○滝井
委員 私もちょっといまの点、質問しようと思って準備しておりましたので、時間の関係でちょっと
関連させて聞いておきたい。
御存じのとおり、この条項は、御丁寧にさかのぼってことしの一月一日から実施することになるのですよ。それでこれは二十四万人
程度対象者があるわけです。七万を八万に引き上げないと、二十四万人
程度の人が没になってしまう。だからこれを急速に救済しなければならぬ、こういうようなことなんです。それならば、一体なぜ恩給を引き上げるときに、そういうことも見越して初めから八万円にしてあげないのかということです。私の言いたいのはここなんです。いいですか、一昨日も中小企業の退職金の共済法の
審議のときに言ったように、
一つの制度できちっとやればいいものを、わざわざちょぴりちょっぴり恩典に浴さしていくのですね。そういう制度は一体事務的にどういうことになるかというと、その恩典に浴する人になってみれば、福祉
年金のほうの事務の手続をしなければならぬ、今度は恩給の事務の公務扶助料の手続をしなければならぬ、併給の事務の手続をしなければならぬ、こういうふうにその末端の貧しい人たちが、これは二通りも三通りも事務の手続をするというのはたいへんですよ。役場に行き、それから戸籍謄本を取りに行くというように、右往左往して、こういう事務はなかなか複雑だからわからないのですよ。こういう制度はつくるべきではないと思う。どうせ国のお金を七万円から八万円に上げなければならぬということなら、公務扶助料を八万円にしたらいい、そうして
年金との併給をやめてしまう、こういう制度をとるべきだということを何回もこの制度ができるときから言っている。それをやらずに同じようなことをやっている。そうして二十四万人の人を、いかにも自民党の出した金で恩典に浴させたような形で選挙のときにひっかけて出す。これは選挙
政策以外の何ものでもない。私はこういうけちな選挙
政策はとるべきではないと思うのです。これは全く党利党略なんですよ。それならば初めからもう事務の簡素化をやって、はっきりさせるために八万円をおやりになったらいいでしょう。
大臣がいま御理解がいったならば、むしろこの条項を削除して、この
国民年金法の附則で公務扶助料を八万円にする、こういうようにしたほうがすっきりするんですよ。私は今度はそうすべきだと思う、
大臣もいま理解がいったならば……。国の金を差し上げるのは同じことなんです。そうして他の公的
年金についても上げなければならないことは当然なんですから、これは上げるべきなんです。それをめんどうくさい、大衆にわかりにくい
ことばかりして、役人の権限を拡大している。そうして事務的には大衆、
国民に多くのめんどうを与えるという
政治は——民主主義というのは、それはめんどうくさい、あるいは忍耐が要りますよ。要りますけれ
ども、こういう事務的なめんどうくさいことと忍耐を大衆にしいるべきではないと思う。理屈はそうですよ。どうしても国の金を七万から八万に上げなければならぬ、これが国家に生命をささげた御遺族に対する当然の帰結だとすれば、初めからあっさり八万円出して、こういう
年金と併給してやるような形をとるべきではない。一方で君らに恩給を七万円やるのだが、もう一ぺん自由民主党はその恩典に浴させるんだぞという、こういう何か当然のことを、あたかも押し売りをして特別にしてやったような形をとるべきでない、そういうニュアンスが強いわけです。そうして大衆にいたずらに事務的に混迷をせしめるべきではない。これはうちの党にもはかって、今度むしろ修正したいと思うのです。
予算はちっとも変わらないんだから……。
年金の金を移しかえてでも当然すべきです。こういうめんどうくさい
法律をいつもいつもつくって、そうしてわれわれのような忙しい者にこういうことで頭を使わせて、国
会議員の能率の面からいってもこういうことはやめるべきですよ。そういうことを
年金局長が抵抗できないところに、いまの
政治の堕落、腐敗があるわけです。
大臣どうですか、十分おわかりになったというならば、そういう方向でものごとを解決すべきで、何もあなたのやらなければならぬ
社会保障が、恩給に類似する公務扶助料でどうしてもやっていけないという人がある場合に、これを併給する必要はない、しかもわずかに千円以下の金を併給しようというんですから。それならば、初めから同じ金を出すのなら一本で出したほうがいいが、それはどうですか。