○
八木(一)
委員 いまの
大臣の御答弁は御答弁として伺っておきますが、非常にダイナミックな政治家である
大臣は、ほかの点ではダイナミックかもしれないけれども、この点についてはちょっと消極的過ぎる。というのは、片一方、工場や何かのものの
法律はできているわけです。それに対して不均一課税をしたときの補てんとか、国有財産の何とかとか、鉄道を敷く資金のあっせんとか、積極的な
規定があるわけです。こっちがなければ、そしてそれならば、地方としては、民族将来の大計もあるけれども、毎日の経済の発展ということも考えるから、こっちのほうに入れば、そこでいろいろ工場が入ってくる。地方公共団体にしたら、地方税が増収をする、回りの人とすれば、そういうことで商売が繁盛したり工場がふえるだろうという期待も持つということで、工場を引っぱりたいという気になるわけです。そこで片一方の保全
地域をしたときにも、金の面その他の面で同様の
政府の裏づけがなければ、どうしてもこの
計画のときにたとえ緑地がこわれても、たとえ文化財が
あとで発掘ができないような状態になろうとも、工場を引っぱったほうが得だ、住宅を引っぱったほうが得だということになって、これは
審議会で審議をし、本部で十分検討され、
国会でも
内容について質問をするとしても、現地で目の前の自分たちの商売の繁盛のために、工場が来たほうがいいというような気分になって、それに地方公共団体も支配されて、
近畿圏全体の、あるいは日本全体の将来の大計を誤るおそれがある。誤らせないようにするために、保全
区域にも、工場を引っぱることと同様に国が対処をしないと、
あとからでは間に合わなくなるわけです。その
意味で、同時にやっていただきたい。文化財保護法や、自然公園法や何かあります。ありますけれども、文化財保護法というのは、そこにもいっているけれども、日本の非常に豊富にして貴重なる文化財を守るためには、ほんとうにちょっとしか役割りを果たしていない。その
規定をフルに動かしても、たとえば何といいますか、環境保全のためにいろいろ持ち主のほうが損害を受ける。その損害の補てんをするためには、通常生ずべき損害を補償するということが最高度に発揮されて、それだけなんです。通常生ずべき損害ということになると、いまのように
地域開発が盛んになって、土地が値上がりをして、工場ががんがんふえるときに、もしそういうふうにすればもうかるというのを、もうかりそこなったというものを全部補てんすることには、この
法律ではならない。ならなければ、そこでそういうことのほうを考える人が、文化財保護とか、名勝とかがつぶれてもそっちのほうに動きたいということで、どんどんつぶれていくことになる。自然公園法、それから都市公園法にしても、設備費について二分の一の国庫補助があるだけで、その
地域を買い取るだけの国庫補助は片っ方のほうはない。片っ方のほうは三分の一だ。そういうことで、土地が値上がりをしているときに、地方公共団体が三分の二補てんをして、そういうものを買い取って公園にするというようなことも、いまの地方財政の現状ではできないわけです。そういうように、
既存の
法律三つではほんとうに不十分なわけだ。それを直さなければならないと同時に、現に工場のほうについては
法律ができていますから、それによってそういうような古文化財とか、緑地とか、そういうようなものが破壊されるわけですから、片方が発動したと同時に、並んでそのような保全
地域を保全するような、そして合理的な積極的な
開発をするような具体的な対処がなされなければならないと思います。時間がありませんからこっちでしゃべってしまって、
河野大臣のダイナミックなお考えを先に伺ってからと思いましたけれども、時間がありませんので、こっちからしゃべりました。しゃべりましたけれども、そういうことについては、
河野さんは全面的に、先ほどの御発言によれば、御賛成であるとすると、それを実行するために、それを裏づけする
法律を保全
地域についてお出しになる必要があろうと思う。いま出されなかったことについて、私は、よくなければ、いままでの経過についてはとやかく申しません。それを直すために、もちろん当
委員会においても努力をされるでありましょう。それについて直接間接に、
政府のほうは、それを直すような議会の努力について全面的な協力をし、そういうことで問題に対処をしていただきたいと思う。それについての、
河野建設大臣の前向きの御答弁をぜひ期待をいたしたいと思う。