○滝井
委員 小山さんけっこうです。こういうように、あなた方がそこでやはり鳩首凝議をしなければ解決ができないような要素を持っておる。これは現場では毎日やっておるわけですよ。そこで、こういうように千三百もあるのですから、これはもう医者はもちろん、薬価
基準の登載をしておる本と首っ引きで、この薬は登載されているかいないかを見ますよ。ところが学名で記入されているのがあるし、それから売り名というのですか、称号で、普通の呼び名で出ているのがあるから、これは薬価
基準に登載されている薬かどうかということはわからない。私はしょっちゅう自分でやっているからわかっているが、それを探すのはたいへんなんだ。ですから、薬価
基準に登載されているのかどうかということを薬局に尋ねる。薬局だってわからぬ場合がある。そういう状態ですから、いま言ったように、なるほどアリナミンの散がなく、散が必要なときには砕いてやってもいい、そして、錠でいいということになれば、いまの問題が出てくるのです。あなた方のほうは非常にしゃくし定木に、その代替品がないとか、診療上やむを得ないとか言うけれども、医者のほうが診療上やむを得ないということになれば、それでいいわけです。そこで、私はまず第一にどういうことを言いたいかというと、厚生
大臣が定めた薬品以外は、私たちが使ったり処方してはならぬわけでしょう。そうしますと、医者は五つの薬を処方せんに書いた。四つは薬価
基準に載っておった。
一つは医者が載っておるかど三か知らぬけれども、とにかく処方を書いた。そしてその薬は載っておるものだと思っていた。いま言っておるように、アイロタイシンの百ミリの錠剤をその中に入れて、これが処方料を五・四だけ患者からもらった。そして薬剤師のところに行った。そうして薬剤師もそれが載っておるものだと思って出した。そうして請求書に書いた。そのときに、医者はこれはもう五・四もらっておる。わからぬから収入が入ってきます。ところが今度は薬剤師の診療報酬はどういうことになるかというと、基金の審査
委員会に行ったときにストップを食うわけです。四つについては載っているけれども、
一つが載っておらないからだめだ、こういうことになるのですよ。いま全部保留ですよ。そういう形になっている。こういう形になると、一体だれが迷惑をするかというと、医者でなくて薬剤師のほうが迷惑をするわけです。医者のほうだっていま言ったように五つのうち
一つか二つそういう載っていないもので出せばその請求書は保留ですよ。こういうことになるわけです。それで私はこういう制限をあまりやってはいかぬ、だからまず薬務局で認めたものはすなおに入れたらいいと言うのですよ。落とすものはこれは検討して落していいのですから、入れるのはもう検討が済んでいるのですから、落とすのはその後の変化で検討して落としてかまわない、入れるだけはさっさと入れてもらったらいい、古くなって陳腐になって使わぬものは、登載しておってもこれは使わないのですからたいして影響を及ぼさない。新しい医学、新しい薬学の前進をはかろうと思えばこれを早く入れてやらなければならぬということが
一つです。それを怠慢でやっていないということです。それからいま
一つは、地方の審査
委員会、ここにある程度の自主性を持たせるべきだと思うのです。一々保険局にお伺いを立てなければできないなんというのでは、現場の臨戦態勢に即応できないでしょう。だから今後少なくとも、地方の基金の審査
委員会にはあなたのほうの息のかかった技官が入っているのですから、この技官がやはりある程度裁量してどんどんやっていくということでいいのですよ。そんなものを一々中央に聞いて、そうしてまたその地方でやらなければならぬということにしなくても、そこである程度自由裁量にまかしていいのです。もう
熊崎さんのほうはパスしている薬なんですからね。それからいま
一つは、そういう問題があるのだから、これはやはり少なくとも二カ月か三カ月、おそくても半年に一回ぐらいはできた薬はどんどん追加していかなければいかぬですよ。過去の全面改正の実績をずっと見てみますと、二十六年八月、二十七年九月、二十八年八月、二十九年五月、三十年九月、三十一年九月と皆一年以内にやっている。ところが三十一年からが三十三年四月、三十五年六月、そして今度でしょう。もちろん途中で一部改正が行なわれておりますけれども、全面改正というのは今度なるわけです。三十五年の六月に全面改正をやって三十七年、三十八年、三十九年とこんなに長くなると、いま言ったようにこの薬で
医療費の増高というものが非常に大きく左右されることになります。やはりこれにしがみついているグループがあるのですから、これが一挙に切られるということは大きな政治問題になることは当然です。これを半年か三カ月ごとにやっておったら、そんな政治問題も起こらぬで済むわけなんです。そういう点で、むしろ春秋の筆法をもってすれば、現在のこの薬価
基準に
関連する政治問題は、
厚生省の薬務局と医務局の学問的なヒューマニズムの欠乏によってこういうものが起こった。しかもそれは、一切のしわが小山
保険局長にきておる。むしろ小山
保険局長は、自分は保険経済の頭があるわけですから、この人は保険経済のことを
考えればいいのです。やはり医学的なヒューマニズムを
考えるのは薬務局と医務局なんです。ここがやはり催促しなければいかぬ。その催促をやらなかったところにその両者の怠慢がある。そうしてその一切の罪は、哀れにも、気の毒にも小山
保険局長にきておる、こういうことになる。これはそういうことなんですよ。いまや小山さんが一切それをしょわなければならぬことになるのです。だから、そういう点は、やはりおか目八目じゃないけれども、保険経済の火の車の中でそれを一生懸命になっている人は、そんな外のことはわからぬですよ。もうわが道を行くよりしようがないのです。わが道を行く人に横からちくちく言ったって、そんな要らぬ世話をやくなということになる。だから小山さんがかっかとならぬうちに、あなた方が両方からやるということですよ。そうしてトロイカ方式で、三頭立ての馬が
神田厚生
大臣をきちっと乗せて、足並みそろえて前進する形をつくらなければいかぬ。あなたたち二人がぼんやりしていて小山さん一人がかっかしているから、
神田さんが落ちることになるのですよ。だから、そういう点はもう少し、学問を持つ側が経済を握る側に忠告をしなければいかぬということです。それをいままで、怠慢ですよ。どうですか、いま言った点について、これはもう死児のよわいを数えるにひとしいけれども、しかしこれは早く改めることが必要なんです。だから、追加するものは早く追加する、こういう形をとられるのかどうかということです。おろすものはおろすという、全面的な改正をするまではそれは待ってくれということでは私は了承できない。追加するものはまず追加する。全面的な改正の問題をまた
あとで一どうせ有沢さんの所見がありますし、これに基づいて公益
委員の見解がありますから、それをもとにしてまたお尋ねしますけれども、とりあえず前段の千三百種類についてはまず追加する、こういう
方針でいいのかどうか。これはもう全面改正をするまではそれは追加できませんということになれば、きょうはぼくは開き直らざるを得ないのです。