○久保田(豊)
委員 それじゃもう一、二点だけお伺いいたしますが、大体
電子工業界としては将来の
需要なり何なりをどう見ておられるかという点であります。民生のほうは
国内でも大体もう一ぱいじゃないか、まだいろいろたくさんあるでしょうが。ところが
輸出面を見ますと相当に伸びておる。そこで民生
関係のほうから見ますと、今後問題になりまする開拓市場としては、
輸出面では欧米というふうなところに重点を置いていくのか、あるいはいわゆる東南アジアその他の低
開発国方面に重点を置いていくのか、あるいはいまのところそういう
需要は少ないと思いますけれ
ども、共産圏のほうにだんだんと重点を置いていくのか、こういう点を、私はそれぞれの特徴がありましょうし、そしてあれが違うと思いますが、まあ何といいますか、欧米市場というのは、これは全くあらゆる面において競争で入っていくほかはない、こう思うのであります。ほかのところでももちろんそうでありますけれ
ども、たとえば低
開発地帯においては民度が非常に低いわけですから、
テレビ、
ラジオというふうなものがどの
程度発展していく可能性があるのか、あるいはそういう方面に
発展をしていくのにはどういうふうな、国として、
基礎条件をその国で整えるように、経済政策なり経済外交政策なり
援助政策というものをやっていかなければならぬかという問題があろうと思います。あるいは共産圏の場合におきましては、いまのところはソ連のほうも大体において
生産基礎というところに重点を置いておりますけれ
ども、これからだんだん共産主義化をするなんということを言っておりますから、そうなりますと大体民生のレベルを早急に上げていかなければならぬということになろうと思います。そうなってくると、いまの向こうの体制では、こういう民生用の
ラジオ、
テレビというものはそう力を入れていないんじゃないか、しかも急速にそういう面が伸びてくるとすれば、将来の
輸出という問題も、それぞれの国の、共産圏諸国の
発展段階に応じて出てくるんじゃないか、こういう点も見て、民生のほうについてはどういうふうに、
国内と海外のそれぞれの
輸出市場の持っております特性に応じて
生産の体制なり販売なり何なりの体制を立てていかなければならぬという問題があろうと思います。また
産業用にいたしましても、私はもっと問題が重要だろうと思うのであります。
国内の
産業用として、どの
程度どういう面が今後伸び得るかという大体測定の問題、それから海外市場として欧米先進国に対してこの
産業用の機械で勝負をやっていくのか、あるいは低
開発国の
産業開発、特にプラント
輸出と連関をして、こういうほうに重点を置いていくのか、あるいは共産圏諸国のように主としてプラントや機械を望んでおるほうに食い込んでいくのか、こういう点の一つの方針なりあるいはそういう
需要の見通しというもの、こういうものと結びついた今後の
開発計画がなければ私はほんとうの地についたものにならぬ、こう思うのであります。こういう点については、
政府のほうの調査なりあるいは情報等が非常におくれがちであります。どうしてもこれは
業界の方がそういう点に先べんをつけていかれるということが必要ではないか。特に二、三私
ども経験をしておるのでありますけれ
ども、たとえば共産圏の北鮮に沖電気さんが例の放送塔の注文を受けられた。ところが、これが、
日本側が非常に文句をつけまして、とうとうお流れになった苦い
経験もあります。そういうふうな点で、
産業用と民生用とは違います。違いますが、特にそういう点についてはどうか。私はその中で、特に
国内の需給の見通しの上でも海外の見通しの上でも一番重点とするのは、オートメーション
関係の大体の見通しはどうか、特にこれは
日本の
国内がおもになるだろう。それから
電子計算機等についても、大型のところにいま大体重点を置いておられるような
お話でございましたけれ
ども、何といってもこれはIBMあたりが——実は今度は相当大型のモデル三六〇とかいうやつを新しく入れるそうですね。いままで九〇四〇というのが一番大型だったが、今度はモデル三六〇というのを基本機種にして、
日本に重点的に売り込もう、こういうことを考えておられるようです。同時に、それの付属の機械は
国内で発注をしてつくる体制をやっておる。こういう中で、
日本のこれからの
電子計算機の向かう方向というのは、どっちの方向が重点になるのかというようなこと、こういう点についてそれぞれお考えがあると思います。これはいずれ、まとめた点については
政府にお伺いするつもりでございますけれ
ども、それぞれの
業界でお考えの点がありますればひとつお教えいただきたい、こう思うのです。