○
畑委員 一時ごろまでに終える予定でございましたが、だいぶ時間が過ぎましたので、
刑事局長は早くから来て待っておられますから、
刑事局長に関連する分を先に質問をいたしまして、
あとは次会に回してもよいと思います。
それは、この
改正の問題と直接
関係がないのでございますが、いつか聞いてみたいと思っておりました。この前、私、
資料請求をいたしましたところ、法務省のほうから出てまいりました
資料がございますが、それはいままでの参議院
選挙、それから
地方選挙、衆議院
選挙、これを通じての
選挙違反事件の裁判の結果についての
資料要求をいたしたのですが、まだ統一
選挙とそれから衆議院
選挙については
資料がまとまらない、こういうことで参議院の
選挙の
選挙違反の結果
調べだけが出されております。実はこれだけではわからぬのでありまして、この
あと最近のものがわからぬとはっきりしないと思うのでありますが、しかしそれが出るまでは一応相当時間がかかりましょうと思いますので、この参議院
選挙の結果
調べというものを基礎にして、その後の趨勢など大体のことがわかったらそれをお答え願いたい。
それに関連するのでありますが、まず結果
調べについて
——もう
資料が出ているのですからいいようなものですが、ひとつ法務省から出ておるものを私ちょっと読んでみますと、「三十七年七月施行の参議院議員通常
選挙における
選挙選反事件裁判結果調」こういうことになっておりまして、第一が起訴人員、合計が六千八百十五人、内訳が、公判請求が千百九十一人、略式請求が五千六百二十四人で、公判請求のパーセンテージが一七・四%、略式請求のほうが、パーセンテージが八二・六%ということであります。その次に、裁判結果、懲役または禁錮に処せられた人員が計二百九十三人で、内訳は、実刑が十二人で四・一%、執行猶予が二百八十一人で九五・九%、右に伴う
公民権停止状況、これの
関係で不停止が三人、一%、期間短縮が百十四人、三八・九%、停止が百七十六人、六〇・一%、それから
罰金または科料に処せられた人員、計四千九百四十六人、内訳が、実刑が四千九百二十三人で九九・五%、執行猶予が二十三人で〇・五%、次に、右に伴う
公民権停止状況につきましては、不停止が千十四人、二〇・五%、期間短縮が二千百九十三人で四四・二%、停止が千七百三十九人で三五・二%、こういう報告に接しておるわけでございます。
ここで私が問題にしておりますのは、
公民権停止の
関係でございます。御承知のように選違挙反で
処罰されると同時に、
公民権停止の問題が判決で一緒にきまるわけです。そのまま略式でやられ、あるいは判決でやられる場合に、黙っておれば停止を五年間食う、それを、あるいは期間短縮、あるいは停止せずというのをつければ、そういうことができるということになるわけであります。現存におきましては法が
改正されまして、買収、供応あるいは利害誘導等の重要な罪の場合には、
公民権は必ず停止をされなければならぬ、それ以外の罪については従前と同じように不停止または期間短縮がつけられるということに変わりました。これはたぶん、参議院
選挙のときにはその法が
改正になる前だと思います。そういう
関係でわりあいに不停止あるいは期間短縮が多いのだと思うのです。これによりますと、懲役刑の場合は不停止がわずかに一%、期間短縮が三八・九%、停止が六〇・一%になっております。これは懲役になるくらいの場合ですから、今度の
法律によりますとおそらく期間短縮、不停止がなくなるわけでありますが、この表によりますと、実績によりますと、懲役刑の場合にも、期間短縮などは三八・九%もある。それで一方
罰金の場合のほうは、不停止が二〇・五%、さすがにこれは懲役刑の場合よりもはるかに不停止が多い。期間短縮が四四・二%、これもはるかに多い。停止が三五・三%こういうことになっております。この趨勢というのは表には出てきておりませんけれ
ども、これがその後どういうふうに変わっておるか、これをひとつ承りたいのです。実は、
選挙違反にもいろいろ態様がございまして、悪質といわれる買収、供応、利害誘導等のものは
公民権の停止というように今度なったわけですが、これは当然だと思うのです。それで、もっと軽い形式犯的なものについては、従前と同じということになっております。しかし、これの場合でも、たとえば略式請求をする場合に、その辺の配慮はあまりせずに検事のほうで略式請求をするときに、
公民権を停止せず、あるいは
公民権の期間短縮というのをつけない場合が多いのじゃないか。そうすると、裁判官のほうはそのまま受けて、そのままつけない。ところが形式犯でありまして、つけてもよろしいと思われるものが相当あるけれ
ども、そういった惰性でその辺の弾力性に欠けるところがありはしないかこう思うのです。特に、私京都のほうの
選挙違反について
一つ聞いておるのですが、
事務所開きの通知を出した、実際われわれも実は出すのです。これも正式にいえば例の文書違反だろうと思うのです。しかし、これも、実際上の儀礼的な問題もあるし、わからないから出す。これがたまたま引っかかって
調べられて、略式起訴になった。これは約二十三名の人に、
選挙はがき以外のはがきを使って出したから文書違反だということで四名ばかり起訴になっておる案件がございます。具体的名前は差しさわりがありますから出しませんけれ
ども、こういったものなどは、起訴された以上
罰金はいたし方ないといたしましても、政治
関係に
関係しておる人にとりましては、特にこれから立候補でもしようというような人、あるいはまたさらに現職の市
会議員であるとかなんとかいう場合には特に非常に痛いわけです。そういう点はやはり相当考慮をして、私は弾力性を持ってしかるべきだろうと思う。悪質な罰は、これはいけないということで法は
改正されたわけですが、そういう形式犯的なものはもっと相当弾力性を持たしてよろしいのじゃないかと思うのです。その辺が、三十七年の参議院
選挙の結果によりますと、一応略式
罰金の場合には、相当、不停止が二〇%あり、あるいは期間短縮が四四%あるようになっておるのです。まあ弾力的にやっているようにも思われますが、その後、
公民権の問題はやかましくいわれるような
関係もありまして法も
改正になった影響もあって、この略式の場合の不停止あるいは期間短縮というのが、パーセンテージが実際には少なくなっているのじゃなかろうか、こう思うのでございますが、まだ
資料が出てないのでその辺断定できないのですが、その趨勢などわかりましたら、それと同時に、それに対する私の意見的なことをいろいろ申しましたけれ
ども、法務省としての御見解をひとつ承っておきたい、こう思うのです。