○小林
委員 自治大臣にお伺いいたしますけれ
ども、
自治大臣はきのう総理
大臣とお会いになっている。ここに書いてあります。それが約一時間にわたって
東京都政の問題を中心に
お話になっておる。その中で、昨年の十二月やった
自治省の監査の結果を主として報告をせられているのだけれ
ども、その監査の報告の中にこの水の
施設の問題については入っていない。大体
東京都なんてものは、都長官はいるけれ
ども都政なしというのが世間の風評で、東さんなんていうものが、有能な都長官だとはあまり大衆は
考えていない。いないだけに、やはり直属の監督官庁である
自治省というものの足もとですから
——それは県に行ったって、県知事が部長と一体になって、その足もとの県庁というものはやはり県知事が
指導しているように、
東京都となればやはり
政府の足下なんだから、
政府を代表した
自治省が、都政のあり方をやはり適時適切に監督していると思う。そこでカバーされるから、あの無能な東さんでもがまんしようか、そういう気持ちが言わず語らず都民の中にはあるのですよ。ところが、あなたの報告した監査の中には水問題が入っていない。先ほ
ども橋本君が言った。ことしじゅうには豊富になるとか言っていましたけれ
ども、
東京都の水が足りないことはことしに始まる話じゃない。去年、おととしの話です。
東京都というのは、春から夏にかけては水が飲めないのだというのが世界の風評なんですよ。香港の
水不足と
東京都の
水不足というのは、数年来世界の人口に膾灸しておる明らかな事実なんです。そういう明らかな事実の中にことしはオリンピックが行なわれる。去年の八月あたりから、来年のオリンピックにこの水はどうするのだというのは、みんなの
心配した問題なんですよ。いま少し
自治省というものが人並みの頭の回りがあるなら、昨年の監査あたりに、ことしのオリンピックを予想して、水の問題はどうするかということが監査の結果に出ていなければならぬ。出ていないじゃないですか。しかもあなたの報告を見ると、昨年六月の二十四万トンを八月に二十六万トンに上げたというが、どろぼうをつかまえてなわをなうというのはその話なんです。あなたの話を聞いていると、みな、どろぼうをつかまえてしまってから、さあ、なわをなおうかというそれだけの話です。問題は、いまどろぼうが出てきたのじゃないことです。このどろぼうが来るぞという話は、いま言うように数年前から明らかになっている事実なんです。私は無能な都長官のその無責任を痛感するばかりか、
政府、
自治省の
指導権、監督権、監査権のずさんを責めなければならぬと思っている。どうですか、あなた、この点責任をとりますか。県知事に責任があれば、みずから辞表を出してやはり県民におわびするくらいの責任感がなければ、
自治大臣はつとまりませんよ。いかがですか。きのうのあなたの
お話の中にも、監査の結果が出ていないのですが、それはどうなんですか。その問題が
一つです。いままで
東京都が怠慢であったのを、いまここでどろなわ式にやっておるのが了承できない、これが
一つです。
いま
一つ。いま
大臣のしゃべっていることの中で
一ついいことがある。それは「膨大な都政を改善するためには
指導者の強力な
政治力が必要である」、これがいいところなんですよ。その都政の中に強力な
指導力がないというのが、一番の大きな間違いです。私は、いまここで政党
政治の問題を持ち込んでやろうというのじゃありませんが、これは私
どもがかつて有田八郎という強力な
政治力を持つ人を都知事にあげたときに、この人でなければ腐敗した都政の改革
——これは政党問題ですから触れませんが、
一つの例として申し上げることは、こういう強力なものでなければ、このマンモス化した都政の改革はできないということをわれわれは都民に訴えてきた。いみじくもあなたは言われた。だから、これは強力な
政治力と強力な
指導者が必要だ。これを裏返せば、いまの都のトップ・マネージメントといいますか、都庁の中に強力な
政治力がないということをあなたが明らかに言われていると解釈した。いまあなたは首を振ったが、あなたの首の振り方が気に入らぬ。もし私の解釈どおりならば、
自治大臣としてのあなたはそのものずばり、いいことを言っておられるけれ
ども、これが何を意味しておるのか。やはりいまはことばに衣を着せるようなじょうずを言っているときではない。毎日毎日、われわれは朝から御飯も食べない、水も使えないというような悲惨な
状況で、バケツを持って町の中を飛び回っておる。全都民ではなく、一部分の者ですが、飛び回っている。戦争中竹やりやバケツを持って訓練したのと同じようなやり方をしている。戦争中の
状態をいまここで繰り返している
状態なんです。そこをあなたはずばり、いわゆる
政治力がないなら、ないから東君やめたらどうか、それならばひとつ強力な
政治力でも体制でも築き上げてやろうじゃないかという心づもりだろうから、あなたが
政府になりかわって、きちっと言わなければならぬ。これが二つ目です。
いま
一つの問題は、ここにありますけれ
ども、その
一つの例ですが、こうやって世間をごまかすように臨時
東京都渇水
対策本部というものを去る七月十七日に設けている。発足以来一度
会議を開いただけで、二週間全く開店休業の
状態を続けている、こういうようなことを言われておる。それに対する批判の声が都民の中からあがっている。「この
対策本部は、今回の異常渇水に
東京都の総力を結集して対処しようと、設置要綱まで定めて発足したもので、メンバーは知事をはじめ副知事、
水道局長、同局次長、広報室長、衛生
局長、建設
局長、教育長、消防総監の九人。」まで含めている。あなたのおしやるようなトップ・マネージメントというものは、これで見ると言えないでしょう。こんなものを作っただけで、ほんの宣伝だけで一回会合を開いて何もやらない。もしあなたたちが
ほんとうに監査、監督をするというならば、なぜこういうやり方を適時適切におやりにならないのでしょうか。なぜ
指導をおやりにならない、なぜ監督をおやりにならない。もし
自治省というものがあるならば、こういうことはやはりきちっと言わなければいけません。
以上三つの問題について、ひとつお答えをいただきたいと思います。