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長谷川(保)
委員 いまいろいろと議論をいたしましたように、私は、この額では病人を養う食事には足らぬということを思うのです。これは、ただに
国立療養所だけではありません。私がある日赤
病院から来た
患者、また、私のやっております
病院からある社会保険
病院に移ってまいりました
入院患者、それらの人々から、私にではなくして、直接うちの
病院の当局に会って話を聞きました。食糧が問題にならぬという話を聞きました。つまり、どこもこういう単価に押えられている。そのために、ほんとうに病人を大事にする——先ほどの浅沼裁判長のことばで言えば、人情という立場から、ほんとうに道徳的に、人情的にやっているところ、愛情を込めて病人を大事にしているところでは、やむなく相当な額をプラスしてやらざるを得ぬことになってやりますからいいけれ
ども、この額に押えられておりますところでは、問題にならぬという食事にならざるを得ない。そういうことから朝日裁判が起こってくる。私は、先ほど申しました百五十円の食事を出しているところ、これをしからないでもらいたい。絶対にしからないでもらいたいということを条件にして、ずばり申し上げます。朝日裁判、岡山
療養所、それが正しいのだ。岡山
療養所の所長に国会は賞状を贈らなければならない。それがほんとうなんです。それだから、
大臣もお聞きのように、私は、これらのことがあるいは朝日裁判を有利に解決するために、
厚生省がひそかに
療養所の所長と話をして、実地
調査に行くであろうそれらの裁判をごまかすために、意図的にそういうことをやっているのではないかと想像もしたのでありますけれ
ども、私はそういう想像をするよりも、むしろそれが人間的なんだ、それが正しいんだ。皆さんの家で皆さんが病気になったときに、奥さんが、はたして百二十三円の材料費でもってやるというようなことが考えられるであろうか。皆さんが
療養所に入ったときに、その食事でいいというように考えられるであろうか。そこに、いま
在宅患者の中に
感染源となっておる者がたくさんおるけれ
ども、それが
療養所にはいれなくて、国でつくった
療養所が二〇%も
空床になっておるという
一つの
原因がある。それだから、こういうものを
大臣はすみやかに変えるべきである。私は次のときに、また国会が予算を審議したんだからというようなことを言われては困る。われわれは不満である。おそらく自民党の諸君も、こういうようなことは不満だろうと思うのです。それだから、これが六万何千人か入っておりますけれ
ども、一人一人の
患者にとりましては毎日の重大な問題なんです。
大臣お聞きのように、この問題はもっと正しく解決してもらいたい。単なる言いのがれだけではなしに、解決してもらいたい。岡山
療養所をしかられては困ります。岡山
療養所につきましては、私は、このことをここで申し上げました責任上、今後連絡をとってまいります。
厚生省がしかって、これを下げさせるようにすると言うなら、私も腹をきめて
厚生省とけんかいたします、戦います。それが正しい。その
療養所長には、これはむしろほうびをくれて、これだけにやはり苦労をして人間的な扱いをしている
療養所長を、朝日裁判をごまかすということでなければ——おそらくないだろうと思いますが、私はほめるべきだと思います。これだけ苦労をして
患者を大事にしているということは、容易なことではなかろうと思うのであります。どうかこれらのことについて、十分にお考えをいただきたいのであります。
だいぶ時間がおそくなりましたのですが、もう
一つこの
結核問題で伺っておきたいことは、耐性菌の
患者の問題であります。これはおそらく、開業医諸君が菌の耐性の検査をしないで
化学療法をしていらっしゃると思うのです、大部分の方々が。これは幾らやっても、もちろんそれでは効果はあげないわけでありますから、これらに対して、最近の
医療費の騰貴の状況をずっと分析して見ていっておると、やはり薬剤費というものが相当大きくなってきておる。国民
医療費の分析をしてみますと大きくなってきておる。そういうようなことをも考えまして、また、その耐性菌を持っている
開放性の
患者が、
療養所へ入らずに
在宅患者としてたくさんおるということになりますと、これは容易なことでないのでありますが、これらが今度の
結核実態調査でどういうようなことになってきておるだろうか、それを伺いたいのであります。