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長村参考人 それでは私から、
日本貿易振興会の現にやっております
仕事のあらましを御
説明申し上げます。
日本貿易振興会のやっております
仕事は、御
承知のように、一言にして申しますと、特に
海外で
貿易振興で関するいろいろな
施設の運営その他の
活動をやることになっております。
内容的に申しますと、いろいろな種類のものがございますが、時間の
関係もございますので、要点を取りまとめまして申し上げたいと思います。
日本貿易振興会のやっております
仕事の大きなものの
一つは、いわゆる
市場調査、
調査活動に関することでございます。これは当会といたしましても一番古い沿革を持ちまして、
努力を重ねてまいったのでございます。この
調査につきましては、特に
日本貿易振興会が、いわゆる
ジェトロのやります
調査としまして特色のあります
一つは、
海外に
市場調査のための
専門の者を常駐させまして、そこで
各種の
調査を計画的かつ継続的に行なうというやり方をとっておることでございます。申すならば、これは一般的な
調査と申してよろしいと思います。
そのほかに、最近はいわゆるマーケッティング・リサーチを活発に行なっております。また、特に
中小企業の
方々の生産されます
輸出品につきましては、
業界の
方々だけを特別の
調査員として、その
商品に一番
関係のある
市場にお出かけいただきまして、いわゆる
特殊市場調査というものをやっておるわけでございます。かれこれいたしまして、これらの
調査はいずれも国内でまとめまして、適当な
貿易関係の
業界あるいはお役所に御
報告申し上げ、御活用を願っておるわけでございます。また、特に最近は、
日本の
商品の
海外におきます
輸入防遏その他の問題が起こりますので、これらのものの要因、
情報等を
収集調査をいたします
活動もいたしておるわけでございます。
二番目に私
どものやっております
仕事は、いわゆる
PR関係の
仕事でございます。これも
PRの
性質上、いろいろな
内容のものがございます。たとえば毎年
予算をいただきまして、七本
程度の
PR映画を作製いたしております。
ジェトロは
昭和三十三年に発足になりましたので、三十三年以降今日までこの種の
映画も四十数種類つくりました。本数にいたしますと、プリントの数は数百本になる。これを
海外数十カ所、八十カ所以上のところに配りまして、これを活用いたしておるわけでございます。
このほか、
PRといたしましては、
海外におきます
テレビを使いまして
PRをやっておるわけでございます。
テレビ映画を数本、毎年
海外各地で六百回以上の放映を行なっておるわけでございます。また
PRの
方法として非常によろしいのは、
海外からこちらに人を招きまして、そうして
日本の
産業状態を直接見てもらいまして、その方の目で
海外にまたこれを
報告していただく。このために私
どもは毎年各
市場からその土地の最も有力な
報道機関の方をお招きいたしまして、年に九名
程度のものでありますが、お招きいたしまして、
日本の
産業状態をよく御視察願って、そうしてそれぞれの
方法を通じて
海外で御
報告を願うという
仕事もいたしておるわけでございます。最近はまた御
承知のようにいわゆるミッションと申しますか、
海外からグルーブの訪日の方が非常に多くなりました。これらの
方々につきましても、これをわれわれのほうで、必ずしも全部ではございませんけれ
ども、受け入れまして、いろいろ御案内申し上げるという
活動もいたしておるわけでございます。もちろんこのほかに、直接
海外の
新聞雑誌等に
PRをする、あるいは
海外向けの
出版物をみずからつくり、またそれぞれの
業界でおつくり願ったものを買い上げまして
海外に送るという
仕事もいたしておるわけでございます。
三番目に、私
どものやっております
仕事の大きなものの
一つは、いわゆる
見本市でございます。ときには
博覧会に
参加するということもございます。
国際見本市あるいは
博覧会は、最近の情勢といたしまして、御
承知のとおり非常に活発になってまいりました。
国際見本市は、言うならば
関係の
国々の
業界の方が一堂に会して
取引の場を持つという最も経済的なかつ効率的な
一つの
取引促進のための有力な
機関でございます。各国も非常にこれに熱を入れております。
ジェトロは、従来からこの
見本市に
参加し、最近はまた、多少
性質は違いますけれ
ども、
博覧会にも
参加いたしまして、
輸出の
促進に
努力をいたしておるわけでございます。現に、大小いろいろな
規模もございますが、それぞれの
規模に応じ、また地域に応じまして、十回前後の
博覧会の
催し等に
参加をいたしますことのほかに、同じような
活動といたしましては、
ジェトロが
海外に持っております
トレード・
センターを活用いたしまして、
各種の
展示の
仕事をやっておるわけでございます。この
見本市及び
展示関係の
仕事の
参加等は、
ジェトロといたしましてもう二百回近く、初めから数えますと経験を経ております。私
どもといたしましても非常に力を入れております
仕事の
一つになっておるわけでございます。ただいま
ジェトロの
トレード・
センターにおきます
展示のことを申し上げましたが、現在
ジェトロは十三カ所の
トレード・
センターを持っておるわけでございます。そのほかに
機械センターがボンベーとメキシコの二カ所ございます。これらのところでいろいろな
活動をやっておりますけれ
ども、その大きな
活動の
一つといたしまして、計画的に毎年
業種別の
特別展示ということもやっております。また、各
地方庁あるいは
業界の御委託によりましての
展示ということも回を重ねてやっております。いずれも毎年四十回以上の回数をここでやっておることに相なっておるわけでございます。
また、いま
一つジェトロといたしまして力を入れておりますことの
一つは、いわゆる
デザイン振興のことでございます。御
承知のとおり、
輸出振興の
関係から申しますと、
輸出商品の
意匠の
向上の問題、いわゆる
デザインの
向上の問題も非常に大きな問題でございます。
日本貿易振興会といたしましても、この問題を取り上げまして
幾つかの
活動をやっております。
一つは、毎年
デザイン研究生を
海外に送っておりまして、それぞれ有能な人を選びまして
海外の
専門の学校、
施設等に一年、場合によりましては多少延びることもございますが、入れまして、十分な
研究を積み、立ち帰りまして
関係の
業界等の御
相談相手になるということもやっておるわけでございます。毎年六名ないしそれ以上の者を送っております。帰りまして、
各種の
研究会等を持つわけでございます。これも毎年七十回以上の
研究会をこれらの人は持っておるわけでございます。
そのほか
デザイン関係の
仕事といたしまして非常に大事なことの
一つは、
海外にございますすぐれたものを少しでも多く
日本の
関係の業者の方に見ていただく。なかなか
業界の、ことに
中小企業の方がこぞって
海外にお出かけになることも困難でございますので、
品物をこちらに持ってきて、各
地方を持ち回りましてごらんいただく。これは
海外の
優秀見本の
収集と言っております。
デザインの優秀なもの、あるいはまた
日本の
商品と
海外の
市場で競争をしておるもの、こういうものをありのままの姿で
日本に持ってまいりまして、これを
関係各府県とも御
相談いたしまして、
全国を回って
業界の方にごらんに入れて御
参考に供しておるわけでございます。数百点の
品物が毎年まいりますが、
全国を五十数回の
巡回展示を行なっておるわけでございます。
同時にまた、四年ばかり前から始めております
日本の
国産品、特に
手工芸と申しますか、
クラフト関係の
国産品で優秀なものがたくさんございます。これを各
地方にわたりまして選びまして、そうして
海外にそのものを持ってまいって
ジェトロの
トレード・
センターを利用しまして
外国の商売人の方に見ていただく、そうして
取引のチャンスをつかむという
活動をいたしておるわけでございます。
以上申し上げました
各種の
活動は、総合的に
ジェトロがやっております
活動でございますけれ
ども、あわせまして特に
農林水産物あるいは
医薬用品、軽
機械、雑貨というようなものにつきましては、それぞれの
業界と御
相談しまして、御支援を得ましてそれぞれの
農林水産物等に即しましたきめのこまかい
各種の
活動を行なっておるわけでございます。この
活動は
内容的には非常に煩瑣になりますので、詳しい
説明を省略させていただきたいと思うのであります。
ジェトロはかような次第で
各種の
活動をやっておりますが、これらの
活動をいたしますために、現在は
海外におきまして五十カ所以上の
施設を持つようになっております。国にいたしますと四十カ所をこえるわけでございます。先ほど申しました十三カ所のいわゆる
ジャパン・
トレード・
センター、二カ所の
機械センター、三十数カ所の
調査員の
設置等、合わせまして五十以上の
施設を
海外で運営いたしまして、これらを拠点にいたしましてただいま申しましたような
各種の
活動をいたしておるわけでございます。
また、これを受けまして国内的にはいろいろな
活動をいたしております。その
一つといたしまして、
東京と
大阪に
資料室をいま持っておるわけでございますが、毎年計画的に
資料をいま
収集しております。
調査員からは貴重な
報告がたくさんまいります。これらを
資料室に整備いたしまして、
関係の
業界その他の方の御利用に資しておるわけでございます。最近は
東京、
大阪を合わせまして年に一万一千名以上の
業界の方がお
見えになります。もちろんこの大
部分の方は
中小企業の
方々なんでございますけれ
ども、多数の方においでをいただきまして、この
資料を十分に御利用願っております。なお、今日この種の
施設を拡充いたしたいと存じまして、来年度
予算では
資料センターというような構想も打ち出さしていただけるようになっておるわけでございます。
業界としましては、私
どももっとこれを利用しやすい
場所を整備し、
機械を整備して十分な
活動をするようにという激励をいま受けておるところでございます。
このほか、先ほどの
デザインに関連いたしまして
ジャパン・
デザイン・ハウスというものを
東京に持っておるわけでございます。これは、
日本の持っております
輸出商品の中で
デザインの優秀なものはたくさんございます。その中で
専門の権威ある
選考委員の
方々の御
選考を受けまして、毎年
幾つかの
優秀品を選びまして、それを
展示する。ここには多数の
方々が
見えます。年間やはり二万近い
方々の
来観者があるようでございます。むろん
外国の
関係筋の方も多数
見えるわけであります。これまた
場所の狭隘に悩んでおりますけれ
ども、この
施設もこれからも大いに活用してまいりたいと思うわけでございます。
このほか、最近
ジェトロは
地方に二十カ所の
貿易相談所、これは
地方によりますと
貿易情報サービス・
センターというような名前を使っておるところもございますけれ
ども、
貿易相談所をつくりまして、ここで
各種のいわゆる
貿易相談の
仕事をやっておるわけであります。もちろん、この
仕事はスタート以後まだ日も浅いのでございまして、必ずしも私
どもも十二分の機能を発揮しておるものとは思っておりません。すでに今日では
貿易相談所に
相談にお
見えになります
方々の数、あるいは引き合いをそこで求められます数、非常に多数に上っております。これらも、申すまでもなく大
部分の方はいわゆる
中小企業の
方々であるわけでございます。
かようなわけで、
仕事が非常に多岐にわたっておりますので、その一々についてこまかく申し上げる時間もございませんけれ
ども、
市場調査、
PR関係、
見本市関係、あるいは
意匠向上の
関係の
仕事というようなものを主軸にいたしまして
海外の
活動を行ないまして、これらの
海外活動の成果をうちに受けまして、
各地の
貿易相談所等を中軸にいたしまして、本
支部ともに
サービスということに
努力いたしておりますのが現状であると申し上げることができるかと思うのでございます。
概略のことでございますが、以上でございます。