○
堀委員 そうすると、
審議会で
基準についてわれわれが
意見を述べておりますね、そうして、その
具体案の中で
基準を曲げたものが出てきますね、その場合、もうそこから先は、要するに
基準が曲がっておることについてもわれわれは
発言ができないということになるならば、これは
特別委員であっても
委員には相違ないわけでありますから、問題が出てくる。それはどういうことかと言いますと、今回のこの
アンバランスの
是正の問題というのは、過去にもいろいろ
経緯もありましたけれ
ども、要するに、
前回の第一次
審議会においては、
アンバランスの
是正なんですから、
アンバランスの
是正ということは、多いところに人をふやして、少ないところを減らすということなんですね。これは
一つも
増員という
かっこうで問題を提起されてないのです。
定数の
是正なんです。だから、
増員をしなさいという
原則で
基準がきまったのならば、私は何もそれについて
あとで
質問をしたり
意見を述べる必要はないと思うのです。しかし、結果として出てきたものは、十九名増、一名減ということは、これは
定数の
是正という表現があっても、まさに
増員と見てもいいわけです。一名は減になりますけれ
ども、まず
増員なんです。
最初のこれまでの
考え方のように、たとえば十五名動かす際に、十五名ふやして十名減らす、結果としては五名
増員になりましたというようなことならば、
アンバランスの
是正ということばに該当すると思うけれ
ども、十九名ふやして一名減らすというのは、どうしてもこの場合、
アンバランスの
是正というにしてはやや問題がある。これは
基準の問題ですね。要するに、初めにきまった
基準が
審議会の内部において
基準どおりにいかなくても、それについては
あとで
発言ができなければ、初めに
基準についてものを言ったって、
意味がないということになるわけですね。これはそういうことに
理解をされるのなら、むしろ
選挙制度審議会設置法を私は改めるべきだと思う。
この中でもう
一つ改めなければならぬと思うのは、これは実はいまの
運営とは書き方がかけ離れておるのですよ。なぜかと言うと、「特別の
事項を
調査審議するため必要があるときは、
特別委員を置くことができる。」ということになっておるのです。この
立法はそうですか、実質は、必要があるときに置いているのではなくて、初めから置いているわけです。それからいまの第五条の第二項の問題があって、第四項は、「
特別委員は、当該特別の
事項の
調査審議が終了したときは、解任されるものとする。」となっている。だから、この
立法は、その当時われわれも
議論をしましたけれ
ども、非常に
特定された、その
委員会の
審議の中における
特定の問題について
特別委員を任命するという
趣旨が実は書かれておるわけです。しかし、
運営の中では現在はそういうことにはなっていないのですよ。初めから全部一律に任命して、そうして全般的にみんな
参加をして、
最後までそうなっているのですね。そうすると、いまの実態のほうがわれわれは必要だと思うわけです。なぜかと言うと、やはり
当事者である者の
意見をその場その場で反映しておかないと、
選挙なるものはなかなか問題があるのでありますから、私
どもはその
当事者の
意見どおりにしようということではありませんけれ
ども、
当事者の
意見をこの
審議会の中で反映するのは、私は当然だと思うのであります。そうすると、こういうふうにきわめて
特定のものだけにしぼるということになるからいまのような問題が出てくるのではないか、こういうふうな感じがするわけです。ですから、いまのあなたの
解釈がもしそういうことであるならば、これはもう
法律のほうから書き直さなければ、いまのような
かっこうの
運営ができないほうが正当なものになってしまう、こう思うのです。
そこで
大臣にお
伺いをいたしますけれ
ども、この
選挙制度審議会設置法については、まだほかに問題があるわけです。
一つは、
委員の
任期を一年ときめてある。初めはこれは二年だった。ところが二年ということになると
答申の出るのが時間がかかるだろうということで、実は一年ということになった。一年ということになったので、見ておりますと、そのときそのときの御
都合でしょっちゅうちょん切れて、間があくということに、現在の
運営の仕方はなっておるわけです。だから、こう
考えてくるならば、
選挙制度審議会の
委員の
任期は、一年というのは問題がある。過去の例をちょっと調べてみましたけれ
ども、第一次の
選挙制度審議会というのは、三十六年六月十六日に任命をされまして、最終の
総会は十二月二十六日に終わっている。このときは六カ月問なんです。その間非常に
皆さん御熱心な
議論をされて、非常に詳しい
答申が実ば出された。第二次
審議会については、これはもってのほかなんです。
審議会ができたら、まず先に
公聴会を
最初からやりだしたわけです。何によるかというと、あまり早く
答申が出てもらっては困るということで、おそらく配慮がされた。一体、
議論もしないで先に
公聴会を開くなんていう
ルールは、私もこの
政治の世界に来てあまり長くはありませんが、大体ないと思うのです。問題が提起されて一番
最初が
公聴会だなんて、
審議会の
皆さんの
意見も何もないときに
公聴会を開くなんということは、
取り扱い上おかしかったけれ
ども、そういう
経緯があって、そうしてぼつぼつと、四月ごろからですか、問題が始まった、こういう
経緯になっておるわけです。そうしてそのまん中に夏休みがあって、九月になったらとたんに、急げということで、たいへんピッチを上げて、そうして十一月
選挙に間に合わせるのだ、十月十五日に
総会を開いて
答申をしろ、こういう
経緯で、そしてその
あとは十二月二十何日かで終わりになって今日まできておるということになる。この
選挙制度審議会設置法の第二条第二項に「
審議会は、前項各号に掲げる
事項に関し、自ら
調査審議して
内閣総理大臣に
意見を申し出ることができる。」こういうことになっているのですから、
審議会というものは、
政府が諮問したものだけに限らず、これらの必要な
事項については常時
検討を進め、
政府に
答申をしたけれ
ども、それを取り上げなかった場合には、それについてはどういう点で取り上げなかったということに基づいてさらにまた
審議を継続して、常時、
選挙制度審議会が公正な
審議が行なわれるような条件に置くべきではないかというような
考えもあるわけですね。
こういうふうに、この
選挙制度審議会設置法の
運営の
取り扱い等について、実は私
どもいろいろ疑義がありますが、ここで
大臣にお
伺いをしたいのは、いますぐどうというわけにいかないかもしれませんけれ
ども、少なくともこの
選挙制度審議会設置法の一部
改正をして、やはりもう少し
国民が納得をして
選挙法についての
審議その他が前向きに進むような措置を
考える必要が
政府にあるんではないか、私はこういうふうに
考えますが、
政府側として
審議会設置法の一部
改正をやる意思があるかどうか。