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岡本委員 それじゃどういう工法があるのですか。どうしても斜めに橋梁のところで取りつけなければならぬ。だから、下にあったものが上へ上がっていって、上の
道路に取りつくのには担当ずっと盛り上げるような、これはかりに土盛りでされなくても、スラブを組んで構造物をおつくりになっても、ここの流れを阻害するということでは同じです。だから私は、これは取りつけ
部分においては相当
洪水の
疎通を阻害する、常識的にそう判断せざるを得ないということが一つです。
それから、もう一つは、
昭和になってから十三年、十六年、二十二年と三回大
洪水があった。だから今後もやはりこういうふうな
洪水がある、なきにしもあらずである。なるほど最近、ここ十数年
洪水がないしかしながら災害というものは忘れたころに出てくるというのが言われるとおりでご言ざいまして、いま、九州を盛んに襲っておるような梅雨前線によるところの集中豪雨、ああいうものが、いつ関東平野に常襲的にやってこないとも限らない小河内ダムが一ぱいになっておる。小河内ダムが一ぱいになっておるところへ、ああいうふうな集中豪雨がまた重ねて来るというようなことが、これはないということは断言できないと思うのです。現在のような小河内ダムで、いまのような状態であると、下手なところへ水源地のダムをつくったものだなというふうなことも言えるかもしれません。しかしながら、天候というものは人為ではどうにもならないもので、いつどういうふうな形で雲行きが変わるとも限らない。かつても利根川には大
洪水がございました。関東にも大
洪水があった。集中豪雨のあった例もあるのです。だから、たとえばつゆどきに相当降って、小河内にためておかなければいかぬと思ってためておいた、今度また期せずして二度重なって集中豪雨があったというようなときには、小河内ダムはもうそれ以上の湛水能力がないから、そのときの
洪水は全部はき出さざるを得ない、こういうことになってまいりますと、これはやはり
多摩川といえども、相当な
洪水をのむだけの用意をしておかなければいけない。だからせっかくいまあれだけつくられておるところの
洪水敷を、いまここ十数年無事だからといって、すぐ安易に考えて、
洪水容量を減らすような構造物をつくるというふうなことをされるということは、これは私は非常に軽率なことであると思うのです。もしあなた方がどうしてもそういうふうななにが必要というなら、いまあの
堤防の少し上に
道路がございますが、あの横のところへ一本ずつ二車線程度の
高速道路を、いま三宅坂の辺につくっておられるような一本足の
道路をつくって、
道路交通を処理するという
意味でなら、あの
堤防の横へもう一本
道路をとるということは必ずしも
——ことに
堤防の外側の斜面、のりを利用して、あそこの
堤防敷を
道路敷に利用するというふうなことくらいは、私は不可能じゃないと思う。むしろ
洪水を阻害するというふうな策をおとりになるということは、国の
河川の
管理を担当していられる一番中枢部におられるあなた方が、われわれの常識ですら、そんなむちゃなと思えるようなことをあえてされる、そういうふうな
結論をお出しになるということは、私から見ると、少しおしかりを受けるかもしれませんが、やはり権威に対して弱いやはりあなた方は
大臣の補佐をしていられる、同時にまた、官僚としてそれだけの権威を持ち、自信をお持ちにならなければいかぬと思うのです。だから、そういうふうな
意見が
大臣から出ましても、
大臣、そういう思いつきは
河川管理上いけませんよ、私たちは賛成するわけにまいりません、これくらいのきぜんたる態度をあなた方はどうして持っていただけないのか、また、それくらいの自信と権威を持って
河川管理に当たっていただかないと、
河川管理上もそういうことは困る、私はこういうふうに思うのでございますが、これ以上は議論になると思う。しかしながら、私どもも
河川法の改正については大いに御協力したつもりです。そして、こうしてりっぱに
河川法が改正された。改正されたと思ったら、すぐ
河川管理上無理なと思われるような、しかもしろうとの私がおか目八目で考えて無理だと思われるような
計画をすぐお出しになる。こういうことでは、国の手に
河川管理をまかすわけにいかないです。だから、私はこういう点については
河川局のほうでもきぜんたる態度をもって、きょうはもう時間もなんでございますから、ひとつ今後、
河川管理上、私たちに十分
納得できるような根拠をあげて御説明願わない限り、私は、こういうふうな
河川敷に
自動車道路をつくるというふうなことについては、賛成するわけにまいりません。この点については、私は今後の
委員会でも皆さん方とよく相談して、場合によっては、
委員会の決議まで持っていきたいと思う。もし
大臣が強行されるというなら、
国会のほうでは
反対の意思表明をいたします。私はそういうような
河川管理というものには
反対です。やはり
洪水容量というものは大きければできるだけ大きいほうがいいのです。従来はあそこらあたりはたんぼだったが、いまはあの辺は密集した
住宅地域に変わってきておる。また工場
地域に変わってきておる。国民の非常に貴重な生命と財産というものは、あの両側のあの
河川敷をもって守られておる。だからできるだけ安全性を大きくしなければならぬ。しかもその安全性を細めていく、弱めていくというようなことを
河川管理者がなさるということには、断固として、私は
河川管理の見地からも
反対しなければならぬと思う。だからその辺についてはもう一度
河川局のほうも、そういうことの是か非かということをひとつ真剣に御討議をされまして、またもし強行されるとするなら、私どもが
納得できるだけの
——こういうような
施設をすれば、
洪水容量はこの程度だ、阻害されるのはこの程度だというふうなはっきりした資料を私どもにちょうだいできるように、私は要望いたしておきたいと思います。
それから、今度は
都市局長にお尋ねをいたします。
審議会の議を経なければならぬというだけでなしに、私はあそこは防災的な見地から非常に重要なところであると思う。あそこへまいりますのに、何という通りですか、車で世田谷からずっとまいりますといまはずうっと
住宅の連檐です。もうその間には何も
緑地というようなものはございません。かりに新潟地震のようなものが出てまいりましたときに、ことにそれが冬の夕飯どきであったような場合、各家では暖房をたいておる。石油ストーブもこのごろ普及しておりますので、ガス・ストーブや石油ストーブをたいておる。そこに関東地震のような地震があったとすると、どんどん家が倒れます、傾きます。石油ストーブもひっくり返るでしょう。至るところから一斉に燃え上がるに違いないと思うのです。そういう場合に、住民はどこへ避難したらいいか。避難するために、何方という
人たちが一斉に
道路に飛び出します。それが潮のような流れになって、安全地帯を求めていくのです。おそらくあの両側の
人たちは
多摩川に行くだろうと思う。そのときに、両側に家が立ち並んでいたら、どうして入っていくのですか。押し寄せた
人たちは、わずかに残された細い
道路を通じてしか入れないでしょう。入口がもう非常な混雑で、入口でおそらく人が押し合いをやって、結局踏み殺されてしまうというような惨事が起こってくると思う。火に焼けて死ぬのなら
——これもやむを得ないとは言えません。それすら避けなければならぬことです。しかしながら、避難する途中で、安全な避難所を求めていくときに、その入口が狭められておったために圧死しなければならぬ、こういうような事態が起こったらどうしますか。私はああいうふうな開放された土地というものは相当残されておらなければならぬと思う。何をおいても、防災的な見地からあそこは開放されていなければならぬということをまず第一に思います。
その次には新潟地震の
経験です。あの新潟地震で倒れた県営
住宅、あれはやはり川のそばにございました。
堤防のつい外側でございました。そうしてそれが埋め立て地の軟弱地盤であったために
——それは
建築技術のまずさもあったかもしれません。
建築技術のまずさのために倒れたというのなら、これはやはりその
建築の監督をされたところの
住宅局の重大な責任であると思うのです。鉄筋コンクリートといえば、これは耐震耐火建造物、こう名づけられておるのです。その耐震耐火建造物であるべき建造物が地震で倒れておる。しかも木造
住宅は倒れておらないのに、耐震構造の建物が倒れておる。このことは、私はもしそれが構造上の欠陥であるとするなれば、これは
住宅局の監督上、
建設大臣の重大な責任であると思う。しかしながら地盤が軟弱であったために思わぬ結果を来たした、しかしながらそれも地盤
調査が十分でなかったという点において責められてもしかたがないしかしながら初めての
経験だ、こういうことであるならそれもやむを得ません。しかしながら、今度は一たんそういう
経験を持っておる。そういう
経験を持っておるのに、しかも
河川のそばの軟弱な地盤にそういう細長い建造物を建てる。むしろ私は、通風採光の問題があるにしても、これからの
公団住宅というものは耐震の安全性をはかるためには、少なくともアングルにするか、あるいはコの字型にするか、そういうような形で、やはり耐震上のことも考慮しなければならぬ。まるでせんべいを横に立てたような今日の
公団の
住宅というものは、耐震上ああいう
経験を持った以上、われわれ地震国日本である以上、問題であると思う。だから、今後
住宅公団の建物については、単に通風採光だけのことを考えずに、やはり耐震上の見地というものを持たなければいけないだから星型でもいいでしょう。星型ならなるほどいまの、何といいますか、一列に並んでいる
住宅よりはましでしょう。だからやはり耐震的な見地から、その構造を再検討されるべきだと思う。にもかかわらず、新潟地震の
経験を持ちながら、なおかつ軟弱地盤で、しかも新潟で倒れたと同じような構造の
住宅を建てられる。なるほどピアを打つからだいじょうぶだ、こう言われるかもしれない。しかしながら、ピアというものをところどころに打ち込むだけでどれだけの安全性を保障できるものか、そういう点もあなた方に御考慮願わなければならぬと思う。私はしろうとでございます。しかししろうとが見て、やはりこれは無理だと思えるようなことは、よほどの計算と配慮の上でなければ、それを打ち消すだけの十分な根拠をもって御説明願わなければ、そういうようなことには賛成するわけにはいかないし、またおか目八目の
意見というものもやはり尊重していただかなければならぬと思う。
だから、この二つの見地から、まずこの防災的な見地から、新潟地震のような地震が起こった場合、ことにかつての関東大震災のようなものが起こった場合の避難
場所というふうな点でどうしてもああいうところが要るということ、単に風致だけの問題でないと思います。風致上の見地からずいぶん
反対の
意見も出ております。確かにそのとおりです。
緑地帯を残さなければなりません、住民のいこいの
場所ですから、残さなければならぬ。しかし私はより以上防災的な見地から、どうしてもあそこは残していただくべきである、また防災的な見地から、あそこへああいうふうな一列にずらっと並べるような
住宅建設はまずい、こういうふうな二点で、再考をしていただくようにお願いしたいと思うのですが、
局長の御
意向を承っておきたいと思います。
都市局長と
住宅局長から、承っておきたいと思います。