますから、日本においても
——日本は深井戸を掘らなくても、かなり探鉱すれば、その多くが油、特に天然
ガスはことごとく当てておるといってもいいのでありますから、もっと徹底的に探鉱する、そうして思い切り、ここぞと思うところには深井戸を掘ってみる、こういうことをやる場合には、私企業ではやれぬのでございます。帝石にそれをやれと言ったって、とても五千メートルの井戸を掘る、一本掘るには少なくも二億以上かかるだろうと言われております。私企業にこれをやれと言うことはできません。それなら
開発会社にやらすかというと、大蔵省が、申し上げたように、自立でやれというのですから、それじゃ結局ようやれないと思います。ここに大きな問題があるわけでございます。でありますから、この点を私は大臣に、石油、
ガスの
開発について、今後の処置について思い切った考え方を持ってもらいたいと思います。油、
ガスがどうとか、とかく不景気な話をよく大蔵省は出してくるようですが、最近、大臣もお聞きになっておると思いますが、新潟の頸城というところに石油、
ガスの大きな層が発見されております。これは秋田の八橋油田は日本で一番大きいと言われておりましたけれども、この何倍あるかわからぬというくらいの大きな油田、
ガス層を発見をして、いまやっております。こういう状態でありますから、もっと徹底的に探鉱する、そうして思い切って西洋諸国のような深井戸も掘ってみること等を国がみずからやるということであるなら、私は非常な成果をあげることができるのじゃないかと思う。そうすると、外国油資本力にだんだん押しつぶされて支配権を握られてしまうというような危険もなくなってくるのじゃないか。どうも通産省側でとっておられる処置を見ますと、大蔵省あたりは、金を出さないで安ければいいということで、通産省側の計画というものが取り上げられておりません。国内エネルギーの
開発、特にこの石油、
ガス、石炭、どうもこの問題はまことにやっかい者扱いにされておるような、ひがみ根性かもしれぬけれども、同業者それから従業者、私もそう思っております。どうもやっておられる処置がまことに計画性と徹底性がないということでございます。そこで私は
一つの提案でありますが、いま申し上げたように石油資源
開発株式会社の「株式会社」の四字をとって、これを探鉱事業団にして、あるいは徹底的探鉱を、深井戸を掘ってやってみる。それが石油なり
ガスに当たったらば、これをいま大臣もおっしゃったように民間というか、帝石にやらす。そのかわりに、それから上がったところの利益の中から当然井戸掘り賃の賦金というものを取る。そしてそれを積み立てておいて、ある場合には
政府資金と加えるというか、あるいは賦金が多ければ賦金をもって次の探鉱
開発をやる。私、そういうようなやり方が
一つあると思うのです。これは西欧諸国でもほとんどこういう地下資源の油の
開発というのは国がみずから力を入れてやっておる。あなたまかせで、何のかんのと言って、やかましくだけ言って、ほんとうに国が力を入れてやっておらぬのは日本だけと言っても言い過ぎでありません。大蔵省の役人の人々は税金を取り立てて、金を計算して、それを
予算の鋳型の中に組むということについては、これは
技術屋、
専門家です。けれども、産業経済については大蔵省の役人の人々はしろうとです。でありますから、政党内閣ですから、政党の内閣が、
政府が重要政策として実行すべきためには、大蔵省側の
予算と資金を、これに応ずるだけの裏づけをやらしていくというところに、私は政党内閣、政党政権の存在の価値があるんじゃないか、大蔵省側に押されてどうすることもできないというのなら、私は政党内閣の資格はないと思う。国家国民に対する政策の公約をする資格はないと私は思う。だから、こういう点に対して通産省側は、新大臣は、ひとつそんなことはない、伊藤、そういうことはない、おれは必ず通産省側のこの地下資源
開発についての施策については、閣議においてはもちろん、大蔵省側においても、これをのまして、必ずやってみせるというような、私は若い大臣にそのエネルギーがあるであろうことを実は大きく期待をしておるわけです。
そこで、国内エネルギーの石油、天然
ガス等を積極的に探鉱
開発するとともに、海外油田の探鉱
開発にも、また民族資本を積極的に守ってやる、外国からの油輸入等に対して、民族油資本がそれに押しつぶされることのないように、これを十分守ってやるということについて、私はエネルギー界の混乱を防止して、そしてこれを調整、安定をはかって、それで日本産業の将来に対する発展に十分応じられ得るような国策をひとつ樹立してもらいたいということが、これが私が機内新大臣に強く期待をし、要請する点でございます。この
最後の点については、この問題はかなり大臣としてもいろいろ策を練り、またやはり
政府との全体関係とも関連すること等でありますから、これらに対して今日答弁のでき得る限り、またお考えになっておられる点等をひとつ十分お聞かせ願いまして、私の質問を終わることにいたします。大臣の答弁のいかんによっては、簡単にまた質問さしていただきます。