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1964-01-28 第46回国会 衆議院 社会労働委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    国会召集日昭和三十八年十二月二十日(金曜 日)(午前零時現在)における本委員は、次の通 りである。    委員長 田口長治郎君    理事 井村 重雄君 理事 小沢 辰男君    理事 亀山 孝一君 理事 澁谷 直藏君    理事 田中 正巳君 理事 大原  亨君    理事 河野  正君 理事 小林  進君       浦野 幸男君    大坪 保雄君       熊谷 義雄君    倉石 忠雄君      小宮山重四郎君    園田  直君       高橋  等君    地崎宇三郎君       中野 四郎君    西岡 武夫君       西村 英一君    橋本龍太郎君       藤本 孝雄君    松浦周太郎君       松山千惠子君    粟山  秀君      山口喜久一郎君    渡邊 良夫君       亘  四郎君    五島 虎雄君       島口重次郎君    滝井 義高君       只松 祐治君    千葉 七郎君       泊谷 裕夫君    長谷川 保君       八木 一男君    吉村 吉雄君       本島百合子君    吉川 兼光君       谷口善太郎君 ————————————————————— 昭和三十九年一月二十八日(火曜日)    午前十一時三十五分開議  出席委員    委員長 田口長治郎君    理事 井村 重雄君 理事 小沢 辰男君    理事 亀山 孝一君 理事 大原  亨君    理事 河野  正君 理事 小林  進君       熊谷 義雄君    高橋  等君       渡海元三郎君    中野 四郎君       西岡 武夫君    西村 英一君       橋本龍太郎君    松浦周太郎君       粟山  秀君    伊藤よし子君       滝井 義高君    八木 一男君       山田 耻目君    吉村 吉雄君       本島百合子君    吉川 兼光君       谷口善太郎君  出席国務大臣         厚 生 大 臣 小林 武治君  出席政府委員         厚生政務次官  砂原  格君         厚生事務官         (大臣官房長) 梅本 純正君         厚生事務官         (大臣官房会計         課長)     戸澤 政方君         厚 生 技 官         (公衆衛生局         長)      若松 栄一君         厚 生 技 官         (環境衛生局         長)      舘林 宣夫君         厚 生 技 官         (医務局長)  尾崎 嘉篤君         厚生事務官         (薬務局長)  熊崎 正夫君         厚生事務官         (社会局長)  牛丸 義留君         厚生事務官         (児童局長)  黒木 利克君         厚生事務官         (保険局長)  小山進次郎君         厚生事務官         (年金局長)  山本 正淑君         厚生事務官         (援護局長)  鈴村 信吾君         社会保険庁長官 大山  正君  委員外出席者         専  門  員 安中 忠雄君     ————————————— 十二月二十日  委員五島虎雄君、島口重次郎君、只松祐治君、  千葉七郎君及び泊谷裕夫辞任につき、その補  欠として高田富之君、山口シヅエ君、伊藤よし  子君、山田耻目君及び八木昇君が議長指名で  委員に選任された。 一月二十八日  委員松山千惠子辞任につき、その補欠として  渡海元三郎君が議長指名委員に選任された。 同日  委員渡海元三郎辞任につき、その補欠として  松山千惠子君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 一月二十日  労働災害防止に関する法律案内閣提出第六  号) 同月二十七日  老人福祉法による養護施設町村職員退職手当  組合負担金国庫補助等に関する請願小沢辰男  君紹介)(第二六号)  原爆被害者救援に関する請願山田彌一君紹  介)(第二七号)  同外二件(高見三郎紹介)(第一七二号)  生活保護基準引き上げ等に関する請願岩動  道行紹介)(二八号)  同(臼井莊一君紹介)(第二九号)  同(大泉寛三君紹介)(第三〇号)  同(神田博紹介)(第三一号)  同(四宮久吉紹介)(第三二号)  同(島口重次郎紹介)(第三三号)  同外一件(島村一郎紹介)(第三四号)  同(進藤一馬紹介)(第三五号)  同(田澤吉郎紹介)(第三六号)  同(南條徳男紹介)(第三七号)  同外一件(原田憲紹介)(第三八号)  同(福井勇紹介)(第三九号)  同(三原朝雄紹介)(第四〇号)  同(毛利松平紹介)(第四一号)  同(八木徹雄紹介)(第四二号)  同(山口喜久一郎紹介)(第四三号)  同外二件(山田彌一紹介)(第四四号)  同外二件(山手滿男紹介)(第四五号)  同(田中伊三次君紹介)(第四八号)  同(金丸徳重紹介)(第六〇号)  同(鯨岡兵輔紹介)(第六一号)  同(田邉國男紹介)(第六二号)  同外二件(中村幸八君紹介)(第六三号)  同外一件(早稻田柳右エ門紹介)(第六四  号)  同(賀屋興宣紹介)(第九七号)  同(金丸信紹介)(第九八号)  同(木村武千代紹介)(第九九号)  同(櫻内義雄紹介)(第一〇〇号)  同(澁谷直藏紹介)(第一〇一号)  同外二件(田口長治郎紹介)(第一〇二号)  同(田中龍夫紹介)(第一〇三号)  同外三件(竹山祐太郎紹介)(第一〇四号)  同外一件(福永一臣紹介)(第一〇五号)  同外八件(藤井勝志紹介)(第一〇六号)  同(坊秀男紹介)(第一〇七号)  同(谷垣專一君紹介)(第一〇八号)  同(秋田大助紹介)(第一三六号)  同(小川半次紹介)(第一三七号)  同(倉石忠雄紹介)(第一三八号)  同(田中正巳紹介)(第一三九号)  同(塚原俊郎紹介)(第一四〇号)  同外十二件(内藤隆紹介)(第一四一号)  同外十三件(三池信紹介)(第一四二号)  同(粟山秀紹介)(第一四三号)  同(小笠公韶君紹介)(第一七七号)  同(大石八治君紹介)(第一七八号)  同(草野一郎平紹介)(第一七九号)  同(鯨岡兵輔紹介)(第一八〇号)  同外一件(高見三郎紹介)(第一八一号)  同(床次徳二紹介)(第一八二号)  同外一件(古川丈吉紹介)(第一八三号)  同(岩動道行紹介)(第二三三号)  同(宇野宗佑紹介)(第二三四号)  同(加藤精三紹介)(第二三五号)  同外三件(小坂善太郎紹介)(第二三六号)  同(田中伊三次君紹介)(第二三七号)  同(増田甲子七君紹介)(第二三八号)  国民健康保険に対する国庫負担増額  等に関する請願外十七件(竹下登紹介)(第  四九号)  同外十七件(周東英雄紹介)(第五八号)  同外七十四件(田中龍夫紹介)(第五九一  号)  動員学徒犠牲者援護に関する請願内海精君紹  介)(第五七号)  原爆被害者援護法制定並びに原子爆弾被爆者の  医療等に関する法律改正に関する請願田口長  治郎君紹介)(第七三号)  同外一件(高見三郎紹介)(第一七三号)  児童福祉施設従事職員処遇改善等に関する請  願(三田村武夫紹介)(第七四号)  同(原茂紹介)(第二四〇号)  同(廣瀬正雄紹介)(第二四一号)  同(西村英一紹介)(第二四二号)  清掃事業に対する国庫補助増額等に関する請願  (齋藤邦吉君外一名紹介)(第八〇号)  医療費窓口全額現金払い制反対等に関する請願  外一件(滝井義高紹介)(第一二三号)  保育事業に関する請願倉石忠雄紹介)(第  一二六号)  母子栄養改善強化並びに児童福祉施設栄養士設  置に関する請願八田貞義紹介)(第一二七  号)  同(福田赳夫紹介)(第一八四号)  同(星島二郎紹介)(第一八五号)  国民健康保険制度改善に関する請願赤澤正  道君紹介)(第一三四号)  同(徳安實藏紹介)(第一七六号)  国民健康保険制度改善促進に関する請願(丹  羽喬四郎紹介)(第一三五号)  失業対策事業従事者希望退職一時金支給等に  関する請願外三件(床次徳二紹介)(第一七  四号)  同外五件(上林山榮吉君紹介)(第二三九号)  人命尊重に関する請願床次徳二紹介)(第  一七五号)  戦争犯罪関係者の補償に関する請願(逢澤寛君  紹介)(第一八六号)  中小企業退職金共済制度充実に関する請願(  中澤茂一紹介)(第一九五号)  同(唐澤俊樹紹介)(第二六九号)  同(羽田武嗣郎紹介)(第二七〇号)  保育施設従事職員給与引き上げ等に関する請  願(西村英一紹介)(第二四三号)  は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  国政調査承認要求に関する件  厚生関係基本施策に関する件      ————◇—————
  2. 田口長治郎

    田口委員長 これより会議を開きます。  この際、国政調査承認要求に関する件についておはかりいたします。  一、厚生関係及び労働関係基本施策に関する事項  二、社会保障制度医療公衆衛生社会福祉及び人口問題に関する事項  三、労使関係労働基準及び雇用・失業対策に関する事項 以上各事項についてその実情を調査し、対策を樹立するため、小委員会の設置、関係各方面よりの説明聴取及び資料要求等の方法により、本会期調査を進めたいと存じます。  つきましては、衆議院規則第九十四条により議長承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 田口長治郎

    田口委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。      ————◇—————
  4. 田口長治郎

  5. 小林武治

    小林国務大臣 第四十六回国会における社会労働委員会の御審議に先立ち、この機会に厚生省所管行政に関し、所信一端を申し述べたいと存じます。  私は、昨年十一月引き続き厚生大臣の職責をになうことになったのでありますが、どうぞ皆さまの格別の御協力、御指導をまずもってお願い申し上げます。  現在、厚生行政は、社会福祉社会保険公衆衛生のそれぞれの分野におきましてさまざまな外的諸要因、たとえば経済高度成長地域開発進展国民生活水準の上昇、人口構造革命的変化等に伴い大きな影響を受け、新たな角度からの一そうの進展が望まれているわけでありますが、国民の要請に十分にこたえるためにはなお改善の余地が多く、その水準西欧諸国水準にまで引き上げるには多大の努力を要するのであります。  政府といたしましては、今後の厚生行政方向社会全般進展に即応し、国民一人一人の生活の安定と向上をはかるため次のような施策重点を置き、逐次その水準西欧諸国水準に近づけることを目標といたしたいと考えておるのであります。  まず第一の問題といたしまして所得保障施策拡充でございます。生活保護費につきましては、去る三十六年以降大幅な基準引き上げが行なわれてきたのでありますが、明年度におきましては、さらに生活扶助基準の一三%引き上げをはじめ、教育、出産、葬祭の各扶助基準引き上げをはかることにより経済繁栄の谷間にいる人々の福祉向上をはかることといたしたわけであります。  また、重度精神薄弱児対策につきましては、明年度から月額千円の手当を支給することとし、不幸な児童福祉向上をはかりたい所存であります。  今後のわが国の人口構造が老齢化するにつれて、老齢者所得保障対策重要性は一段と増すことになるのでありますが、昨年に引き続きまして福祉年金につきましてその内容充実させるとともに、厚生年金保険制度につきましてその給付水準を画期的に引き上げ、いわゆる月額一万円年金実現をはかるとともに、企業年金との調整を行なうため改正法案を今国会に提出して御審議を願う予定であります。  父と生計を同じくしていない児童に対して支給いたします児童扶養手当につきましても、福祉年金内容充実とあわせまして改善をいたす所存であります。  次の問題としては、医療保障充実強化でございます。特に緊急に改善をはかる必要がございます国民健康保険につきましては、昨年の世帯主に対する七割給付完全実施に引き続き、明年度以降四ヵ年計画をもちまして家族全員に対する七割給付実現を期することとし、これに伴う必要財源につきましては所要措置をとる所存であります。  なお、社会保険診療報酬につきましては、昨年十二月中央社会保険医療協議会に対して諮問をいたしておりますが、同協議会答申を待ってとるべき措置を考えたいと存じます。  次に、次代をになう児童に対する施策につきましては、従来の行政がどちらかといえば保護を要する児童重点が置かれていたのに対し、今後は児童育成の基盤が家庭にあることにかんがみまして、その対策につきましても充実強化する所存でおります。そのため、明年度からは児童局児童家庭局に改め、家庭対策に関する企画を行なわしめるとともに、家庭相談事業を助成する等、家庭対策強化をはかりたいと存じております。また、妊産婦及び乳幼児の登録管理制度児童プール新設等児童健全育成母子保健母子福祉対策充実にも十分配慮してまいりたいと存じます。  就任以来鋭意努力してまいりました環境衛生対策について申し上げたいと存じます。  現在のし尿ごみ処理事情の急激な悪化を打解するために、昨年末の特別国会におきましては生活環境施設整備緊急措置法案の成立をお願いいたし、関係施設の緊急かつ計画的な整備を行なうこととなったわけでありますが、明年度におきましては、その整備に格段の意を用い、所要財源措置を講ずることといたしております。  以上申し上げましたほか、遺族及び戦傷病者処遇改善公害対策強化国立公園整備拡充等厚生行政には重要な課題が山積しておるのでありますが、今後厚生行政の推進にあたりましては、目ざましい経済進展に対応し、保健福祉総合的向上を期することがとりわけ肝要であり、この意味で明年度において特殊法人社会保障研究所を設置いたしたいとしておりますのも、またこの趣旨にほかならないのであります。  以上厚生行政の今後の方向につき所信一端を申し述べたのでありますが、明年度におきまする関係施策を遂行するため、提案中の昭和三十九年度予算案におきましては厚生省一般会計分として三千九百九十億円が計上されており、これは本年度当初予算三千三百十三億円に比較して六百七十七億円、率にして二〇・四%増となっております。  また、今国会には、上述の諸施策に関連して、さきにも述べました厚生年金保険法の一部改正法案のほか、社会保障研究所法案国民年金法及び児童扶養手当法の一部改正法案その他の法案を提出し、御審議をわずらわしたいと考えております。  厚生行政における諸問題の解決とこの行政進展を期して、私は今後とも誠意をもって努力する所存でありますので、ここにあらためて各位の一そうの御支援と御協力を切にお願いする次第であります。(拍手)
  6. 田口長治郎

    田口委員長 ただいまの厚生大臣説明に関連し、昭和三十九年度予算措置の概要について厚生省会計課長から説明を聴取することにいたします。戸澤厚生省会計課長
  7. 戸澤政方

    戸澤政府委員 それでは、私から、三十九年度厚生省所管予算要求額主要事項について御説明申し上げます。お手元に配付いたしました「主要事項別調」という資料に基づきまして、簡単に、前年度と変わります点に重点を置いて説明いたしたいと存じます。  一ページの最初に書いてございますが、来年度厚生省所管一般会計の総予算額は、ただいま大臣の所信表明にもありましたとおり三千九百八十九億でございまして、前年度補正後の予算は三千三百三十三億で、当初予算三千三百十三億に対しましては二〇・四%の増となっております。来年度国の予算総額の前年度に対する伸び率は一四・二%となっておりますので、平均伸び率に対しまして六・二%の増となっておるわけでございます。なお、国の予算総額に対する厚生省予算の比率は一二・三%となっておりまして、国の予算に対する厚生省予算の比率が一二%台になりましたのは、来年度が初めてでございます。  次に、おもな項目を四十柱ほど立ててございます。この項目につきまして、簡単に注釈をつけ加えてまいりたいと存じます。  四枚ほどめくっていただきまして、一ページ結核対策費から参ります。結核対策関係の経費をまとめてございますが、四百九十九億、前年に対して六十七億の増でございます。  (1)の結核医療費、これは結核予防法によります医療費でございまして、医療療養費、——これは三十四条関係でございますが、二分の一公費負担の分でございまして、対象が若干減っておりますが、これは年々申請件数の減によるものでございまして、単価のほうは内容の改善をいたしております。それに対して三十五条関係従業禁止命令入所患者費、これはまるまる公費負担の分でございまして、これにつきましては、対象を前年九万三千四百人から十一万人と、かなりの増をいたしております。  次に、(2)の国立結核療養所関係の経費につきましては、次のページに参りまして患者食糧費、一人一日当たり一般食について百二十円から百二十六円に、特別食につきましては百五十円四十銭を百五十八円六十銭とアップいたしております。なお、整備関係につきましては、前年十一億に対しまして二十三億と、相当の増を示しておるわけでございます。  次に、二番目、三ページ精神衛生対策費。これも精神衛生法に基づく措置入院等の費用でございますが、対象を五万二千八百人から五万八千人にふやし、また、医療費単価につきましても内容の充実をはかっております。  精神病院等整備につきましては、二分の一ないし三分の一補助とありますのは、地方公共団体に対しては二分の一、日赤、農協等公的医療機関については三分の一の補助率でございますが、二千三百床のベッドの整備を計画しております。  次に、二番目に新規として精神衛生相談所、これは現在精神病院とか保健所等に併設されているものを、この機能の重要性にかんがみまして、今後順次独立した施設として整備してまいりたいというわけでございます。来年は、とりあえず三ヵ所分の整備費が組まれてございます。  次の国立精神療養所につきましても、次のページにありますとおり、施設整備費等が増額を見ているわけでございます。  次に、三番目、原爆障害対策費といたしましては、大体従来の施策を踏襲いたしてまいりますが、改善されました分としましては、支給対象としまして、中心地から三キロ外の被爆者の胎児、それから死体の処理等に当たった作業従事者、そういった者も医療支給対象に加えてございます。  次に、五ページの四番目、保健所経費につきましては、前年三十四億から三十六億とふえておりますが、運営費補助率を、三分の一の補助から百分の三十四と書いてありますのは、保健所関係運営費が非常に多種目にわたっておりまして、旧臘出ました補助金等合理化審議会の答申でも保健所補助金が二十六種目もあって非常に多過ぎる、これを統合すべきであるといったようなことが言われておりますので、これを簡素化するために、結核予防関係あるいは伝染病予防費あるいは母子衛生費、そういうもののうち統合できるものを、ここに金額にして約二億七千六百万円ほどを統合いたしまして簡素化をはかったわけでございます。その結果、それらの補助率が二分の一とか、三分の一とか、いろいろまちまちでございましたのを、実績によって平均すると百分の三十四程度になるということでございます。なお、保健所の職員の医師等の基本給につきましても、単価を三十七万九千円から四十万二千円と上げております。  次のページに、施設等整備費といたしまして新設五ヵ所、増築十五ヵ所、改築三十ヵ所の整備費を組んでございます。  次に、五番目、らい対策費といたしましては、前年二十六億に対して二十九億。国立療養所運営費の中の患者慰安金といたしましては、その慰安金の額をふやしまして、そこに書いてありますとおり一般、全員に支給する慰安金、それから年金受給者、それから非年金受給者身体不自由者に支給するプラスアルファとして慰安金を増額いたしております。  次に、六番目の伝染病予防費につきましては、八ページの(3)の地方病予防費補助金、各種の地方予防費を前年一億三千万円から一億七千万円にふやしてございます。日本住血吸虫病、フィラリア病、鉤虫病、水俣食中毒、それぞれの地方病予防についてかなりの増額をいたしてございます。  次に、(4)の予防接種につきましては二つありまして、ポリオについて定期予防接種を法律によって実施いたしたいということと、インフルエンザの特別対策として、小中学生、保育所、幼稚園の幼児等に対して前年に引き続いて公費負担による予防接種をいたしたいというわけであります。金額がかなり減になっておりますのは、ポリオにつきましてソークワクチンを生ワクチンに変更したための大幅な単価の減、それから前年特別対策費として予算措置をしたものの減でございます。  次に、七番目の環境衛生対策につきましては、まず簡易水道は、前年十六億に対して十九億、計画給水人口としては九十一万人を予定してございます。  次の十ページに参りまして(2)の清掃施設し尿処理とかごみ処理等につきましては、昨年成立いたしました生活環境施設整備緊急措置法の趣旨によりまして、当初の計画をスピードアップいたしまして来年度大幅な増額を見ております。すなわち、し尿処理につきましては、前年二十億の倍、四十一億七千万円、約千三百万人分の計画を考えておるわけでございます。ごみ処理施設につきましては、七百六十万人分の整備でございます。  次の下水道終末処理施設につきましては、前年十七億九千万円に対して二十四億四千万円、対象約二百三十三万人分を計画しております。ここに三分の一ないし四分の一補助とありますのは、大部分は三分の一でございまして、交付税交付団体に対しましては四分の一ということになっておるわけでございます。  次の公害防止対策につきましては、最近の大きな関心事でもございますので、新産業都市その他工業都市等につきまして基礎的な調査等を徹底してやりたいという関係調査費、並びに地方衛生研究所にその必要な設備をつくるための経費でございます。  次に、九番、医療機関整備といたしましては、前年二億六千万円に対しまして約三億。まず、公立病院整備費補助につきましては、一般病床、これは新設百三十床、増床四百七十床の計画でございますが、そのほかに地方のガン治療施設あるいは小児専門病院、そういった特殊病院補助金を組んでございます。  (2)のへき地医療対策といたしましては、従来の方策を一段と進めまして、僻地に診療所整備する費用とか巡回診療車、船、そういったものを整備する経費でございます。  次のページに参りまして(5)の僻地巡回診療班経費、これは新規でございますが、地方の医科大学等で僻地の巡回診療を奉仕的にやってくれておるというところがございます。そういう大学に対する若干の補助でございます。  次の十番の保、助、看の確保対策費は、養成所整備貸費制度等を一段と進めてまいりたいというわけでございます。  十一番の医療金融公庫、カッコになっておるのは大蔵省の予算に計上されるわけでございますが、政府出資といたしまして前年二十六億に対して二十九億、そのほかに資金運用部借入金として八十五億、自己資金、回収金の運用によって二十一億、貸し付け原資総額百三十五億を計上しております。  十二番の国立病院施設整備費等財源繰り入れ、これは後ほど国病の特会に出てまいりますが、一般会計からの繰り入れといたしまして、整備費に対して十七億、その他の一般財源として十四億を組んでおるわけでございます。  次に、十三番の麻薬対策費といたしましては、前年大幅に伸びたわけでございますが、今年も大体同じ方策を進めてまいる予定でございまして、麻薬取締員は十五名の増員でございます。  次のページに参りまして入院措置費、施設整備費、それから麻薬取締官事務所の経費等が組まれてございます。ここに減が立っておりますのは、麻薬取締官事務所を昨年大幅に整備いたしましたその整備費の減が大きいものでございます。  十四番は、日赤に対する輸血、採血車の整備費でございます。前年七台、本年五台でございます。  次に、十五番、生活保護費につきましては、来年度予算総額九百十七億となっております。一千億になんなんとしておりますが、まず基礎になります生活扶助につきましては、その基準改訂を一三%見込んでございます。予算上の生活扶助人員は月百五十八万人。一三%の基準改訂の結果そこに例示してございますが、東京等の一級地標準四人世帯の扶助費は、現行一万四千二百八十九円から一万六千百四十七円になります。市町村等の四級地をとってみますと、一万四百三十一円から一万一千七百八十七円になります。ちなみに一三%を飲食物費とその他の経費、日用品等のその他の経費に分けますと、飲食物費のアップが一一・七%、その他の経費が一五・四%となります。なお、エンゲル係数の改訂率は五四・一から五三・六になります。エンゲル係数は下がっております。あと住宅、教育、出産、雛祭等につきましても基準の改変が行なわれておりますが、説明を省略させていただきます。  次に、十七ページに参りまして十六番、低所得階層対策費といたしましては、まず世帯更生貸付補助金、これは国が三分の二、あと県が出すわけでございますが、資金ワクとしまして、前年八億が十億と二億の増になっておりますが、このうち一億は失対労務者の立ち上がり生業資金として運用する予定でございまして、労働省とタイアップいたしましてその活用をはかりたいというふうに考えております。  (2)の世帯更生運動推進費、これは都道府県に対する事務費の補助でございます。ここで減が三千百万ほど立っておりますのは、従来心配ごと相談所の補助金があったわけでありますが、これが零細補助金の例にあげられまして削除されましたが、しかしこの分は、別に出てきます民生委員の互助共励事業費補助の中に形を変えて組まれておるわけでございます。  (3)の母子福祉貸付金につきましては、前年四億が五億、一億の増でございます。  次に、十七番の社会福祉事業育成強化費の減が立っておりますのは、次にあります振興会の出資金の減の影響でございます。  社会福祉事業振興会の出資は前年一億五千万が一億に減っておりますが、来年度から新しく資金運用部資金の借り入れ金として三億の借り入れをすることになったわけでございます。  それから民間社会福祉事業助成費としましては、施設職員の退職手当、共済事業の補助金、これは給付費の補助基本額が八千円から一万円に増額になっております。それから社会福祉事業育成費補助、これは先ほど申し上げました民生委員の互助共励事業費とか社協の活動費等でございます。  十八番目は身体障害者の保護費でございます。内容は大体従来のものと同様でございますので省略さしていただきますが、(4)のその他の(2)国際身体障害者スポーツ大会は、本年オリンピックの際に身障者のスポーツ大会を催しますが、そのための補助金としまして二千万を組まれております。  次に、十九番、精神薄弱者の援護費として、前年一億五千万が四億と大幅に増額になっております。内容は大体従来と同様のものでございます。  二十番の婦人保護費、これも大体内容は従来と同様のものでございます。  二十一番の地方改善事業費としましては、整備費補助金としまして前年三億四千万円が四億三千万、その中で同和地区の改善施設整備費としましては三億九千二百万円、対前年二八%ほど増になっております。一般地区、モデル地区に分けまして、各種の施設整備でございます。二分の一ないし三分の二となっておりますのは、、隣保館とか共同浴場、作業場、そういったものにつきましては三分の二、下水排水路とか共同便所、そういったものにつきましては二分の一というようなものでございます。それから同和以外のスラム地区とかアイヌ等、不良環境地区改善施設整備費としまして四千三百万ほど納まれております。  次に、二十二番の老人福祉対策費、これも老人福祉法の制定に伴いまして一段と推進をしてまいりたいと考えているわけでありまして、健康診断を五年に一回実施しておりますものを三年に一回、だんだんと回数をふやしていく。その他老人クラブの助成も現在の一万六千から二万くらいにふやしたい、その他の経費でございます。  次のページに参りまして、二十三番に社会福祉施設整備費として二十五億四千万組まれております。これは来年度から社会局関係児童局関係施設を一本にいたしましてその簡素化をはかるとともに、融通ある運営をはかりたいという趣旨で一つの項目にまとめたわけでございます。前年に対して五億余の増額を見せておるわけでありまして、この中で老人施設とか児童施設児童館、児童遊園、精薄施設、身障施設、母子健康センター、その他従来やっておりました施設整備を運営していくわけであります。なお、整備費の単価も、坪五万円から五万五千円に増額になっております。  二十四番の児童保護費、これも生活保護の改訂と並びまして内容の改善をはかっておるわけでありますが、金額にして三十二億の増でございます。内容としましては、職員の処遇改善とか飲食物費の増額、それから間食費を一人一日五円から十円に倍増する、指導訓練費、これは新しく小づかいを与えようというような経費等でございます。  次に、保育所関係につきましても同様の内容改善でございます。  次の二十四ページに、特別保育対策としまして季節保育所整備運営費補助、僻地保育所補助とか産休代替保母の補助金とか、従来の内容のものでございます。  それから(3)以下はいずれも母子保健衛生関係の経費でございまして、未熟児とか妊娠中毒症とかいうものに対する医療補助でございます。  (6)の母子登録管理、これが新規でございまして、母子衛生管理を一そう徹底するために、とりあえず母子健康センターを設置してある市町村約百ヵ所を選びまして、そこに母子登録管理をしまして母子衛生の指導の徹底をはかりたいというわけでございます。  それから(7)の身体障害児の援護費、これも医療費補助のほか、北海道のマザースホーム等に対する補助金でございます。  (8)の児童健全育成対策児童の保護の積極面の対策でございますが、母親クラブの研修費とか児童館の運営費等でございます。  (9)の家庭児童対策費、これは先ほど大津の所信表明にもありましたとおり、児童の問題を家庭ぐるみ、新しい見地からその指導の徹底をはかりたいというところから、今後五ヵ年計画をもちまして全福祉事務所に家庭児童相談室というものを設置してまいりたいという計画で、来年度は二百十ヵ所についてその相談室を設け、そこに、次のページにありますが、家庭児童相談員、非帯勤でございますが、家庭対策専門のケースワーカーを一ヵ所に二人置きまして、その相談指導に当たらせたいというわけでございます。  (10)の重症心身障害児の療育費補助は、前年、島田療育園、びわこ学園の施設増床をやりました分の療育費の補助でございます。  次に、二十五番目の社会事業施設職員処遇改善費としまして、これは金額が書いてございませんが、各種の社会事業関係施設の事務費の中に処遇改善費が含まれておるわけでございます。それを便宜上再掲したものでございまして、社会事業施設職員の処遇改善を来年度いろいろ考えたい、金額にして、右に書いてあります約二十億程度になりますが、内容といたしましては本俸の手直し、これは初任給是正、昨年公務員の給与改定をやりました際に漏れた分の是正、手直しでありますとか、職員の増員、あるいは諸手当、通勤手当とか夜勤手当、 超勤、 そういったもの、あるいはさらに従来社会保険の負担金を事業主が負担しておった分の事務費を見てやろうとか、そういったものを全部合わせまして約二十億程度の処遇改善を考えているわけでございます。  次に、二十六番、母子福祉対策費としましては、母子福祉貸付金、前年四億に対して五億、これは先ほど十六番の低所得階層対策費の中にも掲げてございます。  次に、二十七番の児童扶養手当、これも福祉年金の改正と平仄を合わせまして内容の改善をやっていきたい。扶養義務者の所得制限を六十万から六十五万にふやし、さらに精神、結核等の重度廃疾児をかかえておる家庭につきまして、従来は十五歳までしか見ておらなかったものを二十歳まで引き上げるといったような改善でございます。  次に、二十八番の重度精神薄弱児扶養手当、これは新しい施策でございまして、家庭におる重度の精神薄弱児童を養育する者に対して手当を支給しようというものでございまして、大体白痴あるいは重度の痴患者、こういった児童で日常生活の用を弁ずることができないという程度の状態にある者を養育する者に対しまして、月千円の手当を支給したいというわけでございます。予算上では対象は三万七百五件分でございます。三十九年九月から実施の予定でございます。なお、これにつきましては、福祉年金と同様の所得制限とかいう条件はもちろんつくわけでございます。  二十九番の家族計画普及費補助、これは従来と同様、受胎調節指導員の手当とかいうようなものなどでございます。  次に、三十番に参りまして、社会保険国庫負担金としまして、前年百二十億が百五十三億、内訳はそこに書いてございます。これは後ほど各特別会計があとに出てまいりますので、省略させていただきます。  三十一番は、健康保険組合への補助でありまして、事務費の補助と給付費の補助でございます。  三十二番は、国民健康保険の助成費八百四十四億であります。この中では(3)に書いてあります療養給付改善特別補助金、これが新規の施策でございまして、前年世帯主に対して七割給付を実施いたしましたが、引き続き四十年一月から四ヵ年計画をもって世帯員に七割給付を実施しようというものでございまして、五割から七割にふえる分の二割相当額についてその四分の三を国庫補助しようというものであります。  次に、(4)のへき地往診料特別補助金、これも新規でございまして、等の僻地に医者が往診に行く場合の往診料は、現行の往診料ではとてもやりきれない、こういうところにつきましては特別の往診料を設定いたしまして、その保険者負担額の四分の三分を国が見てやろうというものであります。  (5)の事務費の補助金は、被保険者一人当たり市町村については百三十五円、当初は百三十円であったのでありますが、これを百五十円にアップ、国保組合につきましては百四十円に増額でございます。  助産費の補助金で減が出ておりますのは件数の見積もりがオーバーしておりましたので、これを実数に修正したわけでございます。  直診の補助金は前年と同額、国保連合会の補助金は、五千万の増額になっております。  次に、三十三番、同民年金国庫負担金、これも後ほど特別会計に出てまいりますので省略さしていただきますが、三十二ページの(2)福祉年金につきましては、給付改善を三つほどいたします。  まず、一つは公的年金と福祉年金の併給限度額引き上げ、これは戦争公務によるものの公的年金受給者について、従来七万円に満たないものについて福祉年金を併給しておったわけでありますが、これが恩給の増額に伴いまして支給停止になっておりましたので、これの限度額を八万円に引き上げて、さらに継続いたしたいというわけでございます。  それから二番目は、障害福祉年金を、従来外科疾患についてだけされておりましたのを、結核、精神病の内部疾患まで取り入れたいというわけでございます。  それから三番目は、扶養義務者の所得制限を前年に引き続きさらに緩和いたしまして、六十万円を六十五万円に引き上げたいというわけでございます。  次に、援護関係につきましては三十四番、在日朝鮮人帰還援護費、三十五番の留守家族等援護費、いずれも従来の法律によるものでありまして、減が立っておるのは対象がだんだん減ってくるわけでございます。  三十四ページに参りまして、三十六番、戦傷病者戦没者遺族等援護法につきまして若干の改正をいたします。三十五ページの右に書いてございますが、公務傷病の範囲の拡大とか、立証困難な者に対する遺族一時金の支給とか遺族範囲の拡大、そういった若干の改善をいたします。  三十七番は、戦傷病者特別援護法、昨年できました法律の若干の改善でございまして、再発患者に対して療養給付をするとか、援護の不均衝是正、援護法と留守家族援護法との間のズレを修正したいというものであります。  次に、三十六ページに参りまして、三十八番、国立公園関係につきましては、前年四億五百万が五億三千万と大幅に増額になっております。内容は国立公園、国定公園その他の整備費でございます。なお、国立公園部は局に昇格になる予定であります。  次に、三十九番が社会保障研究所費、これは先ほど説明にもありましたとおり、社会保障制度審議会の答申の趣旨にものっとりまして、社会福祉の総合的な、基本的な研究機関として特殊法人として設置したいというわけでございます。来年度はとりあえず準備費として千六百万円組まれておりますが、構成としましては、理事、研究員、専門員その他を含めまして二十八名の人件費を予定しております。  以上でもって一般会計の説明を終わりまして、次に、三十八ページ以下に各種の特別会計の案がございますが、それについて御説明申し上げます。  三十八ページの厚生保険特別会計についてでありますが、健康勘定につきましては、一般会計から前年同様五億の受け入れをするほか、医療費の増高等によりまして収支が苦しくなってまいりましたために、来年度は積み立て金から七十億受け入れるということになっております。  次の三十九ページに日雇健康勘定がございますが、これは全く危胎に瀕した収支状況でございますが、本年、三十八年度末にも約七十億ほどの支払い未済を生ずる見込みのような状態でございまして、来年度は三割五分の国庫負担のほか、借り入れ金百三億を受け入れて、つじつまを合わせておるような状態でございます。  次の年金勘定、業務勘定等については、特別に申し上げるようなことはございません。  船員保険特別会計につきましては、一般会計から疾病保険その他について受け入れをしております。  四十三ページは国病の特別会計でありますが、一般会計受け入れが三十二億のほかに、借り入れ金としまして、施設の特別整備費として資金運用部から二十億の借り入れを計画しております。前年十億借り入れましたが、来年は二十億借り入れを考えております。歳出のところで、施設整備費を四十六億ほど考えております。そのうち約三十病院につきましては、特別整備計画をもって考えたいというわけであります。  四十五ページ、あへん特別会計については、別に申し上げるようなことはございません。  四十六ページの国民年金特別会計、これも特別なものはございませんが、一般会計受け入れの中で、免除分十九億につきましては免除率を一五%と予定しております。  以下特別申し上げることはございませんが、最後の四十九ページの拠出年金の市町村事務取扱費の単価でありますが、これを一人当たり百二十円を百三十円に増額しております。  以上、簡単でございますが、来年度の一般会計並びに特別会計の主要項目につきまして御説明申し上げました。
  8. 田口長治郎

    田口委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は明二十九日午前十一時委員会委員会散会後理事会を開会することにし、これにて散会いたします。    午後零時二十九分散会