○小林説明員 まず協会側の
土地を出資しないことでございますけれ
ども、先ほ
どもちょっと触れましたように、この出資というのは残余財産の請求権を持つ程度の非常に弱い
立場でございますから、そういう意味もございますし、こういう本来の観点からいいまして、民間の出資を強制的に
法律で強制するというわけには、やはり憲法上の問題等もあって、むずかしい問題があるんじゃなかろうかというふうに思います。建物とか機械設備につきましては、御承知のとおり出資をするわけでございますが、これは
土地と違いまして、
土地のほうは基本的な財産であり、ほかの
用途への代替性というような点から考えていきましても、機械設備と事情が違うわけでございますので、さような意味で、
土地につきましては出資しないということになっておるわけでございます。いま御指摘のように、
土地を出さないで借金ばかりしょっていく、こういうことでございますが、その点はいま申し上げました建物とか機械設備を持っていくし、それから一方職員の退職金引き当ての債務等もございます。いわゆる借り入れ金として借りておりますものは非常に少ないわけでございます。したがって、差し引きとしては純資産約一億くらいの金を
電気協会が持ってくる、債権と債務の中身は以上申し上げましたように、建物、機械設備を主にいたしまして、それであとは債務といたしましては職員の退職引き当て金、それからほんのわずかのいわゆる借り入れ金、こういう形でまいるわけでございます。
それから国が出資しない理由でございますが、国のほうも、やはり
土地というものは建物、機械設備と性質も違いますし、それからこれが非常に国の場合に決定的に大きな負担になるというようなことは実ははなはだ少ないのでございまして、現在、国が
土地を自分で持っておりますのは、大阪と福岡と福島でございます。そのほかの
土地は現在といえ
どもすでに借りておるようなことでございます。その三つの
土地に対して五百万円程度の借料を払わなければならないというようなことになっておりますし、影響もそんなにございません。もともとこの
特殊法人といたしましては独立採算をたてまえにして大いにやっていく。
政府との
財政的つながり等も、比較的薄い形で発足していくことがこの
特殊法人としての特異性を発揮していく上に非常にいいんじゃないか。もう少し具体的に申し上げますと、
特殊法人というものは職員の給与等について一々国がやっかいな制約をかぶせておるわけでございます。
特殊法人はたくさんございますが、ほかの
特殊法人はみんなそういう形で職員の——役員はもちろんでありますが、職員の給与まで一々国が関与するというのが現在の状況でありますから、この
特殊法人の場合にはそういうめんどうなことをやられたのでは、この
特殊法人業務はいわば現業的の業務でございますので、むしろ高能率、高賃金というような形でやるほうがいい。その限りにおいてはほかの
特殊法人と違った形があって、それのほうがより能率を発揮していく上で必要だろう、こんなような観点からこの法人を考えておるわけでございます。そういうような問題、それから先ほど申しましたような問題を考え合わせまして、国のほうとしては出資をしてないというのでございます。また、先ほどの文書に返ってはなはだ恐縮でございますが、その三千万円というのは一応協会側がそういうような希望を言っておるわけでございまして、これは協会側が試算すればそういう程度になるのであるということを当方に申し入れをしておる
段階でございます。これはいかほどの借料を払うことにするかというのは、この新しい法人の
理事長が
土地の評価を厳正な第三者にやっていただく、その結果に基づいてやっていくべき問題であろう、三千万円をいまの
段階で確約をしておるというようなものではないわけでございます。私
どもとしては、要はこの
特殊法人の高能率、高賃金原則に基づくそういう考え方とこの問題をからめて考えていかなければならないというようなことで、ございまして、その点御了承願いたいと思います。