運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1964-10-02 第46回国会 衆議院 災害対策特別委員会 第19号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年十月二日(金曜日)    午前十時五十五分開議  出席委員    委長員 中山 榮一君    理事 古川 丈吉君 理事 細田 吉藏君    理事 岡本 隆一君       天野 光晴君    池田 清志君       大竹 太郎君    砂田 重民君       竹下  登君    谷垣 專一君       塚田  徹君    床次 徳二君       森下 元晴君    赤路 友藏君       有馬 輝武君    井谷 正吉君       石田 宥全君    千葉 七郎君       泊谷 裕夫君    中村 重光君       永井勝次郎君    西宮  弘君       原   茂君    松井  誠君       森本  靖君    山口丈太郎君       栗山 礼行君    竹谷源太郎君       吉田 賢一君    林  百郎君  出席国務大臣         国 務 大 臣 増原 恵吉君  委員以外の出席者         総理府事務官         (内閣総理大臣         官房参事官)  北川 博正君         警  視  長         (警察庁刑事局         捜査第二課長) 関根 広文君         警  視  長         (警察庁警備局         警備第二課長) 後藤 信義君         大蔵事務官         (主計局給与課         長)      秋吉 良雄君         大蔵事務官         (理財局総務課         長)      海堀 洋平君         大蔵事務官         (国税庁直税部         長)      堀口 定義君         文部事務官         (管理局長)  齋藤  正君         厚 生 技 官         (環境衛生局水         道課長)    大橋 文雄君         厚生事務官         (社会局保護課         長)      加藤信太郎君         農林事務官         (大臣官房長) 中西 一郎君         農林事務官         (大臣官房厚生         課長)     小林 正孝君         運輸事務官         (大臣官房審議         官)      中野  大君         郵 政 技 官         (大臣官房電気         通信参事官)  鳥山 好三君         建 設 技 官         (河川局長)  上田  稔君         建設事務官         (河川局次長) 国宗 正義君         建 設 技 官         (住宅局長)  尚   明君         自治事務官         (財政局地方債         課長)     首藤  堯君         自治事務官         (消防庁予防課         長)      伊規須徳博君         自 治 技 官         (消防庁消防研         究所第一研究部         長)      堀内 三郎君         日本専売公社生         産部長     黒田  実君     ————————————— 九月十七日  委員華山親義辞任につき、その補欠として泊  谷裕夫君が議長指名委員に選任された。 同月二十八日  委員西宮弘辞任につき、その補欠として華山  親義君が議長指名委員に選任された。 同月三十日  委員竹下登辞任につき、その補欠として渡海  元三郎君が議長指名委員に選任された。 十月二日  委員仮谷忠男君、田中正巳君、藤井勝志君、湊  徹郎君、井谷正吉君、卜部政巳君、千葉七郎君、  泊谷裕夫君、中村重光君、山口丈太郎君及び竹  谷源太郎辞任につき、その補欠として砂田重  民君、吉田重延君、竹下登君、床次徳二君、赤  路友藏君、有馬輝武君、永井勝次郎君、西宮弘  君、原茂君、森本靖君及び吉田賢一君が議長の  指名委員に選任された。 同日  委員砂田重民君、竹下登君、床次徳二君、赤路  友藏君、有馬輝武君、永井勝次郎君、西宮弘君、  原茂君、森本靖君及び吉田賢一辞任につき、  その補欠として仮谷忠男君、藤井勝志君、湊徹  郎君、井谷正吉君、卜部政巳君、千葉七郎君、  泊谷裕夫君、中村重光君、山口丈太郎君及び竹  谷源太郎君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  委員派遣承認申請に関する件  災害対策に関する件(新潟地震昭和三十九年  七月山陰、北陸豪雨北海道における異常低温  並びに台風第二十号による災害対策)      ————◇—————
  2. 細田吉藏

    細田委員長代理 これより会議を開きます。  本日は、委員長が所用のため出席できませんので、委員長指名によりまして私が委員長の職務を行ないます。御了承願います。  災害対策に関する件について調査を進めます。  まず、台風第二十号による被害状況及び災害対策実施状況等について政府関係当局より説明を求めます。警察庁後藤警備第二課長
  3. 後藤信義

    後藤説明員 御報告申し上げます。  台風第二十号は、九月二十四日午後五時ごろ、中心気圧九百三十ミリバール、中心付近最大風速四十五メートル、半径百三十キロ以内で風速二十五メートル、六百キロ以内で風速十五メートルという規模で、鹿児島県大隅半島に上陸、その後進路を北東にとり、日向灘、愛媛県、瀬戸内海を経て近畿地方を横断、勢力を弱めながら北陸沿岸沿いに進み、さらに東北地方を横断して、二十五日午後二時ごろ三陸沖に去ったのでございます。  この台風の通過に伴いまして、九州四国、本州のほぼ全域が暴風雨圏内に入りまして、四十二都府県下におきまして被害発生しておるのでございます。この詳細は、お手元に配付申し上げました表につけてございますとおりでありまして、死者全国で四十七名出ております。行くえ不明が四名、負傷者が五百十五名ございます。建物被害は、全壊いたしましたものが二千三百六十三棟、半壊いたしましたもの五千八百二十五棟、そのほか、一部破損あるいは非住家被害というのもかなり出ております。それから床上浸水八千八百十七棟、床下浸水が三万四千九百九十九棟でございます。そのほか、耕地の被害あるいは道路堤防等被害相当に出ております。羅災者世帯数は二万三千八百八十七世帯羅災者総数は八万七千九百五十人でございます。  死者は、ただいま申し上げましたように四十七名出ておるわけでございますが、兵庫県の洲本市におきまして、建物が倒壊して三名が死亡し一名が負傷したという事例をはじめといたしまして、兵庫県下におきまして七名、鹿児島県下におきまして六名をはじめといたしまして、各地にそれぞれ死者を出しておるのでございます。それから行くえ不明はただいま申し上げましたとおり四名でございます。行くえ不明、負傷者あるいはただいま申し上げました死者等は、すべていずれも強風によるものが大部分でございます。  それから住家の全半壊はただいま申し上げましたような数字でございますが、これらも鹿児島県におきまする四千四百五十八棟を最高といたしまして、各地被害が出ておるのでございますが、その原因は、死者と同様、強風によるものが大部分でございます。  それから浸水、これは床上床下浸水がございますけれども、いずれも大阪湾別府湾におきます高潮によるものがその主たるものでございまして、兵庫県が最も多うございました。それから以下大阪大分の順でございます。  特異な被害といたしましては、二十五日に、神奈川横須賀市の常葉台中学校におきまして、屋根がわら窓ガラスが多数破損して飛散しましたために、授業中の生徒四十名が負傷するという被害が出ております。それから同じ日九月二十五日、兵庫神戸市に停泊しておりましたインドネシアの五十八名乗り組みの船が強風のために転覆いたしまして、これを警察及び港湾局員が協力いたしまして全員救助するという事故が出ております。  警察といたしましては、九月二十五日朝、兵庫神戸須磨区内におきまして、高潮のために屋根の上に避難しておりました五百五十名を、大型のボート三隻を借り上げまして、これによりまして全員消防署員と協力の上無事に救出いたしまして近くの学校に収容しておるというのをはじめ、各地におきまして救出あるいは避難誘導に当たっております。これらの活動に従事いたしました警察官の数は、延べ四万三千九百三十九名でございました。  以上でございます。
  4. 細田吉藏

  5. 齋藤正

    齋藤説明員 台風二十号による文教関係被害状況について御報告申し上げます。お手元に配付いたしました資料によりまして御説明申し上げます。  児童生徒の人的な被害でございますが、神奈川横須賀市の常葉台中学校におきましては、授業中に強風のために校舎のかわらが飛散いたしまして、これによりまして中学校生徒が治療を要した者が十九名にのぼっております。その他、鹿児島県におきまして、小学校中学校おのおの二名の児童生徒負傷しておりまして、合計二十三名となっております。  次は物的被害でございますが、国公私立の文教施設被害報告総額は現在十一億三千五百万円余にのぼっております。その内訳は、国立学校施設につきまして、表にございますように、埼玉大学から鹿児島大学に至ります十八大学と二高専、一電波高校合計二十一校、金額にいたしまして被害額が八千八百万円余となっております。  次は公立学校施設でございますが、これは栃木県以下鹿児島県に至るまで十九府県にわたりまして幼稚園、小学校中学校高等学校等三千四百八十校でございまして、被害総額は約十億にのぼっております。この中で被害報告額の多いものは、高知県、鹿児島県、兵庫県の順序と相なっております。  私立学校施設につきましては、学校数におきまして九十四校、被害報告総額が二千六百万円余となっております。  公立社会教育施設社会体育施設は、施設数にいたしまして九でございまして、被害報告額は二百三十九万円余となっております。  以上が被害概況でございますが、授業中に負傷をいたしました中学校生徒につきましては、学校安全会におきまして医療の給付を行なうように準備をいたしておりますし、施設につきましては、できるだけ国立学校並びに関係府県連絡をとって、なお災害状況の正確を期するために連絡をとっております。なお、棄損いたしました教科書等につきましては、これはできるだけ補給ができるように関係方面に指示をいたしております。  以上、簡単でございますが、状況を御報告いたしました。
  6. 細田吉藏

  7. 中西一郎

    中西説明員 台風二十号と北海道冷害関係につきまして、被害概況対策進捗状況を御報告申し上げます。  台風二十号の関係での農林水産関係につきましての被害は、現在までのところ、各府県から報告をいただいておりますが、約三百七十億円に達しております。施設農地等関係で六十七億円、農林水産物関係で三百二億円ということに相なっております。これを地域別に見てみますと、九州四国近畿東海の各府県被害相当大きくなっております。種類別に見ますと、収穫期にありました水陸稲倒伏脱粒などの被害が甚大でございます。全体の被害額の八五%程度に当たっております。なお、農作物の被害につきましては、農林省の組織で統計調査事務所を動員しまして被害の実態を調査中であります。累次の災害と同様でございますけれども、できるだけ早く被害調査をまとめたいということで取り進めておるわけでございます。  先ほど申し上げましたように、農林水産物関係のほうが相当大きいということで、被害の確定を待ちまして、天災融資法あるいはそれの激甚法適用というような段取りになろうかと考えまして、事務的な用意をいたしておるわけでございます。  それから施設関係では、九州、中、四国近畿地方、それぞれ日程を定めまして査定官派遣を計画いたしております。緊急を要するものにつきましては十月の七日ごろから現地で査定が始められる、かように考えております。  冷害関係でございますが、ごく最近になりましてさらに移動性高気圧関係で霜害が起こっております。九月二十七日から八日にかけまして北海道相当強い降霜を見ておりますが、本年の初めごろから冷害が予測されて、それぞれ農林省、道庁でそれの対策、農民に対する警戒通報等をいたしましていろいろ営農指導をいたしてまいったのですけれども、特色といたしましては、九月に入ってからも非常に低温が続いたということで、いままでの、昭和二十九年でございますか、あるいは三十一年の冷害よりもきつい影響があらわれておるということで、心配をいたしております。それも、水稲のみならず、畑作地帯にも相当被害があるということでございます。  対策としましては、同様に天災融資法あるいはその激甚法というような段取りになろうかと考えております。昨日北海道庁から詳しい報告を聞いておるわけでございますが、冒頭申し上げましたように、九月の下旬になってからまた被害が加わるというような関係もございまして、全体の集計は若干おくれるかと思いますけれども、対策準備は並行して取り進めてまいりたい、かように考えております。  以上でございます。
  8. 細田吉藏

  9. 中野大

    中野説明員 運輸省所管事項におきまして、台風二十号の被害状況並びに復旧措置について御報告申し上げます。  台風概況につきましてはすでに各省庁からもお話がございましたが、運輸省の外局でございます気象庁が取りまとめました今度の台風特徴といったものを簡単に申し上げます。  今度の台風は、初めグアム島付近発生いたしましたときは、千ミリバール以上の弱い熱帯低気圧でございましたが、本土に近づくにつれまして、八百九十五ミリバールという強い台風になったわけでございます。九百ミリバール以下の強い台風といたしましては、大体三十個に一個くらいの発生状況でございまして、昭和二十五年以来、九百ミリバール以下の台風というのは、今度の二十号台風が第十五番目でございます。既往にございましたのは、狩野川台風伊勢湾台風、第二室戸台風、こういったものがございます。そして今度の台風特徴といたしましては、九月下旬の台風といたしましては少し西に寄り過ぎておりましたし、また風が相当強うございまして、神戸大阪あたりでは高潮があったわけでございます。また速度相当速うございまして、神戸大阪あたりでは時速六十キロ、七十キロくらいでございましたが、その後は八十キロというような速度でもって通過いたした次第でございます。  次に、運輸省関係鉄道関係航空関係港湾関係船舶関係被害状況を申し上げますが、大体鉄道関係で十二億ばかり、それから港湾関係で約三十億ばかり、その他合わせまして、被害総額といたしまして、現在判明したものだけで大体四十数億になってございます。  順を追うて御説明申し上げますと、鉄道関係では、国鉄が十二億でございまして、九州の日豊、鹿児島線をはじめといたしまして、山陽線東海道線裏縦貫線中央線、常磐線、東北線は全部運転休止または遅延をいたしましたが、その被害は二十八線区五十七個所に及んでおります。しかし二十五日中には全部復旧いたしまして、大船渡線、中央線線区被害個所復旧を最後といたしまして二十六日中には開通いたしてございます。  次に私鉄関係でございますが、三千二百万円ばかりの被害額でございまして、九州四国近畿、中部、関東、東北地方運転状況がだいぶ乱れ、全国で五十社余りの会社の各線区道床流失建物破損通信線断線等被害を受けましたが、二十五日中にはほとんど開通しておりまして、現在ただ福島交通のみが一個所不通になっております。これは軌道線でございまして、県道に併設されておりまして、橋梁が流失いたして不通になってございますが、大体十月中には開通する予定でございます。  次に、港湾関係といたしましては全部で三十億ばかりの被害でございますが、一府二十三県、百七十一港、四百三十三個所におきまして、防波堤、護岸物揚げ場桟橋等港湾施設被害を生じております。これらの復旧につきましては、緊急に災害査定を行ないまして、必要に応じて応急措置を講じるよう努力いたしたいと思っております。  次に船舶関係でございますが、海上保安庁の調べによりますと、南九州、阪神その他の地区におきまして、汽船三十八隻、機帆船六十一隻、漁船二百四十隻、その他八十五隻、全部で四百二十四隻が沈没、乗り上げ、破損流失、行くえ不明、その他の被害を受けております。特に神戸港、大阪港、鹿児島港では、停泊中の外国汽船、先ほど兵庫県の方からお話がございましたように、インドネシア公船が——これは七千八百九十一トンでございますが、乗り上げ等がございました被害が目立っております。そのほか、灯台、導灯灯浮標等航路標識が三十一件被害がございました。  海上保安庁では、台風発生と接近に伴いまして、各特区本部では緊急非常配備を発令しまして、巡視船艇航空機等によりまして船舶遭難の防止に努力しまして、英国汽船オリエンタル号をはじめといたしまして、六隻、八十九名の救助を行なってございます。  次に航空関係では約二百六十万円くらいの被害でございますが、台風の北上によりまして、二十四日、二十五日両日にかけまして九州四国大阪名古屋方面向けはいずれも運航を休止いたしました。また大阪宮崎鹿児島高知、高松、大分名古屋、八尾、屋久島、種子島、こういうところの空港の施設に若干の被害がありましたほか、九州奄美大島方面への通信回線が途絶したという状況でございます。  以上、運輸省関係被害状況報告を終わります。
  10. 細田吉藏

  11. 鳥山好三

    鳥山説明員 郵政省関係につきまして、台風二十号の被害状況並びに復旧対策措置について御報告いたします。  最初に、郵便業務関係につきまして、台風二十号が風台風であるというような性格から、郵便局舎におきましても半壊あるいは破損というような被害が特に目立ちまして、これに一部浸水関係被害を入れまして、合計三百四十一局という被害発生しております。  郵便運送集配、この関係につきましては、一時各所に不通区間発生いたしましたが、台風圏内から脱するとともに平常に回復しております。  また、この応急復旧対策といたしましては、直ちに被災局舎復旧措置等に対しまして関係係官派遣いたしまして、これにより郵便輸送緊急措置、たとえば運送経路の変更あるいは臨時専用自動車便の運行、人夫輸送、これらへの切りかえ措置を行ないまして措置しております。  被災者に対するいろいろな措置といたしましては、郵便はがき無償交付郵便貯金及び簡易保険等非常取り扱いを実施いたしました。  また、被災地方公共団体に対する簡保年金資金による短期応急融資及び被災県に対する被災者救助のために、お年玉はがき寄付金の配分、これを申請に応じて考慮いたしております。  これらを含めまして、局舎被害といたしましては、郵便業務関係としては約五千万円の被害に及んでおります。  次に、電気通信関係といたしまして、電信電話被害状況は、市外電話回線が約五千回線、電信回線が約七百六十回線、市内電話回線が約十五万七千回線、こういう被害発生いたしました。これにつきましても、九月三十日までに工事不能加入者の分を除きましてその他全部応急復旧を完了しておりまして、きょう現在で、市外電話回線は一〇〇%、電信回線は九九%、市内電話回線も同じく九九%という復旧をしております。  これらの被害に対しましてとりました応急復旧対策といたしましては、これは電信電話公社が行なったものでございますが、停電に対しましては移動電源車の活用をはかる。それから市外電話不通区間に対しましては、移動用無線を活用いたしました。また、復旧要員といたしまして、職員あるいは工事関係の業者を約九百名動員いたしております。  電信電話疎通状況といたしましては、一部電報の停滞個所がございましたけれども、これも九月二十七日に平常復旧しております。また、電話不通遅滞がございましたが、これも九月二十八日に平常に戻っております。  電信電話局舎被害といたしましては、約十二局の被害が出ておりまして、これらを含めまして被害総額合計約八億円というふうに推定されております。  次に、電波関係といたしまして、九月の二十四日から二十五日にかけまして九州四国近畿、中国、東海管内のテレビ及びラジオ放送局で、停電あるいは中継線の障害、こういう原因のために一時電波が停止いたしましたけれども、これも短い時間で回復しております。  また、非常無線関係といたしまして、九州管内の各関係省庁、これらの無線局におきましては、二十四日に非常無線を実施いたしまして、情報の収集あるいは被災地の救援、これらのために緊急の無線通信を行なっております。  有線放送につきましては、現在まだ詳細不明でございますけれども、ただいままでわかりました状況におきましては、四国におきまして、特に香川とか、あるいは徳島、これに七施設ほどの被害が出ております。内容といたしましては、主として屋外施設でございまして、電柱の倒壊、こういうような被害が出ております。それから、そのほか北陸九州、それから信越に一部被害が出ておりますけれども、これらの詳細につきましてはただいま情報を収集しております。
  12. 細田吉藏

  13. 上田稔

    上田説明員 台風二十号による建設省関係被害状況並びにその対策について御説明申し上げます。  ただいまお手元に配付してございます「台風二十号による被害状況 建設省」というパンフレットがございますが、この台風は、いままで御説明がありましたとおり、昭和二十年の九月にございました枕崎台風あるいは第二室戸台風に非常に似たルートを通っております。したがいまして、その被害というものは風によるものが初めは多うございまして、鹿児島県、宮崎県あるいは高知県、それから瀬戸内海兵庫県、大阪等付近には風による被害相当出ております。また、宮崎の一部なんかは四百ミリばかり降っておりますので、相当水のほうも出ております。したがいまして、直轄河川では、木曽川ほか二十四河川警戒水位を突破いたしております。また被害もほとんど全国的に及んでおりまして、三十二府県被害が及んでおります。  まず直轄被害から申し上げますと、直轄河川木曽川吉井川等十八河川被害を受けております。しかし、幸いにして堤防を溢水するような被害はございませんで、護岸あるいは水制、根固め、そういったものが痛んでおります。そういうものによりまして大体十二億二千万円の被害を受けております。それから海岸は、兵庫県の東播海岸がやられておりまして、砂防は、長野県、鳥取県、石川県等は、天竜川、天神川、手取川の上流がやられております。それから道路は、国道十号線等八路線が被害を受けております。合わせまして直轄災害といたしまして大体十三億九千万円の被害を受けております。  それから補助につきましては、先ほど申し上げましたとおり三十二府県被害を受けておりまして、一番大きいのが先ほど御説明がありました長野県でありまして、天竜川上流あるいは木曽川上流、そういったところの河川が非常に災害を受けておりまして、十八億ばかり災害を受けております。その次に大きいのは鹿児島県でございまして、十一億余り、それから第三番目は兵庫県の被害で九億余りでございます。以上、補助河川といたしましては全体で百二億、直轄、補助合わせまして百十六億六千万円の被害を受けております。  そのほか、都市災害といたしまして、愛媛県、大阪府に、公園の被害、また公共下水道の被害、これを八百十万円受けております。  次に、応急対策でございますが、直轄災害といたしましては、東播海岸——明石の少し東のところでございますが、そこに緊急復旧費二百二十万円を出しまして復旧工事をさっそく実施しております。  それから補助につきましては、一番被害の多かった長野県に災害査定官を派遣しております。それから鹿児島県及び宮崎県に災害査定官を派遣いたしまして、災害状況調査並びに工法の指導に当らせております。それから引き続いて現在は大体北のほうから本査定を始めております。  都市災害につきましては、準備完了次第査定をいたしまして、予備金を要求するように考えております。  それから住宅災害につきまして、鹿児島県並びに宮崎県に対しまして、専門官並びに公庫のほうから貸付部長を派遣いたしまして、また高知県に対しましては、補佐官並びに公庫の指導部の次長を派遣いたしまして、災害調査並びに対策の打ち合わせを現在いたしております。  以上でございます。
  14. 細田吉藏

    細田委員長代理 これにて政府関係当局からの説明は終わりました。     —————————————
  15. 細田吉藏

    細田委員長代理 引き続き災害対策に関する件について質疑に入ります。  質疑は、先ほどの理事会の申し合わせによりまして、一人おおむね二十分となっておりますので、御承知おきをお願いいたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。床次徳二君。
  16. 床次徳二

    床次委員 今回の台風災害に対しましては、すでに各被害地の代表から事情の陳述があり、要望事項もあり、また政府におかれましても調査せられたことにつきまして御報告がありましたので、大体は把握しておるのであります。しかし、過去の経験にかんがみまして、十分に万全をはかりたいと考えておるのであります。すでに法規等におきましては一応整備せられておるのでありますが、その運営の実情等から申しますると、なお現地におきましては相当考慮せざるを得ない問題もあるのであります。しかも今回の災害におきましては、過去の長雨災害、また十四号、十六号以来引き続きの災害である、さような意味におきまして特に考慮していただきたいものも少なくないのでありまして、簡単に要点を申し上げてみたいと思うのであります。  第一に、激甚法の指定について要望申し上げて政府の意見を承りたいと思うのであります。今回の災害につきましては、長雨以来の引き続く災害があるのでありまして、したがって、これはいわゆる連続災害として特殊なウエートを持っておると思います。特にわが鹿児島県の例を申しますと、離島における災害、僻地における災害がはなはだしいという特殊の現象を来たしておるのであります。県自体といたしましても災害被害額が百二十億をこえるという大きな災害でありまして、今日までの所得倍増の結果を一挙にして吹き飛ばそうというような状態にかんがみまして、まことに同情にたえない次第でありまして、一日もすみやかにその復旧の完成をはかりたいと思うのであります。特に政府の努力を求めたいと思うのであります。この際いわゆる激甚法の指定は当然であろうと思うのですが、この指定に対しまして、やはりその実情を考慮いたしまして十分に弾力的にこの指定をひとつ考えてもらいたいと思うのであります。ただいま申し上げましたいわゆる連続災害である、また被害を受けました場所が離島、僻地が相当多いというような点、また被害額が非常に多くなっているというところは十分考えていただきたい。この点に対する政府の所見を伺いたいと思うのです。なお、この激甚法の指定にあたりまして、とかく時間がおくれがちであります。やはり地元といたしましては一日もすみやかにこの指定があることが望ましいのでありまして、そうしてそれによつて復旧事業に対して一そうの努力を加えたいと思うのでありまするが、右に関する御意見をひとつ承りたい。
  17. 北川博正

    ○北川説明員 激甚法につきましては、御承知のとおり、現在各省の資料を集めて調査中でございます。ただいま各省からの御報告を聞いておりますと、先日われわれが聞きました資料よりも若干ふえているという状況でございます。なお、激甚法の指定につきましてはいま検討中でございますが、今後市町村なり何なりの指定につきましては、まずこの災害が激甚災害であるかどうか、次いでどの条項を適用するか、たとえば農業だとか、公共土木だとか、住宅だとか、そういった事項別の指定をまずやるわけでございます。これは政令で指定することになるのでございますが、その後、市町村財政、いわば標税とか負担額等を考えまして、それからそれについて各省庁がそれぞれ告示するということでございまして、市町村なり何なり、たとえば離島等について指定の形がどうなるかということについては今後の問題と思われますので、現在の段階は何とも申し上げられない状況でございます。
  18. 床次徳二

    床次委員 ただいま御答弁がありましたが、きわめて形式的な御答弁だと思う。事情はまさにそうあるべきだと思うのでありますが、指定については、私がただいま申し上げましたそれぞれの地方の特殊性と、なお災害の性格というものを十分に考慮してそうして指定をしていただきたい。形式的な指定はこの際とるべきものではないということを特に申し上げまして、これはそれぞれ各省関係官が査定あるいは調査されました場合におけるところの第一の心がまえとしてひとつ考えていただきたいと思うのでありまして、特に私要望いたしました。繰り返して申し上げまするが、連続災害というような形に実際はなっておる、また受けました場所が非常に僻地であり、あるいは離島であるというところは十分考慮しなければならないし、なお場所によりましては、特にわが地方のごとく災害が住宅に非常に加重されておるというようなところは特殊な問題であろうと思うので、この点はひとつ十二分なしんしゃくをされまして、実情に沿うところの指定をせられんことを特にこの際要望申し上げておきます。なお、過去の実例から申しまして、とかくこれがおくれがちだ、政府も努力しておられて、すでに査定官を出しておられるし、またそれぞれ専門の調査官を出しておられるようでありまするが、この災害復旧ということにつきましては念が上にも早くやっていただくという心がまえを持ちまして各省の担当官におかれましては対策を進められんことを特にこの機会において要望申し上げる次第であります。  以下、各業務別におもな点だけ申し上げてみたいと思うのであります。  農林省関係について申し上げてみたいのですが、従来の農林関係復旧の貸し付け等につきましては、天災法によりまして、償還期限が五年、これを七年に定めるようになっておるのであります。実際の災害地の実情から申しますると、据え置きを一年くらいしてもらうことがいいのではないかということが、過去の経験において言われておるのでありまするが、この点に対しましては、ひとつできるだけ考慮してもらうと申しまするか、そういう余地があるかどうか。第一年次はできるだけ負担を軽減するというような考え方をもちまして今後災害の償還に当たることがよいのではないかと思うのでありまするが、この点いかがでございましょうか。
  19. 中西一郎

    中西説明員 天災融資法関係、迅速に取り運びたいと思っておりますが、その間時間を要するとすれば、つなぎ融資なども考えたい。これについては、運転資金といいますか、経営のために必要な流動資金を融資するたてまえになっております。次の作物で返していただく。それを、通常五年でございますけれども、五年の範囲内に返してもらうということで、据え置き期間については考えておりません。ただ、次の作までの間にまた被害が来るというような場合には、旧債の借りかえができるというふうな仕組みを融資の中で考えてまいります。それから利子の問題につきましては、現在ございます六分五厘と特別被害地域につきましての三分五厘の融資ということで、今度の二十号の場合には相当地域が三分五厘地域に指定されるだろう、かように見通しております。
  20. 床次徳二

    床次委員 ただいま御答弁がありましたが、実際におきましてはなかなかこの点が苦痛がありますので、十分その運転資金あるいはそのつなぎという意味におきまして、最初の償還において負担がかからないところのことをひとつ御考慮いただきたいと思う。  なお次に、今回の被害におきましては、果樹に対する被害が非常に多いのであります。果樹に対する対策というものが、どうもいままでの結果から見まして不徹底ではなかったろうか。少なくとも激甚法におきましては、一応総ワクが五十万円となっておりますが、実際は過去においては三十万円くらいしか出てなかったと思うのであります。果樹の性質から見まして、なお、現在果樹が非常に大きなウエートを持っております点から考えまして、これはひとつ限度額まで出すという努力をせらるべきものではないかと思うのであります。なお、果樹につきましては、樹勢の回復あるいは肥料というものに対しましては道がないのでありますが、こういうものに対しましてやはり将来補助形式によっていくということが必要ではないか。あるいは改稿等につきましても考慮する余地があるのではないかと思うのであります。果樹というものが非常に広範囲に行なわれております際におきましては、従来の程度では十分な災害復旧がなし得ないというのが実情であったと思うのです。この点に対して農林省の所見を伺いたい。
  21. 中西一郎

    中西説明員 お話のとおり、果樹に対する従来の施策は必ずしも十分であると思っておりません。今後の方向としましては、限度額にできるだけ近づけるというようなことも含めまして、これは御承知だと思いますけれども、激甚法が適用になれば七年というふうに延びるということにもなっておるわけですが、十分御意見を尊重して検討してまいりたいと思います。  あわせて申し上げますが、果樹の共済制度の要望もかねてからございます。これにつきましては目下保険設計等いろいろ検討しておりますけれども、二、三年の間にはそれが緒についてくるのではないか、こういうふうに思っております。  それから樹勢回復の肥料につきまして、これは果樹のみならず、昨年の長雨以来、またことしの東北地方の凍霜害等に関連して非常に強い要望等もあったわけですが、補助金の体系として仕組むことが技術的に非常に困難な点が多うございます。結果として市町村あるいは単位農業協同組合等で不当事件を出す、ごくまれには不正事件も出てくるというようなことがどうしても避けられない。そこで、消耗的な資材についての補助に重点を置くのでなしに、やるとすれば、恒久的な施設について、前向きで、しかも残る、将来の災害に対する予防的な機能も果たし得る、そういう恒久的な点に重点を置いて補助事業を推進してまいりたい、かように考えております。  それから改植等についても御意見十分参酌いたしまして検討いたしたいと思います。
  22. 床次徳二

    床次委員 果樹は今後選択的拡大の重要点になっております立場から、果樹に対する対策というものについては従来以上にこれは考究すべきものである。特にその点は当局の善処を要望いたしたいと思います。  なお、風に対する対策から申しまして、果樹園の周囲におきましては、防風施設といたしまして特殊な風に強いものを植える。われわれのところで申しますと、イヌマキというようなものを植えることが非常にいいと思うのでありますが、こういうものに対しましてはある程度まで補助をしなければ困難ではないか。これがほんとうの果樹に対する災害対策であろうと思う。この点に対しましても、将来積極的な補助ということについてひとつ考えてもらいたいと思うのであります。  なお、応問の関係上簡単に進めますが、今回の農林災害はまことに大きな災害であります。しかも現下におきましてはカンショの収穫期になっておる。サトウキビにおきましても同様でありますが、このサトウキビの基準価格あるいはカンショの最低価格というものがもう近く告示になるわけでございまして、農民といたしましては、この際の災害対策といたしまして、これを大きな救済のよりどころとして考えておるところでございます。私どものところにおきましても、サトウキビにおきまして六億、カンショにおきまして十三億というような大きな被害を受けておる。しかも反当収量におきましても非常に下がっておるのでありまして、したがって、カンショ価格の決定につきましては、将来のカンショ作の安定あるいは甘庶作の安定という意味におきまして十分な考慮をしていただく必要があるのでありまして、でん粉買い入れ等につきましてもやはり政府の無制限買い入れという措置がこの際必要ではないかと考えておるのであります。もうすでに時期も迫っておるのでありまして、これが応急の災害対策といたしましては一番効果的と私どもは考えるのでありまして、価格並びに買い入れに対する政府の所見をひとつ伺いたいと思います。
  23. 中西一郎

    中西説明員 カンショと甘庶につきましての価格の点でございますが、現在カンショ関係は市中の取引が相当安くなっておるというふうに聞いております。貫当たり二十五円というような話も聞いておりますけれども、それぞれの方面からの強い御要望もございますし、昨年の貫当たり三十円というような基準価格も一つの重要な参酌事項といたしまして、できるだけ早く——という意味は、おそくなりますと取引が混乱するということもあると思いますので、できるだけ早い時期にきめてまいりたい。サトウキビの基準価格につきましても同様の趣旨できめてまいることが必要であると考えておりますが、この点につきましては、何分国際糖価が非常に低迷いたしております。そういう関係の中で生産者の生産意欲がそこなわれないようにどう持っていくか、実は苦慮しておるところでございますが、御趣旨の点十分拝聴いたしまして検討を進めてまいりたいと思います。
  24. 床次徳二

    床次委員 ただいま御答弁がありましたごとく、現下におきましてはこれが非常に大きな役割りを果たすのでありますので、その趣旨におきましてひとつ十分な努力をされまして、国といたしましても特別な考慮を払われたいと思うのであります。  なお、今回の災害が一般的な立場の影響を与えております関係上、やはり救農事業等の実施が必要になると私ども考えております。ぜひそれを実施してもらいたいと思うのでありますが、当局としてはそれに対する考え方はお持ちでありましょうか。ぜひひとつこれは実行してもらいたいと思うのでありますが、その点を承りたい。
  25. 中西一郎

    中西説明員 救農に役立つ土木事業、これにつきましてはそれぞれ関係府県と十分打ち合わせまして、繰り上げ施行等につきましても配慮してまいりたい。いずれにしましても、現在計画中の事業をどういうふうに進捗するかということとからめまして、具体的な事例についてそれぞれ打ち合わせをしました上で進めてまいりたい、かように思っております。
  26. 床次徳二

    床次委員 なお、農村の災害対策につきましては、すでにいろいろのことが考慮せられておりまするが、どうぞひとつ——個々の問題については触れません。あるいは耕地関係等におきましても相当大きな被害を出しておるのでありますので、農林省といたしまして、この対策に十分な努力をせられんことを特に要望いたしまして、農林省関係を終わりたいと思います。  次に、建設省の住宅の問題です。先ほどもちょっと報告がありましたが、今回の住宅に対する被害というものはまことに激甚なものでありまして、鹿児島県だけでも千二百三十三戸というような大きな被害を出しておるのでありまして、なお、住宅に対する激甚法の適用にあたりましては、一応の防災会議におけるところの決定の基準がありまするが、この基準の実施にあたりましては、先ほど総論として申し上げたのでありまするが、現地の実情によりまして十分考慮していただきたいと思うのであります。具体的に申しますると、西之表市、中種子町、十帰村というような離島における住宅災害は、普通の地方におけるところの住宅災害とは非常に趣を異にしておるのであります。さような意味におきまして、住民の直接生活のもとである住宅の復旧に対しては容易ならざる努力を要するのでありまして、この点におきまして特別に考慮せられまして激甚地の指定を行なっていただきたいと思うのであります。この点に対する当局の見解を伺いたい。
  27. 尚明

    ○尚説明員 今回の台風二十号による住宅災害は、御指摘のとおり非常に甚大なものがございまして、特に鹿児島県下はその数が多く、いま係官を派遣して調査中でございまして、その報告によりましても、先ほど取りまとめて御報告をしたものよりもさらにふえつつあるような状況でございます。特に離島につきましては、私ども当初に予想いたしましたよりかなり多く滅失戸数もあるようでございまして、いまの調査をさらに精細に引き続きやるわけでございますが、まだ確実には申し上げられませんけれども、おそらくただいま御指摘の中種子町あるいは南種子町、それから西之表市等につきましては特別の配慮が行なわれる必要があるのじゃないか、こういうふうに考えております。
  28. 床次徳二

    床次委員 したがって、今後の対策といたしましては、二種の公営住宅におきましてはもちろんでありまするが、個人住宅の復旧に対して格段な努力が必要である。したがって、融資ワクの拡大ということが当然の帰結として要求せられるわけであります。すでに公庫の貸付課長も行っておられるようでありまするが、この点はひとつ従来以上の努力をせられまして、現状に即したところの結論を出していただきたい。特にこの機会に要望しておきます。何かその点に対する特別な配慮がありますれば、答弁をいただきたい。
  29. 尚明

    ○尚説明員 御承知のように、災害に際しまして公庫融資で復旧いたします個人住宅につきましては、すでに新潟地震の際にも、公庫の融資額を在来の金額から引き上げて、たとえば建設につきましては、限度額四十二万円を五十八万円にする等々のことを行なっておるわけでございますが、その被害状況による貸し付けの査定につきましても、私ども過去の経験から、いろいろ最近の実情で、災害の集中しておるところではいろいろお困りのことをよく存じておりますので、査定官の教育につきましても、実情に沿うよう従来からやっておるわけですが、特に今回の派遣に際しましては、その点を注意いたしまして、そういうふうに説明会を催し、そういうふうに認定をするように一応申し添えて派遣しております。
  30. 床次徳二

    床次委員 次に、特に災害のひどかったところの文教説の復旧について文部省当局の意見を伺いたいのですが、今回の災害におきましては、全壊をした、そのために授業ができないというような関係もあるのでありまして、これがためには可及的すみやかに補助決定をせられまして工事に着手するということが最も緊要だと思うのであります。これに対する御努力をお願いいたしたいと思うのであります。  なお、従来復旧費等の際において一番困りますのは、工事費の単価の問題なんです。やはり実情に即したところの単価によって査定していただいてそうして早く決定をするということが、復旧に至る道で、復旧を容易ならしめる点でございますが、この点に対する当局の御意見を伺いたい。
  31. 齋藤正

    齋藤説明員 災害復旧に対しまして、公立学校につきましては財務当局と立ち合いの上調査をすることになっておりますので、私ども、学校の教育ができるだけ正常にすみやかに復帰するように、御趣旨の点を含みまして調査を急ぎたいと存じます。  なお、単価等の問題につきましても、必要な予算を組む場合に、実情に即するよう十分検討してまいりたいと存じます。
  32. 床次徳二

    床次委員 なお、実際問題におきましては、査定ができますると、つなぎ融資を出してもらってそうして工事に着手するということになるのでありまするが、とかくつなぎ融資の場合におきましてはそのワクが少な過ぎるというのが過去の実例であったと思うのであります。この点に対しましては、今回の災害以後におきましては、ひとつつなぎ融資の額も十二分に出すような努力をしていただきたいと思うのでありまするが、いかがでしょうか。
  33. 齋藤正

    齋藤説明員 私立学校関係につきましては、文部省が直接所管しております私立学校振興会の融資という点で、これは現在のところ災害に応ずるワクがあるようでございますから、これは本日も私自身連絡をとりまして遺憾のないようにいたしたいと思います。なお、公立の文教施設関係につきましては、御承知のように、大蔵省ないし郵政省の支分部局の関係のことでございまするが、この点については私どもも関係方面連絡いたしまして、市町村が実情に応ずる応急の措置ができるように努力いたしたいと存じます。
  34. 床次徳二

    床次委員 次に、学校施設等につきましては、これはどうしても年度内に完成する、可及的すみやかに復旧をしなければならないのでありまして、ほかの施設のごとく二年度にわたるというようなことは許されないと思うのでありまするが、この点は、特に文教関係におきましては本年度において完成する目途をもって一切をやっていただきたいと思うのでありますが、当局の御決意を承りたいと思います。
  35. 齋藤正

    齋藤説明員 復旧工事の年度区分につきましては、従来の経験もいろいろございますので、市町村の計画の支障のないような予算措置を講じたいと存じます。
  36. 床次徳二

    床次委員 ただいまの点はきわめて大事な点でございまして、新学年も迫っておるわけでございますから、ぜひひとつ本年度内において完了する。時間的に申しますれば、いまから早く決定いたしますならば相当のところはできるはずだと思いますので、この点はひとつ万全な努力を尽くしていただきたいと思います。  なお、地方によりましては仮教室の必要をどうしても認めるものがあると思うのです。この仮教室をつくりました場合におけるところの負担をどうするかという点でありまして、これはやはり融資なりあるいは特別交付税なり御考慮願う必要があると思うのでありますが、いままでどういうふうにやっておられたか、また、今回はどういうふうにされるお考えであるかを承りたいと思います。
  37. 齋藤正

    齋藤説明員 先ほど御質問のありましたつなぎの融資の中で、特に仮の施設設備をするというものも含まれて実施された経緯もございますので、その点は、先ほど申しましたように関係の当局等に連絡をいたしまして、その道が講ぜられるようにいたしたいと思います。
  38. 床次徳二

    床次委員 そうすると、仮教室につきましてもつなぎ融資は当然見るという方針でございますか。
  39. 齋藤正

    齋藤説明員 文部省の予算として必要な仮教室をどうするかという問題は、実態に応じて今後検討してまいりたいと思います。
  40. 床次徳二

    床次委員 これはぜひひとつ考慮していただきまして、そうしてこれが災害を受けた地元の重い負担にならないように処置していただきたいと思うのであります。  以上、おもな点を申し上げたのでありまするが、なおこの災害復旧に対する政府の処置でありまするが、当然予備費でもって可及的すみやかになされることと思うのであります。追加予算を要することとなると多少時間もかかるかと思いますが、いずれかにいたしましても、早く決定してつなぎ融資を出すことが必要だと思うのです。地元におきましては一刻千秋の思いを持っておる次第でありまして、どうかひとつ早く査定を了しそうして資金を出す、これはあらゆる事業について言えることでありまして、特にこの点は政府全般に対しまして要望をいたしておきます。予備費であろうと、あるいは追加予算であろうと、この点復旧に支障のないところの措置をとられることをこの際要望いたしまして、私の質問を終わる次第であります。
  41. 細田吉藏

  42. 原茂

    ○原(茂)委員 時間が非常に限られているようですから、あまり詳細にわたって質問を申し上げることも不可能かと思いますが、重点的に、ある種のお願いをあわせて質問をいたしたいと思うわけです。  その前に、きょう関係大臣がだれも出ていないわけでありますが、大臣の出席要求を正式にはしていなかったというようなことも慣例上は言いのがれになるかもしれませんが、少なくとも、当委員会が先月の上旬に持たれて、その後にこの種の大きな災害が起きて、きょう二日に開かれることを各省大臣は知っているわけでございまして、当然、十分なゆとりがあるのですから、国民全体の非常に大きな、生活が危殆に瀕するような事態が起き、各自治体においても財政破壊に瀕するような緊急事態に直面をしているわけでございますから、自発的にも大臣がこの委員会には出てくるというような慣例を、特に委員長からひとつ強く要望をしておいていただきたいと思うのであります。きょうおいでいただいております当局各位の熱心な御答弁と、いままでの経験からいいまして、実際の仕事は御出席各位にお願いをする以外にはないと思いますけれども、やはりただ前例に従うというだけでなくて、新しい事態、地域による特殊な事情等がありましたときには、それにあわせて大きな決断をし、即実行をしていただくというような問題も多々あるわけでございますし、このこと自体が当委員会の主たる任務でございますから、ぜひひとつ大臣は、災害対策に関する限りは、事前要求があるないにかかわらず出席するというのを原則に考えていただきたいということを、これは特に委員長に要望をしておきます。次会は何か九日に委員会が開かれるわけでございますから、その後の事態については大臣出席のもとにぜひひとつ緊急に問題の処理が行なえるような責任ある体制の整備をお願いしたい。冒頭にお願いをひとついたしておきます。  いまも床次委員からお話のございましたように、特に私は長野県下の被害状況を中心に当局のお考えをただしたいわけでございますが、同じようにやはりつい先ごろ凍霜害がある、干ばつがあるというような直後のこの被害でございまして、一難去ってようやくその手当てがまあまあ半分どおりできるかというようなときにこの大きな災害に見舞われましたので、内容は違いますけれども、いずれも地域にとりましては、特に自治体にとっては連続災害と言って過言ではございませんし、そういうたてまえからも特別な配慮をお願いしたいと思うわけであります。特に一番大きな主要河川の問題ですとか、あるいはいま説明のありましたように補助災害長野県下は非常に大きかったわけでございますが、いまお聞きいたしますところによると、これから本査定を行なう。おかげで査定官が緊急に派遣をされまして、昨日まで御労苦をいただいて御調査を願ったようでございますが、本査定は北のほうからというような報告が先ほどございました。その順序によってまいりますと、本査定長野県の場合一体いつ終了するのか。次いで事項別の政令の指定がありませんと、いわゆる激甚災その他の適用というものが決定されませんので、政令の出ますまでの時間がどの程度になるのか、そういうことをまず第一にお伺いをしたいと思うのであります。いま申し上げたように、このことが地元にとっては非常に重大な問題でありまして、災害といえば天災融資法というのがなれっこになっておりますが、単なる天災融資法の適用というのでは、いまのお話にありました六分五厘、おそらくこの利息を払うだけでまた赤字を重ねていくというような状況になりますので、ほんとうに被害を受けた者を救うということになりますと、単に広さの比例からだけではなくて、その地域にとってはまさに激甚中の激甚の災害を今回の場合には漏れなく受けております。そういう点で激甚災の指定というものを地元民は首を長くして待っている状態でありますので、激甚災の指定あるいはそれに準ずる手当て等がいつごろになるとできるのか、どういうふうに期間的に順序を経てその指定が行なわれるのかということを、自治体としても地元民としても早く知りたいという前提に立ちまして、いまの本査定の見込み、それから事項別政令の指定がいつごろになるかということをまず第一にお伺いをしたい。
  43. 細田吉藏

    細田委員長代理 ただいまの大臣の御出席の点につきましては、委員長から強力に申し入れることにいたしたいと思います。
  44. 上田稔

    上田説明員 本査定の期日について御説明を申し上げます。  長野県につきましては、この十月の十四日ごろからと考えておったわけでございますが、二十号台風による被害相当大きゅうございますので、これに対して設計書を県のほうで作成をいたさなければならないのでございますが、この十四日に間に合うかどうかということで、県のほうでも非常に心配をいたしております。あるいはこれがおくれるかもしれませんが、もし十四日から始めまして、予定どおりにいきますと大体十一月の始めでこれが終わることになっております。
  45. 原茂

    ○原(茂)委員 いまの予定が十四日から始まり、十一月の一日に終わる予定だというのですが、これがいままでの例でいいますと、往々にして一週間ないし二週間延びてまいりました。延びますと、特に寒さのひどい地域でございますから、いよいよいろいろなことがきまりましてこれからというときに、もう手がつかなくなるという場所も非常に多うございますので、十一月一日に終わるというこの最後の期日というものを絶対に曲げないように、私のほうからも県当局あるいは地元にも全面的な資料提出その他の協力をしていただくようにお願いをいたしますので、ぜひ最後の締め切りを延ばさないような御努力をお願いしたい、こう思います。  それから二つ目に額でございますが、先ほど御説明のございました、たとえば補助災害にいたしましても、長野県十八億というような御説明がございました。残念なことに、今回の被害は奥地の被害が非常に多うございまして、完全にその調査がまだされていない個所がたくさんあります。きょういまもまだ調査をするとどんどんふえるという状況にあります。土砂くずれその他非常に大きな崩落等がありますが、現場に行く足場がないというような状況での調査未了地がたくさんありますので、おそらく、私の推定でございますが、当然、補助災害に関しても二十億をこす。長野県下全体の災害でいいますと、全部合わせまして三十五億前後になるだろう。お手元に出してあります資料は、おそらく県全体として二十一億という、災害直後の、非常に事実に合っていないような額が出ているかと思いますが、先ほど長野県側の説明がありましたように、明日には詳細な現時点における資料が届くと思いますから、数字の御訂正もあわせて明日からお願いをしたいと思います。  次いで、長野県の場合には、主要河川が、たとえば天竜川を中心に、千曲川、こういう大きな河川においても今回の災害があったわけであります。特に護岸は、天竜川において八カ所、千三百十五メートルくずれております。千曲川の場合には、二カ所で二十八メートル。これはいつでも水が出ますとこの程度のものは出てまいりますので、この護岸に関しては基本的な長期の計画をこの際新たに検討していただく必要があるのじゃないか。いま予算がとられてやっておるわけでございますが、予算そのものも非常に少ないために、この予算がもう少しありますと工事が完全にできて、今回の決壊が起きないで済んだと思うようなところもだいぶございますので、再検討をひとつ思い切ってしていただきたい。どうも私の知っている範囲では、三年ないし四年前に一度基本的なものができて、それによって予算が次から次にとられて工事が進んでいるが、もう一度、新しい河川法等ができましたたてまえからいって、再検討を急速にお願いをして、予算に関しても新たな角度からの、特に護岸を中心の予算編成というものに御努力をお願いしたい。いずれ詳細は直接お伺いに上がりたいと思っていますが、ぜひ手直しというものを考えていただくように、この際お願いをしておくわけでございます。  いま補助災害で特に申し上げましたが、今回長野県下で一番大きな被害を受けましたものに大田切、与田切、中田切、鼠川などという小さな河川もございます。きのうまでに現地の査定を終わってお帰りいただいたわけでございますから、これらの河川被害のひどさはすでにおわかりだろうと思いますが、ここで先に一つお伺いしておきたいと思いますのは、激甚災の指定はぜひともこれは受けなければいけないと考えておりますし、当然そのようにしていただけるという前提に立っておるわけでございますが、それにしましても、この中小河川の決壊に対しては、これは一カ所十万円以下というものを基準にして対象にされておるのが今日までの実例でございますが、これを一カ所十万円以下だけで査定をしていただきますと、一つの小さな河川に二十カ所も三十カ所も少し離れたところにございますと、総額では二百万、三百万ということになるわけでありますが、こういう場合に従来の例では特例があったのかどうか。とにかく今回の場合、現地を見ていただいておわかりだと思いますが、それをやられたのでは、全然国の手を伸ばしていただけないことになりますので、これらの中小河川に対しましては、一カ所の工事費は十万円以下でございましても、その河川全体でいいますと何百万という額になるほど数十カ所にわたっておるというようなものに対しては、河川全体で対象にしていただけるように、これはぜひともやっていただかなければいけないわけでありますが、この点、いままで前例がありましたら前例、並びにこれからの御配慮のほどをお伺いしておきたい。
  46. 上田稔

    上田説明員 お答え申し上げます。  まず予算増の件でございますが、これにつきましては、木査定までに十分調査をしていただきまして出していただけばけっこうだと思うわけでございます。あるいは査定中でもけっこうでございます。  それから第二点の護岸につきましてでございますが、災害によってこわれたものにつきましては、再度災害をこうむらないような工法ということを前提にいたしております。したがいまして、そういうふうな工法をとっていきたい。ただ、もっとさらに大きな水が出たときにはどうだというようなことを考える場合には、これはやはり改良を入れないとできないわけでございます。そういうことで、今度の災害にかんがみまして、また一級河川に指定になって直轄でやるというような部分につきましては十分の検討をいたしたいというふうに考えております。また、国が計画を立てる分につきましては、十分に考えていくつもりでございます。  それから次に大田切、与田切の川が被害をお受けになりまして、小さな川が一カ所市町村災害で十万円以下、府県災害で十五万円以下というものは救えないのかという御質問でございますが、これは非常に隣接して災害発生しておる場合、たとえば二十メートル以下にもう点々としてあるというようなものにつきましては、一つの災害とみなしましてそれを査定いたしております。
  47. 原茂

    ○原(茂)委員 市町村災害を特にいま申し上げたわけですが、二十メートル以内でないとまずいのですか。
  48. 上田稔

    上田説明員 お答え申し上げます。  原則として二十メートル以内ということでございます。
  49. 原茂

    ○原(茂)委員 二十メートル以内という原則がありますと、この原則ということは、現地の査定等を通じて多少幅があるんだ、こういうふうに考えてよろしゅうございますか。
  50. 上田稔

    上田説明員 原則でございますので、原因が、その根入れとか、そういったものを考えまして、これはどうも一つであるというふうに見られるものは一つにとっております。
  51. 原茂

    ○原(茂)委員 次にお伺いしたのは、今回の二十号台風でも、東播海岸ですか、緊急復旧費の支出が何か二百二十万円あったようです。緊急復旧費の支出というものに対して、たとえば、今回の災害で町村支弁のものが実は非常に大きくあるわけなんですが、その上流に水道の水源がある、その水道の水源へ行くのに、もう全然いままで使っていた林道まで崩壊をしてしまう、当然、いま市町村支弁でやっている工事も、途中のその道路までが決壊をして全然歩けない。水道は全然出ない——あとで水道の問題は別に申し上げますが、そういうようなときに、年間予算がわずか一億前後というような小さな自治体の場合に、その工事だけでもいま緊急に手をつけようとしても、とてもじゃありませんが、手がつかないというようなところが二、三カ所あるわけですが、そういうところに何か特別な便法を設けて、これでやるからこれでやれというような緊急の指令なり手配をしていただけるような方法はないものかどうか、こういう点をひとつ……。
  52. 上田稔

    上田説明員 御質問の趣旨がちょっとわかりかねるところがございますのですが、たとえば山の中の渓流でございまして、そこの砂防堰堤をつくらなければいけないということで、そこへの進入路がこわれておるという場合におきましては、とにかく材料の搬入とか、そういうものに対する費用は、もし道路がない場合ということも——以前はあったのだろうけれども、いまはなくなっているというような場合には、とにかくそういうものを込めて考えて査定をいたすことになっているわけです。
  53. 原茂

    ○原(茂)委員 それに関連しましていまの補助災害でございますが、特に問題になりますのは、上流における砂防が緊急に行なわれないと、下流を幾ら手当てをしましても、もう一雨きますとまた次に大きな崩落、決壊があってすぐにまた土砂がやってくるということが当然しろうと目にもわかるような崩落がたくさんあるわけですが、上流地域にこれに対してある種の砂防というものを緊急にやっておきませんと安心していられない、こういうことが現実には非常に大きな問題で地域住民が困っているわけなんですが、この点は今度の査定の対象として考えておるかどうか。ある意味では恒久対策になるかもしれませんが、砂防というものも当然その河川を保護するという意味では考えておきませんと、現にすでに新たにできた崩落というものが、次にちょっと二十ミリ、三十ミリの降雨があれば必ずくずれる、古老も言っておるし、私たちが見てもそう思えるような場所がたくさん奥地にあるのですが、こういうものに対する緊急の砂防というものを何とかして同時にやっていただかなければ困るわけですが、今回の査定にはこれが対象として考えられていくのかどうか、これをひとつお聞きしたい。
  54. 上田稔

    上田説明員 お答え申し上げます。  砂防の査定というのは非常にむずかしいのでございますが、いま先生がおっしゃいました、土砂がくずれて、そうしてそのくずれたのが、このたびの災害でございましたら、このたびの災害でそれをとって、下流のほうに流出しないように考えるということが原則でございます。たとえば非常に大きな土砂くずれがあって川がある程度埋まっておる、これが次の災害で流出してくるであろうという場合には、その流出をとめる砂防堰堤をつくるとか、そういったものがことしの災害の中に入るわけでございます。それから、少しこわれかけておってこれはほうっておけないのじゃないか、しかし、いま現在今度の災害にはとれない、しかしあぶないというようなものにつきましては、別に砂防のほうでそれを調査に参りまして、緊急砂防という手もございます。
  55. 原茂

    ○原(茂)委員 いま言われました二つのうちの一つの、現にくずれてきて河川を埋めておる、それを堰堤をつくってこの次にまた出てこないようにしようとする、これは当然やっていただくのですが、一度くずれておりますその場所が、ちょっとひどい雨が降るともう一度くずれそうだというものを別途に緊急砂防として考えるというのですが、そうすると、今回の場合、この災害対策としては、査定の中にそれは入れないで、新たに県あるいは自治体単位にそういう場所の申請を行なって、緊急砂防なら緊急砂防という別の手当てをしていただくということになるのですか、二つの手続が必要になりますか。
  56. 上田稔

    上田説明員 ただいまの場合はケース・バイ・ケースになりますので、ちょっとどういうところかわかりかねますが、大体そういうふうなことのように考えております。二つの手続といいますか、砂防課から別に緊急砂防についてはそれを調査に参りまして、採択するかしないかをきめております。
  57. 原茂

    ○原(茂)委員 それからこれは河川関係で、ついでですから、特にお願いをしておきたいのですが、今回の災害を受けた場所で、つい一年前に準用河川としての工事を完成した場所があるわけなんです。その護岸をつくるときに、ずっと昔から古く牛が組んである場所があるわけなんです。こういう場所がある以上は昔何かがあったのではないか、したがって、どうせ護岸をやるなら、その牛の上から護岸をやるべきだということを、地元なりその自治体なりのいわゆる担当者あるいは経験者が県なり国なり施工者に強く要求をしたわけです。ところが、やはり皆さんのほうからいうと近代的な技術というもので自信があるものだから、そんなものを無視して、いやここでいいのだというので、その地元あるいは自治体が、ぜひこうしてもらいたい、ここに牛があるということは、ここに前に大きな災害があったのだ、したがってこの上からやってくれと言ったことを、それをやらずに、実は思ったとおりに下のほうからやった。おかげで、なるほどいまになりますと、その牛が組んであるところが決壊して、たいへん大きな被害の源をつくったというような事例があるわけなんです。おそらく査定をされたところでおわかりだろうと思うのですが、こういうことがありますので、同じ復旧をしていただくにも、近代技術で皆さんがお考えになってこれでいいんだという考え方も当然持たなければいけないわけですが、同時に、地元のいままでの経験からするこの種の願いあるいは知恵というようなものも取り入れるだけの幅をもって今後の復旧にも新しい施工にも考慮を払っていただきませんと、非常にむだがあるのじゃないかという一例を現場でこの間見てきたわけです。なるほどなあと思いました。こういうことをひとつ特に局長にも頭においていただいて、全国にこれは適用していいことじゃないかと思いますので、古くから何かある、牛が積んであるというところは何か昔あったのだというようなことをやはり考慮して施工をしていく、そういう工法に留意をするということをぜひ今後の問題としては考えておいていただきたい。これはひとつお願いをしておきたいと思うわけです。  それから水道関係を先ほど駒ケ根市長から陳情を特に申し上げました。現在この自体の水源地がほとんど全壊、全滅の状態になっています。自衛隊が来て給水をする、あるいは隣接市町村からポンプを借りてきて給水をするというような状態をいま続けているわけでございますが、これをいつまでも続けるわけにまいりませんので、一応のめどを自衛隊の引き揚げるという十六日というところに置いているわけです。これが引き揚げてまいりますと、あとどうするのか。では給水をとめてしまおうというわけにまいりませんので、水道によって生活するものの、全体で一万二千名くらいになりますか、こういう人々の生活を考えますと、井戸はなし、ほうっておけない事態でございますが、水源地へ行ってみますと、完全に土砂で崩壊、決壊をしてしまいまして、自治体にとってはせっかくたいへんな支弁をして去年までにつくり上げた上水道でございますが、これが全然使いものにならない。こんなに埋まってしまったりこわれたのでは、新しくつくったほうが安いのじゃないだろうかというような観点から検討してもらいましたし、現地も一緒に見てまいりましたが、査定においでになっておわかりになっていると思いますが、新しくというわけにはいかない、やはりあの場所での復旧というものがどうしても必要だということに決定をされたようでございます。皆さんにもおそらくそういう決定をしていただくようになると思うのでありますが、こういう場合に、緊急に何とか浄水場の復旧というものだけは——水源地の復旧をしませんと、隣接町村のポンプを借りて給水するといっても限界がありますし、そういうことで衛生的に安心かというと、非常にそれも安心ができません。隣接町村といっても、これもお互いに水源地をとにかくやられているというような状況——特に上伊那郡の駒が根、宮田、西春近というようなところはたいへんこの問題で緊迫した情勢にあるわけでございますが、これをひとつ、先ほどの緊急支弁ではございませんが、本査定が終わってからというようなことでなくて、特別に何とかこれに対する緊急手当てをするという方法はないものかどうか。そういうことを御考慮いただけないものかどうか。とにかく水道に関することでございますし、水道ができる前には井戸があったわけでございますが、水道ができて井戸をもう全然使わない、あるいはつぶしたというところがほとんどでございまして、井戸をこれから掘り直していくというようなことをやりましてもとても間に合いませんし、各家庭に井戸がもうございませんということになりますと、どうしても他から給水ポンプ車で給水をずっとこれからも続けるか、できるまでほうっておくのだというようなことになったのではたいへんでございますし、これが一番緊急中の緊急でございますが、これに対する手当てを早急に特別の手配でやる方法がないものだろうかどうか、それが一つ。  もう一つ、そうは言いましても、できる限り水源地から水をとりたいというので、臨時に地上に二百ミリ程度のパイプを敷きまして、そうしてある程度金は思い切ってかかるわけですが、いわゆる臨時の措置というものをとり得るところはとるということをきめたようでございますが、相当これも費用がかかります。そういう場合の、緊急に地上にパイプを敷いて、非常に曲がりくねったところを少し無理な工法を用いてやるわけですが、やった場合の費用に対する配慮というものを特にしていただけるものかどうか。この二点についてひとつお伺いしたい。
  58. 大橋文雄

    ○大橋説明員 お答え申し上げます。  今次災害に際しましての上水道あるいは簡易水道の復旧についてでございますが、御質問の中にもございますように、上水道、簡易水道というものは、これは一日も水を人間が飲まなくては生活できないという非常に重要なものでございますし、この復旧の方法といたしまして、大きく分けまして、ただいまも御説明にございましたように、何とかしてとにかくその急場の水を間に合わせるという応急復旧法と、それから本復旧法と申しますか、従来の水道にもう一度戻す、この二種類をもってわれわれは復旧と称しているわけでございます。したがいまして、一般的に申しまして、災害の場合に、この応急復旧も本復旧も両方とも災害対策の対象として手当てをいたしております。今次の災害の、たとえば長野県の調査というものがまだ全部完了してございませんので、逐次また報告が入ると思うのでございますが、今後そういう報告調査というものに基づきまして、この諸手当てにつきましては財政当局とも十分の連絡の上に処置してまいりたいというふうに考えております。
  59. 原茂

    ○原(茂)委員 そうしますと、いま私が申し上げたような自衛隊の給水等が終わるそのあとの手当てというものを特にしなければいけませんが、十六日でもってそういう給水等の自衛隊の援助が終わるわけです。水源地をやはり復旧するための特別ないわゆる調査あるいはその他を厚生省が独自に急速に手を打ってもらえるのだ、こう考えてよろしゅうございますか。
  60. 大橋文雄

    ○大橋説明員 ちょっと、ただいまのケース・バイ・ケースの状況が私ただいま確実に把握してございませんので、何ともお答え申し上げられませんが、原則といたしまして、応急復旧と本復旧と申しますか、あるいはその前の給水対策というものの間に切れ目があってはならないということが原則でございまして、日にちをどうしてもそこで切ったらあるいはそこに切れ目が出るということであれば、もう少しその日にちを延ばして、とにかく水の供給というものを継続せねばいかぬということが原則でございます。
  61. 原茂

    ○原(茂)委員 時間がないようですから、もう一問簡単にお伺いしたいのですが、そうすると、先ほど言った事項別の政令指定がこれから行なわれますが、それまでには厚生省は厚生省としての調査を終わり、この水源あるいは浄水場に対する方針がきまって、自治体から見るとこれでいけるというような見通しというものはつくようになる、こう考えてよろしゅうございますか。
  62. 大橋文雄

    ○大橋説明員 先ほどとにかく激甚災の指定とか、いろいろな処置と必ずしも——それは当然一致すべきだと思いますけれども、それはそのあとにきますたとえばいろいろな財政手当ての問題の場合に、補助率の問題とか、あるいは裏づけの問題とかいうものが関連いたしてまいります。しかし、水というものは、そういうものの処置いかんにかかわらず、とにかく住民に飲まさなければいかぬという大原則がその前にございますので、場合によってはそれだけ切り離して処置すべきものは処置するというふうにされる必要があると思います。
  63. 原茂

    ○原(茂)委員 ぜひいまお答えがあったように、場合によってはではなくて、この場合は特別に措置をする必要があるのだというたてまえで緊急にひとつ進めていただくようにお願いしたいと思います。  最後に、耕地関係ですが、今度耕地が局部的に全部土砂に埋められてしまいまして、全体からいいますとたいした広さにはならないわけですが、こういうものも何といっても救済をしなければいけません。この救済に関しては、従来の規定による救済によりますと、なかなか救済がされない非常に小さな面積であるということが言えます。しかし、その地域の農家にとりましては、全滅をした、あるいはほとんど再起不能だというような打撃を受けた場所もあるわけです。こういうものに対して、今回の手当てをしていただく中で特別に配慮をする方法というものが何かありますかどうか、ひとつお伺いをしておきたいと思います。
  64. 中西一郎

    中西説明員 暫定法関係では、一カ所十万円以上のものは全部拾えることになっております。場合によって、被害の再度発生するような場合の危険の度合い等も考えまして、それに隣接するものは救っていくという関連事業の方式もございますので、具体的なケースに即してできるだけ救っていくようにはいたしたいと思います。
  65. 原茂

    ○原(茂)委員 最後にこれも委員長にお願いしておきたいのです。あと九日にこの委員会が開かれるわけでございますが、それまでに、今回の二十号台風に対して、いまあるいはこれからも質問のあります各事項別にどういう手当てをしたか、どういう方針にこれはなりそうだ、いま検討している内容はこうだということを、各省一括したものをこの委員会に資料としてお出しをいただいて、それをもとにまた審議をさせていただき、緊急に救済の措置を講じ得るようにしたい、こう思いますので、この種の一括した資料というものを、現在までの手当ての行なわれたもの、あるいは今後の手当てをしようとする方針というようなものを九日の委員会までにお出しいただくように、これは委員長に特に御配慮をお願いしたいと思います。
  66. 細田吉藏

    細田委員長代理 後刻理事会で相談いたしまして、御趣旨に沿うようにいたしたいと思います。
  67. 原茂

    ○原(茂)委員 それではこれで質問を終わります。
  68. 細田吉藏

    細田委員長代理 渡海元三郎君。
  69. 渡海元三郎

    ○渡海委員 時間がだいぶ過ぎましたので、私は簡単に地方財政の問題に限って聞かしていただきたいと思います。  昭和三十七年、八年の、いままでにわかっております決算の自治省の報告を見ますと、国の経済の調整と相まちましてだいぶ財政が苦しくなりつつあるという現況でございまして、昭和三十九年は目下進行中でございますが、おそらく三十七年からの財政困難の状態は地方財政においても変わりないと思います。この財政困難になりつつある県あるいは市町村に、ことしは、九州の長雨とかあるいは新潟の地震、または七月の集中豪雨、十四号台風、今回二十号台風と、重ね重ねの災害があらわれました。したがって、さなきだに苦しい町村財政あるいは県財政にとりまして、この災害相当苦しんでおるのじゃなかろうかと思います。これに対して自治省は当然災害復旧等について適切なる措置をとっておられると思いますが、これらに対する措置の概要についてこの際御報告賜わりたいと思います。
  70. 首藤堯

    ○首藤説明員 渡海先生の御質問にお答え申し上げます。  ただいま御指摘がございましたように、地方財政は本年度はたいへん苦しくなってきておりまして、それに加えて非常に大きな災害にたびたび見舞われておりまして、かなり財政運営に四苦八苦しておりますことは、御指摘のとおりでございます。この点に対しまして、自治省といたしましても、地方団体の財政運営を円滑にいたしますための十分の努力を払わなければならないわけでございまして、またそのような努力をいたす所存でおるわけでございます。  御指摘のございました本年度ただいままでとってきました措置といたしましては、このような苦しい財政下で災害の応急的な復旧なりあるいは各種の対策等に地方公共団体が使います金、この金繰り等がさしあたり非常に困る状況も見受けられるわけでございますので、まず第一には、地方交付税の繰り上げ交付をいたしまして、当該団体がさしあたりそのような事業を円滑に遂行することができますような措置をとりたい、このように考えまして、いままでそのような措置をとってまいっております。具体的には、新潟の大震災がありましたときには、六月の二十六日に総計五十七億余りの繰り上げ交付をいたしましたし、それから山陰、北陸方面の豪雨の場合には、七月の二十七日に二十三億を上回ります繰り上げ交付をいたしたような次第でございます。なお、今後、地方公共団体に対します財政措置といたしましては、事態の推移を待ちまして、公共事業等におきます国の補助事業の額等が決定をしてまいりますと、この事業の遂行のための地方債の確保、それから最終的には災害そのほかのために生じました財政需要を補てんいたすための特別交付税の交付、このようなことを今後とり行ないまして、でき得る限り地方財政の運営に支障なからしめるよう努力いたしたい、このように考えております。
  71. 渡海元三郎

    ○渡海委員 公共災害の事業につきましては、各省が査定がありましたら、法に基づきまして補助金あるいはこれに基づくところの起債というものが当然出てくるのでございます。各省の早急なる査定と適切なる補助金の決定、あるいは激甚地帯指定のごときも、いま御要望のありましたとおり、早くやっていただきたいということが主要になるのではないかと思いますが、公共災害に乗らない単独復旧の事業というものは、当然各地団体にとりましては自己財源の中からも見るべく余裕を持っておらなければならないのでございますが、いま申しましたような地方財政の状態でございますので、自己財源で見ることはとてもできないのじゃないか、苦しいのじゃないか、したかがって、この災害復旧の単独事業のものは、一にたよって起債にまたなければならないというのが現在の地方団体の実情じゃないかと思います。ところが、単独復旧事業というものは、従来の例を見ておりましたら、その起債額というものは、公共災害に一定の率をかけて、何でもこのごろはそれが公共災害査定額の約一割、こう聞いておりますが、その額しか割り当てをしないというふうな状態になっておりますが、事実このごろはその程度の額しか単独災害に対して起債が充当されないのであるかどうか。いまこのごろの起債の割り当て方はどうなっておるのか。私は、それでは十分なことができない、かように思うのですが、まず、いままでの単独災害査定のしかたについてひとつ御答弁を賜わりたいと思います。
  72. 首藤堯

    ○首藤説明員 地方公共団体の行ないます災害復旧のうちの、公共災害に採択をされません小災害等の単独災害の面でございますが、ほとんど単独災害のための地方債を財源にいたしまして地方公共団体がこの事業を施行しておりますことは、ただいま御指摘のとおりでございます。その単独災害復旧の起債のワクが公共事業の査定額におおむねリンクいたしまして設定されておりますことも、御指摘のとおりでございます。ただいま約一割と御指摘になりましたものの額は、大体三十八年度の発生災害の場合には、一割二分でございますか、一〇・二%ほどのワクが単独災害のワクになっておったわけでございまして、これも御指摘のとおりでございます。単独災害発生額は、その年次年次の状況によってかなり違ってまいるわけでございますが、おおむねの傾向を申し上げますと、非常に公共災害の大規模の災害がございましたときの公共災害に対します単独災害の率と、それから公共災害がそれほど大きくございませんときの単独災害の率は、おのずから傾向があるようでございまして、大災害発生いたしました場合の年次の率はわりと低く、小災害発生いたしました場合の率はわりと高い、このようなかっこうになろうかと思っております。各年次年次の実績等を勘案いたしましてこのような単独災害の起債の率を設定いたしまして単災に対処しておるわけでございますが、それぞれ各年次ごとの災害によりましていろいろな特徴もございますので、事態に合った単独災害のワクを本年度は設定いたすようにいたしたい、このように考えております。
  73. 渡海元三郎

    ○渡海委員 各年次ごとの災害に適切に合わしたようなワクを設定するということを聞いて安心をしたのですが、実情は、そう言われますけれども、そうなければならないのでございますが、おおむね一割で切っておられるのが現在の姿ではないかと思います。地方財源にゆとりがございましたら、小さいものは自己財源の中から災害復旧でも行なうのが当然でございますが、ことしはそのワクがないということは、たびたび申し上げたところでございます。その上、今回の二十号台風風台風だといわれておる。風台風の場合におきましては、いわゆる河川の決壊あるいは堤防の破壊、池の流出といったような、公共災害被害額が案外少ないのじゃないか。その反面、全地域に起こっておりますだけに、いわゆる町村が行なわなければならぬ単独災害復旧事業費というものが、たとえば学校屋根がわらにしても、一つや二つの学校でなく全部の学校屋根がわらが飛んでおる。これらは全部直さなければばいけないのでございますから、いわゆる単独災害のワクは、公共災害のワクに比例して数段大きくなってくるのじゃないかと思います。したがって、私は、今回の場合は、いままでの一割といったようなワクをはるかにこえて、実情に合ったようなパーセントにこれをきめていただくように格段の御配意を賜わりたいと思いますが、この点につきましては自治省並びに大蔵当局からもひとつこの際御答弁を賜わりたい、かように考えます。
  74. 海堀洋平

    海堀説明員 地方資金課長がちょっと所用がございまして、かわって答弁さしていただきます。  現在、今度の二十号台風の詳しい被害状況というものがまだわかっておりませんが、大体過去の経験というようなものがございますので、そういうものを参考にしながら、実情に応じて措置さしていただきたいと思います。
  75. 首藤堯

    ○首藤説明員 本年度の災害につきましては、二十号の風災害の性格あるいは新潟震災という特殊の災害の性格等がございますので、御指摘がございましたような趣旨におきまして、なるたけ実情に合うような地方債のワクを設定いたしたい、このように考えております。
  76. 渡海元三郎

    ○渡海委員 特に本年度は、二十号台風風台風である、この点を特に見ていただきたいのでありますが、その上に、ことしは新潟の地震がございました。新潟の地震でいわゆる公営企業その他地下埋設物が相当いたんでおります。その被害復旧相当額に上がっているんじゃないか。何でも七十億ほどになっておる、私はこう聞いておるのですが、従来は、公営企業あるいは公用の庁舎、それらの復旧に要するところの起債というものも、これは当然公共災害と見るべきじゃないか、補助金が出たらと思うのですが、いままでの運営上はこれも単独災害の起債のワクから出しておられる。ところが、ことしは新潟災害で七十億というような相当な額が出ておりますので、これも従来のような一割のワク内から出されますと、相当ワクが窮屈になり、二十号台風に対する、いまのような風台風のために単独災害が非常に多いというものまで食われてしまうというような姿でありますので、この分もあわせて当然考慮していただくべきものである、このように考えます。いま直接の担当官がおられないので、かわりの御答弁だったらしいですが、従来の経験ということがございましたが、従来の考え方を一てきしていただいて、この際、新潟地震のこのようなものもございますし、実情に合った単独災害の起債のワクを設定していただきたい、これが私のこの質問さしていただく要望でございますので、この点、もう一回大蔵当局の御答弁を賜わりたい、かように考えますのと、あわせてこの際お聞きしておきたいのですが、いまも原委員から水道の問題が出ておりましたが、水道は特に指定された場合でないと災害復旧に対する補助は出ていない、こう思うのですが、新潟災害の場合は、これは地震でございますから、地下埋設物と水道がいたんでおるものもたくさんあると思います。下水道などは補助金が出ると聞いておりますが、水道の点に対しましてはいまだにその決定を見ていない、こう思いますが、当然これらは私は補助金の対象に入れてもらうべきものじゃなかったかと思うのですが、その点もあわせて、きまっておりましたら、厚生当局からでもどちらからでもけっこうですから、お答えを賜わりたいと思います。
  77. 海堀洋平

    海堀説明員 新潟地震の場合は、地震でございましたので非常に地下埋設物の被害が大きかったということでございまして、従来の主として暴風雨による場合とは被害状況が異なっておるという事実の認識に立ちまして、上下水道、工業用水道というふうなものの災害復旧につきましては、補助金のほうにつきましては私のほうの問題ではございませんで、主計局のほうの問題でございますが、その補助金その他特定の財源を除きまして、緊要度に応じまして——それは、たとえば上水道は非常に国民生活に密接な関係があるというような緊要度に応じまして、必要な公営企業の災害復旧に要する起債を見ていこう、この場合には、従来のいわゆる単独災の公共土木災に対する割合というふうなものは一応別にいたしまして、そういう特殊事情を勘案して見ていきたいと思っております。  さらにつけ加えておきますと、新潟地震の場合には地下埋設物にも特殊性がありましたが、大きな企業が相当災害を受けている。従来は、私企業につきましては、主として中小企業についてだけ見たのでございますが、今回は特殊性がございますので、相当大きな企業にまで北東公庫を通じて災害復旧についての融資を見ているというふうに、新潟地震の場合におきましては、従来の災害復旧と違う点を十分に勘案して措置をとっておるつもりでございます。
  78. 大橋文雄

    ○大橋説明員 お答え申し上げます。  新潟地震に際しましての水道の復旧に対しての国の補助金は、厚生省と大蔵省との話し合いをいたしまして一応国の補助金で見ていただくということになりまして、特に地下埋設物の被害が非常に甚大でございましたので、その部分に関しましては国の補助率を八〇%充当するということに、ただいま大蔵省とは話し合いがついております。  なお参考までに申し上げますと、従来上水道が災害を受けました場合には、国の補助金をもって、やはり公営企業ではありますが、簡易水道と同じようにこれを取り扱っております。従来の一般災害の場合には五〇%という補助率を充当しております。
  79. 渡海元三郎

    ○渡海委員 新潟の上水道も補助が大体きまったということで安心をいたしましたが、いま大蔵省の答弁の中で、ああいったものに対する起債はワクにとらわれずに考えておるということでございますが、国全体の総ワクの中からは、私はいままでやはり一%の中からとられておったんじゃなかったかと思う。その地区地区に対するものは、もちろん、当然そんなワクじゃなしに、これは別個に考えられますが、国総体の中からそれをやられますと、ほかの分に食い込んでくるんじゃないかと思いますので、ぜひとも、ことしは特に公営企業に対する災害の起債で補っていただかなければならぬ復旧事業が多いものでございますから、特別のワクで見ていただきたい。それと、二十号台風風台風でございまして、公共事業に比べて相当パーセントの高い単独事業債を必要とするのじゃないかと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。それとともに、農作物の被害等で相当税が減収になるのじゃないかと思いますので、歳入欠陥債というふうなものの措置も考えていただきまして、町村財政の培養を期していただきたい、このことを特に要望いたしまして、私の質問を終わらしていただきたいと思います。
  80. 細田吉藏

    細田委員長代理 午後は一時五十分に再開することとし、これにて休憩いたします。    午後零時五十一分休憩      ————◇—————    午後二時十一分開議
  81. 細田吉藏

    細田委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。  この際、委員派遣承認申請の件についておはかりいたします。  先ほど理事各位と協議いたしました結果、台風第二十号による被害状況調査のため、現地に委員派遣し、実情を調査いたすことに決定いたしたのでありますが、理事会の決定のとおり、委員派遣承認申請を行なうに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  82. 細田吉藏

    細田委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さように決定いたしました。  つきましては、派遣地、派遣期間、期日、派遣委員の員数及びその人選並びに議長に対する承認申請手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが御異ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  83. 細田吉藏

    細田委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  なお、航空機利用の必要があります場合にも、委員長においてしかるべく取り計らいたいと思いますので、御了承をお願いいたします。      ————◇—————
  84. 細田吉藏

    細田委員長代理 引き続き、災害対策に関する件について質疑を続行いたします。泊谷裕夫君。
  85. 泊谷裕夫

    泊谷委員 質問に先立ちまして、先月十七日北海道開発庁長官が帰られまして、翌十八日には、すみやかに農林省としても幹部会を招集していただき、北海道冷害に対処し、特に激甚災害法を含め、意欲的に、しかも迅速な措置をとっていただいたことについて、北海道の百二十六万の道民ひとしく喜んでいるところでございまして、この機会を借りてお礼を申し上げておきたいと思います。  時間の制約がありますので、数点単刀直入にお尋ねいたしますから、できるだけ簡略に、しかも具体的にお答えをいただきたいと思います。  まず最初に中西官房長にお尋ねをしたいのですれども、今次の冷害天災融資法に基づく災害と指定し、被害農業者の再生産を確保するため経営資金を融通する措置は当然と考えられるのでありますけれども、これが閣議決定の日時を含め、その考え方と事務的な進捗状態についてお聞かせいただたいと思います。
  86. 中西一郎

    中西説明員 お話のとおり、非常に大きな災害と考えております。そういう意味で、天災融資法の発動という段取りは必至であると思います。被害状況を確定させまして、その上で特別被害地域をきめる。三分五厘の適用の地域でございますが、それらの資料を整えますについて、九月下旬の二十七、八日ごろの降霜がございまして、その辺の事情も取り入れて実は調査いたしたいと思っております。そういう意味で、調査ができ上がりますのは十月の下旬になろうかと思いますが、といって、それまでお困りになっておられる方を放置するわけにもいきませんので、つなぎ融資を迅速に措置するということで、他方、道あるいは市町村との集計作業もとり進めてまいり、月末までには天災融資法の発動ができるようにしたい、かように考えております。
  87. 泊谷裕夫

    泊谷委員 天災融資法関係のお答えをいただきましたが、被害実態はすでに農林省でも十分御承知のようであります。いまのお話にもちょっと触れられておりましたけれども、先日参議院の災害特別委員会で、次官は、原則として激甚災害の適用を考えておることを明らかにされたというふうに聞いておりますが、その後の取り扱い、これが具体的な方策についてお聞かせをいただきたいと思います。
  88. 中西一郎

    中西説明員 現在われわれの手元被害数字だけでも二百数十億をこえております。その点から言いまして、激甚災の法律を適用するということにも必ずなるという見通しを持っております。先ほどの調査の結果を待ちまして、できるだけ迅速にそういう運びになるように努力をいたしたいと思っております。
  89. 泊谷裕夫

    泊谷委員 それでは次のお尋ねに入りたいと思うのですが、被災農家の再生産及び生活の維持をはかるために自作農維持資金の災害特別ワクについて増額配分についても、これまた当然考えられるものと思うのでありますが、間違いがないかどうか、態度を明らかにしてほしいと思います。
  90. 中西一郎

    中西説明員 お話のとおり考えております。
  91. 泊谷裕夫

    泊谷委員 次に、特に困窮しております被災開拓農家も相当数にのぼっておることは御承知のとおりでありますが、当該者に開拓者資金による災害対策資金の融通を考慮さるべきだと思うのですが、これについてはいかがなものか、お答えをいただきたいと思います。
  92. 中西一郎

    中西説明員 施設その他についての被害は、事冷害ということでございますので、あまりないと思っておりますが、農作物被害が開拓地のほうに及ぼす影響はやはり相当あるのではないかと思います。これも自創資金の関係で若干開拓農家に有利になるような手直しも最近やっておるのでございますが、災害の場合には、これはかねてお答え申しておりますけれども、昨年までの三十万円というワクのほかに二十万円を追加しまして、二月当たり五十万円ということで、経営を切り抜けていくための措置を講じておりますが、そういうことで善処してまいりたいと思っております。
  93. 泊谷裕夫

    泊谷委員 それでは次に移りたいと思いますが、制度資金について、被害農業者の要償還額のうち償還不能分について、これは具体的に申請がなければ事務的に困難だと思うのでありますが、具体的な申請があったときは償還猶予の措置などを考慮してほしいと思うのですが、その点についての見解を明らかにしてほしいと思います。
  94. 中西一郎

    中西説明員 お話の点は、農林漁業金融公庫の公庫資金、それから自創資金、さらに近代化資金等にわたりまして、具体的な農家の実態に応じまして、償還期限を約定よりも延ばすということは当然措置していきたい。しかし、将来長きにわたってということでなしに、いろいろ見定める必要がありますので、とりあえず償還を延ばす、様子を見てまた考える、こういう態度で臨んでまいる。かねての累次の災害でやっておることでございますが、冷害についてもそれを適用いたしたいと思っております。
  95. 泊谷裕夫

    泊谷委員 制度資金の償還猶予については長期的にお願いしたいところでありますが、これはまた後ほどにいたしまして、次に農協金融、系統を含めてでありますが、これまた償還金を長期低利の資金に借りかえるという措置を考慮願えないものだろうか。このことについて、できることならば三十年以上というような長期のものにと思っておるのでありますけれども、これまた考え方を明らかにしてほしいと思います。
  96. 中西一郎

    中西説明員 農協関係の資金は大部分が運転資金にかかわるものでございます。そこで、それを制度金融に切りかえるというのは、現在の仕組みではできないわけでございますが、特に、先ほどちょっと触れましたが、開拓者につきましては、これから農業経営をさらに発展させていくためにそういう金が足かせになるというような場合もありますので、今月の上旬だったと思いますけれども、省令を改正いたしまして、災害がなくても自創資金を五十万円まで借りられるというふうにいたしておるわけでございます。そのほか、一般的には、先ほども申し上げましたように、施設についてのいろいろな制度金融はございますけれども、運転資金については、年々の農作物の収穫で少しずつでも償還してもらうというたてまえをとっております。一般的な切りかえは困難かと思います。
  97. 泊谷裕夫

    泊谷委員 農協金融の事情について農林省の考えがわかりましたが、これはまた次回にということにしまして、被害農業者の農業共済金の年内支払いでありますけれども、先日概算払いというようなお話がありましたが、もうすでに御承知のとおり十月にもなっておりますし、これは早急に事務を進めていただいて、年内支払いが好ましいのではないかと思いますが、農林省の考え方を明らかにしてほしいと思います。
  98. 中西一郎

    中西説明員 概算払いについては、参議院でもお答え申し上げたのでございますが、本払いを年内にということにつきましての要望もございましたことですし、早期支払いをしまして年内にそれができるように努力はいたしたいと考えております。いろいろ末端の損害評価の進捗ぐあいとか、さらに連合会とかあるいは共済組合の事務手続等との関連もございますが、それらの一連の仕事をそれぞれ迅速に取り進めて、何とか努力はいたしたい、農林省だけでもいたしかねる点もありますので、全体として努力をいたしたい、かように思っております。
  99. 泊谷裕夫

    泊谷委員 次は予約概算金の問題ですけれども、これは昭和三十一年には組合で立てかえ払いをいたしまして、その利子を五カ年で補償を行なった例もあるのでございますが、被害農業者の昭和三十九年産予約概算金の返納について、利子の減免など特別の措置を講じてほしいと思うのでありますが、これについての考え方はいかがなものでしょうか。
  100. 中西一郎

    中西説明員 お話の点につきましては、災害地域の集荷業者の団体に対しまして利子を減免していくというような措置になるわけでございます。三十二年の災害にあたりましてそういう先例もあるわけでございますが、被害の実態を調査いたしまして、おそらくそういう措置をとらざるを得ないとは考えておりますけれども、現段階ではまだ結論を出しておりません。
  101. 泊谷裕夫

    泊谷委員 先を急ぐようで恐縮でありますけれども、昭和三十九年産米時期別格差の問題であります。出荷時期が例年に比して、今後好天が続くとしても、中西官房長からお話がありましたように、もう十日ぐらい何とかなってくれたらよかったのでありますが、御承知のとおりの霜がありまして、ほとんど壊滅状態にある。したがって、これは農林省調査ではありませんけれども、当該農協の系統で調べたことしの出荷事情を見ますと、従前ならば大体第一期で七・四%、それから二期で三六・三%、三期で三〇・一ということで、従前の実績は七割三分八厘ぐらい出荷を終了しておるのでありますが、ことしの見込みは、九月十一日調査現在で一期分で一・〇、それから二期分で五・四、三期分で一八・一ということで、トータルにして二割四分五厘、こういう極度の格差を見せておるわけであります。したがって、この政府買い入れ期日でありますが、昭和三十九年七月十一日農林省の告示第七百六十二号によります各期を、従前も措置を願ったのでありますが、今回は各期とも十日ずつ移行して、最終の期にはさらに十日間延長してもらう、こういうふうに考えておるところでありますが、農林省の考え方はどんなものか、明らかにしてほしいと思います。
  102. 中西一郎

    中西説明員 米の出荷の時期別格差の問題につきまして、特に北海道については、二期、三期に出てまいります分が、いままでどおりの日限でございますとあまり出ないというふうにはわれわれも考えております。若干の延期はやむを得ないと思うのですが、全国一律に何日延ばすというようなことは実は考えておりません。せんだって九月の末の分を三日間延長するにあたりましても、新潟、長野その他二県ということで具体的に措置したわけでございますが、例年の出荷状況をにらみ合わせましてそれぞれの作がおくれておる地帯についてはそれを考慮する、出荷時期に天候が悪いという場合にはそれを考慮するということで、具体的に措置してまいることにいたしたいと思っております。
  103. 泊谷裕夫

    泊谷委員 最後の問題は、ケース・バイ・ケースとして、個々の問題として延長の気持ちがあるというふうに了解してよろしゅうございますか。
  104. 中西一郎

    中西説明員 そのとおりでございます。
  105. 泊谷裕夫

    泊谷委員 次に農産物の検査規定の関係ですけれども、ごらんのとおりの状態でありまして、ほとんど規格外というのが数多く出てきたわけでありますけれども、具体的な問題としては、前年どおり、規格外、等外ともに政府買い上げが実施されてもいいのではないかと思うのが一つと、それから水分が多い、俗にいう丙、規格外ですね、五等品位で一六ないし一七%のものでありますが、この規格を新たに設定して政府で買い上げる用意がないものだろうか。三つ目としましては、農業災害補償法の適用されない規格外、たとえば青米のまじったもの、これらは全量買い上げの措置を講じてほしいと思うのでありますが、この三点についてのお答えをいただきたいと思います。
  106. 中西一郎

    中西説明員 規格外の米につきましては、規格外の甲と乙については、せんだって実は告示いたしまして買い入れの対象にいたしました。御指摘の丙に該当するものにつきましては、まだ実は措置いたしておりません。また青米の混入の場合のお話もございました。いずれにつきましても、大体の見当はつくのですけれども、もう少し出荷の現実にあたりまして品物をよく見て調査をいたしました上で善処いたしたい——と申し上げると、何もしないということを申し上げておるのではなくて、いずれそういう方向にいかざるを得ないと思っておりますけれども、情勢の把握をもう少しやった上で実行に移るということが必要ではないかと思っております。  それから保険との関係につきましては、結論が出ていないのですけれども、農業共済のほうと食糧庁の買い入れのほうとその間に大きなギャップがあるというのも好ましくございません。その辺を十分調整いたしたいと思って、現在作業中でございます。
  107. 泊谷裕夫

    泊谷委員 それでは次に種子購入補助であります。これまた、昭和二十七、八、九年と、三年にわたって配慮願ったのですけれども、種子の購入費に対する国庫補助でありますが、今回もこれについて考慮をいただけないか。特に畑作農産物の種子については——水稲は共済の対象になっておる、しかもそれは二分の一という数字が採用されているのでありますが、畑作は何らの保護策がないのに三分の一の補助率なんです。これは一般的に考えて逆ではないかと思うのでありますが、畑作の補助率を三分の二に上げることを含めまして、農林省のお考えはどういうものであるか、お聞かせをいただきたいと思います。
  108. 中西一郎

    中西説明員 これも検討中でございますので、はっきりしたことは申し上げかねるのですけれども、水稲の場合は、農林省の従来の主食の確保というようなことも背景にありまして、二分の一補助ということで考えたこともあるのですが、畑作の場合には、特に投機性の作物も多い関係もありまして、三分の一ということに従来いたしています。道庁からは、それを三分の二にしたらどうかという御要求をいただいております。いろいろ検討いたしたいと思っていますが、十月の末には、先ほど申し上げましたように被害額が確定いたします。その上で大蔵省と強く折衝してみたい。畑作の補助率アップの問題はなかなか難航するのじゃないかと思いますけれども、農林省の中でもう少し考えさしていただきたい、かように思っています。
  109. 泊谷裕夫

    泊谷委員 補助率引き上げについては、さらにひとつ御検討いただいて御努力をいただくということにして、越冬用の飼料については、あっせんについて御配慮いただいておるようでありますが、この補助についてどういうことになっておるか、お聞かせをいただきたいと思います。
  110. 中西一郎

    中西説明員 越冬の家畜の飼料につきまして、道の関係からは、購入費の補助をしたらどうかということで要望をいただいております。最近道庁からいろいろな事情も詳細承っておるのでございますけれども、なお地域別の飼料の需給状況等もさらに詰めてまいりまして、必要があれば補助ということも場合によっては考えられるかもしれませんが、現在としてはまだそこまで考えていないわけです。何とか政府手持ちのふすまとか大麦を北海道のほうへ運びまして需給関係を安定させるということで大筋としては措置いたしたい、かように考えています。
  111. 泊谷裕夫

    泊谷委員 飼料補助については現地調査後という考えもあるようでありますから、さらにそのときに譲ることにいたしまして、農機具の貸し付け料について、これは県のほうも関係がありますが、減免についてお考えがあれば明らかにしてほしいと思います。
  112. 中西一郎

    中西説明員 大型の機械を国有のものを貸付する、あるいは道有のものを貸付するというような仕組みがございます。それの貸付料は、これは予算措置としてそれぞれ一定の基準があってやっております。同様な仕組みで補助をしておるものが農林省関係でたくさんあるのですけれども、それぞれのものについて補助の度合いをどうする、災害のたびにどうするということは、非常に事務的にも処置しがたいむずかしい問題でございます。そういう意味で、天災融資法とか自創資金とかという、従来の、何といいますか、災害と正面から取り組むような施策のほうに力点を置いて、そっちのほうで農民がお困りにならないように対処していくということに重点を置いてまいりたい、かように思っております。
  113. 泊谷裕夫

    泊谷委員 最後ですけれども、結果的に今度の冷害北海道における離農は好むと好まざるとにかかわらず出てくると思うのです。したがいまして、離農補助金の引き上げと戸数ワクを何とかふやしてほしい、こういうふうに考えるわけでありますが、どんなものか、ひとつお考えを聞かしていただきたいと思います。
  114. 中西一郎

    中西説明員 離農の援助につきましての補助金は、昨年三十万円から四十五万円まで上げたわけでございますが、それを来年の予算では引き上げることは考えておりません。戸数は大幅にふやしたいということで考えております。
  115. 泊谷裕夫

    泊谷委員 先ほどもお断わりしたように、農林省として幹部会で北海道冷害を扱ったというのは、北海道として初めてのことであります。したがいまして、だいぶ事務的に御配慮をいただいておるようでありますが、できることならば、あすから出ます災害特別委員派遣もありますけれども、事務を担当しております農林省としても、この際、寒地農業を含めまして検討していただく時期でもないかと思うので、そういう用意があるかどうか、明らかにしてほしいと思います。
  116. 中西一郎

    中西説明員 明日から出かけられます視察の御一行にわれわれの担当の専門家もお供さしていただくことにしています。さらにもう少し被害の計数等がまとまる時期を見定めまして、十日前後から、農林省で別途災害の実態を把握するために、十名近い編成で北海道を一巡して、現地もよく視察し、御要望も聞いて回ろう、かように考えております。
  117. 泊谷裕夫

    泊谷委員 それでは農林省関係は以上にいたしまして、増原長官お見えですから、長官にひとつお尋ねをしたいと思います。  長官は、発令されて日が浅いのに、二度も北海道へおいでいただきまして、北海道としては歴代長官に見られない積極的な行動と意欲的な姿に、地元の北海道新聞も、誠実な長官という書き出しをしまして、たいへん道民から好感を持たれているわけであります。その反面またたいへん強い期待を持っておるのでありますが、特に長官が今度の冷害各地できめこまかな発言をされておりまして、特に記者会見で、東京を立つときに農林大臣に話してきたけれども、現地はあまりにもひどい、したがって、道庁とも協議しなければならぬけれども、すみやかな措置天災融資法はじめ低利融資などを含めて、談話を発表されております。御承知のとおり、先ほども農林省に申し上げましたけれども、翌日これに呼応して農林省がすみやかに幹部会を開いていただくというようなことで、農民はたいへん激励を与えられたことになっておるのですけれども、不幸なことに霜が出ましてさらに打撃を受けたというような形にあります。こういう時期にあすから特別委員調査に出るわけでありますが、今日まで長官として関係各省に誠意をもって事に当たられたものが数多くあるのじゃないかと思います。委員派遣の際にそれを明らかにしてさらに道民に激励を与えるという考えに基づきまして、お骨折りをいただいた内容について、いま中西さんのほうからも話がありましたけれども、概括して特に報告するものがあればお聞かせいただきたいと思います。
  118. 増原恵吉

    ○増原国務大臣 特に北海道冷害につきましてたいへん御心配をいただきまして、心から感謝をいたす次第でございます。  お述べになりましたように、私が最初に北海道へ参りましたときは、道央を中心に道南を歩きましたので、わりあいに冷害についてのお訴えを聞くことも少なかったのでございますが、二度目に参りましたときは、旭川から道東、帯広にかけて参りました。出発の際には冷害の話を聞いておりましたが、私に知らされました数字はさほど深刻なものでなかったのでございますが、現地に参りまして網走、釧路、特に帯広に参りまして、現地の冷害、湿害の実情の非常に大きいのに心を痛めたわけでございます。したがいまして、現地でも要望に対しまして、できるだけの措置をいたす旨をお答えしたわけでございますが、北海道へ参ります前に農林大臣には概括的なお願いをしており、帰りましてからも、数度、本日も閣議の前に農林大臣には特にその点をお願いいたしたわけでございます。いま御言及になりました委員の皆さまの視察御出張について、農林省からもしかるべき人々を随行させるという話を、きょうも農林大臣から承ったわけでございます。具体的にこまかい点は、私直接には農林大臣には申し上げておらないわけでございますが、事務当局から農林省事務当局にこまかく話をいたしておるわけでございます。天災融資法による融資の問題が一番でございますが、ただいま御質疑の中にありましたいろいろこまかい問題等、事務当局から農林省の事務当局にお願いをいたしておるわけでございます。その返答は、ただいまの質疑応答で明らかになりましたような実情でございます。農林省当局も非常に心配をしてくれまして、たいへんな熱意をもってこの国救に当たってくれておるということは、たいへんけっこうなことであると思う次第でございます。なお、御熱意のある御援助に対して感謝をするとともに、私どものほうでも一そう関係当局、主として農林省でございますが、農林省に対してさらに一そうの御努力を願い、なお、思いのほかに霜が早かったためのこれからの被害の増高ということもあると考えます。規格外の措置その他につきましてもなお一そうの具体的な努力をしてまいりたい、かように考える次第でございます。
  119. 泊谷裕夫

    泊谷委員 長官に具体的にお尋ねしたいのですけれども、農業の科学的経営管理の観点から見ますと、北海道は特に農業気象観測について配慮をいただいておるのです。これは上川、空知が中心になっておりますが、ごらんのとおり、道東、それから道北が多く災害に見舞われております。したがって、これは全国的なケースもあるでありましょうが、特に寒地農業を守るという意味から、この観測所の増設、並びに、従来いただいておりますのは、観測所で担当官一名という程度でありますが、増員などの問題もありましょうけれども、あわせてお考えをひとつ明らかにしてほしいと思うのです。
  120. 増原恵吉

    ○増原国務大臣 測候所の問題は、実は私現地へ参りました際には、測候所への昇格という問題を二カ所ばかりで陳情を受けました。この点はまだ一応の連絡をしたにとどまる程度でございます。全体としての観測所の数などは一応調べてみまして、内地の分布に比べてさほど劣るものとは思いませんが、しかし、北海道における気候の問題は、特にその早期寒冷の襲来という点で非常に注目をすべきものがございますので、仰せのとおり、もう少し具体的に関係当局へ要望をしたいというふうに考えます。
  121. 泊谷裕夫

    泊谷委員 これは少々大きな問題で、長官にひとつ十分お考え願いたい問題があります。ことしの気象状況北海道としては確かに不順であったわけでありますが、確かに気象学的には十年に一ぺんというようなものでありましょう。しかし、昨年も北海道冷害に見舞われるのではないかということで、開発局も、それから道内の新聞も一斉に書き立てて相当PRをしていただきまして、昨年はどうやら逃げ切ったわけであります。ことしは、その同じような条件でありながら、もろにかぶったということ、それから同じ災害地でありましても、開発局が中心になりまして土地改良、客土などをしてもらったところとその他とでは、やはり大きな違いを見せております。こうなってまいりますと、今度の北海道に起きました事故を、単に冷害というだけで見のがすのには問題があるような気が私はするわけであります。特にこの機会に私が検討を願いたいと思うのは、農民の利益機関として構成されております農協はじめ数多い農業団体であります。これらの機関は、本来農業協同組合法でも、その法律の目的に「農業生産力の増進」をうたっておるわけであります。さらには十条の十項にまいりましては「組合員の農業に関する技術及び経営の向上を図るための教育」こういうことが明らかにされておりますが、私の見るところでは、いまの農業諸団体は単に内部の利潤獲得、マージンをどちらが多く握るかということに力が入り過ぎておるような感じがします。ですから、たとえば厚生農協は、ことしは伝染病の発生が少ないから経営がうまくないとか、あるいは販連は、生産技術には無関心で、ただ米麦の集荷に全精力をかける、それから購買連は、農家が購買飼料から自給飼料に移ることに意外に神経を使うというようなことがありまして、本来的な仕事に打ち込むというような姿勢がないような気がするのです。あわせて日本の——北海道もそうでありますが、小規模経営の農民たちには、みずから試験研究、その普及をはかるというような力がないことは、長官も御承知のとおりと思うのであります。さらには、農協の農業改善事業において生産面への協力はきわめて重要な問題だと思うのでありますが、総合農協一組合当たり技術員配置すら一人に達しないのが現状ではないかと思うのであります。さらに、農民から農業経営に対する切望がありながら、余裕金は員外貸し出しによって有利な資金運用を行なおうと考えておる農林中金、あるいは農民の貯金に対して約五割程度しか貸し出さないで系統外に流れております信連、こういうものをながめて見ます場合に、特に寒地畑作農業振興の立場からも、県を核とするこれら農業関係諸団体の運営について徹底的な検討の時期にあると私は思うのです。  なお、北海道の場合、特に第二期総合開発ということで、五百万道民のうちの百二十六万、四人に一人の農民を抱え込んで、そのキャッチフレーズは所得倍増、これを鳴りもの入りで宣伝されておるのです。実際問題として、これに対する具体的な青写真が提示されていないというようなことについて、長官として、この際就任にあたりましてこの大きな問題についての検討をいただきたい。また、いま抱負があれば、この際お聞かせをいただきたい、こう思うのです。
  122. 増原恵吉

    ○増原国務大臣 仰せのとおり、北海道の農業について農業団体の果たすべき役割りについての御心配は、私も十分にわかるような気がいたします。これは実を言えば、北海道だけでなくて、日本全体のいまの農協その他の団体についてのある意味の弱点ではないかというような気もするわけでございます。御指摘になりました欠点は、まことに私は図に当たっているように思うのでございます。今度の冷害でも、おっしゃったように土地改良がうまくいき、客土などをやっておるところはわりあいに被害が少ないという実情を私も見てまいりました。例年の計画にさらに来年は一そうこの方面の客土なり心土破砕なりというものには力を入れたいというふうに考えたりしておるわけでございます。農協その他の農業団体関係の内部的な問題の是正については、おっしゃるとおりでございます。これはしかし、道庁を中心といたしましてひとつそうした面を十分に改善できまするように、私どもとしても、何といいまするか、大いに助力をいたしてまいりたいというふうに考えるわけでございます。北海道の現在進行中の二期計画における一次産業、特に農業の問題についてお尋ねがございましたが、いまこまかい数字を私は記憶いたしておりませんが、私は、北海道の開発という面における一次産業の持つ力というものはたいへんに重要視すべきものと思います。道央を中心とする新産業都市の開発等による第二次産業を第一ランナーとする経済の伸びということはもとより大事でございまするが、私は、北海道というものの持つ特殊の立地条件からいいまして、農業その他の第一次産業に十分力を入れる、それも特殊の努力をし研究をしてやるということが非常に大事であると思うのでございます。簡単に私見てまいりました点でも、新篠津における泥炭地の開発による一万一千町歩の美田の開発、床丹地域におけるりっぱな草地の開発等を見てまいりました。こういうものを中心としまする第一次産業というものが、二期計画の中において北海道では私は十分に重要性を持つべきものであると思います。そうした中で、やはり道東方面の根釧その他における冷害を受けやすい地域においては、これは少し大ざっぱ過ぎるかもしれませんが、やはり牧草を中心とした酪農というものをいま少し力を入れていく。私も昔北海道庁の役人をしておりまして若干北海道の事情を知っておりまするが、当時から、冷害を受けやすい地帯には根菜類を植えるべきものだというので、ビート、バレイショ等を大いに奨励されたのでございますが、今度行ってみますると、やはりビート、バレイショといえども、ことし程度の冷害相当被害を受ける地域があるということがわかったわけでございます。やはり立地条件をしっかり考え合わせまして、北海道においては、土地開発による牧草地帯の開発、これによる酪農——乳牛に限りませんが、酪農の振興ということが相当に重要視さるべきものじゃないかということで、大規模草地の開発というものを第二期計画においては相当に取り上げておりますが、特に少々計画を繰り上げまして、来年度からは大規模草地を国営をもって二カ所着手をしてみたい。これが北海道における、特に冷害を受けやすい地帯における将来の農業の一つの形になり得るのではないか。もっとも、酪農牧草地帯をつくりまする場合でも、やはり相当の国家投資を必要といたしまするし、特に道路を、融雪地帯にもとにかく車が走れる程度のものにしてやりませんと、せっかくの努力が無に帰するおそれがあります。町村道の部類に属する道路を融雪地帯におけるとにかく走れる程度のものにするという問題がまたなかなかに金のかかる、しかもやらなければならぬものであることをこの間痛感してまいったのでございます。第二期計画においては、結論的に申しますると、やはり私は北海道においては第一次産業というものを相当に重要視すべきものであり、その中で農業においてはやはり冷害に強いものをやる。これも聞いてみますと、やはり今度は少し気候不順であるから豆類などはやらないほうがいいぞという、ある程度の指導をした農協等も相当あったように聞いたのでありまするが、一般農家がこれに追随しなかったということもあるようでございます。これはやはり農業指導、経営指導の面において、道庁を中心とした経営陣の強力化、及び農協その他の指導が年々の気象条件を長期予報によって見た場合の転換というものも十分にやってもらわなければならないというふうに考えておるわけでございます。御質問の点、十分にお答えができませんが、そうした冷害に対する考慮は、特に北海道において酪農中心の農業振興という面で力を入れてまいりたい、かように考えるわけでございます。
  123. 泊谷裕夫

    泊谷委員 いまの問題は重要でありますから、日を改めてまたひとつ意見交換をさせていただきたいと思います。  時間を超過して恐縮ですが、一つだけ委員長にお許しをいただいてお尋ねして、おしまいにします。  厚生省関係でありますが、生活困窮者に対する生活保護法の適用を拡大してほしいと思うのですが、これに対する対策を明らかにしていただきまして、質問を終わりたいと思います。
  124. 加藤信太郎

    ○加藤説明員 お答えいたします。  生活保護法につきましては、御承知のように、無差別平等の原則というので、生活にお困りになる原因を問わずにやるということになっておりますので、いま御指摘の北海道冷害に直接特別措置をとるということはちょっといまできかねる状態でありますが、いわゆるこの冷害でお困りの方は来年の収穫期までは引き続いてお困りでございますので、私のほうとしましては、新年度からまた基準を上げて、いままでよりも一そう高い基準で保護を実施させていただくように国会のほうにもお願いしたいと思っておりますので、その節にはどうぞよろしくお願いいたします。
  125. 細田吉藏

    細田委員長代理 栗山礼行君。
  126. 栗山礼行

    ○栗山委員 時間が相当経過いたしまして、委員長の厳命によります時間内を尊守いたしまして質問を申し上げたいと思うのであります。  私、二十号台風災害対策に対する問題は二、三お伺いを申し上げてという予定で頭を整理いたしておったのでありますが、時間の関係がございますので、ただ一点だけこの問題について建設省河川局の方の御答弁をちょうだいいたしまして、近く先ほど御決定になりました災害主要地区における調査報告等も伺いました上におきまして再度質問をする、こういうことで委員長のおはからいをいただきたいと思うのであります。  もう一点委員長にお願い申し上げておきたいのでありますが、実はきょう私の質問について官房長官の御出席を御要請申し上げておったのでありますけれども、余儀ない所用のために御出席を得られない、こういう経過になりまして、質問をしっぱなしで後日御答弁をいただく法もありますけれども、これを保留いたしまして、次の九日に開かれます災害対策委員会には万難を排して御出席いただいて、私の重ねての質問、それに対する御答弁をちょうだいする、こういうことで委員長のおはからいをいただきたい、かように思うのであります。  要点だけ申し上げますが、いろいろきょう資料をいただきました中で、二十号台風はかなり広い地域にわたりまして、その内容も非常に広範なものでございます。私の住まいをいたしております大阪におきましても、室戸台風以外において天災的な事故というものからのがれてまいったのでありますけれども、今度の二十号台風で、その内容の量的なものを別といたしまして、やはり相当被害状況に見舞われてまいりました。もとより、これは全体の災害対策として関係当局の緊急及び施策のよろしきを求めるというお願いを申し上げなくちゃなりませんし、その形においていろいろ御意見をちょうだいいたしてまいりたいと思うのでありますが、御承知のとおり、この高潮対策について、大阪におきまする室戸台風を契機にいたしまして、緊急高潮対策として三カ年計画でいろいろ御配慮にあずかりまして今日まで進んでおるのでありますが、ことしでこれが終わることになるのであります。そういたしますと、四十年度以降におきます大阪の特殊な地盤沈下いたしておりますところのこの種の高潮対策について、河川局及び建設省といたしましてはどういう御方針のもとにこれを遂行せしめるか、こういうお伺いを私は端的に申し上げたい、かように思うわけであります。
  127. 国宗正義

    国宗説明員 お答え申し上げます。  大阪におきます高潮対策といたしましては、東京、兵庫とともに昭和三十七年から緊急高潮三カ年計画でもって実施中でございまして、御指摘のように、昭和三十九年度をもって一応概成することに相なっております。それに並行いたしまして、直轄といたしましては、淀川、大和川の高潮対策も同時に実施いたしまして、大和川の一部は若干おくれておりますが、それもおおむね概成することに相なっております。それに引き続きまして、昭和四十年度以降は治水事業新五カ年計画を水系一貫に考えておりますが、その際、高潮対策といたしましては、大阪地区におきましても、前回実施しましたよりもさらに若干上回る事業量をもって五カ年計画を実施いたしたいと考えており、来年度も相当量、すなわち従来より決して下らないような力の入れ方をもって高潮対策を推進したいと考えておる次第であります。
  128. 栗山礼行

    ○栗山委員 四十年度から五カ年計画の一環としていろいろ施策の準備をいただいておる、こういう御答弁をちょうだいしたと思います。そういたしますと、来年の四十年度の補助率の問題についてどのような一つの見解でお進めを願っておるか。御承知のいまのそういう緊急事態と同様な理解のもとに、五カ年計画として、特に五カ年計画の初年度の四十年度の補助率の扱い方としては同様の御理解をいただく、こういうような内容をお持ちになるのか、新しい時点でこれを御検討願っておるのか、この点についてお伺いしたいと思います。
  129. 国宗正義

    国宗説明員 高潮につきましては、事業の特質上、一般の河川の改修とは異なる率で実施しておるところでございますが、大阪におきます高潮の率は、従来は十分の四をもって実施いたしていたのでございますが、東京におきましては十分の三を実施いたしておりますので、来年度からは東京へ大阪とも十分の三という補助率をもって事業量を促進いたしたいと考えている次第でございます。
  130. 栗山礼行

    ○栗山委員 たいへん予期せざる御意見の具体的な表明をいただきまして、私はあ然といたしておるわけでありますが、東京と大阪の場合におきまするその条件の相違、こういうことで、大阪は三十七年度、あるいは東京は三十八年度から三カ年の緊急施策、こういう方向でいろいろお進め願ったやに私はうかがい知っておるわけでありますが、大阪の未完成なものが、緊急事態という年限がはずれますと、その内容を御検討願わずして補助率を低下する、こういうようなことについてはいかがなものか。きょうは時間がございませんから、私は、次の機会まで十分そういう施策の一方的な方向づけというものについては深甚な御検討をいただきたい。  もう一点、これに関連いたしまして、大阪の市内におきます地盤沈下いたしております橋梁のか上げの問題でございます。それから排水事業の問題、これは今度の防災対策の最も重要な一つの問題としてこれを御検討いただかなくてはならぬ。こういう問題についても私は早急に解決の方向をお進め願いますとともに、補助率の問題も、そういう画一的な内容でなくして、具体的なそういう一つの事実に基づく補助率の方向づけ、こういうものの考え方というものをもって御検討いただかなくてはならぬのではないか、率直に申し上げましてこういうような要望やら意見を持っておるわけでありますが、それを開陳いたしまして、後日、御検討願った中において、質問で明らかにお答えをちょうだいする、こういうことにいたしてまいりたいと考えております。  次にお伺いをいたしますのは、短い時間で寸足らずに終わるのでありますけれども、六月十六日でありますか、新潟の震災によります昭和石油の火災問題について、いわゆる新工場、それから旧工場と申しますか、合計四カ所の火災地区があったのでありますけれども、石油コンビナートの火災といたしましては昭和石油の新工場と旧工場だ、こういうふうに承知をいたすのでありますが、この火災を中心といたしましてわが党の竹谷委員が七月三十一日に当委員会で昭和石油旧工場におきます火災の原因、その内容について警察及び消防、通産各省の関係方面に御質問を展開いたしました。七月の三十一日でございますから、相当の期間経過いたしております。この間委員会も三回開かれておるのでありますが、各警察、消防、通産省にいたしましては、これのつまびらかな捜査及び調査等を明らかにしてこれにお答えする、まあ要約いたしましてこのような御答弁が竹谷委員にされておるのでございますが、その後三回に達しましてその後の経過及びこれについて御報告を伺う機会がなかったのでありますが、関係各省においてその後どういう一つの調査と結果をもたらしておるか、こういうことについてお答えをお願いいたしたい、かように思うわけであります。
  131. 関根広文

    ○関根説明員 前会と申しますか、本委員会におきましてこの問題につきまして私が答弁をいたしたのでございますが、そのときにも、地震後約五時間を経過いたしました午後六時前後の火災の件につきまして、発火地点あるいは出火原因等を究明中であるというふうに申し上げておるわけでございますが、その後かなりの時間が経過しております。現在のところ、発火地点につきましては、航空写真あるいは民間写真を集めで、検討しておりますが、写真による発火地点の認定はできない。また目撃者など関係者につきましては、当時約九十四名について調査をいたしましたけれども、同様、発火地点の認定は困難である。現場の実況見聞の結果からも発火地点を特定するということができなかったのであります。総合的に見まして、現在のところ、一応の最初の出火地域は、ただいま申されましたような昭和石油旧工場のタンク付近から三菱金属構内の第二工場までの間という、かなり広い地域から発火したということは認められるのでありますけれども、具体的にどの地点というところの認定は、関係者の供述その他から現在のところはっきりしておりません。現在のところ、なお火災の原因として科学的に起こり得るような種々の条件というものを、物的なものを材料として——科学警察究所というのがございますが、そういったところにも材料を送りまして、科学的な面から、たとえば自然発火の可能性、あるいは余熱による発火の可能性、ガソリンの流出の状況の問題、あるいは一時前後に発生しました第一火災からの飛び火の可能性といったような点について検討を依頼中でございますが、本日現在におきまして結論が出ておるというふうな報告は受けておりませんので、御了承願いたいと思います。
  132. 伊規須徳博

    ○伊規須説明員 御質問に相なりました新潟の石油タンクの火災、これは新工場と旧工場の二つの場合を御質問に相なりましたが、いわゆる新工場の場合、私ども第一出火点と申しておりますが、つまり地震の直後にタンクから火が出た、これにつきまして、消防といたしましては、原則として、現地の消防機関でございます新潟消防本部におきまして直ちにいろいろと調査をしてまいっておりますが、ただいまのところ、原油タンクのふたが破損してタンクの壁体と摩擦した際に出火したか、あるいは地震動によりまして原油が大きく振動をし、そこに静電気が起こって出火したのではないかという、大体まあ二つのいずれではないかという程度の調査の段階に現在なっております。これにつきましては、さらに消防庁といたしまして、過般来その方面の技術的な専門家の人たちを編成いたしましてさらに調査をいたし、なおでき得れば、消防研究所において、何百分の一かに該当するようなタンクなり、そうした模型をつくりまして、もう少し実験をやって検討する余地もあるのではないかということで、現在はそういう段階にあるわけでございます。  第二の出火点でございますところの昭和石油と三菱金属との間の境界付近から出火したと思われます約五時間後の出火に関しましては、先ほど警察庁のほうからも御説明が詳細にございましたように、消防といたしましては、直後から、警察と全く同じ体制と申しますか、警察と力をあわせましてこれの出火の原因について調査をしてまいっておる状況でございますが、これにつきましては、ただいまの段階におきまして、先ほど詳細に御説明がありましたような状況でございます。  なお、技術的なことにつきまして、第一の出火点の問題、あるいは第二の出火点についての技術的あるいは科学的と申しますか、そういう点につきまして、現在まで消防のほうでやっておりますことにつきまして、もし詳細御必要でございますれば、研究所研究部長も参っておりますので、そのほうから説明さしてけっこうだと存じますが、一応そのような状況になっておる次第でございます。
  133. 栗山礼行

    ○栗山委員 これは時間がございません。実は工場災害でございますから、通産省の担当の方もお願い申し上げておいたのでありますけれどもお呼びをいただいておらぬ、こういうことでありますし、いまの警察、それから消防両庁の御意見を伺いましたときに、まことに幻滅を感ずる御答弁の内容でありまして、相当時間をかけまして私どもが質問しておりまする一つの内容についても御承知のとおりなのであります。非常に重大な問題といたしまして、それについて、きょうまで百七日を経過いたしまして、まだ現地から報告ございません、あるいはせっかくそういう一つの調査をいたしておる段階でございますけれども、お答え申し上げる内容に至らない、こういうようなことでありまして、まことに私ども委員会で憤激のことばを発せざるを得ないような御答弁をいただきまして、これは時間をかけましてこの問題について土俵でしっかり勝負をしてこの問題のあり方を明らかにいたしてまいらなければならぬ、こういうような内容の感を深くいたしますので、きょうは時間がございませんから、これで質問を打ち切りたいと思うのでございますが、最後に消防及び警察両庁に、ほんとうに委員会の私どもの質問に誠実に答えて、そうしていろいろなむずかしい問題がございまするけれども、われわれの了解し得る一つの結論をもって御報告するという熱意があるかどうか、さらに時間の延長戦という——野球でも九回の裏で延長戦というものが限られておるのでありますが、約百七日というような、しかも将来の石油コンビナートにわたります将来の産業公害、及びこういうような災害防止の対策上の見地からもこの問題はどうあるべきか、こういうようなことが論じられなくちゃならない深刻な問題でございますので、私は、可及的すみやかに結論をもってお答え申し上げるという御答弁がいただけるかどうか、この点をひとつ両庁の御関係方面からお答えをいただきたい。確信をもってお答え願えないということなら、これについて熱意のない態度であるというように理解をいたしまして、私は質問を打ち切っておきたいこのように考えております。
  134. 関根広文

    ○関根説明員 結果が非常に重要であるということは十分承知の上で、できるだけすみやかに結論を出したいということは、私どものほうも非常に痛感しておるのでございます。先ほど申し上げましたように、科学的なむずかしい問題がいろいろございますが、決して熱意を持たないでおるということはないのでございまして、御指摘の点もございましたので、一そう督励をいたしまして結論がすみやかに明らかになるように努力いたしたいということをお答え申し上げたいと思うのであります。
  135. 伊規須徳博

    ○伊規須説明員 御質問はごもっともでございまして、私どももまだ現在鋭意調査をやっておるような状況でございますが、できだけ早くわかるだけの努力を十分払いたい、かように考えておる次第でございます。なお一そう関係者を督励いたしまして、進めたいと思います、御了承をお願いいたします。
  136. 栗山礼行

    ○栗山委員 誠実な御回答をすみやかに求めることを要求いたしまして、私の質問を終わることにいたします。ありがとうございました。
  137. 細田吉藏

    細田委員長代理 林百郎君。
  138. 林百郎

    ○林委員 ちょっと重要な会議がありまして席をはずしておりましたので、政府側の答弁で、もし前質問者とダブっておる点がありましたら、簡単に答えていただければけっこうだと思います。  私は、主としてこのたびの二十号台風の問題について長野県の事情について御質問したいのでありますが、大体今度の長野県の災害につきましては、建設省農林省の資料にもありますように、長野県のうちの天竜川水域に特に激甚な被害があったわけでありますが、このような激甚地指定をする場合には、長野県を激甚地指定にして、その長野県のうちの特に被害の多い地域を指定する、こういう手続になると思いますが、防災会議の方でけっこうですが、その手続と、それからかりに県を激甚地指定にするという仮定の上に立って、いつごろ具体的な指定になるだろうか、まずその点についてちょっとお聞きしたいと思います。
  139. 北川博正

    ○北川説明員 激甚地指定の手続でございますが、まず台風二十号なら二十号が激甚災害であるということ、それから激甚災害として指定する場合に、どの項目が激甚災害として指定されるか、たとえば公共土木だとか、農地だとか、住宅だとか、そういう事項をまず指定いたします。それから、その災害にかんがみまして、そういった指定された事項について、それぞれの市町村の標準税収入がどのくらいだ、また負担割合はどのくらいだということを考えた上で市町村告示が各省でなされるわけであります。それはたとえば公共土木については建設省が指定をするというようなぐあいになっておるわけでございまして、ただいますぐ市町村はどこだということはまだお答えする段階ではないだろう、まず激甚災害であるかどうかということと、どの項目が激甚災害になるかということが前段階としてあるわけでございます。いまそれを検討中であるという段階でございます。
  140. 林百郎

    ○林委員 そうすると、事項別の指定と同時に激甚地域の指定がなされるはずだと思いますけれども、その点はどうか。各項目ごとの激甚災害指定と地域の指定は大体いつごろになりますか。その指定されると思われる日が、いまのいろいろな手続その他からいって、大体いつごろになるか、わかりますか。
  141. 北川博正

    ○北川説明員 いま申し上げましたように、激甚災害とその項目が指定されたあとにおいて、これが激甚災害だ、しからば各市町村の標税はどうか、それからその災害に伴う負担金はどうか、その比率を見て、たとえば市町村でいえば、その比率が一割以上である、都道府県であれば二割であるということを考えて地域指定というものがなされるわけであります。したがいまして、その地域指定は同時になされるのではなくて、まず災害指定があって後になされるということであります。それから激甚災害の指定は、おそらく、従来の例で申しますと、半月ないし一カ月というような手続でなされますが、これらの指定になりますと相当おくれるだろう、たとえばまだ新潟地震について具体的にどこの市町村がなったということも聞いておりませんので、若干激甚指定よりはおくれるということは考えられます。
  142. 林百郎

    ○林委員 そうすると、激甚地の指定あるいは激甚災害の各項目の指定が十一月の初旬ごろには大体なされるとお聞きしておいていいですか。
  143. 北川博正

    ○北川説明員 先生のおっしゃるとおりだろうと思います。
  144. 林百郎

    ○林委員 わかりました。  そこで、かりに激甚地指定あるいは各項目の激甚指定があるとすれば、まず農林省では、長野県の今日の被害の状態ではどのような措置をとられる考えか。建設省としてはどのような措置をとられる考えか。ことに長野県側の陳情にもありましたように、天竜川に流入する支流が、激しい、土を掘る性質を持った荒れる川であるので、農林省の治山治水の事業あるいは建設省の砂防、護岸工事についても特別な技術を必要とする。したがって、これは予算的にも、また人的にも物的にも普通の査定では復旧をすることが困難のような条件のある場合にも一般的な基準だけでその復旧査定がなされていくのか、それを建設省農林省にお聞きしたい。
  145. 国宗正義

    国宗説明員 今回の二十号台風に基づきます長野県の公共土木施設被害報告では、十八億五千九百万円、大体十八億六千万円、七百四十四カ所となっておりまして、駒ケ根市、大町市、飯田市が特に関係が深く、大田切、鼠川、与田切、中田切、松川、応瀬川等が被害を受けておるところでありまして、今回の災害の特色といたしましては、いわゆる河川が大河川に流入してできますところの扇状地における災害が非常に大きい。特に小中河川における災害が大きくて、砂防的手法をもってしなければならない復旧事業が非常に多いかと考えております。建設省といたしましては、昭和三十六年災害以来、あの地区におきまして、直轄におきましても補助におきましても特殊緊急砂防を実施し、本年それの完了を一応見ることに相なっておりましたところ被災したわけでございますので、できるだけすみやかに査定を完了いたしまして、最も適切な工法で復旧いたしまして再度災害を防止いたしたいと考えております。  なお、災害直後に担当の査定官を特に長野県には派遣いたしまして、応急の復旧と工法の指導に当たらせたところでございまして、本日その査定官が帰京いたしたところでございます。  なお、激甚災に指定されるということに相なりますためには、私どもまだ査定見込み額を出さなくちゃならないと思いますが、激甚災指定を受けますれば、先生御指摘のように、財政的な措置がさらに厚く措置されることと相なります。  工法等につきましては、査定を待ちまして、再度災害の防止と、今回の災害にかんがみまして最も適切な工法をもって当たりたいと考えておるところでございます。
  146. 中西一郎

    中西説明員 私どものほうは、施設関係農林水産物の産物の関係と二つございます。施設関係につきましては、長野関係では治山の被害が二千三百万円、それから農地、農業用施設、林道、共同利用施設等で五億三千万円という報告を得ております。これらについて激甚法の適用がすぐできるかどうかというのは、先ほど北川参事官からお答えがありましたようなことで、全体としてもう少し詰めていきませんと、いまこの段階では確たることは申し上げかねます。ただ農林水産物関係で言いますと、全国の規模で数百億になるのじゃないかという被害状況でございます。集計が固まりますのは今月の末かと思いますけれども、天災融資法の発動、御指摘の激甚法の適用等の段取りを進めていくことになるのじゃないか、現状ではそう思っております。
  147. 林百郎

    ○林委員 農林省にお尋ねしたいのですが、その天災融資法の適用の場合に、本県のように特別な一定の地域が特に非常に激しい被害を受けておるという場合、その地域に特に被害がはなはだしかったという特別な被害地域としての指定——一般的に激甚災害として指定を受け得ればそれでけっこうですが、天災融資の適用を受ける場合にも特別被害地域の指定ということは考えられるのかどうか。
  148. 中西一郎

    中西説明員 当然考えられます。
  149. 林百郎

    ○林委員 そうすると、特別被害地域として考慮される場合に、農業用施設と農産物に対して農林省としてなし得る施策というのはどういうことがあるのですか。
  150. 中西一郎

    中西説明員 特別被害地域になりました場合は、経営資金、運転資金につきまして三分五厘の資金がその地域の中の特別被害農業者については適用されるということになります。施設関係につきましては直接の関連はございません。
  151. 林百郎

    ○林委員 そうすると、施設関係については、激甚災の指定があれば別として、天災融資の範囲内でしかも特別被害地域として指定された場合、何かの財政的な措置はないのですか。
  152. 中西一郎

    中西説明員 ございません。
  153. 林百郎

    ○林委員 それから三分五厘の融資ですが、これは凍霜害のときも農林省にいろいろ心配していただいて特別の融資の道を開いてもらったのですが、その後われわれのほうの調査によりますと、三分五厘でも、これならば全部使ってもらえるかと思ったのですが、やはり貸し付け金という制度のために、貸し付け対象についての条件がなかなかむずかしくて、この前の凍霜害の融資もまだ十分使いこなしておらないという事態のようですが、何かそういうことに対して、貸し付けの制度ではあるけれども、十分被害者に利用させるような施策の改善を具体的に考えられておりますか。春の凍霜害のときの経験にかんがみて、何か農林省として特別な改善の措置をする考えがあるかどうか、その点を聞きたいのです。
  154. 中西一郎

    中西説明員 具体的な事例については承知しないのですが、天災融資法そのものの体系の中で、連続して被害を受けるというような場合に、借りかえ資金を出して次の資金を借りやすくするというような制度はすでに実行しておるわけです。そういう意味で、三分五厘資金の疎通が特に悪いというふうには考えていないのですが、なお御指摘もございますので、現地等について調べてみたい、かように思います。
  155. 林百郎

    ○林委員 その点は十分調査されまして、最も優遇されておる三分五厘の融資ですら十分に使いこなしておらないということになると——これはおそらくいまの制度のもとでは農林省としても最善のサービスだと思うけれども、それも十分に使いこなしておらないということになると、どこかに問題があると思いますので、春の天災融資の経験を調べられまして、十分不十分は別として、せっかく農林省が考えられておる融資が実際の被害農民に利用されるような方法を考えて行政指導をする必要があるのじゃないかと思います。希望として申し述べておきます。何かお考えがありましたら答弁をお聞きします。——なければけっこうです。  もう一つ、自治省と大蔵省の交付金関係の方に、これも質問が出たと思いますが、伺います。  これはいつでも災害のときに陳情として出るのですが、とりあえずの緊急対策は地元の自治体がどうしてもせざるを得ないので、それを特別交付金の際に考慮してもらいたいという希望が非常に強いわけでありますが、これは一般的にはどう考えられておるのかということと、同時に、この前の春の天災のときに、長野県では凍霜害の例だったのでありますが、この十一月の特交の交付の際に調査して、交付金として交付すべきものは考慮するという政府側の答弁があったのですが、春の凍霜害の際とりあえず地元自治体で支出した財政的な出資に対する特別交付金の作業がどのように進んでおるか、また今度の二十号台風についても、特別交付金の面で政府はどのような援助を考慮しておるか、自治省と大蔵省の関係の人に答弁を求めたいと思います。  もう一つ、時間がありませんので、ついでに聞いておきますが、この災害特例債の起債を認めてもらいたいという要望があるのですが、こういう場合に起債の対象事項になるのかどうか、その点もあわせて答弁願いたい。
  156. 首藤堯

    ○首藤説明員 お答え申し上げます。  ただいま交付税関係のことで御質問のございました事項は、まず第一には、当該団体の当面の資金需要に充てますために普通交付税の繰り上げ交付をやるべきではないか、こういうお話が第一点かと存じます。この点は午前中も御質疑が実はあったのでございますが、新潟震災、それから山陰、北陸等の集中豪雨、こういう場合には普通交付税の繰り上げ交付をいたしたわけでございます。今回の二十号災害につきましてもそういう御希望がございますので、ただいま被害状況等に応じましてそのような措置をとるべく準備をいたしておりますが、金額その他についてはただいま検討中でございます。  それからもう一点は特別交付税の措置でございます。これは御案内のように毎年年度末——一月の終わりから二月にかけまして特別交付税を算定するわけでございます。その際に災害は特別交付税の算定の要素に当然なるわけでございまして、公共災害被害額でございますとか、あるいは農地の被害面積でございますとか、あるいは罹災世帯でございますとか、そういったような一定の基準を数値にいたしまして、それにそれぞれの所要の単価等を乗じましたもの、こういったようなものを積算の基礎といたしまして、当該団体の特別の財政需要に対応するように特別交付税を配分いたしておるわけでございます。この点は例年いま申し上げましたように一月の末から二月にかけてでございますので、そのときに三十九年度分取りまとめて措置をいたしたい、このように考えております。  それから地方債の問題でございますが、これは、公共災害復旧事業に採択をされました地方債につきましては、国庫補助金が支出されますその残りの地方負担額に対しまして起債を許可いたしますし、そのほか、国庫補助事業に採択をされませんでしたいわゆる単独災害につきましては、単独災害向きの起債を準備するわけでございます。  大体以上でございます。
  157. 林百郎

    ○林委員 いまの政府補助の対象にならないような小規模の災害に対しての起債が認められるのかどうかということと、かりに起債の問題と別個にそういう小規模災害に対しても補助の適用範囲を拡大する、あるいは補助の率を高めるというような特別な措置が考えられるのかどうか、当然国庫補助になる事業についてはそれについての率を高めてもらいたいとか、適用の範囲を拡大してもらいたいということもあるでしょうが、小規模災害で、通例ならば国庫補助にならないような事業に対する何らかの補助の適用の範囲を特に拡大してやるとか、あるいは補助の率を高めてやるというような措置が考えられるかどうか、本来国庫補助のない小規模災害についてどうか、また本来補助のある災害についてもこの際補助率を高めるというような配慮が何らかの道で講じられるのかどうか、その点をちょっとお聞きしたいのです。
  158. 首藤堯

    ○首藤説明員 お答えを申し上げます。  本来国庫補助の対象になりません小さな災害、そういったようなものに対しまして、先ほど申し上げました単独災害復旧事業の起債を許可しておるわけでございます。それから補助の対象になります災害につきましては、激甚災害の指定等がございますと、先ほど防災本部のほうからも御答弁ございましたが、各省ごとの所管の事業それぞれによりまして激甚災害の指定のありました災害については、通常の国庫負担率が一定の原則で高まっていく、こういうしかけになっております。補助の対象以外のものは単独災害地方債を許可する、こういうことになります。
  159. 林百郎

    ○林委員 最後に一つだけお聞きします。自治省の関係でけっこうですが、そのような予算的な措置の具体的な指示は、激甚災害の指定が十一月上旬になされるというのですが、やはりその前後にそういう具体的な財政的な措置も指示されるのかどうか、申請があってもずっとおくれるのか。いま言った財政的な措置地方自治体としてはなるべく早くやってもらいたいという要望があるわけです。早期復旧の予算措置を講ぜられたいということが基本的な態度だと思いますが、いまあなたが言われたような財政的な措置は、十一月初旬に激甚災害あるいは激甚災害地域の指定の大体の手取りがきまるのだというようなことから見て、自治省としてのそういう財政的な措置はいつごろをめどにしてどのように具体的に進められるのか。  それから、春のときは特別交付金を繰り上げて十一月に一部支給するというふうな話を聞いていたのですが、あなたの答弁だと年度末、年度末ということになると、時期は三月で、一括してその年度のを交付するのだ、こう聞いていいかどうか、その時期の問題についてお聞きしたい。
  160. 首藤堯

    ○首藤説明員 国庫補助金の支出の時期及び決定等につきましては、これは私どもの所管でございません。各省各省で御査定におなりになり、それから補正予算の編成等のこともございましておきめになるだろうと思いますので、私のお答え申し上げる範囲でないと思います。  私どものほうの補助事業等がきまってまいりました後の財源措置、つまり起債とか、そういった面につきましては、各省の本年度実施をいたします事業量等が決定次第、すみやかに直ちにそれに即応して起債の額等を決定したい、こう思っております。  交付税の関係でございますが、十一月に特別交付税の繰り上げ交付をするというようなことはございません。従前もございません。そのかわり、先ほど申し上げましたように、当面の金が困りますので、繰り上げ交付でございますね、現金を繰り上げて交付をしてやる。あと二月に全部決定をいたしまして、いままでは普通交付税の繰り上げ交付でございますが、最後に決定をしたときに既交付額は清算をするかっこうになるわけでございます。現金が早く渡るように繰り上げをしてやるように努力したい、このような意味でございます。
  161. 林百郎

    ○林委員 これは大臣に本来質問すべき事項だと思うのですけれども、もし政府関係で答弁できる責任者の人があったら答弁してもらいたいのですが、各被害地域が共通して望んでいることは、早期復旧の予算的な措置を講ぜられたいというのですが、本件のような被害の甚大な場合は、これはいずれにしても補正予算を組む必要があると思うのすが、補正予算を組む考えがあるかどうか。補正予算を組まないとすれば、どういう財政的な措置がとられるのか。補正予算をかりに組むとすればどういう手続を経ていくかということを政府の責任者からお聞きして私の質問を終わりたいのですが、そういう責任のある答弁のできる人がいないとやむを得ないのですけれども、もしいましたら答弁させていただきたいと思います。
  162. 細田吉藏

    細田委員長代理 本日は大蔵省は給与課長だけしか来ておりませんので、次会にその御質問はお願いいたしたいと思います。
  163. 林百郎

    ○林委員 それではその質問に対しては次会に保留して、私の質問を終わりたいと思います。
  164. 細田吉藏

    細田委員長代理 松井誠君。
  165. 松井誠

    ○松井(誠)委員 きょう私は二つの問題に限定してお尋ねをするつもりでありましたけれども、先ほど栗山委員から新潟地震に伴う出火の原因についてお尋ねがありましたので、私もその点について一点だけ最初にお伺いを消防庁にいたしたいと思います。  私も新潟でありますから、その出火の原因については重大な関心を持っておりまして、したがって、地震の終わったあとの、最初でありましたか、二回目でありましたか、委員会で、消防庁や警察庁にお尋ねをしたわけです。そのときにはやはり大体いまと同じような御答弁でありました。何しろいろいろな意味で日本の消防能力をこえたような初めてのケースですから、簡単に結論が出ないのは必ずしも責むべきではないと思いますけれども、私がその当時結論を急いでおりましたのは、罹災者と昭和石油との間に見舞金あるいは損害賠償の交渉がありました。その問題がありましたので急いだわけですが、その後、御承知かもしれませんけれども、昭和石油では見舞金と称して五千五百万円罹災者に出すということで、その点は一応解決がつきました。しかし、問題はもちろんそれだけでけりがつくわけではなくて、将来の産業災害という問題を考えると、やはり結論は早急に出すべきものだと思うのです。  一点だけお伺いをしたいのは、その石油タンクの出火の原因がいまだにはっきりいたさないのでありますけれども、新潟には、御承知のように、出火をした昭和石油、あるいは成沢石油というのもそうではなかったかと思いますが、そういうもののほかにタンク群はたくさんある。日本石油のタンクもずいぶんある。ところが、出火をしたのは、いま言ったような昭和石油の二つと成沢石油という、限られた数字であったわけです。そういう差ができてきたのは、それでは一体構造的にどろいう点に違いがあったということなのか。結局これは出火原因の究明ということにつながるわけですね。いまの範囲でわかっている限り、出火をしなかった石油タンクと出火をした石油タンクとが、何か構造的に出火の原因にからまるような関係で違いがあったのかどうか、消防庁の方にお尋ねをしたいと思います。
  166. 堀内三郎

    ○堀内説明員 お答えいたします。  石油タンクからの出火が何か石油タンクの構造と関係があるのでないかという御質問でございますが、私どもも事件直後から鋭意その原因の究明に努力いたしておりました結果、ほぼ原因はやはりそういう構造上の欠陥に基づくものであろうとただいまのところは推察いたしております。詳しくは、模型をつくりまして実験をいたした上で結論を導きたいと考えておるのでありますが、現在その模型をつくるべく努力中なんでございます。  どういうふうに違うかと具体的に申しますと、御承知のように、新潟にございました日本石油のほうのタンク群は、比較的旧式と申しますか、古いものでございまして、技術的には、コーンルーフと申しまして、円錐形になった鉄板が、円筒状の胴体、側板に全部くっついておって動かない方式でございます。したがいまして、石油類が入りましても、満タンクのときも、あるいはもっと減りましたときも、液面の位置は変わりますが、その上の空間に蒸気が残るだけで、屋根の位置は外観上変化いたしません。固定屋根式と申しますか、そういうものでございます。このほうは、日本石油のほうもひどい地震によるゆれ方で、ちょうど壁にあたります側板と、屋根にあたります屋根板との継ぎ目のところに、かなり手痛い破損を受けまして、へこんだり、部分的に穴があいたりいたしました。構造的な被害を受けております。そこから一部中の石油類があふれ出たのもありますけれども、幸いにして火はついておりません。昭和石油の工場の中にも同じような構造のタンクがごさいました。それから東北電力でございますか、あそこにも同じような構造のタンクがございましたが、いずれも同じような部分的な構造上の破損を受けておりますけれども、出火はいたしておりません。  問題の、第一出火点と申しております。新工場のほうにございました三万キロリットルと四万五千キロリットルの大きなタンク群から火が出たのでございますが、そのものは全部、浮き屋根方式と申しまして、側板でまわりを囲ってございます中に、屋根板がちょうど浮きタンクの作用によりまして平たいお盆のようなものが石油面に浮かんでおる仕組みになっております。このほうは、石油の液面が上下するに従って、ちょうどその上に浮かんでおるわけでございますから、石油面とともに上下いたしまして位置が変わるわけでございます。いわばゆるやかに乗っかっておるという形でございまして、側板との間には激突しないようないろいろな緩衝装置がついておりますけれども、そういう構造でございましたために、非常に今度の地震が地震学上も特異な震動をいたしておりまして、つまり周期が非常に長く、五秒ないし六秒というようなゆるやかな震動をいたしましたことと相まちまして、非常に大きなゆれを起こしました。目撃者もみな一致して証言いたしておりますように、二、三回目のゆれで大きく原油タンクから原油のあふれ出るのを見た、ある者は屋根板の裏側が見えたというようなことまで言っておるわけでございまして、大量にあふれ出たわけでございます。それに伴いまして、ちょうど石油面に浮かんでおりました屋根板も当然大きなゆれを起こしたわけでございますが、そのゆれを起こしましたときには、側板の内側に接しておりまする部分で摩擦をいたします。また、構造上、人が上がって点検をしたりいろいろなことをいたしますために、屋根の面には側板から屋根面の中心部に向かって突出したいろいろなものがついておりますが、そういうものと、飛び上がりました屋根板とが激突いたしまして、衝突による発火源を生ずるということも十分考えられるような状況でございます。そういう摩擦か衝突による加熱と申しますか、熱が起こったことにより、その熱を原因といたしまして、その付近に漂いました原油からの混合蒸気——非常に火を引きやすい混合蒸気に引火したと見るのが、現在のところ一番可能性の多い原因だと考えております。そのほか、静電気の起こります可能性も絶無とは思われませんので、そのほうの実験も、同じように模型をつくりまして震動させてみたときにあわせてはかりたい、このように考えております。  大体以上でございます。
  167. 松井誠

    ○松井(誠)委員 そうしますと、いまの固定屋根式であるのとないのとの違いではないとかいう推測は、実は地震直後にもそういう推測が行なわれた。ところが、その後、先ほどもちょっと警察庁の方が言われましたけれども、油が非常に動いて、そこから生まれる静電気が原因ではないかという説が流れた。しかし、いまのお話では、それならばやはりほかの石油タンクも同じような条件にあったのではないか。ところが、ほかのタンクにはそういう出火がなくて、いま言った固定しない屋根式のところから出火をしたということになりますと、やはり最初に言われたように、構造的なものが原因だという可能性がいまのところ最も多い、こういうことになるわけですね。その点の最終的なきちんとした結論をひとつ早急に出していただくようにお願いをしまして、あとの査問に移りたいと思います。  最初には、これはちょっと時期がおくれましたけれども、私、八月に北陸三県の水書視察にこの委員会から派遣されて参りました。そのときに痛感をした一つのことをお尋ねいたしたいと思うのです。それはいろいろございましたけれども、最大のものは、個人災害に対する国なり地方公共団体なりの援助ということです。いままで公共事業に対する災害復旧、それの援助という点については、牛の歩みのようではございましたけれども、とにかく動いておる、前進をしておる。ところが、個人災害については、公共災害との比較で考えると非常におくれておる。そこで、その点について自治省と防災会議にお尋ねをいたしたいと思います。  最初に自治省にお尋ねをいたします。特に私が痛感をいたしましたのは、富山県に参りまして、富山県では、御承知のように氷見というところで大規模な地すべりがあった。その地すべりの被災家屋に対して、県が一戸当たり四十万円、市が二十万円、合計六十万円を、これは貸すのではなくて、見舞金としてくれるわけなんです。もう一つ、富山と高岡市の間に小杉という小さい町があります。この小杉は、町ですから財政規模はたいしたことはない。その町の罹災した個人に対する見舞金が九十何万円にのぼっておる。こういうように、個人災害に対して県なり市町村なりが、言ってみれば自然発生的にめんどうを見ておる。これに対して国は一体黙っておっていいのだろうかという疑問、これはわれわれかねてから国がもっと個人災害についてめんどうを見るべきだという主張を持っておりましただけに、特に痛感をしたわけです。自治省にお尋ねをしたいのですけれども、こういう個人の災害に対して見舞金という形で地方公共団体が出しておるその出費に対して、国はどういう形で対応しておるのか、その点を最初にお伺いいたしたいと思います。
  168. 首藤堯

    ○首藤説明員 お答えを申し上げます。  個人災害に対しまして自然発生的に市町村あるいは府県が見舞金等を出しております事柄に対します財源措置の問題でございますが、そのようなことも実際問題としては自然発生的にあり得るわけでございまして、私ども地方交付税における特別交付税を算定いたします際に、先ほども申し上げたのでございますが、災害発生額でございますとか、あるいは被災農地の面積でございますとか、あるいは罹災の戸数でございますとか、そういうようなものに応じまして一定の方式で特別交付税を配付しておるわけでございます。この特別交付税の配付は、ただいまも御指摘がございましたような種類の出費でございますとか、あるいはその他もろもろの、いわゆる目に見えませんと申しますか、ルールに乗りませんような地方公共団体の災害に対応します諸経費の財源措置、このような考え方で交付をしておるわけでございます。もちろん、交付税でございますから、その使途につきまして、これを何に使え何に使えという指定は一切いたさなくて、その地方公共団体の御自由の意思によって使用できるしかけになっておるわけでございますが、そのようなことも考えの一部に入れまして特別交付税の算定をしておるような次第でございいます。
  169. 松井誠

    ○松井(誠)委員 特別交付税の算定の基準について先ほど省令をいただきまして、具体的にどういう基準に基づいて災害の場合に特別交付税を算定するかという基準はわかりました。その基準には、いま私が申し上げましたような個人に対する見舞金、くれっぱなしの見舞金というようなものを具体的に書いてあるわけではない。ただそういうものをいわば計算の基礎にして交付税を算定するということだと思いますけれども、その交付税を算定するほんとうの積算の基礎になっておるものの中に、個人に対する見舞金というものも考慮をしておる。その考慮をしておる程度というものは一体どの程度かということはお答えをいただけませんか。つまり震災者一人当たり見舞金について幾らという、そういう数字が一応算定の基礎になっておるとすれば、その数字というものは御発表願えませんか。
  170. 首藤堯

    ○首藤説明員 お答えを申し上げます。  先ほども御指摘がございましたように、積算の基礎と申しますか、要素として考えておる数字でございますので、このとおりの額をひもをつけてという思想では毛頭ないわけであります。これはあらかじめお断わりを申し上げなければならないわけでございますが、大体いままでの災害の実績等を調べまして勘案をした結果、重傷者とか死者とか、こういうものに対しましては大体一万円程度の金額を積算の基礎に考えております。それから家屋災害につきましては大体七千円程度でございます。そのような程度のものが積算の基礎として入っておる、このようなことであります。   〔細田委員長代理退席、委員長着席〕
  171. 松井誠

    ○松井(誠)委員 その積算の基礎になった数字というのは、やはり自治省が全国的なケースをお調べになって、大体この辺が平均だという、そういう数字をおとりになった、その結果でございますか。
  172. 首藤堯

    ○首藤説明員 そのとおりでございます。
  173. 松井誠

    ○松井(誠)委員 そういう形で現に事実上あっちこっちで行なわれておる個人に対する見舞金というものが、もちろんひもつきじゃございませんけれども、特別交付税の中に考慮をされておる。  そこで私はお尋ねをいたしたいのでありますけれども、むしろこれは防災会議の方にお尋ねをいたしたいと思いますけれども、個人災害に対する援助というものが、なるほど、融資という形ではいろいろございます。しかし、先ほど林委員の御質問にもありましたように、融資、それも特別な災害復旧というような、あるいはいろいろな事業の合理化その他についての融資ということであるならば、これは融資がいいか、補助がいいかという議論はあり得ると思う。しかし、そうではなくて、ほんとうに災害を受けた個人が、いろいろな意味で生活に困り、いろいろな意味で損害を受ける、その損害を補てんするのには、これは融資という形じゃなくて、やはりくれっぱなしの見舞金という形以外にはないのじゃないかと私は思う。それを現実に全国の市町村なり県なりが自主的に行なっておる。そしてそれもすでに特別交付税の中に算定の一つの基礎として考慮されるという段階になっておる。とすれば、むしろこれを公に認めるといいますか、交付税というこそくな形の中から引き出して、個人の見舞金に対して国が援助をするということを正面から制度的に認めるということをもうお考えになるべき時期ではないか。これは単に一つの省なり何なりが考えることではなくて、やはり政府全体として考えなければならぬ問題だと思うのです。事が大きいだけに、私もきょうせっかちな結論をもちろん求めるつもりはございませんが、そういう点について、ほかにお尋ねをする機関がございませんので、防災会議の方に、われわれがしょっちゅう言っておる、個人災害に対する援助というものをこの際制度化する、現に特別交付税の中にそういう萌芽が出ておる、それを現実に制度化する、そういう御意思があるかないか、この点をひとつお伺いしたいと思います。
  174. 北川博正

    ○北川説明員 ただいま松井先生のお話がありましたし、自治省からお話がありましたごとく、特交の面ではそういうことを若干考えておるようでございます。ただ、いま先生は見舞金でというお話でございますが、いわば社会保障的な関係でそういったことを国は全然考えていないわけではない。被災者がいま困っているという状況に対しては、先生御承知のとおり、たとえば住宅に困れば応急仮設住宅をつくってやる、国からいわば負担金を出しましてつくってやる、あるいはいま困るという状態には、めしのたき出し料を出してやる、かわらが飛んだら、かわらの修繕費を出してやるというような、いわば災害救助法におきます諸般の救済制度はあるわけでございます。これは直接金をやるということではなくて、物的支援を国としては考えてやるという制度は、社会保障的な面から災害をとらまえてやっておるわけでございます。  なお、いまやはりお話がございましたように、住宅融資とか、あるいは地すべりに対する特別融資というような融資制度も考えて、個人災害に対してできるだけ手厚い方法を実は国としてはそういう面で考えておるということだと思います。
  175. 松井誠

    ○松井(誠)委員 もう一度その点についてお尋ねしたいのですけれども、個人災害というもの、個人が災害を受ける、それは国の政治の結果でないという意味で、だから国は責任を持つ必要がないというわけにはいかないだろうと思う。少なくともそれが個人の責任から生じた被害でない、個人が責任を持つべき被害でないという意味で、やはり国が責任を持つべきだ。つまり、個人にとっては不可抗力であるというそのことだけで、私は国が責任を持たなければならぬという根拠が出てくると思う。そういう意味で、個人災害というのは、災害の場合に、いまお話しのようないろいろな制度がありますけれども、しかし、それで一〇〇%損害がてん補されるわけではない、その損害というものを原則として国なり地方公共団体が持つべきだというそのかまえというものは、まず前提として必要ではないか。財政的ないろいろな事情もありますから、いますぐ一〇〇%というわけにはいかないでしょう。しかし、少なくとも、個人が災害を負った、その災害を受けたのは個人の責任ではないという意味で、国や公共団体の責任であったとすれば、それは一〇〇%てん補をするというのが、言ってみれば政治の一つの理想だ、行き着く道だという姿勢から考えれば、いま、たとえば小杉という町で、床下浸水千円とか二千円とか、あるいは床上浸水何千円とかいう非常に零細な金を出しておる。これは現実の損害のてん補というよりも、むしろこれだけ町はめんどうを見ておるのだという精神的要素が強いと思う。しかし、それにしても、それは単なる社会保障というものではなしに、災害による損害というものは個人にはかぶせないのですよという意思表示の一歩だと考えれば、十分意義がある。そういうことでお尋ねをするわけでありますけれども、いまここで議論をいたすわけにはまいりませんので、そういう意味の私の意見を申し上げて、もう一つ、先ほどあなたが言われました集団移住の場合の援助ということについて申し上げたいと思うのです。  先ほど私が申し上げましたように、富山県では、二戸当たり六十万円、そのほかに自創資金だとか、あるいは災害復興住宅資金ですか、そういうものを合わせて、大きな規模の百姓のうちでもどうにか建てられるということを一応のめどにして六十万という金をくれておるのです。この六十万という金のほかに、たとえば新潟県なんかにも、地すべりの場合に個人に対する集団移住の際の金というものがあるようですけれども、現に新潟の場合には、飛行場の近所におる住民が集団移転をしたい、しかし、それをするためにはずいぶん金が要るということが隘路になって、集団移住そのものもいま暗礁に乗り上げた形になっている。さらにもっと積極的に考えれば、新潟の場合なんかにこれからあと復興計画を立てる、いままでのゼロメートル地帯というものは、できるだけ人間の住む場所にはしたくない、そういう意味では、集団的に移住させたい、そういう積極的な復興というものを考える場合に、やはり集団的な移住というものに対する国の援助、これは単なる都市計画に対する援助というものよりも、そういう大規模な復興計画に対する援助という形ででも、一つ一つにばらばらに考えて一つ一つの援助という意味ではなしに、もっと規模が大きい復興計画そのものに対する援助、これは個人災害のワクを多少はみ出しますけれども、そういう形で、現に富山県あたりで芽が出ておる集団移住に対するそういう大幅な個人災害に対する援助というものからさらに一歩進めて、新潟市なら新潟市がりっぱな都市計画をやりたい、そのためには集団的な大規模な移住が必要だ、しかし、それが財政の面でどうしてもできないというものをめんどうを見るというところまで発展をするような形でめんどうが見られないか。これはいま御答弁をいただくのは無理かもしれませんけれども、そういう問題がある。そして集団移住に対する政府の援助ということも、われわれがおりに触れて主張し、お願いしておるわけですが、とりあえず、こういう集団移住というものについて、国が何がしか特別の予算上の、あるいは制度上きちんとすれば一番いいわけですけれども、そういう援助をいま考慮されていないかどうか、あるいは将来そういうことを検討される余地はないかどうか、その点をお伺いいたしたいと思います。
  176. 北川博正

    ○北川説明員 ただいま先生が最初の例であげられました富山県の集団移住の問題ですが、これは農地あるいは建設関係の両省にまたがる問題ではないかということで、現在農林省が主体となって、どうやったら集団移住がうまくできるか、それに対する財政的なあり方をどういうふうに持っていったらいいかということを検討中だと思います。  なお全般にわたります、たとえばゼロメートル地帯、あるいは新潟の地域とか、あるいは江東地区もそうかもしれませんが、それに対しては、住めないところを住めるような状態にする。たとえば東京の江東地区については、防潮堤をつくったり、排水の機能を十分に活用したり、都道府県に対してそういうものを援助したいということで国としては一応考えている。ただ、都市計画全体としてそのあり方がいいかどうかという問題については、都市計画上の問題として国が積極的に考慮しているということだと思います。
  177. 松井誠

    ○松井(誠)委員 その点は問題が大きゅうございますし、要望する点だけにとどめたいと思います。  最後に一点、これはやはり個人災害災害見舞金の問題で、ことばは似ておりますけれども、内容はいささか違うわけでありますが、具体的に申しますと、国家公務員共済組合の運営上今度の新潟地震で起きた問題について、一点お伺いいたしたいと思うのです。  これは共済組合の問題でありますけれども、共済組合の運営なり、あるいはその具体的な定款の作成なりというものについては、大蔵省が関与しておる——というよりも、むしろ発言力が非常に喰いようでありますので、大蔵省の給与課長にお尋ねをいたしたいと思います。  御承知のように、今度の新潟地震に際して、国家公務員の共済組合の災害見舞金の付加給付という問題について問題が出ております。問題は小さいようでありますけれども、これは新潟県の今度の災害における災害救助法の適用を受けたところの国家公務員全体の問題でありますので、事は必ずしも小さい問題ではないわけでありますが、私はどうもふに落ちないのは、今度の付加給付の基準のきめ方に、いままでの水害を中心にした災害の場合と同じきめ方をしておる。今度の場合は申すまでもなく地震でありますけれども、地震という災害の場合と水害という災害の場合とが同じ形で考えられておるのではないか。これは形の上では平等のようでありますけれども、実は今度の新潟地震によって被害を受けた国家公務員については、いままでとは実質的に違うという意味で差別待遇ではないかという、そういう問題なんです。  具体的にお尋ねしますけれども、今度改正された定款の中で、被害の小さい、法定給付でいえば一カ月以下の災害見舞金を受けるべき人たちに対する付加給付の条件として、七十二時間以上の浸水ということを要件としたのはどういう意味なのかということであります。
  178. 秋吉良雄

    ○秋吉説明員 お答えいたします。  国家公務員の個人災害の問題についてでございますが、これは先ほどの御質問から若干違うかもしれませんが、現在ございますのは災害見舞金、それから付加給付、それから共済組合の災害貸付金、それから国家公務員の場合でございますと、給与の繰り上げ支給という制度がございます。そこで、御質問の災害見舞金でございますが、御案内のように付加給付制度がございます。この付加給付制度は、これを実行いたしましたのは、昭和二十八年災害、それから伊勢湾台風、それから第二室戸台風でございまして、御指摘のように、いずれも風水害が主たる災害でございます。そこで、この付加給付の基準でございますが、法定給付といたしましては、最高三カ月から最低〇・五カ月という六段階になっております。それに対応いたしまして、先ほど御指摘がございましたように、一・五カ月以上の被害の場合でございますと、これは約六割の付加給付が出る、それから一カ月、〇・五カ月の場合につきましては、先ほど御指摘がございましたように、床上浸水が七十二時間以上にわたる場合に限りまして、一カ月の場合には〇・六月、それから〇・五カ月の被害の場合には〇・三月の付加給付が出る、こういう制度で、いままで付加給付の運用を特例措置として運用したわけでございます。  これがどういう意味であるかという御質問でございますが、この床上浸水があった場合、家財、住居等にどの程度の被害があったかということは、個個的になかなか判断がしにくい場合がございます。御案内のように、災害の程度の判定といたしましては、住居と家財の被害程度を一応押えるわけでございますが、それが床上浸水の場合にどの程度であったかということは、なかなか実情としての把握が困難でございます。そこで、行政指導といたしまして一応画一的な処理をいたしております。それを御披露いたしますと、床上浸水が三十センチメートルであった場合には〇・五カ月の被害である、それから百二十センチメートルの場合には一カ月ということで、画一運用をやってまいっております。これは実情把握できれば問題はないのですが、行政上の技術上の問題からいたしましてそういった運用をいたしております。そこで、床上浸水が、特に長期湛水地域、三カ月にもなるという場合には、これはたいへんなことであるという加重条件が加わるというようなことを勘案いたしまして、特に一カ月未満の被害程度につきましても付加給付の対象にいたしたわけでございます。  そこで、あるいは御質問から多少離れたお答えになるかもわかりませんが、新潟の場合にそういった点が織り込まれてないじゃないかということに相なろうかと思いますが、問題は、新潟地震は従来の普通の風水害と異なっておりますから、これをどのように付加給付で処置するかということで私どもいろいろ問題があったわけでございます。災害発生いたしました直後に、もちろん各省の担当官も実情調査をいたしますと同時に、私ども共済組合の事務担当者で構成をしております共済組合事務担当者連絡会議というのがございます。通称事務連と申しておりますが、その事務連から特に代表者を数名選びまして代表団をつくりまして、六月の下旬から七月の上旬にかけまして現地の実情把握につとめたわけでございます。その際に、新潟地震の特色といたしましては、確かに浸水という面もあるかもしれないけれども、油がやはり問題ではないだろうか、それから家屋の傾斜、それから陥没、この三つの点が今回の新潟地震の特色であろうということで、いろいろのそういった点があったわけでございます。そこで、担当課長会議を七月の下旬に開きまして、今後この問題をどう処理するかということで、いろいろ皆さんにおはかりいたしたわけでございますが、やはり油と家屋の傾斜等につきまして何らかの形で特別な配慮をする必要があるという御意見がございました。そういたしますと、従来の風水害の場合の、特に床上浸水七十二時間以上という要素はあるいは入れなくてもいいじゃないかという御議論もございましたけれども、しかしながら、新潟地震の場合でも、やはり現実にそういった床上浸水七十二時間以上という具体例が相当あるわけでございます。したがって、やはりそういった点の要素も残す必要があるという一つの結論に達したわけでございます。それから傾斜と陥没の場合でございますが、これにつきましては、家屋の住居、家財の損壊の程度のほうの、つまり法定給付の本体給付のほうを織り込んで被害程度に見ていく、そういう運用でやるということにいたしております。それから重油の関係でございますが、これも床上重油の場合と床下重油の場合につきまして、やはり付加給付じゃなしに、むしろ本体給付のほうでそういった被害程度を加味して災害見舞金を出すという処置を講ずるようにいたすということにいろいろの意見が一致いたしまして、そこで手続といたしましては、各組合の定款の改正と、その前に、御案内のように、大蔵省に国家公務員共済組合審議会というのがございますが、各界の九人の方々の御意見もちょうだいいたしまして、こういった結論になった次第でございます。  多少御質問からはずれたかもしれませんが、概略申し上げた次第でございます。
  179. 松井誠

    ○松井(誠)委員 いまの御答弁の中で、新潟の特殊な状態として、油が流れてきた、あるいは家屋の傾斜なり陥没なりがある、そういう特殊なものに、なおそのほかに、水が入ってくるという問題がある、そこまではよくわかる。ところが、それの中で、油の問題も家屋の傾斜ないし陥没の問題も、法定給付のほうに入れてしまうというところでこの付加給付の問題が消えてしまう。私はその経過がよくわからない。そこで、今度の場合に限りませんけれども、一体この付加給付というものは何なのか、法定給付にプラス・アルファをつけ加えなければならぬという理由は一体どこにあるのか、その根本からお尋ねしたいと思います。
  180. 秋吉良雄

    ○秋吉説明員 たいへん重要な御質問でございまして、私どもも、この問題をどうするかということで、三十七年以来、遅々としてではございますが、検討している段階でございます。災害見舞金の付加給付制度は一体何かという根本問題の御質問でございます。個人災害でございますから、しかも相互救済、相互扶助制度の共済制度のもとにおける災害見舞金の付加給付は一体どうあるべきかという問題になりますと、たとえ台風であろうと、あるいは新潟地震であろうと、どこか家が一軒焼けたという場合でも、個人個人について見れば、ケース・バイ・ケースに見ればやはり同じ被害であるから、したがって、個人災害の個々人について見れば同じことではないか、特にそれを集団化したというような理由で特別に付加給付を認める必要はないじゃないかという消極的な意見がもちろんございます。しかし、いま現在付加給付制度がもうすでにとられたから、この付加給付制度やめるというわけにもいかぬじゃないかという御意見もございます。そこで、特別の災害に限ってこの個人ごとの災害について付加給付をやることはむしろやめて、法定給付と付加給付を一本にしたような、あるいは中間的なそういうものもあるのではないかという考え方もございます。そこで、現段階といたしましては多少そこでつじつまの合わない不合理な点もあるかもわかりませんが、やはり一般の災害の特例ということを多少参考にいたしまして、そういたしますと、個人災害につきましては、御承知のように二つの要件がございます。一つの場合は、地域指定の場合でございます。一つの場合は、災害程度による対象選定、この二つの要件によりまして一応対象選定しておりますが、そういった意味合いからいたしまして、私どもの現在の運用といたしましては、災害救助法の発動地域の地域指定、それから一定の被害程度以上のもの、こういう線で災害見舞金の付加給付の運用をなしておる。御指摘のように、この災害給付の付加給付についてどうあるべきかという根本問題につきましては、私どもも当然検討しなくちゃならないし、今後も検討するつもりでございますが、現段階の運用はそういう運用をいたしておるところでございます。
  181. 松井誠

    ○松井(誠)委員 付加給付という制度があるから、それを合理的に運用するというよりも、むしろ合理的な理由があって付加給付というものができたのだというように考えるべきものじゃないかと思う。付加給付というものの合理的な理由として、やはりそれなりの意味があるのじゃないか。つまり三軒や五軒の被害では、この法定給付の家屋なり家財なりの滅失なり焼失、それをそのとおりに査定をして、それでその限りにおいてはその被害は一応補われる。しかし、その規模が、つまり地域が広範囲にわたるような被害の場合には、一軒一軒取り上げてみれば、小規模な被害の場合と同じような一戸一戸の被害の程度であっても、しかし、地域が広範囲にわたればそれ以上の目に見えない被害があるんじゃないか、そういうものを被害の地域が広範囲の場合と小地域の場合と同じようにすると、かえって広範囲における被害の全体というものが捕捉できないんじゃないかということが、私は付加給付というものが生まれた合理的な理由だろうと思うのです。ですから、よしあしは別として、一応そういうもののめどをつけるためには、災害救助法の適用という一つの前提を置いた、これは私はそういう意味だと思うのです。そうしますと、一戸一戸の家の災害、一戸一戸の罹災者の家財なり家屋の被害の程度の大小というものはむしろ第二の問題で、やはり全体の地域が広いか狭いかによって、この付加給付をつけるべきかつけざるべきかというものをきめればいいのじゃないか。そういう意味で、もう過ぎ去ったことですけれども、いままでの室戸台風その他の場合における付加給付の考え方が、災害救助法適用という前提一本でいけばよかったものを、何か家屋や家財の小規模な破損の場合には付加給付からはずすという、特に七十二時間以上の浸水の場合にだけ例外的に認めるという形がほんとうはおかしかったのじゃないか。これは給与課長、けげんな顔をされておりますので、私の考え違いかもしれませんけれども、いままでの取り扱いは、法定給付一カ月未満については七十二時間以上の床上浸水の場合に限る、それ以外の家屋の何分の一かの破損、そういうものは除くという趣旨でしょう、除いたということが私は初めから間違いじゃなかったのかというように、今度の問題に直接関係ありませんけれども、そのように考えるわけです。つまり、付加給付というものを合理的に考えれば当然そうなるのがほんとうであったと思うのです。この点について御意見はいかがです。
  182. 秋吉良雄

    ○秋吉説明員 先生の御意見ごもっともな点があると思います。その例といたしまして、従前の市町村共済組合、現在地方公務員共済組合でございますが、これはあるいは私の聞き違いかもしれませんが、御案内のように一率たしか四割くらいの付加給付になっていると思います。そういったぐあいにそれは実行されておることでございますから、先生の御意見はそれなりに最も筋合いのある議論だと思います。にもかかわらず、前例からいたしまして、このように三回も災害の程度によって、足切りと言うと表現が悪うございますが、そういった制度をとっておるじゃないかという御質問に対しましては、私どもの考え方は、そういったやはり特例な給付であるのだ、したがいまして、個人災害の場合にやはり特例の援助の手を、見舞金でございますが、差し伸べる場合には、地域指定プラス災害の一定限度という二つの要件はやはり必要じゃないか、こういう考え方でございます。と申しませんと、やはり個人災害でございますから、各個人個人の災害について見た場合には、特にあのときの災害の場合にのみ付加給付を出すのはおかしいじゃないか、おれだってまる焼けになったじゃないか、こういう個々的なケースとしての問題も起こると思います。そういった不均衡をやはりこういった面で緩和する——と申しますと俗っぽい表現かもしれませんが、そういった権衡論の問題もございます。そういった観点からいたしまして、ことばは少し俗っぽいかもしれませんが、地域指定と足切りということで運用いたした次第でございます。
  183. 松井誠

    ○松井(誠)委員 個人個人の被害者を比べてみて不均衡が起るというのは、災害救助法という一つの条件を入れた以上は、これはむしろやむを得ない、それは初めから覚悟の上であったと思うのです。しかし、そこまででいいので、それ以上の軽微なる被害については足切りという制度が私はどうも納得がいかない。かりにその足切りというものを認めるとすれば、しかもその足切りというものの例外を、いままでの水害の場合には、七十二時間以上の浸水という、いわば例外的の条件で認めた。それは、そういう水害というものを中心にした災害の場合の、言ってみれば一般的な被害だという意味で私はとらえたんじゃないかと思う。ところが、地震の場合には水の入ってくるのは異例なのです。むしろ、家がこわれるというもののほうが地震の災害の本体ですな。現にこのような形でやられるために、たとえば新潟の全農林労働組合の組合員の数からいいますと、約一割ぐらいがいま付加給付の対象になる予定になっておりましたところが、一カ月以下の分についてはいままでと同じような七十二時間以上の浸水という条件が加わったために、約七割以上というものがこの付加給付からはずれてしまう。これはもう足切りという形の不均衡というものが非常に大きな形で出てくる。ほかの場合ならば一様に水につかるということがある。ところが、地震の場合には、水につかるというのはむしろ例外で、こわれるということのほうが災害の本体である。それなのに、七十二時間以上の浸水という、そういうやぶにらみのような条件が入ったために非常に妙な形になってきた。いままでの、これがきまりました経過のことは私が存じませんけれども、少なくともそれができ上がって、さて定款が改正になったという段階で、具体的に言えば、たとえば全農林の労働組合なんかはいま非常に騒いでおるわけです。これはおかしいじゃないか。初め、われわれは、やはり地震は地震なんだから、水害と違って七十二時間以上の浸水という条件はないだろうということを常識的に予測しておった。ところが、いままでと同じように水害と同じような条件が入ってきた。そのために、ただ家をこわされたというだけならば、その規模が小さければもう全然付加給付がもらえないということになってしまう。私が最初に付加給付というものの合理的な理由は何かということを申し上げたときに、やはり一戸一戸の被害を上回る現実の被害がある、これは現に新潟地震の場合にはずいぶんあるわけです。水道もとまるし、ガスもとまるし、下水道は詰まるし、交通は途絶するし、そういうことで、これをここにおっかぶせるのがいいか悪いかは別として、少なくとも付加給付という制度がそういうものを一応考慮に入れての制度であったとすれば、やはりここで足切りはやるべきではなかった。その結果、実際の実情に合わない結果が出てきたのじゃないか。なるほど、いままでの水害を主にした風水害の場合のあれと形式的には同じです。形式的に同じであるだけに、実質の違う今度の新潟地震の場合には、一種の差別待遇ではないかということが言えるのじゃないかと私は思う。こういう不合理性というもの、付加給付そのものをどう考えるかということは一応別として、少なくとも付加給付という制度がある限り、それをなるべく合理的に運用するということになると、今度の新潟地震の際のやり方というのは、やはりちょっとつじつまが合わないんじゃないですか。
  184. 秋吉良雄

    ○秋吉説明員 風水害の場合は多く救われた、新潟地震の場合にはそういった付加給付の対象人員が少なくなった、こういう御指摘が一つでございますが、これははなはだ失札な言い方かもしれませんが、一カ月未満の人が少なかったということも一つの影響ではないかと思います。  それから、どうも風水害のことばかり気にした特例給付をそのまま新潟地震に適用するから実情に合わないのじゃないかという御質問が後段あったかと思いますが、これにつきましては、先ほど第一回の場合に申し上げましたように、今度の新潟地震の特色は、何は申せ、家屋の倒壊、陥没、それから重油でございます。こういった従来ないものの災害をわれわれは本体給付のほうで考えるということで措置しております。具体的に申し上げますと、はなはだ失礼かもしれませんが、重油の場合をとって申し上げますと、重油による床上浸水のために非常に汚損がはなはだしかったというような場合には、一カ月分の俸給月額を出す、それから床下浸水でありましても、その汚損がやはりはなはだしいというような場合には〇・五月出すというように、本体給付で見ております。もちろん、床下浸水の場合、水ですと将来何も見ておりません。重油の場合に限りまして、特に今回は新潟地震の特殊性にかんがみまして、実情に沿うように極力私ども配慮した次第でございます。
  185. 松井誠

    ○松井(誠)委員 本体給付で見たから付加給付は要らぬじゃないか、これは付加給付という制度がある限り、私は筋道としてはおかしいと思います。むしろ、付加給付でなかなか見られないから、言ってみれば、本体給付で基準の緩和をしようということにもしなかったとすれば、実態はわかりませんけれども、そうなったとすれば、むしろ付加給付と本体給付というものとの体系を混乱させるだけです。本来やはり本体給付は本体給付としての査定をし、それでまかない切れないものは付加給付でするというのが、筋道としては通っておったのじゃないかと思うのです。しかし、だんだん催促をされておりますので終わりにしたいと思うのですが、それならば、その本体給付の査定の段階で事実上付加給付的なものも考慮してやるというようなことを一応予定されたというように考えていいのかどうか。そう正面から聞けばかえってお答えがしにくいかもしれませんけれども、ともかく新潟地震の実態に合わせて、陥没なり傾斜なり、油の浸入なりというものについて、付加給付をやらなくても不公平のないような査定をやり、それによって実質上の不公平というものをなくする考えなんだ、こういうように受け取ってよろしゅうございますか。
  186. 秋吉良雄

    ○秋吉説明員 付加給付の代替としてこれを見るということはさらさらございません。正々堂々と、正面から本体給付としてこれを解決するということでございます。
  187. 松井誠

    ○松井(誠)委員 最後に農林省の厚生課長にお尋ねをいたしたいのですが、御承知のように、この問題でいま新潟県の全農林組合からいろいろおそらくは苦情なり陳情なりがあるだろうと思います。そこで、いま大蔵省の方からいろいろお話を伺いましたけれども、時間がございませんから、議論はもういたしませんけれども、ともかくわれわれの受ける印象では、水と地震というものをごっちゃにしたという疑問があるわけです。なぜこういうものがすらすらとできてきたか、その経過の詳しいことは私は存じませんけれども、少なくともいま給与課長が言われたように、本体給付の中で——付加給付の代替という意味ではないとは言われましたけれども、しかし、ともかく本体給付の中で実情に合う査定をするつもりだというお話でした。私は、形式論はどっちでもいい、手続論はどっちでもいいと思いますけれども、少なくとも今度の新潟県のそういう国家公務員の羅災者が、いままでの風水害における羅災者と不公平な形にならないような、そういう配慮を実際の運営の上でされるということが必要だと思いますが、その点についての御意見を一つだけお伺いをして、私の質問を終わりたいと思います。
  188. 小林正孝

    ○小林説明員 お答えいたします。  いま大蔵省のほからも御答弁がございましたが、農林省共済といたしましては、現地の法定給付をきめる際の基準といたしまして、重油の問題であるとか、また家屋の倒壊、家屋の傾斜の程度とか、陥没というようなものを十分考慮に入れて給付の額をきめるということになっておりますので、この実施に当たります現地の新潟支部におきましては、十分その点について査定に当たることと考えております。
  189. 松井誠

    ○松井(誠)委員 くどいようですけれども、いままでの取り扱いと実質的な不公平が生じないようなそういう配慮をされてしかるべきだと思いますけれども、いかがでございましょうかということです。
  190. 小林正孝

    ○小林説明員 今回の地震の特殊性が十分考慮が払われるようにわれわれも希望しておるわけでございまして、現地の査定もそういう観点から不公平のないようにされるものと確信しております。
  191. 中山榮一

    ○中山委員長 吉田賢一君。  吉田委員に申し上げます。質疑は、先ほどの理事会の申し合わせによりまして、一人おおむね二十分となっておりますので、御承知おきを願います。
  192. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 具体的な資料が十分整備されておりませんので、簡単に数個の点についてお伺いすることにいたします。  まず、農林省関係につきましてお伺いいたします。  大体私は、百姓だとか、あるいは沿岸漁業者というものは、自分の力で災害を復興したり復興したりすることのできないのが日本の実情であります。ので、こういった方面に対する、このような特殊な災害に対しましては、きめのこまかい行き届いた対策がなされなければなるまいと思うのであります。同時にまた、時期を失しますとそれがはね返る、生活、経営等への被害はさらに倍加するようなこともありますので、したがいまして、そのようなきわめて弱体な特殊な後進産業に従事しておる者が対象になってきますので、その点はお抜かりないことと思いますけれども、格段の御留意をお願い申し上げたいと、こう思うのであります。  そこで、兵庫県の関係でありますが、これはだんだん県の当局がきょうは陳情に参りまして、若干説明もし、資料も政府へ提出しておりますので、大体御了承と思いますが、今回の台風全国第二番目の被害を受けた様子であります。特に兵庫県はいまなお農業県といたしまして著名であります。この農業県の兵庫県の西部を二十号台風が通過したというので、農業地帯は相当大きな被害をこうむっておると私ども考えられるのであります。そういう次第でありますので、いわゆる天災融資法を適用しまして、できるだけ早く必要な融資が行なわれるようにしなければなるまいと思うのですが、この点につきましていかがでしょうか。
  193. 中西一郎

    中西説明員 お話しのとおり、きめのこかい対策を十分に講ずるという方針はそのとおりだと思います。また、できるだけ早い対策が要望されておるということも、そのとおりだと思っています。天災融資法の発動につきましては、現段階でも農作物の被害全体で何百億というようなことになりそうでございますし、そういう手はずで進めてまいりたいと思います。ただ、台風のあとの被害状況を的確に把握しますについて若干の時日を要すると思います。そういう意味で、今月の末ぐらいを目途にして努力いたしたい。一応被害があると見えましても、そのうちで回復するものでございますし、また、被害がないと見えましても、被害が起こるものもございます。その辺の時間的余裕はいただきたいと思っております。
  194. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 大体今月の二十日ごろで兵庫県はほとんど稲刈りは終わってしまうと思うのです。その意味におきまして、できるだけ早く手を打って災害査定をするように、もちろん作報などで十分活動してこられたこともわかりますけれども、何しろ不便な土地をわずかな人数で御調査になることでありまするから、そのような辺につきましても、十月末というのでは少しおそいのではないでありましょうか。十月末に査定が終わりまして、それからたとえば融資を受けるといたしましても、また貸す融資の機関のほうにおきましても、それぞれ調査あるいは査定する時間が要りましょう。そんな手続等も要りまするから、結局すみやかに融資を行なうということには非常に手間取ってくるのではないであろうか。そういたしますと、十二月に入るということにでもなりますと、これはまた次のいろいろな準備のさ中になってくるのではないかと思いますので、特に兵庫県におきましては、いま申しましたように、二十日ごろが大体稲刈りが終わる時期でありますので、この辺も勘案していただきまして、もっと早く何とか——県も資料を出しておりますが、さらにまたあなたのほうは別のお立場で御調査になることでありますが、十月の末というのでは、災害がありましてから一月以上経過いたしますので、もっと早くこれは完了することができぬものでありましょうか。十月末ごろにでき得るならば融資の額もそれぞれきまるというところまでいきますならば農家としましてもその金は生きてきますし、次にどうするかということもそれぞれと、各方面の計画に非常に有利になってくると思うのですが、その辺はどんなものでございましょうね。
  195. 中西一郎

    中西説明員 お話の御趣旨よくわかります。そういう目標で努力いたしたいと思います。その間もこれは当然必要になると思うのですが、系統資金のほうからのつなぎ融資等も配慮いたしまして、農民がいろいろな迷惑を受けないというようには措置いたしたいと思います。
  196. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それから県下一円にいわゆる激甚地域として指定を受けるということになりますと、相当有利な条件の融資が得られるような様子でありますが、そういったことについてのお考え方は、いままでいろいろな資料も出ておることでありまするが、どのようなものでありましょうか。
  197. 中西一郎

    中西説明員 現段階では客観的な答弁ではなはだ恐縮なんですけれども、過去のいろいろな災害の実情等と現段階でわれわれが知り得ました情報と総合してみまして、可能性としては、激甚法の適用ということはあり得るという判断をいたしております。
  198. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そこで、県から報告してきておりまする資料によりますと、お手元に行っておると思いますが、水稲については総耕地面積の約四割に当たりますね。それから被害の金額にしますと二十五億余、蔬菜につきましては、金額にしますると八億三千余万円、こういうことになり、さらに果樹、ミカンあるいはクリ、ブドウといったようなものも相当被害を受けておるようであります。こういうものもありまするので、特に私どもは、県庁が調査いたしました結果と、それからあなたのほうが御調査になる結果と大きな食い違いがないものと思いまするが、農林省農林省独自の機関で御調査になるのだが、これはきょうの問題じゃなしに、今後の問題でもよろしゅうございますけれども、県庁で責任を持って調査したものが、それがずばりと資料になり、そして本省において査定するというふうに事務の能率をあげるわけにいかぬものでございましょうか。その辺はきょうあなたに結論を得たいというわけではありませんが、何かこう外から見ておりますると、少しまだるい、火急の措置といたしまして行政上敏活を欠くことになりはしないだろうか、そういうふうに思われますのですが、兵庫県が出す資料にしましても、ずいぶんとたくさんの人間が動員せられ、多くの機関によって作成せられたものと思いまするので、何かこの辺は中央本省と地方の公共団体とお互いに信じ合って、それに基づいていくというふうな行政措置に出ることはできないものでしょうか。その辺についてお考え方をちょっと聞いておきたいのです。
  199. 中西一郎

    中西説明員 大きな方向といいますか、将来のあり方について、被害調査が国の機関と公共団体の機関とそれぞれ協調的な関係で出てくる、結果としても両方がそう離れないというようなことは、気持ちとしては十分期待いたしたいと思うのです。ただ、だんだん改善はされていきまして、都道府県の数字あるいは市町村の数字と非常にかけ離れるというケースも減りつつありますが、いまのところはやはり統計調査部の坪刈りその他の被害の尺度に基つきます認定の客観性にたよらざるを得ない。何といいますか、農林省のほうとしては、先ほどもちょっと申し上げたのですけれども、やはり確実な数字をつかもうということでやっていますし、公共団体のほうは対策を急がれることもございますので、被害数字そのものは、迅速を旨としておられる点、いろいろ特色もあるということで、現状もやむを得ないかと思いますけれども、大きな方向としては、機構その他の問題で非常にむずかしい問題がたくさんございますが、十分将来の問題として検討いたしたいと思います。
  200. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 この点はやはり行政全体に関係も持ちましょうし、あるいはまた、予算の査定にも影響しましょうし、あるいはまた、大蔵省にいたしましても、地方公共団体の出しておる数字をまず措信しない、こういうような前提に立ちますと、これは国の機関がばらばらになるのではないか、こういうふうに思われますので、もし数字が相当開くということが従来の実績であったとするならば、そのよってきたるところは何かということも検討しながらいくということが私は望ましく、結論において人間の浪費も免れましょうし、行政が敏速に行なわれましょうし、また、このような非常災害の行政措置としましては、受けるほうとしては渇望しておるのでありますから、これは全く即座即決というくらいな果敢、果断な行政が私は生きた政治になってくると思われますので、そういう見地からいたしまして、その辺もしいろいろと気づく点があるならば、お互いに虚心たんかいに検討するということが最も必要ではないか、こういうふうにも考えられますのです。これはなお重ねてそのような点について御意向を伺っておきたいと思います。
  201. 中西一郎

    中西説明員 長期的な問題といいますか、将来の問題としては十分検討さしていただきます。
  202. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それからなお、農業共済の保険金あるいは漁船の保険金等につきましても、これなどもできるだけ生きて使い得るように被害者のほうですべきだと思いますので、早急にこれが措置もすべきでないかと思うのですが、いかがでございましょう。
  203. 中西一郎

    中西説明員 お話のとおりだと思っております。できるだけ急ぎます。
  204. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 農林省関係はこれで終わりまして、建設省に若干伺っておきたい、こう思います。  建設省関係におきましても、兵庫県は重要な河川がたくさんにございますし、また道路等につきましても相当損害勢ある様子でございます。こまかい数群はここにちょっと私も別に御説明いたしかねるのでありますけれども、そこで特に早急に災害のしかるべき査定官を御派遣になりまして、そして兵庫県における建設関係の各般の被害実態を掌握するようにしてほしいということは地方の要望でございます。これなんかも生きた行政をやっていただく意味におきまして早急に実施してほしい、こういうふうに思われますが、いかがなものでございましょか。
  205. 国宗正義

    国宗説明員 今回の二十号台風につきましては、兵庫県におきましては千百六十八カ所、九億をこえる被害報告額を補助災害について受けているところでございますし、直轄の関係につきましては、東播海岸被害二カ所の報告を受けておるところでございます。災害を早急に復旧いたしますために、できるだけ早く査定官派遣いたしたいと考えまして、兵庫県当局の準備のできるのを待ちまして、打ち合わせをいたしました上で、本月の二十二日から十一月八日までの間に査定を完了いたしたい考えでございます。
  206. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 これは非常に大事なことでありますので、できるだけそれを実行せられますように、またわれわれといたしましても、兵庫県当局も非常に熱意を持ってこれを待ち望んでおるようでありますから、受け入れ体制の準備が完了するように極力努力すべきだと思っております。その辺はしかるべくまた御連絡もお願いしたいと思うのです。  それからなお、査定せられるにあたりまして、従来ややもしますと災害復旧が単なる復旧に終わりまして、あるいは元来取りこわしてやりかえるというほうがよほど経済的でもあり、あるいはまた望ましいものでも、災害があったばかりに復旧になるということでは、非常に効率の面から見ましても不経済たるを免れませんので、したがいまして、その査定せられるにあたりましては、できるだけ新たなる改良くふうもこれに加味することをお認めになる、こういうふうにして災害復旧なるものの内容と幅を拡大して、復旧の効果をさらに積極的にあらわすようにすべきではないか。これがやがてまた災害の再発防止のゆえんでもあろうと考えられますので、その辺についての御配慮は特にあってしかるべきではないだろうかと思いますので、ひとつお考えを伺っておきたい、こう思うのであります。
  207. 国宗正義

    国宗説明員 災害査定にあたりましては、もとより再度災害を防止するために必要なように心がけるのは当然でございますが、さらに進めまして、原形復旧にとどまらず、再度の災害を防止いたしますために、災害復旧と関連いたしまして関連事業を実施しまして、再度の災害の防止に遺憾なきように将来とも期していきたいと考えております。
  208. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それから災害復旧事業でありますが、今日のような国民経済の急激な発展過程におきましては、すみやかにこれを完成するということが望ましいのでございまして、従来の実績等によりますると、およそ四カ年を普通費やしておるというふうに承ったのでありますが、これをもう少し短縮して、たとえば三年間に必ず全部完成するというくらいにまで進めますと、これまた復旧を効率化することになりましょうし、あるいはまた災害再発防止の一助にもなりましょうし、いろいろな意味におきまして、災害復旧は一日もすみやかに完成することが、現状にかんがみまして望ましいと思いますので、従来のそれをさらに一年間くらい短縮するということに極力努力せられることがまことに望ましい。これは単に建設省一つではいけない問題かもしれませんが、やはりせっかくの災害復旧の設計、計画を立てて、予算を盛って実行するのでございますから、三年くらいまでに完了するということが、常識から考えましても適切でないか。ぜひそのように一律になることが望ましいと考えるのですが、それはいかがでしょう。
  209. 国宗正義

    国宗説明員 災害復旧期間につきましては、できるだけすみやかに復旧を完了いたしまして、次の災害を受け増破することのないようにいたしたいともとより考えておるところであります。現状におきましては、緊急を要する災害復旧事業については三カ年、一般につきましては四カ年と相なっておりますので、一般をも加えましてすべての災害復旧を三年間でできるように極力努力いたしたいと考えておるところであります。なお、間に合わない場合にやむを得ず四年にわたる場合におきましても、台風期、出水期までには仕事が完了するように極力指導いたしておるところでございます。
  210. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 災害住宅について少し伺いたいのでありますが、個々の被害住宅、特に自己資金をもってあるいは復旧したり維持修理するということが困難な家が相当ある様子であります。ことにそういう人々はこれがために生活そのものに大きな圧迫を受けるというようなことになりつつありますので、これはすみやかにしかるべき資金措置をするという手を打つことが必要ではないかと思うのでありますが、住宅金融公庫によって査定を受けて融資の道があると思いますけれども、本省といたしましても、やはり全体の災害復旧のために、住宅政策を実行する上におきましてもゆるがせにできがたい重要課題であろうと思うのでありますが、この点はどういうふうに政府としてお考えくださり、もしくはお扱いを願うことができましょうか、伺っておきたいと思います。
  211. 尚明

    ○尚説明員 今回は住宅災害相当に甚大でございまして、これに対する住宅対策といたしましては、政府といたしましては、まず個人の住宅の損壊につきまして、それを建て直しあるいは補修をいたすことにつきましては、住宅金融公庫からの融資を行ないたいと思っております。また借家等におりまして、その家がこわれ、なくなって、行くところがなくなったような方に対しましては、地方公共団体の行ないます公営住宅の建設に補助をいたしまして、これによって救済いたしたいというふうに考えておるわけであります。そこで、ただいま御質問のありました住宅金融公庫の制度でございますが、これにつきましては、半分以上の損壊をこうむりまして家を建てかえられる方につきましては、住宅が二十坪以下、二十坪までの住宅であること、しかしながら、農家等におきまして、前の住宅が三十坪、四十坪と大きい場合には、これにかかわらず、前の面積まで復旧するものを融資の対象といたします。それから、さらに農家あるいは商家等で、住宅の部分とそうでない作業部分を持っております場合には、住宅部分が二分の一あればいいわけです。したがいまして、先ほどのお話とつなぎ合わせますと、住宅部分が二十坪あって、作業部分が二十坪ある四十坪の家も融資の対象になるわけでござごます。これにつきまして、木造の場合は五十八万円を限度といたします。それからブロック造等におきましては、七十三万円を限度として貸し付けを行なうわけでございます。その金利は五分五厘、そして償還期間は、木造の場合は十八年、ブロック造等の場合は二十五年ということで、さらにこれに三年以内の据え置き期間を設けるというふうな措置をとっておる次第でございます。  また、住宅がこわれて、つぶれるまでまいりませんで、被害が二割から五割程度のものでございます。これは住宅の姿はそのまま残っておるものです。これを補修いたします場合には、最高二十九万円までの補修費をお貸しする。それで、条件は五分五厘で、ただし期間は十年ということにいたしております。さらに、二割までも達しないというような方に対しましては、これは特に災害用の資金ではございませんけれども、住宅金融公庫に改修融資というのがございまして、これをそういう小規模の補修の場合に適用するというふうにいたしまして、万全を期したいというふうに考えております。
  212. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 終わります。
  213. 中山榮一

    ○中山委員長 有馬輝武君。
  214. 有馬輝武

    有馬委員 まず、総理府にお伺いいたしたいと思います。  ただいま吉田委員からも御質問がございましたが、災害発生後、政府が激甚災害の指定なりあるいは天災融資法の発動なりするについて相当長期の時間を要する、この点については、農林省中西官房長から、たとえば農作物の被害について正確を期するために統計調査部の数字その他を見るためには、ある程度の時間を要するというような御答弁がありました。これは各省庁ともやはり大同小異のことであろうと存じますが、しかし実際に、たとえば今回の二十号台風等を受けまして被災しました奄美あるいは種子、屋久等の農家全壊戸数も相当な数にのぼっておりますが、こういったところは一日も早く何らかの援護措置というものを期待いたしておるわけでございます。法の運営について正確を期するということのために、せっかくの運営面で、私どもが見ておりまして何だかもどかしい思いをする機会が多いのでありますが、ここら辺について、現在まで、たとえば伊勢湾台風なりその他で何日ぐらいの期間を要したのか。いま私が申し上げた点について、総理府自体としてもこれは当然考えておられることだろうと思いますが、この時間がかかるという弊害を除去するために現在どのような努力をしておられるか。たとえば融資の問題等については、これはある程度のものは見れば、もうたいがいすぐわかるし、各自治団体から報告がくればわかるのですから、融資その他の面で早急に手を打てるものは打っていく、こういう運営が必要ではないかと思いますが、この点について総理府の見解をお聞かせ願いたいと思います。
  215. 北川博正

    ○北川説明員 ただいまの手続上の時間の問題でございますが、今年ございました新潟地震あるいは山陰、北陸豪雨について激甚法の適用がございました。その際に要しました日数は、やはり最終的には一月以上おくれた例がございます。特にそれは先ほどの天災融資法関係の農作物についての激甚法の適用が最終的にはそうなった。しかし、新潟地震の例にもございますとおり、われわれは決してそれでほうっておくわけではございいませんので、逐次わかるものからやっていく。したがいまして、一番最初に激甚法を適用されるのは決して一月はかかっておりません。ものによっては、半月程度でほぼわかるというようなものについては逐次適用していく、わかるものから適用していくというような手段を講じておるわけでございます。
  216. 有馬輝武

    有馬委員 逐次わかるものからということでしたが、新潟で一番早く何日でやったもの、そういった具体例を二、三あげてください。
  217. 北川博正

    ○北川説明員 新潟地震は、御承知のとおり六月十六日に起きまして、六月三十日の中央防災会議でまず公共土木あるいは住宅等につきましてやりまして、中小企業等は途中でおくれました。それから最後に天災融資法関係します激甚法の適用、三段階に分けております。
  218. 有馬輝武

    有馬委員 中西官房長にお伺いしますが、統計では、アトランダム調査その他で、一月もかかるのを縮められないのですか。その点について……。
  219. 中西一郎

    中西説明員 これはすでに御承知のことだと思うのですけれども、だんだん調査の日数が短縮してきまして、被害調査員の現在の配置だけではとても足りません。そこで、そのほかの作物統計あるいは経済調査の諸君も動員して、いわば不眠不休でやるわけですが、やはり最低二週間はどうしてもかかるわけです。そこで、その二週間かかって出てきました数字をもとにしまして、県当局、市町村等と打ち合わせをして、特別被害農家の数を、これは統計調査部だけでなしに、公共団体を通じて調べます。それでこちらのほうと突き合わせをして、それから天災融資法の発動、こういう段取りになるわけです。ただ、それまで待っておるわけにはいきませんから、系統融資等でのつなぎ融資等は当然考える、迅速に所要の資金が末端に届くように配慮する、そういたしておるわけであります。
  220. 有馬輝武

    有馬委員 もちろん、いま官房長のお答えのとおりに、統計調査部の人員にいたしましても限界がありますし、この人たちにより多くの負担をかけるということは避けなければなりませんけれども、大体こういったときの協力を得るために、平生評価員その他に対して裏づけが行なわれておれば、もっと迅速に仕事も進むんじゃないかというよらな気がするわけです。たとえば補助員等に対する手当は、これは中西官房長十二分に御承知のところでありまして、手当と言えるようなものではありません。ですから、そこら辺について日ごろの予算的な裏づけのないことがこういうときにすぐ出てくるのではないか、私はこのような感じがいたしておるわけであります。いずれにいたしても、私は、職員に負担をかけることなく、その分は他の人員を動員するような裏づけというものを日ごろから行なっておくべきではないか、このように考えておりますので、この点についてはひとつ御検討をいただきたいと存じます。  時間が制約されておりますので、逐一お伺いいたしておきますが、一つは共済制度の問題であります。農業共済に対する不満というものは農家に満ちております。それでいて、共済制度の必要性というものについては、これはだれしもいなめないところでございますが、やはりこういうときに仮払いを急ぐとか、あるいはこの際抜本的に範囲を拡大いたしまして、現在果樹その他についても御検討をいただいておりますが、より広く対象を考えていくべきではないか、このように考えておりますが、今回の場合にこの仮払いについてどのような指導をされるのか、また第二点として、対象をどの程度ふやし得るか、そのような構想があるかどうか、この二点についてお聞かせをいただきたいと思います。
  221. 中西一郎

    中西説明員 今回の被害に伴います保険金の支払いにつきましては、先ほど来話も出ましたが、収穫期に非常に迫っておる時期でもあるということで、できるだけ急いで本払いをしてほしいという御要望がございます。年内の本払いを目標にしまして、関係の連合会あるいは単位の組合等の事務も急がせまして、そういう段取りのつき次第本払いをやりたい。また、それまでの間で必要があれば、仮払いといいますか、保険金の概算払い等もいたしていく。迅速にやりたいと思っております。  それから共済制度の問題につきましては、お触れになりましたように、果樹について三十八年から設計のための必要な調査を進めています。ことしが二年目ですが、四十一年ごろからは制度化できればいたしたいということでございます。そのほかのいろんな作物、特にマイナー・クロップ、畑作物の関係に共済制度をつくったらどうかということは、各方面から要望を聞いております。聞いておりますが、保険制度となりますと、危険の度合いをもとにして設計を組み立てる必要がございます。いまの日本の農業の、特に畑作物については、種々な作物が一つの経営の中でも分散して植えつけられておるというようなこともありまして、基礎資料を得るのに相当な困難があるのが実情であります。果樹等については、これは非常に分散しておるといっても、そのほかの畑作物よりは集団化が進んでおるということで、やりいい点があるだろうと思うのです。そういう意味のむずかしさは、構造改善とか主産地形成とかでだんだん克服されていかなければいかぬと思うのですが、そういうことと見合わせて保険制度が幅広く確立していくということが望ましいとは思います。そういう意味で十分検討してまいりたいと思います。
  222. 有馬輝武

    有馬委員 少なくとも現在までの農業共済に対する農林省の態度というものは、いま官房長おっしゃったように、検討に値するという域を出ていないんじゃないか。積極的に共済制度について、私は、対象の問題についてもむしろ農林省は本腰を入れて検討し、実施し得るものについては実施するという気がまえがないんじゃないか、このような感じがいたしてならないのであります。共済制度の改正の問題についても、やはりわれわれ国会議員が動かなければ、農林省はなかなかみずから手をつけようとしない。その実態についてはわれわれよりも十二分に御存じで、何とかしなければならないということは考えても、考えるだけで、それを実施の法改正なり何なりに移していかれる意欲に欠けておる面があるんじゃないか、このような感じがするわけです。この点につきまして、私は、ぜひ現在の共済制度それ自体についても根本的に再検討し、そして対象を広げるという方向で御検討いただきたいと思うわけであります。  それと、特に今度の災害のときなんかに感ずるのでありますが、これは災害のときだけではなくして、農林金融の実態についてであります。少なくとも、これは結論から申し上げますと、富農のための、あるいは一部余裕のある農家のための農林金融だけが現在行なわれているんじゃないか。農業構造改善事業に従って、適地適産、こういうようなことで、あるいは選択的な拡大ということで、ある仕事をしようと思っても、担保能力その他の面でそのワクにのぼらない諸君は常に置き忘れられていく、これが現在の農家の実態ではないかと思うのであります。むしろ、このボーダーライン以下の農家の諸君に対する金融措置というものが検討されるべきではないかと思うのでありますが、これは中金なり、あるいは農林金融公庫その他の政府機関は、当然これは一つの機関として、あと先のことも考えなくちゃならない。やはりその面については農林省が指導していくべきではないか。かんきつをやろうと思っても、五年や十年は寝かしておかなければいかぬ。そういう余裕のある人たちは、結局ある層に限られる。むしろ、かんきつをやって現在の経営規模の中で何とか生産性を高めていく、そういう人たちにはその恩典がない、担保能力がない、こういう面で、私は、農林金融というものは普通の金融と違った視野からとらえられるべきではないかと思うのでありますが、こういう点について、非常に抽象的ではありますが、新しい視野から農林省が各公庫に対する指導性を発揮すべきではないかと思いますが、この点についての御見解をお願いしたいと思います。
  223. 中西一郎

    中西説明員 農林金融が、その対象が零細で、非常に数が多い、その中で構造改善をやっていきます場合にも、前向きに経営を合理化し拡大していく人々がそう一度にあらわれないというようなことで、前向きの資金の消化がなかなか円滑にいかないというような悩みも実は持っておるわけですが、昨年中にいろいろ検討しまして、御承知のように、本年度から公庫資金の金利の大幅な引き下げをやり、償還期限の延長をやるというようなことを実行に移したわけです。それらにつきましては、多くは単協の転貸方式をとっています。そういう意味で、お話しのような担保力といいますか、あるいは担保をとらない場合でも、単協の役員の個人保証をとる、あるいはそれがとれないというよらな事情がありまして円滑な疎通を欠いておる面も、これは否定をいたしません。ただ一般的に、富農だけであるということでなしに、やはり自創資金等はまんべんなく、そういう転貸方式にもよらないで、担保等のこともやかましく言わないで、本年度から災害の場合五十万円までワクを広げたわけですが、そういう資金が相当大幅に末端で活用されておるというふうに、本年度の災害あたりを通じてわれわれ強く印象づけられておるわけです。そういうことで、前向き資金、それから救済資金というような概略の仕訳は現段階でもきておると思うのです。ただ、先ほども触れましたように、担保の問題等がからんで、あるいは市町村によりましては政治的な問題等もからんで、一部で資金の疎通がうまくいかないというようなことは聞き及んでおります。そういう点について改善策をぜひ考えたいと、目下検討いたしておるところでございます。
  224. 山口丈太郎

    ○山口(丈)委員 関連質問で一つ伺いますけれども、各種の共済制度、それから農業協同組合でも、このくらい問題の多いものはありません。とにかく机上の空論にひとしいです。あんなものをつくってもらったら困る。私も共済組合員の一人なのですよ。けれども、掛け金はべらぼうに高いものをとる、そして災害なんかあっても、何とかかんとか言って、給付金はさっぱりくれないのです。それでいま私のところの農民は、こんなもの、政府はつくってくれないほうがいい、何もやらぬでほうっておいてくれ——私らも組合員の一人として何の恩恵もないのです。特に水稲共済のごとき、ひどいものです。それから農業協同組合でも、農民は所得が低いということは、これはもうどなたも、何も政界だけでなくて、だれもが認めておるところでしょう。収入の低い者から、これは村のつき合いだから出資してもらわにゃいかぬ、これは村のつき合いからこの共済に入ってもらわにゃいかぬ、森林組合やら何やら、掛け金ばかりむちゃくちゃに取りにくる。ところが、災害になったら、一向救済の恩恵にあずかったことがない。机上の空論的なこんなものは、乱暴な話だけれども、つくってもらわないほうが、よっぽど農民は楽でよろしい。そうして災害のときは政府によって手を打ってもらう、これのほうがよっぽどいいのですよ。収入は少ないのに、それに掛け金とか、ボスがおって、いやこれは村のつき合いだとか、今度は千円のオリンピックの銀貨が出たら、何万円貯金したらそれを一枚やる、そういう強制的なことを言ってやってくる。これはめちゃくちゃですよ。一体農林省はこれでよいと思っていらっしゃるのですか。災害のときこそ、共済制度がほんとうにありがたいものだということを示すべきだと思う。農林省の本省のほうでは、そういうことになっていないので、机上ではまことにいいようになっておるのかしらぬけれども、私らみたいな組合員が実際に当たってみると、さっぱりそんなもの恩恵なんてないですよ。そして台風で——もう稲刈りをしてしまいますよ。もう、早くやらぬと倒れてしまいます。それだからますます被害が大きくなる。それに、そんなもの、月末から十一月にかけて調査するの何の言ったって、くその役にも立つものじゃない。ですから、もっと根本的に共済制度でも農業協同組合でも検討して改革すべきであるし、こういう災害のときには、鹿児島県なんか、これは農業県だから、ものすごい被害を受けているに違いないのだ。ですから、こんなものもっと迅速にやってもらわぬと、被害が大きくなるばかりです。これは一体どうなるんですか。どういう方針でやられますか。共済組合は支払いなんかはもっとやって、ほんとうに共済組合というものはありがたいものだというような印象を実際の実施面で与えるように迅速にしてやらぬと、共済組合なんというものは、いすにすわって、えらそうに帳面をめくっているやつの給料を支払うために私ら掛け金をかけているようなもので、何の恩恵もない。私も組合員の一人だけれども、まさにそのとおりです。こんなつまらぬものはやめてもらったほうがよっぽどいい。そういうような信用失墜のはなはだしいときに、これは一体どうするつもりですか。それだけちょっと聞いておきたい。
  225. 中西一郎

    中西説明員 最近私読んだのですけれども、「わたくしの農村日記」という木が出ていまして、いまお話しのような筋合いでの、いまの政府のやり方あるいは農民団体の実情についての記述がございました。所により、また時期によってそういうことがあるということを否定いたしませんし、そういうことはできるだけなくしたほうがいいと思うのです。といって、現在の共済制度は、実はまだ歴史が古いというところまではいかないと思うのです。寡聞ですけれども、先進諸国では、末端の職員が一目で見て、この被害程度はどうだというようなことを自分の責任で処置する、そのときに小切手が支払われるというような実情も聞いておるわけです。といって、日本の現状でそういうことが直ちに適用できるかどうかということになりますと、やはり社会的基盤といいますか、いままでの実情からいいますと、そこまで一挙に共済制度を変革するのは非常にむずかしい。といって、いまの段階では、農民の負担が非常に大きいというお話でございますが、農民の負担と匹敵するぐらいに実は国も負担をして共済制度を運用いたしておるわけです。その関係からいいますと、これを破壊してしまうというのはやはり行き過ぎなので、これをもとにして中身を合理化していく、農民の困難をそれで迅速に救うことができる、十分に救うことができるというような体制に保険制度を仕立て上げていくのがわれわれの任務ではないか。御批判の点よくわかりますけれども、十分そういう点を検討しながら改善のほうへ進んでまいりたい、かように思います。
  226. 有馬輝武

    有馬委員 今度は専売公社にお伺いしたいと思います。  現在、幸いにして台風にもあわないで、葉たばこは乾燥その他の調製が行なわれまして、ようやく収納が始まった時期でありますが、二十号台風を受けました現在、農家は、いま農林金融の問題も申し上げましたが、とにかく資金が一日も早く手に入れば、何らかの形でという気持ちが一ぱいなわけであります。とにかく蔬菜がやられ、もう何もかもやられてしまって、ぼう然としておるという実態の中で、ようやくささえになるものが、大幅な減収でありますが、サツマイモと葉たばこの収納であります。私、収納現場にも参りまして、専売公社の職員の方々にもお伺いをしたのでありますが、手一ぱいやっても二月ごろまでかかりそうだということを言っておられるわけです。問題は、いかにして、現在の規模、人員でやっておるものを、せめて年の暮れぐらいまでに収納を終わらせて賠償金を支払うような体制に持っていけるかどうかということです。ぜひそういう方向で御検討いただきたいと思いますが、その障害になるものは何か、人員なのか、あるいは施設なのか、そういう点を克服するためにはどうすべきか、この点について率直な御意見をお聞かせ願いたいと思うわけであります。
  227. 黒田実

    ○黒田説明員 収納の問題でございますが、ことしは、特に葉たばこにつきましては、西日本は非常な豊作でございまして、そのために計画以上に非常に数量がふえる、そういうこともございまして、平素でございますと十二月一ぱいで済む地方局におきましても、若干一月にわたる、あるいはまた、従来一月までやっているところは二月の初めまでかかる、こういうような点があるわけでございます。  どこに隘路があるかということでございますが、これはいろいろあるわけでございまして、第一は、先ほどおっしゃいました施設の問題もあるわけでございます。現在全国に約八百カ所の収納所がございまして、これも非常に施設のいいもの悪いものとりどりあるわけでございます。私どもとしましては、極力この施設のいいものを、少数精鋭で能率的な収納を行なおうというようなことを考えているわけでございますが、また一方、耕作者の方々は、非常に収納場から遠くなると困る、こういうような御要望もありまして、なかなかそういう整理統合がいかない、そういうことで施設の問題が一つございます。  それから収納のやり方でございますが、これは現在一収納につきまして公社の職員が約十一名ないし十二名、こういうものが一組になって収納に従事しているわけでございまして、その組数をふやすことによりまして収納期間を短くすることは可能でございます。可能でございますが、最近のように毎年毎年大幅な増反をやってまいりまして、しかも天候のぐあい、それから耕作者の方の技術の向上、こういうことで生産量が非常にふえてまいりますと、若干組数をふやしましても、なかなかそれで画期的に収納期間を短縮できるというところまではいっていないわけでございます。私どもといたしましては、やはり人員に限りがあることでございますので、組数は極力ふやすようにいたしておりますが、これも限度があるというふうに考えております。  それからもう一つは、鹿児島県で特につくっておりますのは黄色種という種類が主体でございますが、黄色種につきましては、公社で収納いたしましたものを公社の再乾燥工場に運搬いたしまして、そこでもう一回再乾燥し直す操作が要るわけでございます。これがやはり再乾燥工場の能力というものがございまして、私どもとしましてはいろいろ経済的なことも考えないといけませんものですから、再乾燥工場の年間の稼働日数を百二十日程度まではいいんじゃないか、こういうふうに考えています。そういうような基準で大体再乾燥工場も配置されておりますので、この能力との関係、こういうようなことが、いまの収納がどの程度かかるかというようなことを左右する因子になってくる、こういうことでございます。
  228. 有馬輝武

    有馬委員 その施設等について、こらいった緊急事態では学校の講堂なんかを利用するとか、何か適宜の措置をやってもらいたいと思うわけです。  それから人員については、組数をふやしていくということでありますが、増反奨励をしておられるおりから、やはりそれに見合った予算、人員の増に対する予算要求を積極的にされるべきではないかということが一つと、私は前々から主張いたしておりますが、これは谷川管理官にもしつこく言ったことがありますが、甲鑑定と乙鑑定、甲鑑定は専売公社の方でいいけれども、乙鑑定は耕作者の代表を入れるとかいうようなことで、少なくとも民主的にすると同時に、いま言った人員の足りない面を補うような方途についても考慮していただきたい。特に私は二十号台風に関連してお伺いをいたしておりますので、ぜひ総動員して、足りない面については、いま私が申し上げたようなことも一例でありますが、専売公社の全知全能を傾けて収納の時期を早めていただきたい。このことを要望いたしまして専売公社に対する御質問は終わりたいと思います。  それから建設省にお伺いしたいと思います。時間に制約がありますので簡単にお伺いします。  これは海岸堤防でありますが、全国で同じような波浪を受けるところでも、堤防の高さに高い低いがあるのですが、これはどういう理由でそういうことになっておるのですか。これをお聞かせいただきたい。
  229. 国宗正義

    国宗説明員 海岸堤防につきましては、元来計画をいたします場合におきましては、計画高潮位に波浪を加えまして、それに余裕高を足したものでもって構築いたすわけでございます。御指摘のように、全国的に高いところがあり低いところがあると申しますのは、そこの計画高潮位に相違を来たすわけでございまして、必ずしも外洋が常に高潮位が高いということはございませんので、潮位、地形等によりまして、内海におきましても高潮位の高いところにおきましてはその堤防高が高く相なっておるわけでございます。
  230. 有馬輝武

    有馬委員 私はまるっきりのしろうとですからわからぬですが、ややこしいことを言われても、いま言われたことだって覚えておらぬくらいですが、問題は、高低が、むしろ波の高さよりも市町村なんかの不満のほうが高くなっておるという事態についてよく考慮を払っておいていただきたいと思うのです。私は、やはりだれでもが納得し得る——これは力学的に考えて一つのあれが出るでしょうが、それにそろえるというような方向で御検討いただくことがむしろ望ましいのじゃないかと思うのですけれども、その点についてが一つ。  それから、いま一つは住宅建設でありますが、災害等を受けたあと、やはり普通の基準じゃなくて、農家なんかでもやはりブロック建築にその機会を通じて直さしていくとかいうような御指導が必要だと思うのでありますが、こういった面について、特に今度の第三次池田内閣は、住宅政策について小山建設大臣を中心にして重点施策として打ち出しておられるわけでありますが、こういう点についての構想をお聞かせいただきたいと思います。
  231. 国宗正義

    国宗説明員 いま申し上げましたように、さようにして海岸の堤防は計画いたすわけでございますが、何せすべての海岸堤防がまだ竣工しておるわけでございませんので、在来低いところ等もあり、今回災害を受けたものにつきましては、調査の結果を待ちまして修正し、災害復旧自体でできればそれでいたしますし、なお足らざる場合は、先ほども申し上げましたように、災害復旧と合わせて行ないます災害関連事業をも加えまして、将来万遺憾ないようにしたいと考えておる次第でございます。
  232. 有馬輝武

    有馬委員 私はさっきから、ときたま抜けたりはしておりましたが、答弁を聞いておって、各省の局長さん方、頭のいい人ばかりなんで、答弁技術はよく知っておられる。しかし、国民に対する愛情というもの、こうすればいいんじゃないかという積極的な意欲、一年くらいで交代する大臣のけつをしっぱたいて、こうあるべきだという意欲に欠けておるんじゃないか。大臣なんて、歴代見ておればわかるように、とにかく閣僚になればいいと思って、わけのわからぬ連中がぼやっとしてすわっておるだけで、その連中にほんとうに知恵を吹っ込み、国政に対する愛情を注ぎ込むべきあなた方が、意欲に欠けておる点があるんじゃないか。これはあなたに言うわけじゃないんだ。全般的にそうなんだ。そういった意味で、大衆というものは、ある程度愚昧かもしれない。しかし、愚昧は愚昧なりに、ものを洞察する目というものを持っておる。それがやはり国民の声となって皆さん方の耳にも入るだろうし、私たちの耳にも入ってくる。私はそれにこたえなければいかぬと思うのです。そういった意味で御答弁をいただきたいと思うのです。
  233. 国宗正義

    国宗説明員 河川の洪水を守る、あるいは高潮災害を守りますことは、私どもは大事な仕事と考えておりまして、災害発生いたします前に予防的にこれを防止する、これに過ぎたることはないわけでございまして、現に国土保全事業につきましては、昭和三十五年から計画的に実施いたしておりまして、本年、昭和三十九年が最終の年に当たりますので、来年度からは、遠い将来のビジョンを持ちまして、二十年後におきましてはほとんど災害のない状態、言いかえますれば、欧米並み——ヨーロッパにつきましては非常に災害が少のうございますので、アメリカにおける災害の程度にまでぜひ持っていきたい。それと同時に、国民所得の伸び、国がどれだけ投資できるかということも勘定に入れなくちゃなりませんが、私ども国土保全を担当いたしますものといたしましては、ぜひその災害のない状態に持っていきたい。つきましては、ここ五年間にも相当の事業を進め、重要の個所につきましては十二年をもって災害のない状態にいたしたい。いろんな施工の状況その他からしまして、直ちにいまというわけには事の性質上まいらないわけでございますが、おそい一般のところにおきましても、おそくも十五年になれば災害がほとんどない状態に持っていきたい。災害のない状態と申しますと、川につきましては洪水が無事に疎通する状態でございまして、以後なお低水敷の整理だとか、橋の永久橋への切りかえとか、せきを可動せきにする等の仕事は残りますが、とにもかくにも災害を受けない状態に早く持っていきたい、かように切に考え、大臣にも申し上げ、建設省の方針にしていただいているところでございます。  いま御指摘の海岸堤防につきましては、たとえて申しますと、鹿児島県の垂水地区におきまして、今回、東京湾の中等潮位から二メートル八十センチにあります高さの海岸堤防でございますが、それが災害を受け、人家にも被害を与え、堤防自身も被害を受けている状態を私ども報告に聞いております。この場合の高さでございますが、東京湾の中等の潮位からはかりまして一メートル四十センチが、これが満潮位と垂水においてはなっているわけでございます。ちなみに、干潮位はマイナスの〇・四五、四十五センチ下でございます。この場合の計画が二メートル八十センチと申しますのは、異常潮位と波高と考えておりますが、この二メートル八十では、今回の災害にかんがみましても高くはない。堤防自身を三面張りに完成いたしましても、その高さがやはり問題でございますので、この際さらに一メートル三十センチ、すなわちTP、東京湾中等潮位四メートル十センチのところまでいくならば一この堤防は、元来、その前には三メートル五十の捨て石を一メートル四十センチの高さまで、いま申しました満潮位の高さまで捨て石をやり、裏側には——前に捨て石をやりまして消波工、波を消す工事をやる、裏側には三面張りいたしておりますので、ここに一メートル三十の高さの堤防、パラペットを構築いたしますならば、今回のような異常潮位に対しても問題はないと考えますので、復旧並びに災害関連を考えます場合にはぜひその方向に私ども持っていきたいと考える次第でございます。
  234. 尚明

    ○尚説明員 住宅の復興のしかたについて御答弁申し上げます。  住宅の建設のしかたにつきましては、三十四年の伊勢湾台風以来、在来のやり方を急角度に改めまして、それ以後、たとえば公営住宅の建設にいたしましても、鹿児島県、宮崎県、高知県、和歌山県というような、風水害の危険を受けやすいところには、公営住宅のうち木造は一つも割り当てないということにして、いま実施いたしております。したがいまして、今回もこれらの県が被害を受けまして、これの復旧として建てます災害公営住宅につきましては、私どもはその原則を守って、必ずブロック造以上のものを建設して、再び災害をこうむることを少しでも減らそうというふうに考えております。  なお、個人の持ち家の建設につきましては、これは住宅金融公庫の融資をもって行なうのでございますが、これにつきましても、木造とブロック造とは、融資の金額も変えまして、たとえば木造はただいま最高五十八万円を貸すことになっておりますが、ブロック造はこれを七十三万円にいたしまして、かつ償還期限も、木造が十八年なのに対しまして、ブロック造はこれを二十五年にする。ともに三年の据え置きもできるようにいたします。こういうふうにいたして、不燃の建築が多く建つようにいたしております。なお、数年前から、農村に対しましては、農村モデル住宅といたしまして、県等の指導のもとに極力ブロック造住宅をつくるように、これにつきましては無抽せんで奨励するというふうな方法をとっておりますので、今回もやはりいずれも災害にあいやすい地域でございますので、極力その指導によりましてブロック造のほうを採用させるようにいたさせたい、さよう考えております。
  235. 有馬輝武

    有馬委員 いま熱意ある御答弁をいただきましたので、ついでに申し上げておきますが、実はきのう私は汽車で上京してくるときに、汽車の中で話し合ったのですが、六本木の近くの材木町のところで、道路のまん中にこれくらいの穴ぼこがあった、それが半年くらいの間にだんだん広がっていくのに、ほったらかしたままだ——これは東京都の連中だと思うのですが、そういった面について一つの例として、私に話しかけた人がアメリカのロサンゼルスに行ったときには、日本人の運転手さんで、女性ですが、ちょっと何かがたっとゆれただけで車をとめて、どこどこにこれくらいの小さな穴があったと電話かけたら、すぐ飛んできてすぐ修復する、ああいったものと見比べて、日本の役人というのはどういうことなんでしょうねと言って話をいたしておりましたので、参考のために申し上げておきます。  次に文部省にお伺いします。これはお尋ねがあったかもしれませんので、ダブっておったらお許しをいただきたいと思うのですが、公立学校の全壊あるいは大破ですね。——これはいま授業もできないでいる。具体例をあげろと言えば幾らでもあげますが、時間がありませんから申し上げませんけれども、これに対して応急措置としてはどういう点を考えておられるか、お聞かせをいただきたい。
  236. 齋藤正

    齋藤説明員 先刻も実はその点についてお答えいたしたわけでございまするが、災害に関する融資につきましては、文部省が直接担当しておりますことは、私立学校に関する災害融資だけでございまして、この点は御質問にはございませんけれども、この点についての融資のワク等につきましては準備をいたして、申請を待っておるような状況でございます。  ただいま先生から御質問のございました公立学校の問題につきましては、応急の間仕切りをしたり応急の施設をしたりすることにつきましては、従来資金運用部の資金のつなぎ融資等の実績も災害の場合にございましたので、私どもも関係の当局に対しまして、市町村でそういう計画がありました場合に、実情に即して措置できるようにお願いするようにいたしたいと存じます。
  237. 有馬輝武

    有馬委員 次に、大蔵省と自治省にお伺いします。これは大蔵省から一括して答えられてもけっこうであります。  これは被害各県からも一様に要望として出ておると思いますが、市町村民税の減免措置あるいは所得税の減免措置等の措置をどのように考えておられるか、そしてそのあとの措置についてはどのようなワクを考えておられるか、これについてお聞かせをいただきたいと思います。
  238. 堀口定義

    ○堀口説明員 お答えいたします。  地方税のほうは自治省のほうからお答え願いたいと思いますが、国税につきましては、災害の場合は、地域を指定いたしまして、災害の激甚地につきましては、まず申請書の提出期限の延長あるいは納税期限の延長という措置をとります。これは大体二週間くらいの間に地域の指定をするようになっております。今度も電報等ですでに状況報告されておりますが、大島であるとか、あるいは種子島、鹿屋というような署につきましては、その管内の必要とする地域を来週早々にでも指定してそういう措置をとりたいと思います。  それから減免につきましては、これは法律が出ておりますので、納税が決定するまでにそういう減免の条項に従って所得を計算することになりますので、その辺は、現在の法令、通達等によりまして前回の例も幾多ありますので、軌道に乗っておりますから、それに従って適切に処置していきたいと思います。
  239. 首藤堯

    ○首藤説明員 地方税につきましては、従前から一定の基準を設けまして減税等の指示、通達をいたしておるわけでございますが、このたびも、そういった被害状況等をにらみ合わせまして、従前の例に従って措置をとるようなことになろうかと思っております。
  240. 有馬輝武

    有馬委員 あなたにもう一問お伺いしたいのですが、そういった形でなされているほかに、今度のように倒壊家屋その他が大きいと、市町村自体で何とかめんどうを見なければならない面が出てくるわけですが、限度がありますからね。そういった財源措置を自治体自体が行なった場合に、それに見合って起債のワクなり、あるいは交付税なり、何らかの形でめんどうを見られる分野があるかどうか、また見る意思があるかどうか、この点についてお聞かせをいただきたいと思います。
  241. 首藤堯

    ○首藤説明員 お答え申し上げます。  減税の措置につきましては、御案内のように、激甚災害の指定を受けました例の法定の地域、これにおきまして法定の基準によります減税をいたしました場合には、減税補てんのための地方債の発行が許されるケースがあるわけでございます。これは激甚災害の指定及びその地域指定等がきまりました後の措置になります。それから、そのほかの地域の市町村が自主的に行ないました減税につきましては、先ほどもお答えを申し上げたわけでございますが、特別交付税を配分をいたします際の基準に、公共災害の基準でございますとか、あるいは被災者世帯数でございますとか、あるいは農地等の農業災害被害面積でございますとか、そういったものを基準にして特別交付税を配分するわけでございますが、そういった際の算定の基礎と申しますか、そういったものに考慮をいたしておるわけでございます。もちろん、これは特別交付税でございますので、減税分に幾ら充てろとか、どの金に幾ら充てろとかいう指示はいたさないわけでございますが、そういったもろもろの諸経費に充てるための特別交付税の配分をする、こういうしかけでございます。
  242. 有馬輝武

    有馬委員 いまのもろもろという点に非常に含みがあるし、うまみもあると思うのですけれども、ぜひいまの点については考慮する際に特段の御配慮をいただきますように要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
  243. 中山榮一

    ○中山委員長 本日はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後六時五分散会