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田中(織)
委員 関連して。総務長官、実は問題の山形県のみならず、富山、石川、神奈川、東京、宮崎、長崎、これは総理府の、もちろん行政官庁を通じての調査でありますけれ
ども、いわゆる該当事項なし、こういう回答があがってきておるのであります。私
どもの調査、ことに
審議会の専門の調査員が現地へ出向いた調査報告もあがっておると思うのですけれ
ども、山形の例をとりますと、たとえば米沢市にある部落の問題につきましては、いまから七、八年前にその部落から実は米沢の市会に対しまして
請願が出ておるのです。その
請願が採択になっているのですね。ところが何らの処置もしないのでありますけれ
ども、そういうのがいま
八木委員が申し上げたように六カ所あるわけです。県の担当官等はやはり現実にあるのですけれ
ども、県の方針としてあるということを上へあげるわけにはいかないのだ、こういうことを私
どもの聞いておるところでは言うておる。それでこの問題は、昨年でありましたか、やはり社会労働
委員会で同和問題を、取り上げたときにも、これはことに内閣に
審議会ができており、所管が総務長官ということになっておりまするけれ
ども、
官房長官の黒金君の選挙区の問題なんです。それだから何か
官房長官のほうから、そういう報告をあげたらいかぬというような政治的な圧力でも山形県に加えられているのではないかということも、これは昨年も取り上げられたのですけれ
ども、その後
審議会で専門
委員が参りまして、県と、こういう事実があるじゃないか、それはそのとおり関係の部落はあるのでございます。しかし県は上へあげるわけにはいかない、こういうことのようなんですけれ
ども、そういうような点についてまで総務長官がお調べになっているのかどうか、この際伺いたいと思うのです。私
どもはこれはなせ特に部落の実態調査の上に、いま
審議会が――これは後ほど
八木君からもまた私からも
質問をいたしまするけれ
ども、
審議会の設置期間である本年の八月までに総理
大臣からの諮問事項に対する答申案が出るわけです。その答申案が出る場合に、部落の実態というものが現実に存在するにもかかわらず、そういうようなものがないというような調査の上に立って、
審議会で答申を出されるということになりますと、この問題は、
審議会の答申そのものも完ぺきなものになりませんし、かりに
審議会の答申が出て、それを実施していただいたといたしましても、こういう地区が漏れているということであれば問題を将来に残すことになるわけなんです。それだけではなくて、現実には
同和対策の関係で
昭和三十二年以来、自治省の関係で、これも別に自治省には伺いますけれ
ども、特別交付税というものが出ております部落の数、人口その他の関係から見て関係の市町村、府県における財政需要にこたえるために特別交付税というものが
同和対策関係で三十二年以後毎年三億数千万円ずつ都道府県分と関係の市町村分の両方を合わせますならば六億から七億をこえる特別交付税というものが現に自治省において交付せられておるわけです。そういたしますと、山形県などはこの特別交付税の対象にならないということになりますれば、これは重大な問題になります。それからこの調査の関係から見ますならば、たとえば福岡県に対する調査の関係にいたしましても、総理府の昨年の十一月末ですか、集計せられたものによりますと、約五百以下の部落数しかあがっておりません。ところが現実には七百近く実はある。人口にいたしましても約八万ぐらいの関係人口の
数字の食い違いがある。総理府にあがってきておりますものは少ないわけなのです。そういうことになりますと、特別交付税の配分についても、あるいは算定の基準につきましても狂いが生じてくるわけです。これは私、それでなくても不平等な扱いをされているものの中に、さらに不公平な扱いをされるというものが残ることになるので、この調査の正確を期するという点を、われわれとしては非常に重要視いたしておるのでありますが、特に山形県の場合は、そういう関係で、
八木君の手元には現地から、部落があるということの、山形県から私
どもへまいりました手紙も実は来ておるわけなんです。調査員の野本武一君という人の、
審議会から派遣された調査報告もあがっておると思うのですけれ
ども、いまだに山形県からそういう報告があがっていないように私
どもは聞いておるのでありますが、これは非常に重要な問題です。何でも聞くと、昔の何とかいう県令の時代に、当県にはそういうものはいないのだということを県令が布告をして以来、これは西日本にあります部落よりももっと劣悪な
状態に現実には置かれておるのでありますが、そういうものに対して何らの施策もしていないということになるので、これはきわめて重大な問題だと思うのです。それで昨年も
委員会で取り上げましたけれ
ども、いまだにあがってこないという点から見るならば、
官房長官はどうも政治的圧力を加えておるのじゃないか、こういうふうに関係者の間では言われておるのでありますが、総務長官はこの事実に対して御存じかどうか、この事実に対してお調べになったことがあるのかどうか、関連でお尋ねしたいと思います。
野田政府委員 先ほど
八木委員からの
お話を承りまして、非常に重大だと思って拝聴いたしました。さらに
田中委員からの重ねてのお尋ねでございますが、事務当局から一応は聞いておりましたが、はっきりいたしませんでしたからお答えできながったのです。大体その後
委員会その他で非常にこの問題が取り上げられて、しかも
審議会といたしましても、重要性ばかりではありませんで、
政府としてもこの施策をやります場合に、これらの欠陥のあることは非常に困ることなのです。そこで、いま事務当局にただしてみました。特に山形県をおお示しになりましたが、私は
お話を承っているうちに、黒金
官房長官云々という
お話が出まして、黒金長官の人格を私は信頼いたしておりますから、絶対そんなことはいない、政治的圧力をかけるようなことは実はないわけでありますが、たまたまいま事実を聞いておりますると、山形県は大体専門の
委員が調査いたしましたことにつきまして、いまお示しになりましたようないききつがございましたので、さらにこの点深く県当局と打ち合わせをいたしまして、また事実調査も重ねてやりました結果、県当局におきましても、この
審議会の専門
委員の調査による報告を提出しても異存はないと認めたわけです。だから、それまで山形県の問題は非常に大きな問題で、いまいろいろの御想像がございまして、私は最初
官房長官がそんなばかな圧力をかけることはないと思っておりましたが、やはり事実山形県におきましても、専門
委員の調査をそのまま提出してもよろしいという報告がきているそうでございますから、その点を特に御留意願います。
また、さらにいまおあげになりました各県の情勢も、一応現在のところの県の調査の問題についてお答えいたしたいと思いますが、宮崎県と長崎県につきましては、大体調査を報告するという段階までまいりました。それから福岡県につきましては、いま御指摘のような点があったようでございますが、さらに
審議会からこれについて連絡をいたしました結果、県当局が再調査を行なうからしばらく報告を待ってくれということでございますから、大体福岡県の問題も一応最近めどがつきはしないかということを思っております。大体現在総理府に報告を受けております。いま御指摘の各県との関係は、漸次県当局と話し合いを進めまして調整いたしておりますから、近く具体的に御報告ができる、こう思っております。