○
野田(武)
政府委員 今回の
新潟県
沿岸付近を
震源地とする
新潟地震による
被害につきましては、目下鋭意
調査中でありますが、近年まれに見る大
規模なものでありまして、
被害を受けられました県民の
皆さま方に対しまして、その御困苦に深く御同情申し上げる次第でございます。
政府といたしましては、直ちに、その
事態の重大なるにかんがみまして、昨十六日午後五時、
赤津自治大臣を
団長といたしまして、
関係各省庁の
係官を団員とする第一次
現地調査団を
自衛隊の
ヘリコプターで
新潟県に派遣し、
現地の
被害状況把握に当たらせておりますとともに、昨日また、
持ち回り閣議におきまして、
政府に
新潟地震非常災害対策本部を設け、
新潟市におきましては、
現地の
災害対策本部をそれぞれ
設置することを決定いたしました。
本部長には
国務大臣河野二郎君を任命いたしまして、
対策に万全を期しております。なお、今十七日早朝、
小林厚生大臣を第二次
現地調査団の
団長として
被害地に派遣いたし、さらに続いて
現地調査を行なわせている次第でございます。
政府といたしましては、まず当面、
被害者の救世、
被害家屋等の
応急復旧及び
生活必需物資等の確保により
人心の安定をはかることを最重点に万全の
対策を講じております。今後さらに
被害の詳細が判明いたしますにつれまして、漸次
被災地に対する
応急及び
復旧措置につきまして万全を期する所存であります。しこうして、昨夜直ちに
対策本部におきまして
会議を開きまして、まずその方針といたしましては、少なくとも
被害地の要求する点をまずもって把握するとともにこの
災害にあたりましては、応想定される対案がたくさんございますから、
現地の要求を待たないで、むしろ先手を打ってこちらからいろいろな
対策を講ずる必要がある、そうしていま申しましたとおり、まず
人心の安定を期するということでございます。
応急対策といたしましては、大体明日ごろまでに一応の
基本策を
立てたいと思っております。
まず、
関係各省はおのおの
各省とも
対策本部をつくりまして、各
省庁から
動員いたしまして
現地にすでに行っております。そこで、各
関係官庁からも一々こまかい御
報告をいたすと思うのでございますが、一応きのうの深夜までとりました
対策といたしましては、警察庁の
関係におきましては、すでに
現地に向かいまして、
警察員の
応援と申しますか、
動員をする通告をすぐいたしましたが、
警察力は一応
応援を求めぬでも済むという返事がございましたので、ことさらの
動員をいたさなかったのでございますが、
関係の者はもちろん
現地に参りまして、いろいろ連絡をいたしております。特に
関東管区警察局の
公安部長を直ちに
自衛隊の
ヘリコプターでもって派遣いたしまして、
災害警備の指導に当たらせておるのでございます。
防衛庁におきましては、航空機による
被害状況の偵察を行なうとともに、
ヘリコプターによる
政府調査団の
行動を援助するというので、
防衛庁の
ヘリコプターはほとんど全力を尽くして
現地に各
関係者とともに
行動を起こしております。さらに
陸上自衛隊におきましては、
東部方面隊は、第十二師団の主力を派遣いたしまして、
出動準備中でございますが、なお昨夜十二時ごろに至りまして、信濃川の決壊ということが、特にその近隣の六千二百戸に浸水がありまして非常に危険であるというので、そこでどうしてもこれは
自衛隊の派遣をさらに強化しなくちゃならぬというので、昨夜十二時に
自衛隊に対しまして、
新潟の高田、新発田並びに茨城の勝田、群馬の新町、普通部隊を千六百名ぐらい、特に必要な
施設部隊をまた千六百名ぐらい派遣方を要請いたしまして、直ちに出動いたしております。今朝さらに、水道の問題とか電気の復旧とか、それから火災の
対策、いろいろなことにおきまして、消防庁、
警察力は別でございますが、
自衛隊の出動というものが非常に緊急に必要だということを痛感いたしまして、一応この時限の時間におきまして、
自衛隊は大体総数六千五百名の
行動を開始する段取りになっておりまして、さらに一万六千ぐらいの
自衛隊員が待機いたしております。これらにつきましてはすでに連絡を済ましております。なお、海上
自衛隊におきましては、舞鶴を出港しまして、主食五万食と毛布四千五百枚ぐらいを搭載しまして、おそらく今日の午後四時ごろ
現地へ着いていると思っております。
大蔵省におきましては、ただいま御
要望のありましたことの中にも、私よく拝聴いたしておりましたが、特に金融
関係で不便をかけてはいけないということを観点といたしまして、
現地の金融機関とも連絡いたしまして、容易に
現金が融通できるように諸般の
措置をするということ、これは特にこの
被害の、
実情に応じまして適切な金融
措置といたしまして、金融機関ばかりでなくて、
関係の財務局等にも、また銀行協会その他の金融機関を通じまして、万全の
措置をとるようにいっております。また、貯金の
払い戻しの便宜扱いとか、手形交換の特別な決済方法とか、
保険金支
払いの迅速化、また税金
関係におきましても、申告期間を延長するとか、納税期間を相当延期するとか、諸般の
対策をとるように、大蔵
当局も
現地に
係官を相当多数派遣いたしまして、いまその連絡並びに
現地との調整をいたし、具体的にこれがあらわれるように促進するようにいたしております。
厚生省は、大体日赤の奉仕団の飛行機によりまして
現地に派遣いたしておりますが、
新潟近県の日赤救護班も
現地に派遣すべくいま待機いたしております。大体、きのうの午後三時半か四時までに保存血液必要量を日本ブラッドバンク長岡営業所から
新潟向けに輸送いたしておりまして、なお、午後五時、東京からも保存血液を
新潟に向けて発送いたしております。そして
新潟市にはすでに
災害救助法の発動をいたしております。
農林省といたしましては、食糧問題が大事でございますから、直ちに
調査いたしましたところが、一応
新潟を中心として十五日間分の食糧は保有しているということでございましたが、さらに乾パンその他の手配をいたしておりまして、これらにつきまして食糧問題に不安がないように万全を期する。また農林
当局といたしましては、復興
関係におきまして、特に木材等は、これを
調査したあとで
対策を
立てるということになりますと、御承知のとおり非常に建築材料なんかが値上がりいたしますから、その前にひとつ
現地に木材を運んでおく、要るのにきまっておるから、要求を待たないで、ことに、木材だけではなくて、建設資材というものはできるだけ輸送力を
動員して
現地に先に送る、そうすると、よくありますいわゆる値上がりなんというものは防止できると同時に、また
被害者の方が安心して復興に当たられる、こういうことをやろう。同時に、これは建設省の
関係になりますが、いま木材のことを申し上げましたので関連して申しますが、家屋の倒壊、火災その他で家のなくなられた方に対しましては、住宅金融公庫から
現地に派遣いたしまして、一戸当たり四十何万円かは当然出すことになっておりますから、すでにこれら必要な方に対してすぐ手続をするように、ゆうべのうちに数人を金融公庫から派遣いたしておりまして、私ども直接その
報告を聞いております。また農林省は、特に木材
関係におきましては、前橋、秋田、
長野の営林局に対しましてさらに今朝もまたその手配をいたしております。
通産省におきましては、あそこに大きな産業もありますし、また中小企業の方も非常に困っておられる
状態でございますから、まず通産省の防災業務計画に基づきましてその手当てをいたしておりますが、特に復旧資材のうちの緊急資材の供給確保、それから同時に、これらもいま申しました木材とか建築資材と同様に、やはりこれらの資材を早く
現地に運びませんと、値上がりとかいろんなことが起こってまいりますから、これも要求を待たないで、一応できる限りの輸送力を
動員して復旧資材を輸送するということにいまつとめております。また、電気、ガスというものは、電気なんか一番困っておられるようでございますが、これの復旧等につきまして、
現地に参りまして、東北電力また東京電力、電源開発、ガスは東京瓦斯というものがこれに対して万全を期しておりますが、なおかつ、これに対しましては、先ほど申しましたように
自衛隊の
施設部隊もこれに参加してやる。御承知と思いますが、昨夜じゅうに電灯は、一部でございますが、復旧しておるようでございますが、きょうじゅうには、これも全部ではありませんが、大体電灯も
新潟を中心として相当復旧する見込みでございます。ガスにつきましては、まだ
報告を聞いておりませんが、向こうには天然ガスまたプロパンガスなどというものがございますから、
応急的にはこういう
措置もとらせるということを指令いたしました。
それから運輸省の
関係では、これも御
報告にあったと思いますが、非常に
被害をこうむっております。しかし、これは非常な馬力をかけて復旧いたしております。しかし、
新潟と新津間というものはまだ復旧いたしておりません。また各役所から御
報告すると思いますが、これも運輸省が非常な
動員をしてやっておりますが、これらにつきましても、先ほどの
自衛隊の
施設部隊を活用して一日も早くこれの復旧に当たらせる。それから私鉄、自動亀
関係というようなものにつきましては、
新潟の陸運局との連絡が不能でありますので、仙台等の回線を利用いたしまして情報を集めて、この
対策をやっております。航空
関係も、現に具体的なきめのこまかい緊急
対策を講ずるように運輸省にも指令し、運輸省自身も
対策本部を設けておやりになっております。港湾
関係につきましても、これは直ちに復旧はむずかしいのでございますが、御承知のとおり、
新潟港も相当破壊されているようでございます。これらは、さらに運輸省を中心にいたしまして各方面を
動員して、一日も早く復旧に当たりたい、こう思っております。
海上保安庁におきましては、これも直ちに非常体制に入っておりまして、現に食糧その他の薬品とか、こういうものに対しての輸送に当たっておるのでございます。
同時に、郵政省におきましては、これは最初ほとんど電話が不通でございまして無電でやっておりましたが、大体警察電話なんかすぐ通じましたし、その他の方法において、
新潟におきましても、全部ではございませんが、ゆうべ聞いたところによりますと、大体五〇%くらいは通話ができるといっておりました。おそらくきょうじゅうにいろいろな手を打つと思っております。
建設省は、先ほど申しましたとおり、直ちに建設省の防災業務計画によりまして、
新潟地震災害復旧
対策本部を
設置いたしまして、これは特に建設技監と担当
課長六名をきのうの夕方
現地に派遣いたしまして、これは任務がなかなか大きいのでございますが、これらに対してもう最善の
努力をして復旧に当たりたいということで、各役所とも同じでございますが、これも遺漏なきを期してやっております。先ほど申しましたとおり、住宅金融公庫の
災害対策につきましても、先ほど御説明申しましたとおり、本省と一体となって、家屋の復旧その他に当たっております。何と申しましても、橋梁、道路が非常に破壊されております。これも実は建設省だけの力ではいけないので、先ほど申しました
自衛隊の
施設部隊と一緒になって、一刻も早く復旧したいということで当たっております。
自治省におきましては、さきに御
報告いたしましたとおり、赤澤自治大臣が
現地に参りまして、いろいろ
調査または折衝に当たっておりますが、まず
災害対策に必要な
資金のあっせん、またこれに対する普通交付税の繰り上げ、また
被害の
状況によりましては特別交付税を配分しなければならぬというような基本的な考えをもって当たっております。
その他、消防庁、各
関係役所がおのおの
対策本部を設けて当たっております。われわれ
対策本部といたしまして、これら
関係各省のやっておられることを調整いたしまして、総合的な計画を
立てる。的に申しましたとおり、明日ごろまでには大体本部の
対策を
立てる。
関係の
対策委員の方々は、昨夜もほとんど徹夜をいたしましてみなこれらに当たっている
状況でございます。したがいまして、
対策本部といたしましては、先ほど申しましたとおり、情報を全部収集するのはもちろんでございますが、また情報を収集するために待つ時間と同時に、もう必要なものは、大体
被害地の
状況また従来の経験よりいたしまして一応見通しがつきますので、情報収集、
要望は、われわれはもちろんできるだけこれを集めますが、それがなくても、できるならば、ひとつ先手々々を打って、特に
被害者の方々のお気の毒な立場に対して救援申し上げ、また復旧、復興に当たりたいという強い決意を持っている次第でございます。
いろいろこまかい点につきましては、ここに
関係の
政府委員その他が出ておりますから、お尋ねがありましたら、またおのおの各
関係官庁からお答えを申し上げることにいたしますが、この上とも
皆さま方の強い御協力を
政府といたしまして特にお願い申し上げまして、一応御
報告といたす次第でございます。(拍手)
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