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小林委員 いまお話のありましたとおり、まだ四十八時間の第一号も批准できないような未成熟なわが
日本の
労働行政であります。
政府側としては、確かに四十時間、週休二日に、おこがましくも賛成するということもできない、おもはゆい気持ちで棄権されたであろうという、そういう心情もわかります。それはわかりますけれ
ども、そのILOの場において、いまも言うように、いわゆる先進国の間に四十時間、週休二日が論じられているときに、しかもILOは国際機関の中では最も権威のある機関です。その機関の、しかも第一号だ。第一号というと、本を開けば巻頭文じゃありませんか。ILOを開けば、巻頭文に当たる一番大切な第一号ですよ。その第一号の条約さえも批准できないということは、私は国家の醜を天下にさらしているものであるといわなくちゃならぬと思う。よくILOの常任
理事国なんかお受けになりましたね、恥ずかしくもなく。いやしくもILOの常任
理事国であるならば、ILOの精神を守り、できるだけ各条項を正しく
実施するという指導的役割を演ずる責任がありますよ。その責任の地位にあるわが
日本が、その第一号の条約さえも批准できないというがごときは、もって私は何をかいわんや。
時間がありませんけれ
ども、なおいま
春闘を
戦い抜くいま
一つの大きな柱の中には、わが国の
労働災害の問題がある。いま
労働者は生命の危険にさらされておりますが、その問題からどう一体わが身を守るかという問題が、同じく
春闘の柱になっております。それはまたあとでゆっくりひとつ御
質問申し上げることにいたしまして、いま申し上げた
春闘の
三つの柱、
ヨーロッパ並みの大幅の
賃上げを獲得する、
最低賃金制の
確立を望む、時間の
短縮という、この
三つの
要求もいまこうやって
労働大臣と話をしてみれば、いずれも無理からぬ
要求であります。未成熟なわが
日本をそのまま露呈している。
労働者の
要求がちっとも間違っていないということは、
大臣の
説明を通じて明らかになったじゃありませんか。それをやらないで、わが
日本自身、
政府自身が、われわれに言わせればサボタージュをしているということまでが明らかになっている。これはあなた方は了承せられぬかもしれませんが、われわれは
説明の過程を聞いていけばそのとおり解する。
政府の側にこそ、経営者の側にこそ、管理者の側にこそ大きな間違いがあるということがわずか一時間の問答のうちに明らかになったじゃありませんか。こういうことはやはり
政府も真剣に
考えて、いま少しわが国の
労働行政というものに本腰を入れて私は
政府に取り組んでいただかなければならないと思うのであります。
春闘の問題はこれで、不満足でありますけれ
ども、問題を次に残しまして、差し迫っているILOの問題をひとつお尋をいたしたいのであります。
ILOの問題は、これは
大臣がおいでになりませんが、この前、外務
大臣がILOに対する
見解を御発表になりました。あの外務省の発表は、
労働省の発表とやや
見解が異なっておるようでありますが、いかがでございましょう。外務省と
労働省との
見解の相違点なきや。