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小林委員 私は、試験制度が人事院に残されることは、
先ほども申し上げました。試験制度が残されているから、入り口だけは残されている。そして出口も残されている。しかし、その中の一切の中身は持っていかれたんじゃないかと
先ほど来言っておるのであります。昇進もない、任免もない。そういうことは全部
政府がおやりになる。そのおやりになる基準は、いわゆる
政府でおきめになる政令だとか閣令というもので基準を定めておやりになるのだけれども、それは第三者機関が定めていた基準から見れば、だんだん
政府に都合がいいものに変わっていくことはあたりまえじゃないかと私は言っている。しかも基準だけじゃない、その運用も
政府がおやりになるのでありまするから、基準の面に
政府に都合がいいようないわゆる政令、閣令ができる危険があれば、運用の面において、さらにそれが
政府に都合がいい方向に持っていかれる危険があるではないか、これを言っている。そう言うとあなたは、救済機関があるとおっしゃるでございましょう。救済の
規定があるじゃないかとおっしゃるでございましょう。なるほど、現実に反した人事があったときは、救済
規定によって、本人が不利益処分を受けたと言えば、その
理由書を交付することにはなっております。それだけはありますけれども、そんなことの不平を述べて、そしてこれこれでおまえを処分したという
理由書をもらったところで、それで
一体その公務員の昇進についてのきずあとがなくなるか。そんなことをやれば、あとからにらまれてたいへんだというので、そんな救済
規定なんというのは空文化して、だれもやらなくなってきますよ。だれがやるか。ただ、それよりは、もしやったとして毛、こういう救済の
規定が人事院に残されていたとしても、予防的な効果は
一つもありません。いまこそ、第三者機関があって、そういう昇進や任免やすべての問題、任用の面も公平に見てくれるというから、彼らはその公平に準拠しているけれども、
政府がおやりになるなんといったら、まずまず政治の不公平に対する牽制、予防という効果は全くなくなってしまって、これは早く時の
政府にこびを売って、犬のようにひとつ早く
政府の権力者にくっついて昇進の道をはかったほうがいいという人間の弱点、公務員の弱点が露骨にあらわれてくることは、これは私はいなめないと思う。いま人事院があったって、現実に国家公務員の姿はどうですか。私は、一般
労働組合や公務員
組合に組織されている下級の職員に対しては、その弊害があるとは言いませんけれども、まず課長以上の官僚と称するものなんかというのは、第三者の人事院機関があっても、ほとんどまず
政党の準使用人くらいの形に変わりつつあるという弊害は、これは私は
労働大臣も否定されないと思う。
政党政治が、三党も四党もあって、それぞれ相拮抗しているときにはまだいいけれども、いま、
一つの
政党が政権を握って、
野党に政権が回らない、長期にわたって
自民党という
政党が天下をとった、その第一の弊害がどこにあるかといったら、私は、国家公務員の中立性が失われたということなんです。
一つの
政党が長く政権をとったその弊害として、彼らは、国民に忠実に奉仕をするという性格を失っている。いつの間にやら
政党に奉仕をする、
政党に使われているという形があらわれている。これは長い間における
一つの大きな弊害だと私は思う。この弊害をさらに露骨に助長していくのが、この人事院の改組、
政党内閣による人事の管理にあると考える。
大臣いかがですか、いま私が申し上げました、
一つの
政党が長い間政権をとっていると、公務員のいわゆる国民に奉仕するという中立性が失われつつあるというこの
考え方は。どうか、私も感情で申し上げておるのではないのでありますから、
大臣も、ひとつ正確な
お答えをいただきたいと思うのであります。