○
上田説明員 御
報告申し上げます。
お
手元に「七月七日
——十九日の
梅雨前線豪重による
被害状況」というパンフレットを出しております。
七月七日、八日にかけまして、
新潟県と福島県の
境付近に非常に
豪雨がございまして、これによりまして
新潟県の刈谷田川また破間川が非常な
はんらんを起こしました。また、引き続きまして九日から十日にかけまして、
福井県、
石川県に
豪雨がございまして、
石川県では、
河北潟周辺の
津幡川だとか、あるいは金腐川というような川が
はんらんをいたしまして、また
福井県におきましては、九頭竜川が
計画水位を突破いたしまして、また、浅水川、足羽川、こういうような川が
随所に
はんらんをいたしまして、引き続きまして十一日から十二日、これはやはり
北陸をこの
梅雨前線が去りやらず、百ミリ以上の雨を降らしておりますが、また十四日、十五日にかけましては、少し北に移っておるようでもございますが、やはり
北陸地方には
降雨が続いておりまして、このために一番大きな
被害を生じましたのは、
富山県の氷見市でございますが、ここに
胡桃川という川がございますが、その川の
上流のほう、ちょうど
石川県の境を少し入ったところ、そこにおきまして大きな
胡桃の
地すべりを生じました。大体大きさは百町歩ぐらいでございますが、人家が七十二戸ばかり
被害を受けました。これは非常に大きな
地すべりでございまして、
胡桃川を約二千メートルばかり埋めてしまいました。そしてまた、その
支川の東川という川がございますが、これも二千メートルばかり埋めております。こういう大きな
地すべりが起こりました。幸いにして、これはたしか十三時ごろ起こったので、人は全部
避難をしていただくことができました。
それから最近にまた、十七日から十九日にかけまして、今度は
鳥取、
島根方面、また
石川方面、それから一部は
新潟付近というふうに、
随所に雨が降りまして、しかも一番ひどうございましたのが、
先ほど御
報告がありました
島根県でございますが、この
島根県では、山に雨が降りませずに、一番山の奥ではなくて、山と海とのちょうど中間から海にかけての
部分、こういう
部分が非常に雨が多かったわけでございます。時間的には一番ひどいのは七八・五ミリという、一時間雨量としては非常な
豪雨でございまして、雷鳴を伴ってきた雨でございます。これによりまして、
直轄のような大きな
河川は
はんらんはしておりませんが、小
河川と中
河川、こういう川が
随所に
はんらんをしたわけでございます。一番大きいのが、
先ほどお話が出ました斐伊川の
右支川の
赤川というところ、これが
加茂町のところでございますが、この破堤が一番大きゅうございまして、ちょうど
国道五十四号線の
上流側において二カ所切れておりまして、これが
加茂町を水につけたわけでございます。そのほか、中海に入っております意宇川がやはり
はんらんをいたしております。そのほか、宍道湖が非常に大きな
増水をいたしまして、平生は三十センチから五十センチぐらいの
水位のものが、一メートル八十センチにまで
水位が及びまして、それによってまた大きな
被害を生じたわけで、
周辺の市町村を埋めました。
また
石川県では、例の
河北潟が再び水につかりました。また、
金沢市が非常に大きな水害を受けることになりました。
それから
新潟県では、一度
復旧いたしました仮締め切りがところどころまたこわれまして、
はんらんをいたしました。
こういうふうに、今度の
災害といいますか、水は、一つの
特徴がありまして、
北陸沿線、
山陰は、いままでは
梅雨前線がほとんど停滞しない、停滞をしてもほんのわずかであって、去っていったというのが例年の例でございました。したがいまして、この
不連続線による
豪雨というものに
川そのものもなれておらない、
地形そのものもなじんでおらないというころに、ことしの雨がきたわけでございます。そして
先ほどの
島根の
お話でございますと、年間の三分の一と言っておられましたが、そのとおりでございまして、川が非常に小さかった、そこへそういう大きな雨がさたものでありますから、
はんらんを起こした。ただし、大きな
河川になると、局部的に雨が降るものでございますから、それを集めてまいりましても、そのわりあいに大きな
被害がなかった。それから
土砂くずれが非常に多いという
お話がございましたが、これもその
地形と土質が、
不連続線のような
豪雨を十分に受け入れましたときに、非常にいままでと違った、すべりやすい
状態になってしまった、こういうことによって大きな
地すべりが各所に生じてきたというのではなかろうか、こういう
特徴を持っております。
それによりまして、
被害の
総額は、この
梅雨前線によるものは現在約百九十四億でございますが、これはまだまだふえることになると思います。たとえば
島根県の
赤川などはまだその
応急復旧をいたしておるところでございまして、十分に
調査ができておりませんので、まだふえる
状態にございます。
まず
直轄河川から申しますと、
直轄河川は、最上川、九頭龍川、
信濃川等十三
河川でございまして、また
国道の
被害は、八号線、九号線等四路線が
被害を受けまして、
総額は十二億六千万円の
被害を生じております。
補助災害といたしましては、
新潟県、
富山県、
石川県、
福井県、
島根県等、二十三県に及んでおりまして、その
被害金額は百八十一億五千四百万円ということに現在なっております。最も
被害の大きゅうございましたのは、
新潟県の五十七億円で、それから
石川県の二十六億円、
福井県の二十五億円というのがそれに続いております。こういうふうに
被害が出ておりまして、合計で約百九十四億円に至るわけでございます。
これに対しまして、
建設省といたしましては、
被害激甚の
新潟県、
福井県、
石川県、
富山県、
島根県に対して、さっそく、
被害の
報告がありますと同時に
災害査定官、あるいは
地すべりに対しましては
砂防課長また
土木研究所の
専門官を派遣いたしまして、その
状況の
調査をいたすと同時に、
復旧工法の
指導に当たらせました。そういうことで、現在もまだ
島根県には
査定官が行って
指導中でございます。
島根県の例の
赤川でございますが、
赤川のところは、
先ほども
お話がございましたように、軒のひさしまで水につかっておったという
状況でございましたが、これに対しましては、土のうでさっそく
応急復旧を指示いたしておったのでございますが、現地からの
報告によりますと、四万俵の俵が要るということで、そのうち二万俵くらいは地元で何とかなるけれども、
あとの二万俵が困るというので、県の
土木のほうで県の西部のほうから一万三千俵は何とかするが、
あとの七千俵はどうすることもできないというような
お話がございまして、隣の県の広島から
国道五十四号線を直しつつ現場へ運んで、現在まだ
応急復旧中でございます。すぐ
応急復旧できると思っておったのでございますが、
国道が思うように通れませんで、途中
崩壊がまた起こったりいたしまして、非常におくれているような
状態でございます。幸い、雨のほうがいまやんでおりまして少し水が引いてまいりましたので、
応急復旧はもうすぐできることになっております。
それから
石川県の例の
河北潟周辺でございますが、これも
金沢の
市内に流れております
浅野川が四カ所ばかり切れましたが、またここに犀川という川がございますが、それの
支川の伏見川も三カ所切れました。また金腐川、森下川、これが一カ所ずつ切れておりましたが、これの
応急復旧は十九日の
夕刻に全部完了いたしました。
それから緊急を要する
個所につきましては、県の
準備完了と同時に
緊急査定を現在
実施をいたしております。
新潟県は今日たしか
——これは
地震災害に対する
緊急査定は終わりました。そのほか、
地すべりにつきましては、非常にこの
対策がむずかしゅうございますが、緊急にこれを
実施いたしませんと、また川の中に流出いたしました
土砂が下流に対して大きな
被害を及ぼすことになりますので、早急にこれを
実施すべく、現在
調査をいたし、また
計画をいたしております。
砂防堰堤個所を二カ所くらいつくりたいというふうに考えて、
胡桃町のところは現在当たっております。
一級国道の
交通不能個所につきましては、これも早急に
措置すべく現在
応急復旧をやっておりますが、大体
開通は二十二日ごろまでかかるのじゃないかと思いますが、二十二、三日ごろまでかかりまして大体
復旧を終わりたい、こういうことで鋭意
実施中でございます。
住宅に対しましては、
住宅金融公庫から
災害復興住宅貸し付け金を出しまして、
復旧に当たっていただくようにいたしたい、こういうことで現在
対策をやっております。
以上、非常に
災害が大きゅうございまして、多くの方々に非常な御迷惑をおかけしておることに対しまして深くおわびを申し上げて、
報告を終わります。