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西村(関)
委員 いままで、問題点について、また
法律論の立場から、各
委員からの
質疑が続けられてまいりましたし、また、大臣及び
政府委員等におかれましても、それぞれ熱心な
答弁がございましたから、一応問題点の把握について、また
政府当局の、
近畿圏整備本部の
考え方については、一応了承をいたしておるのでございますが、この機会に、長官に対しまして、三つの点について、お伺いをいたしたいと思うのでございます。現内閣の有力な閣僚の一人であられる、将来は総理にもおなりになる河野さんに対して、日本の国をどう料理していくか、
国土をどのように
建設していくかという大所高所からのお
考えの中で、
近畿圏の問題をどう取り上げておいでになるかということでございます。そういう立場から、三つの点をお伺いいたしたいと思うのでございます。
第一点は、長官もしばしば述べておられますように、今度の
関係二
法案については、地元の要求もあって、これにこたえるために、
法律をつくって準備をしておかなければいかぬ、
近畿圏の各
地域のニードから、必要に迫られて、むしろ受け身の立場でこの
法律を出すんだ、というような御見解がございまして
——これは、私はどちらでもいいと思うのであります。いずれの
法律にいたしましても、
地域住民、国民のこれを必要とする要求と、また
政府当局が
考えるところの
考えとが一致しなければ、そこにずれがありましては何にもならぬのでございますから、そういうことはどちらでもいい。私は両方とも
意味があると思うのでございます。この
近畿圏の問題につきましては、長官もしばしば述べておられますように、これは人口稠密な
大阪中心のものではない。この人口稠密な地帯についてこれをどうするかということも
考えるし、都市の
整備の点についてもそういう見地から取り上げるが、同時に、近郊
地域の奥地の
開発についてもあわせ
考えていくんだ、そういう都市と近郊とのアンバランスをなくすることを頭に置きながら、全体として、近畿は
一つだという見地から、すべての問題を取り上げていくんだ、こういう御見解でございまして、この点は私もきわめて
賛成するところでございますが、そういう立場から
考えまして、また先ほどの御
答弁の中にございましたように、
道路が中心だ、
道路網を
整備拡充していくんだ、
道路のつくところに、文化も
経済も政治も、そこに大きな
発展をしていくんだ、まず
道路だということで、五カ年
計画をお立てになっておられる。約五兆の予算の見通しで五カ年
計画をやっておられる。そういうこともきわめて適切、妥当な
考え方であり、やり方だと思っておるのであります。名神
高速自動車道路がほとんど完成いたしまして、近畿の様相は一変いたしました。確かにいままでの感覚をもって近畿を
考えることのできないような状態になっております。それに伴って、政治のあり方も、
大阪府は
大阪府、京都府は京都府、滋賀県は滋賀県、
兵庫県は
兵庫県というような、各
府県それぞれの立場だけでは政治ができない。もちろん
地方自治体の自主性というものを尊重していかなければならぬことは言うまでもございませんけれども、近畿は一体という見地に立って、それぞれの自治体の自主性を尊重し合いながら、そこに高度な政治施策を行なっていくというところに、
近畿圏整備法のたてまえがあると思うのでございます。そのたてまえに立って、今度の
関係二
法案が提出されておると思うのでございますが、先ほど、奥地の問題も、
道路を中心として
開発していくんだというおことばがございました。また、長官がお述べになりましたおことばの中に、
首都圏の場合は目が
一つだけれども、
近畿圏の
整備の場合においては目が幾つもあるというようなことも言っておられるのでございまして、そういうところをどのように補整していくか、均衡ある
整備開発をどのように行なっていくかということが、
地方のニードでもありますが、またこれを
整備しながら、大局的な見地から、国の責任ある地位にある政治家として当面
考えていかなければならぬところであろうと思います。そういう立場から、
一つの例といたしまして、私は、御承知のとおり滋賀県の選出でございますが、必ずしも滋賀県の立場だけを重点的に取り上げてお伺いをしておるのではございません。琵琶湖の水は滋賀県だけの水ではない。これはやはり日本の文化や
経済の
発展のために、また
住民の福祉のために、天から与えられておるところのものでございます。私は滋賀県だけの立場に立ってものを言うつもりはないのでございますが、また同時に、下流の
大阪中心の立場に立って、滋賀県の水を取り上げられるということになりますと、これはまた片手落ちのうらみがなきにしもあらずだと思うのでございます。近畿は一体という立場に立って、
一つの例として、私は申し上げておるのでございますが、この琵琶湖の水の問題をどのようにお
考えになっておられるか。
工業団地を
考える場合、和歌山から堺に及ぶところの新しい
工業団地には水が要る、また膨張しておるところの都市の人口をささえるためには飲用水としての水が要る、そういう立場から琵琶湖の水が非常に重要視されるということは言うまでもございません。また治水の立場から申しましても、琵琶湖の水位をどこに抑えるかということはなかなかむずかしい問題で、下流と上流との利害が相反するというような問題がしばしば起こってくるのでございますが、こういう問題を大所高所から処理し解決をしていくのが政治の使命だと思うのでございます。こういう見地から、どのように琵琶湖の水を今後処理していくことが正しいとお
考えになるか。この
近畿圏整備の問題と関連をいたしまして、
地域差の是正をはかっていくというたてまえから
考えまして、たとえば琵琶湖の水の問題についてどのようにお
考えになっておるか。また、水の問題を
考える場合には、どうしたって水資源の保全涵養ということがなおざりにされることはできないと思うのでございます。ただ水だけとればいいというのではなくて、琵琶湖に注ぐところの各河川の上流にある水資源の涵養林の造林
計画等の
関係もございますが、こういう点とも関連をいたしまして、
地域差の是正、均衡あるところの
開発計画というような点について、長官の御所信をまずいただきたいと思います。