○河野国務大臣 御承知のように、先般の瀬戸内懇談会は、従来、沿岸の諸君が、それぞれの立場において、それぞれの企画を立てられまして、それぞれの
地域的な要求をしておられますものを、私は適当でないとは申しませんけれ
ども、調整をして、これを総合的に一本のものにまとめるほうがよかろうというような配慮をいたしておりましたところが、たまたま
地元においてその
計画を立てられましたので、これに参加をいたしました。そして各方面からそれぞれの御
意見を拝聴いたしました。たとえて申しますれば、瀬戸内海に橋をどういうふうにかけるかということについても、それぞれの立場の人が一堂に会して、それぞれの御
意見をお述べになりました。これを伺い、また同時に現地で親しく
実情を拝見いたしまして、そうして私かねて考えておりますところを申し上げて御了解を願いました。また両岸の開発につきましては、いずれも新産都市の指定その他総合的に
政府が従来考えておりましたところ、
地元の方々もこれと
関連して、
道路計画はどういうふうにするかというような御
要望でございましたから、先般新聞等にも発表いたしましたとおりに、何といっても瀬戸内を循環する一本の
道路は必要であろう。その
道路は将来のことにしましても、さしあたって山陽道については、現にあります
道路に加えて、今後必ずバイパスを
計画して——現に岡山方面においても相当大規模なバイパスの
計画をいたしております。これらのバイパス、もしくは広島県の福山あたりを中心にしたバイパスがございます。こういう一連のものをつなぎ合わせれば第二の山陽道ができる、というようなことに考えてやることが非常に必要だろうということを申しまして、その点についても広く御了解願って、現にいまの山陽道の北側に
計画いたしておりますものについては、いずれも南側を通して、なるべく海岸寄りに第二山陽道を
計画するということについても、総合的に御了解願うようにいたしました。また九州や四国地内におきましても、いま現に
計画しておりますものに加えて、海岸の臨海地帯について、将来考慮を払う必要があるだろうということについても、よく
お話し合いいたしました。
これを要するに、私は、瀬戸内の将来性につきましては、日本の将来の産業発展、工業発展の
意味合いから、非常に重要な地点である、したがって、これに対しては相当に先行投資をしていくべきものである、その際には、
地域のことよりも、総合的に沿岸の皆さんがお考えになりまして、十分御
協力の上、目的の達成に努力していただくように、ということを申し上げたのでございます。