○金井
政府委員 通商産業省予算について御説明申し上げます。
まず、三十九
年度通商産業省所管一般会計の予定経費
要求額は五百十三億九千万円でございまして、これを三十八
年度当初
予算額四百三十億六千八百万円に比較しますと、八十三億二千二百万円の増で、一九・三%の伸びとなっております。
このうち
石炭関係
予算が百十七億九百万円で、前
年度のほぼ横ばいとなっておりますので、
石炭関係以外の
予算では三百九十六億八千百万円で、八十三億六千二百万円の増、二六・一%の伸びとなっております。
三十九
年度予算のうち、
政策事項につきまして、これを
中小企業対策費、
輸出振興及び
経済協力費、
国際競争力の
強化対策費、
技術振興費、
産業基盤強化対策費、エネルギー
対策費、
鉱山保安対策費の七
項目に分けて御説明いたします。
第一に、
中小企業対策費でございますが、
中小企業問題の重要性にかんがみまして、最
重点項目として取り上げ、前
年度に比し二十九億八千九百万円増の百十五億七千三百万円を計上いたしております。
そのうち、
中小企業の
近代化、
高度化につきましては、
中小企業設備近代化補助金として四十五億円、
中小企業高度化資金として四十三億八千六百万円を計上いたしまして、従来の貸し付け対象のほか、新たに商店街
造成を対象に加えることにいたしております。
このほか、
中小企業指導センターに対する出資及び補助として三億二千万円、
小規模事業対策補助として十四億一千百万円、
中小企業管理者及び
技術者研修費として八千五百万円、
中小企業に対する診断及び
技術指導等を
実施する経費として三億七千四百万円を計上しております。なお形式的には大蔵省計上になっていますが、
中小企業信用保険公庫への出資四十五億円を計上いたしております。
第二に、
輸出振興及び
経済協力費につきましては、内外の
経済情勢、
国際収支の動向等も考慮いたしまして、前
年度に比し十一億八千三百万円増の五十四億七千二百万円を計上いたしております。
輸出振興につきましては、特殊法人
日本貿易振興会の
事業運営に必要な経費として三十一億二千八百万円を計上し、海外市場の
調査、トレードセンターの運営等
総合的な
輸出振興事業を一そう強力に行なうこととしています。
その他、日本
輸出雑貨センター
事業運営に必要な経費として一億八百万円、プラント類
輸出振興費として二億五千八百万円、工作
機械輸出振興費といたしまして八千八百万円を計上いたしております。
次に、
経済協力費でございますが、主要な経費といたしましては、特殊法人アジア
経済研究所に対する補助金といたしまして三億七千二百万円、海外
技術開発協力費といたしまして一億二千万円、低
開発国一次産品買付
促進費補助といたまして五千五百万円等を計上し、未
開発国との
経済協力の
推進をはかることといたしております。
第三に、
国際競争力の
強化対策費でございますが、この点につきましては、一般会計よりもむしろ後に述べます
財政投融資による
対策が重要な役割りを占めているということができるかと存じます。
一般会計からの
国際競争力強化対策費は、主として地下資源
開発費でございまして、前
年度に引き続き国内
鉱山の探鉱
促進をはかるための新鉱床探査費補助といたしまして三億円計上いたしたほか、新規に
金属鉱物探鉱融資事業団の行なう自主探鉱に対する補助金といたしまして八千万円を計上したこと等でございます。
第四に、
技術振興費でございますが、
開放経済体制下における
技術振興の重要性にかんがみまして、前
年度に比し十三億四千八百万円増の八十八億三千六百万円を計上いたしております。
そのおもなものといたしましては、新規
項目として、
重要鉱工業技術試験研究委託費六千五百万円、九州
工業技術試験所新設費五千万円、その他前
年度に引き続きまして、試験所の特別
研究費といたしまして十二億五千五百万円、
民間における
試験研究の
助成のための
鉱工業技術研究費補助といたしまして七億八千六百万円等を計上しております。
また、
特許行政へ
強化費といたしましては、
特許等の審査、審判の
促進をはかることを
重点にいたしまして、十三億四千百万円計上しております。
第五に、エネルギー
対策費でございますが、そのおもなものは
石炭対策費でございます。
石炭対策は、前
年度のほぼ横ばいで、百十七億九百万円でございます。
内容といたしましては、
石炭鉱業近代化促進及び
石炭専用船の建造を含む
流通合理化等に要する資金として、
石炭鉱業合理化事業団への出資金四十八億九千二百万円、
産炭地域振興費二十億四千九百万円、炭鉱整
理事業補助三十九億三千七百万円、
保安不良炭鉱整理交付金一億七千二百万円、鉱害賠償基金出資一億円、その他鉱害復旧費、
石炭技術振興費補助等につきまして必要な経費を計上しています。
第六に、
産業基盤の
強化対策費でございますが、そのおもなものは、
工業用水道事業費補助でございまして、前
年度に比し十六億六千六百万円増の七十億二千三百万円を計上しております。そのうち、地盤沈下防止
対策事業につきましては
補助率の引き上げを行なうこととしております。
第七に、
鉱山保安対策費でございますが、先に述べました
石炭鉱業合理化事業団への出資金のうち四億九千六百万円は、新たに大手を含めて、
保安施設に対する無利子
融資に向けられるべきものでありまして、これにより
鉱山保安施設の
整備強化をはかるほか、ボタ山崩壊防止
対策、
保安教育費等を含めまして、一億三千八百万円を
鉱山保安対策費として計上しております。
以上をもちまして当省所管の一般会計に関する説明を終わりますが、詳細につきましては、お手元の
予算要求重要
事項表をごらんいただきたいと存じます。
次に、当省所管の特別会計につきまして、三十九
年度歳入歳出
予算の大要を簡単に御説明申し上げます。
まず、アルコール専売
事業特別会計でございますが、歳入予定額は六十八億一千九百万円、歳出予定額は六十一億五百万円であります。
輸出保険特別会計につきましては、歳入予定額及び歳出予定額とも百四十六億三千八百万円でございます。
機械類賦払い信用保険特別会計につきましては、歳入予定額及び歳出予定額とも十一億六千八百万円でございますが、歳入予定額のうち一億五千万円は一般会計からの繰り入れでございます。また、
中小企業高度化資金融通特別会計につきましては、歳入予定額及び歳出予定額とも四十三億九千百万円でございます。
次に、当省関係の
財政投融資計画について御説明いたします。
昭和三十八
年度におきます当省関係の
財政投融資総額は、余剰農産
物資金及び
経済援助資金等を含めまして三千八百九十七億円でありまして、これを
昭和三十八
年度当初
計画の三千四百三十三億円と比較いたしますと、四百六十四億円、伸び率にしまして二二・五%の
増加となっております。
以下、機関別にその
概要を御説明いたします。
まず、日本
開発銀行につきましては、新たな
施策といたしましては、
産業構造の
高度化あるいは
産業技術の
向上のため重要な地位を占める重
機械の試作、
開発を進める
融資資金といたしまして十億円、繊維新法の制定に対応して、凍結
設備の廃棄と合繊紡の転換のための
融資資金として十億円をそれぞれ計上してあります。また
産業体制の
整備のためには、
融資対象を三十八
年度の乗用車
工業及び石油化学
工業のほか、新たに特殊鋼とフエロ・アロイを加えまして、金額も三十億円
増加することといたしております。
次に、日本
輸出入銀行でございますが、
輸出振興が
経済発展の基本的
要請でありますことから、その資金の
充実には特に
重点を置きまして、三十八
年度当初
計画より三百億円増額いたしまして、千六百億円の貸し付け
計画を予定し、このため、出資二百二十五億円、
融資七百十二億円、計九百三十七億円の財政資金を投入する
計画でございます。なお、三十八
年度の補正といたしまして、出資六十億円及び
融資四十億円を追加いたしまして、
運用規模を当初
計画の千三百億円に対しまして千四百五十億円に改定いたすこととしておりますので、申し添えておきます。
次に、
中小企業関係政府金融機関の御説明に移りますが、
中小企業対策については、
政府といたしましても最
重点を置いて各機関の
融資機能の
強化、
充実をはかることとしており、これらの貸し出し規模は、三十八
年度に比して二一%前後
拡大する
計画となっております。すなわち、
中小企業金融公庫につきましては、財政資金から
融資七百三十三億円、
政府保証債百億円を計上し、商工組合中央金庫には、出資三十億円及び財政資金による商中債の引き受け純増六十億円を
確保することといたしております。また、国民
金融公庫につきましては、財政
融資六百九十四億円を
計画しております。なお、商工組合中央金庫につきまして
長期年三厘
程度、短期日歩五毛
程度の金利引き下げを考慮しております。
次に、
電源開発株式会社についてでございますが、前
年度に引き続き大水力電源
開発の継続工事に主力を注ぎますほか、新たに
石炭の
長期引き取りを
確保するため、三十九
年度から
石炭火力発電所の
建設に着手することといたしまして、出資十億円及び余農資金を含めて
融資三百十七億円、外貨債十二億円、合計三百三十九億円の
財政投融資を予定しております。
次に、日本航空機製造株式会社につきましては、試作
事業のため四億円を出資し、また、量産
事業につきまして運転資金二十三億円を
政府保証によって調達することといたしております。
石油資源
開発株式会社につきましては、昨年に続きまして、油田及び天然ガスの
開発にかかる
民間調達の社債につきまして五億円を限度として
政府保証を付することといたしましたほか、海外におきまして原油
開発の重要性にかんがみ、新たに、それに要する資金二億円を出資する
計画でございます。
次に、
石炭鉱業合理化事業団でございますが、非能率炭鉱の終閉山と
合理化に伴う炭鉱離職者に対する退職金支払いを円滑に行なわせるため、財政資金三十五億円の
融資を行なう
計画であります。
産炭地域振興事業団及び鉱害賠償基金につきましては、すでに一般会計において御説明したとおりでございますが、財政
融資として、
産炭地域振興事業団に三十億円、鉱害賠償基金に五億円を予定しております。
次に、
金属鉱物探鉱融資事業団でございます。新たに
地質構造調査の
業務を行なうことにつきましては、すでに御説明したとおりでございましたが、探鉱資金の
融資業務についても
拡充をはかり、貸し出し規模を三十八
年度の十五億円から二十億円へと
拡大し、これに必要な出資二億円及び
融資十七億円を計上しております。
最後に、
機械類延べ払い
金融措置については、これに要する資金として四十億円を予定することといたしました。
以上をもちまして、はなはだ簡単でございますが、
通商産業省所管の一般会計、特別会計の
予算及び
財政投融資計画の御説明を終わります。
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