○伊藤(よ)
委員 ただいま議題となっております
毒物及び
劇物取締法の一部
改正の
法律案に
関係があると思いますけれ
ども、広く言って
保健所の事務のことにも
関係してまいりますし、ちょっと緊急な問題でございますので、一言御
質問を申し上げたいと存じます。
最近、御承知のように、輸血による血清肝炎の頻発から、あらためて売血制度が問題になってまいりまして、いわゆる黄色い血だとかよごれた血だとかいうような見出しで盛んに
新聞等で取り上げられてまいりましたし、先日は参議院の社労でもこのことを問題として取り上げられたようでございますが、当然これは
衆議院の社労
委員会の問題として取り上げて、これの解決をしなければならぬ問題ではないかと考えるわけでございます。
私がいまさら申し上げるまでもないことでございますけれ
ども、売血の問題はだいぶ以前から問題になっていたことでございまして、今日医学の発達によって、従来は死病だとされていたものが手術によって命を食いとめるようになり、当然のことでございますけれ
ども、輸血の需要が高まってまいっているわけでございます。今日こういうところへ追い詰められない先に、私はいままでに厚生省として何らかの
行政指導がされるべきであったと考えますし、その点について、いままでたいへん手抜かりと申しましょうか、見過ごされてきたのじゃないかと思うのでございます。今日、御存じのように、
新聞なりあるいは資料によりましても、売血によるものが現在の輸血の中でほとんど九〇何%くらいになっているようでございます。こういうことから今日のような事態が起きてくるのは、私は必然じゃないかと思うのでございます。そこで、このいまの売血制度というのができましたのは昭和二十六年でございますが、そういうこと
自体、本来で言えばかなりこれは非人道的なことじゃないかと思うのですけれ
ども、いままで、やむを得ないからというようなことでずっと今日まできておるのでございますけれ
ども、売血者のほうの側から言えば、大部分の人がいわゆる常習の売血者のようですが、貧困のためにやむなく血を売り、そしてずるずると売血を行なっているというようなことで、本人もたびたびとるのはからだによくないということを知りつつも、現在の血液銀行などの勧誘に
引きずられて続けているというようなことが多いのではないかと思います。こういうことから、売血者のほうの側から言えば、貧困、売血、そして廃人、そしてまた貧困というようなコースが続いているわけでございまして、これを受ける側からは、当然のことですけれ
ども、せっかく血を買って輸血をしてもらいましても、それが黄色い血だとかよごれた血だとかいって輸血による効果も少なくなる上に、また、たいへんいま問題になっている血清肝炎というようなおそるべき病気が非常に発生しているのじゃないかと思います。また統計によると、現在ではそれが輸血の二、三割にもなるじゃないかというようなことをいわれております。これは、私はたいへん大きな問題だと思うのでございます。先日、二十三日でございますか、閣議でも
小林厚生大臣が、献血制度の推進について、国の具体的な対策が欠けていたことは事実であって、血液
行政の転換をはかる考えを明らかにされたということを
新聞の記事で拝見したのでございます。おくればせながらこういうことを厚生省でもお取り上げになって、対策をおやりになるということはたいへんけっこうでございますけれ
ども、どうも
新聞で拝見しただけでは、解決はなかなか容易ならぬことだと思うのでございます。この点について、国会も休会になりますので、私
ども国に帰りましてこの問題はどうなったと聞かれた場合に実は答弁に困るわけでありまして、厚生省は具体的にどういう対策を持っておられるか、その血液
行政の転換をはかる考えを明らかになさったということでございますので、それについてお伺いをしたいと思います。