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加藤政府委員 お答え申し上げます。
帝石が今度のような
状況になりましたについては、いろいろ深い
理由があるのじゃなかろうかというふうに私
ども推測をいたしておるわけでございますが、端的に申し上げまして、やはり問題は、大体大ざっぱにいって三つぐらいあるのじゃなかろうかというふうに思います。その
一つは、先ほど申し上げましたように、一昨年初めごろ、一日五十万
立米からの
生産を見ておりました
帝石としては非常に大きな
ドル箱であった例の八橋の
油田、これが、たとえば
ガスで申し上げますと、その後急速に減ってまいり、昨年の十二月でいいますと、大体十五万
立米、三分の一以下に減っているわけであります。
原油の
生産につきましても、同じくこの
減衰が
予想外の大きな痛手になったということであると思うのであります。これがやはり
一つの大きな
理由ではなかったか。
それからもう
一つ、先年
新潟県頚城から
東京まで、
東京へ
都市ガス用の
天然ガスを
供給するということで、相当
多額の金を投資いたしまして
パイプラインを敷設したわけであります。この
パイプラインの
効率と申しますか、必ずしも十分に活用されておる
状況になっておらない。また、
東京ガスに対する
ガスの
供給価格についても問題なき
にしもあらず、こういうふうに
考えておるわけであります。そういった面からの
金利償却負担なりあるいは
経理面に対する
圧迫要因というものが、やはり
一つの大きな
原因になっておるのではないかと
考えております。
それから第三番目、これはいまに始まった問題ではなくて、
SKができて、
SKと
帝石で手分けをして、
原油なり
ガスの
開発をやろうというときからの問題であるわけでございますが、
SKと
帝石を比べてみますと、大体
売り上げ金額におきましては、
帝石は
石油資源の一倍半ぐらい、五割ぐらい多い
数字になっておるわけでございますが、労務者の数が大体三倍である。
SKが大体千二百に対しまして、
帝石は三千七百ということでございますので、
売り上げが五割ぐらいしか多くないにもかかわらず、かかえている人員が三倍である。これも、かりに
生産性ということで労えますれば、
生産性がちょうど
SKに比べて三分の一、こういうことに相なるかと思います。そういったところに
一つの大きな
問題点がありはせぬだろうか、こういうふうに見ておるわけであります。こういった問題は、先ほど申し上げましたように、いまに始まった問題でもないわけでありますので、私
ども、昨年の夏以来、いま申し上げました
パイプラインの
効率をできるだけ上げるという意味からいたしまして、
東京ガスに対する
ガスの
供給量をベースアップすると同時に、
東京ガスに対する
供給の価格が必ずしも原価計算——非常にむずかしいわけでございますけれ
ども、先ほど来問題になっております、並行して炭鉱活動をやるための必要な
経費というものを織り込んだ適正な価格ではたしてあるかどうかという面についての問題がございますので、この
供給価格の引き上げについてもひとつ
東京ガスさんとの間で、ちょうどこの十二月末で改定期になりますので、これを改めていただく。場合によっては役所が中に入って、いろいろお手伝いもしたいということで、実は昨年の夏以来やってまいったわけであります。ちょうど折りあしく、今回のような
首脳陣が交代するというようなことにもなりまして、これが必ずしもわれわれの期待したごとくにはいっておらない。特に
東京向けの
ガス増量の問題につきましては、先ほどお話し申し上げましたように、
新潟についても同じような
状況が最近起こりまして、これも、むしろ
東京向けの
ガスを遠慮しなければいかぬというふうな事態になっておりまして、いま申し上げた点の問題の解決は現在非常にむずかしい段階であるということでございます。
それからもう
一つの、人員が
SKに比べて非常に多いことにつきましては、私詳しくは存じませんが、おそらく給与ベースなりあるいはそのボーナスと申しますか、これなんかも、御
承知の全油鉱ということで一本になっておりまして、同じ給与ベースなりボーナスの支給が行なわれておるというふうに、私存じておるわけでありますが、そういった点にも必ずしも問題がなき
にしもあらずでございますが、この
SKに比べてどうも多過ぎる人をどうするかという問題がございまして、今後、
経営陣が新しくかわりました場合にも、この問題は
一つの大きな懸案事項になるというふうに存ずるわけでございます。この点につきまして、私
どものいままでの
指導と申しますか、さっそく
会社の方ともいろいろ御相談申し上げて示唆を申し上げたのは、人員整理といっても、御
承知のようにこれはなかなかむずかしい問題があるわけであります。特に
天然ガスの問題についてみますと、これは全くタウン・
ガスと同じいわゆる公益事業であるというふうに
考えられるわけでございまして、そういった面からの
供給資金に問題が起こるというふうなことは、最も注意を要する事柄でございますので、そういった面も十分
考えながら、今後の人員減らしということを
考える必要があると思います。とりあえず新規の補充と申しますか、新規採用の
状況を見てみますと、必ずしもそういった面からの配慮がいままでなかったのではなかろうかというふうな実は
感じがいたしまして、労働強化にならない
程度において、新しい補充源としての新規採用を
合理化するという面でひとつ
検討していただく必要があるのではなかろうか、こういうことでございまして、たしかことしの春卒業する新規採用というものは、ほとんどないと申しますか、非常
にしぼったかっこうで、たしか例年二百人から二百五十人ばかり新規の採用があったようでございますが、本
年度はそういった面からも、新規採用をできるだけ
合理化したいというふうに
考えておられるようでございます。非常に特定の企業のことについて申し上げたわけでございますが、いろいろ役所としても御相談に応じてまいった事柄を、
問題点だけかいつまんで申し上げると、そういうことでございます。
それから
資金的な面の問題、これは例の、
石油資源株式
会社に灯して、現在二十二億四千万円ばかりの出資があるわけでございます。これが文字どおり、
石油資源はいままで無配でございまして、こげついた、全然動かない
資金ということになっておりますが、これを実は昨年の夏ごろから、何とか
政府で肩かわりしてほしいというふうなお話があったわけでございます。この問題につきまして、私、当時
会社に対して申し上げましたのは、問題の解決はいろいろあるわけなんで、そういった
会社の総合的な再建
計画というものをぜひ早くつくっていただく、そのうち
の一環としてこういう問題が出されるということであれば、
関係方面にも話がしやすいわけでございますので、そういった面の総合的な再建
計画を早く立てる、おそらく近いうちにそういうものはできるのではなかろうか。できました暁において、こういった面の問題を御協力申し上げたい、こういうふうに存じております。