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1964-06-17 第46回国会 衆議院 建設委員会 第38号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年六月十七日(水曜日)    午前十時五十七分開議  出席委員    委員長 丹羽喬四郎君    理事 加藤 高藏君 理事 瀬戸山三男君    理事 服部 安司君 理事 福永 一臣君    理事 岡本 隆一君 理事 兒玉 末男君       逢澤  寛君    天野 光晴君      稻村左近四郎君    木部 佳昭君       中村 梅吉君    堀内 一雄君       堀川 恭平君    山本 幸雄君       渡辺 栄一君    井谷 正吉君       金丸 徳重君    久保田鶴松君       原   茂君    吉田 賢一君  出席国務大臣         建 設 大 臣 河野 一郎君  出席政府委員         建設政務次官  鴨田 宗一君         建設事務官         (大臣官房長) 平井  學君         建設事務官         (計画局長)  町田  充君         建設技官         (道路局長) 尾之内由紀夫君  委員外出席者         運輸事務官         (鉄道監督局国         有鉄道部長)  深草 克巳君         運輸事務官         (鉄道監督局民         営鉄道部長)  岡田 良一君         専  門  員 熊本 政晴君     ————————————— 本日の会議に付した案件  道路法の一部を改正する法律案内閣提出第一  七〇号)  近畿圏整備法の一部を改正する法律案起草の件      ————◇—————
  2. 丹羽喬四郎

    丹羽委員長 これより会議を開きます。  道路法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。  質疑を続行いたします。兒玉末男君。
  3. 兒玉末男

    兒玉委員 特に、今回の道路法改正によりまして、一つ特徴点としてあげられたものは、道路交通の安全と円滑をはかるために、交通安全施設に関して必要な規定整備を行なう、こういうことが明らかにされておるわけですが、最近における交通事故実情を見てまいりますと、特に鉄道との関連におきまして、非常に踏切事故が多いということと、もう一つは、道路施設関係の不備からもたらされるところの交通事故がその大半を占めているということが指摘をされておるわけであります。私の手元に来ております全交運関係関係者が集まって資料整備し、さらに交通事故をなくす会の交通事故白書に見ましても、非常に踏切に関する事故が多いわけであります。この点は、特に国鉄の場合は、踏切改良につきましては対策本部等をつくりまして、かなりその整備計画的に促進をされまして、三十九年度の予算においても相当の予算が計上されているわけですけれども、先週の当委員会における岡本委員質問の中でも、特に私鉄関係踏切整備が非常におくれている、こういうことが指摘をされたわけです。鉄道部長にお伺いしたいのは、現在の私鉄関係踏切一種から四種まであったと思うのですが、大体どういうふうな踏切現状になっているのか、この点お聞かせを願いたいと思います。
  4. 深草克巳

    深草説明員 民営鉄道関係でございまして、数字はつまびらかにしておりませんので、後ほど資料として提出したいと思います。
  5. 兒玉末男

    兒玉委員 あとでまた資料を発表していただいて、それである程度具体的な質問をしたいと思うのですが、特に今回の建設省が出されました、交通安全に関する規定整備をする、こういう構想について、特に踏切に関して問題の多い私鉄関係指導する立場にある部長として、どういうふうな構想を持っておられるのか、その点について、踏切関係改善についてのお考えをお聞かせ願いたいと思います。
  6. 深草克巳

    深草説明員 御質問私鉄のことでございますので、私、国有鉄道だけでございますので、お答えできないわけでございます。何ならお呼びしてもけっこうです。
  7. 兒玉末男

    兒玉委員 こちらもちょっと連絡のほうが不行き届きでしたから、それでは、国鉄に関して二、三点お伺いします。  部長国鉄の出身でございますので、よく把握されておると思うのですが、特に地方における問題としましては、国道等の場合においてはたいして問題はないのでございますけれども市町村道あるいは府県道等に関しまして、見通しが非常に悪い、あるいは再三事故が発生する、こういうことで、私も数多くの踏切道改良等について陳情を受けておるわけですけれども、一番問題になりますのは、地方自治体踏切改良国鉄当局に申し出た場合に、費用負担ということで非常に多くの苦情が出ておるわけですけれども、特に踏切道改良ということは、交通安全確保という意味から、国鉄地方自治体ともに、費用分担について、もう少しスムーズなやり方ができるように考えるべきじゃないか、こういうように思うのですが、特に国鉄交差する一般地方府県道との費用分担、こういうことについてどういうふうな指導をされているのか、この点について第一にお伺いしたいと思います。
  8. 深草克巳

    深草説明員 地方のいわゆる市町村道府県道鉄道との交差関連をいたしまして、いろいろと陳情なりその他がたくさんあることは十分承知いたしております。ただ、問題は踏切の道の幅でございますが、中には非常に狭い踏切で、しかもその辺にたくさん連続してあるというようなものもあるわけでございまして、一方ではいわゆる踏切統廃合、統合、廃止というようなことも進めながら、ほんとうに必要なものにつきましては、それの改良を実施していくという方針でございます。費用につきましても、いろいろと地方自治体からその困難性について訴えがございますけれども、たとえば利用債負担してもらうとか、そういったかっこうで何とか現在までやってまいっております。今後も、できるだけ費用分担を低減するような方向で指導してまいりたいと思います。
  9. 兒玉末男

    兒玉委員 第二点としてお伺いしたいことは、やはり費用関連があるわけですけれども、いま部長が答弁されましたように、踏切統廃合をする関係で、結局集約されたところの道路に、一応交通量が集中されるわけです。そのことによって、市町村道等なり府県道等において、踏切道路の幅を拡張するわけです。そうしますと、国鉄側踏切改良というものを全部関係する自治体負担をしなければいけない。この点について、踏切改良することは、立体交差のような場合は別として、道幅を拡張する場合に、それは当然地方自治体等の手によってやるのだから、これは国鉄としては負担ができない、こういうことで、随所に問題が非常に提起されているわけです。この点、もちろん鉄道が先に通って、あとから道路を広くするなり、通すのは、これは鉄道負担をする義務はない、こういうことでなかなか問題が提起されております。それからもう一つは、やはり道幅の拡張と同時に交通量が非常にふえるために、現在の第四種から第三種警報機をつける場合においても、大体一カ所百二、三十万かかるわけですが、これらについても、国鉄側としては一定の基準をつくってありますけれども、そういうふうに、たとえば地方自治体等で学校をつくるとか、あるいは市町村庁舎を移動したために非常に交通量がふえるとか、そういうような地域の情勢に変化のあった場合にも、それは全部地方自治体負担をしてもらわなければ、警報機の取りつけは鉄道側として負担をするわけにいかない、こういうことで非常に自治体財政を圧迫し、踏切道改良がおくれているという事実がたくさんあると思うのです。この点については、国鉄自体としても、列車運行の安全をはかるという意味から、このような警報機等の設置なり、あるいは踏切道改良に関する国鉄側経費分担基準というものを、もう少し緩和していくべきではなかろうか、こういうふうに判断をするわけですが、その点について、特に指導部にある部長見解を承りたいと思います。
  10. 深草克巳

    深草説明員 ただいまのお尋ねでございますが、おそらく現地におきまして、いろいろなケースがあると思います。いまお尋ねのような場合、たとえば統廃合をしまして一つに集約して、そこで警報機をつけるとかいうような問題につきましては、統廃合につきまして、やはり地元の相当な御協力があるわけであります。そういったときには、やはり地方財政を十分考慮してやっていくという気持ちにまたなろうかと思っております。それから、一般的に地方自治体のほうからいろいろな陳情なりその他があった場合には、やはり国鉄財政も非常に苦しいわけでございますので、一応はおたくのほうで負担してくれないかという話を持ち出すのは、これは国鉄のほうの事情としては常識だと思うわけでありますが、その間、いろいろな折衝過程を経まして適当なところに落ちつくのが、従来のやり方でございまして、今後も、国鉄個々地方財政を勘案して云々ということはちょっと筋が違うと思いますが、たとえば統廃合の問題に関連をして、そういう意味におきましては、国鉄協力を願ったというわけでございますので、それのお返しといってはなんでございますが、そういった意味で考慮するということは、十分あり得ると思っております。
  11. 兒玉末男

    兒玉委員 道路局長にこれに関連してお伺いしたいのでありますが、いま鉄道部長の話によりましても、結局地域住民のいわゆる受益といいますか、そういうことを考えてやる場合に、国鉄負担の限度というものも相当財政上の困難性が伴う、こういうことが大筋として大体理解せられるわけですが、特に今回の道路法改正の中で一つの特徴的な点として、交通安全ということがうたわれておるわけです。そういう点から考えますならば、踏切改善ということはやはりその地域における道路交通をよくするということでありますので、このような法律改正趣旨から申し上げましても、特に踏切改良ということに関しては、地方道等の場合においてもある程度財政的な助成策というものを考えていくことが、この法律改正の目的に合致するのじゃなかろうか、私はこのように考えるわけであります。同時にまた、踏切統廃合については、これは国鉄側費用軽減はきわめて申しわけ的であって、全体の経費の一割に満たないくらいのわずかな助成措置でございますので、実質的には地方自治体が全部負担をしなければいけない、こういうことが踏切改良の大きなネックになっているわけです。その点から考えますならば、特に踏切改良等については、ある程度地方自治体に対する特別の助成策を考慮すべきではなかろうかと考えるわけですが、この点について、建設省側見解を承りたいと思います。
  12. 尾之内由紀夫

    ○尾之内政府委員 鉄道等踏切立体交差いたします場合に、あとに残る踏切処置ということでございますが、これにつきましては、一般的にはそういう立体交差することによりまして、あと踏切を残さないようにしよう、こういう趣旨でやっておりますが、現実には、地元の方の要望でどうしても残さざるを得ない場合が間々あると思います。私どもは、従来踏切の解消のために立体交差をやりましたから、そういうものに対する処置を積極的にはやっておりません。しかし、先般岡本委員からもいろいろ御指摘がございまして、また事実そういう問題もありますので、そういう立体交差に伴う場合ももちろん含めまして、一般的に踏切道改良につきまして、積極的に整備をするようにやりたいと思っております。どういう方法でやりますか、ケース・バイ・ケースによっていろいろ違っておりますから、こちらが踏切道として単独にみずからやるのと、あるいは地方道路管理者に助成してやらせる、あるいは単独でやり得る、いろいろなケースがあろうと思いますので、それらを整理いたしまして、ただいま申しましたように、この際積極的に進めていきたい、こういうつもりでございます。
  13. 兒玉末男

    兒玉委員 鉄道部長にお伺いしたいのですが、国鉄関係踏切改良についてはかなり積極的な手が打たれておりますけれども、一番事故発生の多いのは、何といっても無人踏切だと思うのです。ですから、今後できる限り、これの統廃合なり、あるいは三種立体交差への改良ということが、きわめて重要な課題だと思うのですが、この無人踏切から警報機つき踏切改良する数はどの程度——これから何年計画かわかりませんけれども道路整備のほうは、第一次五カ年計画は今度も策定されるわけですが、この道路整備計画とも関連さして当然改良していくべきだと思うのですが、ここ二、三年間どの程度改良がなされておるのか、もしわかっておれば、お教えいただきたいと思います。
  14. 深草克巳

    深草説明員 その前に、資料がございましたので、私鉄関係現状を申し上げます。第一種が千九百、第二種が四百、第三種が二千三百、無人踏切といわれる第四種が二万三千カ所あります。  それから、いまお尋ねの、国鉄関係の四種の踏切をどうするかという問題でありますが、ただいまの数字は三十九年三月末の数字でございまして、私鉄の二万三千に対応する国鉄数字は、三万一千七百カ所でございます。このうち複線区間無人踏切は大体今後一年ないし一年半くらいですべて解消するという計画であります。その後引き続きまして、単線区間無人踏切格上げしていく、あるいは統廃合していく、あるいは交通整理で自動車を通さないというような方法でやっていきたいということで、統廃合につきましては、各地方に、できているところとできていないところがございますが、踏切道関係の官庁間の連絡協議会ができております。そこで、警察あるいは地方陸運局あるいは地方自治体道路管理者、こういった人が集まって、個々に当たりまして、統廃合検討をやっております。そういった方法を今後各県につくって推進してまいりたい、あわせて四種の格上げをやっていきたいというふうに考えております。
  15. 兒玉末男

    兒玉委員 これは要望になろうかと思いますけれども、とにかく地方自治体等の、踏切改良について一致して意見が出されますのは、踏切改良にしてもあるいは警報機の取りつけにしても、一般国鉄関係者以外の人の指摘していることは、予算単価が非常に高い、こういうことがいつも苦情の対象になっているわけです。たとえば警報機の場合についても大体常識として百二、三十万だ。ところが構内等に設置する場合には百六十万くらいかかる。これは技術的な、専門的な問題ですから、常識的に判断はできないけれども、大体七、八十万円くらいでできるのではなかろうか、こういうことが常識論として出されておりますし、また踏切改良の場合についても、とにかくけたはずれで予算単価が高いんじゃないか、こういう苦情がどこの場合においても出されておるわけです。これを一般地方業者等が請け負いするならば、国鉄予算の少なくとも三割か四割引きくらいでできる、こういう意見も出されておりますし、このことが特にいわゆる市町村道等踏切改良がおくれている一つの理由でもあろうかと思うわけです。この点についてひとつ見解も承りたいし、さらに国鉄に対する予算単価検討ということをぜひこの際指導して、今後の改良促進されるように私は強く御要望申し上げたいと思うわけです。この点について、部長見解を承りまして、私の質問を終わります。
  16. 深草克巳

    深草説明員 警報機その他の予算単価の問題でございますが、高いか安いかという判断はいまできないわけでありますが、直ちに検討してみたいと思います。もし高かったら下げるということで、四種の格上げの推進に資したいと思っております。
  17. 丹羽喬四郎

  18. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 ちょっと踏切鉄道との関係を伺ってみたいのですけれども、特に私が指摘したいのは、私鉄の場合であります。  そこで、このような場合はどうなるのですか。第一、市町村道私鉄を横切ってできております。それは国立病院等に通ずる重要な一つ道路であります。そこで、その私鉄では、無人踏切となっておる。危険であるので、比較的その道路使用者が少ないというような現状の場合、もしこれを何らかの交差道路を設営するというときには、これは新設になるのですか、あるいは改築になるのですか、その点はどうなんですかね。
  19. 尾之内由紀夫

    ○尾之内政府委員 平面交差になっておりまして、そしてその区間が全部道路がまだ改良されておりません場合、これはもちろん新しい道路の開設として取り上げて建設する。それから道路がすでにできておりまして、その局部だけがまだ平面交差で残っているという場合は、私ども単独踏切除却といたしまして、やはり同様に局部的な一般改築と同じ補助率で、改築として扱っております。
  20. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 その場合に、たとえばそれを市道といたします。市道管理者の市役所と、それから私鉄経営者との間に、私鉄は、経費負担上、工事が困難だと言って拒否し続けておるという事態があるとするならば、このような場合には、どこが指導もしくは介入、調整等をするのでしょうか。あるいは国鉄であるのか、運輸省であるのか、建設省であるのか、それはどこがすることになるのでしょうか。
  21. 尾之内由紀夫

    ○尾之内政府委員 通常こういう場合は、その市道なら市道管理者と、当該私鉄責任者と、話し合ってきめるべき問題でございますが、いまお話しのようにまとまりません場合には、順番としては、通常その当該県道路管理者知事があっせんするというような場合が多いのでございます。しかしこれもそういうように当事者同士で話がつきません場合には、なかなか話がまとまらぬ場合が多いわけでございますけれども、ただいまの制度といたしましては、踏切道改良促進法がございまして、それによって指定する。その踏切道改善すべきものとして指定いたしますれば、これは政府責任においてそれを立体交差にする、こういうような手続になろうと思います。
  22. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 その場合に、踏切道改良促進法によって指定しようとしますと、交通量が相当必要であるという前提になるのではないでしょうか。
  23. 尾之内由紀夫

    ○尾之内政府委員 一般的には、全国に非常にたくさんそういう場所がございますので、やはり交通量で、道路あるいは鉄道の非常に交通の多いものから指定していく、一般的には、やはり危険な踏切から指定していく、こういう順番になろうかと思います。
  24. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 ところが、いま私が例示しましたような場合には、交通が危険でありますので、利用度は多く上りません。したがいまして、交通量を絶対的な基準といたしますと、おそらくは、それは指定される場所には入らぬということになるのじゃないだろうか。しかしながら、現実には、やはり人命を尊重して、道路を利用するというためには、どうしても何らかの措置をとって安全な道をつくるほか手はないということになるべきでありますが、これはいわゆる交通量に片寄るべき筋合いではないと私は思うので、これについてひとつ御意見を聞いておきたいのが一つと、もう一つは、そのようなときに、たとえ知事が介入いたしましてあっせんするとしましても、法的根拠がないのではないかと思われます。それから、道路鉄道との交差に関する建設省国有鉄道協定というものが、昭和三十一年十二月十八日に成立いたしまして、この附則には、この協定が新たに道路鉄道との交差に関する立法指置が行なわれるまでの暫定協定ということになっておるようでございますが、もし暫定協定であるならば、やはり立法措置が積極的に必要ではないであろうか。全体として道路整備を完成しようというときに際会いたしておりますので、特に私は地方鉄道指摘したわけでありますが、このようなときに、法律上の根拠なしに仲裁裁定というものはなかなかうまくいかぬものであります。何らかの立法措置がこの際必要ではないか。また現状において運用もそれぞれと十分に効果をあげ得ないのではないか。この点、運輸省民営鉄道部長が見えておるようでありますから、ひとつ御説明をいただき、また前半の、つまり交通量前提として交差設備場所を指定するような点は、条件においていかがかと思いますが、これはひとつ道路局長お尋ねしたい。この二点を伺っておきます。
  25. 尾之内由紀夫

    ○尾之内政府委員 先ほどの私の説明、若干不備であったかと思います。もちろん、交通量といいましても、非常に踏切そのものが悪いために、交通量が少ないという場合もあろうかと思います。しかし、大体前後の道路幅等から、その道路に期待されます交通量というものはおおむね推定されると思いますので、必ずしもそういう狭い見方で交通量は算定されておらぬと思います。  それからもう一点は、そういう交通量ばかりではございませんで、やはり事故の件数の度合いというようなことも、もちろん考慮しておるということを、先ほど申し上げようと思って落としました。この点も考えております。
  26. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 ちょっと運輸省の答弁、待ってください。  実は、いまの事故となりますと、なおさらこれはお尋ねしなければいかぬのです。事故多発いたしまして後ということは、これはまことに遺憾なことであります。事故の起こるべき蓋然性があるので、あらかじめこれを防ぐために、適当な踏切道を新たに完成するということこそ必要なことじゃないか、こう思われますので、いろいろな角度から考えまして危険である、しかし道路使用は相当重要である、こういうようなことが明らかな場合には、これはやはりさきに指摘されました踏切道促進法、これに関連する省令等によりまして、適当に指示なさるということが必要ではないかと思います。もし前提、基礎において改むべき点があるならば、お改めになったほうがいいのじゃないか、こう思われます。
  27. 尾之内由紀夫

    ○尾之内政府委員 事故の点につきましては、基本的な問題でございまして、いかなる場合でも、事故の起こることを予想してやらなければなりませんが、現実には、全国七万カ所の踏切について、そういう措置をなかなかし切れない実情でございます。したがいまして、どうしても踏切改善に追いかけられておるということが、現在の段階の実情でございますので、既往の、非常に事故が多かった、そういうことから、すなわち危険な踏切の最も優先すべきものである、こういう代表個所になろうかと思いますので、そういう点で考えておるのでございます。交通量といいましても、もちろん機械的に計算して、そこでぴしゃっときめるものではございませんで、やはり指定する以上、そこにいろいろな判断が入ると思います。ただいまお話しのような個所が、現実にどういう個所で、あるか、私もわかりませんが、そういう個所がございましたならば、十分検討する必要があろうかと思います。
  28. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 その点は検討なさるということですが、たとえば地方自治体において必要ありと認めたような場合は、これはやはり国鉄との関係で、現状を理解してもらうべきなのでしょうか、あるいは建設省なんでしょうか、運輸省なんですか、その所管庁はどこなんでしょうか。
  29. 尾之内由紀夫

    ○尾之内政府委員 運輸省建設省でございます。
  30. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それでは、さっきの点につきまして、協定があるようでありますから、運輸省民営鉄道部長にひとつ御答弁願いたいと思います。
  31. 岡田良一

    岡田説明員 おくれてまいりまして、初めのほうの御質問、十分理解してないかもわからないと思いますが……。
  32. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 もう一ぺん申しましょうか。  三十一年の十二月十八日に、国鉄の総裁と建設事務次官との間に、道路鉄道との交差に関する協定ができておりまして、交差新設費用負担であるとか、増築の費用負担であるとか重複工事費用負担であるとか、主としてこれは費用負担のようなことであるようでありますが、これを通覧いたしますと、どうも法律的な根拠がなしに協定されておりますので、付則といたしましては、新たに道路鉄道との交差に関する立法措置が行なわれますまでの間の暫定協定という趣旨がうたってありますので、やはりこういったものはすみやかに解決をいたしまして、そして必要なる交差新設工事をなすべきではないであろうかと思うので、その立法上の根拠を必要としないであろうかどうか、主としてこういう点についての御所見を伺いたい、こういうことです。
  33. 深草克巳

    深草説明員 いわゆる建国協定のお話でございますが、国有鉄道部の所管でございますから、私からお答え申し上げます。これは大前提といたしまして、原因者負担ということでございます。その他の場合は、国鉄が三分の一、国が三分二というような協定ができております。お尋ねの、これを立法化したらどうかということでございますが、いろいろと国の財政あるいは国鉄財政問題がからむわけでございまして、今後建設省とも話し合いを進めまして、私どももできれば立法化の方向に向かいたいという気持ちを持っておりますので、今後話し合いを続けてまいりたいと思います。
  34. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 私は、地方において、この種の踏切問題が放置され、もしくは未解決のままずいぶんたくさんあるということを承知いたしておりますが、私自身も幾つかの経験を持っておりまして、人が数名死亡いたしましてようやく実現したという、なまの事実を知っておるのです。したがいまして、この協定費用負担の問題を主となさっておるようでございますが、費用負担の問題は一番重要でございましょう、同時に、どう運ぶかという、何といいますか、行政府の方面からある程度指導介入ができるような、立法上の根拠があることが望ましいのではないだろうか。このような場合に、経費なんかの問題でありまするから、事実上は、なかなか台所が苦しければ、何かの口実を設けて、延び延びになって解決しないものでありますので、そういう意味におきまして、何らかの行政方面からの指導介入が立法的にも講じられて、同時にまた、あわせてこの費用負担につきましては、相当具体的な点まで法律上明らかになるということがよいのではないだろうか。それがいいか悪いかは運用にも関しますので、一がいに論断はできませんけれども、何かもう少し確たるよりどころが、この問題の処理のためには必要ではないか、こう思いますので、ひとつ積極的に——この点について御所見を承っておきたい。あるいはこれは政務次官のほうが適当かとも思いますが、どなたからでもよろしゅうございますから、御答弁をわずらわしておきたいと思います。
  35. 鴨田宗一

    ○鴨田政府委員 ただいまの御質問でございまするけれども、お説ごもっともでございまするし、前向きの姿勢で、各省とも関連がありますので、検討すべきものと考える次第でございます。
  36. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そういたしますると、運輸省国鉄等におきましても、せっかくいまの協定があるわけでありまするから、いまの次官の御答弁の趣旨によって、積極的に御検討あってしかるべきではないかと思いますが、いかがでございましょうか。
  37. 深草克巳

    深草説明員 踏切改良は、原則的には、踏切道改良促進法にのっとってやるわけでございますが、これに該当しないものについての行政指導を積極的にやれというお尋ねでございますが、私どもはそのような方向で努力をいたしておりますし、特に国鉄予算の中でも、踏切改良は、ここ一、二年大幅にふやして、積極的にやっておるつもりでございますが、今後とも努力してまいりたいと考えております。
  38. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 運輸省の局長に伺いたいのですが、国鉄もさることですけれども、やはり私鉄のほうが弱体でありまするので、むしろ私鉄に未解決の問題が多いと私は承知いたしておるわけでございます。かつて私は統計をとったこともあるくらいなんです。したがいまして、これは運輸省におきましても前向きの姿勢で、この問題のために、立法措置もしくはその他の方法で解決に乗り出していく、こういうようなかまえをしていただきたいと思うのですが、いかがですか。
  39. 岡田良一

    岡田説明員 ただいまの点でございますが、私のほうといたしましても、そういうふうな考え方で、今後検討を進めてまいりたいと考えます。
  40. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 関連質問を終わります。
  41. 兒玉末男

    兒玉委員 民鉄部長にお伺いしたいのでありますが、先ほど吉田委員からも指摘がありましたが、今回の道路法の一部改正によりまして、特に交通安全の対策上、それなりの規定を入れるということは、今度の道路法改正の中に織り込まれたわけです。そこで先週の当委員会の席上において、京都の岡本氏からも、特に私鉄関係踏切改善がおくれているということが指摘されたわけです。この点は、私鉄の場合、その経営状態なりまたはいろいろな情勢から、国鉄の場合とは若干形態も違っているかと思うのですけれども、資金上、予算上の関係は別として、やはり交通安全ということからは、国鉄私鉄関係なく、これは処理されていかなければいけない重要な課題だと思うわけです。特に最近の交通事故の実態を見ておりますと、踏切関連する事故が非常に多いわけであります。こういう点から、私鉄の場合は、監督官庁である運輸省としても、やはり企業形態なり、財政上の問題等で、国鉄の場合のように強力に改善指導するという面において相当困難があろうかと思うのですが、現在の私鉄における踏切改良関係というものは大体どういうふうな指導をしておるのか、また一種、二種、三種、四種、こういうふうな情勢が、今後どういう形で格上げなり統廃合等を考えているのか、この基本的な点について部長見解をお聞きしたいと思うのです。
  42. 岡田良一

    岡田説明員 私鉄踏切関係でございますが、やはり国鉄と同様に、踏切道改良促進法に基づきまして、一定の基準以上のものは指定をいたします。その指定いたしましたものを業者がやっていくわけでありますが、業者が資金その他で非常に弱体なものにつきましては、政府において三分の一の補助金を出すということになっております。それで政府で補助金を出した場合には、地方公共団体でもなるべく政府と同額の補助金を出していただくように、地方公共団体のほうにも要請しておりまして、ほとんど大部分その趣旨は達成されておるような状況であります。しかしそれは全部の会社ではありませんで、非常に赤字の会社、または赤字でなくても非常に収益率の低い会社、それだけのものに対して補助金が出ておるという現状であります。それで現在私鉄関係ではすでに指定いたしましたものが千三百八十七個所でありますが、そのうち竣工いたしましたものが、三月三十一日の数字でございますが、六百四十八個所、それから工事中のものが三百四十九個所、その残りの百何個所につきましては、その後、情勢の変化で多少計画を変更するというようなことになっております。それからさらに残りの三百何個所につきましては、三十九年度にやるということになっております。なお三十九年度におきましてはさらに新たな指定をいたしまして、三十九年度中に全部で千カ所くらいの踏切を、四種のものを三種または二種にするというような格上げをしたいという計画を現在持っておるのであります。以上であります。
  43. 兒玉末男

    兒玉委員 先ほど国有鉄道部長にもお聞きしたのですが、踏切改良について、国道等の場合は比較的問題の処理が早いわけですけれども府県道なり市町村道の場合は、経費負担の問題でなかなか改良がうまく進まない、こういう事例がたくさんあることを指摘をいたしまして、特に鉄道側地方自治体側における問題の解決をはかるために、たとえば国鉄の場合は予算単価が高い、こういうことがどこでも言われるわけです。そういう点、私鉄は若干そういう考え方が変わっておるのじゃないかと思うのですが、特に地方自治体との分担の割合、またはその事情というものが、単に私鉄関係とかあるいは地方自治体側の住民の非常な利益になる、こういう受益の度合いによる負担割合という基準がなかなか千差万別であって、非常に多くの困難が伴っておると思うのですが、そういうふうな負担割合なり基準等について、私鉄の場合等においては、全国的にどういうふうな取りきめをしているのか、いろいろなケースによって違うと思うのですが、その辺の基準なり負担割合というものは、どういうふうな取りきめがなされているのか、お聞かせを願いたいと思います。
  44. 岡田良一

    岡田説明員 私鉄踏切警報機または遮断機をつけます場合は、これは全部私鉄負担をするわけでございます。それで警報機、遮断機以外の立体交差ということになりますと、これは受益の限度という原則でありまして、私鉄がそこでどれだけの受益をするかということによって、金額を各場所によって算定をして、負担をきめておる現状でございます。
  45. 兒玉末男

    兒玉委員 いまの私鉄が全部自費でやるということですが、たとえば道路のつけかえとかあるいは拡幅をして、たとえば現行五メートルが十一メートル、そういうことになりますと、当然踏切の保安施設として警報機をつけなければならないということになる際に、そういうふうな理由が、私鉄側ではなくて、道路の取りつけとかつけかえとか、そういうふうないわゆる私鉄以外の事由による場合においても、全部私鉄が受け持っているのか、そこは国鉄の場合と比較しましてきわめて問題になる点でございますので、それはどういう理由を問わず、私鉄側でやっているのかどうか、その点をひとつお聞かせ願いたい。
  46. 岡田良一

    岡田説明員 ただいま申しましたのは、新しく警報機なり遮断機をつける場合のことを申しましたので、ただいまお尋ねの、道路を拡張した場合におけるそういう施設につきましては、各場所によってそれぞれの話し合いの上できめておりまして、原則的にどちらがどうということはないというふうに思っております。なおその点について、いまのところちょっと確信がございませんので、よく調査をいたしたいと思います。
  47. 兒玉末男

    兒玉委員 それで特に民鉄部長要望しておきたいことは、国鉄との関連もありますので、これはそれぞれの立場が非常に変わっているわけですけれども、この点、過去のいろいろな例があると思うのです。たとえば県道から二級国道に上がったとか、あるいは無人踏切統廃合して一本にしたために道幅を拡張して、警報機をつけるとかあるいは遮断機を取りつける、こういう例がいろいろなケースであると思うのですが、そういう実例について、地方自治体との経費負担をどういうふうに処理をしてきたか、こういうそれぞれのケースについての資料をひとつ提出していただきたい。このことを最後に要望申し上げまして、私の質問を終わります。      ————◇—————
  48. 丹羽喬四郎

    丹羽委員長 この際、近畿圏整備法の一部を改正する法律案起草に関する件について、議事を進めます。  本件につきましては、先般来、自由民主党、日本社会党、民主社会党、三党間におきまして御協議が続けられておりましたが、お手元に配付してありますとおり、その案文がまとめられております。
  49. 丹羽喬四郎

    丹羽委員長 この際、草案の趣旨につきまして、説明を求めたいと思います。服部安司君。
  50. 服部安司

    ○服部委員 ただいま議題となりました、近畿圏整備法の一部を改正する法律案の起草の件について、私は自由民主党、日本社会党及び民主社会党を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。  近畿圏を一体として秩序ある発展をはかることを目的とした、近畿圏整備法が昨年七月に制定され、その法律の第十三条及び第十五条に基づいて定められる、近畿圏の既成都市区域における工場等の制限に関する法律案、近畿圏の近郊整備区域及び都市開発区域の整備及び開発に関する法律案が、それぞれ衆議院を通過しておりますことは御承知のとおりであります。これらの法律及び法律案は、ともに近畿圏全域にわたって調和ある整備開発をもたらすものであることは申すまでもありません。しかし近畿圏におきまして欠くことのできないものの一つに、保全区域があります。近畿圏における保全区域は、京都府、奈良県等の古都を中心とするもので、その地域には、貴重な歴史的文化財並びに古都の優美な景観等が数多くあり、そこをたずねる人々に幾多の歴史を物語り、また心に数々のいこいを与え、いまや文化上、観光上なくてはならない国際的観光地であります。このようにわが国を代表する文化財及び観光資源を有する保全区域に対し、整備開発の総合的計画近畿圏整備法第十四条によって指定するのみに終わり、その措置については、都市計画法並びに文化財保護法等によらねばならない現状であり、近畿圏整備計画に何らの措置も講ぜられなかったことは、文化財及び景観地の保護に対し強く不安を感ずると同時に、せっかくの近畿圏格差是正に逆行する結果が生まれてくる懸念があるため、特に本法律案を起草いたした次第であります。  その内容の説明については、お手元に配付いたしております試案おとおり、簡単なものでございますので、省略させていただきます。  何とぞ、本法律案の試案を成案とし、これを本委員会提出の法律案とせられんことを望みます。
  51. 丹羽喬四郎

    丹羽委員長 以上で説明は終わりました。     —————————————
  52. 丹羽喬四郎

    丹羽委員長 本件に関しまして、発言の申し出がございます。これを許します。吉田賢一君。
  53. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 私は、ただいまの御提案に賛成であります。ただ一言だけつけ加えまして、賛成の理由を申し上げたいと思います。  いまの御提案の趣旨説明に、全面的にそのとおり支持しております。同時にまた、近畿地方におきましては、たとえば天ノ橋立であるとか、あるいは但馬の日本海に面する景勝な自然地域であるとか、あるいは瀬戸内海における淡路島、明石等を含めました海峡、島などの有名な景勝の地であるとか、あるいは姫路等における国宝的な大きな文化財等、そのような多方面の自然的な、あるいは人為的な文化財が散在いたしておりますのが近畿地方一つの特色でありますので、この立法に当たりましては、どうか広範にそういった文化の潤い豊かな近畿地方のこれらの諸条件を一切取り入れて立法化するように努力することを希望いたしておきまして、私は賛成の意見を表明する次第であります。
  54. 丹羽喬四郎

    丹羽委員長 本件に関しまして、他に御発言ありませんか。——別に御発言もありませんので、この際、政府において御発言があれば、これを許します。鴨田政務次官。
  55. 鴨田宗一

    ○鴨田政府委員 本改正案の趣旨、非常にごもっともでありますので、この趣旨を十分尊重いたしまして、これが実現に努力をいたしたい、こう考えております。     —————————————
  56. 丹羽喬四郎

    丹羽委員長 おはかりいたします。  お手元に配付いたしております近畿圏整備法の一部を改正する法律案の草案を本委員会の成案として、これを本委員会提出の法律案とするに賛成の諸君の御起立を願います。   〔賛成者起立〕
  57. 丹羽喬四郎

    丹羽委員長 起立総員。よって、そのように決定いたしました。  なお、本法律案提出の手続等に関しましては、委員長に御一任のほど、御了承願います。      ————◇—————
  58. 丹羽喬四郎

    丹羽委員長 再び、道路法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。吉田賢一君。
  59. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 私は、簡単に一、二お尋ねしてみたいと思うのであります。  昭和三十六年の道路整備五カ年計画によりますと、道路整備の目標といたしまして、一級国道については、この五カ年間に全路線の改築をおおむね完了する、二級国道については、今後おおむね十カ年間に整備完了する、この二点が指摘されておるのでございます。計算いたしますとあと二年あるわけでございますが、本年三月末現在におきまして、これらの道路整備進捗の度合いを、ひとつ御説明を願います。
  60. 尾之内由紀夫

    ○尾之内政府委員 三十八年度、すなわち本年三月末におきます各国道の進捗状況でございますが、一級国道におきましては、改良が六七・五%、舗装が五六・四%、二級国道につきましては、改良が四四・二%、舗装が二八・五%、主要地方道におきましては、改良が四九・一%、舗装が一九・五%、一般県道におきましては、改良が二一・五%、舗装が六・七%になっております。ただ、これは御承知のように、昭和三十六年の五カ年計画のとき以降、国道の昇格をやっております。そういう新しい延長をとっておりますので、五カ年計画提出の当時国道でありましたものだけについて見ますと、この数字は若干変わってくるわけでございます。すなわち一級国道につきましても、また二級国道につきましても、達成の度合いは、いま申し上げました数字より上がる傾向にあるわけでございます。別の観点で申しますと、三十六年の五カ年計画の際に予定いたしました事業の進捗の度合いは、三十六年、七年、八年、この三カ年やりまして、改良におきましては、一級国道で約五八%、二級国道におきましては約四〇%、舗装におきましては、一級国道におきまして約三九%、二級国道が五一%、さような数字になっておりまして、五カ年計画としては順調に進行しておる、こういうことでございます。
  61. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そこで、年々自動車交通量はかなりの速度で増大しつつあると思うのでありますが、これの道路の許容量との関係は、はたして当初予期せられたようなことでよいのであろうか。さらに、いまの自動車の増加趨勢にかんがみますと、この計画はずっとまた大きく変えなければならぬというような懸念はあるのかないのか、当然そういうことも考慮しなければなるまいと思いますが、もしその趨勢に応じて道路計画を手直しする必要があるとするならば、その辺に対するお考えはどうなっておるだろうか、この辺を伺ってみたいと思います。
  62. 尾之内由紀夫

    ○尾之内政府委員 交通量道路投資のバランスでございますが、それは前の五カ年計画を始めました際にも、自動車一台に対する道路投資の規模——私どもでは道路資産ということを言っておりましたが、おおむね一台当たり七十七万円ぐらいの資産を持つことが必要であろう、こういう計算のもとに、前の五カ年計画は立てられてきたのでありますが、現実には自動車の交通量は、自動車の台数がふえまして、三十七年、八年、いま申しましたような一台当たり七十七万円とするという数字をはるかに割っております。そういうことで、予定いたしました投資規模が足りないというような事態にもなりましたので、今回、三十九年度からあらためてこれらの自動車台数の増加に応ずるべく、道路投資の規模の拡大をお願いし、そのために五カ年計画の改定、こういうことをお願いしておるわけでございます。その結果、四兆一千億という規模になったのでございますが、これとても、ただいま申し上げました資産からいきますと、必ずしも十分とは言えないと思いますが、しかし、おおむね初め考えておりました七十七万円の幅の中に入っておるということは事実でございます。問題は、むしろこのような投資をいかに交通事情にマッチして配分するか、どういう使い方をするかという問題であろうかと思いますが、これにつきましては、できるだけそういった交通事情にも合いますように、五カ年計画の作業をただいまいたしております。いずれまたその構想がまとまりましたならば、その関係を御説明する機会があろうかと思います。
  63. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 この基礎は、客観的にはいわゆる所得倍増計画にマッチされて、そして基本的な方針が打ち出されたように文書では拝見するのでありますが、こういう辺も一方には考えながら、同時に交通量の増大しつつある趨勢も考えながらまいりますると、あまり長期の計画を立てるということは、これは危険ではないであろうか。やはり何といいましても国道に投ずる資産というものが膨大でありますし、その他の社会資本の投資量が逐次増大しつつある趨勢にかんがみましても、よほどしっかりと将来への見通しの数字の変化、手直しの用意等につきまして、見通しをしっかり持っていなければいくまいじゃないか、こう考えますと、あまり長期計画というものにこだわることなしに、数年間がっしりと動かぬ数字を立てる必要があるのではないだろうか。何か何回も五カ年計画が改定されておりますので、これは悲観的な材料ではないと思いますけれども、しかしまだ完成しない間にまた改定ということになるのでありまするから、財政計画とも考え合わせまして、あまり長期の計画を立てないでいくというほうがむしろ堅実ではないであろうか。十七カ年計画二十三兆円何がしというものも立てられておることをお述べになっておりますけれども、こういう観点からしますると、いまのような私の所論はどんなものでありましょうか。
  64. 尾之内由紀夫

    ○尾之内政府委員 長期計画の時点をどのくらいにするか、五年が適当であるか、あるいは三年くらいが適当であるかという点については、いろいろ議論があろうかと思います。私どももそういう点で内部で議論したことがございます。しかし、御承知のように、第二期の五カ年計画並びに三十六年からの第三期の五カ年計画におきましても、道路の投資規模というものが公共投資の中でも非常に大きなウエートを占めておりまして、どうしても国の経済計画とある程度見合いにしませんと、それだけで単独計画をつくるということも適切ではない。したがいまして、国の経済計画に合わせたこういう考え方によってできております。今回の問題も、ちょうど経済企画庁で、所得倍増計画のアフターケアということで再検討いたしておりまして、中期計画といいますか、中期見通し、こういうことで、やはり時点を四十三年に合わせるような方向で進んでおります。そういうような観点から、道路だけ三年あるいは四年と期間を区切りましても、国全体の経済計画が明らかになりませんと一それらと合わせる意味におきまして、従前と同じように三十九年から五カ年、こういう区切りをとってみたのでございます。
  65. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 私がこれをお尋ねするゆえんのものは、やはり道路の公共投資の割合が非常に大きなのでありますから、したがいまして、五カ年計画ないしは国の財政計画、経済政策等に大きく手直しを要するということはまことに不幸でありますので、したがいまして、五カ年計画完成、次にまた五カ年ないしは数カ年、こういうような計画が逐次積極的に進展していくということが望ましいのであるが、やはりこのアフターケアを多くしなければならぬというような、ともすると最近のわが国の経済政策、財政政策の一つの大きな弱点に指摘されておるのでありますが、こういうこととあわせますと、やはり道路計画におきましても、そういう辺がよほどしっかりと数字をつかんで、堅実に計画を立てていただかぬといくまいじゃないか、こういうふうに思うので、お尋ねしておったのであります。  そこで同時に、これは別の角度から申しますと、昨日、地方行政委員の諸君からも若干御質疑が出ておったことも聞きましたが、やはり地方関係におきまして、財政が相当重要になってまいりますので、国の財政経済の政策に手直しを要するということは、同時にまた地方財政経済の政策にも手直しを要することは、これは申し上げるまでもないのであります。こういうわけでございますから、影響するところまことに深くして大きいので、いま申し上げましたような点をお尋ねしておったわけです。しかし、これは国の財政計画、経済政策等に見合ってこの計画をお立てになっておる以上は、あなたとこの点をどこまで論議いたしましても、これは結論を得ませんので、よすことにいたしますが、そういう趣旨は、いろいろな方面にひずみとなってあらわれてこないことを実は念願してやまないのであります。それできょうは意見として申し上げるにとどめておきます。  そこで伺ってみたいことは、道路整備五カ年計画案、この案の御説明によりますと、国道の直轄管理につきまして、説明といたしまして、現行の一級、二級の別を廃止して、原則として国が直轄管理する、ただし特別の事情がある場合には、都道府県知事にその権限を委任することができる、こういう趣旨に大体改正の要綱を示唆しておられるのですね。どうもこの文章と今度の法案の、当分の間都道府県知事または指定市の市長に国道の新設改築等の権限を行なわせる、こういうことになっておるのですが、どうもこれは両者明らかに観念が違いますので、その辺の経過はどういうふうになったのでありましょうか。これは経過の問題として一応伺っておきたい、こういうわけです。
  66. 尾之内由紀夫

    ○尾之内政府委員 前の五カ年計画で考えておりましたのは、もちろん現在の一級国道について国ができるだけ建設管理をしたい、こういう趣旨のことでございますが、二兆一千億、こういう規模では、できる度合いがやはり大体わかっておりましたので、特別なものはやはり都道府県知事にやってもらう、こういうたてまえでおったわけでございます。しかしその後、三十七年、八年、一級国道の仕事もかなり伸びてまいりまして、また近くこれは第一次的に完成を見る、こういう目標も明らかになってきたわけでございます。そこで、この際二級国道についても一級国道並みの扱いをするような御要望がかなり多い、こういう事態になりましたので、今回新たに二級国道を一級国道と同様に扱う、こういう制度の確立をお願いしておるわけでございます。したがいまして、従来の二級国道が一級国道と同じような扱いを受けるということになりますと、たてまえとしては建設大臣が直接みずから管理する、こういうことでございますが、何ぶん二級国道につきましては一万五千キロという膨大な延長がございまして、直ちに大臣の管理に置くということもいろいろの事情でできませんので、当分の間、これらを従来どおり都道府県知事にやっていただくという期間ができることはやむを得ない、そういうことから、そういう道も残してある、こういうことになっております。私どもといたしましては、できるだけ早く大臣がみずからやるようにしていきたい、こういうふうに心がけておりますが、これにつきましては、関係都道府県知事ともいろいろ個々に御相談しなければなりませんので、まだ数字的にははっきりその辺の持っていき方の順序をつかんでおりませんが、趣旨としては、できるだけ早くそういう体制に持っていきたい、こういうつもりでおります。
  67. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 さらに、私の伺いたい第二点は、これは非常に素朴な私の考え方かもしれませんが、日本の道路政策といたしまして、いまの一、二級国道に重点を置いて、地方の府県、市町村道というものを第二、第三に置くということに事実上はなっておるようであります。道路整備は、大きな幹道、重要な道をまず整備して、それから細い末端のそうでない道に及ぶということが当然かもしれませんけれども、あるいは考え方によりますと、大きな重要な道路に入れる経費が、そうでない細部の末端の地域道路に投じる経費に比較いたしますると、あとのほうはごくわずかで済むわけでありますので、このいずれに重きを置くや、前後をどういうふうにするやということは、これは重要道路を優先せしむるということが動かすことのできない原則であるのでしょうか。そうではなしに、やはり国の経済、産業、社会、政治、あらゆる角度から考えまして、そのような末端の細い、重要でない道路についても、均斉のとれた整備計画行政をやるということが必要ではないであろうか。こういう点についてお考え方をひとつ伺ってみたいと思います。
  68. 尾之内由紀夫

    ○尾之内政府委員 ただいまの点は、私どもは国道の整備が必ずしも優先するという、こういうたてまえはとっておりません。国道につきましても、これは一、二級国道を合わせますと全国に二万八千キロというふうに、相当各地方に普遍的に行き渡っております。これは単に国のためというのではなくして、それ自身の整備が、地方の開発、いわば格差の是正に直接役に立つものと心得ております。しかしそのほかに、非常におくれております多数の地方道がございますので、これらについても、もちろん整備促進しなければならぬと思います。これらにつきましては、できるだけ資金の許す限度で、多くの方々の御希望を達するように、現在の道を利用いたしまして整備を進める、事業量を持たす、こういう観点で、しばしば申し上げておりますが、現道を中心にした舗装主義をとっていこう、また幹線道路につきましては、縦貫道をはじめ国道の整備もやっていこう、こういう両建てでございまして、それによって国のため、またもちろん地方のためにもなる、こういうふうに心得ております。国道が地方道に優先する、こういう考え方を持っておるわけでは、必ずしもございません。
  69. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 私は、やはり私自身もしばしば指摘しているように、その考え方は間違っておらぬと思うのでありますが、やはり日本の財政というものが中央に偏重するということはよくない傾向でございます。したがいまして、公共投資もできるだけ普遍的に均斉のとれた、全国的視野に立った投資がされるというふうに国民が理解する、そういう状態が政治の要諦であろうと実は考えております。しかも、地方にまいりますと、一挙手一投足で、簡単な投資で事が運ぶのですが、こういうことを無視することになっては政治ではないというふうに私は考えるので、その点をどういうふうにお考えになっておるかということをお聞きしたいわけであります。
  70. 鴨田宗一

    ○鴨田政府委員 ただいまの吉田委員の御質問でございますが、御質問のとおりに、地方道路整備するということももちろん重要でございますし、また先ほどの御指摘のとおり、五カ年計画を変容しなくてはならないような経済的並びに日本の動向でございますので、こういう面から、やはり主要の一級、二級国道も早急に整備しなくちゃならない、こういう問題で、実は並行して特にやっていきたい。しかし、それは現実の問題としては、地方のほうが非常に格差があるのじゃないかというお尋ねでありまするけれども、私どももその点につきましてはお説のとおりに考えておりまするし、今後はそうならなくちゃならないのじゃないかということも考えておりますので、ひとつ御了承おきいただきたいと思います。
  71. 丹羽喬四郎

    丹羽委員長 この際、暫時休憩いたします。  午後一時、再開いたします。    午後零時十八分休憩      ————◇—————    午後一時二分開議
  72. 丹羽喬四郎

    丹羽委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  道路法の一部を改正する法律案に対する質疑を続行いたします。井谷正吉君。
  73. 井谷正吉

    ○井谷委員 私は、この間、大臣が、瀬戸内海の地域開発について、あちらにまいられまして、そして瀬戸内海沿岸のこれからのいろいろな問題について、御意見を御発表になったことを新聞で承知したのであります。当委員会において、お時間がありますから、詳しいことは要求いたしませんが、荒筋を承りたいと思います。
  74. 河野一郎

    ○河野国務大臣 御承知のように、先般の瀬戸内懇談会は、従来、沿岸の諸君が、それぞれの立場において、それぞれの企画を立てられまして、それぞれの地域的な要求をしておられますものを、私は適当でないとは申しませんけれども、調整をして、これを総合的に一本のものにまとめるほうがよかろうというような配慮をいたしておりましたところが、たまたま地元においてその計画を立てられましたので、これに参加をいたしました。そして各方面からそれぞれの御意見を拝聴いたしました。たとえて申しますれば、瀬戸内海に橋をどういうふうにかけるかということについても、それぞれの立場の人が一堂に会して、それぞれの御意見をお述べになりました。これを伺い、また同時に現地で親しく実情を拝見いたしまして、そうして私かねて考えておりますところを申し上げて御了解を願いました。また両岸の開発につきましては、いずれも新産都市の指定その他総合的に政府が従来考えておりましたところ、地元の方々もこれと関連して、道路計画はどういうふうにするかというような御要望でございましたから、先般新聞等にも発表いたしましたとおりに、何といっても瀬戸内を循環する一本の道路は必要であろう。その道路は将来のことにしましても、さしあたって山陽道については、現にあります道路に加えて、今後必ずバイパスを計画して——現に岡山方面においても相当大規模なバイパスの計画をいたしております。これらのバイパス、もしくは広島県の福山あたりを中心にしたバイパスがございます。こういう一連のものをつなぎ合わせれば第二の山陽道ができる、というようなことに考えてやることが非常に必要だろうということを申しまして、その点についても広く御了解願って、現にいまの山陽道の北側に計画いたしておりますものについては、いずれも南側を通して、なるべく海岸寄りに第二山陽道を計画するということについても、総合的に御了解願うようにいたしました。また九州や四国地内におきましても、いま現に計画しておりますものに加えて、海岸の臨海地帯について、将来考慮を払う必要があるだろうということについても、よくお話し合いいたしました。  これを要するに、私は、瀬戸内の将来性につきましては、日本の将来の産業発展、工業発展の意味合いから、非常に重要な地点である、したがって、これに対しては相当に先行投資をしていくべきものである、その際には、地域のことよりも、総合的に沿岸の皆さんがお考えになりまして、十分御協力の上、目的の達成に努力していただくように、ということを申し上げたのでございます。
  75. 井谷正吉

    ○井谷委員 私は、六月の七日だったと思いますが、近畿圏の整備本部が大阪にできますときに、瀬戸内海の開発ということについて大臣にお尋ねしたと思います。そのときに大臣が、どうも地元に、世論といいますか、熱が盛り上がっていないということを言われた。今度のあの催しは、建設省がそうした世論を助けるためにおやりになったか、地元であるのか、どちらかわからなかったのですが、地元の世論でございますね。  そこで、大臣もしばしば申されておりますように、四国からの架橋の問題、それはやはり経済的な現在の段階から、鳴門というわけで、私も非常に共鳴しておるわけでございます。そこで、あの橋ができて鳴門へ上がりましてからの道路の問題でありますが、私は、やはりあれは阿波池田へ出まして、それから東予へ出て——いろいろな建設の図面を見ますと、松山でとまっておりますけれども、あれはやはり松山から佐田岬へ出て、岬から佐賀関に渡って、別府に出て門司に行く、あるいは鹿児島に下へ下がるなり、こうした一つの大きな動脈を抜く、こういう大きな構想でなくては中途はんぱなものになろうと思うのです。これは縦貫じゃない、横断かもわかりませんけれども、ここで初めて四国の開発ができ、その動脈に肋骨が加わることにおいて、山地の開発もできる、これはたぶん大臣もそうお考えいただくだろうと思うのであります。  そこで、問題は、岬から佐賀関へのフェリーボート、前回も申しましたように、道路公団でおやりになるというような話を最初聞いていたのですけれども、ところが、あのときの大臣の御答弁で、公団と同じような条件なれば民間でやらしてみよう、こういうことに承知しておりますが、その後、ちょうどこの間の御会合のあとで、やはり民間説が台頭いたしまして、愛媛県においても、大分の木下さんにおいても、近畿に当たられたらしいのです。近畿の回答としては、八幡浜を起点として佐賀関に行くということを新聞で見たのです。そうすると、こっちのねらっておる基準とは、航路がそれてくる。私はやはり岬−佐賀関間でなければならぬ、短距離でこれを処置して、動脈をほんとうに意義あるものにしたいと思うのです。それが一点と、さらに地方におきましても公団のほうがいいという声もありまするし、そうした場合に、近畿のほうで八幡浜を主張する、こちらは岬間でなければいかぬ、地方でも公団のほうがいい、道路関係があるから、これは国と密接なつながりのあるものがいいという世論があれば、どうお考えになるか。あるいはまた、大分県、愛媛県なりで、県営でやる、あるいは両県が合同で県営でやるというような考え方が出たような場合、こういう場合のお考えをひとつ承りたいと思います。
  76. 河野一郎

    ○河野国務大臣 私は、その節にも申しましたとおりに、全国的に建設省の一貫した方針といたしまして、部分的な民営もしくは県営等でできるものは、なるべく民営もしくは県営でやっていただくようにすることが適当じゃないか。道路公団でやるものは、なるべくこれらのものが扱いかねる大規模のものをやらせることがほんとうじゃないか、こう考えております。したがって、いまの第一順位といたしましては、民営で希望するものがあれば民営でやらせる。ただし、いま両みさき間の連絡に支障を来たすような民営案には私は賛成いたしません。両みさき間にそれだけの輸送物資がない場合に、八幡浜から出かけていって、そうしてこれらのものを運送するというようなことを当分はやるということでありますれば、これもやむを得ぬかもしれませんが、問題は、地元の方の御納得のいくようにしなければいかぬと私は思います。地元の方の御納得がいき、なおかつ民営で計画するものがあれば、民営をとるべきだ。また条件等につきましても、当然、私はむやみに高い運賃でやるというようなことは認めるわけにはいかぬ。そういう場合には、当然県営なり公団営なりに、別途これを認可するということでなければならないと思います。ただどこまでも、申し上げますように、だれがやってもこの程度だということであれば、民営を一番われわれは希望する。それが不十分のものであれば、もしやるものがないとすれば、そういう条件ではやらぬというならば、両県営でやっていただくことが第二次に考えられるのであります。これらがどうしてもできないということであれば、道路公団ということに、順位がなろうと考えております。初めから何でも道路公団でなければいかぬというお考えは、少し飛躍し過ぎはしませんか。なるべく、いま私の申し上げたようなことで足りるならば、やっていただきたい。現に、御承知のように、各県におきまして、それぞれこの私の指導方針によって、県営の有料道路というようなものがたくさん計画されております。私が建設大臣になりましてから、相当に認可をいたしております。こういうようなことでございますから、あの重要な連絡路は、もし民営でやるものがなければ、大分、愛媛、両方とも大県でございますから、この程度のものをおやりいただくことは私は適当じゃないか、こう思うのでございます。しかも地元の金融機関と協力すれば、たいした金じゃないのですから、すぐできると思います。なるべくそういうことでやらしていきたい。それがどうしてもいかぬということであれば、やむを得ぬ公団営ということにいたします。公団のほうは、ほかに幹線道路等、資金もたくさん要るものがございまして、なるべく私はこま切れにして分散して使わすことは避けたい、こう考えております。御了承いただきたいと思います。
  77. 井谷正吉

    ○井谷委員 次に、縦貫の本線ができました場合に、肋骨道路になる地方の主要県道、こういうものの整備が当然行なわれるわけでありますが、この場合に、幅員が四メートル以下、昔のはそういう道路が多いのですが、価値としては非常に重要な場合がある、そういう場合に、やはり四メートル以下でも主要県道に指定されて舗装されるのかどうかということであります。
  78. 河野一郎

    ○河野国務大臣 基本的に、原則としては現道舗装ということを考えております。しかしどうしても現状が、昔はそれでよかったけれども、近所に非常に大きな工場なんかができて、大きなトラックが通るようになった、現状が不備だということであれば、それを改修して舗装する場合もありますけれども、なるべく現道舗装ということで、全国的に普遍的に舗装をまず終わってしまうということでいきたい、こう考えております。
  79. 井谷正吉

    ○井谷委員 それから、四国地方においては、最近観光道路ということをよく言うのでありますが、そうすると、ああいう高知県から松山を越すような谷合いは一級国道、それからまた観光道路、こういうふうになると、一つの山を三段ぐらいにやっていかなければならぬので、ダブる線ができるということもあるわけでございます。たとえば縦貫道路と観光道路がダブる、あるいは県道とそういうものがダブる、こういうような地域、これは非常に狭隘なところだと思うが、これらはどういうふうになるのでしょうか。
  80. 河野一郎

    ○河野国務大臣 重複して道路整備するということはなるべく避けなければならぬと思いますが、新たにそれにハイウエーをつくるといたしましても、これは中間で利用ができません。でございますから、従来の県道なり国道なり、これをそのまま整備するということはやむを得ぬことだと思います。したがって、道路によりそれぞれの目的が違いますから、そういうことはあり得る。しかしそれはケース・バイ・ケースによって処理するということになるだろうと思います。
  81. 井谷正吉

    ○井谷委員 それから最後に、これは広島の永野知事からの要請であったかと思いますが、将来瀬戸内海総合開発委員会の設置について、やはり瀬戸内海開発公団というものがほしいということを、大臣は一体お聞きになりましたか、こういうようなことは考えられますか。
  82. 河野一郎

    ○河野国務大臣 そういう御発言があったことは承知いたしております。しかし、私はまだこの問題について深く検討をいたしておりませんので、別にその際お答えもいたしませんでしたが、まあ委員会をつくってもう少し研究しようじゃないかということを強くおっしゃいました。その結果として、そういったようなものを設けて特別に事業をやらせるようにしたほうがいいではないか、というような御発言でございましたが、またそこまで具体的なケースに至っておりません。私はまだ具体的に研究いたしておりません。
  83. 井谷正吉

    ○井谷委員 終わりました。
  84. 丹羽喬四郎

  85. 兒玉末男

    兒玉委員 大体の内容につきまして、先週、道路局長にお聞きしておりますので、特に問題の重要な点だけ一、三点にしぼって御質問申し上げます。  第一点は、この要綱の第六に書いてございますとおりに、今回一級、二級国道を廃止しまして、現在の一国、二国を一本化するということになっておるわけでありますが、いわゆる一般国道の基準が第一号から四号まで規定されておりまして、現行道路法第六条のいわゆる二級国道の基準というものがそのまま適用されておるわけであります。そういたしますと、今回の道路法改正の意図するところがいわゆる一般国道として整備促進するという趣旨はわかりますが、その基準をなぜ一級国道の基準としなかったのか、この点を道路局長にお聞きしたわけですけれども、私はこのことによって、全体の一般国道の整備というものが、現在までのやり方からすれば基準が低下するのではないか、こういうことを非常に懸念するということを質問いたしましたけれども、局長としては、そういう心配はない、こういうふうに答弁されておりますけれども、これは非常に総延長距離が長くなっておりますので、問題は、予算との関係があるわけですけれども、なぜ基準を二国の基準で設定したのか、これによって全体的な道路整備の水準が低下するんじゃないか、この点について、まず第一点お伺いしたいと思います。
  86. 河野一郎

    ○河野国務大臣 かねて申し上げておりまするとおりに、一国、二国、主要県道、これらを年次を分けて、まずわが国の国内の道路というものは、全部一応欧米並みに舗装して、そして一応の道路としての形式の整うものにいたしたいということを申し上げております。したがって、いまお話しの点もわからぬではございませんが、いまの二国の中にはずいぶんひどいものもございますが、これをひどいなりとは申しませんけれども、とにかく県道にしても国道にしても、早いということが必要だ。そして直すものはあとから直せばいい。とにかく全部一応舗装は済まして、いなかはいなか、都会は都会、とにかく舗装道路だということにすることが先決問題だろうというふうに私は考えます。形式を整えましても、そういうことのためにかえって拘束を受けて、仕事が進まない、そして偏在する。たとえばぱっとりっぱな道路があるが、一歩ちょっと横に入ってみると、同じ名前のものでも実にお粗末で話にならぬというようなことは、適当でなかろうというような意味合いにおいて、なおかつ、しいて申しますれば、ただいまも申し上げましたとおりに、社会的に非常に大きな変遷がございます。道路使用量につきましても、時々変わってまいっております。こういう現実も私は考えてやっていかなければいかぬと思います。ところが、いまここに、国道指定の基準等が、従来列挙されておるものをそのままにしておくのはどうかという御意見、ごもっともでございますけれども、しかし、問題は現実に即して必要度を十分勘案しつつ整備していくということが、私は一番大事だろうと思いまして、国道と名のつくものは、一級とか二級ということで分けないで、どこまでも現実に即して、いままで一級であったから一級の済むまではやらないということではなしに、現実に即して、必要の多いものからどんどん片づけていくということでいくべきだ、こういうような意味合いで、今回の改正を——何と申しますか、率直に申し上げますればそういうことでございまして、これを法律にとらわれ、条件にとらわれますと、いまのような点について御意見が出てくるかもとれませんが、行政を運用いたします場合には、いま私の申し上げましたような精神において運用してまいりたい、こう思うのでございます。
  87. 兒玉末男

    兒玉委員 第二点で、これは財政負担の問題でございますけれども、きのうの連合審査会でもかなり意見が出たわけですが、この点、先週の私の質問で一番問題となりますのは、現在までの二国が一国並みに統合されますけれども、この中において、当分の間、その行なうべき国道の新設または改築を都道府県知事または指定市の長に行なわせることができる。自主的に管理権は大臣の権限になりましたけれども、当分の間、いま局長の答弁によりますと、三年ないし五年間はやはり都道府県知事が大体管理をせざるを得ないだろう、こういうふうな答弁でありますが、実際にこのことによって、管理権は上に上がりましても、現在の二国の維持修繕等の経費というものは、その地域地域の状況も違いますけれども、相当の経費負担していかなければいけない。全額の負担が困難にしましても、管理権が大臣に移管された以上は、当然この間における維持修繕等の財政的な助成措置というものを考えるべきではないか、この点を指摘しましたが、結局内容というものが明確に把握をせられてない、言こういうことで、その困難性を答弁されたわけですけれども、少なくとも管理権が大臣に移管された以上、そういうような財政措置というものは当然考慮するのが妥当だ、私はこういうふうに考えるわけですが、この点について、財政措置に対して大臣の見解を承りたいと思います。
  88. 河野一郎

    ○河野国務大臣 どうも私もいまわからぬで、事務当局に聞いたわけですが、道路の管理権というものは一体どういうものだろうか。管理の義務ならわかるけれども、何か、管理することによって権利が生まれてくるかどうか。いま言ったとおり、維持補修をしなければならぬ義務がある。義務はたくさんあります。しかし、これを管理することによって、何か権利があるだろうか。これはバスの認可をする、何をする、これは運輸大臣がやっておるのであります。別に建設大臣が管理権を持ったから、その管理権によって——何か管理権、管理権と言うと、非常に何か、こう字に書くと、そこにやかましい権利でもあるように見えますけれども、義務以外に何があるだろうかという気持ちが私はします。そういうことで、管理権を建設大臣が、おまえとったじゃないか、とるものはとっておいて、やるのはやらぬのはひどいじゃないかという御議論は、いま言うようなことで、河川法の場合には、水利権がどうだとか、それからいろんなことがあると思います。これはこれでこれなりに必要性があって、私は強く河川の管理については固執いたしますけれども道路についてはいま申し上げるように、設計について指導するというようなことがおもなものだと思うのです。一番私が期待するのは、そういうものでございます。いま申し上げますように、前回の委員会においても強く御主張のありましたとおりに、維持補修というようなもの、これはいずれも非常に大きな負担だと思う。その負担を一体どうするかという問題になると思う。したがって、これは今後、中央と地方負担率等につきましては、申し上げるまでもなく、これは完全に一応補修され、舗装されて近代化された道路になりますれば、維持管理につきましても相当に負担が減ってくる。ところが、従来の道路でありますれば、維持管理には非常に負担がかかる、こういうことでございます。そうすると、往々にして貧弱県、貧弱な都市においてそういう道路が多いということになります。したがって、それらは全く相矛盾した事態が起こってくるわけでありますから、これらについて特に考慮する必要があるだろうということを、前会も私は申し上げたわけでありまして、これらについて、委員の各位から強く御要望になることについては、まことに同感でございます。したがいまして、なるべく明年度予算の編成等につきましては、また今後の道路問題の検討につきましても、注意をいたしまして、なるべく御期待に沿うように努力をいたしたい、こう考えます。
  89. 兒玉末男

    兒玉委員 いまの答弁については、若干私もまだ申したいことがありますけれども、最後の御返事で、大体了解することにしたいと思います。  第三点といたしまして、これはこの前の本会議の私の質問に対して、大臣は答弁をされなかったので、特に局長から詳細聞いたわけですが、車両制限令の附則三項による期限が七月末日で切れるわけです。そうしますと、当然これは大型バス、路線トラックは別ですけれども、相当、地方なり都会の旅客輸送に重大な支障を与えるわけです。この点について、一応局長としては、三十九年度の予算において、関係するキロが二千キロ、それの整備に要する費用は百十億、こういうことを答弁されましたが、問題は、車両制限令の緩和に関するこの附則の三項の期限を、やはり延長しなければいけないと思っております。この点について、特に最高責任者である大臣の見解と、それから一年間の延長で、二千キロ、百十億の予算で、地方の要請なり、あるいは東京の場合もそうでございますが、できるかどうか、この点を責任ある立場から、御答弁願います。
  90. 河野一郎

    ○河野国務大臣 御指摘のように、この車両制限令につきましては、十分検討いたしまして、無理のないように、必要な期間の延長をいたす所存でございます。無理のないように、必要な期間だけ延長をいたします。延期をいたします。そうして、その間に所要の予算をもって改善すべき点、補修すべき点については補修をして、実施をするということにいたしたいと思います。
  91. 兒玉末男

    兒玉委員 最後に、特に、先ほども運輸省国鉄、民鉄部長を呼んで質問をしたのですが、交通安全に関する諸規定整備ということが今回の道路法改正の特徴でございますが、運輸省見解等を聞きまして、非常に問題があるのは、踏切道改良について、国道等の場合はそんなに問題ないとしましても、特に主要府県道あるいは地方道等改良の場合、地元鉄道側との負担の割合において、非常に問題の難航している個所が多くて、地方自治体財政上の問題として困難が伴っているのです。これに対して、道路行政の一環として、地方自治体分担についてある程度財政的な措置を講ずることが、今後の踏切道改良促進するのに——特に国鉄等の交通事故は、踏切に関する事故が八割以上を占めているのですから、こういう点から、そういう踏切改良等に関する地方道等費用について、やはり何らかの考慮を願うべきではないか。まずこの点について、特に交通安全に関する問題でありますので、お聞きしたいと思います。
  92. 河野一郎

    ○河野国務大臣 私も、実は建設大臣になりましてから、同じ政府の中のことについてとやかく言うことは不謹慎かもしれませんが、どうも鉄道のほうがおそくてしょうがない。一緒に歩こうたって、なかなか手間がとれる。そこで、くだらぬ議論のようですが、日本を半分に分けて、半分は鉄道責任、半分は建設省責任で、そして、この問題を、責任の帰趨を明確にしてやろうじゃないかという提案さえ、私はしたことがある。しかしまあなかなか鉄道のほうがおいそれというて返事をされない。私はいまつらつら考えますのに、交通の問題、運輸の問題を考えますときに、この段階までまいりますると、従来のものの考え方で、鉄道道路関係、港湾の関係を考えることは適当でない。たとえて申しますれば、戦時中に、あの非常に大きな事件、ものを解決しなければならぬという立場から、それまで港湾関係は土木のほうでやっておったものを、軍の強力な支援のもとに、これを運輸省のほうに編成がえしておる。この編成がえは、戦争中輸送の一貫性ということからおやりになった。私は、これは悪いとは言いません。しかし平時の今日になり、しかも道路輸送が今日のように盛んになって、鉄道と船との関係ということになりますと、鉄道で輸送した物資が船にどの程度に乗り込んでいくかということになりますと、非常に統計は変わってきております。そういうふうに時代の変遷があります。こういったものを一ぺん根本的に調整をしなければいかぬのじゃなかろうかということも、実は考えております。したがって、いま御指摘のような、踏切事故が非常に多い、踏切の問題の改善が一番おくれておるということは、そのとおりでございます。これらは、運輸省との間に、近き将来において抜本的にひとつ調整をする必要があると思っておりますので、御指摘の点については、あわせて私はこれを取り入れまして、ひとつ十分検討さしてみたい、こう思います。
  93. 兒玉末男

    兒玉委員 やはり交通安全に関することで、これは一ぺん全国交通運輸労働組合の代表をまじえて、特に大臣と面会して御相談をしたことがありますが、この点を特にこの機会に要望申し上げ、大臣の見解をお聞きしたいと思っております。特に最近の自動車事故がどういうところに基因しているか、ということで組合がつくった事故白書によりますと、多くの点がありますが、特に主要な点を申し上げますと、道路の施設に関連する問題として、第一に、主要な道路は必ず歩道をつくってもらいたいということ。それから歩道と車道を明確に区分をして、そうして歩道の部分を車道の部分よりも高くして、交通事故を未然に防ぐようにしたい。そのほかガードレールなどの安全施設をできるだけ設置をするべきだ。さらには先ほど申しました交通量のひんぱんな地域における鉄道道路立体交差促進、それから特に横断歩道において学童等の死傷事故が多いわけですが、この点はやはり自動車のストップ線と横断歩道の距離が少し短か過ぎる。これを現状よりももう少し間隔をおくべきじゃないか。同時に、特に横断歩道の非常に量の多いところは、いわゆる直接平面交差ではなくして、陸橋等をつくるというような措置を講ずべきではないか。もう一つは、道路標識等が不明瞭であるために事故が発生する危険が非常に多い。その点で、特に標識と信号等が、その周辺に多くの広告がはんらんしているために、運転者がそういう標識を見誤る、こういう点は当然、交通量の多い地域については、広告等の規制をして、道路交通に関するこのような標識、信号等が明確に認識されるような、そういう方向にやはり規制をしていくべきではないか。なおまた深夜などの交通量の多い地域においては、点滅信号等の設備をもう少し拡充すべきではないか、こういうふうな非常に建設的な意見が出されておるわけでございますが、こういうような点について、特にこれは道路管理当事者として、今後の道路整備法律改正を通じて、積極的な施策を進めていくべきだと考えるわけでございますが、この点は自動車関係交通労働者の切実な要望でございますので、最後に、ひとつ大臣の見解を伺いまして、私の質問を終わります。
  94. 河野一郎

    ○河野国務大臣 先般、ただいまお述べになりました御注意をちょうだいいたしまして、即刻下僚に命じて検討をいたさせております。私もこれを拝見いたしまして、いずれもごもっともな御意見であると考えております。しかも、ごもっともだけでなしに、すぐ実行しなければならぬ点が多いと考えております。きょうは、はっきりお答えします。さっそく地建の道路課長、部長、これを招集いたしまして、ただいま御指摘になりました点について命令いたします。そうして、御期待に沿うように必ず実行させますということを、ここに明らかにいたします。
  95. 丹羽喬四郎

  96. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 河野建設大臣に一、二お尋ねを申し上げまして、私の道路法改正案に対する最後の締めくくり的な質問にしたいと思っております。  改正法の、新たなる国道の基準の点につきまして、法律案の内容によりますと、「国土の総合的な開発又は利用上特別な建設又は整備を必要とする都市と高速自動車国道又は第一号に規定する国道とを連絡する道路」、第一号を申しますと「国土を縦断し、横断し、又は循環して、都道府県庁所在地その他政治上、経済上又は文化上特に重要な都市を連絡する道路」、こういうことになっておりますが、この国土の総合的な開発または利用上特別の建設ないしは整備を必要とする都市と連絡する道路、こういうふうにありますが、これはたとえば近畿整備圏の関係をもっていたしますと、過般瀬戸内海の開発につきまして、何かと重要な会談が行なわれたようでありますが、そういったことも背景といたしまして、例を近畿整備圏にとってみますと、整備圏における整備の建設計画であるとか、あるいは開発の建設計画、そういったものとの関連で、この基本をつかむ、こういうことになってもよろしいのでしょうか。そこはどのような構想が、いま申し上げた基準として指摘せられておるのでしょうか。あるいは事務的でしたら、局長のほうからでもけっこうですが、その点はどんなものでございましょうか。
  97. 尾之内由紀夫

    ○尾之内政府委員 ここにいっております「国土の総合的な開発又は利用上特別の建設又は整備を必要とする都市」といいますのは、たとえば全国総合開発計画でいいます開発の拠点都市、または新産業都市、あるいは工業整備特別地域等を一応考えております。こういうような特別の法律によらないものもあろうかと思いますが、おおむねそういう新たに開発されるべき都市というものを考えておりますので、これはここに、そういう都市について検討し、必要に応じまして審議会等にかけてきめていく、こういう手続をとる予定でございます。
  98. 丹羽喬四郎

    丹羽委員長 吉田委員に申し上げますが、お約束の時間の制限がございますので、できるだけ大臣に、集約的にひとつ御質疑を願いたいと存じます。
  99. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 承知いたしました。そこで大臣に伺いますが、いまの点は、特に近畿圏におきましては、かなり広範な総合開発がおそらく計画されていくだろうと思います。といたしますと、従来非常に重要な幹線でなかったところにも、あるいは重要道が設定されるであろう。あるいは日本海と瀬戸内とを貫くようなもの、まああの辺について見ますると、そういう路線が出てくるのでありますが、横には下関から吹田までの中国縦貫自動車道路もできますし、というようなことで、幾多のそういう構想がかなり練られてくるであろうと思う。そのような場合には、やはりその地方の開発の計画の当事者と、それからこれは政令で定めるようでありますから、政令指定の際における資料として、もしくは手続として、これらの立案者等との協議とか、そういうことをやはりなさるということにはなるんでございましょうかね。
  100. 河野一郎

    ○河野国務大臣 近畿圏の場合を例にとってお話しでございますが、私は近畿圏の整備長官といたしまして、十分近畿圏の所在の委員の方々の御意見を拝聴し、もちろん、御承知のとおり、この審議会の議を経て決定いたします。したがって、地元の御意見は十分これに盛り込まれると思います。盛り込まれてまいりますものは、いまこの法案に規定いたしますものに背反するものがそこに出てくるとは、私は考えられません。いずれも重要な産業開発その他地方の開発に必要なものということで、これらの規定に合致していく。しかもそれは、中央的な立場に立って、審議会等においてきめるということになりますが、その間に、万々一矛盾とかもしくは撞着する場合ができますれば、その調整は建設大臣において、もしくは近畿圏整備長官において十分地元の御納得を得、御了解を得て、これを調整して、最後の決定をするということにいたしてまいりたい、こう思います。
  101. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 大臣は近畿圏整備の長官でもおありでありますから、特にいろいろな機会において地方意見を代表する者から、諸般の事情、意見等を徴しなさる機会もあるわけでありますが、この際は、たとえば二府六県を代表する知事などの意見を聞いて、そしていまの新たな国道として指定する、つまり政令を出すようなそういう際に、知事意見などは、審議会はありますけれども、聞くというような方法はおとりになるのでしょうか。これはどんなものでしょうか。
  102. 河野一郎

    ○河野国務大臣 まず第一に、審議会の中には委員知事さんの代表者がなっておられます。しかし代表といっても、一々それが各県に連絡するわけではないかもしれませんが、一応形式としては、そういう順序を踏んでいるわけでございます。近畿圏の場合には、御承知のとおり、県の議長さんなり市長さんなり知事さんなりが、大体あの法律によって委員になっていらっしゃいます。したがって、これらにおいて十分審議をしていただいて、結論が出てまいる、こういうふうに考えます。むろん私のほうで案はつくりますけれども、これを近畿圏の審議会にかけて、そしてそこで決定を得てきめてまいる、こういうことでございますから、御意見は十分拝聴してやる、こういうことでございます。
  103. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 なお、この国道と、国道でない広い意味地方道との扱いの問題でありますが、これはさきに道路局長からは、両者優劣はないというようなお話でありました。ただ、この際考え方といたしまして、どうしても社会的、常識的な、もしくは経済的、産業的な重要度というものは、国道が優先するということに一応なりますのと、一般的な法律の、もしくは政策のたてまえといたしましても、そういうふうになっておりますことと、それからまた財政力、負担能力から見ましても、地方は次第に先細りになって負担力が弱っておりますことと、こういうふうに考えるのですが、これは非常に素朴な、私の意見としての御質問になるかもわかりませんけれども、ひとつ抜本的に、全体として国土の有効適切な開発とか、あるいは総合施策とか、こういった雄大な背景のもとに、新たなる道路政策が実行されようとするその法律一つでありますので、こういう観点からしますと、大動脈であろうと、あるいは末端の毛細血管でありましょうと、その間に物理的な重量感等による優劣を考えるというような考え方を一ぺん捨てて、やはり——事務なら別です。しかしこれは政治であります。ほんとうに生きた政治でありますから、暗い谷間のような立場にある、道路の毛細血管的な土地に置かれておるような、そういう方面をできるだけ重視するという考え方に立つことはできないものだろうか。しかもこれは財政負担の度合いから申しましても、一挙手一投足によって、広い分野のそれが充たされるということにもなりはいたしますので、私は、政治のたてまえからいたしますと、そういう点につきましても、形式論的な考え方でなしに、根本から、末端こそ大事にすべきだというふうな方向に、道路国策は遂行していくべきではないかと考えておるのですが、その点、大臣のお考えはどんなものでございましょうか。
  104. 河野一郎

    ○河野国務大臣 お述べになりました点につきまして、私も御異存はございません。ございませんが、ただ何にいたしましても、年々限られた予算で、これを実行してまいるわけであります。限られた予算で実行してまいるというのでございますから、当然年を追うていま御指摘になりました方向にいくことは間違いないと思いますが、扱います場合には、やはり国家的重要度、もしくは地方の問題にしましても、地方的な幹線、交通量の多いというようなものからやってまいるということは、これはやむを得ぬじゃなかろうか、こう思うのでございまして、お話しになりました点について、お気持ちは私は十分尊重していきたい、こう考えます。
  105. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 なお、その点につきまして、私は補足的に申し上げますと、非常に大きな財政投資をして事業をやっておりますときには、よほど注意しませんと、かなりのむだが出る危険もございます。したがって、われわれのかねがね心配いたしております中央偏重になりはしないかということもありますので、わずかなことで地方が潤うということになるのでありますから、その点はやはり厳に計画にそごがないように、五カ年計画なら五カ年計画というものが——まあ過去の実績、経過を聞いてみますと、かなり順調に計画が進められておりますので、この点は意を強うしたのでありますが、しかし同時に、輸送量もずいぶんと変わってまいっておりまするし、経済の進展に伴いまして、新しいいろいろな道路需要が生ずるかもわかりません、こういうふうに存じますから、でき得る限り、この将来の計画は、あまり長い計画でなくして、比較的短期な、確実な、最も有効な道路計画を立てるというふうにして、いやしくも手直しなどをしないように、根本的な変更などがないように、こういうことに、どうかしてありたいものだということを切実に考えておるのであります。そういうむだがもしありますると、むだによって地方が犠牲になることはこれは甚大であります。こういうふうなことを考えますので、これらの点につきまして、あやまりはないかと存じますけれども、特に私の愚見を申し上げまして、将来の道路計画のあやまりのないことを期していただきたいと思いますので、最後に、大臣のその辺についての御所見を伺って、私の質問を終わります。
  106. 河野一郎

    ○河野国務大臣 ただいま御注意いただきましたのは、いずれもごもっともなことでございまして、私といたしましても、できるだけむだな投資をしないように、努力をいたしておるつもりでございます。なお今後におきましても、十分注意いたしまして、先ほど来申しておりますように、一方におきましては、現にあります道路についての舗装を進めていく。新しいものについては、あまり先走ったことはいたさぬで——研究はいたします、調査はいたしますが、実行する場合には、御指摘になりましたように、十分勘案いたしまして、間違いのないようにやってまいりたい。
  107. 丹羽喬四郎

    丹羽委員長 他に質疑の通告もありませんので、本案に対する質疑はこれにて終局するに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  108. 丹羽喬四郎

    丹羽委員長 御異議なしと認めます。よって、本案に対する質疑は終局いたしました。     —————————————
  109. 丹羽喬四郎

    丹羽委員長 この際、瀬戸山三男君から発言を求められておりますので、これを許します。
  110. 瀬戸山三男

    ○瀬戸山委員 これから私が申し上げることは、まことに老婆心にすぎないと思いますけれども、大臣に御要望を申し上げる意味で、申し上げます。  と申しますのは、今度の新潟の地震のことでございますが、まことにたいへんな惨害でありまして、その災害地の方はお気の毒にたえないと思っております。大臣は、新潟地震の対策本部長として、いろいろ御心労を願うことになっておりますが、明敏で果断な大臣のことでありますから、私からいろいろ申し上げる必要もないと思いますが、どうかひとつ、それこそ果断な措置をもって、御対策を願いたい。  そこで、私がここでぜひ大臣に御要望申し上げておきたいことは、実は私も、例の大正十二年の関東大震災に、東京におりまして体験をいたしております。最近の日本の林立する高層建築、それから特に、このごろ道路がいわゆる高架道路になっておる、あるいは近代的長大橋ができる、こういうことについて、一朝たとえば関東地震があったならばどういうことになるだろうかということを平素心配をいたしております。そこで、非公式でありますけれども、たとえばいま着々進められておる高架高速道路、こういうものについて、専門家は、一体関東大震災、あるいはそれ以上のことがあるかもしれませんけれども、経験からいって、私ども技術者じゃありませんからわからぬが、だいじょうぶなのかということを聞いてみたことがあります。私らもそういう点は勘案をして建設をしておるから、だいじょうぶです、——もちろんそれは専門家は慎重に検討してやっておられることと信頼はいたしておる。ところが、今度の新潟地震を経験いたしてみますと、もちろん新潟は、御承知のように地盤の比較的悪いところであります。でありますから、そういう事態になったとは思いますけれども、長大橋が無惨にこわれておる。また中高層のビルが非常に無惨な倒れ方をしておる。これを見ますると、必ずしも安心がならないような気がいたすのでございます。そこで私が非常に気になりますのは、民間で大中のビルを建てておるのは、関東大震災のときの丸ビルなどの状況を見ますると、それほど心配はないと思いますけれども、公団等でやっておりまする林立するいわゆる団地住宅、このごろ建築基準を改めましてまた高くなりますが、ああいうものには予算の制約がありますから、なるだけ手を抜くというとおかしゅうございますが、金をかけないでやろうという部面がありはしないか。一朝今度のような地震がありますと、たいへんな惨害を起こすという気がしてならないのです。こういう点は、もちろん専門家はいろいろ検討しておるとは思いますが、たとえば晴海団地のようなものは最も地盤の悪いところであります。しかも、あそこは相当基礎工事に金をかけたということを承っておりますけれども、どうかひとつ大臣、この際、専門家の諸君に一そう注意を払うように、今度のあやまちを再び起こさぬようにということを御注意願いたい。もし御感想がありましたら承っておきたい、こういうことであります。
  111. 河野一郎

    ○河野国務大臣 適切な御注意でございまして、私といたしましては、かねて関東大震災の例もあることでございますから、東京もしくは大都市における建築物等につきましては、特に注意いたすようにいたしておりますけれども、今回の新潟地震の例にかんがみまして、さらに一そうの注意をいたす必要があるであろうと考えます。したがいまして、いま御指摘になりました団地につきましては、特に注意をいたしてまいるようにいたしたい。建設省関係全体のそれぞれのものに対しまして、特に注意をいたすように、さっそく処置いたしたいと思います。
  112. 丹羽喬四郎

    丹羽委員長 次会は明十八日、午前十時三十分から委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時五十八分散会