○
八木(一)
委員 厚生大臣に御
質問を申し上げます。
いま
局長の
答弁では、
大蔵省の
意見のみならず
厚生省もそうだ。そういうような
考え方をやめてもらわなければいけないと思います。
貸し付け金の返済というものは、第一義的というのみではなしに、全部
本人の
責任というのが、
貸し付けというものに対する条件として、そのほとんど全部ということが言えると思う。それを
保証とかなんとかいうようなものをとるということは、これは第二義、第三義、ほとんど意味をなさないものだと思う。
本人が返すことが一番大事なんだ。
保証人に
保証させて、
貸し付けが返済できないときにそれを回収するということは、普通の、たとえば
商業取引であるとかあるいはそういうような
経済上の
状態のときには、そういうことで
商習慣で方々でやられております。
政府の
貸し付けでもそういうことをやられるのをあえて否定するものではありませんけれ
ども、こういうような
母子福祉という問題についてそういうことをやられるのは、
母子福祉という問題の本質を没却することになろう。
母子家庭が非常に貧しい
生活をしている。そしてまた、その
つき合いも貧しい
生活をしている人しかない。そういうときに、
保証人をとろうとすればなかなかとれない、とることができない。いま、その
保証人を置いておくことは認めて、実際問題で解決されようとする
——数年前から
母子家庭同士の
相互保証ということをやられておることを、私
どもも、
伊藤先生も、
小林先生も、
長谷川先生も存じておりますけれ
ども、それにもかかわらず、この前も、与党の
先生方もこの問題について
附帯決議をつりられた。その本旨を、
大臣も
局長も、
ほんとうに真剣に
考えていただかなければならないと思う。
相互保証ということであれば、同じ苦しんでいる
母子家庭同士の
保証になります。
母子家庭同士の助け合っている中の
つき合いで、
保証を頼まれた人はいやですとは言いにくい。いやですとは言いにくいけれ
ども、もし片一方の人が返さなかったときに、
自分のほうもぎりぎりの
生活をしているのに返さなければならないのではないか。
——局長、調べるのはあとでいいから、ちょっと見てください。
大臣、聞いてからあと、間を置いて調べて
答弁してください。そういうことです。その
貸し付けの
保証をするときに、
お互いに苦しんでいるから断われない。断われないけれ
ども、ある人が返せなかったら、あの人に何かの災害が
ほんとうにいったときにこっちにかかってくるのではないか、その心配が絶えません。実際は、そういうことがなくとも、子供と一緒に苦闘している人に、そういう心配をかけること自体が悪いのです。また今度は、頼むほうの人も頼みたい
保証人がない。
相互保証でこの
母子家庭に頼めばできると思っても、そういう心配をほかの
母子家庭にしてもらわなければできないと思ったら、気の弱い人は頼めない。せっぱ詰まって頼んでも、その人についての気がかりが残って非常に不幸になる。
母子家庭に対する
政府の政策が非常に劣悪で。
母子家庭がその中で苦闘しているときに、実際上
関係のない、そういう
保証というような精神的な重圧をかける必要がどこにあるか。あなた方は、実際
保証しても
保証人から取ったことがないとさんざん
答弁している。
保証をとるということは、
貸し付け金の返済のための条件で
保証をとる。それにしては実際上しておられない。しておられないことを形式的に残して、
母子家庭にそのような精神的な重圧を与えたり、そしてまた実際
貸し付けられないような
状態に置く、そういうことが厚生行政ですか。それくらいのことは
大蔵省の若い連中を説得して、おまえら間違っている、
厚生省のいうとおりやれということが説得できなければ、
大臣も
局長も
責任を保ったとは言えない。その熱意がなくなっている。これでは厚生行政をまかすわけにはいかぬ。半年越しの問題を、そのような
答弁でごまかすというようなことは許されない。
厚生大臣の御
答弁をお伺いしたいと思います。