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中野政府委員 いま御
指摘のありました手形のサイトが非常に長くなっておる。これは実際には景気調整の過程におきましていろいろ
変動がある。したがって、昨年あたりは金融がある程度ゆるんできた時期でございまして、その間に
企業間の
信用の膨脹がある程度正常化のほうに進むのじゃないかというふうにわれわれも期待しておったのでございますが、実際にはそうでなくて、昨年一年間、
企業間
信用がどんどん膨脹し続ける。現在の
数字でいいますと、
企業間
信用が約十五兆くらいになっておるのじゃないかということがいわれておりまして、しかもいま御
指摘がありましたように、手形の期間が非常に延びてきておるという事態からいろいろな現象が起こりまして、たとえば大
企業から下請をしておる
業者あたりが、手形のサイトが延びたために非常に困っておるというような状況がございますので、先般、御
承知のように下請代金支払遅延等
防止法の運用について、これを強化するということをきめまして、通産大臣と
公取委員長の名前をもちまして、
法律の施行を厳正にやるという通達を出しました。同時に、親の約二千
企業につきまして、
中小企業庁におきまして、主として手形支払いの状況等について定期的に親のほうから
調査する。いままでは
中小企業庁としては、主として下請のほうから
調査をするということをやっておったのでありますが、それではなかなかほんとうのことを言ってくれません、真相はつかめませんので、今度は
中小企業庁がいよいよ乗り出して、親のほうから定期的な
調査をして、そうしていまの方針では、大体百五十日以上の手形を出しておるものは——いまの銀行でいいますと、御
承知のように九十日くらいの手形は大体割れますので、これは六十日以内に現金あるいは現金化し得る手形で払えということは
法律できまっておるわけですが、そこへ一挙に持っていくことはなかなかむずかしいのじゃないか。きのうも
予算委員会で私のほうの通産大臣がお答えになったのですが、百五十日を百二十日くらいに縮める、さらに縮めていくというふうにやっていきたい。もちろん、これをやっていくのには親
企業の協力、
努力も要りますが、同時に金融機関
方面の協力等も要るわけでありまして、現在こういうふうに膨脹し過ぎておる
企業間
信用の問題をどうして少しでも正常化のほうへ持っていくかということになると、これは非常にむずかしい問題でありまして、
大蔵省でもいまいろいろな対策を御考慮願っておるようでありますが、われわれとしては、
中小企業の立場からいうと、一方的に
中小企業のほうにしわが寄せられるということじゃ困るということで、これは
中小企業庁だけではなくて、
通産省でいうと、原局というのが主として親の、大きいほうの
企業を監督しておる、そういう役所もございますので、そういうところからも非常にやかましく言っていただいて協力も得まして、逐次これが改善に向かうように
努力したいというふうにして、着々いま手を打っておる次第でございます。